JP4747984B2 - 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置 - Google Patents

触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4747984B2
JP4747984B2 JP2006207573A JP2006207573A JP4747984B2 JP 4747984 B2 JP4747984 B2 JP 4747984B2 JP 2006207573 A JP2006207573 A JP 2006207573A JP 2006207573 A JP2006207573 A JP 2006207573A JP 4747984 B2 JP4747984 B2 JP 4747984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
deterioration
temperature
amount
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006207573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008031940A (ja
Inventor
惠夫 関山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2006207573A priority Critical patent/JP4747984B2/ja
Publication of JP2008031940A publication Critical patent/JP2008031940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4747984B2 publication Critical patent/JP4747984B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Description

本発明は、触媒の使用時における触媒温度とその触媒温度の維持時間を検出し、その維持時間内の触媒の劣化速度から劣化増分量を算出し、この劣化増分量を積算して触媒の劣化度合の推定及び触媒の寿命を精度よく推定できる触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置に関する。
自動車の排気ガス規制に対応するため、エンジンの排気管途中に、炭化水素(HC),一酸化炭素(CO)を低減する酸化触媒、窒素酸化物(NOx)を低減する選択還元型NOx触媒(SCR:Selective Catalystic Reduction )、吸蔵還元型NOx触媒等のリーンNOx触媒(LNT:Lean NOx Trap)等の還元触媒装置が使用されている。
これらの触媒は、使用温度、使用時間によって酸化・還元機能等の触媒能力が劣化するが、簡易的に正確に予測する手段は現状では開発されておらず、その劣化度合を簡単に精度良く予測することは困難である。また、エンジンや車両の使用方法は千差万別であるため、触媒の寿命を一義的に走行距離何万キロや走行時間何千時間と決めることも実情に反している。そのため、触媒の寿命に関する判断は、安全側を見るため余裕を過剰に見積る傾向にある。
従って、ユーザーやディーラー等で行う定期的な車検やメンテンス時期に使用経歴から、触媒の劣化度合や触媒寿命を簡易的に精度よく推定できる方法や装置があれば、適切な使用、あるいは、異常な使用によって、触媒の劣化が著しく進行した場合でも、適切な交換時期を判断できることになるので、極めて有効な手段となり得る。
そのため、例えば、10秒毎にリーンNOx触媒(LNT)の温度を測定し、その温度に基づいて劣化係数マップから劣化係数を算出し、この劣化係数の積算値を劣化度とすることで触媒劣化を判断する触媒劣化度検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、触媒の劣化を触媒物質の相変化や化学反応の結果として捉えると、本来、劣化係数は温度に対してアレニウス型の指数関数を用いた式で計算される値を示すと考えられているため、上記の触媒劣化度検出装置で提案されているような、触媒温度に対する劣化係数の振り付けを特定の温度以下では定数、特定の温度以上では温度に対する一次関数で劣化係数を与えて劣化度を判断する場合には、誤差が大きくなり、劣化判定の根拠に用いることは不適当であるという問題がある。
また、排気ガス中の酸素濃度及び三元触媒の温度から、排気ガス浄化率の変化から計算式に基づいて触媒の劣化速度を算出し、この触媒の劣化速度を用いて単位時間当たりの三元触媒の劣化進行度合を求め、この劣化進行度合の積算値に基づいて三元触媒の劣化を判断する触媒の劣化判定装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この触媒の劣化判定装置では、使用温度に対する劣化速度を、アレニウス型の指数関数で表しているが、アレニウス型の式の「exp(−B/T)」のBを定数として扱っている。そのため、触媒の劣化の進行に対して、各温度での劣化進行速度が常に一定値となるために、過去の使用履歴の影響を取り入れることができないという問題がある。
一般的な現象として、実験例等で触媒の劣化度合は、使用履歴(熱履歴)に伴って、使用開始初期は劣化速度が速く、徐々に劣化速度が遅く緩やかになり、触媒は使用開始後より時間の経過と共に劣化(性能低下)の進行が遅くなる傾向を示すことが知られている。つまり、上記のBの値は、一定値ではなく、使用時間が延びて劣化が進行するに従って、徐々に大きくなる傾向を示す。
従って、過去の熱履歴の影響を考慮しないで、「exp(−B/T)」のBを定数とする判定ロジックを使用すると、実際の劣化の進行とは異なり、触媒の劣化状況を過大又は過少に評価することとなる。そのため、触媒劣化状況を判断する方法としては、精度が悪く、実用的ではないという問題がある。
