JP4740598B2 - 熱安定酵素の製造方法 - Google Patents

熱安定酵素の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4740598B2
JP4740598B2 JP2004569901A JP2004569901A JP4740598B2 JP 4740598 B2 JP4740598 B2 JP 4740598B2 JP 2004569901 A JP2004569901 A JP 2004569901A JP 2004569901 A JP2004569901 A JP 2004569901A JP 4740598 B2 JP4740598 B2 JP 4740598B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glucose oxidase
glass beads
enzyme
producing
hours
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004569901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006513715A (ja
Inventor
ムンナ, シング サクール,
レヌ, サラス, バブ ベゲスナ,
ナイカンカッテ, ゲネシュ カランス,
マイソレ, アナンサラマイアー クマール,
Original Assignee
カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ filed Critical カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
Publication of JP2006513715A publication Critical patent/JP2006513715A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4740598B2 publication Critical patent/JP4740598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0006Oxidoreductases (1.) acting on CH-OH groups as donors (1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N11/00Carrier-bound or immobilised enzymes; Carrier-bound or immobilised microbial cells; Preparation thereof
    • C12N11/14Enzymes or microbial cells immobilised on or in an inorganic carrier

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

(発明の属する分野)
高い温度での生物学的処理に有用な、熱安定酵素である高い転移温度(Tm)を有するブドウ糖酸化酵素の製造方法で、前記製造方法は、活性化ガラスビーズをアセトン中でアミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によってケイ化する工程、ケイ化されたガラスビーズを約115℃で一晩加熱する工程、加熱処理されたガラスビーズをpH約6.0のリン酸緩衝溶液中でグルタルアルデヒドを用い、真空下および減圧しないでそれぞれ1時間処理する工程、処理されたガラスビーズを約30℃で3〜5時間の保持時間中に間欠的に振とうさせながら酵素にさらす工程、さらにステップ(d)のビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩(sodium cyanoborohydride)を用いて処理することにより、前工程で得られたシッフ塩基を還元する工程、ガラスビーズ上に固定化された熱安定酵素を得る工程、ガラスビーズ上の未使用領域をグリシンでブロック化する工程からなり、また前記熱安定酵素の使用方法、および熱安定酵素、である。
(発明の背景および従来技術)
参考文献としてここに、M.D.ゴーダ、M.S.タッカおよびN.G.カランスによる「たんぱく質を基にした安定化剤の電流バイオセンサ効果を用いた固定化ブドウ糖酸化酵素の安定化に関する研究」(2001)(エレクトロアナリシス、13巻10号、849〜855頁)を挙げる。筆者らは、たんぱく質を基にした安定化剤を用いることでブドウ糖酸化酵素が熱変性に対して安定性を示すことを報告している。たんぱく質を基にした安定化剤は高価であり、膜上の固定化酵素には適しているが、カラム反応器が固体マトリクス上に固定化される酵素と共に通常用いられるフローインジェクションに基づく分析システムで用いるには適していない。従って、本願発明は、酵素のより簡便な方法による固定化に有用であり、フローインジェクション分析に基づくバイオセンサシステム、あるいはより安定性のある生物変換反応のバイオリアクタに用いられる。
