JP4750718B2 - 酸性アミノ酸からなる短鎖ペプチドを付加したタンパク質 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質の生体内における骨組織への指向性付与及び血中での安定性の改善に関し、詳しくは、酸性アミノ酸よりなる短鎖ペプチドをタンパク質のN末端に付加することによる、タンパク質の骨組織への指向性付与及び血中での安定性の改善に関する。
アスパラギン酸やグルタミン酸よりなる酸性ペプチド鎖が、骨の成分であるハイドロキシアパタイトと高い結合親和性を有することが報告されている(1, 2)。この性質を利用して、これら酸性ペプチド鎖を、骨粗しょう症等の骨疾患に用いるステロイドホルモン(性ホルモン又はタンパク質同化ホルモン等)に結合させことによりステロイドホルモンに骨指向性を与える技術が報告がされている(特開2000−327583)(3)。また、1分子中にカルボキシル基を3つ以上含むカルボキシル化アミノ酸誘導体よりなるペプチド鎖を、ステロイドホルモン、メトトレキセート、抗癌性抗生物質、アルキル化剤、細胞増殖因子等に結合させて骨指向性の薬物輸送担体として用いる技術が報告がされている(特開2002−3407)(4)。
一方、酵素、ペプチドホルモン等のような生理活性タンパク質製剤は、生体に投与されると一般に不安定であり、酵素分解等により比較的速やかに活性が消失するという問題がある。生理活性タンパク質製剤を生体内で安定させる方法としては、タンパク質にポリエチレングリコールを付加する方法等が知られている(特第2852127号)(5)。
先天性異常により発症する多数の疾患の中に、ムコ多糖症IVA型(以下、モルキオ(Morquio)病A型という。)がある。ムコ多糖症とは、グリコサミノグリカン(以下、GAG)の代謝に必要な酵素の欠損によるライソゾーム病の一群であり、該酵素の欠損の結果として病変部位の組織におけるGAGの蓄積が生じている。臨床的症状は各個人において異なるが、共通して見られる病理学的特徴として、GAGのライソゾームへの蓄積が引き起こす細胞の膨張、臓器肥大、組織破壊および臓器不全が挙げられる。GAGの蓄積は進行性であり、臨床的な症状も慢性的かつ進行性であることが多い。
モルキオ病A型はライソゾーム酵素であるN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼ(以下、GALNSという。)遺伝子の異常により引き起こされる常染色体劣性遺伝病であり、ムコ多糖症IVA型に分類される疾患である。GALNSはGAGの一種であるコンドロイチン−6−硫酸およびケラタン硫酸の硫酸基を加水分解する酵素であり、本酵素の欠損はこれらGAGの組織内沈着、尿中排泄増加を引き起こす。モルキオ病A型の臨床学的特徴は骨異形成であり、低身長、脊椎後側穹、短頸、外反股および関節の過進展などが報告されている。また、角膜の混濁、難聴、心臓弁膜障害なども報告されている。一方でハンター症候群やハーラー症候群など他のムコ多糖症と大きく異なる特徴は、モルキオ病A型患者には精神運動発達遅滞が認められないことである(6)。
現時点ではモルキオ病A型に対する効果的な治療法は存在せず、骨髄移植による骨障害の改善も限定的効果に止まる。したがって、治療の多くは頸椎上部の脱臼を防ぐための整形外科的処置など、対症療法か症状の管理となっている。一方、モルキオ病A型では、顕著な症状が骨および関節に集中していることから、骨症状を改善することが出来れば患者の生活の質を大いに向上させることが期待できる。モルキオ病A型の治療として酵素GALNSの補充療法が考えられるが、天然型酵素を用いた酵素補充療法では、生体内における失活が速く、また成長軟骨を含む骨組織への移行率も低いため、満足な効果は得られないと予想される。
上記背景の下で、本発明の一目的は、患者に投与される酵素等の生理活性タンパク質に、骨組織への指向性を付与して同組織への送達率を向上させることである。
本発明の別の一目的は、患者に投与される酵素等の生理活性タンパク質の生体内における安定性を増大させることである。
本発明者らは、酵素GALNSのN末端に、酸性の短鎖ペプチドを結合させたところ、予想外にもGALNSの生体内での安定性が大きく改善されること、及び、GALNSの骨組織への移行が顕著に認められるようになることを見出した。本発明は、これらの発見に基づいて完成されたものである。
すなわち本発明は、以下を提供する。
1.融合タンパク質であって、生理活性タンパク質と、該生理活性タンパク質のN末端側においてこれに取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなるものである、融合タンパク質。
2.該生理活性タンパク質が酵素タンパク質である、上記1の融合タンパク質。
3.該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、上記1の融合タンパク質。
