JP4745111B2 - 無機質発泡板製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無機質発泡板製造方法に関し、特に、独立気泡を有する断熱壁用無機系不燃材料を製造する方法に関する。
従来、独立気泡によって発泡させた発泡体は、軽量で断熱性に優れ、各種装置や建物等の断熱材その他に広く用いられている。特に、塩化ビニル系樹脂発泡体は、耐薬品性、機械的強度等の点においても優れており、広く一般的に用いられている。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂のみによる発泡体は難燃性ではあるものの不燃性ではない。また、熱に対して比較的弱く、高温の雰囲気下においては体積が収縮してしまうという欠点がある。特に、炎に接した場合には、有毒な塩化水素ガスが発生するという欠点があった。そこで、主成分に炭酸カルシウムなどの無機質系充填材を用い、軽量、高断熱性という特徴を生かしつつ、熱せられても体積収縮率を小さく抑え、炎に接しても発生する塩化水素ガスを無毒化反応させる発泡体も開発されている(例えば、特開昭56−129236号公報)。
実際、特開昭56−129236号公報に開示される技術では、ニトリル化合物を混和して加温して金型内に細かく均質な気泡を発生させる一次発泡工程、および、これを柔らかなうちにより大きな金型に移し、圧力開放して所定温度で気泡を成長させる二次発泡工程を経ることにより、均質な独立気泡をもつ建築用断熱材(断熱板)を製造することが可能であった。
特開昭56−129236号公報
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、従来の無機質発泡板製造方法では、2つの金型を用いて1枚の断熱板を製造するため、製造効率が悪い、という問題点があった。
また、外断熱工法に無機質発泡板を打ち込み型枠として用いる場合には、コンクリートとの噛み合わせないし接合性の観点からコンクリート側の面にはセメントが侵入可能なある程度小さな気泡があった方がよく、逆に反対側の面は、塗装、モルタル塗りの観点からある程度大きな気泡がよい。また、後付けでコンクリートに発泡板を接合させるような場合にも同様に、接着剤の性質上小さな気泡がある方が接合強度が向上する。すなわち、両面で気泡の大きさの異なる断熱壁用の無機質発泡板には潜在的な需要があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、一方の面と他方の面の気泡の大きさがそれぞれ異なる断熱壁用無機質発泡板を効率よく製造することが可能な無機質発泡板製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の無機質発泡板製造方法は、塩化ビニル系樹脂、有機溶剤、発泡剤、および、無機質系充填材を混合して、上面および下面から加熱冷却可能な板形の第1の密閉金型に封入し、上面および下面の加熱により原料内に均等に分布するように気泡を生じさせ、次いで、上面および下面付近の気泡が中間領域の気泡より小さくなるように、上面および下面の冷却により温度勾配をつける調整をして一次発泡板体を成型し、続いて、第1の金型より大きな板型の第2の金型へ前記一次発泡板体を移して、所定温度下で気泡を成長させて得られた二次発泡板体を硬化させ、当該二次発泡板体を中間で切断して、片面と反対の面との気泡の大きさの異なった断熱壁用無機質発泡板を製造することを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、一つの金型から二枚の無機質発泡板であって、片面と反対の面との気泡の大きさの異なった無機質発泡板を製造することができる。なお、組成の調整や冷却勾配、または、第1と第2の金型の大きさの違いにより、気泡の大きさを適宜調整可能であることはいうまでもない。なお、混合には適宜混練の態様も含まれるものとする。
また、請求項2に記載の無機質発泡板製造方法は、請求項1に記載の無機質発泡板製造方法において、硬化時の中間領域の気泡の平均粒径を1.5mm〜5.0mmに、上面及び下面付近の気泡の平均粒径を0.5mm〜1.5mmとなるようにしたことを特徴とする。
すなわち、請求項2に係る発明は、気泡の小さな面は生コンクリートとの親和性ないし接合性がよく、気泡の大きな面は生モルタルや接着剤との親和性ないし接合性がよい。したがって、例えば、外断熱工法の断熱材兼打ち込み型枠として無機質発泡板を用い、屋外暴露する面は、モルタル塗りやタイル張りを容易とすることも可能となる。なお、中間領域の気泡の平均粒径は、強度の観点からは1.5mm〜3.0mmであることが好ましい。
本発明により製造された断熱壁用無機質発泡板は、小さな気泡をもつ面をコンクリート側とした打ち込み型枠として用いることができる。これにより、断熱壁をコンクリート打ち込みの際に構築でき、工程が少なくて済む。
また、本発明により製造された断熱壁用無機質発泡板は、大きな気泡をもつ面に、壁紙張り、石膏ボード張り、モルタル塗り、タイル貼り、又は、サイディングボード張りをおこなうことができる。これにより、モルタル塗り、タイル貼り、又は、サイディングボード張りにより見栄えのよい外断熱を実現でき、他方、壁紙張りまたは石膏ボード張りにより見栄えのよい内断熱を実現できる。このとき、気泡が小さいのでモルタルや各種接着剤ののりがよく親和性がよい。
