JP4749004B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板又は円偏光板を備える表示装置に関する。特に、発光素子がアクティブマトリクス状に配置され、当該発光素子からの発光が両面へ行われる表示装置に関する。
従来、有機EL素子を有する有機ELパネルにおいて偏光板又は円偏光板が用いられている。(例えば、特許文献1参照)。これは、表示部に形成される電極に外光が反射して画像の視認性が低下するためである。特に、表示していない状態では、電極が鏡面となり、背景が映り込んでしまう。また表示を行っている状態でも、コントラストが低下したり、黒色が表示しにくくなる問題がある。
また単色光に対して1/2波長の位相差を与えるフィルムを積層して、全体として1/2波長板として機能させたり、1/2波長の位相差を与えるフィルムと、1/4波長の位相差を与えるものとを積層して、全体として1/4波長板として機能させたりする積層させた波長板、及びそれらを有する円偏光板に関するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許登録第2761453号 特許登録第3174367号
EL素子を表示部に有する電子機器の一例として、携帯用電話機が挙げられる。近年の携帯用電話機は、情報量や機能の増加に伴い、EL素子を有するパネルと液晶素子を有するパネルとを重ね合わせたり、液晶素子を有するパネル同士を重ね合わせたりして、主画面と、副画面とが表示できるようになってきた。
しかし、上述のようなパネルを重ね合わせて主画面と、副画面との表示を行う場合、電子機器が重く、厚くなってしまった。
そこで本発明は、複数の表示面を有し、且つ軽量、薄型化を達成する表示装置を提供することを課題とする。このような新たな構成の表示装置の課題を解決する。
上記課題を鑑み、発光素子に対して両面に発光が行われる表示装置(両面出射型表示装置と表記する)を提供する。両面出射型表示装置は、携帯用電話機で、発光素子を有する表示部をそれぞれ重ねて2画面表示を行っている構成とは技術的に異なり、一つの発光素子からの発光を、半導体素子が設けられている側と、それに対向する側から認識することができる。従って、両面出射型表示装置を搭載した電子機器の厚みを薄くすることができ、軽量化を達成できる。
両面出射型表示装置は、発光素子に対して両面に発光が行われるため、発光素子の対向にして設けられる両電極は透光性を有する必要がある。すると、上述のような電極による外光反射の問題は低減されるが、黒色の表示(黒表示)が困難であるという新たな問題が発生する。これは、両電極が透光性を有するため、黒表示、つまり表示を行わないオフの状態では向こう側が透けるためである。黒表示が困難となることに伴って、コントラストも低減されてしまう。
このように、両面出射型表示装置での新たな問題が生じてしまった。そこで本発明は、きれいな黒表示を行うことができ、コントラストの高い両面出射型表示装置を提供することを課題とする。
そこで本発明は、両面出射型表示装置において、出射面に偏光板、又は円偏光板を備えることを特徴とする。さらに、偏光板が有する透過軸、又は透過軸に対して90度をなす吸収軸(以下、透過軸又は吸収軸を光軸と表記する)は、90度をなし、さらに透過軸同士、又は吸収軸同士はずれ角(以下、両ずれ角のいずれも光軸のずれ角と表記する)を有してもよく、ずれ角は、±45度以下、好ましくは±30度以下、さらに好ましくは±10度以下、さらに好ましくは、±5度以下の許容範囲となる特徴とする。このような偏光板を用いると、非発光状態となる黒表示をきれいに行うことができ、コントラストを高めることができる。
次に図4を用いて、ずれ角について説明する。図4(A)に示すように、例えば、偏光板の吸収軸でみると、偏光板Aの吸収軸Aと、偏光板Bの吸収軸Bとが90度をなす状態をクロスニコル状態という。なお、偏光板Aの透過軸と、偏光板Bの透過軸とが90度をなす状態もクロスニコル状態となる。
また吸収軸Aと、吸収軸Bとが平行となる状態をパラレルニコル状態という。なお、偏光板Aの透過軸と、偏光板Bの透過軸とが平行となる状態もパラレルニコル状態となる。
そしてずれ角とは、最初の状態の光軸からずれる角度を指し、図4(B)に示すように、クロスニコル状態となる90度からの吸収軸のずれ、パラレルニコル状態の場合では、吸収軸Aと、吸収軸Bとが平行となる状態(0度)からの吸収軸のずれを指す。なお透過軸を用いても同様である。またずれ角は、ずれる方向(ずらす回転方向)によりプラスと、マイナスの値をとりうる。
以上のような偏光板や円偏光板を、両面出射型表示装置の構造に応じて、出射面に配置することを特徴とする。偏光板と、円偏光板とを組み合わせて配置しても構わない。
さらに偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。また偏光板、又は円偏光板に加熱処理を施すアンチリフレクション処理を施してもよい。その後さらに、外部衝撃から保護するためハードコート処理を施すとよい。
以上のように本発明は、発光素子に対して両面に発光が行われる両面出射型表示装置という新たな構成での、黒表示の問題を解決することができる。それに伴い、コントラストを向上することができる。
本発明は、一つの発光素子からの発光を、半導体素子が設けられている側と、それに対向する側から認識することができる。従って、両面出射型表示装置を搭載した電子機器の厚みを薄くすることができ、軽量化を達成できる。そして本発明は、両面出射型表示装置での黒表示が困難である点を課題とし、偏光板、又は円偏光板を用いることにより、きれいな黒表示を行い、コントラストを高めることができる。黒表示がきれいな両面出射型表示装置により、新たな用途や市場を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、両面出射型表示装置に偏光板、又は円偏光板を設ける場合について説明する。
