JP4749175B2 - プロペラファンと流体送り装置 - Google Patents

プロペラファンと流体送り装置 Download PDF

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Description

この発明は、一般的には空気調和機の室外機、空気清浄機、加湿機、除湿機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置等の流体送り装置に用いられるプロペラファンに関し、特定的にはプロペラファンの形状に関するものである。
従来から、送風機や冷却機には一般的にプロペラファンが用いられている。たとえば、空気調和機の室外機では空気吹出口にプロペラファンが取付けられている。プロペラファンの回転によって、空気吸込口から室外機内に外気を吸込んだ後、空気吹出口から吹出すように構成されている。
図14は従来の流体送り装置の要部を示す斜視図である。
図14に示すように、流体送り装置の主要部はプロペラファン2とベルマウス60とから構成される。プロペラファン2は円筒状のボス10と複数の翼20とからなる。翼20はボス10の外周表面の円周方向に沿い、複数枚の翼20、図14に示す例では3枚の翼20が等間隔に配置されて設けられている。プロペラファン2を矢印Qで示す方向に回転させると、プロペラファン2を境にして高圧と低圧を作り出す。すなわち、矢印Pで示す方向に沿ってプロペラファン2の低圧側から高圧側へ流体を送り出す。プロペラファン2が矢印Qで示す方向に回転すると、回転軸40の矢印Pで示す正方向に流れが生じる。
翼20は、ボス10の回転軸40の正方向を上記のように矢印Pで示す方向に決めると、そのP方向に対して左に捩じれた曲面を形成している。翼20の曲面は、ボス10の側表面11に加えて前縁部21、周縁部22、後縁部23で形成される。一般的に翼先端部24は鎌状に尖った形状を有する。周縁部22は、回転軸40を中心として直径Dの距離を隔てた曲面上にある。
ベルマウス60は、プロペラファン2の外径Dに対して所定の隙間εだけ隔てた位置に設けられ、破線で示すように円弧状オリフィスを有する板状体である。ベルマウス60とプロペラファン2は適宜の手段で同軸上に固定されている。プロペラファン2は、図示しない電動機、内燃機関、プーリ等の駆動手段によって駆動される。
プロペラファン2の後縁部23から発生する空力騒音の主な要因は、境界層での剥離、境界層内での圧力変動、後縁部23での渦放出および翼端渦である。これまでに翼の低圧面上における剥離の低減、境界層内での圧力変動の低減、翼端渦の制御により、空力騒音を抑制する手段については、多くの技術が提案されている。また、後縁部23での渦放出対策技術についても、後縁部23の厚みをできるだけ薄くし、後縁部23からの放出渦を低減して騒音低下を図るといった対策がとられてきた。
しかし、プロペラファン2の空力性能を維持するためには後縁部23の厚みは、ある程度必要となる。近年の低騒音化に対する要求レベルの高まりを考慮すると、上記の対応だけでは不足である。プロペラファン2のより一層の低騒音化を図るための方策が必要となってきている。
また、他の騒音低減手法として、たとえば、特開平10−176695号公報(特許文献1)に示されるように後縁部23に複数の凸状ブロック、複数のディンプル、複数のリブ、粗面、複数の溝部等を設けて、後縁部23に乱流形成部を形成し、効果的に乱流を発生させることによって、可及的に渦の放出を抑制し、空力騒音を減少させる技術が提案されている。
特開平10−176695号公報
しかし、上記の従来例の構成では、乱流を積極的に発生させることによって後縁部23での放出渦を分散し、特定の周波数における音圧レベルのピークを解消した結果、全体としての空力騒音を減少できるというメリットはあるが、放出渦そのものを解消することができないという問題がある。
この発明の目的は、後縁部で生じる放出渦の発達を抑制し、空力騒音の低いプロペラファンとそれを備えた流体送り装置を提供することである。
この発明に従ったプロペラファンは、ボスと、このボスから外方向に向かって延びるように形成された翼とを備え、回転軸を中心として当該プロペラファンを一方向に回転させることによって当該プロペラファンを境にして高圧と低圧を作り出し、当該プロペラファンの低圧側から高圧側へ流体を送り出すプロペラファンである。翼は、回転方向の側に位置づけられる前縁部と、回転方向と逆の方向の側に位置づけられる後縁部と、前縁部の先端縁と後縁部の後端縁とを連結し回転軸の周りに延びる周縁部と、前縁部とボスとを連結する前縁連結部と、後縁部とボスとを連結する後縁連結部とを有する。後縁部の少なくとも一部は、翼の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面で形成されている。