4.該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、上記1ないし3の何れかの融合タンパク質。
5.生理活性タンパク質の血中から骨組織への移行性を増大させるための方法であって、該生理活性タンパク質を、該生理活性タンパク質と該生理活性タンパク質のN末端側に取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質とすることを含む方法。
6.該生理活性タンパク質が酵素タンパク質である、上記5の方法。
7.該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、上記5の方法。
8.該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、上記5ないし7の何れかの方法。
9.生理活性タンパク質の血中における安定性を増大させるための方法であって、該生理活性タンパク質を、該生理活性タンパク質と該生理活性タンパク質のN末端側に取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質とすることを含む方法。
10.該生理活性タンパク質が酵素タンパク質である、上記9の方法。
11.該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、上記9の方法。
12.該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、上記9ないし11の何れかの方法。
13.N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼと該N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼのN末端側においてこれに取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質を含有してなる薬剤組成物。
14.該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、上記13の薬剤組成物。
15.N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼと、N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼのN末端側においてこれに取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質の治療上有効量をヒト患者に投与することを含む、モルキオ病A型の治療方法。
16.該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介してN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼのN末端に取り付けられているものである、上記15の治療方法。
上記の本発明は、天然型生理活性タンパク質に比して、ヒト等の患者への投与後の血中安定性及び骨組織への指向性を増大させた、生理活性融合タンパク質、取り分け、そのように修飾されたGALNS融合タンパク質を提供すると共に、モルキオ病A型治療に用いることのできる薬剤組成物及びモルキオ病A型の治療方法を提供する。
本発明において、「酸性アミノ酸」とは、グルタミン酸又はアスパラギン酸をいう。本発明において、それらの酸性アミノ酸は、酸性の短鎖ペプチドの構成を目的とするものであるから、短鎖ペプチドの構築において任意の組み合わせで用いてよく、何れか一方のみを用いてもよい。短鎖ペプチドを構成する酸性アミノ酸の個数は、4〜15個であることが好ましく、4〜12個であることがより好ましく、4〜8個であることが更に好ましい。
酸性アミノ酸よりなる短鎖ペプチドは、生理活性タンパク質のN末端にペプチド結合等によって直接連結してもよく、またリンカーペプチドを介して連結してもよい。
本発明において、「リンカーペプチド」は、酸性アミノ酸よりなる短鎖ペプチドを生理活性タンパク質のN末端に連結させる際に便宜上利用し得るものに過ぎないから必須ではない。利用する場合、リンカーペプチドは、短鎖の、例えばアミノ酸15個以下、より好ましくは10個以下、更に好ましくは6個以下のペプチドとすればよく、酸性短鎖ペプチドと生理活性タンパク質との間をペプチド結合で繋ぐアミノ酸1個よりなるリンカーも、リンカーペプチドに包含される。リンカーペプチドは、任意のアミノ酸から適宜構成すればよい。
本発明において、酸性の短鎖ペプチドと生理活性タンパク質との連結方法は特に限定されないが、例えば、短鎖ペプチドと生理活性タンパク質とからなる融合タンパク質を発現する形質転換細胞を作成して利用するのが有利である。
本発明の融合タンパク質は、酸性アミノ酸からなる短鎖ペプチドのN末端に酸性アミノ酸以外の、1個のアミノ酸ないし数個(例えば、3個)のアミノ酸よりなる配列を含んでいてもよい。