参考文献としてここに、L.ボアホン、フ・レンキおよびD.ジャキによる「修飾Y−ゼオライトマトリックス中の酵素の固定化特性とその電流ブドウ糖バイオセンサへの応用」(1997)(アナリティカルケミストリ、69巻、2343〜2348頁)を挙げる。筆者らは、カーボンペースト電極を用いた電流ブドウ糖バイオセンサへ応用するために、修飾Y−ゼオライトマトリクス中での酵素の固定化によって、ブドウ糖酸化酵素を安定化させることを報告している。本研究の欠点は、Y−ゼオライトマトリクスは微粒子形状であり、充填カラム内で液体の流れを妨げるため、フローインジェクション分析システムに適していないことである。
ケイ化技術はこれまで、酵素の効率的な固定化のために固体支持体の表面修飾に用いられてきた。この技術では、アルキル基のようなシラン中の非反応基は、疎水性を呈し(スロボディアノコバ、1979)、表面を荷電状態にさせる。この働きの効果は、用いられるシランの表面の粗さ、濃度および型に依存する(バーティア、1999およびクラス、1999)。この目的に用いられるシランの濃度は、通常2%より低い。しかしながら、シランを固定化酵素の安定性を高めるために用いるという報告はない。
(本願の目的)
本願発明の主な目的は、熱的に安定な酵素を製造する方法を開発することである。
本願発明の他の主な目的は、ブドウ糖酸化酵素の熱安定酵素を製造する方法を開発することである。
本願発明のさらなる目的は、熱安定酵素を高い温度で用いる方法を開発することである。
(本願の要約)
高い温度での生物学的処理に有用な、転移温度(Tm)の高い熱安定酵素の製造方法で、前記製造方法は、活性化ガラスビーズをアセトン中でアミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によってケイ化する工程、ケイ化されたガラスビーズを約115℃で一晩加熱する工程、加熱処理されたガラスビーズをpH約6.0のリン酸緩衝溶液中でグルタルアルデヒドを用い、真空下および減圧しないでそれぞれ1時間処理する工程、処理されたガラスビーズを約30℃で3〜5時間の保持時間中に間欠的に振とうさせながら酵素にさらす工程、さらにステップ(d)のビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩を用いて処理することにより、前工程で得られたシッフ塩基を還元する工程、ガラスビーズ上に固定化された熱安定酵素を得る工程、ガラスビーズ上の未使用領域をグリシンでブロック化する工程からなり、また前記熱安定ブドウ糖酸化酵素の使用方法、および熱安定酵素、である。
(本願発明の詳細な説明)
従って、本願発明は、高い温度での生物学的処理に有用な、転移温度(Tm)の高い熱安定酵素の製造方法に関し、前記製造方法は、活性化ガラスビーズをアセトン中でアミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によってケイ化する工程、ケイ化されたガラスビーズを約115℃で一晩加熱する工程、加熱処理されたガラスビーズをpH約6.0のリン酸緩衝溶液中でグルタルアルデヒドを用い、真空下および減圧しないでそれぞれ1時間処理する工程、処理されたガラスビーズを約30℃で3〜5時間の保持時間中に間欠的に振とうさせながら酵素にさらす工程、さらにステップ(d)のビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩を用いて処理することにより、前工程で得られたシッフ塩基を還元する工程、ガラスビーズ上に固定化された熱安定酵素を得る工程、ガラスビーズ上の未使用領域をグリシンでブロック化する工程からなり、また前記熱安定酵素の使用方法、および熱安定酵素、に関する。
高い温度での生物学的処理に有用な、転移温度(Tm)の高い、熱的に安定なブドウ糖酸化酵素を製造する方法は、下記の工程からなる。
○活性化ガラスビーズをアセトン中でアミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によってケイ化する工程、
○ケイ化されたガラスビーズを約115℃で一晩加熱する工程、
○加熱処理されたガラスビーズをpH約6.0のリン酸緩衝溶液中でグルタルアルデヒドを用い、真空下および減圧しないでそれぞれ1時間処理する工程、
○処理されたガラスビーズを約30℃で3〜5時間の保持時間中に間欠的に振とうさせながら酵素にさらす工程、
○ステップ(d)のビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩を用いて処理することにより、前工程で得られたシッフ塩基を還元する工程、
○ガラスビーズ上に固定化された熱安定酵素を得る工程、
○ガラスビーズ上の未使用領域をグリシンでブロック化する工程。
本願発明の他の実施形態においては、ガラスビーズは直径が0.5〜0.75mmの範囲である。