特開平07−119447号公報 特開平09−177544号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、触媒の劣化度合と寿命を精度よく推定できる触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するための触媒劣化量推定方法は、触媒の使用時の触媒温度と該触媒温度の維持時間を基に、該維持時間内での触媒の劣化増分量を、触媒の劣化速度に前記維持時間を乗じた値として算出し、前記維持時間内での前記劣化増分量を触媒使用開始時から触媒の劣化量の推定時まで積算した値を、該推定時までの触媒の劣化量とすると共に、前記各維持時間における前記劣化速度を前記各維持時間における触媒の劣化量と前記各維持時間における触媒温度に対応して変化させることを特徴とする。
この方法によれば、劣化速度を一定にすることなく、各維持時間における触媒の劣化量と各維持時間における触媒温度に対応して変化させるので、劣化速度に、劣化量を介して熱履歴の影響を入れることができ、劣化量の推定精度を高めることができる。
上記の触媒劣化量推定方法において、前記維持時間内における、前記触媒温度をTi (℃)、前記劣化速度をVi 、前記劣化量をRi とした時に、前記劣化量Ri に応じて決まる係数Ki を用いて、前記劣化速度Vi を、Vi =exp(−Ki /(Ti +273))で算出すると、劣化速度を各維持時間における触媒の劣化量と各維持時間における触媒温度に対応して変化させて、アレニウス型の指数関数で精度良く算出できる。つまり、係数Kを過去の熱履歴を数値化して劣化量Ri のパラメータとした関数等で与えるため、劣化速度に、熱履歴(劣化量)を反映させることができる。そのため、使用初期の劣化速度が早く、徐々に鈍化する触媒の特性をより良く近似でき、寿命予測の精度を大幅に向上することができる。
上記の触媒劣化量推定方法において、前記係数Ki と前記劣化量Ri との関係を、対象とする触媒を所定の一定温度Teで所定の時間Δty維持した後に、単一又は複数の実用的な所定の浄化温度T1,T2,T3・・で浄化率ryを測定することを繰り返して、経過時間tyと浄化率ryとの関係を求める浄化率測定試験から得られるデータを基に設定すると、劣化が進行し易い比較的高温(例えば、800℃)の所定の一定温度で一定時間の温度履歴を与えた浄化率測定試験の結果を基に、係数Ki と劣化量Ri との関係を比較的容易に求めることができ、比較的、浄化率測定のための測定時間を短くできる。
上記の触媒劣化量推定方法においては、前記所定の一定温度Teでの経過時間の区間Δtyi における劣化増分量Δryi を用いて、経過時間の区間Δtyi における劣化速度Vi (Te)をVi (Te)=Δryi /Δtyi で算出し、経過時間の区間Δtyi における前記係数Ki を、Ki =−(Te+273)×Ln(Vi (Te))で算出すると共に、経過時間の区間Δtyi における劣化量Riを前記経過時間tyと前記浄化率ryの関係から算出し、経過時間の区間Δtyi における前記係数Ki と前記劣化量Ri の関係から、前記係数Ki を前記劣化量Ri に応じて決めると、この決定方法により、係数Ki を劣化量Ri の近似式による関数表示としたり、マップデータ化したりすることができる。
そして、上記のような目的を達成するための触媒劣化量推定装置は、触媒の使用時の触媒温度を検出する触媒温度検出手段と、前記触媒温度の維持時間を検出する維持時間検出手段と、演算手段を備え、該演算手段が、前記触媒温度検出手段で検出した触媒の使用時の触媒温度と、前記維持時間検出手段で検出された前記触媒温度の維持時間を基に、該維持時間内での触媒の劣化増分量を、前記触媒温度における触媒の劣化速度に前記維持時間を乗じた値として算出し、前記劣化増分量を触媒使用開始時から触媒の劣化量の推定時まで積算した値を、該推定時までの触媒の劣化量とすると共に、前記各維持時間における前記劣化速度を前記各維持時間における触媒の劣化量と前記各維持時間における触媒温度に対応して変化させるように構成される。
この装置によれば、劣化量が推定できるので、この劣化量から簡易的に寿命の推定予測ができ、触媒のメンテナンス時期を知ることができる。しかも、劣化速度を一定にすることなく、各維持時間における触媒の劣化量と各維持時間における触媒温度に対応して変化させるので、劣化速度を熱履歴を変数として扱うことができる。そのため、精度良く劣化速度を算出でき、高い精度で劣化量を推定することができる。
上記の触媒劣化量推定装置において、前記演算手段が、前記維持時間内における、前記触媒温度をTi (℃)、前記劣化速度をVi 、前記劣化量をRi とした時に、前記劣化量Ri に応じて決まる係数Ki を用いて、前記劣化速度Vi を、Vi =exp(−Ki /(Ti +273))で算出するように構成すると、劣化速度を使用時の触媒の劣化量と使用時の触媒温度に対応して変化させて、アレニウス型の指数関数で精度良く算出できる。つまり、劣化速度に、熱履歴(劣化量)を反映させることができる。
上記の触媒劣化量推定装置で、前記演算手段において、前記係数Ki と前記劣化量Ri との関係が、対象とする触媒を所定の一定温度Teで所定の時間Δty維持した後に、単一又は複数の実用的な所定の浄化温度T1,T2,T3・・で浄化率ryを測定することを繰り返して、経過時間tyと浄化率ryとの関係を求める浄化率測定試験から得られるデータを基に設定されているように構成すると、劣化が進行し易い比較的高温(例えば、800℃)の所定の一定温度で一定時間の温度履歴を与えた浄化率測定試験の結果を基に、係数Ki と劣化量Ri との関係を比較的容易に求めることができ、比較的、浄化率測定のための測定時間を短くできる。