本発明の融合タンパク質、特に酵素N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼと短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質は、当業者に周知の薬剤学的に許容し得る基剤中に溶解又は分散させた状態で、例えば、静脈内、皮下又は筋肉内注射や点滴静注等の非経口投与のための薬剤組成物とすることができる。
非経口投与のための薬剤組成物には、それぞれ通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、滑沢剤、希釈剤、吸収促進剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、注射用溶解剤や、pH調節剤等の各種の添加剤を適宜使用してよい。
本発明の融合タンパク質、特に酵素N−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼと短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質は、モルキオ病A型患者の治療のための酵素補充療法において、従来の天然型酵素に代えて有利に使用することができる。治療において、該融合タンパク質は、静脈内、皮下、筋肉内に投与することができる。投与量及び投与頻度は、患者の状態に応じて医師が適宜決定する事項である。
〔発現ベクターの構築方法〕
pCXNベクターは、文献(7)に従って作成したものであり、大阪大学宮崎教授より提供を受けた。天然型ヒトGALNS発現ベクターpCXN-GALNSは、1991年の戸松らにより報告されたものを使用した(8)。N末端に、(リンカーペプチドを介して)酸性アミノ酸よりなる短鎖ペプチド(N末端骨タグ:NBT)を連結させたヒトGALNS(NBT−GALNS)発現ベクターは、pCXN-GALNS をもとに以下の手順で作成した。Fig. 2及び3にその手順を模式的に示す。
pCXN-GALNSをEcoRIにて切断し、ヒトGALNS cDNAを回収した。これを鋳型としてLA-Taq(TAKARA)を用いてPCR反応を行い、5'末端にAgeI切断配列を付加したΔsig GALNSのcDNA(配列番号1におけるヌクレオチド(nt)79-1569。ORF領域から分泌シグナル配列に相当する配列nt 1〜78を除いた配列である。)を増幅した。PCR反応はLA-Taqの使用方法に従い、プライマー1(配列番号2)およびプライマー2(配列番号3)を用いて、94℃30秒、(94℃30秒、60℃30秒、72℃2分)×25、次いで72℃3分のサイクルにてPCRを行った。こうして増幅したcDNAをpT7Blueベクター(Novagen)に挿入してpT7-Δsig GALNSを構築した。
次に、LA-Taq(TAKARA)を用いてPCR反応を行い、5'末端に結合させるN末端骨タグ(NBT)のcDNAを構築した。すなわち、相互に相補的部分を有するプライマー3(配列番号4)およびプライマー4(配列番号5)を使用し、94℃30秒、(94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒)×20、次いで72℃1分のサイクルにてPCRを行った。こうして増幅したcDNAをpT7BlueベクターにクローニングしてpT7-NBTを構築した。
pT7-Δsig GALNSをAgeIとXbaIで切断して回収したヒトGALNS cDNA断片をpT7-NBTのAgeI-XbaI部位に挿入し、pT7-NBT-GALNSを構築した。次に、pT7-NBT-GALNSをBclIで切断後、T4 DNA ポリメラーゼにより付着末端にヌクレオチドを付加して平滑化し、更にXbaIで切断してNBT-GALNScDNAを回収した。
pST-RAP-GUSB(p97シグナル配列を含むベクター。セントルイス大学戸松より供与)をBamHIとXbaIで切断した後、回収したNBT-GALNS cDNAを挿入し、pST-p97-NBT-GALNSを構築した。
pST-p97-NBT-GALNSをEcoRIで切断してp97-NBT-GALNScDNAを回収し、pCXNのEcoRI部位に挿入し、NBT-GALNS発現ベクターpCXN-p97-NBT-GALNSを構築した。該発現ベクターのNBT-GALNScDNAを含む領域のDNA配列及びアミノ酸配列を、配列番号6及び7にそれぞれ示す。
配列番号6は、pCXN-p97-NBT-GALNSのNBT-GALNScDNAを含む配列部分であり、nt 13-19はp97シグナル配列を、nt73-90はポリグルタミン酸を、nt 91-108はリンカー配列を、そしてnt 109-1596はシグナル配列を欠いたGALNSをコードしている。
配列番号7は、p97シグナル配列を伴ったNBT-GALNS配列であり、アミノ酸(aa)1-19はp97シグナル配列、aa 21-26はポリグルタミン酸、aa 27-32はリンカー配列、aa33-528はシグナル配列を伴わないGALNSである。
