JP4747451B2 - 携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法に関し、特に、内蔵されたCPUを介して内部メモリへのアクセスを行う機能をもった携帯可能情報記録媒体に対して、外部装置からデータアクセスを行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化が進むに従って、一般社会における携帯可能情報記録媒体の担う役割も益々重要になってきている。特に、小型の携帯可能情報記録媒体の代表とも言うべきICカードは、近年、様々な分野において実用化されてきており、今後も広く普及するものと予想される。このICカードのような携帯可能情報記録媒体は、通常は、身体あるいは車両などに伴って携帯され、必要に応じて、パソコンなどに接続されたリーダライタ装置と交信させることによって、外部からのアクセスが可能になる。
【0003】
一般的な携帯可能情報記録媒体は、内部に不揮発性メモリを内蔵しており、この不揮発性メモリにユーザデータを記録することにより、外部からの電源供給を受けることができない携帯時にも、記録したデータを保存することができる。また、ICカードなどでは、セキュリティを確保する上で、外部装置から内部メモリへの直接アクセスはできない構造を採っている。したがって、ICカード内に保存されているデータに対して、外部のリーダライタ装置などからアクセスを行う際には、ICカード内のCPUを介して間接的にアクセスを行う方法が採られる。一般に、ICカードと外部装置との間のやりとりは、外部装置側からICカードに対してコマンドを送信し、このコマンドに対する返事として、ICカードから外部装置に対してレスポンスを送信する、というプロセスを繰り返すことによって実行される。したがって、外部装置からICカード内のデータにアクセスする場合にも、コマンドとレスポンスのやりとりという形式が利用される。
【0004】
現在、ICカードに対する外部装置からのデータアクセスの標準的なプロセスは、次のようにして行われている。まず、外部装置側からICカードに対して、アクセス対象となるデータを選択する選択コマンドを与え、ICカード側から返信されてきたレスポンスにより、ICカード内部で当該データの選択が行われたことを確認する。続いて、当該データに対する読出しもしくは書換えを指示するコマンドを与え、これに対するレスポンスを得る。読出しコマンドを与えた場合には、レスポンスの一部として、選択データが外部装置側へと読み出されることになる。一方、書換えコマンドを与える場合には、コマンドの一部にデータを添付しておくようにし、ICカード内部でこの添付データによって選択データが書き換えられ、書換作業が無事終了したことを示すレスポンスが返されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来から行われている一般的なデータアクセス方法では、ICカード内に保存された特定のデータに対して、読出しあるいは書換えのためのアクセスを行う場合、まず、当該特定のデータを選択するコマンドを与えた後、読出しや書換えのためのコマンドを与える必要がある。このため、複数のデータに対して交互にアクセスを行うような場合、非常に煩雑な処理を行わねばならない。たとえば、ICカード内に保存されているレコードAとレコードBとを交互にアクセスする必要が生じた場合、まず、レコードAを選択するコマンドを与え、続いてレコードAに対する必要なアクセスコマンドを与え、続いて、レコードBを選択するコマンドを与えた上で、レコードBに対する必要なアクセスコマンドを与え、再び、レコードAを選択するコマンドを与えた上で、レコードAに対する必要なアクセスコマンドを与え、もう一度、レコードBを選択するコマンドを与えた上で、レコードBに対する必要なアクセスコマンドを与え、……というような煩雑な処理が必要になる。
【0006】
最近は、1枚のICカードが多種多様な用途に利用されるようになってきており、外部装置側で各用途に応じた複数のアプリケーションプログラムを同時に起動し、それぞれのアプリケーションプログラムによって、ICカード内に保存されている複数のデータに対して次々にアクセスを行うような形態も少なくない。このような場合、外部装置側のアプリケーションプログラムが切り替わるたびに、ICカード側のアクセス対象となるデータを選択するためのコマンドを与えるような処理は極めて煩雑であり、非効率的である。
【0007】
そこで本発明は、携帯可能情報記録媒体内に保存されている複数のデータに対して効率的なアクセスを行うことが可能な携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、データが記録されたデータ記録部およびプログラムが記録されたプログラム記録部を有するメモリと、外部装置と通信を行うための通信手段と、プログラム記録部に記録されたプログラムに基づいて、データ記録部に対するアクセス処理および通信手段を介しての送受信処理を実行するCPUと、を備える携帯可能情報記録媒体に対して、外部装置からデータアクセスを行うための方法において、
メモリ内に、アクセス準備状態を示す情報を記録するアクセス準備状態記録部を設け、
データ記録部内の所定の単位データに対してアクセスを行う際には、外部装置から携帯可能情報記録媒体に対して、当該所定の単位データをアクセス準備状態にするアクセス準備コマンドを与えた後に、アクセス準備状態にある単位データに対する読出しもしくは書換えを指示するアクセス実行コマンドを与えるようにし、
アクセス準備コマンドには、アクセス準備状態にすべき単位データを特定するデータ特定情報とともに所定の識別子を含ませておくようにし、異なる識別子を用いた複数のアクセス準備コマンドを与えることにより、異なる複数の単位データを同時にアクセス準備状態とすることができるようにし、
アクセス準備コマンドを受け取ったCPUは、アクセス準備状態記録部に、受け取ったアクセス準備コマンドに含まれるデータ特定情報と識別子とを対応づけて記録する処理を実行するようにし、
アクセス実行コマンドには、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報とともに所定の識別子を含ませておくことにより、アクセス準備状態となっている複数の単位データのうちの1つを選択できるようにし、
アクセス実行コマンドを受け取ったCPUは、アクセス準備状態記録部に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれる識別子と同一の識別子を認識し、この同一の識別子に対応づけられているデータ特定情報によって特定される単位データに対して、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれるアクセス内容特定情報によって示される内容のアクセスを実行するようにしたものである。
【0009】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
単位データとして、ファイル単位のデータまたはレコード単位のデータを用いるようにしたものである。
【0010】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
CPUが受け取ったアクセス準備コマンドが、アクセス準備状態記録部に既に記録されている識別子を含んでいた場合には、既に記録されている識別子に対応するデータ特定情報を新たなものに書き換える処理を行うようにしたものである。
【0011】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
携帯可能情報記録媒体と外部装置との接続状態が切り離されたときには、アクセス準備状態記録部に記録されている情報がすべて消去されるようにしたものである。
【0012】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、これを外部装置側で発行するようにし、この新たに発行した識別子を含むアクセス準備コマンドを、外部装置から携帯可能情報記録媒体に与えるようにし、
携帯可能情報記録媒体側では、これまでに記録されていない新たな識別子を含むアクセス準備コマンドが与えられるたびに、これをデータ特定情報とともにアクセス準備状態記録部に記録する処理を行うようにしたものである。
【0013】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、外部装置から携帯可能情報記録媒体に対して、新たな識別子の発行を要求するための識別子要求コマンドを与え、この識別子要求コマンドを受け取った携帯可能情報記録媒体側では、この識別子要求コマンドに応じて新たな識別子を発行し、発行した識別子をアクセス準備状態記録部に記録するとともにこれをレスポンスとして外部装置へと伝達する処理を行い、
外部装置から携帯可能情報記録媒体に対してアクセス準備コマンドが与えられるたびに、携帯可能情報記録媒体側では、これに含まれている識別子がアクセス準備状態記録部に既に記録されている識別子であるか否かの判定を行い、肯定的な判定結果が得られた場合には、アクセス準備コマンドに含まれていたデータ特定情報を当該識別子に対応づけて記録する処理を行い、否定的な判定結果が得られた場合には、外部装置に対してエラーを示すレスポンスを伝達する処理を行うようにしたものである。
【0014】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
外部装置側で複数のアプリケーションプログラムを動作させ、個々のアプリケーションプログラムごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体へのデータアクセスを行うようにしたものである。
【0015】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
