JP4750496B2 - 数値制御工作機械のロストモーション補正方法及び数値制御工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、数値制御工作機械の送り駆動におけるロストモーションの補正方法及びその方法を実施するための数値制御工作機械に関する。
一般に、数値制御(以下、「NC」という)工作機械においては、テーブル等の移動体を案内面に沿って各送り軸の正及び負方向にサーボモータにより送り駆動する構成になっているが、このNC工作機械の送り駆動では、正及び負方向で位置決めを行った際停止位置に差が生じる場合がある。これはバックラッシや送り案内面等の摩擦による駆動系の弾性変形によるもので、ロストモーションと呼ばれている。
このロストモーションを補正するためにNC工作機械では、従来から装備されているバックラッシ補正を用いて対応している。しかし、バックラッシ補正の補正量は一定であるが、ロストモーション量は送り駆動条件により変化するので、補正が不足又は過剰となり、精度が低下するという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、ロストモーション量を送り駆動条件毎に決定するロストモーション補正方法が提案され(特許文献1参照)、既に公知になっている。この補正方法は、予め測定により求めた送り速度及び移動量とロストモーション量との関係をデータテーブル又は関数として設定しておき、作動中にNCプログラムの解析等により求めた各送り軸の送りの方向が反転する前の送り速度及び移動量に対するロストモーション量を算出し、このロストモーション量を各送り軸の送りの方向が反転するときにサーボモータへの指令値に付加してロストモーションを補正するものである。
特開平9−319418号公報
ところが、本発明者等がロストモーション量の変化について鋭意研究したところ、以下のことを知見した。
(1)ロストモーション量の変化は、テーブル等の移動体と案内面との間に介在する潤滑油の動圧による浮上りと関係があり、図2に示すように、浮上り量の増加に伴って、ロストモーション減少量(最大のロストモーション量からの減少量)が増加し、ロストモーション量は減少する。
(2)送り速度と定常状態での浮上り量の関係は、図3に示すような比例関係にあるが、移動開始直後の過渡状態では、浮上り量は潤滑油の粘性により送り速度に対して時間遅れを持つ。
(3)図4は移動体の移動距離dが50〜200mmの範囲で4000mm/minの送り速度を矩形波状に指令した場合の浮上り量の変化を測定したものであり、移動距離dが長く移動時間が延びる程浮上り量は増加する。また、(1)のことから、移動距離が長く移動時間が延びる程ロストモーション量は減少する。
上記(1)〜(3)のことから、ロストモーション量は、送り速度と移動量で決まるのではなく、送り速度に対して時間遅れを持った移動体の浮上り量によって決まることになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、上記の知見に基づいて、あらゆる送り駆動条件でロストモーションを適切に補正し得るNC工作機械のロスモーション補正方法及びNC工作機械を提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、テーブル等の移動体を案内面に沿って各送り軸の正及び負方向にサーボモータにより送り駆動するNC工作機械のロストモーション補正方法として、予め上記移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式を求めておくとともに、上記移動体の浮上り量と送り速度の関係を時間遅れの近似式として求めておく工程と、作動中に与えられた送り速度の履歴から上記近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量から上記関係式を用いてロストモーション量を算出する工程と、作動中サーボモータへの指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正する工程とを備える構成にする。
この構成では、NC工作機械の作業中には、与えられた送り速度の履歴から時間遅れの近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量とロストモーション量の関係式からロストモーション量を算出し、このロストモーション量をサーボモータへの指令値に付加してロストモーションを補正しているため、移動開始直後の過渡状態でもロストモーション補正を適切に行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のNC工作機械のロストモーション補正方法において、移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式の一つの具体例を提供するものである。すなわち、移動体の浮上り量hとロストモーション量Lmの関係式は、最大のロストモーション量をLm1、最小のロストモーション量をLm0、最小のロストモーション量Lm0となる送り速度における浮上り量をh0とすると、