上記の触媒劣化量推定装置で、前記演算手段において、前記所定の一定温度Teでの経過時間の区間Δtyi における劣化増分量Δryi を用いて、経過時間の区間Δtyi における劣化速度Vi(Te)がVi=Δryi /Δtyi で算出され、経過時間の区間Δtyi における前記係数Ki が、Ki =−(Te+273)×Ln(Vi (Te))で算出されると共に、経過時間の区間Δtyi における劣化量Riが前記経過時間tyと前記浄化率ryの関係から算出され、経過時間の区間Δtyi における前記係数Kiと前記劣化量Riの関係から、前記係数Kiが前記劣化量Riに応じて決めるように設定されているように構成される。
上記の触媒劣化量推定装置において、更に、前記演算手段で算出された結果を表示する表示部を備え、前記劣化量Riを予め設定された寿命劣化量Reで除して算出された劣化度合Ri/Reと、触媒の熱履歴中の最高温度の少なくとも一方を、前記表示部に表示するように構成されると、表示された劣化度合を見ることにより、運転者、使用者、検査者等が、予め設定された寿命とされる劣化量に対し、どれだけ劣化が進行しているのかを知ることができ、適切な交換時期を把握することができる。
また、熱履歴の最高温度の表示により、この最高温度を、触媒に関する問題が発生した時の簡単な調査を可能とする解析用データとして使用できる。例えば、エンジンのメンテナンスが悪く、エアクリーナが詰まった状態で長時間運転したり、排気管に異物が詰まった状態で長時間運転したりして、排気ガス温度が通常では到達しない温度まで上昇し、触媒が早期に劣化するような不測の事態が起きた場合等の状況を知ることができる。従って、触媒の寿命の表示が早期になされている場合や、排気エミッションが悪化している場合等で、異常高温が記録されている場合は、原因がユーザーの保守管理に起因するものと推定することでき、また、異常高温が記録されていない場合は、製品の不良等に起因するものと推定することができる。
本発明に係る触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置によれば、触媒の熱履歴において、触媒の使用温度が略一定の維持時間(使用時間)を検出し、その時の触媒の代表温度(触媒温度)とその時の触媒の劣化量とに応じた劣化速度を用いて、その維持時間の間における触媒の劣化増分量を算出し、この劣化増分量を順次積算することにより、触媒の劣化量を推定して、劣化度合や寿命を推定するので、触媒の劣化度合と寿命を精度よく推定できる。そのため、市場でのエンジン負荷履歴等によって大きく変わる触媒の寿命を簡易的に精度よくモニターでき、適切な時期に交換の必要性を表示したり警告したりすることができる。また、熱履歴中の最高温度を表示することで、異常高温等の履歴を生じた際にも適切に対応できるようになる。
従って、長時間走行したエンジンにおいても触媒のメンテナンスの必要性の有無を実際の触媒の劣化度合に合わせて、適切な時期に警告することができるので、クリーンな排気ガスを維持することができる。
以下、本発明に係る実施の形態の触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、この触媒劣化量推定装置1は、エンジン2の排気通路3に設けられた触媒4の温度を検出する温度センサ(触媒温度測定手段)5と、この温度センサ5の検出値を入力し、演算とデータの記憶を行う演算装置(コンピュータ:維持時間検出手段、演算手段、表示部)6を有して構成される。
図1の構成では、触媒4の担持体(ハニカム等)に取り付けた温度センサ5により触媒温度を測定するが、この場合は、触媒4の長手方向、径方向のそれぞれの中央部近傍に温度センサ5を取り付けるのが好ましい。なお、触媒4に温度センサ5を取り付けることは一般的には難しいので、触媒4の入口と出口の排気ガス温度を2つの温度センサ(図示しない)で測定し、その平均値を触媒温度としてもよい。この場合は、触媒4の本体の熱容量の影響により実際の触媒温度は、排気ガスの温度に対して応答遅れを持つので、触媒4の担持体の温度を用いる場合よりも精度が悪くなる。
また、演算装置6は、触媒温度が所定の温度範囲内にあった維持時間を検出する維持時間検出手段と各種データの算出やデータの入出力を行う演算手段とを備えて形成されると共に、算出された触媒の劣化度合(予測寿命)及び触媒の熱履歴の最高温度を表示する表示部6aを有して構成される。この演算装置6は、通常エンジンを制御する制御装置(ECU:エンジンコントロールユニット)のコンピュータを使用したり、このコンピュータに組み込まれてもよいが、別に専用のコンピュータを使用することが好ましい。別の専用コンピュータで構成すると、触媒温度を入力できさえすれば、既存のエンジン制御システムと関係なく、触媒4の劣化度合(寿命)や熱履歴における最高温度を表示できるようになるので便利である。
次に、本発明における、劣化速度V、劣化量R、劣化度合R/Re、寿命等の算出方法について説明する。最初に、本発明の劣化判定に使用する劣化速度の基となるデータについて説明する。このデータとしては、所定の一定温度Teにおける触媒の浄化率ryの変化を求めた浄化率測定試験結果のデータを用いる。この浄化率測定試験では、劣化度合R/Reの推定及び判定の対象となる触媒を、熱劣化が生じやすい比較的高温の所定の一定温度Te(例えば、800℃)に維持して熱劣化試験を行う。
この熱劣化試験は、所定の一定温度Teで所定の時間Δty1 (例えば、図3では、0h、100h、150h、250h)経過した後に、実用的な触媒温度T1,T2,T3・・・・での浄化率ry1 を測定しては、また、同じ所定の一定温度Teで次の所定の時間Δty2 (Δty1 と同じでも異なっていても良い。例えば、図3では、100h、150h、250h、500h)経過した後に、前と同じ実用的な触媒温度T1,T2,T3・・・・で浄化率ry2 を測定する。これを繰り返して、図3に示すような、所定の一定温度Teにおける経過時間ty(例えば、図3では、0h(Fresh )、100h、250h、500h、1000h)別の触媒温度T1 ,T2 ,T3 ・・・・と浄化率ryの関係を求める。