外部装置側で動作中の同一のアプリケーションプログラムが、アクセス対象となる単位データごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体へのデータアクセスを行うようにしたものである。
【0016】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
外部装置側で複数のアプリケーションプログラムを動作させ、複数のアプリケーションプログラムが同一の識別子を用いて携帯可能情報記録媒体内の同一の単位データに対してデータアクセスを行うようにしたものである。
【0017】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
携帯可能情報記録媒体側に複数のアプリケーションプログラムを用意し、アクセス準備状態記録部には、個々の識別子に対応するアプリケーションプログラムを示すための情報を併せて記録するようにし、アクセス実行コマンドが与えられた場合には、当該アクセス実行コマンドに含まれている識別子に対応するアプリケーションプログラムに、当該アクセス実行コマンドが引き渡されるようにしたものである。
【0018】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第10の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
第1の識別子を含むアクセス実行コマンドによるアクセスを実行することにより、第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じた場合には、当該第2の識別子を含むアクセス実行コマンドが与えられたときに、変動を外部装置に対して報知する処理が行われるようにしたものである。
【0019】
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法において、
第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じた後に、第2の識別子を含む第1回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第1回目のアクセス実行コマンドを実行せずに、変動を報知するためのレスポンスを外部装置へ返し、その後、外部装置から変動を了承する旨を示す変動了承コマンドがあった後に、第2の識別子を含む第2回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第2回目のアクセス実行コマンドを実行するようにしたものである。
【0020】
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜第12の態様に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法を実行するための処理プログラムを用意し、これを外部装置または携帯可能情報記録媒体に格納するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
【0022】
§1.ICカードに対する従来の一般的なデータアクセス方法
ここでは、本発明との対比のために、ICカードに代表される携帯可能情報記録媒体に対する従来の一般的なデータアクセス方法を説明しておく。図1は、従来の一般的な携帯可能情報記録媒体100に外部装置200を接続し、両者間で交信を行っている状態を示すブロック図である。具体的には、携帯可能情報記録媒体100としてのICカードと、外部装置200としてのリーダライタ装置(通常は、パソコンなどのコンピュータに接続して用いられる)との間で、情報のやりとりが行われる状態が示されている。携帯可能情報記録媒体100と外部装置200との間は、互いの電極を物理的に接触させる方法で接続する場合もあれば、物理的には非接触の状態を維持しつつ電磁的に結合させる場合もある。
【0023】
携帯可能情報記録媒体100内には、図示のとおり、通信手段110と、CPU120と、メモリ130とが組み込まれている。また、メモリ130内には、データ記録部131、プログラム記録部132、アクセス準備状態記録部133が設けられている。
【0024】
データ記録部131は、この携帯可能情報記録媒体100の本質的な機能を果たす部分であり、ユーザデータ(通常は、この携帯可能情報記録媒体100の保有者が利用するデータ)を記録保存する機能を有する。ここでは、説明の便宜上、このデータ記録部131内に記録保存されるユーザデータを、複数の単位データとして取り扱うことにする。ここで「単位データ」とは、アクセス対象となる1単位のデータを意味するものであり、一般的には、ファイル単位のデータまたはレコード単位のデータが「単位データ」として取り扱われる。ICカードの場合、ユーザデータはいわゆるツリー構造をもったファイルあるいはレコードに分類され、データ記録部131に保存されることになる。この場合、このツリー構造の特定の枝に相当する部分が「単位データ」として取り扱われ、この特定の枝に所属するファイルやレコードを1単位として、読出し処理や書換え処理(追記処理も含めて)が行われることになる。図示の例では、データ記録部131内に4組の単位データが保存されている例が示されているが、これは4組の「単位データ」を概念的に示したものであり、実際には、より複雑な階層構造をもってユーザデータが格納されていることになる。
【0025】
一方、プログラム記録部132には、CPU120によって実行されるべきプログラムが記録されている。図示の例では、1組のOSプログラムと2組のアプリケーションプログラムが格納されており、CPU120は、OSプログラムの統括管理を受けながら、必要に応じて所定のアプリケーションプログラムを実行することになる。また、アクセス準備状態記録部133は、アクセス準備状態を示す情報を記録するための領域であり、図示のとおり、データ特定情報が格納される。このデータ特定情報は、現在、アクセス準備状態となっている単位データを特定する情報であり、後述するように、外部装置200から与えられたコマンドによって指定される情報である。
【0026】
一般的なICカードの場合、ROMおよびEEPROM(いずれも不揮発性メモリ)と、RAM(揮発性メモリ)とが内蔵されている。そして、このICカードに対する電源供給は、外部装置(リーダライタ装置)側から行われるため、外部装置200との接続が解除された後は、ROMおよびEEPROMに保存されたデータはそのまま保持されるが、RAMに保存されたデータは失われることになる。図示のメモリ130も、ハードウエアの観点からは、ROM,EEPROM,RAMの3種類のメモリによって構成されている。ただ、図示のデータ記録部131、プログラム記録部132、アクセス準備状態記録部133は、メモリをハードウエアの面から分類したものではなく、その機能に着目したソフトウエアの面から分類したものであり、ROM,EEPROM,RAMなるハードウエア構成に1対1に対応するものではない。一般的には、データ記録部131はEEPROMから構成され、アクセス準備状態記録部133はRAMの一部から構成される。また、プログラム記録部132内の各プログラムはROMに格納される場合もあれば、EEPROMに格納される場合もある。なお、実際には、CPU120の作業領域としてRAMの領域が利用されるが、このような作業領域についての図示は省略されている。もっとも、アクセス準備状態記録部133は、このようなCPU120の作業領域の一部と言うことができる。
【0027】
通信手段110は、CPU120の指示に基づいて、外部装置200と通信を行う機能をもった構成要素である。携帯可能情報記録媒体100と外部装置200との間の交信は、外部装置200側から携帯可能情報記録媒体100側へのコマンドの送信と、携帯可能情報記録媒体100側から外部装置200側へのレスポンスの返信とを交互に行うことによって実行される。すなわち、携帯可能情報記録媒体100が外部装置200に接続された後、外部装置200側から所定のコマンドが送信される。このコマンドは、通信手段110を介して、CPU120へと取り込まれる。CPU120は、プログラム記録部132内のプログラムに基づいて、このコマンドを解釈実行する。与えられたコマンドが、データ記録部131へのアクセスを指示するコマンドであった場合には、指示どおりのアクセスを行うことになる。CPU120は、コマンドの実行を完了したら、プログラムに基づいて所定のレスポンスを作成し、これを通信手段110を介して、外部装置200側へと返信する処理を行う。このように、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100へのコマンド送信と携帯可能情報記録媒体100から外部装置200へのレスポンス返送、というプロセスが交互に繰り返し実行されることにより、両者間の情報のやりとりが行われることになる。
【0028】
外部装置200からデータ記録部131内の特定の単位データに対してアクセスを行うには、まず、外部装置200側から携帯可能情報記録媒体100に対して、アクセス対象となる単位データを選択する選択コマンド(ここでは、「単位データをアクセス準備状態とするコマンド」であるため、アクセス準備コマンドと呼ぶ)を与え、携帯可能情報記録媒体100側から返信されてきたレスポンスにより、当該単位データのアクセス準備が完了したことを確認する。続いて、読出しもしくは書換えなどのアクセスを指示するコマンドを与えることになる。
【0029】
