JP2022132923A - Icカード - Google Patents

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秀一 松村
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Abstract

【課題】ICカードがエラー情報を漏れなくデータ読書き装置に出力する。【解決手段】初期応答処理手段とエラー情報処理手段を有し、不揮発性記憶手段にエラーデータ格納領域を有するICカードであって、前記エラー情報処理手段が前記ICカードの各処理におけるエラー情報を前記エラーデータ格納領域に書き込み、前記初期応答処理手段が、データ読書き装置によるICカードのリセット処理において、前記エラーデータ格納領域からエラー情報を読み出して、リセット処理の応答データにエラー情報を設定して前記データ読書き装置に送信するICカードを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、エラー情報を出力するICカードに関する。
従来は、ICカードのデータ読書き装置がICカードに対して特別なコマンドを送信することで、ICカードのエラー情報を取得していた。
また、特許文献1の技術では、ICカードの起動時に記憶手段を自己診断処理でチェックして、エラー情報をリセット処理の応答データに付加し、又、自己診断コマンドのやり取り時間を省くために、ICカードの起動時に以下の様に記憶手段をチェックし、ICカードのリセット処理の応答データの出力時に、検出したエラー情報をデータ読書き装置へ送信する技術が開示されていた。
(記憶手段のチェック処理)
(1)揮発性メモリRAMをチェックする。
(2)ICカードが未発行状態のとき、不揮発性メモリ(EEPROMやFLASH(商標登録)メモリなど)をチェックする。
特開平9-297831号公報
しかし、特許文献1の場合、ICカードはエラー情報を揮発性メモリRAMに記憶するため、ICカードのデータ読書き装置からICカードへの電源供給がなくなったり、ICカードをリセットすると、ICカードのデータ読書き装置がICカードから、指定したコマンド実行中のエラー情報を取得できなくなる問題があった。
また、ICカードのデータ読書き装置がICカードに対してエラー情報を取得する特別なコマンドを送信する場合では、ICカードのライフサイクル(発行モード、運用モード、廃止モードなど)によっては、そのコマンドが実行できない場合が多く、ICカードのデータ読書き装置がICカードからエラー情報を十分に取得することができない問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、ICカードがエラー情報を漏れなくデータ読書き装置に出力する事を課題とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、ICカードであって、初期応答処理手段とエラー情報処理手段を有し、不揮発性記憶手段にエラーデータ格納領域を有し、
前記エラー情報処理手段が前記ICカードの各処理におけるエラー情報を前記エラーデータ格納領域に書き込み、
前記初期応答処理手段が、データ読書き装置によるICカードのリセット処理において、前記エラーデータ格納領域からエラー情報を読み出して、リセット処理の応答データにエラー情報を設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカードである。
本発明は、この構成により、エラー情報が消えること無く、データ読書き装置が、ICカードのエラー情報を漏れなく取得できる効果がある。
また、本発明は、上記のICカードであって、前記エラー情報を前記リセット処理の応答データの運用管理情報キャラクタに設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカードである。
また、本発明は、上記のICカードであって、前記初期応答処理手段が、活性化コマンド処理手段を有し、
前記活性化コマンド処理手段が、ICカードが前記データ読書き装置に、活性化コマンドの応答データを送信する処理において、
前記エラーデータ格納領域からエラー情報を読み出して、前記活性化コマンドの応答データに前記エラー情報を設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカードである。
本発明によれば、データ読書き装置がICカードを活性化する処理段階において、ICカードが、不揮発性記憶手段に記憶しているエラー情報をデータ読書き装置に一括して送信する。そのため、特別なコマンドを使用せずともデータ読書き装置がICカードのエラー情報を取得できる。また、データ読書き装置がICカードのライフサイクルに依存せずにエラー情報を漏れなく取得することができるようになる効果がある。
また、ICカードがエラー情報を不揮発性記憶手段に記憶するので、ICカードのデータ読書き装置からICカードへの電源供給がなくなったり、ICカードをリセットした場合にも、エラー情報が消えること無く、データ読書き装置が、ICカードのエラー情報を漏れなく取得できる効果がある。
更に、ICカードが、各処理のエラー情報を不揮発性記憶手段に記憶するので、ICカードが起動してから初期応答を出力するまでの期間のエラー情報に限られず、以前に活性化されたICカードが活性化後のコマンド実行時に生じたエラー情報も含む全てのエラー情報をデータ読書き装置に出力できる効果がある。