Lm=Lm1−(Lm1−Lm0)・(h/h0)
=Lm1−(Lm1−Lm0)・H (bは定数)
で表される。
請求項3及び4に係る発明は、いずれも請求項1又は2記載のNC工作機械のロストモーション補正方法において、移動体の浮上り量と送り速度の関係を一次遅れの近似式で表す場合の具体例を提供するものである。
すなわち、請求項3に係る発明では、近似式の算出法は、先ず、NC装置の位置指令の微分値又は送り軸のフィードバック信号を一定時間周期の離散データVi(i=1,2,…n)としてHiを下記の式により求め、
Hi=(|Vi|−v1)/(v0−v1)
もし、Vi<v1ならばHi=0、v1≦Vi≦v0ならばHi=Hi、Vi>v0ならばHi=1であり、
v1は浮き上がりが始まるときの送り速度、v0は最小のロストモーション量となるときの送り速度であり、
この求めたHiを用いて下記の差分近似式により、
Hi’=(Hi−1’+Hi・κ)/(1+κ) (κは時間周期と時定数で決まる定数)
近似値Hi’を算出するものである。
また、請求項4に係る発明では、近似式の算出法は、先ず、NCプログラムを解析してi番目の指令ブロック毎の送り軸移動量Li、送り軸速度Vi及び移動時間Ti(=Li/Vi)を求め、送り軸速度ViからHiを下記の式より求め、
Hi=(|Vi|−v1)/(v0−v1)
もし、Vi<v1ならばHi=0、v1≦Vi≦v0ならばHi=Hi、Vi>v0ならばHi=1であり、
v1は浮き上がりが始まるときの送り速度、v0は最小のロストモーション量となるときの送り速度であり、
この求めたHi及びi−1番目の近似値Hi−1’を用いて下記の式により、
Hi’=Hi+(Hi−1’−Hi)・exp(−Ti/τ) (τは時定数)
i番目の近似値Hi’を算出するものである。
請求項5に係る発明は、請求項1記載のロストモーション補正方法を実施するためのNC工作機械を提供するものである。すなわち、テーブル等の移動体を案内面に沿って各送り軸の正及び負方向にサーボモータにより送り駆動するNC工作機械において、予め求めた上記移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式及び上記移動体の浮上り量と送り速度の関係を示す時間遅れの近似式を記憶する記憶手段と、作動中に与えられた送り速度の履歴から上記近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量から上記関係式を用いてロストモーション量を算出するロストモーション量算出手段と、作動中サーボモータへの指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正する補正手段とを備える構成にする。
この構成では、NC工作機械の作業中には、ロストモーション量算出手段が記憶手段との間で情報交換を行いながら、与えられた送り速度の履歴から時間遅れの近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量とロストモーション量の関係式からロストモーション量を算出し、補正手段がこのロストモーション量をサーボモータへの指令値に付加してロストモーションを補正することになり、これにより、移動開始直後の過渡状態でもロストモーション補正を適切に行うことができることになる。
以上のように、本発明におけるNC工作機械のロストモーション補正方法及びNC工作機械によれば、作動中のロストモーション補正では与えられた送り速度の履歴から時間遅れの近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量とロストモーション量の関係式からロストモーション量を算出しているため、移動開始直後の過渡状態を含めあらゆる送り駆動条件でロストモーション補正を適切に行うことができ、工作精度の向上に寄与することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るNC工作機械のブロック構成を示し、1はNC工作機械の移動体としてのテーブルであって、このテーブル1には送りねじ機構2を介してサーボモータ3が連結され、このサーボモータ3の正逆回転によりテーブル1を案内面4に沿って送りねじ機構2の送り軸である送りねじ2aの正及び負方向に送り駆動するようになっている。
10はNC工作機械のコンピュータ式のNC装置であって、このNC装置10は、サーボモータ3の回転量を検出する検出器5からの検出信号を受けながらサーボモータ3をフィードバック制御するものである。尚、NC工作機械は、図示していないが、テーブル1の移動方向と直交する方向に移動する移動体を有しており、この移動体は、テーブル1の場合と同様に、サーボモータにより案内面に沿って正及び負方向に送り駆動され、またサーボモータは、NC装置10によりフィードバック制御される。
