JP4745303B2 - 充填材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木質系材料から得られる充填材及びその製造方法に関する。
木質系材料を用いたプラスチックとして、粉砕された木質系材料を充填材(フィラー)として熱可塑性樹脂と混合して押出成形して得られる木質系成形体が知られている。特に近年においては、木質系廃棄物を有効利用するため、木質系材料に廃棄物を使用することも試みられている。特許文献1には、木質系廃棄物を利用した木粉と、ポリオレフィンと、マレイン酸又は無水マレイン酸変性ポリオレフィンとを乾式条件下、機械的粉砕処理を行うことによりメカノケミカル的に複合化させて成形用木質系組成物を製造することが記載されている。
特開2002−225011号公報
しかしながら、木質系材料の配合比率が高い樹脂成形品(例えば50重量%以上)では、吸水して機械的強度が大きく低下したり、吸水膨張率が大きく寸法安定性に劣ったりする傾向にある。これは、木質系材料の配合比率が高くなる(樹脂材料の配合比率が低くなる)ほど、樹脂で覆われない部分がある木質系材料が増加するからである。以下、詳述する。
すなわち、樹脂で覆われていない部分から水分が滲入(吸水)すると木質系材料は膨張し、成形体を内部から押し広げるように作用する。成形体に内部から押し広げようとする力が働くと、木質系材料どうし繋ぐ樹脂の量が少ない部分ではその樹脂が切断される。このような理由により、成形体の強度が低下すると考えられる。
そこで、木質系材料を用いた成形品の耐水性を向上させる、すなわち、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、木質系材料を用いた成形品の耐水性を向上させ、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることを目的とする。
本発明の充填材は、木質系材料と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤と、を少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、さらに下記の物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質(F)を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより得られる。
(A)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボニル化合物、
(B)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボン酸、
(C)前記カルボン酸(B)の無水物、
(D)前記カルボン酸(B)の金属塩、
(E)前記物質(A)〜(D)の中から選ばれる物質の誘導体。
また、本発明の充填材の製造方法は、木質系材料と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤と、を少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、さらに上記物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質(F)を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより充填材を製造することを特徴とする。すなわち、木質系材料は、膨潤化剤により膨潤し、叩かれてフィブリル化される。そのため、得られる充填材を用いた成形品は、木質系材料におけるフィブリル化された部分どうしが絡み合い、木質系材料どうしが強固に結合するので、強度が向上するとともに、耐水性が向上して吸水による機械的強度の低下や吸水膨張による寸法変化を抑えることができる。このような効果は、充填材の配合比が多い成形品で顕著である。
上記膨潤化剤は、水等の液体のみならず、水蒸気等の気体でもよい。
膨潤した木質系材料を叩く際には、機械に結合されていない処理媒体をぶつけて木質系材料を叩くと好適であるものの、このような処理媒体を用いない機械で木質系材料を叩いてもよい。
さらに、前記物質(F)がメカノケミカル活性処理で分解される性質を有していても、木質系材料に前記物質(F)を段階的に添加すると、得られる木質系充填材のメカノケミカル活性を高めることができる。すると、木質系充填材の反応性が高くなり、木質系充填材を用いた成形品の強度がさらに向上するとともに、成形品の耐水性がさらに向上して吸水による機械的強度の低下や吸水膨張が抑えられる。
また、本発明の充填材の製造方法は、木質系材料と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤と、を少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、さらに上記物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質(F)を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、前記膨潤化剤を除去することにより充填材を製造することを特徴とする。木質系材料に前記物質(F)を段階的に添加すると、木質系材料に定着する前記物質(F)の量が増えるので、充填材から膨潤化剤を除去する際に充填材の凝集を抑止することができる。
ところで、参考例として、前記フィブリル化処理に加え、前記木質系材料と、該木質系材料を疎水性にする疎水化変性剤と、を少なくとも用いて粉砕しながら混合して該木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行ってもよい。木質系材料は、メカノケミカル活性が付与されると、疎水化変性剤により疎水性になる。そのため、充填材を混合する成形材料と該充填材とのなじみがよくなるので、充填材を用いて成形品を成形するときの成形性が向上する。なお、メカノケミカル活性処理は、フィブリル化処理の前又は後に行ってもよいし、フィブリル化処理と同時に行ってもよい。
上記疎水化変性剤は、ロジン酸、ロジン酸の金属塩、及び、これらの誘導体の中から選ばれる一種以上が好適であるものの、これら以外の物質でもよい。
木質系材料を粉砕しながら混合する際には、機械に結合されていない処理媒体をぶつけて木質系材料を粉砕しながら混合すると好適であるものの、このような処理媒体を用いない機械で木質系材料を粉砕しながら混合してもよい
請求項1に係る発明によれば、木質系材料から得られる充填材を用いた成形品の強度を向上させるとともに、耐水性を向上させて吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが可能になる。
請求項2に係る発明では、充填材を用いた成形品の耐水性をさらに向上させることができる。
請求項3に係る発明では、成形品の耐水性を向上させる充填材を木質系材料から製造する方法を提供することができる。
請求項4に係る発明では、充填材から膨潤化剤を除去する際に充填材の凝集を抑止することができるので、膨潤化剤の除去を容易にすることができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)充填材及び木質系成形体の製造方法の説明:
(2)充填材及びその製造方法の作用、効果、並びに、充填材の用途:
(3)実施例:
(4)具体例:
(5)まとめ:
(1)充填材及び木質系成形体の製造方法の説明:
図1は参考例にかかる充填材及び木質系成形体の製造方法を模式的に示す流れ図である。本充填材の製造方法では、木質系材料11と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤12と、を少なくとも混合し、該木質系材料11を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行うことにより充填材20を製造する。そして、得られる充填材20と流動状態の樹脂51とを少なくとも混合して成形することにより、木質系成形体(成形品)60を製造することができる。
フィブリル化処理の際に木質系材料11と混合される素材18は、膨潤化剤12のみでも、当該膨潤化剤とは異なる添加剤13を含む素材でもよい。木質系成形体60を形成するために用いられる素材58は、上記素材20,51のみでも、当該素材20,51とは異なる添加剤53を含む素材でもよい。
木質系材料11には、木片、木粉、木材の破砕物、木材の粉砕物、これらの組み合わせ、等の他、さらに竹、麻、バカス、モミガラ、稲わら等を混合した素材を用いることができ、家具工場や建築現場等で発生する木材の切り屑、廃材の粉砕物、家具や建築用材等の廃棄物の粉砕物、等も用いることができる。木質系材料11は、パルプ化していない非パルプ化木質系材料が好ましいが、パルプ化していない木質系材料を主成分としてパルプが含まれる材料(例えば重量比でパルプが30重量%以下)でもよい。木質系パルプ等のパルプを水に浸潤させて叩解すると、当該パルプにおいて枝状化(単繊維化)しなかった部分が弱い結果、フィブリル化したパルプを用いた成形品、特にパルプの配合比が例えば50重量%以上と多い樹脂成形品の場合は耐水性が低くなるからである。一方、非パルプ化木質系材料を膨潤化剤で膨潤させ叩きながらフィブリル化処理を行うと、図1に示すように、フィブリル化された木質系材料(充填材20)は枝状化していない非開裂部20aと枝状化した開裂部20bとを有する構造となる結果、充填材の配合比が例えば50重量%以上と多い樹脂成形品であっても、強度が向上するとともに、耐水性が向上して吸水による機械的強度の低下等も抑えることができる。