図1(A)には、両面出射型表示装置の全体図を示す。両面出射型表示装置のパネル100に、第1の偏光板101が配置され、第2の偏光板102は第1の偏光板と光軸が90度をなすクロスニコル状態で配置される。
このとき、偏光板の光軸はクロスニコル状態からずれ角を有してもよく、ずれ角は、±45度以下、好ましくは±30度以下、さらに好ましくは±10度以下、さらに好ましくは±5度以下とする。実施例2より、クロスニコル状態からのずれ角が±45度以下であると、パラレルニコル状態の透過光と比較して、5割の透過光をカットしている。また、ずれ角が±10度以下の場合9割以上の透過光をカットしており、ずれ角±5度以下の場合透過光は9.9割以上の透過光をカットしており、実用的である。
パネル100には、発光素子や半導体素子が設けられる表示部103と、駆動回路部104とが設けられており、駆動回路部104はフレキシブルプリント基板(FPC)、異方導電性フィルム(ACF)等を介して外部回路105と接続している。外部回路105は、電源回路やコントローラ等を有している。このような両面出射型表示装置は、図1(B)に示すように、発光素子が設けられたパネルに対して両面(第1の表示面及び第2の表示面)に発光する。
また本発明において、発光素子の発光色はモノカラーであってもいいしR、G、B塗りわけのフルカラーであってもよい。例えば、白色発光材料を用いる場合、カラーフィルターやカラーフィルターと色変換層を用いて、また青色発光材料を用いる場合、色変換層を用いてフルカラー表示やエリアカラー表示を行うことができる。
図1(C)には、パネル断面の拡大図を示す。なお本実施の形態の駆動用トランジスタは、多結晶シリコン膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)を用いる例で説明するが、非晶質シリコン膜を有する薄膜トランジスタ、単結晶を有するMOS型トランジスタを用いてもよい。また、駆動用TFTの極性をpチャネル型の場合で説明するが、nチャネル型でもよいことは言うまでもない。
図1(C)に示すように、絶縁表面に設けられた駆動用TFT110は、ボロン等の不純物元素を半導体膜に添加して形成されたソース領域及びドレイン領域となる不純物領域を有する。半導体膜には、レーザ照射や加熱、更にはNi等の金属元素を用いた結晶化処理が行われている。半導体膜のチャネル形成領域上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられている。ゲート電極と同じレイアウトで走査線(図示しない)が設けられる。ゲート電極を覆うように第1の絶縁膜が設けられており、第1の絶縁膜には不純物領域上にコンタクトホールが開口される。コンタクトホールに形成される配線は、ソース配線及びドレイン配線として機能し、同じレイアウトで信号線(図示しない)が設けられる。ドレイン電極と電気的に接続するように、第1の電極111が設けられる。そして、第1の電極111を覆うように第2の絶縁膜が設けられ、第1の電極上に開口部を形
成する。開口部には、有機化合物を有する層(以下、有機化合物層(EL層)と表記する)112が設けられ、有機化合物層や第2の絶縁膜を覆うように第2の電極113が設けられる。
有機化合物層112は、陽極側から順に、HIL(ホール注入層)、HTL(ホール輸送層)、EML(発光層)、ETL(電子輸送層)、EIL(電子注入層)の順に積層されている。代表的には、HILとしてCuPc、HTLとしてα−NPD、ETLとしてBCP、EILとしてBCP:Liをそれぞれ用いる。
また、有機化合物層112として、フルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光を示す材料を、それぞれ蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法などによって適宜、選択的に形成すればよい。具体的には、HILとしてCuPcやPEDOT、HTLとしてα−NPD、ETLとしてBCPやAlq3、EILとしてBCP:LiやCaF2をそれぞれ用いる。また例えばEMLは、R、G、Bのそれぞれの発光色に対応したドーパント(Rの場合DCM等、Gの場合DMQD等)をドープしたAlq3を用いればよい。なお、上記有機化合物層の積層構造に限定されない。
より具体的な有機化合物層の積層構造は、赤色の発光を示す有機化合物層112を形成する場合、例えば、CuPcを30nm形成し、α-NPDを60nm形成した後、同一のマスクを用いて、赤色の発光層としてDCM2及びルブレンが添加されたAlq3を40nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm形成し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。また、緑色の発光を示す有機化合物層112を形成する場合、例えば、CuPcを30nm形成し、α―NPDを60nm成膜した後、同一の蒸着マスクを用いて、緑色の発光層としてクマリン545Tが添加されたAlq3を40nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm形成し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。また、青色の発光を示す有機化合物層112を形成する場合
、例えば、CuPcを30nm形成し、α-NPDを60nm形成した後、同一のマスクを用いて発光層としてビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛:Zn(PBO)2を10nm形成し、電子輸送層としてBCPを40nm成膜し、電子注入層としてLiが添加されたBCPを1nm形成する。
以上、各色の有機化合物層のうち、共通しているCuPcやα-NPDは、画素部全面に形成することができる。またマスクは、各色で共有して使用することもでき、例えば、赤色の有機化合物層を形成後、マスクをずらして、緑色の有機化合物層、再度マスクをずらして青色の有機化合物層を形成することができる。形成する各色の有機化合物層の順序は適宜設定すればよい。
