JP4750930B2 - ラッチ錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルを回動することにより解錠するラッチ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ラッチ錠には、円筒ノブ式とハンドル式とがある。円筒ノブ式は実開昭60−121070号公報に開示されているように、「外ノブおよび内ノブに形成したローズ支持筒の内側それぞれに筒状スピンドルを取付け、各スピンドルの外周対向位置にはスピンドルの先端部から軸方向に延びる連動板挿入用の切欠部を形成し、この切欠部に対してラッチボルト作動用の連動板を着脱自在に取り付けた」という構造になっている。
【0003】
これに対して、ハンドル式の場合は、特開平8−74460号公報に開示されているように、「扉を挟む一対の座板を有し、該座板に支持されたハンドルによってラッチを操作するラッチ錠において、深穴を形成した取付脚を複数本突設した座板と、穴を形成した凸部を上記取付脚と対向して突設した座板と、上記取付脚の深穴と凸部の穴とに嵌入する連結ピンを具備した」という構造になっている。
【0004】
ところで近年、扉錠にもバリヤフリーが要求されており、把持しなくてはならない円筒ノブ式から押すだけでよいハンドル式が採用されるようになり、既設のものもハンドル式に変更されることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ラッチ錠を円筒ノブ式からハンドル式する場合、座板を単に円形状にするだけでは変更できなく、内外の座板を互いに連結して扉を挟持していても、座板が廻ってしまうという問題が出てくる。
この座板をラッチ本体に対してネジ止めするということは考えられるが、ラッチ本体の構造が複雑になり、また取り付け作業が極めて困難になる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を総て解決できるようにしたラッチ錠を提供することを目的とする。
本発明は、座板にラッチ本体に係合して相対回動を規制する廻り止め手段を設けておくことにより、座板の廻り止めを簡単かつ容易に行えるようにしたラッチ錠を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、扉2に円形の錠孔3を形成し、扉2端面からラッチボルト4が出退するラッチ本体5を扉2内に埋設し、このラッチ本体5のハブ6を前記錠孔3の中心に配置し、扉2の内外面に前記錠孔3を塞ぐ内外座板7、7を設け、この内外座板7、7を錠孔3内でラッチ本体5の外側に配置される連結手段9で互いに連結し、前記内外各座板7、7に保持されたハンドル10を前記ハブ6に貫通した基軸11に嵌合し、前記内外座板7、7の少なくとも一方にラッチ本体5に係合して相対回動を規制する廻り止め手段12を錠孔3内へ突出状に設けており、
前記廻り止め手段は、前記座板にプレートを設け、このプレートの中央部を切り起こしてラッチ本体に係合する係合片を形成していることである。
【0008】
これによって、ラッチ本体5の構造を変更することなく、座板7に廻り止め手段12を取り付けておくだけで、座板7の廻り止めが簡単にでき、円筒ノブ式からハンドル式への変更が簡単かつ容易になる。また、廻り止め手段12の製作が簡単かつ容易になる。
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記係合片14は、ラッチ本体5の上下面に係合するべく、前記プレート13の中央部を上下各方向に1片又は2片切り起こして形成していることである。
【0009】
これによって、上下の係合片14によってラッチ本体5を挟むので、一方の座板7をラッチ本体5に対して仮止めしておくことができ、座板7の取り付けが極めて容易になる。
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記連結手段9は、両端に雌ネジを形成した雌ネジ管15と、内外各座板7、7を貫通して雌ネジ管15に螺合するネジ16とを有し、前記廻り止め手段12のプレート13は、一方の座板に雌ネジ管15とネジ16とを介して取り付けていることである。
【0010】