なお、パルプとは、木材その他の植物から機械的又は化学的処理によって抽出したセルロース繊維の集合体をいうものとする。パルプ化とは、木材その他の植物を機械的又は化学的処理によってセルロース繊維を抽出する処理をいうものとする。フィブリル化とは、叩解(解繊)などの機械的処理を受けた材料が部分的に裂けて枝状化した状態になることをいうものとする。膨潤とは、木質系材料が膨潤化剤を吸収して木質系材料の体積が増加する現象をいうものとする。
木質系材料11に粒状の材料を用いると、粒状の非開裂部20aと単繊維化した開裂部20bとを有する充填材が得られる結果、樹脂成形品である木質系成形体60の強度及び耐水性をさらに向上させることができる。ここで、粒状の木質系材料は、いわゆるペレット状や微粒状等に形成され、その粒径は、例えば、0.1〜20.0mmとすることができ、粒径をより揃えるために0.5〜10.0mm、1.0〜5.0mmとしてもよい。なお、微粒状は、ペレットよりも細かい状態をいうものとし、粉末状を含むものとする。木質系材料の粒度を調整すると、木質系成形体の強度を調整することができる。
膨潤化剤12は、木質系材料を膨潤させるための物質であり、水、親水性有機溶媒、これらの混合物、等の液体の他、水蒸気、気化した親水性有機溶媒、これらの混合気体、等の気体でもよい。前記親水性有機溶媒には、アルコール系溶剤(エタノール,1−ブタノール,2−プロパノール、等)、ケトン系溶剤(2−ブタノン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン、等)、これらの混合物、等を用いることができる。膨潤化剤12は、低分子(例えば分子量200以下)の親水性物質が好ましく、水、水蒸気、又は、これらの組み合わせが好ましい。低分子の親水性物質では、木質系材料の繊維どうしの間に入って繊維間の水素結合を切ることができ、木質系材料を膨潤化させることができるのに対し、ポリオレフィンやマレイン酸変性ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂のように高分子(例えば分子量300以上)の物質では、木質系材料の繊維どうしの間に入り込めないため繊維間の水素結合を切ることができず、木質系材料を膨潤化させることができないからである。さらに、膨潤化剤12に水酸化ナトリウムや尿素を添加すると木質系材料の膨潤を促進することができる。
混合された素材18から容易に除去可能な物質を膨潤化剤12に用いると、充填材に膨潤化剤が残存しないことが求められている場合に好適である。例えば、膨潤化剤12に揮発性を有する溶媒を用いると、素材18に含まれる膨潤化剤12を揮発させることにより素材18から膨潤化剤12を除去することができるので、好適である。揮発性を有する溶媒には、上述した水、各種有機溶剤、これらの混合物、等を用いることができる。
木質系材料と膨潤化剤との配合比は、木質系材料を分散することができる割合とすればよく、例えば、粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料100重量部に対して膨潤化剤100〜2000重量部を配合する割合とすることができる。なお、膨潤化剤の割合を多くするほど、容易に木質系材料を分散させることができるが、混合された素材中に多く存在する膨潤化剤を除去する時間が長くなる。
上記素材11,12のみを混合してもよいが、一種又は二種以上の添加剤13を一緒に混合してもよい。添加剤13は、固体でも液体でもよく、相溶化剤、滑剤、繊維状素材、核剤、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填材、可塑剤、補強剤、金属不活性化剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、防カビ剤、これらの組み合わせ等が考えられる。微粒状の添加剤を添加する場合、例えば、木質感を十分に残すため、木質系材料100重量部に対する配合量を100重量部以下(より好ましくは50重量部以下)とする。
また、フィブリル化処理には、機械に結合されていない処理媒体ME1を木質系材料に繰り返しぶつけて機械的エネルギーを加えるミルMI1、ジェットミル、アトリションミル、高速ミキサー、ニーダー等の混練機、等を用いることができる。ミルMI1で用いられる処理媒体ME1にロッド状媒体とボール状媒体とビーズ状媒体の中から選ばれる一種以上の処理媒体が用いられると、非常に強い機械的エネルギーが処理媒体から木質系材料に与えられ、膨潤した木質系材料を解繊(叩解)して十分にフィブリル化させることができるので、好ましい。なお、処理媒体は粉砕媒体とも呼ばれ、ロッド状媒体(図示の媒体ME1)を用いるミルはロッドミル(図示のミルMI1)、ボール状媒体を用いるミルはボールミル、ビーズ状媒体を用いるミルはビーズミルとそれぞれ呼ばれる。粉砕媒体を用いるミルには、粉砕媒体が挿入されているドラム状の粉砕筒を振動させて中の粉砕媒体を運動させる振動ミルや、粉砕筒を回転させて中の粉砕媒体を運動させるミル等がある。
処理媒体の材質には、鋼鉄やステンレス等の金属、アルミナ等のセラミックス、ポリアミド(ナイロン)等の合成樹脂、等を用いることができる。ロッド状媒体には、例えば、径10.0〜50.0mmの円柱状媒体が用いられる。ボール状媒体には、例えば、径10.0〜50.0mmの球状媒体が用いられる。
図4は、ロッド状媒体を用いる振動ミルの一例を示している。本振動ミルMI3は、木質系材料11と液状の膨潤化剤12と必要に応じて添加剤13を含む素材18を投入するためのホッパ91aと、粉砕筒92の供給口92aへ素材18を送り込むフィーダ91bと、供給口92aや排出口92b等を有する粉砕筒92と、該粉砕筒を支持する機枠93a,bと、該機枠を支持するスプリング94a,bと、該スプリング及び駆動モータ96aを支持する固定台95と、駆動モータ96aと、該駆動モータに接続された自在継手96bと、該自在継手に接続された回転軸96cと、該回転軸に取り付けた複数の偏心錘96dとを備える。粉砕筒92は、例えば金属で形成され、内部に形成される粉砕室SP1にロッド状媒体ME3が充填される。駆動モータ96aを作動させると、自在継手96b及び回転軸96cを介して偏心錘96dが回転する。ここで、機枠93a,bがスプリング94a,bを介して固定台95に支持されて粉砕筒92を支持しているので、粉砕筒92は機枠93a,bとともに振動する。媒体ME3は、振動する粉砕筒92の中で激しく運動する。
以上の構成により、素材18は、ホッパ91aからフィーダ91b、供給口92aを通って粉砕筒92の中へ供給され、粉砕室SP1を通って混合され、排出口92bから排出される。ここで、粉砕室SP1では、膨潤化剤12により膨潤した木質系材料11にロッド状媒体ME3が衝突し、該木質系材料11が叩かれながらフィブリル化されるフィブリル化処理を行い、フィブリル化された木質系材料20が調整される。
粉砕室SP1の温度は、膨潤化剤の融点より高く木質系材料や膨潤化剤が熱分解しない温度未満とすることができ、温度が高いほど木質系材料が膨潤してフィブリル化しやすくなるが、膨潤化剤を液状にする場合には膨潤化剤の沸点未満とすればよい。例えば、膨潤化剤に水を用いる場合、粉砕室SP1の温度は0〜100℃とすることができる。
粉砕室SP1の振動条件は、木質系材料のフィブリル化のし易さ等に応じて振動させる時間や強さ(例えば粉砕筒92の振幅の大きさや振動数)等を設定する。
上記素材18を混合する時間は、加えられる機械的エネルギー量や温度条件等に応じて設定すればよいが、例えば10〜120分とすることができる。
ここで、粉砕筒92の振幅を大きくしたり振動数を多くしたり、或いは混合時間を長くすると、フィブリル化された木質系材料を小さくすることができる。
なお、ミルMI1には、特開2004−188835号公報に記載された粉砕装置、特開平6−121936号公報や特許2727358号公報や特公平6−40969号公報に記載された振動ミル等も用いることができる。
上述のようにしてフィブリル化処理した素材は、膨潤化剤を含む状態で充填材20とすることもできるが、樹脂成形品を形成するためには該素材から膨潤化剤を除去して充填材20とすることが好ましい。例えば、該素材を圧搾して膨潤化剤を絞り出すことにより膨潤化剤が除去されるし、膨潤化剤が揮発性を有する場合には該素材から膨潤化剤を揮発させることにより膨潤化剤が除去される。膨潤化剤に水を用いる場合、例えば、フィブリル化処理した素材を加熱して揮発させる。また、膨潤化剤の揮散を促進させるために、減圧してもよい。さらにまた、膨潤化剤の除去方法として凍結乾燥法を用いることもできる。
以上説明したようにして、パルプ化していない木質系材料11から木質系の充填材(フィラー)20を製造することができる。得られる充填材20は、図1の模式図で示すように、非開裂部20aと開裂部20bを有し、一部が解繊された構造となる。
充填材20は、該充填材とは異なる成形材料に混合するための材料として利用することができ、樹脂成形に用いる場合には樹脂成形材料の一部となる。樹脂成形品である木質系成形体60を製造する場合、充填材20は少なくとも樹脂51と混合される。
樹脂51には、溶融状態(流動状態)の熱可塑性樹脂、加熱することにより溶融可能な熱可塑性樹脂、液状(流動状態)の熱硬化性樹脂、これらの組み合わせ、等を用いることができる。前記液状は、低粘度の液状から高粘度の液状まで含む。