このように構成することにより、翼の低圧面側と高圧面側の2つの流れが後縁部でスムーズに合流するため、後縁部付近では流れの速度欠損が小さくなる。その結果、後縁部から放出渦の発生量を抑制し、空力騒音を減少させることができ、同時にファン効率が向上する。
この発明のプロペラファンにおいては、上記の面で形成された後縁部の少なくとも一部は、翼の代表自乗平均半径位置から後縁連結部までの領域に形成されているのが好ましい。
翼の代表自乗平均半径位置から後縁連結部までの領域は、空力性能に寄与する割合が相対的に小さいので、翼の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面を、上記の領域の後縁部に形成しても、空力性能をあまり低下させることなく、放出渦の発生を抑制し、空力騒音を低減することができる。これにより、高効率かつ低騒音のプロペラファンを得ることができる。
また、この発明のプロペラファンにおいては、後縁連結部は、ボスの高圧側の表面に連続した表面を有するようにボスに連結されているのが好ましい。
このように構成することにより、プロペラファンの空力性能を維持するとともに、ボスの端面と後縁部のボス側の終端との接合部分に空間を確保し、十分大きなR部を形成することができる。このため、プロペラファンの回転中に翼のたわみにより生じる応力集中を緩和することができ、強度の信頼性に優れたプロペラファンを提供することができる。
さらに、この発明のプロペラファンにおいては、後縁連結部がボスの高圧側の端縁よりも高圧側に突出することにより、段差が形成されているのが好ましい。
このように構成することにより、プロペラファンを軸方向に複数積み重ねる場合に、後縁連結部によるボスの高圧側の端縁における段差が別のボスの低圧側の端縁で抱え込むように複数のプロペラファンを積み重ねることができるので、効率的な荷姿を実現することができる。
この発明のプロペラファンにおいては、前縁連結部は、ボスの低圧側端面に連続した表面を有するように形成され、かつ、ボスの低圧側端面よりも低圧側に突出しないように形成されているのが好ましい。
このように構成することにより、ボスの高さを小さくすることができるため、プロペラファンの成型品の搬送に係るコストを削減することができる。
この発明のプロペラファンにおいては、前縁連結部がボスの低圧側の端縁よりも低圧側に突出することにより、段差が形成されているのが好ましい。
このように構成することにより、プロペラファンを軸方向に複数積み重ねる場合に、前縁連結部によるボスの低圧側の端縁における段差が別のボスの高圧側の端縁で抱え込むように複数のプロペラファンを積み重ねることができるので、効率的な荷姿を実現することができる。さらに、プロペラファンをモータにより駆動する場合、モータが気流から受ける影響を最小限にするために、モータは、プロペラファンの低圧側に配置することが望ましい。この場合、上記の段差がモータ側に位置するため、使用者から見えにくくなり、外観を損ねることがない。
この発明のプロペラファンにおいては、後縁部は、ボスの高圧側の端縁よりも高圧側に突出するように形成されているのが好ましい。
このように構成することにより、ボスの高さによらずに後縁部の位置を設定することができるため、翼面積を大きくとることができ、プロペラファンの空力性能を効率よく高めることができる。
この発明に従った流体送り装置は、上述の少なくともいずれかの特徴を有するプロペラファンを備える。
この流体送り装置によれば、騒音の発生が抑制されるとともに、効率の高い送風を行なうことができ、エネルギーの消費を低減することができる。
以上のようにこの発明によれば、後縁部での放出渦の発生量を抑制し、空力騒音を減少させることができ、同時にファン効率が向上することが可能なプロペラファンとそれを備えた流体送り装置を得ることができる。
(実施の形態1)
本発明の実施形態1に係るプロペラファンについて説明する。このプロペラファンは、たとえば、ガラス繊維入りAS(acrylonitrile-styrene)樹脂等の合成樹脂により一体成型されたものである。
図1は本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの高圧側から見た斜視図、図2は本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの低圧側から見た斜視図である。
図1と図2に示すように、プロペラファン1は、円筒状のボス10と複数の翼20、図1と図2に示す例では2枚の翼20からなる。複数の翼20は、ボス10の外周表面の円周方向に沿って等間隔に配置されて設けられている。
プロペラファン1を矢印Qで示す方向に回転させると、プロペラファン1を境にして高圧と低圧を作り出す。すなわち、矢印Pで示す方向に沿ってプロペラファン1の低圧側から高圧側へ流体を送り出す。プロペラファン1が矢印Qで示す方向に回転すると、回転軸40の矢印Pで示す正方向に流れが生じる。