図2は、データ記録部131内の特定の単位データに対するアクセスを行う際に、携帯可能情報記録媒体100と外部装置200との間でやりとりされる一連のコマンドおよびレスポンスを示す図である。まず、外部装置200側では、図示のようなアクセス準備コマンドCMD11を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。アクセス準備コマンドは、コマンド名とデータ特定情報とによって構成されるコマンドであり、図示の例では、「SELECT」なるコマンド名と「FILE001」なるデータ特定情報によって構成されている。「SELECT」なるコマンド名は、当該コマンドがアクセス準備コマンド(特定の単位データを選択してアクセス準備状態にするコマンド)であることを示し、「FILE001」なるデータ特定情報は、選択すべき単位データ(すなわち、アクセス準備状態にすべき単位データ)が「FILE001」なるファイルであることを示している。
【0030】
CPU120は、このようなアクセス準備コマンドCMD11を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラム(OSプログラムでもよいし、アプリケーションプログラムでもよい。以下、同様)に基づいて、当該コマンドCMD11の意図を認識し、「FILE001」なる単位データを特定するための「データ特定情報」(たとえば、「FILE001」なるファイル名を示す情報自身でもよいし、何らかの識別コードでもよい)を、アクセス準備状態記録部133に記録することにより、「FILE001」なる単位データをアクセス準備状態にした上で、図示のようなレスポンスRES11を外部装置200側へと返信する。この例の場合、レスポンスRES11は、「OK」なるステータスを示すコードであり、アクセス準備コマンドCMD11が支障なく実行された旨の報告ということになる。
【0031】
外部装置200は、このレスポンスRES11が得られたことにより、「FILE001」がアクセス準備状態(アクセス対象として選択された状態)になったことを認識する。そこで、図示のようなアクセス実行コマンドCMD12を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。図示の例では、アクセス実行コマンドCMD12は、「WRITE」なるコマンド名と、「“10101100”」なるデータ部とによって構成されており、このコマンド名とデータ部とによって、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報が構成される。具体的には、このアクセス実行コマンドCMD12は、現在、アクセス準備状態にある単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する旨のコマンドである。実際には、このように単位データとしてのファイル全体を書き換えるコマンドの他、新たなレコードを追記するようなコマンドなども利用されるが、本明細書では、説明の便宜上、単位データ全体を書き換える場合を例にとって説明する。
【0032】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD12を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラムに基づいて、当該コマンドCMD12を実行する。すなわち、アクセス準備状態記録部133内のデータ特定情報によって示される単位データ、すなわち、「FILE001」なる単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する。そして、図示のようなレスポンスRES12を外部装置200側へと返信する。この例では、レスポンスRES12は、「OK」なるステータスを示すコードであり、アクセス実行コマンドCMD12が支障なく実行された旨の報告ということになる。
【0033】
この例では、外部装置200は、更に、図示のようなアクセス実行コマンドCMD13を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。ここで、アクセス実行コマンドCMD13は、「READ」なるコマンド名のみからなるコマンドであるが、この「READ」なるコマンド名が、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報として機能する。すなわち、このアクセス実行コマンドCMD13は、現在、アクセス準備状態にある単位データを、外部装置200側へ読み出す処理を実行する旨のコマンドである。
【0034】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD13を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラムに基づいて、当該コマンドCMD13を実行する。すなわち、アクセス準備状態記録部133内のデータ特定情報によって示される単位データ、すなわち、「FILE001」なる単位データを読み出し、これをレスポンスの一部として外部装置200へと返信する処理を実行する。その結果、図示のようなレスポンスRES13が外部装置200側へと返信されることになる。この例では、レスポンスRES13は、「“10101100”」なるデータ部と「OK」なるステータスとによって構成されており、アクセス実行コマンドCMD13の実行により、「“10101100”」なるデータが支障なく読み出されたことを示している。
【0035】
以上、外部装置200からICカードに代表される携帯可能情報記録媒体100に対するデータアクセスを行うための従来の一般的な方法を述べた。しかしながら、このような従来の一般的なデータアクセス方法では、特定の単位データに対するアクセスを行う場合、まず、当該特定の単位データをアクセス準備状態にするために、アクセス準備コマンドを与える必要があり、複数の単位データに対して交互にアクセスを行うような場合、その都度、アクセス準備状態にある単位データを変更する必要があり、非常に処理が煩雑になるという問題があることは、既に述べたとおりである。これは、従来の携帯可能情報記録媒体100では、アクセス準備状態記録部133内に一意なデータ特定情報しか記録することができないためである。別言すれば、従来の方法では、アクセス対象として、常に1つの単位データしか選択することができないため、複数の単位データに交互アクセスを行うような場合には、その都度、選択対象を更新する煩雑な処理が必要になる。本発明は、このような問題を解決するための新たな手法を提案するものである。
【0036】
§2.本発明に係るデータアクセス方法の基本プロセス
続いて、本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法の基本プロセスを説明する。図3は、この本発明に係るプロセスで、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100へのデータアクセスを行っている状態を示すブロック図である。本発明に係るデータアクセスを実施するにあたっては、新たなハードウエアは必要なく、従来のシステムで利用されていたソフトウエアを若干修正すればよい。したがって、この図3に各ブロックで示された各構成要素は、図1に示す従来のデータアクセス方法で利用された各構成要素と同じであり、これらは同一符号で示されている。たとえば、データ記録部131に記録されているユーザデータは、アクセス対象となる1単位のデータとなる「単位データ」という概念で把握でき、一般的には、ファイル単位のデータまたはレコード単位のデータが「単位データ」として取り扱われる。ただ、プログラム記録部132内に用意されるプログラムと、外部装置200側のコンピュータに用意されるプログラムには、以下に述べるようなプロセスでデータアクセスが行われるように修正が行われている。また、アクセス準備状態記録部133内に記録される情報もやや異なっている。
【0037】
本発明に係るデータアクセス方法の特徴は、アクセス準備状態記録部133内に複数のデータ特定情報を記録できるようにし、複数の単位データを同時にアクセス準備状態とすることが可能になるようにする点にある。ただ、携帯可能情報記録媒体100側において、複数の単位データが同時にアクセス準備状態となっていると、外部装置200側から与えたアクセス実行コマンドが、どの単位データに対してのものであるかが認識できなくなる。そこで、本発明では、アクセス準備状態となっている単位データを識別子で区別できるような工夫を施している。すなわち、図示の例のように、アクセス準備状態記録部133に記録されるデータ特定情報には、それぞれ固有の識別子を対応づけておくようにし、外部装置200側から与えるアクセス実行コマンドにも特定の識別子を含ませておくようにする。そして、この識別子を利用して、どの単位データに対するアクセス要求であるのかを区別できるようにしている。以下、このようなデータアクセスを行うための具体的なプロセスを、いくつかの例を参照しながら説明する。
【0038】
本発明に係るデータアクセス方法においても、外部装置200と携帯可能情報記録媒体100との間で、コマンドとレスポンスとを交互にやりとりする、という基本的なプロセスは従来の方法と同様であり、アクセス実行コマンドを与える前に、アクセス準備コマンドを与えて、アクセス対象となる単位データをアクセス準備状態にしておく、という点も従来の方法と同様である。
【0039】
図4は、本発明に係る方法によりデータ記録部131内の特定の単位データに対するアクセスを行う際に、携帯可能情報記録媒体100と外部装置200との間でやりとりされる一連のコマンドおよびレスポンスを示す図である。まず、外部装置200側では、図示のようなアクセス準備コマンドCMD21を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。アクセス準備コマンドは、従来同様、コマンド名とデータ特定情報とを有するコマンドであり、図示の例では、「SELECT」なるコマンド名と「FILE001」なるデータ特定情報とが含まれている。ここで、「SELECT」なるコマンド名は、当該コマンドがアクセス準備コマンド(特定の単位データを選択してアクセス準備状態にするコマンド)であることを示し、「FILE001」なるデータ特定情報は、選択すべき単位データ(すなわち、アクセス準備状態にすべき単位データ)が「FILE001」なるファイルであることを示している。本発明の特徴は、このアクセス準備コマンドに、更に、識別子ID(A)を付加するようにしている点である。