また白色発光の場合、カラーフィルター、又はカラーフィルター及び色変換層などを別途設けることによってフルカラー表示を行ってもよい。カラーフィルターや色変換層は、第2の基板に設けた後、張り合わせればよい。また、下方に発光する白色光に対するカラーフィルターや色変換層は、ドレイン配線(またはソース配線)を形成後、絶縁膜を介して形成することができる。また一方の表示面をフルカラーとし、他方の面をモノカラーとする両面出射型表示装置も可能である。
そして窒素を含むパッシベーション膜114をスパッタリング法やCVD法により形成し、水分や酸素の侵入を防止する。このとき形成される空間には、窒素を封入し、さらに乾燥剤を配置してもよい。さらに第1の電極、第2の電極、その他の電極により、表示部の側面を覆ってもよい。その後、封止基板を張り合わせ、基板及び封止基板のそれぞれ第1の偏光板115a、第2の偏光板115bを設ける。
このように形成された本発明の両面出射型表示装置は、第1の電極111及び第2の電極113が透光性を有している。その結果、発光層からの光が有機化合物層112に対して第1の電極111へ出射される第1の表示面、及び第2の電極113へ射出される第2の表示面となる。すなわち発光素子からの発光は、駆動用TFTが形成される基板側と、それと対向する封止基板側とへ出射する(光の出射方向を示す矢印参照)。
そして両面出射型表示装置に、クロスニコル状態となるように第1及び第2の偏光板を配置することにより、発光し、表示を行っている部分以外は、黒表示となりどちらの側から見ても背景が透けて見えることがない。すなわち本発明により両面出射型表示装置において、偏光板を用いることできれいな黒表示を行うことができ、コントラストが向上する。以下に示す実施例1で、円偏光板と比較して、偏光板の顕著な効果を表す実験結果を示す。
また図1(D)に示すように、両面出射型表示装置において円偏光板を用いてもよい。なお円偏光板の光軸は遅相軸と、進相軸とがあるが本実施の形態では遅相軸を用い、また偏光板の光軸は、吸収軸を用いて説明する。例えば、第1の偏光板115aと第1の波長板116aとを重ね、第2の偏光板115bと第2の波長板116bとを重ねて、それぞれ第1及び第2の円偏光板として設ける。第1及び第2の波長板は、1/4λ波長板の組み合わせ、1/2λ波長板の組み合わせ、又はそれらを積層した波長板の組み合わせのいずれでもよい。
以下に示す実施例1で、上記波長板の組み合わせの結果を示すが、第1及び第2の波長板に1/4λ波長板と1/2λ波長板を積層した組み合わせ、又は1/4λ波長板を用いた組み合わせが好ましいことがわかる。
特に、実施例1に示す条件(2)のように第1の偏光板の吸収軸(第1の吸収軸)と第1の1/4λ波長板の遅相軸(第1の遅相軸)、及び第2の偏光板の吸収軸(第2の吸収軸)と第2の1/4λ波長板の遅相軸(第2の遅相軸)とがそれぞれ45度をなし、第1及び第2の吸収軸同士は平行、すなわちパラレルニコル状態とし、且つ第1及び第2の遅相軸同士は平行となるようにする(図11(A)参照)。また第1及び第2の吸収軸同士は垂直、すなわちクロスニコル状態とし、且つ第1及び第2の遅相軸同士は垂直となるように配置してもよい。つまり、第1の吸収軸に対して第1の遅相軸は45度をなし、当該第1の遅相軸から第2の1/4λ波長板の遅相軸が90度をなし、且つ偏光板の吸収軸はクロスニコル状態となっている。このとき第1の遅相軸と、第2の遅相軸とは、90度をなし
、第2の吸収軸に対して第2の遅相軸は135度をなしている(図11(B)参照)。これらの構成の場合、偏光板、1/4λ波長板、パネル(発光素子)、1/4λ波長板、偏光板の順に設ける。
また実施例1に示す条件(4)を参照して、第1及び第2の偏光板の吸収軸(第1及び第2の吸収軸)と、第1及び第2の1/2λ波長板の遅相軸(第1及び第2の1/2λの遅相軸)とがそれぞれ17.5度をなし、第1及び第2の吸収軸と、第1及び第2の1/4λ波長板の遅相軸(第1及び第2の1/2λの遅相軸)とがそれぞれ80度をなし、第1及び第2の吸収軸同士は平行、すなわちパラレルニコル状態とし、且つ第1及び第2の1/2λ波長板の遅相軸同士、及び第1及び第2の1/4λ波長板の遅相軸同士は平行となるようにする(図12参照)。また図11(B)と同様に、第1の1/4λ波長板の遅相軸と、第2の1/4λ波長板の遅相軸とは、90度をなしてもよい。これらの構成の場合、偏光板、1/2λ波長板、1/4λ波長板、パネル(発光素子)、1/4λ波長板、1/
2λ波長板、偏光板の順に設ける。
実施例3では、偏光板と比較して、円偏光板は反射光を防止する効果が高いことがわかる。そのため、発光素子の電極、及び配線等からの反射、つまり外光の映り込みが問題となるときは、上記のように円偏光板を設けるとよい。
このように、本発明は両面出射型表示装置の構成に応じて、偏光板、円偏光板、またはそれらを組み合わせて設けることができる。その結果、きれいな黒表示を行え、コントラストが向上する。さらに、円偏光板を設けることにより反射光を防止することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1と異なる両面出射型表示装置の構成であって、円偏光板、又は偏光板を備える場合について説明する。
図1(C)と異なる両面出射型表示装置とは、光の出射方向が、第1の領域では第2の電極側からであり、第2の領域では第1の電極側からである。そのため、一画素に複数の発光素子と、複数の駆動用TFTを有し、第1の発光素子と電気的に接続する第1の電極は非透光性を有し、それに対向する第2の電極は透光性を有する。第2の発光素子と電気的に接続する第1の電極は透光性を有し、それに対向する第2の電極は非透光性を有する。非透光性を有するために、透光性を有する電極上に、金属や有色な樹脂を有する膜を形成してもよい。