翼20の曲面は、ボス10の側表面11、前縁部21、周縁部22、後縁部23、前縁部21と周縁部22とを滑らかに連結する、前縁部21の先端縁を含む翼先端部24、周縁部22と後縁部23とを滑らかに連結する、後縁部23の後端縁を含む翼後端部25、前縁部21とボス10のボス低圧側連結部12とを滑らかに連結する前縁連結部26、後縁部23とボス10のボス高圧側連結部13とを滑らかに連結する後縁連結部27、後縁部23と後縁連結部27を滑らかに連結する内縁部28によって形成されている。ボス10は、高圧側端面10pと低圧側端面10nとを有する。
後縁部23の少なくとも一部は、翼20の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸40の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面30(図1において斜線が施された部分)で形成されている。翼先端部24は鎌状に尖った形態を成している。前縁連結部26は、前縁部21から滑らかに湾曲した形状に形成されることにより、翼20に生じる応力を分散させ、強度信頼性を向上させる。
また、後縁部23は、ボス高圧側連結部13より高圧側に形成されている。すなわち、後縁部23は、ボスの高圧側の端縁よりも高圧側に突出するように形成されている。このため、ボス高さによらずに後縁部23の位置を設定することができるので、翼面積を大きくとることができ、プロペラファン1の空力性能を効率よく高めることができる。
ボス10は、翼20が取り付けられる側表面11と、モータのシャフトと固定される固定部(図示せず)と、この固定部と側表面11を連結し、プロペラファン1とベルマウス60(図14)の位置関係が最適となるような位置に形成された連結部とを有する。ボス10の断面は、目的に応じて凹形状、H形状、または斜流形状となるように形成されている。
図3は本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの後縁連結部27とボス高圧側連結部13の位置関係を示す概略断面図、図4は比較例として後縁連結部27とボス高圧側連結部13とが滑らかに連結されていない場合の概略断面図である。
図3と図4に示すように、ボス高圧側連結部13が位置するボス10の表面と内縁部28とがなす角度をαとする。図4に示すように、後縁連結部27とボス高圧側連結部13とが滑らかに連結されていない場合、角度αは90度以下となる。しかしながら、図3に示すように、後縁連結部27とボス高圧側連結部13とが滑らかに連結されている場合、角度αは90度以上の角度をとることができる。すなわち、後縁連結部27は、ボス10の高圧側の表面に連続した表面を有するようにボス10に連結されている。このため、プロペラファン1の空力性能を維持するとともに、後縁連結部27とボス高圧側連結部13が位置する高圧側端面10pとの間に空間を確保し、十分大きなR部を形成することができる。このため、プロペラファン1の回転中に翼20のたわみにより生じる応力集中を緩和することができ、強度信頼性に優れたプロペラファン1を提供することができる。
図3に示す実施形態ではボス10の断面形状を凹形状としたが、これに限定されるものではない。図5はボス10の断面をH形状とした場合の後縁連結部27とボス高圧側連結部13の位置関係を示す概略断面図、図6はボス10の断面形状を斜流形状とした場合の後縁連結部27とボス高圧側連結部13の位置関係を示す概略断面図である。図5と図6に示すように、後縁連結部27とボス高圧側連結部13は滑らかに連結されているため、図3に示す実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
図7は本発明の実施の形態1に係る前縁連結部26とボス低圧側連結部12の位置関係を示す概略図である。図8は本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの高圧側から見た正面図とその側面図である。図9は本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの低圧側から見た背面図とその側面図である。
図7に示すように、前縁連結部26は、前縁部21のうち、ボス10と連結する一部(斜線が施された部分)が切断されたように形成され、ボス低圧側連結部12と滑らかに連結されている。すなわち、前縁連結部26は、ボス10の低圧側端面に連続した表面を有するように形成され、かつ、ボス10の低圧側端面10nよりも低圧側に突出しないように形成されている。
図8と図9に示すように、プロペラファン1の回転中に生じる翼20のたわみ及び遠心力によって、前縁部21の代表的な接線Aと前縁連結部26の代表的な接線Bとが交わる点付近に応力が集中する。これを応力集中部Sとする。この応力が集中する位置(応力集中部)Sの最大応力値は、前縁連結部26とボス低圧側連結部12の形状及び位置の影響を強く受ける。たとえば、プロペラファン1の強度信頼性及び空力性能を確保するためには、前縁連結部26とボス低圧側連結部12に十分な面積を確保することが必要である。逆に、前縁連結部26の一部を不用意に切断すると、前縁連結部26とボス低圧側連結部12の面積を確保することができず、前縁連結部26およびボス低圧側連結部12にかかる応力が急激に増大し、強度信頼性が損なわれる。また、翼形状を保持する強度も低下し、たわみ量も増加するため、空力性能が劣化するとともに、発生する最大応力値もさらに大きくなり、ますます強度信頼性が低下する。