【0040】
CPU120は、このようなアクセス準備コマンドCMD21を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラム(OSプログラムでもよいし、アプリケーションプログラムでもよい)に基づいて、当該コマンドCMD21の意図を認識し、「FILE001」なる単位データを特定するための「データ特定情報」(任意の識別コードを用いてかまわないが、ここでは、ファイル名を示す「FILE001」なる情報自身を、「データ特定情報」として用いることにする)を、アクセス準備状態記録部133に記録し、「FILE001」なる単位データをアクセス準備状態にする。ただし、このとき、「FILE001」なる単位データを特定するための「データ特定情報」と、アクセス準備コマンドCMD21に含まれていた「識別子」とを対応づけて、アクセス準備状態記録部133内に記録するようにする。具体的には、アクセス準備コマンドCMD21が与えられた場合、たとえば、「ID(A):FILE001」のように、識別子「ID(A)」とデータ特定情報「FILE001」とを対応づけた情報が記録されることになる。このような記録が完了したら、CPU120は、図示のようなレスポンスRES21を外部装置200側へと返信する。この例の場合、レスポンスRES21は、「OK」なるステータスを示すコードであり、アクセス準備コマンドCMD21が支障なく実行された旨の報告ということになる。
【0041】
外部装置200は、このレスポンスRES21が得られたことにより、「FILE001」が「識別子ID(A)」の下でアクセス準備状態(アクセス対象として選択された状態)になったことを認識する。そこで、図示のようなアクセス実行コマンドCMD22を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。図示の例では、アクセス実行コマンドCMD22は、「ID(A)」なる識別子と、「WRITE」なるコマンド名と、「“10101100”」なるデータ部とによって構成されている。コマンド名とデータ部は、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報を構成している。具体的には、このアクセス実行コマンドCMD22は、現在、識別子「ID(A)」の下でアクセス準備状態にある単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する旨のコマンドである。
【0042】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD22を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラムに基づいて、当該コマンドCMD22を実行する。すなわち、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス準備コマンドCMD22に含まれる識別子「ID(A)」と同一の識別子を認識し、この同一の識別子「ID(A)」に対応づけられているデータ特定情報「FILE001」によって特定される単位データ、すなわち、「FILE001」なるファイル名の単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する。そして、図示のようなレスポンスRES22を外部装置200側へと返信する。この例では、レスポンスRES22は、「OK」なるステータスを示すコードであり、アクセス実行コマンドCMD22が支障なく実行された旨の報告ということになる。もちろん、アクセス準備状態記録部133内に、識別子「ID(A)」が記録されていなかった場合には、与えられたアクセス実行コマンドCMD22は誤ったコマンドということになるので、レスポンスRES22としては、エラーを示す情報が返信されることになる。
【0043】
この例では、外部装置200は、更に、図示のようなアクセス実行コマンドCMD23を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信している。このアクセス実行コマンドCMD23は、「ID(A)」なる識別子と「READ」なるコマンド名とによって構成されている。「READ」なるコマンド名は、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報として機能し、「ID(A)」なる識別子は、アクセス対象となる単位データを特定する情報として機能する。すなわち、このアクセス実行コマンドCMD23は、現在、識別子「ID(A)」の下でアクセス準備状態にある単位データを、外部装置200側へ読み出す処理を実行する旨のコマンドである。
【0044】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD13を受け取ると、プログラム記録部132内のプログラムに基づいて、当該コマンドCMD23を実行する。すなわち、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス準備コマンドCMD23に含まれる識別子「ID(A)」と同一の識別子を認識し、この同一の識別子「ID(A)」に対応づけられているデータ特定情報「FILE001」によって特定される単位データ、すなわち、「FILE001」なるファイル名の単位データを読み出し、これをレスポンスの一部として外部装置200へと返信する処理を実行する。その結果、図示のようなレスポンスRES23が外部装置200側へと返信されることになる。この例では、レスポンスRES23は、「“10101100”」なるデータ部と「OK」なるステータスとによって構成されており、アクセス実行コマンドCMD23の実行により、「“10101100”」なるデータが支障なく読み出されたことを示している。もちろん、アクセス準備状態記録部133内に、識別子「ID(A)」が記録されていなかった場合には、与えられたアクセス実行コマンドCMD32は誤ったコマンドということになるので、レスポンスRES32としては、エラーを示す情報が返信されることになる。
【0045】
以上、本発明に係る方法を用いて、外部装置200からICカードに代表される携帯可能情報記録媒体100に対するデータアクセスを行うための一般的なプロセスを述べたが、この方法の特徴は、複数の識別子を使い分けることにより、複数の単位データを同時にアクセス準備状態にすることができ、そのうちの所望の単位データに対してアクセスが可能になる点にある。ここでは、このようなメリットを説明するために、図4に示すような一連のプロセスが完了した後に、続けて図5に示すようなプロセスを行った場合を考えてみよう。図4のプロセスが完了した時点では、「FILE001」なる単位データが識別子「ID(A)」の下でアクセス準備状態になっているわけであるが、この図5のプロセスは、更に、「FILE008」なる単位データを識別子「ID(B)」の下でアクセス準備状態とし、「FILE005」なる単位データを識別子「ID(C)」の下でアクセス準備状態とするためのものである。
【0046】
まず、外部装置200側で、図示のようなアクセス準備コマンドCMD24を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。このアクセス準備コマンドCMD24は、識別子「ID(B)」と、「SELECT」なるコマンド名と、「FILE008」とによって構成され、「FILE008」なる単位データを識別子「ID(B)」の下でアクセス準備状態とする指示である。CPU120は、このようなアクセス準備コマンドCMD24を受け取ると、「ID(B):FILE008」のように、識別子「ID(B)」とデータ特定情報「FILE008」とを対応づけて、アクセス準備状態記録部133へと記録する処理を行う。このような記録が完了したら、CPU120は、図示のようなレスポンスRES24を外部装置200側へと返信し、アクセス準備コマンドCMD24が支障なく実行された旨を報告する。
【0047】
続いて、外部装置200側で、図示のようなアクセス準備コマンドCMD25を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。このアクセス準備コマンドCMD25は、識別子「ID(C)」と、「SELECT」なるコマンド名と、「FILE005」とによって構成され、「FILE005」なる単位データを識別子「ID(C)」の下でアクセス準備状態とする指示である。CPU120は、このようなアクセス準備コマンドCMD25を受け取ると、「ID(C):FILE005」のように、識別子「ID(C)」とデータ特定情報「FILE005」とを対応づけて、アクセス準備状態記録部133へと記録する処理を行う。このような記録が完了したら、CPU120は、図示のようなレスポンスRES25を外部装置200側へと返信し、アクセス準備コマンドCMD25が支障なく実行された旨を報告する。
【0048】
図6は、この時点におけるアクセス準備状態記録部133内の記録内容を示す図である。図示のとおり、3種類の識別子ID(A),ID(B),ID(C)に対応づけられて、3種類の単位データ「FILE001」,「FILE008」,「FILE005」がアクセス準備状態にあることが示されている。このように、3種類の単位データが同時にアクセス準備状態となっているため、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100に対して、所定の識別子を含むアクセス実行コマンドを与えるだけで、この3種類の単位データのうちの任意の単位データをアクセス対象としたデータアクセス行うことができるようになる。