この場合、非透光性の材料が設けられているため黒表示はきれいに行うことはできる。しかし、特に非透光性を有する電極に反射性の高い金属材料を用いると、外光の映り込みが問題となってしまう。そのため偏光板ではなく、円偏光板を設けるとよい。円偏光板が有する波長板としては、1/4λ波長板、1/2λ波長板、又はそれらを積層して用いることができる。また第1の領域側と第2の領域側に設けられる円偏光板において、波長板を異ならせてもよい。
図2(A)には、パネル断面の拡大図を示し、第1の領域には、第1の駆動用TFT201、第1の駆動用TFT201に接続され、非透光性材料を有する第1の電極203、を有し、第2の領域には、第2の駆動用TFT202、第2の駆動用TFT202に接続され、透光性材料を有する第2の電極204、を有する。
第1の電極203及び第2の電極204上には発光層を含む有機化合物層205が設けられ、発光層上に第3の電極206が設けられ、さらに第2の領域では第3の電極206上に非透光性材料を有する膜207が設けられている。非透光性を有する第1の電極203や、第2の電極204上に設けられる膜207には、アルミニウム、チタン等金属材料を用い、透光性を有する第2の電極204や、第3の電極206はITO等の材料を用いることができる。特に、半導体膜と接続する第2の電極204は、チタンを含む第1の金属層と、窒化チタンまたは窒化タングステンを含む第2の金属層と、アルミニウムを含む第3の金属層と、窒化チタンを含む第4の金属層とが積層したものを用いるとよい。
そして窒素を含むパッシベーション膜207をスパッタリング法やCVD法により形成し、水分や酸素の侵入を防止する。このとき形成される空間には、窒素を封入し、さらに乾燥剤を配置してもよい。さらに第1の電極、第2の電極、その他の電極により、表示部の側面を覆ってもよい。その後、封止基板を張り合わせ、第1の偏光板208aと第1の波長板209aを重ね、第2の偏光板208bと第2の波長板209bを重ねて、それぞれ第1及び第2の円偏光板としてを設ける。
第1及び第2の波長板は1/4λ波長板の組み合わせ、1/2λ波長板の組み合わせ、又はそれらを積層した波長板の組み合わせのいずれを用いてもよい。なお円偏光板の光軸は遅相軸と、進相軸とがあるが本実施の形態では遅相軸を用い、また偏光板の光軸は、吸収軸を用いて説明する。
例えば、実施例1より、第1及び第2の波長板にそれぞれ1/4λ波長板を用いると、第1及び第2の偏光板の吸収軸(第1及び第2の吸収軸)と、第1及び第2の1/4λ波長板の遅相軸(第1及び第2の遅相軸)とはそれぞれ45度をなすように配置し、第1の円偏光板が有する第1の偏光板と、第2の円偏光板が有する第2の偏光板とはパラレルニコル状態、すなわち第1の偏光板の吸収軸と、第2の偏光板の吸収軸とが平行(0度)とし、且つ第1及び第2の遅相軸同士が平行となるように配置するとよい。本実施の形態において、図11(A)(B)に示した円偏光板の構成を組み合わせてもよく、詳しい構成は、図11(A)(B)を参照ればよい。また本実施の形態において、図12に示した、第1及び第2の波長板にそれぞれ1/4λ波長板、及び1/2λ波長板を用いた円偏光板
の構成を組み合わせてもよい。
さらに別の組み合わせとして、第1の円偏光板の波長板には1/4λ波長板を用い、第2の円偏光板の波長板には1/2λ波長板と1/4λ波長板とを重ねて用いることができる。第1の1/2λ波長板の遅相軸は第1の偏光板の吸収軸(第1の吸収軸)と17.5度をなし、第1の1/4λ波長板の遅相軸は第1の偏光板の吸収軸と2×(17.5)+45=80度をなすように配置するとよい。このとき第2の円偏光板についても、第2の1/4λ波長板の遅相軸は第2の偏光板の吸収軸(第2の吸収軸)と80度をなすように配置するとよい。そして第1の円偏光板が有する第1の偏光板の吸収軸と、第2の円偏光板が有する第2の偏光板の吸収軸とは215度をなすように配置するとよい。
なお偏光板の光軸はすれ角を有してもよく、ずれ角は、±45度以下、好ましくは±30度以下、さらに好ましくは±10度以下、さらに好ましくは±5度以下とする。
第1の電極203、または第2の電極204と、第3の電極206との間に電流が流れ、有機化合物層205から発光する。このとき、金属材料を有する第1の電極203は光を反射し、第2の電極206は光を透過するため、第1の領域では第3の電極方向に光が出射され、第2の領域では第2の電極方向に光が出射される。
本実施の形態では、駆動用TFTを複数設ける場合で説明したが、駆動方法や配線により、第1の発光素子と第2の発光素子で駆動用TFTを共有することができる。また本実施の形態において、実施の形態1に記載の有機化合物層を用いることができる。
図2(B)には、円偏光板に変えて偏光板を配置し、偏光板208aと、偏光板208bを設ける構成を示す。第2の領域での非透光性を有する第3の電極の面積と、第1の領域での非透光性を有する第1の電極の面積と大きさや、第1の領域での表示と、第2の領域での表示の用途を考慮して、偏光板を設ければよい。
図3には、図2に示す一画素の回路構成を示す。画素回路には、一画素に有機化合物層(回路では発光素子として記載する)205がそれぞれ配置するように記載するが、断面図から明らかなように発光層は第1の領域、及び第2の領域で共有することができる。
図3(A)に示す画素回路は、第1の信号線301a、及び第2の信号線301bにそれぞれ接続され、走査線303に接続されるスイッチング用TFT304、及び305を有する。スイッチング用TFT304、305に容量素子306a、306bを介してそれぞれ接続される電流供給線302a、及び302bを有する。容量素子306a、306bはそれぞれ駆動用TFT201、202のゲート・ソース間電圧を保持する機能を有する。しかしながら、駆動用TFT201、202のゲート容量等により代用可能な場合は、容量素子306a、306bを設けなくても構わない。駆動用TFT201、202は、それぞれ第1の電極を介して発光素子205に接続されている。