次に、実機で使用される場合の代表的な温度Ta(図3ではTa=T2)を設定する。この代表的な温度Taは対象とする触媒が同じであっても、この触媒の配置環境やエンジンの種類等によって触媒の使用温度が異なってくるため、使用温度の代表値Taはエンジンの種類や触媒の配置環境などによって異なるので、それぞれのエンジンや車種によって適切な温度を選択して設定する。
図3の温度Taと経過時間ty(0h(Fresh )、100h、250h、500h、1000h)の線との交点(黒丸)から、経過時間tyに対するこの温度Taにおける浄化率の変化の図、即ち、図4に示すような、所定の一定温度Teにおける経過時間tyと実用的な温度Taでの浄化率ryの関係(白丸:点線)の図を作成する。例えば、Taが170℃の場合は図4そのものとなる。更に、これを元に、経過時間tyと浄化率ryの初期値ry0に対する変化割合rz(=ry/ry0)の関係(黒丸:実線)を求める。
次に、この図4の経過時間tyと浄化率ryの関係から、この所定の一定温度Teにおける劣化速度V(Te)を求める。この劣化速度V(Te)は、浄化率yの変化量(その間の劣化増分量ΔR)をその間の経過時間Δtyで割り算したものである。即ち、劣化速度V=(浄化率変化量/変化に要した時間)=(劣化増分量/その間の経過時間)=(ΔR/Δty)である。
この劣化速度V(Te)は、触媒温度が所定の一定温度Teであっても、その時の劣化量R、言い換えれば、経過時間tyによって異なるので、経過時間tyを区切ってその間の変化に要した時間Δtyi に対しての劣化速度Vi (Te)を算出する。例えば、経過時間ty1 〜経過時間ty2 の浄化率はry1 からry2 に低下しているので、この区間の劣化量ΔR1 は(ry1 −ry2 )となり、劣化速度V1 (Te)は、V1 (Te)=(ry1 −ry2 )/(ty2 −ty1 )となる。
図5に、この劣化速度V(Te)の初期値V0 (Te)に対する劣化進行後の劣化速度Vi (Te)の割合rv(=Vi (Te)/V0 (Te))と劣化量Ri との関係(白丸:点線)を示す。なお、この劣化量Ri は、各経過時間の区間の劣化量ΔRi の積算値となるので、Ri =ΣΔRj ,(ここで、j=1〜i−1)となる。
そして、熱履歴に対する触媒の劣化は温度依存性が極めて強くアレニウス型の傾向を示す場合が多いので、この劣化速度V(Te)をアレニウス型の指数関数の式で表すことにして、V(Te)=exp(−K/(Te+273))と係数Kを用いて表わすことにする。なお、(Te+273)はTe℃を絶対温度(K°)表示したものである。
これから、所定の一定温度Teでの経過時間の区間Δtyi における係数Ki は、Ki =−(Te+273)×Ln(Vi (Te))=−(Te+273)×Ln((ryi −ryi+1 )/(tyi+1 −tyi ))となる。i=1の場合は、K1 =(Te+273)×Ln((ry1 −ry2 )/(ty2 −ty1 ))となる。これを経過時間tyを変えて繰り返すことにより、図4の所定の一定温度Te(例えば、800℃)における熱劣化試験結果から、所定の一定温度Teにおける経過時間tyに対する係数Kの値を算出することができる。
図5に、この算出結果の係数Ki を、劣化量Ri に対して、劣化進行後のK値(黒丸:実線)として示す。このK値は、劣化量Ri に関する、Ki =K(Ri )=48590×Ri 3 −45885×Ri 2 +14759×Ri +6694.2の三次式で近似できる。この三次式の各係数は、図4の試験結果に基づくものであり、各触媒に対する浄化率測定試験結果のデータによって変化する。このKの近似式は、必ずしも三次式とする必要はなく、データ数や近似度の要求精度に応じて適当な次数の近似式とする。
次に、任意の触媒温度Ti における劣化速度Vi の算出方法について説明する。本発明では、所定の一定温度TeにおけるK値を用いて、車両搭載時の場合のように触媒温度Ti が大きく変化するような条件に対しても、触媒温度Ti に対する劣化速度Vi を算出する。ここでは、この使用温度Ti に対する劣化速度Vi を、Vi =V(Ti )=exp(−Ki /(Ti +273))とし、劣化量R(=ΣΔRj )が同じ時の係数Kを用いて算出する。従って、この係数Kは、劣化量Rに基づいて算出されることになる。つまり、本発明では、劣化量Rに応じた係数Kを用いることにより、使用温度が異なる条件での劣化速度を精度よく算出するようにしている。
次に、この図4に示すような経過時間tyと浄化率ryの初期値ry0に対する変化割合rzの関係に関して、触媒の寿命を設定する。ここで、寿命劣化率re%に対するre%性能低下寿命を浄化率ryが初期値ry0に比べてre%劣化、即ち、初期値ry0の(100−re)%に達した時と定義する。つまり、15%性能低下寿命(re=15)は浄化率ryが初期値Ry0の85%となった時をいう。この寿命劣化率re%は15%、20%、25%等任意に設定できるが、排気ガスの規制等を考量して適切な値に設定する。
そして、この触媒の寿命に関する寿命劣化率re%の設定により、触媒の初期浄化率性能をベースにして浄化率tyが初期値ty0に対してre%低下する時間を寿命時間tmaxとして、reに対応する経過時間tyである寿命時間tmaxを設定する。Taが170℃の場合は、図4に示すような経過時間tyと浄化率ryの初期値ry0に対する変化割合rzの関係(B:黒丸:実線)から算出される。図4では15%(=re)低下のtmaxを求めている。
次に、寿命劣化率re%と寿命時間tmaxとから、係数Kを、K=−(Te+273)×Ln((re/100)/tmax)の式で算出し、寿命劣化量Reを、Re=re/100で算出する。つまり、15%低下寿命であればRe=0.15となる。この寿命劣化量Reを触媒の浄化率ryが初期値ry0のre%低下に達する時の触媒寿命の指標値とする。