本発明の第1の実施形態のICカードの記憶手段の記憶領域のデータ構造を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のICカードのエラー情報の出力手順1を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態のICカードのエラー情報の出力手順2を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態のICカードのエラー情報の出力手順3を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図1と図2を参照して説明する。第1の実施形態は、図1のブロック図のような、ICカード100と、リーダライタとその上位システムを含むICカードのデータ読書き装置200とで構成する。
(ICカード100)
図1に、ICカード100のブロック構成を示す。ICカード100は、通信部111と、制御手段112と、揮発性メモリRAMと、リードオンリメモリROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成する記憶手段100aを備える。ICカード100は、通信部111を用いてリーダライタなどのデータ読書き装置200と通信を行う。
(通信部111)
ICカード100の通信部111は、データ読書き装置200の電極端子を電気接続する接触式の電極端子で構成してもよいし、データ読書き装置200の発生する磁界の電磁誘導によって電力を供給されて通信する非接触式の近距離無線通信のアンテナとインターフェースで構成してもよい。
(制御手段112)
ICカード100の制御手段112は、ICカード100における各種制御を実行する。制御手段112の機能は、ICカード100が備えるCPUが、不揮発性記憶手段100aに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。制御手段112は、不揮発性の記憶手段100aのシステム領域AR2に記憶されたプログラムで構成される初期応答処理手段120と、エラー情報処理手段130、その他の処理プログラムを動作させる。
(初期応答処理手段120)
初期応答処理手段120は、リセット処理手段121や活性化コマンド処理手段122があり、一方、または両方を備える。初期応答処理手段120は、初期応答(ISO/IEC 7816:ATRや、ISO/IEC 14443:ATQB、ATAなど)における処理を実行する。
(リセット処理手段121)
リセット処理手段121は、ICカード100がデータ読書き装置200からリセット信号を受信した場合に動作し、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、ISO/IEC 7816規格によって表1にデータ構造を示すリセット処理の応答データATRを、その運用管理情報キャラクタにエラー情報を設定してリセット処理の応答データATRを作成する。そして、リセット処理手段121は、そのリセット処理の応答データATRをデータ読書き装置200に送信する。
運用管理情報キャラクタにエラー情報を設定した場合には、運用管理情報キャラクタ(ヒストリカルバイト)の先頭1バイト目のカテゴリ指標子バイトを、ISO/IEC 7816規格に準拠して、00h、10h、81h~8Fh以外の値に設定し、後続データにエラー情報を設定する。また、エラー情報のチェックコードを設定する。エラー情報チェックコードは、CRC16などを用いてエラー情報が改ざんされていないことを保証する。
Figure 2022132923000002
(活性化コマンド処理手段122)
活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、データ読書き装置200に、活性化コマンドの応答データのATSデータ(Answer to Select)や、ATQBデータや、ATAデータを送信する処理を実行する。
(ATSデータ)
ICカード100がデータ読書き装置200からATS要求コマンドRATS(Request
for Answer to Select)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、ISO/IEC 14443規格によって表2にデータ構造を示すATSデータ(Answer
to Select)を、その運用管理情報キャラクタにエラー情報を設定したATSデータを作
成する。そして、活性化コマンド処理手段122は、そのATSデータをデータ読書き装置200に送信する。運用管理情報キャラクタにエラー情報を設定した場合には、運用管理情報キャラクタ(ヒストリカルバイト)の先頭1バイト目のカテゴリ指標子バイトを、00h、10h、81h~8Fh以外の値に設定し、後続データにエラー情報を設定する。すなわち、エラー情報設定については、ISO/IEC 7816規格と同等とする。
Figure 2022132923000003
(ATQBデータ)
活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、ICカード100がデータ読書き装置200から活性化コマンドREQB/WUPBコマンド(Request command, TypeB/Wake-Up command, TypeB)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、ISO/IEC 14443規格によって表3にデータ構造を示すATQBデータを、そのアプリケーションデータにエラー情報を設定したATQBデータ(Answer to Request, TypeB)を作成する。そして、活性化コマンド処理手段122は、そのATQBデータをデータ読書き装置200に送信する。