本願発明の他の実施形態においては、アミノプロピルトリエトキシシランの濃度は1〜8%の範囲である。
本願発明の他の実施形態においては、処理された酵素は80℃の温度で1〜4時間保持しても安定である。
本願発明の他の実施形態においては、グルタルアルデヒドの濃度は2.0〜3.0%の範囲である。
本願発明の他の実施形態においては、グルタルアルデヒドの濃度は約2.5%である。
本願発明の他の実施形態においては、リン酸緩衝溶液の濃度は100〜300mMの範囲である。
本願発明の他の実施形態においては、ビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩で1〜3時間の間、約300Cで処理し、さらに約4℃で約12〜24時間処理する。
本願発明の他の実施形態においては、シアノ化ホウ化水素のナトリウム塩の濃度は、ガラスビーズ1g当たり25〜75mgの範囲である。
本願発明の他の実施形態においては、グリシンの濃度は0.05〜0.5Mである。
本願発明の他の実施形態においては、酵素はブドウ糖酸化酵素である。
本願発明の他の実施形態においては、ガラスビーズを約5%の硝酸液中で約80℃で約3時間煮沸させて活性化する。
本願発明の他の実施形態においては、ビーズ1gに対し、500〜1500国際単位の範囲の酵素をさらす。
本願発明の他の実施形態においては、固定化された酵素は、4℃で、濃度範囲が0.001〜005%のアジ化ナトリウムを含む緩衝液中に保存される。
本願発明の他の実施形態においては、熱的に安定な酵素は転移温度(Tm)約80℃を示す。
本願発明の他の実施形態においては、熱的に安定なブドウ糖酸化酵素を温度約80℃の酵素的工程において用いる方法であり、その方法は酵素を基質にさらす工程と、所望の製品を得る工程からなる。
本願発明の他の実施形態においては、前記酵素はバイオリアクタで用いられる。
本願発明の他の実施形態においては、前記酵素はフローインジェクション分析に基づいたバイオセンサで用いられる。
本願発明の他の実施形態においては、酵素的工程は食品加工および醗酵工程である。
本願発明の他の実施形態においては、請求項16に記載の方法において、酵素はブドウ糖酸化酵素である。
本願発明の他の実施形態においては、温度約80℃の酵素的工程で有用である。
本願発明の他の実施形態においては、上記記載の酵素はブドウ糖酸化酵素である。
本願発明は、バイオリアクタ用途、特にフローインジェクション分析に基づくバイオセンサにおける用途に有用な熱的に安定な酵素の製造工程に関する。
本願発明の他の実施形態においては、酵素の熱的安定性は、固定化酵素に基づいたバイオセンサの利用において重要であり、バイオセンサは食品加工および醗酵工程の監視用途に用いられる。ブドウ糖酸化酵素はブドウ糖バイオセンサに用いられる酵素であり、熱安定性の向上が実用化の課題となっている。酵素の熱安定性はまた、より高温を必要とする生化学プロセスでも必要とされている。多くの酵素および生物派生物質は、熱的に不安定で50〜60℃を超える温度では用いることができない。一部の酵素は、安定剤を取り入れる固定化技術を用いることによって安定化させることが可能である。安定化された酵素バイオリアクタは、たんぱく質固定化研究や工程を監視するため、あるいは酵素生物変換反応のためのバイオセンサ用の熱安定プローブの製造のような、より高温での用途に用いられることが可能である。
本願発明の他の実施形態においては、本願発明の実施形態において、ガラスビーズのケイ化は、1〜8%ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によって行われる。
本願発明の他の実施形態においては、本願発明の他の実施形態において、酵素の活性化支持体に対するカップリング反応中に形成されるシッフ塩基の還元に用いられるシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩は、ガラスビーズ1gに対して25〜75mg程度である。
さらに本願発明の他の実施形態においては、固定化された酵素支持体上の未使用領域をブロックするために用いられるグリシンの濃度は、0.05〜0.15Mである。
ガラスビーズ(直径0.5〜0.75mm)の洗浄は、蒸留水ですすぎ、濃硝酸中で1時間煮沸することによって行われ、5%硝酸溶液中でビーズを80℃で3時間煮沸し、さらに蒸留水で3〜4回すすいで活性化が行われ、そしてアセトン中でアミノプロピルトリエトキシシランを蒸発析出させることによってケイ化が行われる。アミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出は、シランの25ml乾燥アセトン溶液が用いられ、既知の方法(H.ウィータル、(1976)「無機支持体物質のための共有カップリング結合方法」(K.モシュバッハ編、メソッド イン エンザイモロジ、44巻、アカデミックプレス、ニューヨーク、10章、134〜148頁より))によって行われた。