熱可塑性樹脂には、例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリブテン、等),パラフィン,ポリスチレン,ポリメチルメタアクリレート,塩化ビニル,ポリアミド(ナイロン),ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレングリコール(PEG),ポリビニルアルコール(PVA),オレフィン系熱可塑性エラストマー,スチレン系熱可塑性エラストマー、これらの樹脂の原料に不飽和酸等の不飽和単量体(アクリル酸,メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート等の不飽和カルボン酸のアルキルエステル誘導体、マレイン酸,無水マレイン酸,フマル酸等の不飽和ジカルボン酸又は酸無水物、アクリルアミド,マレイン酸のモノ又はジエチルエステル等の不飽和カルボン酸又は不飽和ジカルボン酸の誘導体、等)を添加して合成して得られる樹脂、これらの混合物、等を用いることができる。PPやポリブテン等のポリオレフィンを含むポリオレフィンプラスチックは、容易に木質系成形体を成形することができる点で好適な樹脂である。
なお、熱可塑性樹脂の原料に酸(特に有機酸)を添加して合成して得られる酸変性樹脂も、通常、熱可塑性であり、熱可塑性であれば熱可塑性樹脂となる。添加する酸としては、熱可塑性樹脂に親水基を付与するマレイン酸等のカルボキシル基を有する有機酸がよく用いられる。熱可塑性樹脂をマレイン酸で変性した酸変性樹脂を製造するには、付加重合前の熱可塑性樹脂の原料にマレイン酸を添加して付加重合を行えばよい。すると、付加重合後の高分子には親水基が付加される。熱可塑性樹脂の少なくとも一部に酸変性樹脂を用いることにより、親水性の充填材等の添加剤を添加した樹脂製品を製造する場合に親水性の添加剤とのなじみが良くなる。
熱硬化性樹脂には、例えば、不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコーン樹脂,フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂、これらの混合物、等を用いることができる。液状熱硬化性樹脂には、必要に応じて、スチレンやビニルトルエン等のラジカル重合性モノマー、これらのオリゴマー、ハイドロキノンやp−ベンゾキノン等の重合禁止剤、充填材(フィラー)、相溶化剤、滑剤、繊維状素材、核剤、顔料、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、等の添加剤が含まれていてもよい。例えば液状の不飽和ポリエステル樹脂の場合、通常、不飽和ポリエステルとラジカル重合性モノマーと重合禁止剤が含まれている。
木質系成形体60を形成するための素材58に含まれる充填材20の配合割合は、例えば、50〜99.9重量%、60〜99重量%、70〜95重量%、75〜90重量%とすることができる。なお、素材58中の木質系材料を70重量%以上にすると、ねじ等の加工が容易になる点で好ましい。
上記素材20,51のみを混合してもよいが、一種又は二種以上の添加剤53も一緒に混合してもよい。添加剤53は、固体でも液体でもよく、上記添加剤13に使用可能な各種添加剤が考えられる。微粒状の添加剤を添加する場合、例えば、木質感を十分に残すため、木質系材料100重量部に対する配合量を100重量部以下(より好ましくは50重量部以下)とする。
上記繊維状素材に、鉱物繊維(鉱物から得る天然繊維)、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、これらの組み合わせを用いると、フィブリル化した木質系材料の開裂部に硬質の繊維状素材が付着するため、より拡がった繊維状構造が形成され、当該繊維状構造がフィブリル化後の木質系材料をつなぎ止めて木質系成形体を崩れにくくさせ、強度及び耐水性をより向上させる。鉱物繊維には、セピオライト、ワラストナイト、マグネシウムウイスカ、等、多孔質の鉱物繊維、多数の針状突起を有する鉱物繊維、多数の針状突起を有する多孔質鉱物繊維が好ましい。
素材18を成形する所定の成形機構A1には、素材58を押出成形、射出成形、プレス成形、注型成形、等により成形する押出成形機、射出成形機、プレス成形機、注型成形機、等を用いることができる。また、成形機構を用いず、素材58を被塗布物に刷毛等で塗布することにより成形して木質系成形体を形成してもよい。さらに、特開2004−17502号公報に記載されるペレット製造装置等で一旦ペレット化し、形成されたペレットを押出成形等により後成形して木質系成形体を形成してもよい。
樹脂51が流動状態であれば、樹脂51をそのまま成形機構A1に供給して素材58を軟化した素材にすることができる。樹脂51が熱可塑性樹脂である場合、加熱機構を有する成形機構に対して固形の原反として樹脂51を投入可能である。そして、素材58中の熱可塑性樹脂が固化したり熱硬化性樹脂が硬化したりすると、固形状の木質系成形体60が形成される。
素材58中の樹脂51の配合割合は、例えば、0.1〜50重量%、1〜40重量%、5〜30重量%、10〜25重量%とすることができる。
ところで、図2と図3に示すように、フィブリル化処理の前後に木質系材料と疎水化変性剤21とを少なくとも用いて粉砕しながら混合して該木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、該木質系材料にメカノケミカル活性を付与した充填材40を製造してもよい。木質系材料は、メカノケミカル活性が付与されると、疎水化変性剤により疎水性になる。すると、得られる木質系の充填材40は、該充填材を混合する成形材料、特に樹脂51とのなじみがよくなるので、充填材を用いて木質系成形体を形成するときの成形性が向上する。充填材を混合する成形材料が疎水性であると、成形品の成形性を向上させる効果が顕著に得られる。
なお、メカノケミカル活性とは、固体物質に摩砕、摩擦、延伸、圧縮などの機械的エネルギーを加えることによってひきおこされる表面活性をいうものとする。従って、木質系材料は、メカノケミカル活性が大きいほど該木質系材料とは異なる物質との反応性が高くなり、疎水化変性剤との反応性が高くなってより疎水性となり、樹脂等の成形材料と混合して成形する際の成形性が向上する。この成形性とはメカノケミカル活性が付与された木質系材料と他の成形材料とを少なくとも混合して成形するときの成形の容易性をいうものとし、成形性が良いとは成形が容易であることをいうものとする。
疎水化変性剤21は、木質系材料を疎水性にするための物質であり、ロジン系変性剤、イソシアヌル酸、低分子量(例えば分子量500以下)のオレフィン樹脂、これらの誘導体、等を用いることができる。ロジン系変性剤には、ロジン酸、ロジン酸と金属化合物との反応生成物であるロジン酸の金属塩、これらの誘導体、等を用いることができる。ロジン酸には、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;不均化ロジン、水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α, β-エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性ロジン;前記天然ロジンの精製物、変性ロジンの精製物、等を用いることができる。ロジン酸の金属塩には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、等がある。
木質系材料にメカノケミカル活性が付与されたか否かは、例えば、メカノケミカル活性処理前後で疎水化変性剤が無くなるか又は減少するかを分析し、木質系材料と疎水化変性剤との反応の存在を分析することにより確認することができる。疎水化変性剤にロジン(松脂)を用いる場合、メカノケミカル活性処理により、木質系材料のOH基とロジンのCOOH基とがエステル結合すると推測される。そこで、メカノケミカル活性処理前の木質系材料及びロジン並びに同処理後の木質系材料にFT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)を行い、同処理前後で、ロジンのCOOH基による1700cm-1付近の吸収波長が無くなるか又は減少するかし、木質系材料のOH基とロジンのCOOH基とのエステル結合による1656〜1660cm-1付近の吸収波長が増加すれば、木質系材料にメカノケミカル活性が付与されたことになる。
メカノケミカル活性を付与した木質系材料を得る際には、図2に示すように木質系材料11にメカノケミカル活性処理を行った後にフィブリル化処理を行ってもよいし、図3に示すように木質系材料11にフィブリル化処理を行った後にメカノケミカル活性処理を行ってもよい。さらには、フィブリル化処理と同時にメカノケミカル活性処理を行ってもよい。
図2に示す製造方法では、木質系材料11と、該木質系材料11を疎水性にする疎水化変性剤21と、を少なくとも用いて粉砕しながら混合して該木質系材料11にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、該メカノケミカル活性が付与された木質系材料30と膨潤化剤12とを少なくとも混合し、該木質系材料30を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行うことにより、充填材40を製造する。