Figure 2022132923000004
詳しくは、ATQBデータのアプリケーションデータにエラー情報を記憶して、表4にデータ構造を示すATQBデータのプロトコル情報に、以下のデータを設定する。すなわち、ATQBデータにエラー情報が記憶されている場合に、プロトコル情報のADCビットを00bに設定し、ATQBデータのアプリケーションデータにエラー情報とエラー情報のチェックコードを設定したATQBデータをデータ読書き装置200に送信する。
Figure 2022132923000005
(ATAデータ)
活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、ICカード100がデータ読書き装置200から近接型ICカードのもう1つの活性化コマンドATTRIB(PICC selection command, Type B)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、ISO/IEC 14443規格によって表5にデータ構造を示すATA(Answer to ATTRIB)データを、その上位層応答データにエラー情報を設定したATAデータを作成する。そして、そのATAデータをデータ読書き装置200に送信する。ここで、ATAデータにエラー情報が記憶されている場合に、上位層応答にエラー情報とエラー情報のチェックコードを設定したものをATAデータとして出力する。
Figure 2022132923000006
(エラー情報処理手段130)
エラー情報処理手段130は、ICカード100の活性化処理段階において、揮発性メモリRAMの自己診断や、不揮発性記憶手段100aの自己診断処理、およびコプロセッサなどのハードウェアのチェックを行い、取得したエラー情報を不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶する。
また、ICカード100が活性化された後に、データ読書き装置200から受信したコマンドを処理する際に、エラー情報処理手段130が、その処理で発生したエラー情報を検出し、検出したエラー情報を不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶する。また、エラー情報処理手段130が、ICカード100が外部からの攻撃を検出して発見したエラー情報を、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域14
0に記憶する。
(エラー情報)
例えば、以下のパラメータをエラー情報としてエラーデータ格納領域140に記憶する。
(1)エラー番号(ユニークな番号)
(2)エラー原因:
ハードウェア起因のエラーの場合、レジスタのエラー情報をエラー原因として記憶する。ソフトウェア起因のエラーの場合、ソフトウェアで指定したエラー情報をエラー原因として記憶する。
(ICカード100の記憶手段100a)
ICカード100の記憶手段100aは、リードオンリメモリROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶手段で構成する。
図1のブロック図の様に、不揮発性記憶手段100aの記憶領域は、ファイル管理領域AR1、システム領域AR2、ユーザデータ領域AR3及びその他の記憶領域を備える。
なお、不揮発性記憶手段100aの記憶領域においては、ファイル管理領域AR1、システム領域AR2及びユーザデータ領域AR3以外の領域が含まれていてもよい。
(ファイル管理領域AR1)
ファイル管理領域AR1には、システム領域AR2、ユーザデータ領域AR3、その他の記憶領域に記憶されるデータをファイル単位で管理するファイル管理情報が記憶される。一例として本実施形態におけるファイル管理領域AR1には、FAT(File Allocation Table)ファイルシステムに対応したファイル管理情報が格納されればよい。
(システム領域AR2)
システム領域AR2には、カードオペレーションソフトウェアOS(Operating System)、ファイルの各種設定情報などをはじめとするシステム情報が書き込まれ、初期応答処理手段120、エラー情報処理手段130のプログラムを記憶する。また、エラーデータ格納領域140にエラーデータを記憶する。
(ユーザデータ領域AR3)専用ファイルDFの階層構造
ユーザデータ領域AR3は、アプリケーションが使用するユーザデータを記憶する領域である。ICカード100は、図1のように、ユーザデータ領域AR3に、主ファイルMF(Master File)の下の階層構造で、ファイル単位で管理されるようにしてデータの書き込み、読み出しが行われる。
ユーザデータ領域AR3に書き込まれるファイルは、専用ファイルDF(Dedicated File:専用ファイル)を記憶し、専用ファイルDFの配下に基礎ファイルEF(Elementary
File:基礎ファイル)や他の専用ファイルDFを記憶する。
上記の各ファイル(MF、DF、EF)には、それぞれディレクトリ情報(ディレクトリエントリ)が添付されており、このディレクトリ情報により配下に接続するファイルを認識し管理する。ディレクトリ情報にはファイルを識別するためのファイル番号、ファイル位置、照合又は相互認証等の鍵情報、アクセス条件、属性等の情報が格納されている。
(専用ファイルDF)
専用ファイルDFのディレクトリ情報には、専用ファイルDFの配下に構成される基礎ファイルEFのファイル位置、属性等の情報を有している。
(基礎ファイルEF)