【0049】
たとえば、上述の状態において、図7に示すようなプロセスが行われた場合を考えてみる。まず、外部装置200側において、図示のようなアクセス実行コマンドCMD26を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。このアクセス実行コマンドCMD26は、「ID(C)」なる識別子と、「WRITE」なるコマンド名と、「“10101100”」なるデータ部とによって構成されている。コマンド名とデータ部は、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報を構成している。具体的には、このアクセス実行コマンドCMD26は、現在、識別子「ID(C)」の下でアクセス準備状態にある単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する旨のコマンドである。
【0050】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD26を受け取ると、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス準備コマンドCMD26に含まれる識別子「ID(C)」と同一の識別子を認識し、この同一の識別子「ID(C)」に対応づけられているデータ特定情報「FILE005」によって特定される単位データ、すなわち、「FILE005」なるファイル名の単位データを、「“10101100”」なるデータに書き換える処理を実行する。そして、図示のようなレスポンスRES26を外部装置200側へと返信し、アクセス実行コマンドCMD26が支障なく実行されたことを報告する。
【0051】
次に、外部装置200側において、図示のようなアクセス実行コマンドCMD27を作成し、これを携帯可能情報記録媒体100へと送信する。このアクセス実行コマンドCMD27は、「ID(B)」なる識別子と「READ」なるコマンド名とによって構成されている。「READ」なるコマンド名は、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報として機能し、「ID(B)」なる識別子は、アクセス対象となる単位データを特定する情報として機能する。すなわち、このアクセス実行コマンドCMD27は、現在、識別子「ID(B)」の下でアクセス準備状態にある単位データを、外部装置200側へ読み出す処理を実行する旨のコマンドである。
【0052】
CPU120は、このようなアクセス実行コマンドCMD27を受け取ると、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス準備コマンドCMD27に含まれる識別子「ID(B)」と同一の識別子を認識し、この同一の識別子「ID(B)」に対応づけられているデータ特定情報「FILE008」によって特定される単位データ、すなわち、「FILE008」なるファイル名の単位データを読み出し、これをレスポンスの一部として外部装置200へと返信する処理を実行する。その結果、図示のようなレスポンスRES27が外部装置200側へと返信されることになる。この例では、レスポンスRES27は、「“10101100”」なるデータ部と「OK」なるステータスとによって構成されており、アクセス実行コマンドCMD27の実行により、「“10101100”」なるデータが支障なく読み出されたことを示している。
【0053】
結局、図6に示すように、アクセス準備状態記録部133内に、3種類の識別子の下に3種類の単位データがアクセス準備状態となっていることが記録されていれば、この3種類の単位データに対してアクセスを行う限りにおいては、直接アクセス実行コマンドを与えれば足り、従来のように、アクセス準備コマンドによって、その都度、アクセス対象を選択しなおすような処理は不要になる。要するに、本発明では、携帯可能情報記録媒体100に対するデータアクセスの際に複数のロジカルチャネルを設定することが可能になり、アクセス実行コマンドを与える際には、識別子によっていずれか1つのロジカルチャネルを指定することにより、複数の単位データが同時にアクセス準備状態におかれているにもかかわらず、従来とほぼ同様の方法でのデータアクセスを可能としているのである。
【0054】
なお、CPU120が受け取ったアクセス準備コマンドが、アクセス準備状態記録部133に既に記録されている識別子を含んでいた場合には、既に記録されている識別子に対応するデータ特定情報を新たなものに書き換える処理を行うようにしておけば、アクセスを行う必要がなくなった単位データについては、アクセス準備状態を解除することができる。たとえば、図6に示すように、3種類の識別子の下に3種類の単位データがアクセス準備状態となっているときに、図7に示すアクセス準備コマンドCMD28を与えた場合を考えてみよう。この場合、このアクセス準備コマンドCMD28に含まれている識別子ID(B)は、既にアクセス準備状態記録部133に記録されている識別子ということになる。このような場合は、既に記録されている識別子ID(B)に対応するデータ特定情報「FILE008」を、アクセス準備コマンドCMD28に含まれている新たなデータ特定情報「FILE009」に書き換える処理が行われ、このような書き換えが完了した旨のレスポンスRES28が外部装置200側に返信される。
【0055】
かくして、図6の「FILE008」の部分が「FILE009」に書き換えられることになり、「FILE008」のアクセス準備状態は解除される。その結果、アクセス準備状態記録部133内の記録状態は、図6に示す状態から図8に示す状態に更新される。したがって、以後、識別子ID(B)を含むアクセス実行コマンドが与えられた場合、当該コマンドは単位データ「FILE009」に対して実行されることになる。なお、必要に応じて、アクセス準備状態解除コマンドなるものを用意し、このコマンドを用いて、現在アクセス準備状態にある特定の識別子およびこれに対応するデータ特定情報を、アクセス準備状態記録部133内から削除することができるようにしておいてもよい。
【0056】
結局、本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法では、データ記録部131内の所定の単位データに対してアクセスを行う際に、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100に対して、当該所定の単位データをアクセス準備状態にするアクセス準備コマンドを与えた後に、アクセス準備状態にある単位データに対する読出しもしくは書換え(追記も含めて)を指示するアクセス実行コマンドを与える、という処理が行われる点では、従来のデータアクセス方法と同様の手法を採っていることになる。ただ、本発明では、アクセス準備コマンドに、アクセス準備状態にすべき単位データを特定するデータ特定情報とともに所定の識別子を含ませておくようにしたので、異なる識別子を用いた複数のアクセス準備コマンドを与えることにより、異なる複数の単位データを同時にアクセス準備状態とすることができるようになる。具体的には、このようなアクセス準備コマンドを受け取ったCPU120は、アクセス準備状態記録部133に、受け取ったアクセス準備コマンドに含まれるデータ特定情報と識別子とを対応づけて記録する処理を実行することになる。また、本発明では、アクセス実行コマンドに、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報とともに所定の識別子を含ませておくことにより、アクセス準備状態となっている複数の単位データのうちの1つを選択できるようにしている。具体的には、アクセス実行コマンドを受け取ったCPU120は、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれる識別子と同一の識別子を認識し、この同一の識別子に対応づけられているデータ特定情報によって特定される単位データに対して、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれるアクセス内容特定情報によって示される内容のアクセスを実行することになる。
【0057】
なお、これまで述べた実施例では、単位データとして、「FILE001」のようなファイル単位のデータを用いる例を示したが、本発明を実施するにあたっての「単位データ」とは、「アクセス実行コマンドによるデータアクセスの対象となるべき1単位のデータ」を意味するものであり、必ずしもファイル単位のデータを「単位データ」とする必要はなく、レコード単位のデータや、任意の単位のデータを「単位データ」として取り扱ってかまわない。
【0058】
§3.識別子の発行方法
本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法の特徴は、アクセス準備コマンドおよびアクセス実行コマンドにそれぞれ所定の識別子を含ませておき、同時にアクセス準備状態になっている複数の単位データを、この識別子によって指定する点にある。このため、アクセス準備状態記録部133内には、各データ特定情報を所定の識別子に対応づけて記録しておく必要がある。
【0059】