配列番号7で示したタンパク質は、p97分泌シグナル配列を含む。該シグナル配列は、細胞からの分泌に際して切断され、aa 20-528よりなる融合タンパク質が、培地中にNBT-GALNSとして得られる。
なお、p97は、殆どのヒトのメラノーマに存在する細胞表面糖タンパク質であり、そのシグナル配列は19個のアミノ酸よりなる(9)。このシグナル配列をコードするcDNAを含んだ上記pCXN-p97-NBT-GALNS は、次の方法によって構築することもできる。すなわち、p97シグナル配列を含むcDNAをプライマーアニーリングおよびPCRによる増幅によって合成する。PCR酵素としてLA-Taqを、互いに相補的な部分を有するプライマーとしてプライマー4(配列番号8)およびプライマー5(配列番号9)を使用した。94℃30秒、(94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒)×20、及び72℃1分のサイクルにてPCRを行う。増幅したp97シグナル配列を含むcDNAをBamHIとEcoRIで切断する。pCXNベクターをEcoRIで切断し、これに上記で回収した酵素処理をしたNBT-GALNS cDNAおよびp97シグナル配列のcDNAを、DNAリガーゼにより同時に結合させて、pCXN-p97-NBT-GALNSを構築する。
配列番号8は、順方向プライマー5であり、nt 1-5はランダムな合成配列、nt 6-52はp97シグナルをコードする配列の一部である。
配列番号9は逆方向プライマーであり、nt 1-6はランダムな配列、nt 7-51はp97シグナルをコードする配列の一部である。
〔発現細胞株の確立〕
CHO-K1細胞をNunclon ΔMultiDish 6 ウェルに播種した。DMEM/F12/FBS培地にて一晩培養した後、Lipofectamine 2000 試薬を用いてpCXN-p97-NBT-GALNS又はpCXN-GALNSを細胞に導入した。実験方法は、Lipofectamine 2000 試薬に添付のマニュアルに従った。37℃、5 %CO2にて2日間インキュベーションした後、細胞を75cm2の細胞培養フラスコ(IWAKI)に播種し、DMEM/F12/FBS培地に終濃度1mg/mLとなるようにGeneticin (GIBCO)を添加して、耐性細胞のコロニーが形成されるまで培養した。コロニー形成を顕微鏡下で確認後、限界希釈法にて安定発現細胞をクローン化した。発現細胞のスクリーニングは、培養上清のスルファターゼアッセイにより行った。細胞株は、NBT−GALNS発現系についてはCHO-NBT-GALNS40と、天然型ヒトGALNS発現系についてはCHO-GALNS14と命名した。構築したこれら発現細胞株は、10%ウシ胎児血清(Thermo Trace)および0.2mg/mLGeneticinを含むDMEM/F12培地(GIBCO)を用いて継代培養を行った。
〔NBT−GALNSおよびGALNS発現細胞の培養〕
CHO-GALNS 14細胞(天然型ヒトGALNSを生産する細胞)およびCHO-NBT-GALNS 40細胞(NBTを連結したヒトGALNSを生産する細胞)を次のとおりに培養した。すなわち、培地は10%ウシ胎児血清(Thermo Trace)および0.2mg/mLGeneticinを含むDMEM/F12培地(GIBCO)(DMEM/F12/FBS/G)を継代用培地、2mMグルタミン、10mg/L ヒポキサンチン、4mg/Lチミジンを含むEX-CELL 325 PF培地(EX-CELL 325 G/H/T)を生産用培地として使用した。培養はすべて37℃、5%CO2下で行った。各細胞をDMEM/F12/FBS にて225cm2の細胞培養フラスコ(IWAKI)18本に、翌日80〜100%コンフルエントとなるように播種して一晩培養した。培養上清を除去して細胞をPBS(-)にて2回洗浄した。培地を各フラスコ当たり約50mLのEX-CELL 325 G/H/Tに交換した後3日間培養した。培養上清を回収し、直ちに−20℃で凍結保存した。次に、0.25%Trypsin-EDTA(GIBCO)にてすべての細胞を剥がして5LのDMEM/F12/FBSに懸濁し、48本のNunclon ΔTriple Flasks(Nunc)に均等に播種して一晩培養した。培養上清を除去し、細胞をPBS(-)にて2回洗浄した。培地を各フラスコ当たり約100mLのEX-CELL 325 G/H/Tに交換した後3日間培養した。培養上清を回収し、直ちに−20℃で凍結保存した。以上の操作により、1回の工程当たり6Lの培養上清を回収した。
〔天然型GALNSの精製〕