専用ファイルDFの配下に構成される基礎ファイルEFは、データを格納するファイルであり、IEF(Internal Elementary File:内部基礎ファイル)とWEF(作業基礎ファイル)との2つの種別に分けられる。
(内部基礎ファイルIEF)
ICカード100の内部基礎ファイルIEFは、IEFは、セキュリティのためのキーデータが格納されるファイルである。IEFは、セキュリティ上、ICカードから外部への出力が不可のファイルであり、ICカードの内部においてのみ使用される。
(作業基礎ファイルWEF)
作業基礎ファイルWEFには、ICカードから外部への出力が可能なファイルである。作業基礎ファイルWEFは、例えば、ユーザに付与されたポイントに関する情報などの一般的なデータを格納する。
(データ読書き装置200)
データ読書き装置200は、ICカード100のデータを読み書きするリーダライタと、ICカード100へ送信するコマンドを作成するコマンド作成手段210を含む上位システムを合わせてデータ読書き装置200とする。データ読書き装置200は、ICカード100へリセット信号を送信する手段を持つ。
データ読書き装置200のコマンド作成手段210は、ICカード100へ送信する各種コマンドを作成する。ICカード100の活性化処理段階においては特に、ATS要求コマンドRATS(Request for Answer to Select)を作成する。また、活性化コマンドREQB/WUPBコマンド(Request command, TypeB/Wake-Up command, TypeB)やATTRIB(PICC selection command, Type B)コマンドを作成する。
[ICカードの処理手順例1]
以下、図2のフローチャートを参照して、本実施形態のICカード100が、エラー情報をエラーデータ格納領域140で記憶し、そのエラー情報をデータ読書き装置200へ送信する処理手順を説明する。
(ステップS1)
データ読書き装置200がICカード100にリセット信号、または活性化コマンドを送信する。
(ステップS2)
ICカード100は、通信部111がデータ読書き装置200からリセット信号RESETを受信すると、まず、リセット処理手段121がエラー情報処理手段130を動作させる。そして、エラー情報処理手段130が、揮発性メモリRAMに対して自己診断処理を行う。異常が無い場合はステップS3に進む。
エラー情報処理手段130が、揮発性メモリRAMに異常を検出した場合は、自己診断処理を終了して、そのエラー情報を、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶させるステップS5に進む。
(ステップS3)
ステップS2で揮発性メモリRAMが正常であると判断された場合には、不揮発性記憶手段100aに対する自己診断処理を行う。不揮発性記憶手段100aに異常があった場合には、そのエラー情報を、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶させるステップS5に進む。不揮発性記憶手段100aに異常が無かった場合はステップS4に進む。
(ステップS4)
ステップS3で不揮発性メモリRAMが正常であると判断された場合には、コプロセッサ等のハードウェアのチェックを行う。ハードウェアに異常があった場合には、そのエラー情報を、コプロセッサ等のハードウェアのエラーデータ格納領域140に記憶させるステップS5に進む。コプロセッサ等のハードウェアに異常が無かった場合はステップS6に進む。
(ステップS5)
ステップS2、ステップS3及びステップ4で検出したエラー情報を、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶させる。
(ステップS6)
次に、エラー情報処理手段130が、リセット処理手段121を動作させる。リセット処理手段121は、エラーデータ格納領域140から、ステップS5やステップS7で作成したエラー情報を読み出し、そのエラー情報を、表1にデータ構造を示すリセット処理の応答データATR(Answer To Reset)の運用管理情報キャラクタに設定して、そのリセット処理の応答データATRをデータ読書き装置200に送信する。
(ステップS7)
ICカード100は、活性化された後に、データ読書き装置200から各コマンドを受信してコマンドを処理する。その処理の際に、エラー情報処理手段130が、その処理で発生したエラー情報を検出し、検出したエラー情報を不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶する。このエラー情報は、その後のICカード100の動作のステップS5からステップS8の処理において、データ読書き装置200への応答データに組み込まれる。
[ICカードの処理手順例2]
以下、ICカードの処理手順例2について、図2のフローチャートと異なる処理となるステップ6の部分を中心に抜き出した図3のフローチャートを参照して、エラー情報をデータ読書き装置200へ送信する処理手順の異なる部分を中心に説明する。
(ステップS6´)
リセット処理手段121が、活性化コマンド処理手段122を動作させる。活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、ICカード100がデータ読書き装置200からATS要求コマンドRATS(Request for Answer to Select)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、そのエラー情報を、表2にデータ構造を示すATS(Answer to Select)データの運用管理情報キャラクタに設定したATSデータを作成する。そして、活性化コマンド処理手段122は、そのATSデータをデータ読書き装置200に送信する。