このような画素回路では、電流供給線をそれぞれ配置することにより、第1の領域のみで表示する場合は、第2の領域をオフとすることができる。さらに第1の領域と、第2の領域とで、異なる表示を行うことができる。
例えば異なる表示を行う場合、走査線303が選択されるとき、第1の信号線301a、第2の信号線301bからそれぞれの表示のビデオ信号が入力される。そして容量素子306a、306bに所定の電荷が保持され、駆動用TFT201、202がオンとなると、発光素子へ電流が供給され発光する。
一方の領域、例えば第1の領域をオフとしたい場合は、容量素子306aに電荷が蓄積されないように、信号線から入力される電圧が相対的に0となる電圧を、電流供給線302aに入力すればよい。
図3(A)では、スイッチング用TFT304、305で走査線303を共有し、信号線301a、301bがそれぞれ接続している回路図を示すが、走査線をそれぞれのスイッチング用TFTに配置することにより、信号線を共有することができる。
電流供給線を共通とすることも可能であって、この場合、第1の領域と、第2の領域とが同様の表示を行うことになる。
容量素子306a、306bの両端に、消去用TFTを設け、時間階調表示を行う画素回路としてもよい。
次いで図3(B)に示す画素回路は、駆動用TFT307、310に加えて、発光素子205への電流の供給を制御する電流制御用TFT308、309を有する。
駆動用TFT307、310と電流制御用TFT308、309は同じ極性である。駆動用TFT307、310にはディプリーション型TFT、駆動用TFT307、310以外のTFTは、通常のエンハンスメント型TFTとする。また、駆動用TFT307、310を飽和領域、電流制御用TFT308、309を線形領域で動作させる。また、駆動用TFT307、310のL(ゲート長)をW(ゲート幅)より長く、電流制御用TFT308、309のLをWと同じか、それより短くてもよい。より望ましくは、駆動用TFT307、310のWに対するLの比が5以上にするとよい。
次に、図3(B)に示した画素の駆動方法について説明する。図3(B)に示す画素は、その動作を書き込み期間、保持期間とに分けて説明することができる。まず書き込み期間において走査線303bが選択されると、ゲートが接続されているスイッチング用TFT304、305がオンとなる。そして、信号線301a、301bに入力されたビデオ信号が、スイッチング用TFT304、305を介して電流制御用TFT308、309のゲートに入力される。なお、駆動用TFT307、310はゲートが電流供給線302a、302bに接続されているため、常にオン状態である。
ビデオ信号によって電流制御用TFT308、309がオンとなる場合、電流供給線302a、302bを介して、発光素子205に電流が流れる。このとき電流制御用TFT308、309は線形領域で動作しているため、発光素子205に流れる電流は、飽和領域で動作する駆動用TFT307、310と発光素子205の電圧電流特性によって決まる。そして発光素子205は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
またビデオ信号によって電流制御用TFT308、309がオフとなる場合は、発光素子205への電流の供給は行なわれず、発光しない。なお本発明では、駆動用TFT307、310がディプリーション型であっても、電流制御用TFT308、309がエンハンスメント型なので、発光素子205に電流が供給されないように制御することができる。
保持期間では、走査線303bの電位を制御することでスイッチング用TFT304、305とオフし、書き込み期間において書き込まれたビデオ信号の電位を保持する。書き込み期間において電流制御用TFT308、309をオンにした場合、ビデオ信号の電位は容量素子306a、306bによって保持されているので、発光素子205への電流の供給は維持されている。逆に、書き込み期間において電流制御用TFT308、309をオフとした場合、ビデオ信号の電位は容量素子306a、306bによって保持されているので、発光素子205への電流の供給は行なわれていない。
また時間階調表示を行う場合、消去用TFT311、312及びそれらに接続される消去用走査線303aにより消去期間を設けることができ、高階調表示に好ましい。
また図3(C)には、駆動用TFT307、310が走査線303cに接続される場合の画素回路を示す。駆動用TFT307、310のゲート電極が新たに配置された走査線303cに接続された以外は、図3(B)に示す構成と同じであるため、詳しい説明は省略する。
まず書き込み期間において第1の走査線303bが選択されると、ゲートが接続されているスイッチング用TFT304、305がオンとなる。そして、信号線301a、301bに入力されたビデオ信号が、スイッチング用TFT304、305を介して電流制御用TFT308、309のゲートに入力される。同時に、ビデオ信号の電位は容量素子306a、306bによって保持される。
点灯期間では走査線303cが選択され、第2の走査線Gej(j=1〜y)にゲートが接続されている駆動用TFT307、310がオンとなる。このとき容量素子306a、306bによって保持されたビデオ信号の電位により、電流制御用TFT308、309がオンとなる場合は、電流供給線302a、302bを介して電流が発光素子205に供給される。このとき電流制御用TFT308、309は線形領域で動作しているため、発光素子205に流れる電流は、飽和領域で動作する駆動用TFT307、310と発光素子205の電圧電流特性によって決まる。そして発光素子205は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
また容量素子306a、306bによって保持されたビデオ信号の電位によって電流制御用TFT308、309がオフとなる場合は、発光素子205への電流の供給は行なわれず、発光素子205は発光しない。