上記培養上清を水浴中にて解凍した後、培養上清中の不溶性夾雑物を除去するため、0.22μmポリエーテルスルフォン膜(1000mL フィルターシステム、Corning Inc.)を用いた濾過を行った。濾過した培養上清は、再生セルロース膜(Prep/Scale-TFF-1 30kDa MWCO、MILLIPORE Corporation)を用いた限外濾過により20倍に濃縮した。イオン交換クロマトグラフィーに供するため、濃縮した培養上清を外液20mMトリス塩酸、50mM NaCl、pH7.8に対して透析した。
バッファー交換した濃縮培養上清を20mMトリス塩酸、50mMのNaCl、pH7.8により平衡化したHiPrep DEAE 16/10 DEAE FFカラム(Amersham Biosciences)(ベッド体積20mL)に供した。カラムを平衡化バッファーにより洗浄した後、20mMトリス塩酸、150mMのNaCl pH7.8(流速5mL/分)により溶出される画分を回収した。
Q Sepharoseクロマトグラフィーに供するため、回収画分を外液10mMのMES、50mMのNaCl、 pH5.5に対して透析した。バッファー交換したDEAEセファロースクロマトグラフィー回収画分を、10mMのES、50mMのNaCl、pH5.5により平衡化したHiPrep Q 16/10 Q FFカラム(Amersham Biosciences)(ベッド体積20mL)に供し、非吸着画分を回収した(流速5mL/分)。またカラムを平衡化バッファーにより洗浄し、洗浄画分も回収した(流速5mL/分)。
Sephacryl S-200クロマトグラフィーに供するため、回収画分を再生セルロース膜(Amicon Ultra-15 30kDa MWCO)を用いた限外濾過により濃縮した。濃縮したQ Sepharoseクロマトグラフィー回収画分を10mMのMES、150mMのNaCl、pH5.5により平衡化したHiPrep 16/60 Sephacryl S-200 HRカラム(Amersham Biosciences)に供し該当するピークを回収した。
上記ステップにより回収したNBT−GALNSについてSDS-PAGEゲル電気泳動を行い、単一のバンドとして現れるまでに精製されていることを確認した(Fig. 4)。
精製の各ステップで、後述のサルフェートアッセイにより天然型GALNSが含まれる画分を特定した。
〔NBT−GALNSの精製〕
NBT−GALNSは天然型GALNSと物性が異なり、またハイドロキシアパタイトに対する高い親和性を有すると考えられるので、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む下記の方法で精製を行った。
上記培養上清を水浴中にて解凍した後、培養上清中の不溶性夾雑物を除去するため0.22μmポリエーテルスルフォン膜(1000mL Filter System、Corning Inc.)を用いて濾過を行った。濾過した培養上清は、再生セルロース膜(Prep/Scale-TFF-1 30kD MWCO、MILLIPORE Corporation)を用いた限外濾過により、20倍に濃縮した。イオン交換クロマトグラフィーに供するため、濃縮した培養上清を外液 20mMトリス塩酸、50mMのNaCl、pH7.8に対して透析した。
バッファー交換した濃縮培養上清を、20mMトリス塩酸、50mMのNaCl、pH7.8により平衡化したHiPrep DEAE 16/10 DEAE FFカラム(Amersham Biosciences)(ベッド体積 20mL)に供した。カラムを平衡化バッファーにより洗浄した後、20mMトリス塩酸、150mMのNaCl、pH7.8(流速5mL/分)により溶出される画分を回収した。Qセファロースクロマトグラフィーに供するため、回収画分を外液10mMのMES、50mMのNaCl、pH5.5に対して透析し、バッファー交換とした。
バッファー交換したDEAE Sepharoseクロマトグラフィー回収画分を、10mMのES、50mMのNaCl、pH5.5により平衡化したHiPrep Q 16/10 Q FFカラム(Amersham Biosciences)(ベッド体積20mL)に供した。カラムを平衡化バッファーにより洗浄した後、10mMのMES、250mMのNaCl、pH5.5により溶出される画分を回収した(流速5mL/分)。
Q Sepharoseクロマトグラフィー回収画分を、1mMリン酸緩衝液、10mMのMES、50 mMのNaCl、pH5.5により平衡化したハイドロキシアパタイトカラム、Econo-Pac CHT-II カートリッジカラム(Bio-Rad)(ベッド体積5mL)に供した。カラムを平衡化バッファーにより洗浄(流速0.5mL/分)した後、500mMリン酸緩衝液、10mMのMES、50mMのNaCl、pH5.5により溶出(流速0.5mL/分)される画分を回収した。Sephacryl S-200クロマトグラフィーに供するため、回収画分を再生セルロース膜(Amicon Ultra-15 30kDa MWCO)を用いた限外濾過により濃縮した。