座板7に対するプレート13の取り付けを、連結手段9で行っておくことができ、構造が簡単になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜5において、1はラッチ錠で、円筒ノブ式錠が装着されていた扉2に取り付けられている。扉2には、円筒ノブ式錠装着用の円形状の錠孔3が形成され、この錠孔3から扉2内を通ってその端面まで角穴が形成され、その角穴にラッチ本体5が挿入埋設されている。
【0012】
ラッチ本体5は上下面が円弧で断面形状が略四角形になっており、その前端には取り付け板20が設けられ、扉2の端面にネジ止めされており、ラッチボルト4はこの取り付け板20から出退自在になっており、このラッチボルト4を出退させるハブ6は錠孔3と同心に配置され、その内部には四角孔が形成されていて、基軸11が貫通されている。
【0013】
前記ラッチ本体5の内部構造は、従来の最も簡単な構造のハンドル式ラッチ錠と同様であり、突出スプリング19の付勢力で突出し、基軸11を介してハブ6を回転することにより、突出スプリング19に抗してラッチボルト4を後退可能になっている。このラッチボルト4は外側からの押動力によっても後退可能である。
【0014】
扉2の内外面には、円形の錠孔3を塞ぐべく円形状に形成された座板7、7が設けられている。この内外の座板7、7はそれぞれハンドル10を回転自在に有し、連結手段9で互いに連結されている。
前記各ハンドル10は角軸部10Aを有し、この角軸部10Aを座板7に貫通して抜け止め状態に止められており、角軸部10Aが基軸11に嵌合される。この角軸部10Aにはバネ受け体22が嵌合装着され、このバネ受け体22にコイルバネ21が保持されている。
【0015】
前記コイルバネ21の両端は平行に配置され、座板7に形成した受け部7Aに挟むように係合しており、また、コイルバネ21の両端間にはバネ受け体22の折り曲げ片22Aが挿入されている。
従って、ハンドル10を回動するとバネ受け体22が一体的に回動し、折り曲げ片22Aがコイルバネ21の一端を受け部7Aから離すように移動させる。このとき、コイルバネ21の他端が受け部7Aに係合しているので、コイルバネ21をつる巻き方向に変形させ、その変形の復元力がハンドル10に戻り回動力として与えられる。
【0016】
前記連結手段9は、両端に雌ネジを形成した雌ネジ管15と、内外各座板7、7を貫通して雌ネジ管15に螺合するネジ16とを有する。前記雌ネジ管15は扉2の厚さ寸法よりも短く形成されており、ネジ16を締め上げることにより、内外座板7、7が扉2を挟持するように取り付けられる。
前記内外座板7、7の少なくとも一方には、ラッチ本体5に係合して相対回動を規制する廻り止め手段12が錠孔3内へ突出状に設けられている。この廻り止め手段12は、1枚の円形プレート13の中央部を切り起こして、ラッチ本体5に係合する係合片14を形成している。
【0017】
また、プレート13にはネジ16を貫通する孔24が形成されており、座板7及びプレート13に貫通したネジ16に雌ネジ管15を螺合することにより、プレート13と雌ネジ管15とを座板7に取り付け固定するようになっている。
図1〜5に示すプレート13は、中央部に略M字状の切れ目23を入れ、上下の三角形部分を直角に起こし、上下一方に1片、他方に2片の係合片14を切り起こし形成している。
【0018】
上下係合片14間距離は、ラッチ本体5の上下寸法と同一又は僅かに短く設定されている。
図6、7のプレート13の第2の実施の形態は、切り起こし用の切れ目23を幅のある溝に形成し、係合片14の起こし作業を容易にできるようにしている。
図8のプレート13の第3の実施の形態は、切り起こし用の切れ目23を略Z字形状にしたものであり、係合片14は上下各1片ずつ設けられており、第1、2の実施の形態と同様に、ラッチ本体5を上下から挟んで、ラッチ本体5に対して座板7の廻り止めをするようになっている。
【0019】
図9のプレート13の第4の実施の形態は、切り起こし用の切れ目23を略コ字形状にしたものであり、係合片14は上下一方のみ設けられており、ラッチ本体5の上下片面とのみ平行に当接し、その平行な当接によってラッチ本体5に対して座板7が廻り止めされる。
前記ラッチ錠1の取り付けは、ハンドル10を保持した一方の座板7にネジ16を貫通し、このネジ16にプレート13を嵌合しかつ雌ネジ管15を螺合し、これらを一体ものとしておく。
【0020】