次に、上記の事前データの準備後の稼働開始後の劣化量Rの算出について説明する。本発明では、触媒温度Ti が略一定の時はその時の触媒の劣化量Ri に応じた劣化速度Vi を用いて、この劣化速度Vi にその触媒温度Ti における維持時間(その間の経過時間)Δtyi を乗じてその維持時間Δtyi 中の触媒の劣化増分量ΔRi を算出し、この劣化増分量ΔRi をこの維持時間前の劣化量Ri に加算することにより、その維持時間Δtyi 後の劣化量Ri+1 を求めている。この算出方法を、より詳細に説明すると次のようになる。
最初に、触媒温度Ti とその維持時間Δtyi を求める方法について説明する。触媒温度Txの計測時間ごとにこの劣化量Rの算出を行うこともできるが、計算量が多くなるので、ここでは、次のようにして、触媒温度Ti とその維持時間Δtyi を算出する。図6に示すような触媒温度Txの時系列があった場合に、触媒温度TxをΔTa(図6では10℃)毎に区分した温度区分領域を設定し、触媒温度Txがこの温度区分領域内にあった時間をその区分領域における維持時間Tyとする。図6では維持時間Tyk の温度区分は110℃〜120℃であり、この温度区分での触媒温度Ti を区間の中央値の115℃として近似計算を行う。次の維持時間Tyk+1 の温度区分は120℃〜130℃であり、この温度区分での触媒温度Ti を125℃とする。このようにして、実際の触媒温度(実線)Txを点線の触媒温度Ti の時系列で近似して計算を行う。
最初の区間では、触媒の劣化は進行していないので、最初の劣化量R1 はゼロである。そのため、最初の触媒温度(使用温度)T1 と維持時間(その区間の経過時間)Δty1 が決まると、最初の係数K1 はK1 =K(R1 =0)=6694.2となる。この係数K1 から触媒温度T1 における劣化速度V1 は、V1 =Vi(T1 )=exp(−K1 /(T1 +273))から算出される。また、区間の劣化増分量ΔR1 は、区間の劣化速度V1 と維持時間Δty1 から、ΔR1 =V1 ×Δty1 となる。そして、この維持時間後の劣化量R2 はR2 =R1 +ΔR1 となる。つまり、R2 =ΔR1 である。
次の触媒温度T2 と維持時間Δty2 が決まると、係数K2 はK2 =K(R2 )となる。この係数K2 から触媒温度T2 における劣化速度V2 は、V2 =Vi(T2 )=exp(−K2 /(T2 +273))から算出される。また、区間の劣化増分量ΔR2 は、区間の劣化速度V2 と区間の経過時間Δty2 から、ΔR2 =V2 ×Δty2 となる。そして、この維持時間後の劣化量R3 はR3 =R2 +ΔR2 となる。つまり、R3 =ΔR1 +ΔR2 =ΣΔRj ,(ここで、j=1〜2)である。
一般的には、触媒温度Ti とその維持時間Δtyi が決まると、係数Ki はKi =K(Ri )となる。この係数Ki から触媒温度Ti における劣化速度Vi は、Vi =Vi (Ti )=exp(−Ki /(Ti +273))から算出される。また、区間の劣化増分量ΔRi は、区間の劣化速度Vi と維持時間Δtyi から、ΔRi =Vi ×Δtyi となる。そして、この維持時間後の劣化量Ri+1 はRi+1 =Ri-1 +ΔRi =ΣΔRj ,(ここで、j=1〜i)である。従って、上記の逐次計算により、全区間経過後(維持時間の総和(ΣΔtyi )の後)の劣化量R(=Ri+1 )を算出できることになる。
次に、劣化量度合R/Reの算出について説明する。この劣化度合R/Reは、寿命に対する現在の使用割合を示すものであり、全区間経過後の劣化量R(=Ri+1 )を算出した後に、この劣化量Rを寿命劣化量Reで割り算し、劣化度合R/Reを算出する。この算出した劣化度合R/Reをチェックし、100%になった場合には寿命が来たと判定する。また、この劣化度合R/Reの値を表示部6aで表示することにより、触媒の劣化度合を運転者、使用者、検査者等に知らせることができる。また、触媒の劣化においては、熱履歴における最高温度が重要であるので、今までの最高温度Tmaxを算出し、これを表示部6aで表示する。
上記の劣化量R、劣化度合R/Reの算出は、図2に示すような制御フローにより行うことができる。この図2の制御フローはエンジンが作動するとエンジンの制御と共に並行して実行され、エンジンの作動の停止と共に作動を停止する制御フローとして示してある。
キースイッチONにより、エンジンがスタートすると、この図2の制御フローもスタートする。このスタートにより、ステップS10で、前回までのデータ(劣化量R、最高温度Tmax,Kの近似式の係数等)の入力(読み込み)を行う。
次のステップS20で、触媒温度Ti とその触媒温度Ti を維持した維持時間Δtyi を所定の時間間隔(例えば、0.1s)毎に検出する。この触媒温度Ti と維持時間(その間の経過時間)Δtyi は、触媒温度Txが所定の温度(例えば、10℃)刻みの温度区間のいずれかにあるかを検出し、その間の触媒温度Txは、その温度区間の代表温度Ti で近似して、触媒温度Txがその温度区間内にあった時間を維持時間Δtyi とする。例えば、触媒温度Txを測定し、所定の温度毎に分割された区分温度域のどれに入るかを判定して、その区分温度域の入っている時間を測定してその時間を維持時間Δtyi とする。その時の触媒温度Ti として、その区分の代表温度(例えば、中央値、平均値)を与える。例えば、触媒温度Txが140℃〜150℃の範囲内であるならば触媒温度Ti =145℃とする(図6参照)。
次のステップS30で、この代表温度Ti と維持時間Δtyi を用いて、劣化速度Vi を算出する。この算出では、熱履歴に対する劣化は温度依存性が極めて強く、アレニウス型の指数関数の傾向を示すので、劣化速度Vi をVi =exp(−Ki /(Ti +273))の式で算出する。このKi は、予め浄化率測定試験結果で求められた、劣化量Ri の関数で表示された式から、この時の劣化量Ri を用いて算出する。例えば、図5のKを用いる場合には、Ki =K(Ri )=48590×Ri 3 −45885×Ri 2 +14759×Ri +6694.2の三次式で算出することになる。この劣化速度Vi に維持時間Δtyi を乗じて、劣化増分量ΔRi を算出する(ΔRi =Δtyi ×Vi )。