濃縮したCHT-IIハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー回収画分を、10mMのMES、150mMのNaCl、pH5.5により平衡化したHiPrep 16/60 Sephacryl S-200 HRカラム(Amersham Biosciences)に供し、該当するピークを回収した。
上記ステップにより回収したNBT−GALNSについてSDS−PAGEゲル電気泳動を行い、単一のバンドとして現われる精製されたことを確認した(Fig. 4)。
精製の各ステップで、下記のサルフェートアッセイによりGALNSが含まれる画分を特定した。
〔サルフェートアッセイ〕
サンプル10μLに、100μLの基質液〔5mMの4−メチルウンベリフェリルサルフェート(SIGMA)、5mM酢酸ナトリウム(和光純薬)、0.05%BSA(SIGMA)、pH4.4〕を添加した。37℃で1時間反応後、190μLの反応停止液〔332mMグリシン(和光純薬)、208mM炭酸ナトリウム(和光純薬)、pH10.7〕を添加し、蛍光プレートリーダー(Molecular Device)を用いて波長460nm(蛍光)/355nm(励起)にて蛍光を測定した。コントロールとして、基質液と反応停止液を上記の比率にて混合した調製液にて希釈した4−メチルウンベリフェロン(SIGMA)を使用した。希釈は、1mMから7段階の2倍希釈で行った。
〔SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動〕
1) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動および染色
サンプルを、Laemmli サンプル緩衝液(BIO-RAD)を用いて5%β−メルカプトエタノール(BIO-RAD)存在下でSDS処理した後、PAGミニ「第一」12.5(第一化学)を用いてSDS-PAGEを行った。染色はSYPRO RUBY GEL STAIN (BioRad)または2D-銀染色試薬・II「第一」(第一化学薬品)により行った。
〔抗体の作成〕
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は、天然型GALNSを抗原としてマウスを免疫感作して、常法により作製した。
〔骨組織の免疫染色〕
4月齢の雄性C57BLマウスに、体重1g当たり250Uの精製したGALNS又はNBT−GALNSを尾静脈より投与した。投与2時間後に、大腿骨、膝関節、および頚骨までを含むマウスの骨切片の組織標本スライドを作成した。すなわち、スライドをキシレン槽に3分間浸し、取り出した後に別のキシレン槽に移した。この操作を 5 回繰り返した。キシレン処理したスライドを99.5%エタノールに3分間浸し、取り出した後に別のエタノール槽に移した。この操作を3回繰り返した。さらに95%エタノールで同様に上記のように3回洗浄した後、リン酸緩衝液に15分間浸した。スライドからリン酸緩衝液を拭き取とった。次に切片を3%過酸化水素加メタノールで覆った状態で室温にて5分間静置して内因性ペルオキシダーゼを失活させた後、スライドをリン酸バッファーで洗浄した。スライド上の切片をヒストファイン免疫組織化学染色試薬のブロッキング試薬A(ニチレイ)により覆い、室温で60分間静置した。処理の後はスライドをリン酸緩衝液で洗浄した。
切片を抗GALNSモノクローナル抗体溶液により覆い、4℃で15時間静置した。反応の後はスライドをリン酸バッファーで洗浄した。スライド上の切片をヒストファイン免疫組織化学染色試薬のブロッキング試薬B(ニチレイ)により覆い、室温で10分間静置した。処理の後はスライドをリン酸緩衝液で洗浄した。スライド上の切片を、マウスの一次抗体に対するペルオキダーゼ接合二次抗体であるシンプルステインマウスMAX-PO(マウス)(ニチレイ)により覆い、室温で5分間静置した。反応の後はスライドをリン酸緩衝液で洗浄した。スライド上の切片をシンプルステインDAB溶液(ニチレイ)で覆い、発色の程度を顕微鏡により観察しながら室温で発色させた。発色反応は精製水による洗浄により停止させた。染色の結果をFig. 5に示す。NBT−GALNS 投与マウスでは骨髄組織中に強い染色シグナルが斑点状に認められたが、天然型GALNS 投与マウスでは、このようなシグナルが殆ど認められなかった。このことは、天然型GALNSに比して、NBT−GALNSが、生体循環血中に投与したとき骨組織へ顕著に高い移行性を有することを示している。
〔GALNS特異的酵素活性測定法〕