そこで、上記の不具合を回避するために、本実施形態においては、図9の下図に示すように、前縁連結部26の端面が、翼20の低圧面上の応力集中部Sよりやや低圧側の位置において、プロペラファン1の回転軸40に対して垂直な面が形成されるように、前縁連結部26の一部が切断されている。いいかえれば、ボス10の低圧側端面10nは、翼20の低圧側の面上での応力集中部Sよりも低圧側に位置づけられるように形成されている。
このように構成することにより、強度信頼性、空力性能を劣化させずに、ボス10の高さをさらに小さくできるため、信頼性および所望性能を確保するとともに、プロペラファンの成型品の搬送に係るコストを削減することができる。
なお、上記と同様の効果を得るための切断可能な限界位置は、翼20の低圧面上の応力集中部Sと同一の位置までである。
図8を参照して、後縁部23の少なくとも一部が、翼20の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸40の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面30(図1において斜線が施された部分)で形成されていることについて説明する。後縁部23の少なくとも一部を形成する上記の面は、回転軸40の周りに位置づけられた線分として、プロペラファン1の回転軸40に対称にカットライン30を作成し、回転軸40を中心としてカットライン30を一回転させて形成される回転体と後縁部23とが交差する部分を後縁部23から切断することにより、形成される。
この面30は、プロペラファン1の回転に対して常に接線方向を向くため、回転に対して最も気流に与える影響が少ない形状を得ることができる。したがって、翼20の低圧側面に沿う流れと高圧側面に沿う流れとの2つの流れが後縁部23でスムーズに合流し、後縁部23付近では流れの速度欠損が小さくなる。その結果、後縁部での放出渦の発生量を抑制し、空力騒音を減少させることができる。さらに、プロペラファン1の回転を妨げるように働く抗力を低減し、ファン効率を向上させることができる。
この理由について図10を参照して説明する。図10は、後縁部23を部分的に拡大し、本発明例と従来例における後縁部23付近の流れおよび渦の挙動を説明するための概略図である。図10(a)は翼の理想的な形状、図10(b)は成型を考慮した形状、図10(c)は金型を用いた成型を考慮した形状、図10(d)は本発明例の形状を示す。
翼20の後流では翼20の高圧側面20pに沿う流れと低圧側面20nに沿う流れとが合流する。図10(a)に示すように、理想的な後縁部23は、高圧側面20pと低圧側面20nとが後縁部23の厚みがゼロになる点で交わるため、翼20の高圧側面20pに沿う流れと低圧側面20nに沿う流れとの2つの流れが後縁部23でスムーズに合流するため、後縁部23付近では流れの速度欠損が生じない。
ところで、成型品の強度確保、および成型時の樹脂流動性を考慮すると、図10(b)に示すように、後縁部23にはある程度の厚みが必要である。さらに、金型で成型する場合、成型コストや金型の耐久性を考慮すると、図10(c)に示すように、後縁部23は金型のスライド方向に平行となる面、すなわち垂直な面で形成されるため、後縁部23に厚みが生じる。この後縁部23の厚みのために、高圧側面20pに沿う流れと低圧側面20nに沿う流れとの2つの流れがスムーズに合流できずに放出渦50を生成し、空力騒音が発生する。
しかしながら、図10(d)に示すように、後縁部23が上述した面30を含むことによって、翼20の高圧側面20pに沿う流れと低圧側面20nに沿う流れとの2つの流れが後縁部23でスムーズに合流するため、後縁部23付近では流れの速度欠損が小さくなる。その結果、後縁部23での放出渦の発生量を抑制し、空力騒音を減少させることができるとともに、同時にファン効率を向上させることができる。
回転軸40を中心としてカットライン30を一回転させて形成される回転体の形状は、本実施形態のように一部にほぼ円錐台形状の突起を持つような伏せ皿型の形状や、円錐台を円柱に変更した形状、または、ボス10における気流の流れ方向の後ろ側の端面と同一平面となるような形状が可能であり、本実施形態の形状に特に限定されるものではなく、後縁部23がプロペラファン1の回転に対して常に接線方向を向くような形状であれば、上記と同等の作用効果を得ることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施形態2に係るプロペラファンについて説明する。なお、本実施形態のプロペラファンは、以下で特に記載がない構成については、実施形態1および従来のプロペラファンと同様である。したがって、実施形態2に係るプロペラファンについて、同一構成および作用効果を奏する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係るプロペラファンの高圧側から見た正面図である。