ここに示す実施形態では、前述のように、アクセス準備状態記録部133はRAM内の領域に設けられているため、携帯可能情報記録媒体100と外部装置200との接続状態が切り離されたときには、携帯可能情報記録媒体100に対する電源供給が遮断されるため、アクセス準備状態記録部133に記録されている情報がすべて消去されるようになる。したがって、携帯可能情報記録媒体100を外部装置200に接続して、両者間で通信を開始する際には、再び、アクセス準備コマンドを与えて、アクセス準備状態記録部133内に必要な情報を記録する必要がある。もちろん、アクセス準備状態記録部133をEEPROM内に設けておけば、記録された情報は積極的に消去操作をしない限り保存されたままになるが、通常、携帯可能情報記録媒体100を外部装置200に接続して、両者間で通信を行う1セッションの処理が完了した後は、環境をリセットする意味で、アクセス準備状態記録部133内の全情報が消去されるような構成にしておいた方が好ましい。そこで、携帯可能情報記録媒体100を外部装置200に接続して、新たなセッションを開始する際には、まず、外部装置200側から所定の識別子を用いたアクセス準備コマンドを携帯可能情報記録媒体100側へ送信し、アクセスの準備を行う作業が必要になる。
【0060】
アクセス準備コマンドに用いる識別子としては、任意の識別コードを用いればよく、また、この識別子を発行する処理は、外部装置200側で行っても、携帯可能情報記録媒体100側で行ってもよい。識別子の発行を外部装置200側で行う場合には、次のようなプロセスの処理が行われるようにしておけばよい。まず、アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、任意の識別コード(同一セッションで既に発行済みの識別コードと重複しないようなコード)を外部装置200側で発行する。そして、この新たに発行した識別子を含むアクセス準備コマンドを、§2で述べた形式で、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100に与えるようにする。そして、携帯可能情報記録媒体100側では、これまでにアクセス準備状態記録部133内に記録されていない新たな識別子を含むアクセス準備コマンドが与えられるたびに、これをデータ特定情報とともに記録する処理を行うようにすればよい。
【0061】
一方、識別子の発行を、携帯可能情報記録媒体100側で行う場合には、次のようなプロセスの処理が行われるようにしておけばよい。まず、アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100に対して、新たな識別子の発行を要求するための識別子要求コマンドを与える。具体的には、たとえば、図9に示す識別子要求コマンドCMD29を携帯可能情報記録媒体100側に与えるようにすればよい。このコマンドCMD29は、識別子を有さず、実質的に「DEMAND−ID」なるコマンド名のみから構成されている。図では、識別子の部分をφで示してあるが、これは本実施形態では、外部装置200から携帯可能情報記録媒体100に与えるすべてのコマンドについて、先頭の数ビット部分を識別子とする共通のフォーマットを定義しているためである。したがって、この例の場合、φの部分には、意味のないダミービット(たとえば、0000など)を入れておくようにする。
【0062】
このような識別子要求コマンドCMD29を受け取った携帯可能情報記録媒体100では、このコマンドに応じて新たな識別子(アクセス準備状態記録部133内にはまだ記録されていない識別子)を所定のアルゴリズムに基づいて発行し、発行した識別子をアクセス準備状態記録部133に記録するとともにこれをレスポンスとして外部装置200へと伝達する処理を行えばよい。図示の例では、ID(X)なる識別子が発行され、この識別子ID(X)がレスポンスRES29として外部装置200へと返される。また、アクセス準備状態記録部133内には、この識別子ID(X)のみを記録しておくようにする(対応するデータ特定情報の欄は、この時点では空欄となる)。外部装置200側では、レスポンスRES29により、「ID(X)」なる識別子が発行されたことを認識することができる。
【0063】
こうして、識別子ID(X)の発行を受けた外部装置200は、この識別子ID(X)を用いたアクセス準備コマンドを携帯可能情報記録媒体100へと与え、アクセス対象となる所望の単位データを、識別子ID(X)の下でアクセス準備状態にするための処理を行う。このようなアクセス準備コマンドを受け取った携帯可能情報記録媒体100は、このコマンドに含まれている識別子ID(X)がアクセス準備状態記録部133に既に記録されている識別子であるか否かの判定を行い、肯定的な判定結果が得られた場合には、このアクセス準備コマンドに含まれていたデータ特定情報を当該識別子ID(X)に対応づけて記録する処理を行う。すなわち、アクセス準備状態記録部133に記録されている識別子ID(X)に対応する空欄部分に、所定のデータ特定情報が記録される。なお、アクセス準備コマンドに含まれている識別子が、アクセス準備状態記録部133に既に記録されている識別子ではなかった場合には、当該識別子は未発行の識別子ということになるので、外部装置200に対してエラーを示すレスポンスを伝達する処理が行われる。
【0064】
§4.複数のアプリケーションによるデータアクセス
最近は、1枚のICカードが多種多様な用途に利用されるようになってきており、外部装置200側で各用途に応じた複数のアプリケーションプログラムを同時に起動し、それぞれのアプリケーションプログラムによって、携帯可能情報記録媒体100(ICカード)内に保存されている複数のデータに対して次々にアクセスを行うような形態も少なくない。本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法は、このような利用形態に適用するのに最適である。
【0065】
たとえば、図10に示すように、外部装置200側で、5種類のアプリケーションプログラムA〜Eが同時に起動した状態になっており、これらのアプリケーションプログラムA〜Eが適宜切り替えられながら、携帯可能情報記録媒体100(ICカード)へのアクセスが行われているものとしよう。このように、外部装置200側で複数のアプリケーションプログラムが動作中の場合、個々のアプリケーションプログラムごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体100へのデータアクセスを行うようにすれば、非常に効率的なデータアクセスが可能になる。
【0066】
図示の例では、アプリケーションプログラムAは、識別子ID(A)を用いて単位データ「FILE001」に対するアクセスを行い、アプリケーションプログラムBは、識別子ID(B)を用いて単位データ「FILE001/REC03」へのアクセスを行っている。ここで、単位データ「FILE001/REC03」とは、ファイル名「FILE001」なるファイル内のレコード名「REC03」なるレコードを意味している。アプリケーションプログラムAでは、「FILE001」なるファイル全体をアクセス対象とするアクセスを行うのに対し、アプリケーションプログラムBでは、「FILE001」なるファイル内の特定のレコード「REC03」をアクセス対象とするアクセスを行うことになる。
【0067】
このように、アプリケーションプログラムごとに異なるアクセス対象を設定するには、まず、識別子ID(A)の下で「FILE001」なる単位データをアクセス準備状態にするためのアクセス準備コマンドを与え、更に、識別子ID(B)の下で「FILE001/REC03」なる単位データをアクセス準備状態にするためのアクセス準備コマンドを与えておけばよい。そして、実際にアクセスを行う際には、アプリケーションプログラムAの処理ルーチンによってデータアクセスを行うためのアクセス実行コマンドには、識別子ID(A)を含ませるようにしておき、アプリケーションプログラムBの処理ルーチンによってデータアクセスを行うためのアクセス実行コマンドには、識別子ID(B)を含ませるようにしておけばよい。
【0068】
また、外部装置200側で動作中の同一のアプリケーションプログラムが、アクセス対象となる単位データごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体へのデータアクセスを行うようにすることも可能である。図示の例では、アプリケーションプログラムCは、識別子ID(C1)と識別子ID(C2)とを適宜使い分けることにより、単位データ「FILE005/REC01」に対するアクセスと、単位データ「FILE005/REC02」に対するアクセスとの双方を行っている。
【0069】
このように、同一のアプリケーションプログラムCに、2通りのアクセス対象に対するアクセスを行わせるには、まず、識別子ID(C1)の下で「FILE005/REC01」なる単位データをアクセス準備状態にするためのアクセス準備コマンドを与え、更に、識別子ID(C2)の下で「FILE005/REC02」なる単位データをアクセス準備状態にするためのアクセス準備コマンドを与えておけばよい。そして、実際にアクセスを行う際には、アプリケーションプログラムCの処理ルーチンに応じて、アクセス実行コマンドに、識別子ID(C1)か識別子ID(C2)かのいずれかを選択して含ませるようにしておけばよい。
【0070】
もちろん、外部装置200側で複数のアプリケーションプログラムを動作させ、この複数のアプリケーションプログラムが同一の識別子を用いて携帯可能情報記録媒体100内の同一の単位データに対してデータアクセスを行うようにすることも可能である。図示の例では、アプリケーションプログラムDは、識別子ID(D)を用いることにより、単位データ「FILE004」に対するアクセスを行うことができるが、アプリケーションプログラムEも、全く同じ識別子ID(D)を用いて、単位データ「FILE004」に対するアクセスを行うことができる。すなわち、同一の単位データ「FILE004」が、同一の識別子ID(D)の下で、2つの異なるアプリケーションプログラムD,Eからアクセスされることになる。
【0071】