天然型GALNS又はNBT−GALNSのマウス静注後の血中GALNS活性の測定は次のようにして行った。すなわち、測定緩衝液(100mMのNaCl、100mM酢酸ナトリウム、pH4.3)を用いて調製した10mMの4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド−6−硫酸(4MUF-Gal-6-S)溶液(Toronto Research Chemicals Inc.)18μLに対して、血漿サンプル10μLを加え、37℃において6時間の反応を行った。次に測定緩衝液を用いて調製した10mg/mLβ−ガラクトシダーゼ溶液 (SIGMA)2μLを加え、37℃にて1時間の反応を行った。次に停止緩衝液(1Mグリシン塩酸、pH10.5)を970μL加え、混和させて酵素反応を停止させた。酵素反応物より200μLを96穴プレートに移し、蛍光プレートリーダー(Molecular Device)fmaxにより励起355nm/蛍光460nmを測定した。
〔血中での安定性〕
体重1g当たり250Uの精製したGALNS又はNBT−GALNSを、各群3匹の4月齢の雄性C57BLマウスに尾静脈より投与した。投与後、2分、5分、10分、20分、30分、60分、および120分に、静脈血を採取し、血清中のGALNS活性を測定した。結果をFig. 6に示す。NBT−GALNS投与群と天然型GALNS投与群を比較すると、投与2分後の血中における酵素活性は、NBT−GALNS投与群では天然型GALNS投与群の約2倍であった。また投与20分後の血中における酵素活性は、天然型GALNS投与群ではほぼ消失したが、NBT−GALNS投与群では、天然型GALNS投与群の投与2分後におけるよりも高いレベルの活性が依然として認められ、その後も活性の減少速度は天然型GALNS投与群の活性減少速度に比して、はるかに緩やかであった。このことは、酸性アミノ酸よりなる短鎖ペプチドを天然型GALNSに連結させることによって、GALNSの生体内での安定性が著しく増大することを示している。本発明者らの知る限りにおいて、酸性短鎖ペプチドの付加がGALNSその他の生理活性タンパク質の生体内における安定性を改善するという報告はこれまでなく、この発見は、各種の治療上有用な酵素、ペプチドホルモンその他の生理活性タンパク質の、血中投与後の生体内における安定化のための新たな手段を提供するものである。
本発明は、骨組織への移行性の改善された、及び生体内における安定性の増大した生理活性タンパク質の製造を可能にする。本発明はまた、モルキオ病A型の治療のための方法及び薬剤組成物を提供する。
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pCNXベクター及び該ベクター、及び該ベクターにおける天然型GALNS又はGALNS融合タンパク質の各cDNAのためのクローニング部位を示す模式図 GALNS融合タンパク質の製造のための発現ベクターpCXN-p97-NBT-GALNSの構築ステップの前半部を示す GALNS融合タンパク質の製造のための発現ベクターpCXN-p97-NBT-GALNSの構築ステップの後半部を示す 精製された天然型GALNS及びGALNS融合タンパク質のSDS-PAGE分析結果 骨髄組織中に移行したGALNS融合タンパク質の染色像を、天然型GALNSとの比較において示す 天然型GALNSとGALNS融合タンパク質について、等量の血中投与後における血中活性レベルの時間的推移を示すグラフ

Claims (7)

  1. 融合タンパク質であって、生理活性タンパク質と、該生理活性タンパク質のN末端側においてこれに取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなり、且つ該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、融合タンパク質。
  2. 該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、請求項の融合タンパク質。
  3. 生理活性タンパク質の血中から骨組織への移行性を増大させるための方法であって、該生理活性タンパク質を、該生理活性タンパク質と該生理活性タンパク質のN末端側に取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質とすることを含んでなり、且つ該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、方法。
  4. 該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、請求項の方法。
  5. 生理活性タンパク質の血中における安定性を増大させるための方法であって、該生理活性タンパク質を、該生理活性タンパク質と該生理活性タンパク質のN末端側に取り付けられた酸性アミノ酸4〜15個よりなる短鎖ペプチドとを含んでなる融合タンパク質とすることを含んでなり、且つ該生理活性タンパク質がN−アセチルガラクトサミン−6−硫酸スルファターゼである、方法。
  6. 該短鎖ペプチドが、リンカーペプチドを介して該生理活性タンパク質のN末端に取り付けられているものである、請求項の方法。
  7. 血中投与用である、請求項1又は2の融合タンパク質。
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