非点灯期間では、第2の走査線303cにより、駆動用TFT307、310をオフとする。これにより、発光素子205への電流の供給は行なわれない。
なお、書き込み期間においては、走査線303c選択しても、非選択としてもよい。
また時間階調表示を行う場合、消去用TFT311、312及びそれらに接続される消去用走査線303aにより消去期間を設けることができ、高階調表示に好ましい。
このように、本発明の画素構成では、多様な表示を行うことができる。
以上、円偏光板又は偏光板を透過率が最も低くなる状態に配置することにより、きれいな黒表示を行うことができ、さらに反射光も防止することができる。その結果、コントラストを高めることができる。
(実施の形態3)
本発明の両面出射型表示装置は、一つの表示部として用いることも可能であるが、本実施の形態では、電子機器の表示部と合わせて両面出射型表示装置(両面表示型パネル)を用いる場合を説明する。特に、プラスチック基板等の可撓性基板に両面出射型表示装置(両面表示型パネル)を設けた場合、筐体の厚さを抑えたり、フレキシビリティを高めることが可能となる。
まず本発明の両面出射型表示装置(両面表示型パネル)を、折りたたみ型の携帯電話機に、両面表示型パネル1003を配置した例を図9(A)に示す。折りたたみ型の携帯電話機は、第1の筐体1001、第2の筐体1002、両面表示型パネル1003を有し、第1の筐体1001は、音声出力部1004、第1の表示部1005等を有し、第2の筐体1002は、操作ボタン1006、音声入力部1007等を有し、両面表示型パネル1003は、第1の表示面1008、及び第2の表示面1011を有する。本発明の携帯電話機は、第1の筐体1001と第2の筐体1002の間に、両面表示型パネル1003を挟んだ構成となる。
図9(B)に示すように、両面表示型パネル1003を第1の筐体1001に重ねた時には、両面表示型パネル1003の第1の表示面1008、つまり1面のみ表示面として用いる。このとき両面出射型パネルには、実施の形態1又は2に記載の両面出射型表示装置を用いることができ、本実施の形態では偏光板1101を配置する。第1の表示部1005は、発光素子又は液晶素子を有する表示パネルを用いることができ、本実施の形態では発光素子を有する表示パネルに円偏光板1102を配置する。
また図9(C)に示すように、両面表示型パネル1003を第2の筐体1002に重ねた時には、両面表示型パネル1003の第2の表示面と第1の表示部1005、つまり2面を表示面として用いることができる。またさらに、両面出射型パネルをデータ入力部として用いることもでき、このときタッチペン1103を用いて入力することができる。
図10(A)は、ノートパソコンに両面表示型パネル4103を搭載した例である。第1の筐体4105は第1の表示部4101を有し、第2の筐体4106は操作ボタン4104等を有し、両面表示型パネル4103は第1の表示面4102、及び第2の表示面を有し、両面表示型パネル4103は第1の筐体4105と第2の筐体4106の間に挟まれている。
通常の使用においては1面のみを表示させ、両面表示型パネル4103を第1の筐体に重ね、第1の表示面4102を用いる。また、大画面が必要な時には両面表示型パネルを第2の筐体に重ね、第2の表示面、及び第1の表示部4101及びを用いる2面表示させる。
図10(B)は、PDAに両面表示型パネル4203を搭載した例である。第1の筐体4205は第1の表示部4201を有し、第2の筐体4206は操作ボタン4204等を有し、両面表示型パネル4203は第1の表示面4202、及び第2の表示面を有し、両面表示型パネル4203は第1の筐体4205と第2の筐体4206の間に挟まれている。
通常の使用においては1面のみを表示させ、両面表示型パネル4203を第1の筐体に重ね、第1の表示面4202を用いる。また、大画面が必要な時には両面表示型パネルを第2の筐体に重ね、第2の表示面、及び第1の表示部4201を用いる2面表示させる。
図10(C)は、電子ブックに両面表示型パネル4303を搭載した例である。第1の筐体4305は第1の表示部4301を有し、第2の筐体4306は操作ボタン4304及び第2の表示部4307を有し、両面表示型パネル4303は、第1の表示面、及び第2の表示面4302を有し、両面表示型パネル4303は、第1の筐体と第2の筐体の間に挿入されている。
両面表示型パネル4303を挿入した電子ブックの使い方の例としては、第1の表示部4301及び第2の表示面4302で文章を読み、第2の表示部4307及び第1の表示面で図を参照するのは便利である。このとき、両面表示型パネル4303は、第1の表示面と第2の表示面4302を同時に表示することはできないため、ページをめくり始めたときに、第1の表示面の表示から第2の表示面の表示に切り替わるものとする。
また、第1の表示部4301から第1の表示面を読んで、次のページ、両面表示型パネルをめくり始めた時に、ある角度で第1の表示面及び第2の表示部は次のページの表示を行い、また、第2の表示面4302及び第2の表示部4307を使い終わり、両面表示型パネルをめくり始めると、ある角度で第1の表示面及び第1の表示部4301が次のページを表示する。これにより、画面の切り替わりを目に見えないようにし、視覚的な違和感等を抑えることが可能となる。より違和感を低減するために、可撓性基板に両面出射型パネルを設けるとよい。
本実施例では、光源にメタルハライドランプ(シグマ工機製)IMH−250を用いて偏光板および波長板の組み合わせによる透過率の評価を行った。本実験のリファレンスは空気である。
偏向板又は波長板((位相差板とも呼び、λ/4波長の位相差を与えるもの、λ/2波長の位相差を与えるものを使用)の配置条件は以下のとおりである。配置条件は光源からの順であり、()内は偏光板の吸収軸と波長板の遅相軸とのなす角度を示している。
(1)偏光板A+偏光板B
(2)偏光板A+λ/4波長板(45度)+λ/4波長板(45度)+偏光板B