上記NC装置10は、入力操作部(図示せず)から入力されたNCプログラムを読み取るNC指令部11と、このNC指令部11の指令に応じて各送り軸の位置指令を出力する位置指令発生器12と、この位置指令発生器12の位置指令に従って各サーボモータ3を駆動するサーボ制御部13と、NC指令部11で読み取られたNCプログラムを解析して指令ブロック毎の各送り軸の移動量L及び送り速度vを算出するNCプログラム解析部14とを備えている。サーボ制御部13は、位置制御器16と速度制御器17と電流制御器18とからなり、検出器5からの検出信号(フィードバック信号)を位置制御器16及び速度制御器17でそれぞれ受けて位置及び速度が指令値通りになるように制御し、電流制御器18からサーボモータ3に電流指令値を出力する。
上記NC装置10は、更に、予め求めて入力操作部から入力された上記テーブル1等の移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式及び移動体の浮上り量と送り速度の関係を示す時間遅れの近似式を記憶する記憶手段21と、NC工作機械の作業中に与えられた移動体の送り速度vの履歴から上記近似式を用いて移動体の浮上り量を算出し、この算出した浮上り量から上記関係式を用いてロストモーション量を算出するロストモーション量算出手段22と、NC工作機械の作動中上記ロストモーション量算出手段22で算出したロストモーション量から補正量を算出し、この補正量を位置指令発生器12からサーボ制御部13への位置指令に加算することによりサーボモータ3への指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正する補正手段23とを備えている。尚、ロストモーション量算出手段22は、移動体の送り速度v(詳しくは送り速度vの履歴)として、位置指令発生器12からの位置指令の微分値から求めた送り速度、検出器5の検出信号から求めた送り速度、及びNCプログラム解析部14から出力された送り速度のいずれかを用いるようになっている。
次に、上記記憶手段21に記憶させる浮上り量とロストモーション量の関係式及び浮上り量と送り速度の関係を示す時間遅れの近似式について説明する。
先ず、浮上り量とロストモーション量の関係式を説明するに、定常状態での浮上り量hとロスモーション減少量δLmの関係は図2となり、下記の近似式(1)で表される。
δLm=a・h (a、bは定数) (1)
式(1)を使ってロストモーション量Lmは、下記の式(2)で表される。
Lm=Lm1−δLm=Lm1−a・h (2)
但し、Lm1は最大のロストモーション量である。
図3から送り速度vと定常状態での浮上り量hの関係は、下記の近似式(3)で表される。
h=c・(v−v1) (cは定数) (3)
式(3)は送り速度v1から浮上りが始まり、それ以下の速度では浮上り量は0であることを意味する。
最小のロストモーション量Lm0となる送り速度v0における浮上り量をh0とし、H=h/h0とすると、
H=c/h0・(v−v1) (4)
となり、式(3)よりh0=c・(v0−v1)であるので、
H=(v−v1)/(v0−v1) (5)
もし、v<v1ならばH=0、v1≦v≦v0ならばH=H、v>v0ならばH=1であり、Hは正規化された浮上り量となる。
式(3)と式(5)を使うと、式(2)のロストモーション量は下記の式(6)となり、最大及び最小のロストモーション量と正規化された浮上り量で表される。
Lm=Lm1−(Lm1−Lm0)・H (6)
この式(6)が記憶手段21に記憶させる浮上り量とロストモーション量の関係式であり、式(6)中の定数bは、NC工作機械の種類毎及び移動体の送り軸毎に設定される。(6)式を用いて送り速度毎のロストモーション量を算出するとその計算値は、図5に示すように測定値とよく一致する。
続いて、浮上り量と送り速度の関係を説明するに、移動体の浮上り量は、潤滑油の粘性により送り速度に対して時間遅れを持つ。このため、送り速度が一定であっても時間の経過でロストモーション量は変化する。図4中の計算値は、浮上り量の測定結果に時定数0.65秒の一次遅れ近似を行ったものであり、浮上り量の減少過程で誤差が大きいものの特性をよく表せており、近似式の簡易さも考慮して浮上り量と送り速度の関係を一次遅れで近似する。
先ず、正規化された浮上り量Hの離散データをHi、送り速度vの離散データをVi(i=1,2,…n)とすると、式(5)から下記の式(7)が得られる。
Hi=(|Vi|−v1)/(v0−v1) (7)
もし、Vi<v1ならばHi=0、v1≦Vi≦v0ならばHi=Hi、Vi>v0ならばHi=1である。
近似式の第1の算出法は、NC装置10の位置指令の微分値又は送り軸のフィードバック信号を一定時間周期の離散データViとして式(7)によりHiを求め、この求めたHiを用いて下記の差分近似式(8)により近似値Hi’を算出するものである。
