JP4746950B2 - シート処理装置、およびシート処理方法 - Google Patents
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なお説明すると、この装置では、はじめに上記つきあて板が処理トレイの後端に位置して、画像形成装置から送られてくるシートの後端を揃える。選択枚数のシートが処理トレイに積層されるとステープル機構が作動してシート後端をステープルする。そのあと、つきあて板が移動を開始してシート束の後端を収納トレイへ押し出す。
しかしながら、シートのいわゆる腰の強さの度合いや、設置された室の湿度状態等の影響で、必ずしもシートが滑らかに移動せず、シートの後端がつきあて板につきあたる前に次位のシートが送られ積層されることは充分考えられる。そのため、ステープルされたシール束は端縁が不揃いの状態となって見苦しく、美観を損ない信頼性が疑われてしまう。
すなわち、待機トレイに受け入れたシートの後端を後端支持部材で受けて後端押え部材で押えるため、このシートの次に送り込まれる紙葉類が衝突しても、保持したシートの位置ずれを防止でき、シートを安定して集積できる。そして、待機トレイに集積したシートを処理トレイへ落す際には、後端支持部材による後端の支持を解除することで処理トレイへ円滑に案内でき、後端押え部材が邪魔になることがない。
図1は、本発明の一実施の形態に係るシート処理装置として機能する後処理装置1、およびこの後処理装置1を接続した画像形成装置であるデジタル複写機10の概略図を示している。
はじめにデジタル複写機10から説明すると、装置の外殻をなす筐体12を有し、筐体12の上面に透明なガラス板からなる原稿載置台12aが設けられる。原稿載置台12aの上には、自動原稿送り装置14(以下、単にADF14と称する)が開閉可能に設けられている。ADF14は、原稿載置台12a上の所定位置に原稿Dを自動的に送るよう動作する。
上記筐体12の内部には、スキャナ部16、プリンタ部18、異なるサイズのコピー用紙Pを収容するカセット21、22、23等が配設されている。また、筐体12の図中右壁には、同じサイズの多量の用紙を収容した大容量フィーダ24および手差しトレイ25が取付けられている。さらに、筐体12の図中左壁には、後述する後処理装置1が接続されている。
上記プリンタ部18は、スキャナ部16で読取った画像情報にもとづいてレーザ装置18aを付勢し、感光体ドラム18bの周面上に画像情報に基づく静電潜像を形成する。そして、プリンタ部18は、現像装置18cを介して感光体ドラム18bの静電潜像にトナーを供給して顕像化し、このトナー像を転写チャージャ18dによってコピー用紙Pに転写する。
なお、定着装置18eを通過した後、両面コピーが必要なコピー用紙Pは、反転搬送路26へ搬送されて表裏反転され、感光体ドラム18bと定着装置18eとの間の定着領域へ再び送り込まれる。
この後処理装置1は、デジタル複写機10の排出口20に対向する位置に、入口ローラ2および入口センサ3を有する。入口センサ3は、入口ローラ2を介して後処理装置1へ送り込まれた紙葉類Mの図中矢印Tで示す送り方向(第1の方向)の先端および後端の通過を検知する。
上記待機トレイ4および処理トレイ6は、紙葉類Mの送り方向に沿って上方へ傾斜して設けられる。換言すれば、待機トレイ4および処理トレイ6は紙葉類Mの後端に向って下方に傾斜している。
上記ステープラー8によるステープル処理には、一定の処理時間を要するため、処理トレイ6にある紙葉類Mをステープル処理しているときには、次に綴じる指定枚数の単位の紙葉類Mを処理トレイ6とは別の場所で待機させておく必要がある。
つまり、矢印T方向に送り込まれた1枚目の紙葉類Mと2枚目の紙葉類Mを待機トレイ4に集積待機する。そして、前の指定枚数単位のステープル処理が終了した後、待機トレイ4に待機させていた2枚の紙葉類Mを処理トレイ6へ落下させる。3枚目以降の全ての紙葉類Mは、待機トレイ4を通過して処理トレイ6へ直接集積するようにした。
上記待機トレイ4は紙葉類Mの送り方向Tと交差する方向(図中矢印W方向)(以下、この方向を「幅方向W」と称する)に沿って開閉する2枚の開閉トレイ4r、4fを有する。開閉トレイ4r、4fは、たとえば図示しないラック・ピニオン機構を介してモータに接続され、送り方向Tに沿って送り込まれた紙葉類Mの送り方向後端角部近くを支持する支持位置と、支持を解除する解除位置との間で互いに同期して開閉動作される。
