JP4750309B2 - 耐熱性に優れた連続繊維強化プラスチック棒材 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高引張強度、高弾性率を有する連続繊維(長繊維)を強化材とする繊維強化プラスチック(以下FRPと略称する)から成形された、優れた耐熱性を有する棒材、特に防・耐火性能を要する建築用途に適したFRP棒材、すなわちコンクリート補強材またはプレストレストコンクリート緊張材としての棒材に関する。
本明細書を通じて使用される用語「棒材」とは、丸形、矩形、異形(リブ、インデンテッド表面)ロッド、組紐状ロッド、撚り線状ストランド、格子状等、概して線形形状またはその形状単位からの2次元または3次元組立て形状を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
建設用コンクリート構造物の補強材、例えば鉄筋および緊張材等に要求される特性は高強度、高弾性、高靭性等の力学的特性、耐水性、耐アルカリ性、耐塩水性、耐候性、耐火・耐熱性などである。アラミド繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ガラス繊維等の高強力連続繊維からなるFRP複合材は先端複合材料として様々な産業分野において活用されている。建築、土木分野においても、高強力繊維からなる複合材は軽量、高強度、高弾性、耐食性、非電導、非磁性など、鉄筋よりも優れた比物性(引張強度、弾性率)と鉄筋にはない優れた耐食、電磁気的特性とを有しているので、近年、コンクリート構造物の劣化、崩落による危険性等の諸問題も相俟って、鉄筋に代わりうる材料として、鉄筋コンクリート部材の鉄筋代替材料またはPC(プレストレストコンクリート)鋼棒代替材料として使用されるに至っている。特に、アラミド繊維補強筋は他の繊維補強筋よりも引張強度、耐衝撃性、耐破壊靭性、振動減衰特性に優れているとともに非電導、非磁性である点が注目されて、安定した強磁場、強電場を必要とする核磁気共鳴設備や粒子加速器等の巨大科学研究設備、落雷による誘導電流を嫌う計算機センター等の特殊建築物等の鉄筋に代わる材料として利用されてきており、新たな用途開拓に寄与している。
【0003】
鉄筋コンクリート部材の鉄筋代替の補強材或いはPC鋼棒代替緊張材のような、建築用途に適用される限りは、火災を想定した防・耐火性能が要求されるのであるが、それにしては前記連続繊維強化による複合材は鉄筋などと較べて耐熱性に乏しいことが数少ない問題点といえる。元々上記のような繊維は高耐熱性であるが、マトリックス樹脂として多用されているエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等は熱に弱いので使用上限温度が150〜200℃と低い。また熱に強いタイプの最近開発されたエポキシ樹脂では、一般に粘度が高いため、その生産性が低いので連続繊維強化複合材製造に要する必要量を確保できない難点があった。とはいえ従来型マトリックス樹脂の耐熱性を何らかの化学的手段によって高める試みはそう簡単には成功しなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、連続繊維強化複合材の耐熱性・耐火性を高めるために、あらゆる角度から広範な研究を行うことにより、従来のマトリックス樹脂自体は断熱性があり使用上限温度を多少高くしても熱劣化は殆ど起こらないことに着目して、前記複合材に耐熱性樹脂を被覆することによって、耐熱性・耐火性に優れた連続繊維補強複合材が得られること、その結果建築基準法の要求する防・耐火性能要件への適合可能性に到達し、本発明を完成した。
【0005】
本発明においては、耐熱性を評価する目安として、火災を想定して、樹脂加熱減量、引張強度、弾性率、付着強度(接着強度)等のパラメーターを選び、それらの温度依存性について検討した。すなわちコンクリート部材中の連続繊維含有複合材補強筋が熱(温度変化)に曝される時の引張強度、弾性率、コンクリートとの付着強度、複合材の樹脂減量が熱、温度によりどのような影響を受けるのか、火災時コンクリート部材内位置での補強筋がどの程度の温度に曝されるのか、その結果として許容温度はどの位か、許容温度以下での耐火被覆の厚みはどの程度であればよいのか等について、強化材として主に炭素繊維、アラミド繊維を使用し、マトリックス樹脂としては慣用のエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を使用して種々研究を行った。
その結果、下記の新知見を得た。
【0006】
【表1】
Figure 0004750309
【0007】
これら結果を綜合すれば補強筋の火災時許容温度は250〜300℃、被覆材自体の許容温度は少なくとも200℃以上と結論づけることができるのではないかと判断した。連続繊維補強材の冷間の引張強さは、マトリックス樹脂の加熱減量特性により決まると考えられる。また連続繊維補強材の熱間の引張強さおよびコンクリートとの付着はマトリックス樹脂のガラス転移点温度で決まると考えられる。前述したように、マトリックス樹脂のTgや加熱減量開始温度をあげることは、連続繊維補強材の効率的な生産から困難であるが、連続繊維補強材の表面にTgの高い樹脂をコーティングできれば、この部分が断熱層や変型防止効果を示し、熱間の引張強さや付着強さを向上できると考えた。本発明は以上のような研究結果と考察に基づいている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は