Hi’=(Hi−1’+Hi・κ)/(1+κ) (8)
但し、κは時間周期と時定数で決まる定数である。
近似式の第2の算出法は、NCプログラムを解析して指令ブロック毎に近似値H’を算出するものである。すなわち、先ず、i番目の指令ブロックの送り軸移動量Li及び送り軸速度Viからi番目の指令ブロックの移動時間Ti=Li/Viを算出するとともに、送り軸速度Viから式(7)を用いてHiを算出する。
図6(a)に示すように、i−1番目の近似値Hi−1’は時間Ti後にHi−1’・exp(−Ti/τ)となり、また、図6(b)に示すように、Hiのステップ応答は時間Ti後にHi・{1−exp(−Ti/τ)}となるので、i番目の近似値H’は下記の式(9)により算出される。
H’=Hi+(Hi−1’−Hi)・exp(−Ti/τ) (9)
但し、τは時定数である。
上記の式(8)又は式(9)が記憶手段21に記憶させる浮上り量と送り速度の関係を示す時間遅れの近似式であり、ロストモーション量算出手段22は、この近似式により求めた近似値H’から式(6)を用いてロストモーション量Lmを算出する。送り速度5000mm/minにおける移動距離によるロストモーション量の変化を式(6)及び式(8)を用いて算出するとその計算値は、図7に示すように測定値とよく一致する。
従って、上記NC工作機械のNC装置10においては、作業中常に、ロストモーション量算出手段22が記憶手段21との間で情報交換を行いながら、与えられた送り速度の履歴から時間遅れの近似式(8)又は(9)を用いて浮上り量hの関数値である近似値H’を算出し、この近似値H’から浮上り量とロストモーション量の関係式(6)を用いてロストモーション量Lmを算出し、補正手段23がこのロストモーション量Lmから求めた補正量を位置指令発生器12からサーボ制御部13への位置指令に加算することにより、サーボモータ3への指令値に適切なロストモーション量Lmを付加し、移動開始直後の過渡状態でもロストモーション補正を適切に行うことができる。
ここで、上記NC工作機械を用いて本発明のロストモーション補正方法(提案する補正法)を実施した場合、補正を無効とした場合、及び従来の補正法の場合を比較するために行った実験結果について説明する。
図8は2軸の同期制御による円運動を行った場合の真円度誤差を表している。半径25mmの円を図上段は周速500mm/min、図下段は周速2000mm/minの条件で円運動を行っている。
左列の補正を無効とした場合では円弧象限位置に段差が現れる。これは1軸の送り方向が反転する際にロストモーションにより他軸との同期が遅れるために起こる。また、周速が異なると円弧象限に現れる段差量は異なり、その理由は次のように説明できる。図9は円運動時の1軸の送り速度と浮上り量を示した図である。送り方向が反転するのは送り速度が0となる点であるが、浮上り量は送り速度に対して時間遅れを持つために0とはならない。円弧象限位置でのロストモーション量は反転時の浮上り量に対応した量となり、周速によって異なる結果となる。図10は円弧反転時のロストモーション量(図8における円弧象限位置の段差量)と送り速度の関係であり、円の半径及び周速によってロストモーション量が異なることが確認できる。図10中には提案する補正法でロストモーション量を計算した結果を併せて示すが、ロストモーション量の変化をよく表せている。
従来の補正法では、反転時に送り速度が0となることから、円の半径及び周速によらず、ロストモーション量は一定値として補正を行っている。図8の中央列は、従来の補正法であって周速500mm/minの条件で補正結果が適切になるように補正を行った結果である。しかし、周速2000mm/minでは過補正となり、段差が生じている。これに対し、右列の提案する補正法では周速500mm/min及び2000mm/minとも適正に補正されており、段差は生じない。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、NC工作機械の作動中に、ロストモーション量算出手段22でロストモーション量を算出し、補正手段23でこのロストモーション量から補正量を算出し、この補正量を位置指令発生器12からサーボ制御部13への位置指令に加算することによりサーボモータ3への指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正したが、本発明のNC工作機械は、これに限らず、補正手段23でロストモーション量を直接サーボ制御部13からサーボモータ3への指令値に付加してロストモーションを補正し、あるいはサーボ制御部13でフィードバック信号に補正値を加算してロストモーションを補正するように構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、移動体の浮上り量と送り速度の関係は一次遅れの近似式で表したが、本発明は、この浮上りと送り速度の関係を一次遅れの近似式に限らず、二次遅れの近似式で表したり、あるいはこれらの和又は積で表したりしてもよい。