このように、複数のアプリケーションプログラムD,Eから、同一の単位データ「FILE004」に対するアクセスを行わせるには、アプリケーションプログラムD,Eのいずれか一方において、まず、識別子ID(D)の下で「FILE004」なる単位データをアクセス準備状態にするためのアクセス準備コマンドを与えておけばよい。そして、他方のアプリケーションプログラムにも、このようなアクセス準備コマンドが実行された旨を報知するようにしておけば、アプリケーションプログラムD,Eのいずれからアクセスを行う場合であっても、アクセス実行コマンドに、識別子ID(D)を含ませるようにしておけば、「FILE004」なる単位データへのアクセスを共通して行うことができるようになる。
【0072】
§5.その他の変形例
最後に、本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法のいくつかの変形例を述べておく。
【0073】
上述の§4では、外部装置200側に複数のアプリケーションが用意されている場合の例を述べたが、ここでは、携帯可能情報記録媒体100側に複数のアプリケーションプログラムが用意されている場合の変形例を述べておく。図3に示す例では、プログラム記録部132内にOSプログラムと2組のアプリケーションプログラムが用意された例が示されているが、この例のように、最近では、ICカードなどの携帯可能情報記録媒体100側に、複数のアプリケーションプログラムを格納することも少なくない。特に、プログラム記録部132としてEEPROMを利用すれば、後から任意のアプリケーションプログラムを追加インストールすることが可能になる。
【0074】
このように、携帯可能情報記録媒体100側に複数のアプリケーションプログラムが用意されている場合には、アクセス準備状態記録部133に、個々の識別子に対応するアプリケーションプログラムを示すための情報を併せて記録するようにしておくと便利である。たとえば、アクセス準備コマンドによって、特定の識別子の下で特定の単位データをアクセス準備状態にする旨の指示を与える際に、プログラム記録部132内に用意されている特定のアプリケーションプログラムを指定する情報も付加しておくようにすれば、アクセス準備状態記録部133内には、所定の識別子と、所定のデータ特定情報と、所定のアプリケーションプログラム(プログラム記録部132内のいずれかのプログラム)と、を対応づける記録を行うことができる。こうしておけば、外部装置200側から、アクセス実行コマンドが与えられた場合には、当該アクセス実行コマンドに含まれている識別子に基づいて、プログラム記録部132内の特定のアプリケーションプログラムを認識することができるので、このアクセス実行コマンドを、当該特定のアプリケーションプログラムに引き渡すような処理が可能になる。
【0075】
また、本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法を適用した場合、ある特定の識別子を用いたアクセス実行コマンドによるアクセスを実行すると、別な識別子を用いたアクセスに影響が及ぶようなケースもあり得る。たとえば、図10に示す例の場合、第1の識別子ID(A)を用いて、「FILE001」なる単位データに対する書換えのためのアクセスを行ったとしよう。そして、この書換えにより、「FILE001」を構成するレコードREC1とREC2との間に、新たな1レコードが挿入されることになり、書換え前のレコードREC2以降のデータが、1レコードずつ繰り下がり、レコードREC2のデータが新たにレコードREC3のデータとなり、レコードREC3のデータが新たにレコードREC4のデータとなり、……、というような更新が行われたとしよう。このような場合、第2の識別子ID(B)で特定される単位データ「FILE001/REC03」にアクセスしても、正しいアクセスが行われなくなる。すなわち、「FILE001/REC03」の内容は、「FILE001/REC04」へと移動してしまっているので、本来であれば、第2の識別子ID(B)を用いたアクセス準備コマンドによって、この第2の識別子ID(B)に対応する単位データを「FILE001/REC04」にする処理を行っておかねばならない。
【0076】
このように、第1の識別子を含むアクセス実行コマンドによるアクセスを実行することにより、第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じた場合、外部装置200側において、この変動を正しく認識していれば問題はないが、そのような認識が正しく行われていないと、第2の識別子を含むアクセス実行コマンドが正しく実行されないおそれがある。特に、外部装置200側で複数のアプリケーションプログラムを動作させている場合、アプリケーションプログラム間の連携が不十分であると、変動が正しく認識されず、誤ったアクセスが行われる可能性が高い。そこで、このような変動が生じた後に、第2の識別子を含むアクセス実行コマンドが与えられたときには、このような変動が生じていることを外部装置200に対して報知する処理が行われるようにするのが好ましい。
【0077】
具体的には、第1の識別子を含むアクセス実行コマンドによるアクセスを実行することにより、第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じることになり、この変動が生じた後に、第2の識別子を含む第1回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第1回目のアクセス実行コマンドを実行せずに、この変動を報知するためのレスポンスを外部装置200へ返し、その後、外部装置200からこの変動を了承する旨を示す変動了承コマンドがあった後に、この第2の識別子を含む第2回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第2回目のアクセス実行コマンドについては、これを実行するようにすればよい。
【0078】
図11に示すプロセスは、このような処理を行うための具体的な方法の一例を示すものである。ここでは、まず、外部装置200側で動作中のアプリケーションプログラムAによって、図示のようなアクセス実行コマンドCMD31が携帯可能情報記録媒体100側に与えられ、これに対して、正常に処理された旨のレスポンスRES31が返信されたものとしよう。このアクセス実行コマンドCMD31は、識別子ID(A)によって示される単位データを、「NEW DATA」なるデータで書き換える処理を示すコマンドである。このとき、このような書換え処理の実行により、識別子ID(B)によって示される単位データのアクセス条件に変動が生じたとしよう。この場合、携帯可能情報記録媒体100側では、この識別子ID(B)に関して変動が生じた旨を、たとえば、アクセス準備状態記録部133内に記録しておくようにする。
【0079】
続いて、外部装置200側で動作中のアプリケーションプログラムBによって、図示のようなアクセス実行コマンドCMD32が与えられたとしよう。携帯可能情報記録媒体100側では、このコマンドCMD32に含まれている識別子ID(B)に基づいて、アクセス準備状態記録部133を参照する処理を行うことになるが、このとき、この識別子ID(B)に関して変動が生じた旨の記録がなされているので、このコマンドCMD32を実行する代りに、図示のようなレスポンスRES32を返信する処理を行うのである。このレスポンスRES32は、「ALERT」なるステータスを示すものであり、外部装置200に対して、変動が生じている旨の警告を行うものである。
【0080】
外部装置200側で動作中のアプリケーションプログラムBは、この警告が予期しないものであれば、当該アクセスを中止して、必要なエラー処理手順を行うようにする(たとえば、他のアプリケーションプログラムに対して照会を行い、変動が生じた原因を追求する)。一方、この警告が予期されたものであれば(たとえば、アプリケーションプログラムAから、変動が生じた旨の連絡を既に受けており、そのような変動を了承した上で、アクセス実行コマンドCMD32を与えたのであれば)、外部装置200は、図示のような変動了承コマンドCMD33を携帯可能情報記録媒体100へと送信する。このコマンドCMD33は、「ACKNOWLEDGE」なるコマンド名をもつコマンドであり、識別子ID(B)に関して、変動が生じていることを了承する旨のコマンドということになる。この変動了承コマンドCMD33を受けた携帯可能情報記録媒体100は、アクセス準備状態記録部133内に記録されている変動が生じた旨の記録を消去した上で、レスポンスRES33を返信する。このレスポンスRES33を受けた外部装置200は、アクセス実行コマンドCMD34を送信する。このアクセス実行コマンドCMD34は、先に送信したアクセス実行コマンドCMD32と全く同一のコマンドである。このアクセス実行コマンドCMD34を受けた携帯可能情報記録媒体100では、既に変動了承コマンドCMD33によって、変動が生じている旨の記録が消去されているので、通常どおり、このアクセス実行コマンドCMD34を実行し、レスポンスRES34を返信することになる。
【0081】
このように、変動が生じている識別子に関して、第1回目のアクセス実行コマンドが送信された場合には、これを実行せずに警告を示すレスポンスを返し、その後、変動了承コマンドに続いて第2回目のアクセス実行コマンドが送信された場合には、これを実行するようにすれば、誤ったアクセスが実行される事故を低減させることができる。
【0082】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、上述の実施形態では、携帯可能情報記録媒体100としてICカードを用いた例を示したが、本発明はICカード以外の携帯可能情報記録媒体にも適用することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法によれば、携帯可能情報記録媒体内に保存されている複数のデータに対して効率的なアクセスを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一般的な携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法を示すブロック図である。
