JP4750599B2 - 電子回路 - Google Patents
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Description
小型電子機器を内蔵した二次電池でより長時間駆動させるための方策の1つとしては、二次電池の蓄電容量が大きなものを搭載すればよい。しかしながら、このような二次電池は、そのサイズが大きく、小型電子機器のようにそもそも機器サイズに制限があるものに搭載することは困難である。
電子回路の低消費電力化は、電子回路を駆動する駆動電圧を低下させればよいが、先にも述べたが、電子時計は二次電池を電源手段とする場合が多く、そのような電子時計にあっては、近年の蓄電容量を大きくした二次電池では、その高い出力電圧が高いために低消費電力化ができないという問題がある。
つまり、二次電池のうち、サイズが小さく大きな蓄電容量を持つタイプの二次電池は、その出力電圧が高いために低消費電力化が要求されている電子回路には使用できないのである。
このような構成であれば、出力電圧は高いけれども蓄電容量が大きいリチウムイオン電池などの二次電池を電源手段として用いても、電子回路は低消費電力化できるのである。
次に、図3を用いて特許文献1に示した従来技術を説明する。この従来技術は、時計用の発振回路の電源電圧を低くすることにより、低消費電力化を行うものである。図3において、301はパッド、302はレギュレータ、303は低速動作部であり、304は低
速動作部303内にある低周波数発振器である。レギュレータ302は、入力した電圧を降圧して出力する回路であって、内部降圧回路である。
つまり、半導体集積回路には、高い駆動電圧を印加して高速動作を要求される回路と低
い駆動電圧を印加して低消費電力化を要求される回路とがあって、これらが混載する場合がある。
しかし、高い電圧に耐えうる構造のMOS型トランジスタのゲート絶縁膜は、その高い電圧によって絶縁破壊しにくいように厚くする必要があるが、低い駆動電圧で動作するMOS型トランジスタのゲート絶縁膜は薄くてもよい。
つまり、Vthを決める要因の1つであるゲート絶縁膜の膜厚を異ならせても、ゲート絶縁膜ではない要素で双方のVthを揃えなければならず、その場合は、製造工程を幾度にも分ける必要がある。
Vthが双方のMOS型トランジスタで差があると、高い電圧に耐えうる構造のMOS型トランジスタと低い駆動電圧で動作するMOS型トランジスタとの間でリーク電流が生じてしまう。このリーク電流は、双方のMOS型トランジスタのVthのばらつきに応じて更に増加し、半導体集積回路の消費電流がさらに大きくなるという不具合が生じる。
動作マージンとは、回路に印加される電源電圧と回路が正常動作する最低の電源電圧との差のことである。
外部電源電圧を入力し、その電圧より低電圧出力を発生する内部降圧回路と、
低電圧出力で動作する第2の内部回路とを有する電子回路において、
内部降圧回路は、基準電圧発生回路と差動増幅回路と内部降圧電圧出力回路とを有し、
基準電圧発生回路と差動増幅回路とを構成するスイッチング素子と、内部降圧電圧出力回路を構成する定電流スイッチング素子および電流供給用スイッチング素子とは、第1の内部回路を構成するスイッチング素子と略同じ電気特性であり、
内部降圧電圧出力回路の出力電圧値を決定する出力用スイッチング素子は、第2の内部回路を構成するスイッチング素子と略同じ電気特性であり、
第1の内部回路を構成するスイッチング素子と第2の内部回路を構成するスイッチング素子とは異なる電気特性であることを特徴とする。
以下、図面に基づいて本発明の半導体集積回路の実施の形態を説明する。図1は本発明の電子回路を示すブロック図である。図1において、100は電子回路、101は基準電源電圧端子、102は外部電源電圧入力用の外部電源端子、103は第1の内部回路、104は内部降圧回路、105は基準電圧発生回路、106は差動増幅回路、107は定電流スイッチング素子、108は出力用スイッチング素子、109は電流供給用スイッチング素子、110は第2の内部回路、111は内部降圧回路104の出力電圧端子である。
基準電源端子101は、基準電位VDDが入力され、外部電源端子102は、外部電源電圧VSSが入力される。出力電圧端子104からは、内部降圧回路104の出力電圧VREGが出力される。
0とを有している。