本発明の実施形態に係るNC工作機械のブロック構成図である。 移動体の浮上り量とロストモーション減少量の関係を示す図である。 移動体の送り速度と浮上り量の関係を示す図である。 移動体の浮上りの変化を示す図である。 移動体の送り速度とロストモーション量の関係を示す図である。 近似式の第2の算出法を説明するための図である。 移動体の移動距離とロストモーション量の関係を示す図である。 2軸の同期制御による円運動を行った場合の真円度誤差を表す図である。 移動体の送り速度及び浮上り量の変化特性を示す図である。 円弧反転時のロストモーション量と送り速度の関係を示す図である。
符号の説明
1 テーブル(移動体)
3 サーボモータ
4 案内面
10 NC装置
21 記憶手段
22 ロストモーション量算出手段
23 補正手段

Claims (5)

  1. テーブル等の移動体を案内面に沿って各送り軸の正及び負方向にサーボモータにより送り駆動する数値制御工作機械のロストモーション補正方法であって、
    予め上記移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式を求めておくとともに、上記移動体の浮上り量と送り速度の関係を時間遅れの近似式として求めておく工程と、
    作動中に与えられた送り速度の履歴から上記近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量から上記関係式を用いてロストモーション量を算出する工程と、
    作動中サーボモータへの指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正する工程とを備えたことを特徴とする数値制御工作機械のロストモーション補正方法。
  2. 移動体の浮上り量hとロストモーション量Lmの関係式は、最大のロストモーション量をLm1、最小のロストモーション量をLm0、最小のロストモーション量Lm0となる送り速度における浮上り量をh0とすると、
    Lm=Lm1−(Lm1−Lm0)・(h/h0)
    =Lm1−(Lm1−Lm0)・H (bは定数)
    で表される請求項1記載の数値制御工作機械のロストモーション補正方法。
  3. 移動体の浮上り量と送り速度の関係は一次遅れの近似式で表され、この近似式の算出法は、先ず、数値制御装置の位置指令の微分値又は送り軸のフィードバック信号を一定時間周期の離散データVi(i=1,2,…n)としてHiを下記の式により求め、
    Hi=(|Vi|−v1)/(v0−v1)
    もし、Vi<v1ならばHi=0、v1≦Vi≦v0ならばHi=Hi、Vi>v0ならばHi=1であり、
    v1は浮き上がりが始まるときの送り速度、v0は最小のロストモーション量となるときの送り速度であり、
    この求めたHiを用いて下記の差分近似式により、
    Hi’=(Hi−1’+Hi・κ)/(1+κ) (κは時間周期と時定数で決まる定数)
    近似値Hi’を算出するものである請求項1又は2記載の数値制御工作機械のロストモーション補正方法。
  4. 移動体の浮上り量と送り速度の関係は一次遅れの近似式で表され、この近似式の算出法は、先ず、数値制御プログラムを解析してi番目の指令ブロック毎の送り軸移動量Li、送り軸速度Vi及び移動時間Ti(=Li/Vi)を求め、送り軸速度ViからHiを下記の式より求め、
    Hi=(|Vi|−v1)/(v0−v1)
    もし、Vi<v1ならばHi=0、v1≦Vi≦v0ならばHi=Hi、Vi>v0ならばHi=1であり、
    v1は浮き上がりが始まるときの送り速度、v0は最小のロストモーション量となるときの送り速度であり、
    この求めたHi及びi−1番目の近似値Hi−1’を用いて下記の式により、
    Hi’=Hi+(Hi−1’−Hi)・exp(−Ti/τ) (τは時定数)
    i番目の近似値Hi’を算出するものである請求項1又は2記載の数値制御工作機械のロストモーション補正方法。
  5. テーブル等の移動体を案内面に沿って各送り軸の正及び負方向にサーボモータにより送り駆動する数値制御工作機械において、
    予め求めた上記移動体の浮上り量とロストモーション量の関係式及び上記移動体の浮上り量と送り速度の関係を示す時間遅れの近似式を記憶する記憶手段と、
    作動中に与えられた送り速度の履歴から上記近似式を用いて浮上り量を算出し、この算出した浮上り量から上記関係式を用いてロストモーション量を算出するロストモーション量算出手段と、
    作動中サーボモータへの指令値に上記ロストモーション量を付加してロストモーションを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする数値制御工作機械。
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