次に、ステップS40で劣化量Ri をRi+1 =Ri +ΔRi で算出し、寿命に対する現在の使用割合である劣化度合Ri+1 /Reを算出する。この劣化度合Ri+1 /Reを例えば%表示で表示部6aに表示する。これにより、残寿命を運転者、使用者、検査者等に知らせる。また、この劣化度合Rii+1/Reが100%に達した時には触媒の寿命に達したとし、表示の色を変えたり、警報ランプを点灯させたりして警報を出す。
また、ステップS50で、触媒代表温度Ti と過去の最高温度Tmaxとを比較して、触媒温度Ti の最高値Tmaxを検出し、この今までに経験した最高温度Tmaxを表示部に常時表示する。この最高値の検出は、また、触媒温度Ti を過去に経過した最高温度Tmax(メモリ内の)と比較し、Ti >Tmaxの場合のみ、Tmax=Ti として最高温度Tmaxを置き換えて、最高温度用メモリ内の数値を入れ替えることで容易に行うことができる。
このステップS50を終了するとステップS20に戻る。このステップS20〜ステップS50の繰り返しにより、触媒の劣化度Rを算出し、劣化度合R/Reと最高温度Tmaxを表示部6aに表示する。
そして、エンジンが停止するときには、割り込みにより、ステップS60に行き、今までのデータ(劣化量R、最高温度Tmax)の出力(書き込み)等の終了作業を行ってから、エンドに行き、この制御フローを終了する。
よって、上記の触媒劣化量推定方法及び触媒劣化推定装置1によれば、触媒の使用時の触媒温度Ti と該触媒温度Ti の維持時間Δtyi を基に、該維持時間Δtyi 内での触媒の劣化増分量ΔRi を、触媒の劣化速度Vi に前記維持時間Δtyi を乗じた値として算出し、前記維持時間Δtyi 内での前記劣化増分量ΔRi を触媒使用開始時から触媒の劣化量Rの推定時まで積算した値ΣΔRi を、該推定時までの触媒の劣化量Ri+1 とすることができる。また、それと共に、前記各維持時間Δtyi における前記劣化速度Vi を前記各維持時間Δtyi における触媒の劣化量Ri と前記各維持時間Δtyi における触媒温度Ti に対応して変化させることができる。
従って、触媒の劣化度合R/Reと寿命を精度よく推定できるので、市場でのエンジン負荷履歴等によって大きく変わる触媒の寿命を簡易的に精度よくモニターでき、適切な時期に交換の必要性を表示したり警告したりすることができる。また、熱履歴中の最高温度Tmaxを表示することで、異常高温等の履歴を生じた際にも適切に対応できる。
次に、上記のK値を劣化量Rの関数として劣化量Rを推定した実施例と、K値を一定にして劣化量Rを推定した比較例について説明する。
図4に、触媒温度が所定の一定温度(800℃)である場合の触媒の浄化率ryと経過時間(熱履歴時間)tyとの関係(白丸:点線)を示す。この図4から分かるように、初期に性能の低下が大きく、その後は徐々に鈍化していることが分かる。つまり、この浄化率ryと経過時間tyとの間には直線関係は無い。この傾向は触媒には一般的な事柄として知られている。この結果よりKの値は一定値ではなく、何かをパラメータにした変数であることが予測できる。
一方、図7には触媒温度が所定の一定温度である場合の触媒の浄化率ryと劣化量Rとの関係を示すが、この浄化率ryと劣化量Rとの間には明確な直線関係がある。従って、触媒の寿命を定義するための浄化率ryは劣化量Rで規定できることが分かる。
また、図8に、この係数Kを劣化量Rの三次式近似とした実施例(実線)と、この係数Kを一定として劣化速度Rを算出した比較例(点線)における、触媒温度が250℃における劣化速度Vの初期値V0に対する変化を示す。実施例のように、係数Kを劣化量Rの三次式近似とすると、経過時間(使用時間)tyと共に減少する傾向を示す。一方、比較例のように係数Kを一定するとこの劣化速度変化も一定値(100%)の直線となる。つまり、劣化速度Vは変化しない。この比較例を見るとKは実施例のように劣化の進行をパラメータとした関数で表現すべきであることが分かる。
図9に、この係数Kを劣化量Rの三次式近似とした実施例(黒丸:実線)と、この係数Kを一定として劣化速度を算出した比較例(白丸:点線)において、各触媒温度Tcにおける触媒の浄化率が15%低下するまでの使用時間(寿命)t15% を算出した結果を示す。
また、図10に係数Kを一定とした比較例における触媒温度Tcと250℃に対する劣化速度Vの倍率(250℃の劣化速度V250 との比率)を示す。つまり、触媒温度が250℃での劣化速度V250 を1とした時、各触媒温度での劣化速度Vは、触媒温度Tcが上がると劣化速度Vは指数関数的に増大する。従って、触媒温度Tcと劣化を示す指標を一次関数で表記して劣化を予測することはできないことが分かる。
これらの結果から、比較例の係数Kを一定とするロジックでは、実際の触媒の劣化進行度合を精度よく予測することができないことが分かる。従って、比較例では、規定した劣化寿命に至るまでのかなり早い時期に触媒が寿命に達したと判定する可能性強く、ユーザーに対する交換指示等を早期に行って、無用の負担を強いて、メンテナンスコストを増大させる可能性がある。
本発明に係る実施の形態の触媒劣化度合推定装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態の触媒劣化度合推定方法の制御フローの例を示す図である。 触媒の浄化率測定試験結果の経過時間別の触媒温度と浄化率の関係を示す図である。 触媒の浄化率測定試験結果の経過時間と浄化率の関係を示す図である。 触媒の浄化率測定試験結果から求めた、劣化量と係数Kの関係と、劣化量と劣化進行後の初期値に対する劣化速度変化割合の関係を示す図である。 触媒温度の時系列における触媒温度とその維持時間との関係を示す図である。 劣化量と浄化率の関係を示す図である。 実施例と比較例における使用時間と初期値に対する劣化速度変化の関係を示す図である。 実施例と比較例における触媒温度と使用時間の関係を示す図である。 比較例における触媒温度と250℃に対する劣化速度の倍率の関係を示す図である。