メカノケミカル活性処理の際に木質系材料を粉砕して小さくすることができるものの、木質系材料11に粒状の材料を用いると、初期段階から比表面積(単位質量当たりの表面積)が大きく、高いメカノケミカル活性を木質系材料に付与することができる結果、樹脂成形品である木質系成形体60の成形を非常に容易にさせることができる。粒状の木質系材料の粒径は、例えば、0.1〜20.0mmとすることができ、粒径をより揃えるために0.5〜10.0mm、1.0〜5.0mmとしてもよい。木質系材料の粒度を調整すると、木質系成形体の強度を調整することができる。
木質系材料と疎水化変性剤との配合比は、木質系材料と疎水化変性剤とが均質に分散することができる割合とすればよく、例えば、粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料100重量部に対して疎水化変性剤としてのロジン(松脂)1〜100重量部を配合する割合とすることができる。
上記素材11,21のみを混合してもよいが、一種又は二種以上の添加剤23も一緒に混合してもよい。添加剤23は、固体でも液体でもよく、上記添加剤13に使用可能な各種添加剤が例示できる。微粒状の添加剤を添加する場合、例えば、木質感を十分に残すため、木質系材料100重量部に対する配合量を100重量部以下(より好ましくは50重量部以下)とする。
メカノケミカル活性処理には、機械に結合されていない処理媒体ME2を木質系材料に繰り返しぶつけて機械的エネルギーを加えるミルMI2、ジェットミル、アトリションミル、高速ミキサー、ニーダー等の混練機、等を用いることができる。ミルMI2で用いられる処理媒体ME2にロッド状媒体とボール状媒体とビーズ状媒体の中から選ばれる一種以上の処理媒体が用いられると、非常に強い機械的エネルギーが処理媒体から木質系材料に与えられ、木質系材料に十分なメカノケミカル活性を付与して疎水性にすることができるので、好ましい。ミルMI2及び処理媒体ME2には、上述したミルMI1及び処理媒体ME1と同様のものを用いることができる。処理媒体の材質には、鋼鉄やステンレス等の金属、アルミナ等のセラミックス、ポリアミド(ナイロン)等の合成樹脂、等を用いることができる。ロッド状媒体には、例えば、径10.0〜50.0mmの円柱状媒体が用いられる。ボール状媒体には、例えば、径10.0〜50.0mmの球状媒体が用いられる。むろん、ミルMI2は上記ミルMI1と同じでも異なってもよく、処理媒体ME2は上記処理媒体ME1と同じでも異なってもよい。
図4で示した振動ミルMI3を用いる場合、素材28は、ホッパ91aからフィーダ91b、供給口92aを通って粉砕筒92の中へ供給され、粉砕室SP1を通って混合され、排出口92bから排出される。粉砕室SP1では、木質系材料11にロッド状媒体ME3が衝突し、該木質系材料11が粉砕されながらメカノケミカル反応を起こし、メカノケミカル活性を付与される。メカノケミカル活性は不安定な活性であるが、メカノケミカル活性を付与された木質系材料の周囲に疎水化変性剤が存在する。従って、メカノケミカル反応で生じたラジカルやイオンが疎水化変性剤により電気的に中和され、木質系材料が疎水性になると推察される。
粉砕室SP1の温度は、疎水化変性剤の融点より高く木質系材料や疎水化変性剤が熱分解しない温度未満とすることができ、疎水化変性剤の引火点以下が好ましく、木質系材料を疎水性にする観点からは疎水化変性剤の沸点未満が好ましい。例えば、疎水化変性剤に融点100〜150℃、引火点187℃のロジンを用いる場合、粉砕室SP1の温度は5〜100℃とすることができる。
粉砕室SP1の振動条件は、木質系材料へのメカノケミカル活性の付与のし難さ等に応じて振動させる時間や強さ(振幅の大きさや振動数)等を設定する。
上記素材28を混合する時間は、加えられる機械的エネルギー量や温度条件等に応じて設定すればよいが、例えば10〜120分とすることができる。
ここで、粉砕筒92の振幅を大きくしたり振動数を多くしたり、或いは混合時間を長くすると、メカノケミカル活性を付与した木質系材料を小さくすることができる。
メカノケミカル活性が付与された木質系材料は、疎水化変性剤により疎水性となる。そして、メカノケミカル活性が付与され疎水性となった木質系材料30と膨潤化剤12とを少なくとも混合し、該木質系材料30を膨潤させ叩きながらフィブリル化処理を行うと、木質系材料をフィブリル化し、かつ、該木質系材料にメカノケミカル活性を付与した充填材40が形成される。得られる充填材は、混合する成形材料とのなじみがよい。従って、充填材を用いて成形品を成形するときの成形性が向上する。
図3に示す製造方法では、木質系材料11と膨潤化剤12とを少なくとも混合し、該木質系材料11を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、フィブリル化された木質系材料20と、該木質系材料20を疎水性にする疎水化変性剤21と、を少なくとも用いて粉砕しながら混合して該木質系材料20にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより、充填材40を製造する。
フィブリル化された木質系材料20にメカノケミカル活性を付与する際、フィブリル化後の木質系材料20からは膨潤化剤12を除去しておくことが好ましい。そこで、膨潤化剤12は、混合された素材18から容易に除去可能な物質が好ましく、揮発性を有する溶媒が好ましい。
フィブリル化処理後の木質系材料と疎水化変性剤との配合比は、木質系材料と疎水化変性剤とが均質に分散することができる割合とすればよく、例えば、木質系材料100重量部に対して疎水化変性剤1〜100重量部を配合する割合とすることができる。
粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料とロジン(松脂)とを混合して木質系材料にメカノケミカル活性を付与する場合、木質系材料100重量部に対してロジンを1〜100重量部とすることができる。
上記素材11,21のみを混合してもよいが、上述した一種又は二種以上の添加剤23も一緒に混合してもよい。微粒状の添加剤を添加する場合、例えば、木質感を十分に残すため、木質系材料100重量部に対する配合量を100重量部以下(より好ましくは50重量部以下)とする。
本変形例のメカノケミカル活性処理にも、上述した各種のメカノケミカル活性処理に使用可能なミルMI2等を用いることができる。
フィブリル化された木質系材料20は、少なくとも疎水化変性剤21とともに粉砕されながら混合され、木質系材料20にメカノケミカル活性が付与されて疎水性の充填材40が形成される。得られる充填材は、混合する成形材料とのなじみがよい。従って、充填材を用いて成形品を成形するときの成形性が向上する。
ところで、図5に示すように、フィブリル化処理の際に変性剤24(物質(F))と木質系材料とを少なくとも用い、変性剤24を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、該木質系材料にメカノケミカル活性を付与した充填材41,42を製造してもよい。ここで、変性剤24は、下記の物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質とされる。
(A)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボニル化合物、
(B)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボン酸、
(C)前記カルボン酸(B)の無水物、
(D)前記カルボン酸(B)の金属塩、
(E)前記物質(A)〜(D)の中から選ばれる物質の誘導体。
変性剤24は、木質系材料の表面を改質するための物質であり、例えばサイズ剤を用いることができる。
上記カルボニル化合物(A)として、下記式(1)で表されるケテンダイマーを例示することができる。
上記式(1)中のRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基を表す。Rがアルキル基である場合、式(1)のケテンダイマーはアルキルケテンダイマー(AKD)となる。このAKDの好ましい分子量は、200〜4000(より好ましくは300〜2000)である。例えば、牛脂由来のステアリン酸やパルチミン酸等の飽和脂肪酸(RCH2−COOH)をSOCl2又はPCl3存在下で脂肪酸クロリド(RCH2−COCl)に変換し、トリエチルアミンを塩基触媒としたベンゼン中で脂肪酸ケテン(RCH=C=O)に変換し、この脂肪酸ケテンを二量体化させてAKDを得ることができる。
また、上記カルボニル化合物(A)として、上記式(1)に含まれる2つの疎水基−Rが異なるケテンダイマーも例示することができる。
上記式(2)中のR1,R2は、互いに異なる疎水基であって、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基を表す。なお、R1,R2がアルキル基である場合の本化合物の好ましい分子量は、200〜4000(より好ましくは300〜2000)である。例えば、異なる脂肪酸ケテンR1CH=C=O,R2CH=C=Oを混合し、化学結合させて式(2)のケテンダイマーを得ることができる。
さらに、上記カルボニル化合物(A)として、下記式(3)で表されるケテンを例示することができる。