図11を参照して、翼20の代表自乗平均半径Rrの位置付近からボス10側までの領域に形成された面30について説明する。代表自乗平均半径Rrは、Rr=((R+r)/2)1/2で規定する。ここで、Rは翼20の代表半径であり、最大外半径をR1、最小外半径をR2とすると、(R1+R2)/2で表される。rはボス10の代表半径であり、最大外半径をr1、最小外半径をr2とすると、(r1+r2)/2で表される。
一般的に翼の代表自乗平均半径Rrの位置からボス10側までの領域、すなわち、翼の代表自乗平均半径Rrの位置から後縁連結部27までの領域は、空力性能に寄与する割合が相対的に小さい。このため、翼の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面30を、上記の領域の後縁部23に形成しても、空力性能をあまり低下させることなく、放出渦の発生を抑制し、空力騒音を低減することができる。これにより、高効率かつ低騒音のプロペラファンを得ることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施形態3に係るプロペラファンについて説明する。なお、本実施形態のプロペラファンは、以下で特に記載がない構成については、実施形態1および従来のプロペラファンと同様である。したがって、実施形態3に係るプロペラファンについて、同一構成および作用効果を奏する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図12は、本発明の実施の形態3に係るプロペラファンの一部を示す概略断面図である。
図12を参照して、後縁連結部27がボス高圧側連結部13より凸となるように段差が形成されている。すなわち、後縁連結部27がボス10の高圧側の端縁よりも高圧側に突出することにより、段差が形成されている。
このように後縁連結部27がボス高圧側連結部13より凸となるように段差が形成されているため、プロペラファン1を軸方向に複数積み重ねる場合に、後縁連結部27とボス高圧側連結部13との段差が別のボス低圧側連結部12で抱え込むような形状となり、効率的な荷姿を実現することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施形態4に係るプロペラファンについて説明する。なお、本実施形態のプロペラファンは、以下で特に記載がない構成については、実施形態1および従来のプロペラファンと同様である。したがって、実施形態4に係るプロペラファンについて、同一構成および作用効果を奏する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図13は、本発明の実施の形態4に係るプロペラファンの一部を示す概略断面図である。
図13に示すように、前縁連結部26とボス低圧側連結部12に、前縁連結部26がボス低圧側連結部12より凸となるような段差を設けてもよい。すなわち、前縁連結部26がボス10の低圧側の端縁よりも低圧側に突出することにより、段差が形成されている。このように、前縁連結部26がボス低圧側連結部12より凸となるような段差を設けているため、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
さらに、プロペラファンをモータにより駆動する場合、モータが気流から受ける影響を最小限にするために、モータは、プロペラファンより低圧側に配置することが望ましい。この場合、上記の段差がモータ側に位置するため、使用者から見えにくくなり、外観を損ねることがない。
なお、以上の実施の形態では、プロペラファンとしてガラス繊維入りAS樹脂により一体成型されたものを例に挙げて説明したが、この他に、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)樹脂やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂により一体成型されたプロペラファンでもよい。また、マイカ等を含み、強度を増加させた合成樹脂により一体成型されたプロペラファンでもよい。あるいはプロペラファンは一体成型されていなくてもよい。
また、上述のプロペラファン1を備えた流体送り装置を構成することにより、騒音の発生が抑制されるとともに、効率の高い送風を行なうことができ、エネルギーの消費を低減することができる。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