符号の説明
1 触媒劣化度合推定装置
2 エンジン(内燃機関)
3 排気通路
4 触媒
5 温度センサ(触媒温度測定手段)
6 コンピュータ(維持時間検出手段、演算手段、表示部)
6a 表示部

Claims (9)

  1. 触媒の使用時の触媒温度と該触媒温度の維持時間を基に、該維持時間内での触媒の劣化増分量を、触媒の劣化速度に前記維持時間を乗じた値として算出し、前記維持時間内での前記劣化増分量を触媒使用開始時から触媒の劣化量の推定時まで積算した値を、該推定時までの触媒の劣化量とすると共に、前記各維持時間における前記劣化速度を前記各維持時間における触媒の劣化量と前記各維持時間における触媒温度に対応して変化させることを特徴とする触媒劣化量推定方法。
  2. 前記維持時間内における、前記触媒温度をTi(℃)、前記劣化速度をVi、前記劣化量をRiとした時に、前記劣化量Riに応じて決まる係数Kiを用いて、前記劣化速度Vi
    を、Vi=exp(−Ki/(Ti+273))で算出することを特徴とする請求項1記載の触媒劣化量推定方法。
  3. 前記係数Kiと前記劣化量Riとの関係を、対象とする触媒を所定の一定温度Teで所定の時間Δty維持した後に、単一又は複数の実用的な所定の浄化温度T1,T2,T3・・で浄化率ryを測定することを繰り返して、経過時間tyと浄化率ryとの関係を求める浄化率測定試験から得られるデータを基に設定することを特徴とする請求項2記載の触媒劣化量推定方法。
  4. 前記所定の一定温度Teでの経過時間の区間Δtyiにおける劣化増分量Δryiを用いて、経過時間の区間Δtyiにおける劣化速度Vi(Te)をVi(Te)=Δryi/Δtyiで算出し、経過時間の区間Δtyiにおける前記係数Kiを、Ki=−(Te+273)×Ln(Vi(Te))で算出すると共に、経過時間の区間Δtyiにおける劣化量Riを前記経過時間tyと前記浄化率ryの関係から算出し、経過時間の区間Δtyiにおける前記係数Kiと前記劣化量Riの関係から、前記係数Kiを前記劣化量Riに応じて決めることを特徴とする請求項3記載の触媒劣化量推定方法。
  5. 触媒の使用時の触媒温度を検出する触媒温度検出手段と、前記触媒温度の維持時間を検出する維持時間検出手段と、演算手段を備え、
    該演算手段が、前記触媒温度検出手段で検出した触媒の使用時の触媒温度と、前記維持時間検出手段で検出された前記触媒温度の維持時間を基に、該維持時間内での触媒の劣化増分量を、前記触媒温度における触媒の劣化速度に前記維持時間を乗じた値として算出し、前記劣化増分量を触媒使用開始時から触媒の劣化量の推定時まで積算した値を、該推定時までの触媒の劣化量とすると共に、前記各維持時間における前記劣化速度を前記各維持時間における触媒の劣化量と前記各維持時間における触媒温度に対応して変化させることを特徴とする触媒劣化量推定装置。
  6. 前記演算手段が、前記維持時間内における、前記触媒温度をTi(℃)、前記劣化速度をVi、前記劣化量をRiとした時に、前記劣化量Riに応じて決まる係数Kiを用いて、前記劣化速度Viを、Vi=exp(−Ki/(Ti+273))で算出することを特徴とする請求項5記載の触媒劣化量推定装置。
  7. 前記演算手段において、前記係数Kiと前記劣化量Riとの関係が、対象とする触媒を所定の一定温度Teで所定の時間Δty維持した後に、単一又は複数の実用的な所定の浄化温度T1,T2,T3・・で浄化率ryを測定することを繰り返して、経過時間tyと浄化率ryとの関係を求める浄化率測定試験から得られるデータを基に設定されていることを特徴とする請求項6記載の触媒劣化量推定装置。
  8. 前記演算手段において、前記所定の一定温度Teでの経過時間の区間Δtyiにおける劣化増分量Δryiを用いて、経過時間の区間Δtyiにおける劣化速度Vi(Te)がVi(Te)=Δryi/Δtyiで算出され、経過時間の区間Δtyiにおける前記係数Kiが、Ki=−(Te+273)×Ln(Vi(Te))で算出されると共に、経過時間の区間Δtyiにおける劣化量Riが前記経過時間tyと前記浄化率ryの関係から算出され、経過時間の区間Δtyiにおける前記係数Kiと前記劣化量Riの関係から、前記係数Kiが前記劣化量Riに応じて決められるように設定されていることを特徴とする請求項7記載の触媒劣化量推定装置。
  9. 更に、前記演算手段で算出された結果を表示する表示部を備え、前記劣化量Riを予め設定された寿命劣化量Reで除して算出された劣化度合Ri/Reと、触媒の熱履歴中の最高温度の少なくとも一方を、前記表示部に表示することを特徴とする請求項6、7、又は、8記載の触媒劣化量推定装置。
JP2006207573A 2006-07-31 2006-07-31 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置 Expired - Fee Related JP4747984B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006207573A JP4747984B2 (ja) 2006-07-31 2006-07-31 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006207573A JP4747984B2 (ja) 2006-07-31 2006-07-31 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008031940A JP2008031940A (ja) 2008-02-14