本願発明の他の実施形態においては、フラスコ中のシランに、活性化された1グラムのガラスビーズが加えられ、室温で3時間反応が行われた。次に、減圧することによって、アセトンが気化させられ、ガラスビーズ表面のシラン析出物を得た。そしてビーズは、115℃のオーブン内で一晩加熱し、グルタルアルデヒドの2.5%リン酸緩衝溶液を用いて真空下で1時間処理、さらに減圧しないで1時間処理し、蒸留水および緩衝液でそれぞれ3〜4回完全に洗浄して培養された。緩衝液に溶解したブドウ糖酸化酵素1000国際単位をケイ化ビーズ1gに混合し、間欠的に振とうさせながら室温で3時間放置する。次に、生成されたシッフ塩基を還元するために、シアノ化ホウ化水素のナトリウム塩25〜75mgを加え、室温で1〜3時間放置し、さらに4℃で12〜24時間保持した。
本願発明の他の実施形態においては、固定化された酵素支持体上の未使用領域は、0.05〜0.15Mグリシン溶液を加え室温で1時間放置し、さらに蒸留水と緩衝液でそれぞれ3回洗浄することによって、ブロックされた。微生物汚染を防止するため、0.002%アジ化ナトリウムを緩衝液に加えた後、固定化された酵素は4℃で貯蔵された。
本願発明の他の実施形態においては、ブドウ糖酸化酵素100国際単位をpH6.0の100mMリン酸緩衝溶液1mlに溶解し、その酵素溶液を水浴中で30℃から5℃ずつ3時間保持して75℃まで温度を上げて培養させることによって、溶解性のブドウ糖酸化酵素の熱安定性が確かめられる。30分ごとに試料を採取し、酵素をブドウ糖の50−g/l溶液中で培養して酵素活性化度をチェックし、電流電極によって測定される溶存酸素濃度の低下として活性化度を記録する。
本願発明の他の実施形態においては、濃度の異なるシラン溶液を用いてガラスビーズ上に固定化されたブドウ糖酸化酵素の熱安定性が、固定化された酵素溶液をpH6.0の100mMリン酸緩衝溶液に懸濁させ、水浴中で30℃から5℃ずつ3時間保持して75℃まで温度を上げて培養することによって測定される。30分ごとに試料を採取し、固定化酵素試料を内径3.5mm、長さ40mmのポリカーボネートカラムに流し、残留活性化度を決定するが、気泡がカラム内に入らないように注意し、カラムを以下に述べるフローインジェクション分析システムに固定する。
本願発明の他の実施形態においては、フローインジェクション分析システムでは緩衝液用と試料用に2つのポンプを用いる。試料はバルブから注入されるが、バルブは自動制御または手動制御が可能である。試料は次に1分間に0.8−mlの速さで流れる緩衝液中で透析される。そして透析された試料は固定化酵素カラムを通るが、固定化酵素カラムでは生化学反応が起こって、溶存酸素濃度の低下を引き起こしているので、溶存酸素電極を用いて電圧低下を測定することによって溶存酸素濃度を測定する。
本願発明の他の実施形態においては、ブドウ糖をpH6.5リン酸緩衝溶液を用いてモル濃度50mMとなるように新しく調製し、微生物汚染を防止するため0.002%アジ化ナトリウムを加え、変旋光のために4時間保持し、200μl/分の速度で30秒間注入する。酵素活性化度は、電極の出力電圧が継続的に低下し、上昇前の約2分間で最低を記録する結果となる。ベースラインと応答電圧最低値の違いをブドウ糖濃度に対してプロットする。フローインジェクション分析システムの操作は文献(M.A.カマー、M.S.タッカ、S.センタラン、V.センタラン、N.G.カランス、R.ハッティカール、B.マティアソン、2001)に記載の通りである。
本願発明の他の実施形態においては、ブドウ糖の50−g/l溶液を固定化酵素カラムに通し、ブドウ糖酸化酵素の活性化度を、電流電極によって測定された溶存酸素濃度の低下として測定する。
本願発明の他の実施形態においては、残留活性化度は下記の式から算出された。
残留活性化度A(%)=(b/a)x100
ここで、a=熱処理前の活性化度、b=熱処理後の活性化度である。
全ての酵素安定化実験では、用いられる試料中のブドウ糖濃度は50g/lであり、25〜75℃の範囲において、温度が、異なる濃度のアミノプロピルトリエトキシシラン中のブドウ糖酸化酵素の安定性に与える影響を検討する。
転移温度(Tm)は、3時間培養後も酵素が初期活性化度の50%を維持する最高温度である。
酵素の半減期(T1/2)は、温度70℃において酵素が初期活性化度の50%を維持する時間である。
本願発明の他の実施形態においては、本願発明の新規性は、酵素を修飾しないにもかかわらず、あるいは固定化のために支持体を改良する以外に添加剤を加えないにもかかわらず、固定化酵素が安定化することである。
以下に示す実施例は、本願発明を説明するためのものであり、従って本願発明の範囲を限定するものではない。
直径0.5〜0.75mmのガラスビーズ1gを最初に蒸留水で洗浄し、次に濃硝酸中で1時間煮沸し、5%硝酸溶液中でビーズを80℃で3時間煮沸し、さらに蒸留水で4回すすいで活性化した。2%シランをアセトン中で蒸発析出させることによってガラスビーズをケイ化した(ウィータル、1969)。ケイ化された支持体を115℃のオーブン中で一晩加熱し、グルタルアルデヒドの2.5%リン酸緩衝溶液を用いて真空下で1時間処理、さらに減圧しないで1時間処理した。支持体を蒸留水および緩衝液でそれぞれ3回完全に洗浄した。
緩衝液に溶解したブドウ糖酸化酵素1000国際単位を、支持体1gに混合し、間欠的に振とうさせながら温度30℃で3時間放置した。そしてこの溶液にシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩50mgを加え、温度30℃で1時間、さらに4℃で19時間放置して、生成されたシッフ塩基を還元した。固定化された酵素支持体を水および緩衝液でそれぞれ5回洗浄した。0.1Mグリシン溶液を加え、温度30℃で1時間放置し、さらに蒸留水と緩衝液でそれぞれ3回洗浄し、支持体上の未使用領域をブロックした。微生物汚染を防止するため、0.002%アジ化ナトリウムを緩衝液に加えた。固定化酵素溶液の熱安定性を前述の方法で測定したところ、転移温度(Tm)は65℃、半減期(T1/2)は1時間半であった。3時間保持後の活性化度は、当初の値の92%であった。
シラン濃度4%のものを用いた以外は実施例1と同様にして、ブドウ糖酸化酵素の固定化を行った。3時間保持後の活性化度は、当初の値の250%であり、転移温度は75℃に上昇し、半減期(T1/2)は19時間であった。
シラン濃度6%のものを用いた以外は実施例2と同様にして、ブドウ糖酸化酵素の固定化を行った。3時間保持後の活性化度は、当初の値の60%であり、転移温度は70℃で、T1/2は13時間であった。
固定化されていないブドウ糖酸化酵素100国際単位をpH6.0の100−mMリン酸緩衝溶液1mlに溶解し、熱安定性を測定した。3時間保持後の活性化度は、当初の値の5.2%であり、可溶性酵素の転移温度(Tm)は45.6℃、半減期(T1/2)は1/2時間であった。
本願発明の主な特徴は以下に示すとおりである。
1.固定化酵素システムは、たんぱく質固定化研究や工程監視に用いられるバイオセンサなどの、高温での用途に用いることが可能である。
2.このシステムは、バイオセンサ用途のための熱安定性に優れたプローブの製造に用いることが可能である。
3.ガラスビーズは経済的に優れた酵素固定化の支持体であり、検体をオンラインで分析するフローインジェクション分析システムに用いられる充填床反応器や充填カラム用途に適している。
4.熱に弱い酵素や生体物質を、適当な濃度のシランを用いて安定化させ、高温で用いることが可能である。ケイ化を用いるこの安定化方法は、固定化マトリクスとして他のケイ酸塩含有材料に対しても使用可能性がある。

Claims (18)

  1. 75℃という高い温度での生物学的処理に有用な、高い転移温度(Tm)を有し、熱安定性を有する固定化されたブドウ糖酸化酵素の製造方法において、
    I. ガラスビーズをアセトン中で4%のアミノプロピルトリエトキシシランの蒸発析出によってケイ化する工程、
    II. ケイ化されたガラスビーズを115℃で一晩加熱する工程、
    III. 加熱処理されたガラスビーズをpH6.0のリン酸緩衝溶液中でグルタルアルデヒドを用い、真空下および減圧しないでそれぞれ1時間処理する工程、
    IV. 処理されたガラスビーズを30℃で3〜5時間の保持時間中に間欠的に振とうさせながらブドウ糖酸化酵素にさらす工程、
    V. ステップIV.のビーズをシアノ化ホウ化水素のナトリウム塩を用いて処理することにより、前工程で得られたシッフ塩基を還元する工程、
    VI. ガラスビーズ上に固定化された熱安定酵素を得る工程、
    VII. ガラスビーズ上の未使用領域をグリシンでブロック化する工程
    を有することを特徴とするブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  2. 前記ガラスビーズは直径0.5〜0.75mmである請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  3. 前記処理された酵素は、75℃の温度で1〜4時間保持しても安定である請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  4. 前記グルタルアルデヒドの濃度が2.0〜3.0%の範囲である請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  5. 前記グルタルアルデヒドの濃度が2.5%である請求項4記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  6. 前記リン酸緩衝溶液の濃度が100〜300mMの範囲である請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  7. シアノ化ホウ化水素のナトリウム塩を用いて、ビーズを300℃で1〜3時間、さらに4℃で12〜24時間処理する請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  8. 