また、出力用スイッチング素子108と第2の内部回路110を構成するスイッチング素子とは、同じ温度特性や電気特性を有している。
しかしながら、出力電圧VREGで駆動される第2の内部回路110を構成するスイッチング素子の設計ルールやデバイス構造を同じにすることで温度特性や電気特性も同じとなる。
それにより、温度の変化や出力用スイッチング素子108のVthのばらつきにより、内部降圧回路104の出力電圧VREGが変化したとしても、出力用スイッチング素子108と第2の内部回路110を構成するスイッチング素子との温度特性や電気特性が同じであるため、第2の内部回路110の動作マージンを小さくすることができる。すなわち、出力電圧VREGの電圧設定値を小さくし、第2の内部回路110で消費する電流を最小に設定することが可能となる。
このようにすることで、従来技術のように、電圧を発生する側とその電圧で駆動する側の電気特性などが異なる場合に動作マージンを大きくすることが不要になるのである。
次に、内部降圧回路104の構成を図2を用いて説明する。図2においては、内部降圧回路104をレギュレータ回路を例にして説明している。図2において、203は内部降圧出力回路、211は基準抵抗である。212,213,217,218,219,222はPチャネルMOS型トランジスタである。214,215,220,221,223はNチャネルMOS型トランジスタである。216は基準電圧出力端子である。すでに説明した同一の構成には同一の番号を付与している。
PチャネルMOS型トランジスタ212は、ソース端子を基準抵抗211を介して基準電源電圧端子101に接続し、そのドレイン端子はNチャネルMOS型トランジスタ214のドレイン端子と接続している。NチャネルMOS型トランジスタ214のソース端子は、外部電源端子102に接続している。これを第1の回路列とよぶ。
同様に、PチャネルMOS型トランジスタ213は、ソース端子を基準電源電圧端子101に接続し、そのドレイン端子はNチャネルMOS型トランジスタ215のドレイン端子と接続している。NチャネルMOS型トランジスタ215のソース端子は、外部電源端子102に接続している。これを第2の回路列とよぶ。
第1の回路列と第2の回路列とは、流れる電流が同じになるように基準抵抗211と各MOS型トランジスタの電気特性が決められており、基準電圧発生回路105は、いわゆるカレントミラー回路となっている。この回路の電圧出力は、基準電圧出力端子216から出力される。
PチャネルMOS型トランジスタ218とNチャネルMOS型トランジスタ220とを直列に接続し第3の列とし、これと並列にPチャネルMOS型トランジスタ219とNチャネルMOS型トランジスタ221とを直列に接続し第4の列としている。基準電源電圧端子101と外部電源端子102との間にこれらとPチャネルMOS型トランジスタ217とを直列に接続している。
PチャネルMOS型トランジスタ217,218のゲート端子は、基準電圧出力端子216に接続しており、基準電圧発生回路105の基準電圧が入力される。
基準電源電圧端子101と外部電源端子102との間に、PチャネルMOS型トランジスタの定電流スイッチング素子107,NチャネルMOS型トランジスタの出力用スイッチング素子108,NチャネルMOS型トランジスタの電流供給用スイッチング素子109を直列に接続している。
定電流スイッチング素子107のゲート端子は、基準電圧出力端子216に接続しており、基準電圧発生回路105の基準電圧が入力される。
出力用スイッチング素子108のゲート端子とドレイン端子は、PチャネルMOS型トランジスタ219のゲート端子と接続している。
電流供給用スイッチング素子109のゲート端子は、PチャネルMOS型トランジスタ218とNチャネルMOS型トランジスタ220との接続点に接続している。
の出力電圧端子111となる。
次に、内部降圧回路104の動作を引き続き図2を用いて説明する。図2に示す内部降圧回路104の動作は、一般的なレギュレータ回路の動作である。
基準電圧発生回路105で発生する基準電圧出力端子216からの出力電圧は、差動増幅回路106のPチャネルMOS型トランジスタ217と内部降圧出力回路203の定電流スイッチング素子107であるPチャネルMOS型トランジスタとを定電流バイアスするバイアス電圧を発生する。このバイアス電圧は、これらのPチャネルMOS型トランジスタを完全にオンさせる電圧であって、これによりこれらPチャネルMOS型トランジスタは低消費電力化できる。