上記式(3)中のRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基を表す。Rがアルキル基である場合、式(3)のケテンは上述した脂肪酸ケテンとなる。この脂肪酸ケテンの好ましい分子量は、100〜2000(より好ましくは150〜1000)である。
さらに、上記カルボニル化合物(A)として、2つの炭化水素基を>C=O基で結合したカルボニル化合物も例示することができる。
上記カルボン酸(B)としては、ロジン系変性剤等、カルボキシル基を有するカルボン酸を例示することができる。なお、ロジン系変性剤は、上記物質(F)であるとともに、疎水化変性剤でもある。ロジン系変性剤として、下記式(4)や下記式(5)で表されるロジン酸を例示することができる。
上記式(4)及び上記式(5)のR1,R2,R3は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基、又は、水素原子を表す。ただし、R1,R2,R3のいずれかは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基である。
また、上記カルボン酸(B)として、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸も例示することができる。カルボン酸(B)は、モノカルボン酸でもよいし、ジカルボン酸等1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸でもよい。
上記無水物(C)は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸の2つのカルボキシル基から水1分子がとれた酸無水物でもよいし、2分子のカルボン酸の各カルボキシル基から水1分子がとれた酸無水物でもよい。無水物(C)として、下記式(6)で表される酸無水物を例示することができる。
上記式(6)のR1,R2は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基、又は、水素原子を表す。ただし、R1,R2のいずれかは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、等の疎水基である。R1,R2がアルキル基又は水素原子(ただしR1,R2のいずれかはアルキル基)である場合、式(6)の酸無水物はアルケニル無水コハク酸(ASA)となる。このASAの好ましい分子量は、200〜4000(より好ましくは300〜2000)である。例えば、石油由来の炭素数16程度のアルケンと無水マレイン酸とを混合して加熱すると、エン付加反応によってASAを得ることができる。
また、上記無水物(C)として、ロジン酸や飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸の酸無水物も例示することができる。
上記金属塩(D)としては、下記式(7)や下記式(8)で表されるロジン酸の金属塩を例示することができる。
上記式(7)及び上記式(8)のR1,R2,R3は、上記式(4)及び上記式(5)と同様である。Mは、金属イオンを表す。この金属イオンには、ナトリウムやカリウム等の1価の金属イオン、マグネシウムやカルシウム等の2価の金属イオン、アルミニウム等の3価の金属イオン、これらの組み合わせ、が含まれる。
また、上記金属塩(D)として、ロジン酸や飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸の金属塩も例示することができる。
さらに、変性剤24は、上記物質(A)〜(D)の誘導体でもよい。例えば、物質(B)〜(D)にアルコールを反応させて得られるエステル(誘導体)も、加水分解によりカルボン酸を生じるので、変性剤24となる。
また、変性剤24は、上記物質(A)〜(D)と、該物質(A)〜(D)の誘導体と、の中から選ばれる二種以上の物質でもよい。
上述したAKDやASAは、フィブリル化処理を行うための膨潤化剤12、特に水により分解される性質を有している。このため、変性剤24の全部を一度に木質系材料11及び膨潤化剤12と混合すると、木質系材料11にメカノケミカル活性を付与せずに分解されてしまう変性剤24が生じてしまう。
本実施形態では、変性剤24を少しずつ段階的に添加するので、膨潤化剤12により分解される変性剤24が少なくなり、木質系材料11に定着する変性剤24の量が増え、木質系充填材41,42のメカノケミカル活性を高めることができる。これにより、充填材41,42の反応性が高くなり、充填材41,42を用いた成形品(例えば図1に示す成形体60)の強度がさらに向上するとともに、成形品の耐水性がさらに向上して吸水による機械的強度の低下や吸水膨張が抑えられる。
また、木質系材料11に定着する変性剤24の量が増え、充填材41同士の凝集が抑止されることにより、膨潤化剤12で湿潤した充填材41から膨潤化剤を除去した充填材42を生成する際に充填材42の凝集を抑止することができ、膨潤化剤12の除去を容易にすることができる。
変性剤24がメカノケミカル活性処理により分解される性質を有する場合、木質系材料にメカノケミカル活性が付与されたか否かは、例えば、メカノケミカル活性処理前後の木質系材料の水酸基とエステルの存在量を分析し、水酸基に対するエステルの存在比が増加するかどうかにより確認することができる。変性剤にAKDやASAを用いる場合、木質系材料に変性剤が定着すると、木質系材料に存在する水酸基からエステルが形成されると推察される。そこで、メカノケミカル活性処理前の木質系材料及び同処理後の木質系材料にFT−IRを行い、同処理前後で、木質系材料のOH基による2800〜3000cm-1付近の吸収波長が減少し、木質系材料の水酸基に形成されたエステルによる1656〜1660cm-1付近の吸収波長が増加すれば、木質系材料にメカノケミカル活性が付与されたことになる。
図5に示す製造方法では、変性剤24と、木質系材料11と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤12と、を少なくとも用い、変性剤24を段階的に添加して粉砕しながら混合して木質系材料11にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、充填材41を製造する。また、膨潤化剤12を除去していない充填材41から膨潤化剤12を除去して充填材42を製造してもよい。
木質系材料11に粒状の材料を用いると、充填材41,42を用いた成形品の成形を非常に容易にさせることができる。粒状の木質系材料の粒径は、例えば、0.1〜20.0mm、0.5〜10.0mm、1.0〜5.0mmとすることができる。
木質系材料と膨潤化剤と変性剤の配合比は、木質系材料と変性剤とが均質に分散することができる割合とすればよく、例えば、粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料100重量部に対して膨潤化剤100〜2000重量部、変性剤1〜100重量部を配合する割合とすることができる。膨潤化剤12に水、変性剤24にAKDを用いる場合、粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料100重量部に対する水、AKDの配合量をそれぞれ100〜2000重量部、1〜100重量部とすればよい。膨潤化剤12に水、変性剤24にASAを用いる場合、粒径0.1〜20.0mmの粒状の木質系材料100重量部に対する水、ASAの配合量をそれぞれ100〜2000重量部、1〜100重量部とすればよい。
上記素材11,12,24のみを混合してもよいが、上述した添加剤13を一緒に混合してもよい。微粒状の添加剤を添加する場合、例えば、木質感を十分に残すため、木質系材料100重量部に対する配合量を100重量部以下(より好ましくは50重量部以下)とする。
変性剤24を段階的に添加する際には、変性剤24を等量ずつ所定の時間を空けながらミルMI1等に投入してもよいし、投入する変性剤24の量に変化があってもよい。むろん、変性剤24を投入する時間間隔は、等間隔でもよいし、変化があってもよい。
なお、参考例として説明すると、膨潤化剤が存在していなくても、変性剤がメカノケミカル活性処理で分解される性質を有していると、木質系材料にメカノケミカル活性を付与せずに分解されてしまう変性剤が生じてしまう。このような場合でも、変性剤を少しずつ段階的に添加することにより、木質系材料に定着する変性剤の量が増え、得られる木質系充填材のメカノケミカル活性を高めることができる。これにより、得られる充填材を用いた成形品の強度がさらに向上し、成形品の耐水性がさらに向上して吸水による機械的強度の低下や吸水膨張が抑えられる。
また、木質系材料11と変性剤24とを少なくとも用いて粉砕しながら混合して該木質系材料11にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行い、該メカノケミカル活性が付与された木質系材料と膨潤化剤12とを少なくとも混合し、該メカノケミカル活性が付与された木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行うことにより、充填材を製造してもよい。得られる充填材は、混合する成形材料とのなじみがよい。従って、充填材自体の製造効率が向上するとともに、充填材を用いて成形品を成形するときの成形性が向上する。
さらに、木質系材料11と膨潤化剤12とを少なくとも混合し、該木質系材料11を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、フィブリル化された木質系材料と変性剤24とを少なくとも用いて粉砕しながら混合して該フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより、充填材を製造してもよい。得られる充填材は、混合する成形材料とのなじみがよい。従って、充填材自体の製造効率が向上するとともに、充填材を用いて成形品を成形するときの成形性が向上する。
一方、疎水化変性剤21と木質系材料11とを少なくとも用い、疎水化変性剤21を段階的に添加して粉砕しながら混合して木質系材料11にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより、充填材を製造してもよい。すると、メカノケミカル活性を高めた木質系充填材を得ることができ、木質系充填材を用いた成形品の強度をさらに向上させるとともに、耐水性をさらに向上させて吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが可能になる。
(2)充填材及びその製造方法の作用、効果、並びに、充填材の用途:
図1で示した製造方法では、パルプ化されていない木質系材料の繊維どうしの間に膨潤化剤が入り込み、繊維間の水素結合が切られて木質系材料が膨潤する。膨潤した木質系材料は、フィブリル化処理で叩かれてフィブリル化される。フィブリル化処理後の木質系材料(充填材20)は、解繊していない非開裂部20aと解繊した開裂部20bとを有する構造となり、一部が単繊維化された構造となる。そこで、得られる充填材を、樹脂を含む他の成形材料と混合して成形すると、樹脂で覆われていない開裂部20bどうしが絡み合い、木質系材料どうしが強固に結合する。これにより、木質系材料から得られる充填材を用いた成形品の強度及び耐水性が向上する。なお、絡み合った開裂部20bに水が触れるとその部分で開裂部20bどうしの絡み合いがほぐれてしまうが、絡み合った開裂部20bは多数存在するので、部分的にほぐれてしまっても極端な強度低下は起こらない。さらに、絡み合った開裂部20bが水の滲入を抑止する防護網として機能するので、耐水性が向上すると推察される。
図2で示した製造方法では、フィブリル化される前の非パルプ化木質系材料が疎水化変性剤とともにメカノケミカル活性処理で粉砕され、その際に該木質系材料がメカノケミカル反応を起こし、メカノケミカル活性を付与される。木質系材料の周囲に疎水化変性剤が存在するので、該木質系材料が疎水性になる。これは、メカノケミカル反応に由来するラジカルやイオンが疎水化変性剤により電気的に中和され、木質系材料と疎水化変性剤とが結合するためと推察される。その後、メカノケミカル活性が付与され疎水性になった木質系材料が膨潤化剤により膨潤し、フィブリル化処理で叩かれてフィブリル化され、木質系材料にメカノケミカル活性を付与された充填材が形成される。これにより、木質系材料から得られる充填材を用いた成形品の強度及び耐水性が向上するとともに、樹脂と充填材とのなじみがよくなるので、充填材を用いて木質系成形体を形成するとき容易に成形することができる。その結果、成形品中の充填材の配合比を多くすることができ、成形品の木質感を向上させることが可能になる。また、メカノケミカル活性処理を行った後にフィブリル化処理を行う流れ作業で充填材を製造することができるので、充填材自体の製造効率が向上する。
以上により、本製造方法によると、充填材を用いて成形品を成形する際の成形性を向上させるとともに、充填材自体の生産効率を向上させることができる。
図3で示した製造方法では、フィブリル化処理後の非パルプ化木質系材料が疎水化変性剤とともにメカノケミカル活性処理で粉砕され、その際に該木質系材料がメカノケミカル反応を起こし、メカノケミカル活性を付与される。木質系材料の周囲に疎水化変性剤が存在するので、該木質系材料が疎水性になる。これにより、木質系材料をフィブリル化し、かつ、該木質系材料にメカノケミカル活性を付与した充填材が形成される。フィブリル化処理を行った後にメカノケミカル活性処理を行うので、高いメカノケミカル活性が付与される。従って、充填材の生産効率を向上させることができるとともに、充填材を用いて成形品を成形する際の成形性をさらに向上させることができる。その結果、成形品中の充填材の配合比をさらに多くすることができ、成形品の木質感をさらに向上させることが可能になる。
図5で示した製造方法では、パルプ化されていない木質系材料11の繊維どうしの間に膨潤化剤12が入り込み、繊維間の水素結合が切られて木質系材料11が膨潤する。膨潤した木質系材料11は、フィブリル化処理で叩かれてフィブリル化される。
ここで、膨潤化剤12が入り込んだフィブリル化後の木質系材料から乾燥等により膨潤化剤12を除去するとき、図6の左下部分で模式的に示すように、木質系材料の開裂部20b同士に強い水素結合が生じてしまい、フィブリル化された木質系材料(充填材20)が凝集してしまう。該充填材20同士の結合は強固であるため、充填材20を用いて成形品を成形するために混練等しても、成形品に充填材20の凝集物20Aが残存してしまう。特に、開裂部20bがナノメートルオーダーの径のナノファイバーとなっていると、充填材20同士が非常に強固に結合すると考えられ、成形品に充填材20の凝集物20Aが残存する傾向が強い。
以上より、充填材から膨潤化剤を除去する際に充填材の凝集を抑止して膨潤化剤の除去を容易にすることが望まれている。
また、木質系充填材を用いた成形品の強度をさらに向上させるとともに、耐水性をさらに向上させる、すなわち、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることも望まれている。
本製造方法では、木質系材料11及び膨潤化剤12並びに必要に応じて添加剤13に対して変性剤24を少しずつ段階的に添加するので、変性剤24がメカノケミカル活性処理で分解される性質を有していても、膨潤化剤12により分解される変性剤24が少なくなる。そして、木質系材料11に定着する変性剤24の量が増え、得られる木質系充填材41,42のメカノケミカル活性を高めることができる。
例えば、膨潤化剤12が水で変性剤24がAKDの場合、木質系材料の開裂部20bに存在する水酸基とAKDの>C=O基とからエステルが形成され、AKDが開裂部20bに定着することが考えられる。同様に、変性剤24がロジン酸、ロジン酸の金属塩、ASA等であっても、木質系材料の開裂部20bに存在する水酸基と変性剤24のカルボキシル基等からエステルが形成され、変性剤24が開裂部20bに定着することが考えられる。AKDやASAは水により分解される性質を有しているが、変性剤24の段階添加によりAKDやASAが分解されにくくなり、木質系材料11に定着されやすくなる。これにより、充填材41のメカノケミカル活性が高められる。
以上より、木質系充填材41,42はメカノケミカル活性が高められて反応性が高くなるので、木質系充填材を用いた成形品の強度をさらに向上させるとともに、耐水性をさらに向上させて吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが可能になる。
また、充填材41から乾燥等により膨潤化剤12を除去するとき、図6の右下部分で模式的に示すように開裂部20bに変性剤24が定着しているので、開裂部20b同士の水素結合が抑止され、充填材42の凝集が抑止される。従って、膨潤化剤で湿潤した充填材から膨潤化剤を除去する際に充填材の凝集を抑止することができ、膨潤化剤の除去を容易にすることができる。
得られる充填材は、例えば、上述した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる樹脂成形用の充填材として利用することができる。また、フィブリル化処理やメカノケミカル活性処理を行っていない木質系材料に本充填材を混合することにより、前記木質系材料に多数の本充填材が水素結合し、前記木質系材料を毛羽立たせることができる。そこで、両処理を行っていない木質系材料と本充填材とを含めた成形材料を用いて成形品を製造すると、成形品の強度を向上させるとともに、耐水性を向上させて吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑える効果が得られる。
(3)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の例により限定されるものではない。
参考実施例1]
木質系材料として、木粉(大林工業製#100、平均粒子径500μm)を用いた。当該木粉の含水率は5%であった。膨潤化剤には、水を用いた。樹脂として、JIS K7210の附属書A表1の条件M(試験温度230℃、荷重2.16kg)におけるMFRが30g/10minのポリプロピレン(サンアロマー株式会社製PM930V、ランダム系)、及び、マレイン酸変性樹脂(三洋化成工業株式会社製ユーメックス1010)を用いた。
フィブリル化処理には、フリッチェジャパン製バッチ式遊星型ボールミルP−6を用い、このボールミルに500mlのポットを1個設置した。処理媒体として、直径20mmのアルミナボール25個を用いた。このとき、処理媒体の容積率は30%であった。
コンパウンドを生成するための加熱機付き混練押出機としてコニカル二軸押出成形機(シンシナティエクストルージョン社製タイタン80)を用い、素材の出口部にはダイを取り付けなかった。スクリューの回転速度は、10rpmとした。