前記プレート13の係合片14を扉2の内外一方の面から錠孔3内に挿入しながら、扉2に予め埋設したラッチ本体5の上下面に当接し、座板7を錠孔3の中心に略合わせるように配置する。ラッチ本体5の上下面が円弧形状である場合、係合片14の係合が円滑にできる。
また、係合片14が上下一対ある場合、一方の座板7は係合片14をラッチ本体5に係合した状態でラッチ本体5に保持され、基軸11をハブ6に挿通しながら、一方のハンドル10の角軸部10Aに挿入できる。
【0021】
ハンドル10を保持した他方の座板7を扉2の内外他方の面に近づけ、角軸部10Aを基軸11に嵌合し、その座板7に貫通したネジ16を前記雌ネジ管15に螺合し、このネジ16を締め上げて内外座板7、7で扉2を挟持する。
このように、ラッチ錠1の取り付けにおいては、一方の座板7は、基軸11及びプレート13を介してラッチ本体5に一時的に保持しておくことができ、上下姿勢も略決められるので、他方の座板7を対向配置するのが容易かつ正確にでき、ネジ16を螺合する等の取り付け作業が極めて簡便となり、錠孔3が円筒ノブ式錠を装着してあった円形孔であっても、プレート13がラッチ本体5に係合するので、内外座板7、7は扉2に対して廻ることがなく、ハンドル10の回動操作が正確にできるようになる。
【0022】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、廻り止め手段12のプレート13は内外座板7、7の両方に設けてもよく、連結手段9と別個に座板7に取り付けてもよく、円形のみを示しているが、楕円形、小判形、その他、角形でもよい。また、プレート13は金属で形成されているが、プラスチックで一体成形してもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、錠孔3が円筒ノブ式錠を装着してあった円形孔であっても、プレート13をラッチ本体5に係合することにより、内外座板7、7を扉2に対して廻り止めすることができ、ハンドル10の回動操作が正確にでき、扉2対するラッチ錠1の取り付けが容易になり、円筒ノブ式からハンドル式ラッチ錠に容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】 同断面側面図である。
【図3】 同一部断面側面図である。
【図4】 廻り止め手段のプレートの切り起こし前の正面図である。
【図5】 プレートの切り起こし後の平面図である。
【図6】 廻り止め手段の第2の実施の形態のプレートの切り起こし前の正面図である。
【図7】 第2の実施の形態のプレートの切り起こし後の正面図である。
【図8】 廻り止め手段の第3の実施の形態のプレートの切り起こし前の正面図である。
【図9】 廻り止め手段の第4の実施の形態のプレートの切り起こし前の正面図である。
【符号の説明】
1 ラッチ錠
2 扉
3 錠孔
4 ラッチボルト
5 ラッチ本体
6 ハブ
7 座板
9 連結手段
10 ハンドル
11 基軸
12 廻り止め手段
13 プレート
14 係合片
15 雌ネジ管
16 ネジ
Claims (3)
- 扉に円形の錠孔を形成し、扉端面からラッチボルトが出退するラッチ本体を扉内に埋設し、このラッチ本体のハブを前記錠孔の中心に配置し、扉の内外面に前記錠孔を塞ぐ内外座板を設け、この内外座板を錠孔内でラッチ本体の外側に配置される連結手段で互いに連結し、前記内外各座板に保持されたハンドルを前記ハブに貫通した基軸に嵌合し、前記内外座板の少なくとも一方にラッチ本体に係合して相対回動を規制する廻り止め手段を錠孔内へ突出状に設けており、
前記廻り止め手段は、前記座板にプレートを設け、このプレートの中央部を切り起こしてラッチ本体に係合する係合片を形成していることを特徴とするラッチ錠。 - 前記係合片は、ラッチ本体の上下面に係合するべく、前記プレートの中央部を上下各方向に1片又は2片切り起こして形成していることを特徴とする請求項1に記載のラッチ錠。
- 前記連結手段は、両端に雌ネジを形成した雌ネジ管と、内外各座板を貫通して雌ネジ管に螺合するネジとを有し、前記廻り止め手段のプレートは、一方の座板に雌ネジ管とネジとを介して取り付けていることを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチ錠。
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