上記開閉トレイ4r、4fが解除位置へ開かれると、集積していた紙葉類Mが処理トレイ6へ落下される。このとき、2枚の開閉トレイ4r、4fの間に形成される開口の幅が、送り方向上流側に向けて広くなっている。そのため、開閉トレイ4r、4fを開くと、集積していた紙葉類Mの送り方向後端が先に処理トレイ6へ落下される。
待機トレイ4の送り方向上流側には、図1にも示すように、矢印T方向に送り込まれた紙葉類Mを挟持して待機トレイ4へ給送する給紙ローラ31が設けられている。給紙ローラ31は、互いに対向した複数の上ローラ31aおよび下ローラ31bを有する。この給紙ローラ31は、上記入口センサ3によって紙葉類Mの送り方向先端通過を検知したことをトリガーとして回転を開始し、入口センサ3によって当該紙葉類Mの送り方向後端通過を検知したことをトリガーとして回転を停止するよう制御される。
図3は後処理装置1を構成する押え部材60と送り部材40および処理トレイ6一部の斜視図であり、図4は押え部材(後端押え部材)60および送り部材(回転部材)40と、その周辺部の拡大した斜視図である。
すなわち、押え部材60と、送り部材40および補助送り部材70は、待機トレイ4に受け入れた紙葉類Mの送り方向後端に作用できる位置に配置され、紙葉類Mの後端をクランプする動作と、紙葉類Mを処理トレイ6に向けて案内し、かつ処理トレイ6に落下させた紙葉類Mの後端近くを送り方向と逆方向へ掻き送る動作とを行える。
上記押え部材60の近傍部位には駆動源である電磁ソレノイド64が配置されていて、この電磁ソレノイド64の作動杆bと押え部材60との間に亘って、連結杆65とリンク66および戻しばね67からなる駆動機構68が設けられる。上記電磁ソレノイド64と駆動機構68の作用については後述するが、要は電磁ソレノイド64に対する励磁制御に応じて押え部材60が回動付勢されるようになっている。
上記ストッパ50は所定間隔を存して一対、並行して設けられていて、上記処理トレイ6の中央部で、かつ送り方向の上流側端部に位置し、下流側に向けて略コ字状に折曲形成される片部からなる。各ストッパ50は、処理トレイ6の送り方向上流側端部と下流側端部に亘って設けられる送りベルト52に取付けられる。この送りベルト52は図示しない駆動機構に連結され、ストッパ50を処理トレイ6の送り方向上下流両端部に亘って移動する補助搬送機構51を構成する。
つぎに、後処理装置1の動作を説明する。
具体的には、図5(A)、(B)、(C)から図6(D)、(E)、(F)の順に動作する。また、図7(A)〜(D)および図8(A)〜(D)は動作の理解を助けるために参考に示していて、その都度、補助的に説明する。
図5(A)に示すように、上記デジタル複写機10から1枚目の紙葉類M1が後処理装置1へ送り込まれ、この紙葉類M1は図中二点鎖線で示すように待機トレイ4へ向けて給出される。実際には、給紙ローラ31を構成する上ローラ31aと下ローラ31bに挟持されて給出される。
1枚目の紙葉類M1の後端が給紙ローラ31から給出されると、この紙葉類M1の左右両側部は図5(A)に実線で示すように待機トレイ4上に載り、紙葉類M1の後端は受け部42上に載る。図7(A)と図8(B)は、1枚目の紙葉類M1の後端中央部が受け部44上に載った状態を表している。
つぎに、図5(B)に示すように、タイミングをとって押え部材60が回動して、押え部62が紙葉類M1の後端上面に載り、上記受け部42と協同して紙葉類M1の後端をクランプする。具体的には、図7(B)に示すように一対の受け部42の相互間に押え部62が入れ子状に介在して、受け部42が受けている紙葉類M1の後端を紙葉類Mの上方から押える。
図8(C)には、上記押え部材60が回動付勢される状態を示している。すなわち、電磁ソレノイド64が励磁されて作動杆bを引く。リンク66は戻しばね67の弾性力に抗して時計回り方向に回動され、リンク66と連結する連結杆65は電磁ソレノイド64方向へ移動する。連結杆65の移動にともなって枢支部61は反時計回り方向に回動付勢され、枢支部61と一体の押え部62が回動して紙葉類M1の後端上面を押える。
したがって、二点鎖線で示すように2枚目の紙葉類M2の先端中央部は、一旦、上記案内部63に衝突してから1枚目の紙葉類M1の上を滑って載る。順次送られる2枚目の紙葉類M2の中央部は案内部63上を滑って案内されながら、1枚目の紙葉類M1を介して待機トレイ4上に載る。
図7(C)は2枚目の紙葉類M2の後端中央部が上記案内部63に案内される状態を示している。案内部63は押え部62よりも上方へ突出する姿勢であるため、2枚目の紙葉類M2は中央部のみ突出して載り、その分、両側端部は中央寄りに位置がずれる。ただし、案内部63を通過すれば元の平面状に復帰する。
次のタイミングで、待機トレイ4を構成する開閉トレイ4r、4fが左右外側に移動して開放するとともに、送り部材40が図6(D)に示すように反時計回り方向に回転駆動される。したがって、受け部42が1枚目の紙葉類M1の後端から離間して支持を解除するとともに、叩き部44が回動してきて2枚の紙葉類M1、M2の後端を叩く。同時に、図3と図4に示す補助送り部材70が作動して補助叩き部72が2枚の紙葉類M1、M2の後端を叩く。
上述したように2枚目の紙葉類M2の後端が1枚目の紙葉類M1の後端よりも前側にずれて重なっている。しかも、パドル46の掻き送り力は主に2枚目の紙葉類M2に作用するので、1枚目の紙葉類M1に対するずれを直しつつ、図6(F)に示すように、2枚の紙葉類M1、M2の後端をストッパ50に対して完全に揃えることができる。
したがって、1枚目の紙葉類M1の後端がストッパ50に当接したときには、2枚目の紙葉類M2の後端およびその周辺部分がストッパ50に押し込められて皺が発生し、もしくは破断してしまう。このようにして、パドル46の作用を考慮して案内部63を備え、2枚目の紙葉類M2の後端を1枚目の紙葉類M1の後端よりも前側に位置させることは必要不可欠な要件である。
処理トレイ6で綴じられた紙葉類M束を主搬送機構34と補助搬送機構51が排紙トレイ36、38に排出し、元の位置に戻ったあとのタイミングを合わせて、叩き部44と補助叩き部72が待機トレイ4上の2枚の紙葉類M1、M2を処理トレイ6上に叩き落す。
なお説明すると、ステープラー8が移動して綴じ動作を終了するまではある程度の時間がかかり、その短縮化は困難である。そこで、ステープラー8の綴じ動作の終了を待つことなく、綴じ動作中に2枚の紙葉類M1、M2を待機トレイ4に導いて一時的に保管し、綴じ動作の終了とともに2枚の紙葉類M1、M2を処理トレイ6に導くようにした。したがって、処理時間の短縮化を図ることができ、使い勝手の向上化を得られることとなる。
上記送り部材40を構成する回転体48に受け部42と、叩き部44と、パドル46を一体に設けたので、回転体48を回転駆動することで、受け部42が待機トレイ4上の紙葉類M1、M2後端の支持を解除し、そのあと叩き部44が待機トレイ4上の紙葉類M1、M2を処理トレイ6上に叩き落し、そのあとパドル46が上の紙葉類M2を掻き送って2枚の紙葉類M1、M2の後端を揃えることができ、それぞれの動作が円滑で、かつ確実となる。
なお、上述した実施の形態では、複写用紙に記録画像を形成した紙葉類Mを取り揃えてステープル処理する場合について説明したが、これに限らず、郵便物や紙幣などの他の紙葉類を取り揃える装置に本発明を適用してもよい。
また本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるとともに、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
Claims (10)
- 支持位置において、搬送されたシートの搬送方向の左右下面を支えてシートを保持する第1および第2トレイを有し、前記第1および前記第2トレイが、前記支持位置から前記搬送方向に交差するシートの幅方向に開いてシートを落とす待機トレイと、
前記待機トレイが保持するシートの前記搬送方向の後端下面を支持する後端支持部材と、
前記後端支持部材が支持するシートの前記搬送方向の後端上面を押さえ、前記後端支持部材との間でシートをクランプする押え部と、前記押え部がシートを押えた状態において、前記押え部の上方へ位置し、搬送される後続のシートの後端を前記押え部よりも搬送方向下流へ案内する案内部とを有する後端押え部材と、