JP4747984B2 true JP4747984B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=39121641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006207573A Expired - Fee Related JP4747984B2 (ja) 2006-07-31 2006-07-31 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4747984B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5754000B2 (ja) * 2009-09-25 2015-07-22 国立研究開発法人海上技術安全研究所 脱硝触媒の劣化予測方法、劣化対策方法、劣化対策システム及び排ガス処理システムの設計方法
JP5821653B2 (ja) * 2012-01-20 2015-11-24 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP6136510B2 (ja) 2013-04-16 2017-05-31 いすゞ自動車株式会社 噴射制御方法及び噴射制御装置
US10913905B2 (en) * 2017-06-19 2021-02-09 Uop Llc Catalyst cycle length prediction using eigen analysis
US10739798B2 (en) 2017-06-20 2020-08-11 Uop Llc Incipient temperature excursion mitigation and control

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3376651B2 (ja) * 1993-10-22 2003-02-10 株式会社デンソー 内燃機関の排気浄化装置
JP3135499B2 (ja) * 1995-10-25 2001-02-13 トヨタ自動車株式会社 触媒の劣化判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008031940A (ja) 2008-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100592695B1 (ko) 배기가스 정제 촉매의 작업성 검사방법
US8276438B2 (en) Method for verifying the aging condition of a catalytic converter on board a vehicle
JP3157061B2 (ja) 触媒劣化診断システム
KR100268751B1 (ko) 촉매변환기의 작동을 모니터링하기 위한 방법
JP4139811B2 (ja) 自動車の排気ガスシステムを監視する方法
JPH1181995A (ja) 触媒モニタ
EP2543840B1 (en) Method for estimating the actual efficiency of catalysts placed in an exhaust path of a combustion engine during the operation time
JP4747984B2 (ja) 触媒劣化量推定方法及び触媒劣化量推定装置
RU2540559C2 (ru) Способ и устройство для мониторинга температуры активации дизельного окислительного нейтрализатора
JPH08507843A (ja) 触媒の転化性能の検査方法
US20150033837A1 (en) Method for monitoring an exhaust system
JP2012518735A (ja) 排気システムを作動するための方法
JP5003054B2 (ja) 触媒劣化量検出方法及び触媒劣化量検出装置
JP5800298B2 (ja) 広域走行下における触媒劣化診断方法
TW483979B (en) Process for checking the operatability of an exhaust gas purification catalyst
GB2542229A (en) Method for determining a state of aging of an NOx storage catalyst of an exhaust gas aftertreatment system of an internal combustion engine designed for
EP2865862B1 (en) Operating system for catalyst of vehicle and method thereof
KR100993369B1 (ko) 차량의 촉매 진단장치 및 방법
JP2015169131A (ja) 制御装置
US8925300B2 (en) Zero ceria washcoat catalyst monitor
JP2023079592A (ja) 触媒異常検知装置
US9624809B2 (en) Monitoring system for a single can oxidation catalyst/particulate filter
WO2023189968A1 (ja) 触媒劣化検出装置、及び鞍乗り型車両
JP2001317345A (ja) エンジンの排気浄化装置
CN112443380A (zh) 用于借助于颗粒传感器来监控颗粒过滤器的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4747984

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees