JP4744184B2 - 超広角レンズ - Google Patents
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また、一般に監視用テレビカメラや車載用テレビカメラ等に使用されるレンズは、軽量及びコンパクトで大きい画角をもつことが要望され、特に車載用テレビカメラ等の用途には、広範な視野をカバーするために130°以上の大画角をもつ超広角レンズであることが望まれている。
しかしながら、従来のこの種の超広角レンズは、一般に8枚あるいは10枚以上のレンズ構成からなるものがほとんどである。
しなしながら、この超広角レンズでは、第1レンズの外径が大き過ぎて、小型化、コンパクト化の要求に対応していない。
しかしながら、この超広角レンズでは、全てのレンズにガラスレンズを使用しているため、低コスト化の要求に対応していない。
この構成によれば、4群4枚構成を採用すると共に第1レンズを負の屈折力をもつ負レンズとすることにより、対角画角が130°以上の適切な広画角を確保でき、レンズ全長を短くすることができる。また、レトロフォーカスタイプにすることにより、CCD等の撮像素子を搭載したデジタルカメラのレンズ系に必要な赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するためのバックフォーカスを確保することができる。
特に、第1レンズ、第2レンズ、及び第4レンズは、物体側及び像面側の両面が非球面でかつ周辺に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されているため、第1レンズ及び第2レンズの両面を非球面とすることにより特に歪曲収差を良好に補正することができ、広画角化を達成することができる。また、像面に最も近いレンズ(第4レンズ)の両面を非球面とすることにより主として上光線側のコマ収差を良好に補正しつつ諸収差を良好に補正することができる。仮に、像面に最も近いレンズ(第4レンズ)の両面を球面にして同等の効果を得るためには、さらに2枚程度のレンズが必要になって薄型化を達成することができないが、像面に最も近いレンズ(第4レンズ)の両面を非球面とすることにより、薄型化を達成しつつ、球面収差、非点収差、コマ収差等の諸収差を良好に補正することができ、高い光学性能を得ることができる。
この構成によれば、少なくとも一つのレンズを樹脂材料により形成したプラスチックレンズとすることにより、ガラスレンズを採用する場合に比べて、生産コストの低減、軽量化を達成することができ、又、非球面を容易に形成することができるため、収差補正の自由度が増加した分だけコンパクト化が可能になる。
(1)1.2<D9/f<1.4
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(1)を満たすことにより、赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するために必要なスペース(バックフォーカス)を確保しつつ、十分な撮影画角を得ることができ、諸収差、特に歪曲収差を良好に補正することができる。
(2)−2.9f<f12<−2.5f
(3)1.45f<f4<1.95f
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(2),(3)を満たすことにより、十分な撮影画角を確保しつつ適切なバックフォーカスを得ることができ、又、第1レンズ(前玉)の外径を小さくできるため、小型化、コンパクト化を達成することができる。
(4)|ν1−ν3|>35
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、条件式(4)を満たすことにより、解像度に影響を及ぼす色収差、特に軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することができる。
図1及び図2は、本発明に係る超広角レンズの一実施形態を示すものであり、図1は概略構成図、図2は光路図である。
この超広角レンズは、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、負の屈折率を有し両凹形状の第1レンズ1、負の屈折率を有し像面側よりも物体側の面の曲率半径が大きい第2レンズ2、正の屈折率を有する第3レンズ3、所定の口径をなす開口絞りSD、正の屈折率を有し両凸形状の第4レンズ4により形成されている。そして、第4レンズ4の後方に像面Pが配置されている。
また、レンズ全系の焦点距離をf、第1レンズ1と第2レンズ2との合成焦点距離をf12、第4レンズ4の焦点距離をf4、第4レンズ4の像面側の面から像面Pまでの間隔(バックフォーカス)をD9で表す。
第2レンズ2は、好ましくは樹脂材料により形成され、負の屈折力をもつように、物体側の面S3が凸状でかつ像面側の面S4が凹状をなすメニスカス形状のレンズであり、又、像面側の面S4の曲率半径R4よりも物体側の面S3の曲率半径R3が大きく形成されている。
第3レンズ3は、好ましくは樹脂材料により形成され、正の屈折率をもつように、物体側の面S5が凸状でかつ像面側の面S6が凹状をなすメニスカス形状のレンズである。
第4レンズ4は、好ましくは樹脂材料により形成され、正の屈折力をもつように、物体側の面S8が凸状でかつ像面側の面S9が凸状をなす両凸形状のレンズである。
また、レトロフォーカスタイプにすることにより、CCD等の撮像素子を搭載したデジタルカメラのレンズ系に必要な赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するためのスペース(バックフォーカス)を確保することができる。
また、第1レンズ1〜第4レンズ4の少なくとも一つのレンズが樹脂材料により形成されることにより、ガラスレンズを採用する場合に比べて、生産コストの低減、軽量化を達成することができ、又、非球面を容易に形成することができるため、収差補正の自由度が増加した分だけコンパクト化が可能になる。
仮に、像面に最も近いレンズ(第4レンズ4)の両面S8,S9を球面にすると、同等の効果を得るためにはさらに2枚程度のレンズが必要になって薄型化を達成することが困難になる。そこで、像面Pに最も近いレンズ(第4レンズ4)の両面S8,S9を非球面とすることにより、薄型化を達成しつつ、球面収差、非点収差、コマ収差等の諸収差を良好に補正することができ、高い光学性能を得ることができる。
Z=Cy2/[1+(1−εC2y2)1/2]+Dy4+Ey6+Fy8+Gy10
ただし、Z:非球面の頂点における接平面から,光軸Lからの高さがyの非球面上の点までの距離、y:光軸からの高さ、C:非球面の頂点における曲率(1/R)、ε:円錐定数、D,E,F,G:非球面係数である。
(1)1.2<D9/f<1.4
を満足するように形成される。
条件式(1)は、CCDカメラ用レンズに必要なバックフォーカス(間隔D9)を規定するものである。D9/fの値が上限値以上になってバックフォーカスが長くなると、発生する負の歪曲収差が大きくなる。一方、D9/fの値が下限値以下になってバックフォーカスが短くなると、全体に得られる撮影画角を十分に大きくすることが困難になり、赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するスペースを確保するのが困難になる。
したがって、条件式(1)を満たすことにより、赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するために必要なスペース(バックフォーカス)を確保しつつ、十分な撮影画角を得ることができ、諸収差、特に歪曲収差を良好に補正できる。
(2)−2.9f<f12<−2.5f
(3)1.45f<f4<1.95f
を満足するように形成される。
条件式(2),(3)を満たすことにより、十分な撮影画角を確保しつつ適切なバックフォーカスを得ることができる。また、第1レンズ1(前玉)の外径を小さくできるため、小型化、コンパクト化を達成することができる。尚、仮に3群3枚構成において、第1レンズのみで条件式(2)と同等の焦点距離を得ようとすると、第1レンズの像面側の曲率半径が非常に小さくなり、レンズの加工が困難になる。
(4)|ν1−ν3|>35
を満足するように形成される。
条件式(4)を満たすことにより、解像度に影響を及ぼす色収差、特に軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することができる。
<条件式の値>
(1)D9/f=1.33/1.04=1.28
(2)f=1.04、f12=−2.75、−3.02<−2.75<−2.60
(3)f=1.04、f4=1.64、1.51<1.64<2.03
(4)ν1=56.3、ν3=18.9、│ν1−ν3│=│56.3−18.9│=37.4>35
物体距離=無限大、レンズ全系の焦点距離(f)=1.04mm、第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離(f12)=−2.75mm、第4レンズの焦点距離(f4)=1.64mm、Fナンバー=2.8、射出瞳位置=2.38mm、レンズ全長=13.0mm、バックフォーカス(空気換算)=1.33mm、画角(2ω)=140.7°、ディストーション(最大値)=−23.8%
<非球面>
第1レンズ1の両面S1,S2、第2レンズ2の両面S3,S4、第4レンズ4の両面S8,S9
<曲率半径>
R1=−43.304mm(非球面)、R2=3.134mm(非球面)、R3=8.762mm(非球面)、R4=2.745mm(非球面)、R5=3.542mm、R6=16.083mm、R7=∞、R8=4.567mm(非球面)、R9=−0.838mm(非球面)
<光軸上の間隔>
D1=1.830mm、D2=1.451mm、D3=1.065mm、D4=0.478mm、D5=2.33mm、D6=0.498mm、D7=0.896mm、D8=2.743mm、D9=1.333mm
<屈折率(Nd)>
N1=1.525120、N2=1.525120、N3=1.922860、N4=1.525120
<アッベ数(νd)>
ν1=56.3、ν2=56.3、ν3=18.9、ν4=56.3
<S1面>
ε=−4.919041、D=2.521963×10−5、E=8.287960×10−7、F=1.271981×10−8、G=−7.67472×10−10
<S2面>
ε=0.069026、D=0.016926、E=−1.78512×10−3、F=−2.81600×10−5、G=−1.00320×10−5
<S3面>
ε=8.575587、D=1.61654×10−4、E=3.665278×10−5、F=−2.39254×10−5、G=−8.01936×10−4
<S4面>
ε=−1.327210、D=−0.036409、E=0.013830、F=−2.38200×10−3、G=2.130445×10−4
<S8面>
ε=0.250456、D=−0.039621、E=0.018291、F=−4.79312×10−3、G=5.645256×10−4
<S9面>
ε=−1.198487、D=0.065498、E=−0.024298、F=4.30720×10−3、G=−1.83991×10−4