(1) 連続繊維による繊維強化プラスチック複合材から成形されてなる棒材であって、その表面全体に前記複合材を構成するマトリックス樹脂のガラス転移点よりも20℃以上高いガラス転移点を有する耐熱性樹脂層で被覆されていることを特徴とする、耐熱性に優れた繊維強化プラスチック棒材、
(2) 連続繊維がアラミド繊維、アクリロニトリル系炭素繊維、ガラス繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれた繊維であり、マトリックス樹脂がフェノール系エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂から選ばれた樹脂である前記(1)記載の繊維強化プラスチック棒材、
(3) 前記耐熱性樹脂層が芳香族アミノエポキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、フェニレンビス−1,3−オキサゾールと芳香族ジアミンとからの架橋ポリアミノアミド樹脂から選ばれた樹脂からなる、前記(1)または(2)記載の繊維強化プラスチック棒材、
(4) マトリックス樹脂のガラス転移点が180℃以下であり、耐熱性樹脂のガラス転移点が200℃以上である、前記(1)〜(3)のいずれか記載の繊維強化プラスチック棒材、
(5) コンクリート補強材またはプレストレストコンクリート緊張材として使用される前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の棒材、
(6)強磁場、強電場、非電導性を要する設備用建屋のコンクリート補強材またはプレストレスト緊張材としての前記(5)記載の繊維強化プラスチック棒材、
に関する。
【0009】
従って、本発明は、連続繊維からなる繊維強化プラスチック複合材から成形されてなる棒材であって、その表面全体に前記複合材を構成するマトリックス樹脂のガラス転移点よりも20℃以上高いガラス転移点を有する耐熱性樹脂層で被覆されていることを特徴とする、耐熱性に優れた繊維強化プラスチック棒材にある。
【0010】
本発明において、“ガラス転移点”は非共振強制振動法によって、樹脂の動的粘弾性と温度との関係曲線から導かれた、弾性率が急低下する点での温度を意味する。その場合の測定装置は株式会社オリエンテック製のレオビブロン(RHEOVIBRON DDV-II-EA)を使用し、測定条件は周波数11ヘルツ、温度域24〜200℃、昇温速度2℃/分である。ガラス転移点は主分散(E”)のピーク温度から求めた値に拠る。
また補強筋の耐熱性とは、樹脂加熱減量、引張強度、付着強度と温度との関係性から250〜300℃程度の許容温度を有することを意味するものとする。
【0011】
請求項1の繊維強化プラスチック棒材において、本発明はさらに次の点を特徴とする。
連続繊維(長繊維)はアラミド繊維、特にパラ系アラミド繊維、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系)、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系繊維から選ばれた繊維であり、マトリックス樹脂はフェノール系エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂から選ばれた樹脂である。
耐熱性樹脂層は芳香族アミノエポキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、フェニレンビス−1,3−オキサゾールと芳香族ジアミンとから得られる架橋ポリアミノアミドから選ばれた樹脂からなる。
マトリックス樹脂のガラス転移点は180℃以下であり、耐熱性樹脂のガラス転移点は200℃以上である。
コンクリート補強材またはプレストレストコンクリート緊張材として使用される繊維強化プラスチック棒材。
強磁場、強電場、非電導性を要する設備用建物のコンクリート補強材またはプレストレストコンクリート緊張材としての繊維強化プラスチック棒材。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の棒材を構成する芯の複合材について先ず説明すると、強化材としての連続繊維はアラミド繊維、特にパラ系アラミド繊維(例えばケブラー29、49、149など)、炭素繊維、特にポリアクリロニトリル系炭素繊維、ガラス繊維、特にジルコニア含有耐アルカリガラス(ARガラス)、Aガラス、Sガラス等のガラス繊維、ポリビニルアルコール繊維(PVAのホルマリン縮合物;ビニロン)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(ザイロン)等から選ぶことができる。しかしながら物性、コスト等を総合的に判断すればアラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が選ばれる。