成形品を形成するための加熱機付き混練押出機としてコニカル二軸押出成形機(シンシナティエクストルージョン社製タイタン68)を用い、素材の出口部に断面10mm×110mm角の押出成形品を形成するダイを取り付けた。スクリューの回転速度は、10rpmとした。
木粉100重量部に水1500重量部を加え、水に浸潤させた木粉をボールミルに投入した。そして、湿式条件下、回転数250rpmで240分間ポットを回転させ、木粉をフィブリル化させた。該素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行った。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、フィブリル化後の乾燥木粉を得た。当該乾燥木粉の含水率を測定したところ、0%であった。図7は、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真を示している。図に示すように、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で観察したところ、木粉がフィブリル化していることが確認された。
以下に記載した素材の配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整した。
素材の配合量:
乾燥木粉 80重量%
ポリプロピレン 18重量%
マレイン酸変性樹脂 2重量%
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷した。
[比較例1]
木質系材料、膨潤化剤、樹脂には、参考実施例1と同じものを用いた。コンパウンド生成用及び成形品形成用の混練押出機も上記実施例と同じものを用い、スクリューの回転速度も実施例と同じにした。ただし、フィブリル化処理を行わず、木粉と水とを混合した。
木粉100重量部と水1500重量部とを混合し、水に浸潤させた木粉を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行った。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、乾燥木粉(含水率0%)を得た。図8は、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真を示している。ただし、図8の縮尺倍率は、図7の縮尺倍率の1/5倍としている。図8に示すように、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で観察したところ、木粉がフィブリル化していないことが確認された。
参考実施例1と同じ配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整した。
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷した。
[評価方法]
参考実施例1及び比較例1で得られた木質系成形体を20mm×100mm×9mmに切断して試験片を作成し、この試験片について、JIS K7171-1994(プラスチック−曲げ特性の試験方法)に準拠した曲げ強度(曲げ強さ)を測定した。
また、水を入れた容器内に20mm×100mm×9mmの試験片を入れて24時間放置した後の試験片の曲げ強度(吸水曲げ強度)を測定した。
[試験結果]
試験結果を表1に示す。
表1に示すように、曲げ強度及び吸水曲げ強度ともに、フィブリル化処理を行っていない木粉を用いた比較例1よりもフィブリル化処理を行った木粉を用いた参考実施例1の方が大きくなった。
以上より、木質系材料と膨潤化剤とを少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させると、成形品の強度を向上させるとともに、耐水性を向上させる、すなわち、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが確認された。
[実施例2]
木質系材料、膨潤化剤、樹脂には、参考実施例1と同じものを用いた。
変性剤として、AKD(荒川化学工業株式会社製サイズパインK−287)を用いた。
フィブリル化処理及びメカノケミカル活性処理には、フリッチェジャパン製バッチ式遊星ボールミルP−6を用い、このボールミルに500mlのポットを1個設置した。処理媒体として、直径20mmのアルミナボール25個を用いた。このとき、処理媒体の容積率は30%であった。
コンパウンドを生成するための加熱機付き混練押出機としてコニカル二軸押出成形機(シンシナティエクストルージョン社製タイタン80)を用い、素材の出口部にはダイを取り付けなかった。スクリューの回転速度は、10rpmとした。
成形品を形成するための加熱機付き混練押出機としてコニカル二軸押出成形機(シンシナティエクストルージョン社製タイタン68)を用い、素材の出口部に断面10mm×110mm角の押出成形品を形成するダイを取り付けた。スクリューの回転速度は、10rpmとした。
木粉100重量部に水500重量部を加え、水に浸潤させた木粉をボールミルに投入した。そして、変性剤3.3重量部をボールミルに投入して回転数250rpmの回転条件で240分間ポットを回転させた。ボールミル運転開始時から48分間隔で変性剤3.3重量部をボールミルに投入した(計20重量部の変性剤を運転開始時の投入を含めて6回に分けて投入した。)。フィブリル化処理及びメカノケミカル活性処理後の素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行った。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、処理後の乾燥木粉を得た。当該乾燥木粉の含水率を測定したところ、0%であった。図9は、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真を示している。図に示すように、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で観察したところ、木粉がフィブリル化していることが確認された。
以下に記載した素材の配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整した。
素材の配合量:
乾燥木粉 80重量%
ポリプロピレン 18重量%
マレイン酸変性樹脂 2重量%
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷した。
[実施例3]
木質系材料、膨潤化剤、樹脂、変性剤には、実施例2と同じものを用いた。コンパウンド生成用及び成形品形成用の混練押出機も上記実施例と同じものを用い、スクリューの回転速度も実施例と同じにした。
木粉100重量部に水500重量部を加え、水に浸潤させた木粉をボールミルに投入した。そして、変性剤20重量部を一度にボールミルに投入し、回転数250rpmの回転条件で240分間ポットを回転させた。フィブリル化処理及びメカノケミカル活性処理後の素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行った。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、処理後の乾燥木粉(含水率0%)を得た。図10は、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真を示している。図10の縮尺倍率は、図9の縮尺倍率と同じにしている。図10に示すように、当該乾燥木粉を走査電子顕微鏡で観察したところ、木粉がフィブリル化していることが確認された。
実施例2と同じ配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整した。
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷した。
[比較例2]
木質系材料、膨潤化剤、樹脂には、実施例2と同じものを用いた。コンパウンド生成用及び成形品形成用の混練押出機も上記実施例と同じものを用い、スクリューの回転速度も実施例と同じにした。
木粉100重量部に水500重量部を加え、水に浸潤させた木粉をボールミルに投入した。ただし、変性剤は投入しなかった。そして、回転数250rpmの回転条件で240分間ポットを回転させた。フィブリル化処理の素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行った。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、処理後の乾燥木粉(含水率0%)を得た。
実施例2と同じ配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整した。
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷した。
[評価方法]
実施例2,3及び比較例2で得られた乾燥木粉と処理前の木粉とについてFT−IRを行い、OH基による2800〜3000cm-1の吸光度に対するエステルの1656〜1660cm-1の吸収度の比(エステル/水酸基吸光度比)を求めた。
さらに、木質系成形体を20mm×100mm×9mmに切断して試験片を作成し、この試験片について、JIS K7171-1994に準拠した曲げ強度(曲げ強さ)を測定した。
また、水を入れた容器内に20mm×100mm×9mmの試験片を入れて24時間放置した後の試験片の曲げ強度(吸水曲げ強度)を測定した。