この実施例1によるレンズ仕様によれば、レンズ全長が13.0mm、Fナンバーが2.8、画角(2ω)が140.7°で、特に歪曲収差が良好に補正されて光学性能が高く、薄型で小型の超広角レンズが得られる。
<条件式の値>
(1)D9/f=1.33/1.07=1.24
(2)f=1.07、f12=−2.78、−3.07<−2.78<−2.65
(3)f=1.07、f4=1.64、1.54<1.64<2.07
(4)ν1=64.1、ν3=18.9、│ν1−ν3│=│64.1−18.9│=45.2>35
物体距離=無限大、レンズ全系の焦点距離(f)=1.07mm、第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離(f12)=−2.78mm、第4レンズの焦点距離(f4)=1.64mm、Fナンバー=2.8、射出瞳位置=2.54mm、レンズ全長=12.7mm、バックフォーカス(空気換算)=1.33mm、画角(2ω)=142.1°、ディストーション(最大値)=−28.7%
<非球面>
第1レンズ1の両面S1,S2、第2レンズ2の両面S3,S4、第4レンズ4の両面S8,S9
<曲率半径>
R1=−42.891mm(非球面)、R2=3.134mm(非球面)、R3=8.753mm(非球面)、R4=2.752mm(非球面)、R5=3.517mm、R6=16.051mm、R7=∞、R8=4.413mm(非球面)、R9=−0.842mm(非球面)
<光軸上の間隔>
D1=1.705mm、D2=1.445mm、D3=1.029mm、D4=0.451mm、D5=2.322mm、D6=0.456mm、D7=0.859mm、D8=2.713mm、D9=1.333mm
<屈折率(Nd)>
N1=1.516330、N2=1.525120、N3=1.922860、N4=1.525120
<アッベ数(νd)>
ν1=64.1、ν2=56.3、ν3=18.9、ν4=56.3
<S1面>
ε=−3.088380、D=2.42501×10−5、E=8.7068×10−7、F=1.439649×10−8、G=−7.20092×10−10
<S2面>
ε=0.068948、D=0.016966、E=−1.78133×10−3、F=3.448596×10−5、G=−2.38016×10−5
<S3面>
ε=8.597569、D=1.124966×10−4、E=3.448596×10−5、F=−2.38019×10−5、G=−7.9818×10−6
<S4面>
ε=−1.273547、D=−0.036151、E=0.013847、F=−2.38603×10−3、G=2.114568×10−4
<S8面>
ε=0.246821、D=−0.039653、E=0.018351、F=−4.78373×10−3、G=5.625891×10−4
<S9面>
ε=−1.201276、D=0.065733、E=−0.024271、F=4.307228×10−3、G=−1.87138×10−4
この実施例2によるレンズ仕様によれば、レンズ全長が12.7mm、Fナンバーが2.8、画角(2ω)が142.1°で、特に歪曲収差が良好に補正されて光学性能が高く、薄型で小型の超広角レンズが得られる。
f レンズ全系の焦点距離
f12 第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離
f4 第4レンズの焦点距離
1 第1レンズ
2 第2レンズ
3 第3レンズ
4 第4レンズ
SD 開口絞り
P 像面
ν1 第1レンズのアッベ数
ν3 第3レンズのアッベ数
D9 第4レンズの像面側の面から像面までの光軸上の間隔
Claims (5)
- 物体側から像面側に向けて順に配列された、
負の屈折率を有し両凹形状の第1レンズと、
負の屈折率を有し像面側よりも物体側の面の曲率半径が大きい第2レンズと、
正の屈折率を有する第3レンズと、
所定の口径をなす開口絞りと、
正の屈折率を有し両凸形状の第4レンズと、からなり、
前記第1レンズ、第2レンズ、及び第4レンズは、物体側及び像面側の両面が非球面でかつ周辺に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されている、
ることを特徴とする超広角レンズ。 - 前記第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、及び第4レンズの少なくとも一つは、樹脂材料により形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の超広角レンズ。 - レンズ全系の焦点距離をf、前記第4レンズの像面側の面から像面までの間隔をD9とするとき、下記条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の超広角レンズ。
(1)1.2<D9/f<1.4 - レンズ全系の焦点距離をf、前記第1レンズ及び第2レンズの合成焦点距離をf12、前記第4レンズの焦点距離をf4とするとき、下記条件式(2),(3)を満足することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の超広角レンズ。
(2)−2.9f<f12<−2.5f
(3)1.45f<f4<1.95f - 前記第1レンズのアッベ数をν1、前記第3レンズのアッベ数をν3とするとき、下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の超広角レンズ。
(4)|ν1−ν3|>35
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