(3)偏光板A+λ/2波長板(45度)+λ/2波長板(45度)+偏光板B
(4)偏光板A+λ/4波長板(80度)+λ/4波長板(80度)+λ/2板(17.5度)+偏光板B
条件(3)、(4)では波長板の位相の合計が1λとなっている。
図5(A)には、条件(2)の場合の測定系を示す。光源51と、透過率測定器BM5A(受光装置)52との間に、λ/4板の遅相軸が、偏光板の吸収軸に対して45度をなすように(図5(B)参照)、偏光板(Pol)53、λ/4板54を配置している。
表1に、配置条件(1)から(4)における透過光(cn/m)の最大値と最小値、及び規格値(最小値/最大値)の値を示す。()内は偏光板Bに対する偏光板Aの角度を示す。
Figure 0004749004
表1より、偏光板のみの組み合わせが漏れ光はもっとも小さく、黒レベルがよいことがわかる。また波長板の組み合わせでは条件(4)の黒レベルがもっとも良いが、偏光板のみと比べると黒レベルが低いことがわかる。また条件(3)のλ/2板の2枚使用は本実験においてもっとも黒レベルが悪かった。
波長板を使用した場合、光漏れが発生し黒レベルが悪くなるのは、指定波長以外の波長成分が楕円偏光等になり、直線成分からズレた分が漏れ光となるためと考えられる(指定波長においても入射角度等により楕円成分が形成される)。条件(3)と条件(4)が透過光で見た場合のλ条件となる。条件(3)のλ/2板の連結構成では、より大きな位相差を制御する必要があるため前記楕円成分が大きくなり、漏れ光も増大してしまう。条件(4)のλ/2板、λ/4板の組み合わせでは、広帯域化条件を適用することにより上記の楕円偏光成分は条件(2)のλ/4板の連結構成時の半分、条件(3)の1/4程度に抑えられる。しかし、楕円成分は抑えきれず偏光板のみの場合と比較すると、黒が浮くこと結果となった。
以上から、電極部での映り込み(反射成分)が少ない両面出射型表示装置の場合は、偏光板のみの組み合わせが黒レベルを沈め、コントラストを改善するために有効と考えられる。
両面出射型表示装置が実施の形態2に示すような構造を有する場合は、円偏光板を用いてもよいことは上述の通りである。
本実施例では、条件(1)のように配置した偏光板A、Bの角度依存性を測定した。本実験のリファレンスは空気である。以下に結果を示す。
表2には、図5に示す測定系で偏光板A、Bのみを90度ずらしたクロスニコルに配置し、そこから偏光板Aの光軸の角度をずらしていったときの透過光と、ずれ角の結果を示す。また輝度は、クロスニコル状態を1として規格化している。偏光板の光軸は吸収軸とする。
Figure 0004749004
また表2に基づくグラフを図7に示す。
以上の結果より、偏光板A、Bのずれ角は、輝度が5割程度低下する±45度以下、好ましくは輝度が3割程度低下する±30度以下、さらに好ましくは輝度が9.9割程度低下する±10度以下、さらに好ましくは±5度以下が許容範囲と考えられる。
但し、本実験では光源にメタルハライドランプを使用しており、実際の発光素子を有するパネルを用いていない。そのため、発光素子の発光輝度が高ければ許容できるずれ角の許容範囲は大きくなり、コントラストが十分とれると考えられる。
本実施例では、光源にメタルハライドランプ(シグマ工機製)IMH−250を用いて偏光板、又は各種円偏光板を用いて反射光を測定する実験を行った。
まず、以下に示す条件で作製した試料を用意した。
(1)ガラス基板+金属膜
(2)ガラス基板+金属膜+偏光板
(3)ガラス基板+金属膜+λ/4波長板(45度)+偏光板
(4)ガラス基板+金属膜+λ/4波長板(80度)+λ/2波長板(17.5度)+偏光板
(5)ガラス基板+金属膜+λ/4波長板(45度)+λ/2波長板(45度)+偏光板
(6)ガラス基板+金属膜+λ/2波長板(45度)+偏光板
本実験のリファレンスは空気であり、金属膜はスパッタリング法によりAl−Ti膜を1000Å成膜した。
図6には、試料(3)の場合の測定系を示す。試料に対し、θ=30度をなすように光源61を入射し、反射光測定装置BM5A(受光装置)62を試料に対して垂直に配置し、反射光(cd/m)を測定した。
表3には、試料(1)〜(6)の実験結果を示す。
Figure 0004749004
表3からわかるように、反射光の防止効果が高いものは試料(3)、(4)、(5)である。
また試料(1)〜(6)に対して、自記分光光度計U4000(日立製作所製)により反射光を400〜80nmの範囲で測定した。その結果を図8に示す。
図8からわかるように、低反射率を得られたものは試料(3)、(4)、(5)である。特に、試料(3)、(4)では、広い範囲において低反射率を得ることができ、好ましい。また、表3と比較すると、偏光板、又は波長板を設ける場合、かなり反射光を防止できることがわかる。
本発明の両面出射型表示装置を示す図。 本発明の両面出射型表示装置を示す図。 本発明の両面出射型表示装置の回路構成を示す図。 本発明の偏光板の配置を示す図。 本発明に関する実験を示す図。 本発明に関する実験を示す図。 本発明に関する実験結果を示すグラフ。 本発明に関する実験結果を示すグラフ。 本発明の両面出射型表示装置を搭載した電子機器を示す図。 本発明の両面出射型表示装置を搭載した電子機器を示す図。 本発明の円偏光板の配置を示す図。 本発明の炎偏光板の配置を示す図。

Claims (10)

  1. 第1の領域に配置された非透光性を有する第1の電極と、
    第2の領域に配置された透光性を有する第2の電極と、
    前記第1の電極上及び前記第2の電極上に設けられた発光層と、
    前記発光層上に設けられた透光性を有する第3の電極と、
    前記第3の電極上に設けられた非透光性材料を有する膜と、を一画素に有し、
    前記第3の電極は、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置されており、
    前記非透光性材料を有する膜は、前記第2の領域に配置されており、