また、コンクリート面に接着剤を塗布し、本発明により製造された断熱壁用無機質発泡板の小さな気泡をもつ面を接着させることができる。これにより、改築等により後付けで外断熱にする場合に、コンクリートの接合性を高めることができる。
本発明によれば、一方の面と他方の面の気泡の大きさがそれぞれ異なる断熱壁用無機質発泡板を効率よく製造することが可能な無機質発泡板製造方法を提供することができる。
本発明の無機質系発泡板の製造方法では、材料として、塩化ビニル系樹脂、有機溶剤、発泡剤、および、無機質系充填材を用いる。
塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンの単独重合体またはこれら単量体と共重合可能な単量体、例えばエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレン等との共重合体などを挙げることができる。
この中でも塩化ビニル単独、またはこれらと酢酸ビニルを重合または共重合した塩化ビニル樹脂または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が充填材との混和性、難燃性の成型品を得ることができるという点で好適である。
有機溶剤としては、一般に用いられているものを広く利用できるが、特にトルエン、キシレン等が好ましい。
発泡剤としては、有機系では、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチルニトリル、ジニトロソペンタテトラミン、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等を用いることができ、無機系では重炭酸ソーダ、塩化アンモニウム等を挙げることができる。
無機質系充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、石膏、硫酸アルミニウム等の結晶水を有する化合物などが挙げられる他、タルク、ベンナイト、クレー等の化合物、あるいは珪酸塩なども挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上混合して用いることができる。
また、本発明の無機質系発泡板体には、この他、可塑剤や難燃剤を添加することもでき、製品仕様によっては、金属、金属化合物、セラミック、鉱物等を添加してもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノリル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、リン酸トリクレシル、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリ(クロロエチル)ホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェート、オルチルジフェニルホスフェート、リン酸トリス(イソプロピルフェニル)、クレジルジフェニルホスフェート、ジオクチルアゼレート、塩化パラフィン等を挙げることができる。
難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブリモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイドリン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、赤リン、酸化錫、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、銀(Ag)等を挙げることができる。
また、金属化合物としては、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等を挙げることができる。
セラミックとしては、酸化イットリウム、ジルコニア、炭化ケイ素、チッ化アルミニウム等を挙げることができる。
鉱物としては、ガリウム、ジルコニウム、トルマリン等を挙げることができる。
また、本発明では、添加剤の1つとしてカーボンブラックを用いることもでき、その性状等において特に限定されることなく広く用いることができる。カーボンブラックを添加することにより、無機質系発泡板の帯電防止性、電波吸収性を向上させることができる。
次に配合を述べる。
無機質系充填材に対する塩化ビニル樹脂の配合割合は、無機質系充填材50〜95重量部に対して塩化ビニル樹脂5〜50重量部であり、好ましくは10〜48重量部であり、より好ましくは20〜46重量部である。塩化ビニル樹脂の配合割合が5重量部未満であると、十分な発泡が行われ難く、機械的強度も得られず脆くなってしまうので好ましくない。逆に、塩化ビニル樹脂の配合割合が50重量部を越えると、本発明の目的の1つである不燃性、耐熱性を有した発泡板を得ることが困難となり好ましくない。なお、無機質系充填材は、好ましくは52〜90重量部、より好ましくは54〜80重量部である。