この発明に従ったプロペラファンとそれを備えた流体送り装置は、空気調和機の室外機、空気清浄機、加湿機、除湿機、ファンヒータ、冷却装置、換気装置等に適用することができる。
本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの高圧側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの低圧側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの後縁連結部とボス高圧側連結部の位置関係を示す概略断面図である。 比較例としてプロペラファンの後縁連結部とボス高圧側連結部とが滑らかに連結されていない場合の概略断面図である。 ボスの断面をH形状とした場合の後縁連結部とボス高圧側連結部の位置関係を示すプロペラファンの概略断面図である。 ボスの断面を斜流形状とした場合の後縁連結部とボス高圧側連結部の位置関係を示すプロペラファンの概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの前縁連結部とボス低圧側連結部の位置関係を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの高圧側から見た正面図とその側面図である。 本発明の実施の形態1に係るプロペラファンの低圧側から見た背面図とその側面図である。 後縁部を部分的に拡大し、本発明例と従来例における後縁部付近の流れおよび渦の挙動を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2に係るプロペラファンの高圧側から見た正面図である。 本発明の実施の形態3に係るプロペラファンの一部を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態4に係るプロペラファンの一部を示す概略断面図である。 従来の流体送り装置の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1:プロペラファン、10:ボス、10p:高圧側端面、10n:低圧側端面、11:側表面、12:ボス低圧側連結部、13:ボス高圧側連結部、20:翼、21:前縁部、22:周縁部、23:後縁部、24:翼先端部、25:翼後端部、26:前縁連結部、27:後縁連結部、28:内縁部、30:面(カットライン)、40:回転軸。

Claims (8)

  1. ボスと、前記ボスから外方向に向かって延びるように形成された翼とを備え、
    回転軸を中心として当該プロペラファンを一方向に回転させることによって当該プロペラファンを境にして高圧と低圧を作り出し、当該プロペラファンの低圧側から高圧側へ流体を送り出すプロペラファンであって、
    前記翼は、回転方向の側に位置づけられる前縁部と、回転方向と逆の方向の側に位置づけられる後縁部と、前記前縁部の先端縁と前記後縁部の後端縁とを連結し回転軸の周りに延びる周縁部と、前記前縁部と前記ボスとを連結する前縁連結部と、前記後縁部と前記ボスとを連結する後縁連結部とを有し、
    前記後縁部の少なくとも一部は、前記翼の高圧側面と低圧側面とを連結する面であって、回転軸の周りに位置づけられた線分を回転軸を中心として回転させることによって形成された面で形成されている、プロペラファン。
  2. 前記面で形成された前記後縁部の少なくとも一部は、前記翼の代表自乗平均半径位置から前記後縁連結部までの領域に形成されている、請求項1に記載のプロペラファン。
  3. 前記後縁連結部は、前記ボスの高圧側の表面に連続した表面を有するように前記ボスに連結されている、請求項1または請求項2に記載のプロペラファン。
  4. 前記後縁連結部が前記ボスの高圧側の端縁よりも高圧側に突出することにより、段差が形成されている、請求項1または請求項2に記載のプロペラファン。
  5. 前記前縁連結部は、前記ボスの低圧側端面に連続した表面を有するように形成され、かつ、前記ボスの低圧側端面よりも低圧側に突出しないように形成されている、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のプロペラファン。
  6. 前記前縁連結部が前記ボスの低圧側の端縁よりも低圧側に突出することにより、段差が形成されている、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のプロペラファン。
  7. 前記後縁部は、前記ボスの高圧側の端縁よりも高圧側に突出するように形成されている、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプロペラファン。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプロペラファンを備えた、流体送り装置。
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