【0013】
マトリックス樹脂としてはガラス転移点が180℃以下の従来から知られる慣用樹脂、例えばエポキシ樹脂(ガラス転移点100〜170℃)、ビニルエステル樹脂(ガラス転移点150℃)、不飽和ポリエステル樹脂(ガラス転移点150℃)等が使用できる。前記エポキシ樹脂としては、例えばいずれもグリシジルエーテル基を含むビスフエノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂(例、フタル酸ジグリシジルエステルからのエポキシ樹脂)などが挙げられる。ビニルエステル樹脂はエポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸などの不飽和二塩基酸との反応で得られ、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれるものであり、例えばビスフェノール型、ノボラック型、ウレタン基含有型(ウレタンアクリレート)、イソシアヌル酸ビニル系などが挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂は例えばオルソフタル酸系(オルソ系)、耐熱イソフタル酸系(イソ系)、テレフタル酸系(テレ系)、ビスフェノール系(ビス系)、ネオペンチルグリコール系等が挙げられる。
【0014】
前記樹脂と連続繊維強化材とは、目的とする棒材の形状によって様々な成形方法、例えば等のロッドは引き抜き成形法(連続繊維に樹脂を含浸し、加熱金型で賦形、硬化した後、引き出す)により製造される。或いは別の丸形、矩形ロッドの製造方法は連続繊維を一方向に引き揃え、樹脂で固める方法による。組紐状ロッドは連続繊維ヤーンを組紐に製紐し、樹脂で含浸硬化して製造されるが、これはプレストレストコンクリート用緊張材の製造に適している。撚り線状ロッドは撚り線状に綯った連続繊維糸を熱硬化樹脂で含浸させて成形、硬化させることによって製造される。また格子状ロッドは連続繊維に樹脂を含浸させながら、格子に一体成形させる方法による。
【0015】
このようにして得られた連続繊維強化プラスチック複合材は、さらにその表面全体に亘って前記樹脂のガラス転移点よりも20℃以上高いガラス転移点を有する耐熱性樹脂で被覆される。そのような樹脂およびそのガラス転移点を挙げると、芳香族アミノエポキシ樹脂、例えばテトラグリシジルアミノジフェニルメタンからの樹脂(230℃)、ジグリシジルアミノ基および芳香族基置換グリシジルフェノールからの樹脂(260℃);ポリエーテルスルホン(225℃)(下記化1に表示)、ポリアリールエーテルスルホン(285℃)(下記化2に表示)などのエーテルスルホン系樹脂;1,3−フェニレンビスオキサゾール(下記化3に表示)と芳香族ジアミン、例えばジアミノジフェニルメタンとから得られる架橋ポリアミノアミド(250℃)、1,3−フェニレンビスオキサゾールと各種カルボン酸(脂肪族ジカルボン酸+テレフタール酸、脂肪族ジカルボン酸+p−オキシ安息香酸+サリチル酸)とから得られる架橋ポリエステルアミド樹脂などがある。さらには、ポリエーテルイミド(217℃)、ポリアミドイミド(280〜290℃)などのイミド系樹脂等も挙げることができる。
なお本発明におけるガラス転移点は、島津製作所製TG−40M型装置によって行う。
【0016】
【化1】
Figure 0004750309
【0017】
【化2】
Figure 0004750309
【0018】
【化3】
Figure 0004750309
【0019】
耐熱樹脂の被覆厚みは棒材の径(ロッド状の場合通常3〜10mm、撚り線状の場合5〜40mm)に応じて異なるが、通常0.1mm〜2mmの範囲内が望ましい。下限以下では耐熱効果が発揮されないし、上限値以上はあまり意味がないことになる。複合材は耐熱樹脂に浸漬或いは塗布により含浸しまたは耐熱樹脂の射出成形により被覆されて、本発明の目的とする耐熱性棒材が得られる。
【0020】
棒材には、コンクリートなどとの付着性(接着性)を高めるために表面凹凸、例えば長手方向に胸壁状でこぼこ、リブを賦与することや、砂を付与して固めることもできる。棒材の形状は目的に応じて、断面丸形、矩形でもよく、或いは線形棒材から2次元的格子に組立てたり、柱材、コーナー材のために立体格子に組立てることもできる。
【0021】
本発明棒材はコンクリート部材の補強材或いは緊張材として使用することができるが、そのような棒材を含むコンクリート部材はコンクリート構造物に要求される本来の強度その他の特性を満たす上に、鉄、鋼に代って、その特性を活かした様々な特殊建築物に有用である。実例を挙げれば、大型橋、バース、桟橋床版、リニアモーターカーレール桁等各種コンクリート構造物のケーブルとして、核磁気共鳴装置棟、地球シミュレータ(超高速並列計算機システム)、陽子加速器施設、核融合炉施設等の建物基礎部にコンクリート補強筋または緊張材として施工される。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