有機溶剤の量は特に限定されないが、無機質系充填材50〜95重量部に対して、好ましくは30〜100重量部、より好ましくは40〜90重量部である。また、発泡剤の量も特に限定されないが無機質系充填材50〜95重量部に対して、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部である。なお、有機溶剤と発泡剤を合算した添加量は、無機質系充填材50〜95重量部に対して、32〜120重量部、好ましくは40〜100重量部、より好ましくは45〜95重量部である。
なお、可塑剤を混和する場合には、可塑剤の吸油量を決定する上で、塩化ビニル系樹脂および無機質系充填材の粒度に注意する必要がある。例えば、塩化ビニル系樹脂として塩化ビニルを用いる場合には、325メッシュの篩いを全て通過する粒度で必要な分布を有したいわゆるペーストレジンであれば可塑剤の吸油量と無機質系充填材との親密性を保つことができる。また、例えば、無機質系充填材として炭酸カルシウムを用いる場合には、塩化ビニル樹脂の燃焼によって発生する塩素と反応させて無毒化させたり、塩化ビニル樹脂と可塑剤との密着性を向上させるため、70〜200メッシュ中に必要な分布をすることが好ましい。また、不燃性を向上させるため、水酸化アルミニウムを用いる場合には、300メッシュ以下のものを使用することが好ましい。
なお、金属、金属化合物、難燃剤、セラミック、および鉱物は、それぞれ必要に応じて任意に用いられ、その量は特に限定されない。なお、本発明には、上記添加剤の他、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、強化充填剤、不燃性染顔料、かび防止剤等の添加剤を適宜必要に応じて用いることができる。
次に、上記材料を用いた本発明の製造工程について説明する。
本発明は、塩化ビニル樹脂5〜50重量部および無機質系充填材50〜95重量部に、有機溶剤30〜100重量部、発泡剤2〜20重量部を加え、混練してコンパウンドとし、該コンパウンドをニーダー等で混合する。この際、発泡しないように、適宜ニーダーを冷却する。おおむね50℃未満であれば、発泡は生じない。
次に、この混練したものを第1の金型内に封入し加熱により均一に気泡を生じさせる。すなわち、一次発泡をおこなう。第1の金型の大きさは特に限定されないが、最終的に板体を成形するので、例えば、80cm×150cm×10cmの金型を用いる。この金型は上面および下面から加熱または冷却可能なものであり、一次発泡の際には、約140〜170℃に加熱して気泡を生じさせる。加熱により塩化ビニル樹脂はゲル化する。なお、金型内部が高温になって気泡が発生することにより、金型内部が高圧になり、ゲル化した塩化ビニル樹脂および無機質系充填材の中に、均一に気泡が拡散されることとなる。
続いて、第1の金型を冷却する。このとき、冷却勾配(さます際の温度勾配)をつけ、外側(上面および下面)の気泡は小さく、熱のこもっている内側は大きな気泡となるように調整する。これにより、二次発泡させる際の「種」気泡の大きさを中側と外側で異ならせるようにする。その後、第1の金型のプレスを徐圧して金型から生成物(一次発泡板体)を取り出す。この時点で、一次発泡板体は目的の発泡倍率の30〜40%の大きさとなる。
なお、目的とする気泡の大きさにより冷却勾配は種々採用できるが、例えば、一次発泡温度(約170℃〜140℃)から、第1の金型を130℃〜100℃の所定温度まで急冷し、その後80分〜130分かけて徐々に室温まで冷却するようにする。
次いで、一次発泡板体を第2の金型に移し替え90℃〜120℃に加熱し、種気泡を成長させ、目的の発泡倍率である5〜20倍になるように膨張させる。すなわち二次発泡をおこない二次発泡板体を得る。このときの金型は、例えば、120cm×225cm×15cmのものとすることができる。続いて、室温まで徐冷し養生する。なおここで、発泡倍率とは、得られた発泡板体の体積が当初の体積の何倍になるかを示す値である。その後、生成物を徐々に加熱し、有機溶剤を取り除き、発泡板としての製品を得る。得られた発泡板は中央部の気泡は大きく、上面および下面部分の気泡は小さい。
最後に、中央部分で二枚割りし、必要に応じて周縁部を切り取り、目的とする独立発泡無機系断熱板体を得ることができる。
なお、可塑剤を用いる場合には、原料を常温までの温度範囲および常圧にて混練する。更に、このコンパウンドに、水酸化アルミニウム等の水酸化物あるいは結晶水を有する不燃性向上充填剤を加えて混練する。得られたコンパウンドに、更に可塑剤を加えて、ペースト状のコンパウンドとする。その後、第1の金型内において該コンパウンドを加熱し、少なくとも発泡剤の分解又は気化する温度以上で、かつ、塩化ビニル系樹脂がゲル化する温度まで加熱する。これによって、塩化ビニル系樹脂は溶剤(可塑剤)に溶け、無機質系充填材の微粒子を隅なく包み込み、各微粒子に接着してそれら相互間をも接着せしめる。
このような本発明の製造方法によって得られた発泡板は、少ない配合割合の塩化ビニル樹脂でありながら、その皮膜の粘度が増すと共に強固になる。一般には、無機質系充填材が90%前後になると熱可塑性がなくなるにも拘らず、本発明の製法による発泡板は、完全な熱可塑性を有するものとなる。よって、一次発泡板体であっても、二次発泡板体であっても、また、製品となった段階であっても、未だ硬化しない状態においては、必要に応じて極めて容易にスライス等することが可能であり、所望の寸法に容易に成形することができる。
また、本発明の製造方法によって得られた発泡板は、無機質系充填材を主体とした独立気泡によって形成されているので、軽量で断熱性、吸音性、耐水性を有し、かつ、機械的強度、寸法安定性、不燃性等も有する。したがって、そのまま用いること、予め発泡板に顔料や染料を混入させて用いること、あるいは外面に塗装等の着色を施して用いること等が可能である。更に、本発明で得られる発泡板は、火災等により高温になっても、塩化水素ガスの発生は極めて微量に抑制されるので、有毒ガスの発生による危険性は極めて少なく、この点からも、建材等の材料として極めて有用である。
次に、本発明の製造方法によって得られた発泡板を用いた断熱工法等について説明する。本発明の発泡板は、両面の接触相手によって、適宜気泡の粒径を異ならせることができる。例えば、片側を約1mm程度の気泡として生コンクリートとの接合性を向上させ(コンクリートが気泡に食い込み接着力が高まる)、もう片方は、3mmとしてモルタルや外壁タイル張用接着剤との接合性を向上させることができる。
したがって、これを応用し発泡板を用いて、外断熱コンクリート構造物を建築するときの打ち込み型枠として使用できる。まず、発泡板の小気泡面をコンクリート打ち込み側として所定位置に配置し、コンクリートを打ち込む。このとき、コンクリートの重みにより小気泡中にセメント成分が侵入していき、接合力が向上する。そして、コンクリートの養生後は、屋外側に暴露している大気泡面に外壁タイル用のモルタルを塗り、外壁タイルを貼り付けていく。これにより、接着強度を高め、工費も軽減可能な外断熱を構築できる。
なお、マンションの改修改装などの場合には、発泡板を用いて内断熱を構築することもできる。この場合は、既にコンクリートが固まっているので、接着剤により発泡板を接合することとなる。したがって、接着剤にあわせた気泡の大きさ、例えば0.5mmのものを用い、他方の面は、壁紙(1.5〜2mm)、石膏ボード(2〜3mm)、モルタル(約3mm)など、相手にあわせた粒径とするようにする。なお、本発泡板は、その組成および構造により衝撃吸収が可能であり、内断熱とした場合には、子供が壁にぶつかった場合にも、怪我を低減させることも可能となる。
塩化ビニル樹脂40重量部、無機質系充填材として炭酸カルシウム30重量部、タルク15重量部、発泡剤としてアゾビスイソブチルニトリル4重量部、ジニトロソペンタテトラミン4重量部をニーダーに入れて5分間混合した。次いで、有機溶剤としてトルエン70重量部を、徐々に加えて1時間混練した。
加圧状態のまま、混練によって得られたコンパウンドを第1の金型に隙間なく充填し、上部に蓋をして、プレスにより加圧した。この状態で、160℃で加熱して塩化ビニル樹脂をゲル化させ、同時に発泡剤を分解させた。
ゲル化・分解を十分にさせた後、加圧状態のまま第1の金型を室温まで段階的に冷却させた。まず、120℃まで急冷し、その後90分間で室温となるように、徐々に冷却していった。室温まで冷却した後徐圧し、製品を取り出した。
これを100℃にセットしてある第2の金型に移し替え、常圧にて加熱し、所定の寸法まで膨張させた。所定の寸法になった後、一旦、室温まで冷却させ、再び徐々に加熱し、トルエンを製品の中から蒸発させて、これを完全に取り除いた。
以上の工程を経て無機質系発泡板を得た。得られた発泡体を中間でスライスして観察したところ、スライス面は約3.0mmの気泡面となっており、他方の面(金型表面側の面)は、約1.0mmの気泡面が形成されていた。
これをコンクリートの打ち込み型枠として用い、小気泡面側にコンクリートを打ったところ、小気泡内にセメントが侵入し、くさび効果も確認できた。また、大気泡面側は、モルタルののりも良く、タイル貼り付けも十分おこなえることが確認できた。
本発明を用いて、それぞれの接合先にあわせた粒径をもつ無機質系発泡板を製造でき、外断熱、内断熱のいずれにも展開可能である。また、不燃材としての利用も可能である。


Claims (2)

  1. 塩化ビニル系樹脂、有機溶剤、発泡剤、および、無機質系充填材を混合して、上面および下面から加熱冷却可能な板形の第1の密閉金型に封入し、
    上面および下面の加熱により原料内に均等に分布するように気泡を生じさせ、
    次いで、上面および下面付近の気泡が中間領域の気泡より小さくなるように、上面および下面の冷却により温度勾配をつける調整をして一次発泡板体を成型し、
    続いて、第1の金型より大きな板型の第2の金型へ前記一次発泡板体を移して、所定温度下で気泡を成長させて得られた二次発泡板体を硬化させ、
    当該二次発泡板体を中間で切断して、片面と反対の面との気泡の大きさの異なった断熱壁用無機質発泡板を製造することを特徴とする無機質発泡板製造方法。
  2. 硬化時の中間領域の気泡の平均粒径を1.5mm〜5.0mmに、上面及び下面付近の気泡の平均粒径を0.5mm〜1.5mmとなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の無機質発泡板製造方法。

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