    第1の偏光板及び第2の偏光板を有し、
    前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、前記発光層、及び前記非透光性材料を有する膜は、前記第1の偏光板と前記第2の偏光板との間に配置されていることを特徴とする表示装置。
  2. 請求項において、
    前記第1の偏光板の光軸と前記第2の偏光板の光軸とは、45度以上135度以下の角度をなすことを特徴とする表示装置。
  3. 第1の領域に配置された非透光性を有する第1の電極と、
    第2の領域に配置された透光性を有する第2の電極と、
    前記第1の電極上及び前記第2の電極上に設けられた発光層と、
    前記発光層上に設けられた透光性を有する第3の電極と、
    前記第3の電極上に設けられた非透光性材料を有する膜と、を一画素に有し、
    前記第3の電極は、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置されており、
    前記非透光性材料を有する膜は、前記第2の領域に配置されており、
    第1の円偏光板及び第2の円偏光板を有し、
    前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極、前記発光層、及び前記非透光性材料を有する膜は、前記第1の円偏光板と前記第2の円偏光板との間に配置されていることを特徴とする表示装置。
  4. 請求項において、
    前記第1の円偏光板は、第1の1/4λ波長板を有し、
    前記第2の円偏光板は、第2の1/4λ波長板を有し、
    前記第1の円偏光板が有する第1の偏光板の吸収軸と、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸とは45度をなし、
    前記第2の円偏光板が有する第2の偏光板の吸収軸と、前記第2の1/4λ波長板の遅相軸とは45度をなし、
    前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸、及び、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸と前記第2の1/4λ波長板の遅相軸は、それぞれ平行となることを特徴とする表示装置。
  5. 請求項において、
    前記第1の円偏光板は、第1の1/4λ波長板を有し、
    前記第2の円偏光板は、第2の1/4λ波長板を有し、
    前記第1の円偏光板が有する第1の偏光板の吸収軸と、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸とは45度をなし、
    前記第2の円偏光板が有する第2の偏光板の吸収軸と、前記第2の1/4λ波長板の遅相軸とは45度をなし、
    前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸、及び、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸と前記第2の1/4λ波長板の遅相軸は、それぞれ90度となることを特徴とする表示装置。
  6. 請求項において、
    前記第1の円偏光板は、第1の1/4λ波長板及び第1の1/2λ波長板を有し、
    前記第2の円偏光板は、第2の1/4λ波長板及び第2の1/2λ波長板を有し、
    前記第1の円偏光板が有する第1の偏光板の吸収軸と、前記第1の1/2λ波長板の遅相軸とは17.5度をなし、
    前記第1の偏光板の吸収軸と、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸とは80度をなし、
    前記第2の円偏光板が有する第2の偏光板の吸収軸と、前記第2の1/2λ波長板の遅相軸とは17.5度をなし、
    前記第2の偏光板の吸収軸と前記第2の1/4λ波長板の遅相軸とは80度をなし、
    前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸、及び、前記第1の1/4λ波長板の遅相軸と前記第2の1/4λ波長板の遅相軸は、それぞれ平行となることを特徴とする表示装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記一画素に、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを有し、
    前記第1の電極は、前記第1のトランジスタと電気的に接続されており、
    前記第2の電極は、前記第2のトランジスタと電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
  8. 請求項において、
    前記第1のトランジスタ上及び前記第2のトランジスタ上に設けられた絶縁膜を有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記絶縁膜上に設けられていることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか一項において、
    前記一画素に、トランジスタを有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記トランジスタと電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
  10. 請求項において、
    前記トランジスタ上に設けられた絶縁膜を有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記絶縁膜上に設けられていることを特徴とする表示装置。




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