【0023】
実施例1、2
アラミド長繊維(東レ・デュポン株式会社製ケブラー49)を引揃え、9mm径の組紐に製紐し、常温で低粘度の液状のビスフェノールA/脂肪族アミン系樹脂に含浸し、150℃で10分間硬化させて組紐状の長さ1mロッドを製作した。同じ条件で樹脂のみの硬化片を作成し、Tgは145℃であった。
第1のロッド表面に、硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを含むテトラグリシジルアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂(住友化学株式会社製スミ−エポキシELM-434;ガラス転移点230℃)を含浸させ、180℃にて1時間硬化させて、厚み0.5mmの被覆層とし、目的とする棒材を得た(実施例1)。
第2のロッドを、射出成形機の円筒形状金型の中心に同心状に置き金型を閉じて後、ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学株式会社製スミカエクセルPES3600G;ガラス転移点225℃)を200℃で加熱流動化し、ノズルから金型内に射出して樹脂をロッド回りに被覆成形し、厚さ0.5mmの耐熱被覆層を有する棒材を得た(実施例2)。
【0024】
実施例1、2で得られた棒材ならびに第3の無被覆ロッドを用いて、引張強度−加熱温度関係(冷間)および引張強度−加熱温度関係(熱間)を求めて、その結果を図1および図2に示した。□、○および×はそれぞれ実施例1の棒材、実施例2の棒材および無被覆ロッドの結果を示す。冷間引張強度試験は、被検物を所定温度で10分間加熱した後、室温(25℃)まで冷却した状態で引張載荷(載荷速度600Mpa/min)を行う試験であり、熱間引張強度試験は被検物を所定温度まで加熱し(昇温速度2℃/min)当該所定温度に保たれた状態で引張載荷(載荷速度600Mpa/min)を行う試験である。
また同様にして、実施例1の棒材と無被覆ロッドについて、コンクリートの付着保持率(熱間)を求めて図3に示す結果を得た。同様に破線は実施例1の棒材そして実線は無被覆ロッドの結果を示す。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、高い比強度、非電導性、非磁性等優れたユニークな特性を有する高機能連続繊維強化材による繊維強化プラスチックを芯材として、そのマトリックス樹脂のガラス転移点よりも20℃以上高いガラス転移点を有する耐熱性樹脂で被覆してなるコンクリート補強材または緊張材としての棒材に関するものであって、ガラス転移点の差を20℃以上とすることによって、火災を想定した優れた耐熱性が確保されることが判明した。各種土木建築構造物用ケーブルとしてのみならず、そのユニークな特性を利用して、核磁気共鳴設備やトカマク型核融合炉施設、計算機センターなどの建築物に使用するコンクリート部材の補強材、緊張材として有用である。特に後者の建物その他の建築分野については耐熱・耐火性が一層確保されるならば将来的に様々な用途の可能性が開けるものと期待される。本発明はその端緒になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の棒材、実施例2の棒材および無被覆ロッドの引張強度−加熱温度関係(冷間)を示す。
【図2】 実施例1の棒材、実施例2の棒材および無被覆ロッドの引張強度−加熱温度関係(熱間)を示す。
【図3】 実施例1の棒材と無被覆ロッドのコンクリートとの付着力保持率−加熱温度関係(熱間)を示す。

Claims (5)

  1. ガラス転移点が180℃以下であるマトリックス樹脂を構成成分とし、連続繊維による繊維強化プラスチック複合材から成形されてなる棒材であって、その表面全体が、ガラス転移点が200℃以上である耐熱性樹脂層で被覆されていることを特徴とする、250〜300℃における耐熱性に優れた繊維強化プラスチック棒材。
  2. 連続繊維がアラミド繊維、アクリロニトリル系炭素繊維、ガラス繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維から選ばれた繊維であり、マトリックス樹脂がフェノール系エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂から選ばれた樹脂である請求項1記載の繊維強化プラスチック棒材。
  3. 前記耐熱性樹脂層が芳香族アミノエポキシ樹脂、ポリエーテルスルホン、フェニレンビス−1,3−オキサゾールと芳香族ジアミンとからの架橋ポリアミノアミド樹脂から選ばれた樹脂からなる、請求項1または2記載の繊維強化プラスチック棒材。
  4. コンクリート補強材またはプレストレストコンクリート緊張材として使用される請求項1〜のいずれか1項記載の棒材。
  5. 強磁場、強電場、非電導性を要する設備用建屋のコンクリート補強材またはプレストレスト緊張材としての請求項記載の繊維強化プラスチック棒材。
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