[試験結果]
試験結果を表2に示す。
表2に示すように、エステル/水酸基吸光度比は、比較例2よりも実施例2,3の方が大きかった。従って、変性剤を添加することにより、木質系材料にメカノケミカル活性処理が付与されることが確認された。
また、実施例2,3を比較すると、エステル/水酸基吸光度比は、実施例3よりも実施例2の方が大きかった。従って、変性剤を段階的に添加することにより、木質系材料に付与されるメカノケミカル活性が高められることが確認された。
さらに、曲げ強度及び吸水曲げ強度ともに、比較例2よりも実施例2,3の方が大きかった。従って、変性剤を添加することにより、成形品の強度を向上させるとともに、耐水性を向上させる、すなわち、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張を抑えることが確認された。
また、実施例2,3を比較すると、曲げ強度及び吸水曲げ強度ともに、実施例3よりも実施例2の方が大きかった。従って、変性剤を段階的に添加することにより、成形品の強度をさらに向上させるとともに、耐水性をさらに向上させる、すなわち、吸水による機械的強度の低下や吸水膨張をさらに抑えることが可能であることが確認された。
(4)参考具体例:
以下、本充填材の製造方法の参考具体例を示す。
(4−1)参考具体例1:
木質系材料、膨潤化剤、樹脂には、参考実施例1と同じものを用いる。
疎水化変性剤として、ロジン(荒川化学工業株式会社製サイズパインNT−76)を用いる。
メカノケミカル活性処理には、中央化工機株式会社製バッチ式振動ミルFV−20Lを用いる。処理媒体として、径19mmの円柱状スチールロッド192本を用いる。このとき、処理媒体の容積率は60%となる。
フィブリル化処理の処理媒体、コンパウンド生成用及び成形品形成用の混練押出機も参考実施例1と同じものを用い、スクリューの回転速度も参考実施例1と同じにする。
木粉100重量部にロジン15重量部を加え、ロジンを加えた木粉を振動ミルに投入する。そして、乾式条件下、振動数1200cpm、全振幅8mmの振動条件で15分間粉砕筒を振動させ、木粉にメカノケミカル活性を付与して疎水性にする。
その後、該木粉100重量部に水1500重量部を加え、水に浸潤させた木粉を振動ミルに投入する。そして、湿式条件下、振動数1200cpm、全振幅8mmの振動条件で15分間粉砕筒を振動させ、木粉のフィブリル化処理を行う。該素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行う。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、フィブリル化処理後の乾燥木粉を得る。
参考実施例1と同じ配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整する。
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷する。
以上により、木粉にメカノケミカル活性が付与されて疎水性になるので、木粉を混合する成形材料と木粉とのなじみがよくなり、木質系成形体を形成するときの成形性が向上すると推測される。
(4−3)参考具体例2:
木質系材料、膨潤化剤、樹脂、疎水化変性剤には、参考実施例1と同じものを用いる。
メカノケミカル活性処理には、中央化工機株式会社製バッチ式振動ミルFV−20Lを用いる。処理媒体として、径19mmの円柱状スチールロッド192本を用いる。このとき、処理媒体の容積率は60%となる。
フィブリル化処理の処理媒体、メカノケミカル活性処理の処理媒体、コンパウンド生成用及び成形品形成用の混練押出機も参考実施例1と同じものを用い、スクリューの回転速度も参考実施例1と同じにする。
木粉100重量部に水1500重量部を加え、水に浸潤させた木粉を振動ミルに投入する。そして、湿式条件下、振動数1200cpm、全振幅8mmの振動条件で15分間粉砕筒を振動させ、フィブリル化処理を行う。該素材を乾燥台上に平たく薄く厚さ1cmとなるように載せ、送風乾燥機で加熱し、送風機にて該素材に風速0.5m/secで送風しながら、絶乾処理を行う。その後、送風乾燥機内を30℃に下げ、フィブリル化処理後の乾燥木粉を得る。
その後、乾燥木粉100重量部にロジン15重量部を加え、ロジンを加えた木粉を振動ミルに投入する。そして、乾式条件下、振動数1200cpm、全振幅8mmの振動条件で15分間粉砕筒を振動させ、乾燥木粉にメカノケミカル活性を付与して疎水性にする。
参考実施例1と同じ配合量で乾燥木粉とポリプロピレンとマレイン酸変性樹脂とをコンパウンド生成用の混練押出機に投入し、素材を230℃に加熱して混合しながら出口部から不定形の状態で押し出してコンパウンドを調整する。
次に、上記コンパウンドを成形品形成用の混練押出機に投入し、10mm×110mm角に押出成形して長さ1000mmの木質系成形体を作製し、20℃に空冷する。
以上によっても、木粉にメカノケミカル活性が付与されて疎水性になるので、成形材料と木粉とのなじみがよくなり、木質系成形体を形成するときの成形性が向上すると推測される。
(5)まとめ:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、木質系材料を用いた成形品の強度及び耐水性を向上させることが可能になる。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
木質系成形体を製造する参考例を模式的に示す流れ図。 変形例において充填材を製造する一例を模式的に示す流れ図。 変形例において充填材を製造する一例を模式的に示す流れ図。 振動ミルの構成を示す図。 填材を製造する一例を模式的に示す流れ図。 変性剤の有無による膨潤化剤除去後の充填材の違いを模式的に示す図。 フィブリル化処理後の乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真。 フィブリル化処理を行わなかった乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真。 フィブリル化処理及びメカノケミカル活性処理後の乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真。 フィブリル化処理及びメカノケミカル活性処理後の乾燥木粉を走査電子顕微鏡で撮影した写真。
符号の説明
11…木質系材料、
12…膨潤化剤、
13,23,53…添加剤、
20,40,41,42…充填材、20a…非開裂部、20b…開裂部、
21…疎水化変性剤、24…変性剤(物質(F))、
30…メカノケミカル活性を付与された木質系材料、
51…樹脂、
60…木質系成形体(成形品)、
ME1,ME2,ME3…処理媒体、
MI1,MI2,MI3…ミル

Claims (4)

  1. 木質系材料と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤と、を少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、さらに下記の物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質(F)を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより得られる充填材。
    (A)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボニル化合物、
    (B)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボン酸、
    (C)前記カルボン酸(B)の無水物、
    (D)前記カルボン酸(B)の金属塩、
    (E)前記物質(A)〜(D)の中から選ばれる物質の誘導体。
  2. 前記木質系材料は、粒状の材料とされ、
    前記膨潤化剤は、水、水蒸気、又は、これらの組み合わせとされ、
    前記粒状の木質系材料と前記膨潤化剤とを少なくとも含む材料に処理媒体をぶつけて該材料を混合し、前記木質系材料を膨潤させ叩きながら前記フィブリル化処理を行い、さらに前記メカノケミカル活性処理を行うことにより得られる、請求項1に記載の充填材。
  3. 木質系材料と、該木質系材料を膨潤させる膨潤化剤と、を少なくとも混合し、該木質系材料を膨潤させ叩きながらフィブリル化させるフィブリル化処理を行い、さらに下記の物質(A)〜(E)の中から選ばれる一種以上の物質(F)を段階的に添加して粉砕しながら混合して前記フィブリル化された木質系材料にメカノケミカル活性を付与するメカノケミカル活性処理を行うことにより充填材を製造することを特徴とする充填材の製造方法。
    (A)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボニル化合物、
    (B)分子中に少なくとも一つの疎水基を有するカルボン酸、
    (C)前記カルボン酸(B)の無水物、
    (D)前記カルボン酸(B)の金属塩、
    (E)前記物質(A)〜(D)の中から選ばれる物質の誘導体。
  4. 前記フィブリル化処理を行い、さらに前記メカノケミカル活性処理を行い、前記膨潤化剤を除去することにより充填材を製造することを特徴とする請求項3に記載の充填材の製造方法。
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