【図2】図1に示すブロック図において利用されるデータアクセスのプロセスの一例を示す図である。
【図3】本発明に係る携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法を示すブロック図である。
【図4】図3に示すブロック図において利用されるデータアクセスのプロセスの一例を示す図である。
【図5】図3に示すブロック図において利用されるデータアクセスのプロセスの別な一例を示す図である。
【図6】図3に示すブロック図におけるアクセス準備状態記録部133内の記録内容の一例を示す図である。
【図7】図3に示すブロック図において利用されるデータアクセスのプロセスの更に別な一例を示す図である。
【図8】図7に示すプロセスの実行により、図6に示すブロック図におけるアクセス準備状態記録部133内の記録内容が変化した状態を示す図である。
【図9】本発明を実施するにあたり、識別子の発行を携帯可能情報記録媒体側で行う場合のプロセスを示す図である。
【図10】複数のアプリケーションプログラムが起動された外部装置200によって携帯可能情報記録媒体100をアクセスする場合に、本発明を適用した例を示すブロック図である。
【図11】図3に示すブロック図において利用されるデータアクセスのプロセスのまた別な一例を示す図である。
【符号の説明】
100…携帯可能情報記録媒体
110…通信手段
120…CPU
130…メモリ
131…データ記録部
132…プログラム記録部
133…アクセス準備状態記録部
200…外部装置
CMD11〜CMD34…外部装置から与えられるコマンド
ID(A)〜ID(D)…識別子
RES11〜RES34…携帯可能情報記録媒体から与えられるレスポン

Claims (13)

  1. データが記録されたデータ記録部およびプログラムが記録されたプログラム記録部を有するメモリと、外部装置と通信を行うための通信手段と、前記プログラムに基づいて前記データ記録部に対するアクセス処理および前記通信手段を介しての送受信処理を実行するCPUと、を備える携帯可能情報記録媒体に対して、外部装置からデータアクセスを行うための方法であって、
    前記メモリ内に、アクセス準備状態を示す情報を記録するアクセス準備状態記録部を設け、
    前記データ記録部内の所定の単位データに対してアクセスを行う際には、前記外部装置から前記携帯可能情報記録媒体に対して、当該所定の単位データをアクセス準備状態にするアクセス準備コマンドを与えた後に、アクセス準備状態にある単位データに対する読出しもしくは書換えを指示するアクセス実行コマンドを与えるようにし、
    アクセス準備コマンドには、アクセス準備状態にすべき単位データを特定するデータ特定情報とともに所定の識別子を含ませておくようにし、異なる識別子を用いた複数のアクセス準備コマンドを与えることにより、異なる複数の単位データを同時にアクセス準備状態とすることができるようにし、
    アクセス準備コマンドを受け取ったCPUは、前記アクセス準備状態記録部に、受け取ったアクセス準備コマンドに含まれるデータ特定情報と識別子とを対応づけて記録する処理を実行するようにし、
    アクセス実行コマンドには、実行すべきアクセスの内容を示すアクセス内容特定情報とともに所定の識別子を含ませておくことにより、アクセス準備状態となっている複数の単位データのうちの1つを選択できるようにし、
    アクセス実行コマンドを受け取ったCPUは、前記アクセス準備状態記録部に記録されている識別子の中から、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれる識別子と同一の識別子を認識し、この同一の識別子に対応づけられているデータ特定情報によって特定される単位データに対して、受け取ったアクセス実行コマンドに含まれるアクセス内容特定情報によって示される内容のアクセスを実行することを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  2. 請求項1に記載のデータアクセス方法において、
    単位データとして、ファイル単位のデータまたはレコード単位のデータを用いることを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  3. 請求項1または2に記載のデータアクセス方法において、
    CPUが受け取ったアクセス準備コマンドが、アクセス準備状態記録部に既に記録されている識別子を含んでいた場合には、既に記録されている識別子に対応するデータ特定情報を新たなものに書き換える処理を行うことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    携帯可能情報記録媒体と外部装置との接続状態が切り離されたときには、アクセス準備状態記録部に記録されている情報がすべて消去されるようにすることを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、これを外部装置側で発行するようにし、この新たに発行した識別子を含むアクセス準備コマンドを、外部装置から携帯可能情報記録媒体に与えるようにし、
    携帯可能情報記録媒体側では、これまでに記録されていない新たな識別子を含むアクセス準備コマンドが与えられるたびに、これをデータ特定情報とともにアクセス準備状態記録部に記録する処理を行うようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    アクセス準備コマンドに利用する新たな識別子が必要になった場合には、外部装置から携帯可能情報記録媒体に対して、新たな識別子の発行を要求するための識別子要求コマンドを与え、この識別子要求コマンドを受け取った携帯可能情報記録媒体側では、この識別子要求コマンドに応じて新たな識別子を発行し、発行した識別子をアクセス準備状態記録部に記録するとともにこれをレスポンスとして外部装置へと伝達する処理を行い、
    外部装置から携帯可能情報記録媒体に対してアクセス準備コマンドが与えられるたびに、携帯可能情報記録媒体側では、これに含まれている識別子がアクセス準備状態記録部に既に記録されている識別子であるか否かの判定を行い、肯定的な判定結果が得られた場合には、アクセス準備コマンドに含まれていたデータ特定情報を当該識別子に対応づけて記録する処理を行い、否定的な判定結果が得られた場合には、外部装置に対してエラーを示すレスポンスを伝達する処理を行うようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    外部装置側で複数のアプリケーションプログラムを動作させ、個々のアプリケーションプログラムごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体へのデータアクセスを行うようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    外部装置側で動作中の同一のアプリケーションプログラムが、アクセス対象となる単位データごとにそれぞれ異なる識別子を用いて携帯可能情報記録媒体へのデータアクセスを行うようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    外部装置側で複数のアプリケーションプログラムを動作させ、複数のアプリケーションプログラムが同一の識別子を用いて携帯可能情報記録媒体内の同一の単位データに対してデータアクセスを行うようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    携帯可能情報記録媒体側に複数のアプリケーションプログラムを用意し、アクセス準備状態記録部には、個々の識別子に対応するアプリケーションプログラムを示すための情報を併せて記録するようにし、アクセス実行コマンドが与えられた場合には、当該アクセス実行コマンドに含まれている識別子に対応するアプリケーションプログラムに、当該アクセス実行コマンドが引き渡されるようにすることを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のデータアクセス方法において、
    第1の識別子を含むアクセス実行コマンドによるアクセスを実行することにより、第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じた場合には、当該第2の識別子を含むアクセス実行コマンドが与えられたときに、前記変動を外部装置に対して報知する処理が行われるようにすることを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  12. 請求項11に記載のデータアクセス方法において、
    第2の識別子に対応づけられたデータ特定情報によって特定される単位データへのアクセス条件に変動が生じた後に、前記第2の識別子を含む第1回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第1回目のアクセス実行コマンドを実行せずに、前記変動を報知するためのレスポンスを外部装置へ返し、その後、外部装置から前記変動を了承する旨を示す変動了承コマンドがあった後に、前記第2の識別子を含む第2回目のアクセス実行コマンドが与えられたときには、この第2回目のアクセス実行コマンドを実行するようにしたことを特徴とする携帯可能情報記録媒体へのデータアクセス方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のデータアクセス方法を実行するための処理プログラムを格納した外部装置または携帯可能情報記録媒体。
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