前記後端支持部材を有し、前記待機トレイの前記第1および前記第2トレイが前記支持位置から前記幅方向に開く場合に、回転軸周りに回ることにより、シートの後端下面を支持する状態の前記後端支持部材を下方へ移動させ、前記後端支持部材および前記後端押え部材によるシートの保持を解除させる回転部材と、
前記待機トレイが落とすシートを受け止める処理トレイと、
を具備することを特徴とするシート処理装置。 - 前記案内部は、前記押え部がシートを押えた状態において、搬送方向下流よりも上流側が高くなる傾斜形状を有することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
- 前記案内部は、前記押え部がシートを押えた状態において、後続のシートの後端が、後端支持部材および前記押え部によって保持される先のシートの後端よりも搬送方向下流側まで案内することを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
- 前記後端支持部材を有する前記回転部材は、前記回転軸方向に互いに離間して複数設けられ、
前記後端押え部材は、2つの前記後端支持部材間において、この2つの後端支持部材が支持するシートの前記搬送方向の後端上面を押え、この2つ後端支持部材との間でシートをクランプすることを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。 - 前記後端押え部材は、前記2つの後端支持部材間の間隔より小さい幅を有し、この2つの後端支持部材の間に入れ子状に配置され、この2つの後端支持部材が支持するシートの前記搬送方向の後端上面を押え、この2つ後端支持部材との間でシートの後端をクランプすることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
- 給紙ローラの下方に位置する待機トレイの第1および第2トレイが支持位置に位置することにより、前記給紙ローラにより搬送されたシートの搬送方向の左右下面を支えて第1シートを保持し、
前記待機トレイが保持する第1シートの前記搬送方向の後端下面を後端支持部材により支持し、
後端押え部材の押え部により、前記後端支持部材が支持する第1シートの前記搬送方向の後端上面を押え、前記後端支持部材との間で第1シートをクランプし、
前記押え部が第1シートを押えた状態において、前記後端押え部材の案内部により、搬送される後続の第2シートの後端を前記押え部よりも搬送方向下流へ案内し、
第2シートが第1シート上へ搬送された後、前記第1および前記第2トレイが、前記支持位置よりも前記搬送方向に交差するシートの幅方向に開いて第1および第2シートを落とす場合に、第1シートの後端下面を支持する状態の前記後端支持部材を回転軸周りに下方へ移動させ、前記後端支持部材および前記後端押え部材による第1シートの保持を解除させ、
前記待機トレイから落下した第1および第2シートを処理トレイにより受け止める、
ことを特徴とするシート処理方法。 - 前記案内部は、前記押え部がシートを押えた状態において、搬送方向下流よりも上流側が高くなる傾斜形状を有することを特徴とする請求項6に記載のシート処理方法。
- 前記案内部は、前記第2シートの後端が、前記後端支持部材および前記押え部によって保持される第1シートの後端よりも、待機トレイ上において、搬送方向下流となる位置まで案内することを特徴とする請求項6に記載のシート処理方法。
- 前記後端支持部材は、前記回転軸方向に互いに離間して複数設けられ、
前記後端押え部材は、2つの前記後端支持部材間において、この2つの後端支持部材が支持するシートの前記搬送方向の後端上面を押え、この2つ後端支持部材との間でシートをクランプすることを特徴とする請求項7および請求項8のいずれかに記載のシート処理方法。 - 前記後端押え部材は、前記2つの後端支持部材間の間隔より小さい幅を有し、この2つの後端支持部材の間に入れ子状に配置され、この2つの後端支持部材が支持するシートの前記搬送方向の後端上面を押え、この2つ後端支持部材との間でシートの後端をクランプすることを特徴とする請求項9に記載のシート処理方法。
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