[ICカードの処理手順例3]
以下、ICカードの処理手順例3について、図2のフローチャートと異なる処理となるステップ6の部分を中心に抜き出した図4のフローチャートを参照して、エラー情報をデータ読書き装置200へ送信する処理手順の異なる部分を中心に説明する。
(ステップS6´´)
活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、ICカード100がデータ読書き装置200から活性化コマンドREQB/WUPBコマンド(Request command, TypeB/Wake-Up command, TypeB)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、そのエラー情報を、表3に示すATQBデータのアプリケーションデータに設定したATQBデータ(Answer to Request, TypeB)を作成する。そして、活性化コマンド処理手段122は、そのATQBデータをデータ読書き装置200に送信する。
(ステップS6´´´)
活性化コマンド処理手段122は、ICカード100の活性化処理段階において、ICカード100がデータ読書き装置200から近接型ICカードのもう1つの活性化コマンドATTRIB(PICC selection command, Type B)を受信した場合に、エラーデータ格納領域140から、エラー情報を読み出し、そのエラー情報を、表5にデータ構造を示すATA(Answer to ATTRIB)データの上位層応答データに設定したATAデータを作成する。そして、そのATAデータをデータ読書き装置200に送信する。ここで、ATAデータにエラー情報が記憶されている場合に、上位層応答にエラー情報とエラー情報のチェックコードを設定したものをATAデータとして出力する。なお、上記のステップ6´´、ステップ6´´´のステップにおいて、その一方のステップのみのエラー情報出力を行うようにしても良く、両方のステップのエラー情報出力を行うようにしても良い。
本発明では、データ読書き装置200がICカード100を活性化する処理段階において、ICカード100が、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶しているエラー情報をデータ読書き装置200に一括して送信する。そのため、ICカード100のエラー情報が消えること無く、データ読書き装置200が、ICカード100のエラー情報を漏れなく取得できる効果がある。
また、それにより、ICカード100が、発行モード、運用モード、廃止モードなどでライフサイクルが異なることで、所定のエラー情報を取得するコマンドが使えない状態であっても、データ読書き装置200がICカード100からエラー情報を漏れなく取得できる効果がある。
なお、不揮発性記憶手段100aのエラーデータ格納領域140に記憶しているエラー情報は、そのエラー情報をデータ読書き装置200に送信した後でも所定期間の間エラーデータ格納領域140で記憶しておき、複数回、そのエラー情報をデータ読書き装置200に送信することができる。
100・・・ICカード
100a・・・不揮発性記憶手段
111・・・通信部
112・・・制御手段
120・・・初期応答処理手段
121・・・リセット処理手段
122・・・活性化コマンド処理手段
130・・・エラー情報処理手段
140・・・エラーデータ格納領域
200・・・データ読書き装置
210・・・コマンド作成手段
AR1・・・ファイル管理領域
AR2・・・システム領域
AR3・・・ユーザデータ領域
ATA・・・ATAデータ
ATR・・・リセット処理の応答データ
ATS・・・ATSデータ
ATQB・・・ATQBデータ
ATTRIB・・・活性化コマンド
DF・・・専用ファイル
EF・・・基礎ファイル
IEF・・・内部基礎ファイル
MF・・・主ファイル
RAM・・・揮発性メモリ
RATS・・・ATS要求コマンド
REQB・・・活性化コマンド
RESET・・・リセット信号
WEF・・・作業基礎ファイル

Claims (3)

  1. ICカードであって、初期応答処理手段とエラー情報処理手段を有し、不揮発性記憶手段にエラーデータ格納領域を有し、
    前記エラー情報処理手段が前記ICカードの各処理におけるエラー情報を前記エラーデータ格納領域に書き込み、
    前記初期応答処理手段が、データ読書き装置によるICカードのリセット処理において、前記エラーデータ格納領域からエラー情報を読み出して、リセット処理の応答データにエラー情報を設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカード。
  2. 請求項1記載のICカードであって、前記エラー情報を前記リセット処理の応答データの運用管理情報キャラクタに設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカード。
  3. 請求項1に記載のICカードであって、前記初期応答処理手段が、活性化コマンド処理手段を有し、
    前記活性化コマンド処理手段が、ICカードが前記データ読書き装置に、活性化コマンドの応答データを送信する処理において、
    前記エラーデータ格納領域からエラー情報を読み出して、前記活性化コマンドの応答データに前記エラー情報を設定して前記データ読書き装置に送信することを特徴とするICカード。
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