例えば、PチャネルMOS型トランジスタのVthを−0.5V程度とすると、PチャネルMOS型トランジスタが飽和領域となるVthよりやや高めの電圧−0.55V程度である。
図2において、例えば、基準電位VDDを0V,外部電源電圧VSSを−5.0Vの電圧が印加され、基準電圧出力端子216から出力される基準電圧が−0.55V、出力電圧VREGとして−1.05Vを出力した場合を例にして説明する。
この例においては、5.5Vの電圧に耐える設計ルールまたはデバイス構造と1.5Vの電圧に耐える設計ルールまたはデバイス構造とのどちらかを用いて各素子を構成する。
そ5.5Vの電圧に耐える設計ルールまたはデバイス構造とすればよい。
カレントミラーの動作特性が悪くなるのを防止するため、同じ設計ルールまたはデバイス構造とすればよい。
ところで、内部降圧回路104の出力電圧である出力電圧VREGは、内部降圧回路104の出力値を決定する出力用スイッチング素子108であるNチャネルMOS型トランジスタのゲート端子とドレイン端子とが接続され、差動増幅回路106の一方の入力であるPチャネルMOS型トランジスタ219のゲート端子に接続される部分の電位に、出力用スイッチング素子108であるNチャネルMOS型トランジスタのVthを加えた電圧値となる。
内部降圧回路104の出力電圧値を決定する出力用スイッチング素子108であるNチャネルMOS型トランジスタのVthが0.5Vとすると、内部降圧回路104の出力電圧VREGは、PチャネルMOS型トランジスタ219のゲート電圧−0.55Vに出力用スイッチング素子108であるNチャネルMOS型トランジスタのVth0.5Vを加えた値となり−1.05Vである。
また、内部降圧回路104の出力電圧VREGの出力電圧の温度特性は、出力用スイッチング素子108であるNチャネルMOS型トランジスタのVthの温度特性(温度依存性)で決定される。
内部降圧回路104の出力電圧値を決定する出力用スイッチング素子108の設計ルールまたはデバイス構造を、第2の内部回路110を構成するスイッチング素子の設計ルールまたはデバイス構造を同じとすることにより、出力用スイッチング素子108のVthが変動し出力電圧VREGが変動しても、第2の内部回路110の消費電流の増加を抑制し、動作電圧範囲も確保することが可能となる。
101 基準電源電圧端子
102 外部電源電圧入力用の外部電源端子
103 第1の内部回路
104 内部降圧回路
105 基準電圧発生回路
106 差動増幅回路
107 定電流スイッチング素子
108 出力用スイッチング素子
109 電流供給用スイッチング素子
101 基準電源端子
102 外部電源端子
110 第2の内部回路
111 内部降圧回路104の出力電圧端子
Claims (3)
- 外部電源電圧で動作する第1の内部回路と、
前記外部電源電圧を入力し、その電圧より低電圧出力を発生する内部降圧回路と、
前記低電圧出力で動作する第2の内部回路とを有する電子回路において、
前記内部降圧回路は、基準電圧発生回路と差動増幅回路と内部降圧電圧出力回路とを有し、
前記基準電圧発生回路と前記差動増幅回路とを構成するスイッチング素子と、前記内部降圧電圧出力回路を構成する定電流スイッチング素子および電流供給用スイッチング素子とは、前記第1の内部回路を構成するスイッチング素子と略同じ電気特性であり、
前記内部降圧電圧出力回路の出力電圧値を決定する出力用スイッチング素子は、前記第2の内部回路を構成するスイッチング素子と略同じ電気特性であり、
前記第1の内部回路を構成するスイッチング素子と前記第2の内部回路を構成するスイッチング素子とは異なる電気特性であることを特徴とする電子回路。 - 前記スイッチング素子は、MOS型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の電子回路。
- 前記電気特性とは、スイッチング素子のスレシホールド電圧の値または該スレシホールド電圧の温度依存性であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子回路。
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