前記シアノ化ホウ化水素のナトリウム塩の濃度が、ガラスビーズ1グラム当たり25〜75mgである請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  9. 前記グリシンの濃度が0.05〜0.5Mの範囲である請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  10. 前記I.工程の前にガラスビーズを5%の硝酸液中で80℃で3時間煮沸させて活性化する工程を有する請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  11. ビーズ1gに対し、500〜1500国際単位の範囲のブドウ糖酸化酵素をさらす請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  12. 固定化された酵素は、4℃で、濃度範囲が0.001〜0.005%のアジ化ナトリウムを含む緩衝液中に保存される請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  13. 熱的に安定な酵素は転移温度(Tm)75℃を示す請求項1記載のブドウ糖酸化酵素の製造方法。
  14. 請求項1記載の方法により得られた熱安定ブドウ糖酸化酵素。
  15. 請求項14記載の熱安定ブドウ糖酸化酵素を用いたバイオリアクタ。
  16. 請求項14記載の熱安定ブドウ糖酸化酵素を用いたフローインジェクション分析に基づくバイオセンサ。
  17. 請求項14記載の熱安定ブドウ糖酸化酵素を用いた食品加工および醗酵方法
  18. 温度75℃の酵素的工程で有用な請求項1記載の方法により得られた熱安定性を有するブドウ糖酸化酵素。
JP2004569901A 2003-03-28 2003-03-28 熱安定酵素の製造方法 Expired - Fee Related JP4740598B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/IN2003/000095 WO2004085640A1 (en) 2003-03-28 2003-03-28 A process for preparation of thermostable enzyme

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006513715A JP2006513715A (ja) 2006-04-27
JP4740598B2 true JP4740598B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=33042618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004569901A Expired - Fee Related JP4740598B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 熱安定酵素の製造方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1608747B1 (ja)
JP (1) JP4740598B2 (ja)
AT (1) ATE418605T1 (ja)
AU (1) AU2003226627A1 (ja)
DE (1) DE60325513D1 (ja)
WO (1) WO2004085640A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2762561A1 (en) * 2013-01-30 2014-08-06 Inofea GmbH Method of producing nanobiocatalysts
CN109251924A (zh) * 2018-09-30 2019-01-22 江南大学 一种动态键聚合物的制备方法及其在提高酶热稳定性方面的应用
CN117327685B (zh) * 2023-09-27 2024-05-03 华南理工大学 一种提高酶催化活性的方法及应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59146587A (ja) * 1983-02-12 1984-08-22 Matsushita Electric Works Ltd 固定化酵素の製法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3519538A (en) * 1968-09-05 1970-07-07 Corning Glass Works Chemically coupled enzymes
US3953292A (en) * 1974-02-01 1976-04-27 Engelhard Minerals & Chemicals Corporation Enzymes bound to heat-activated attapulgite clay
JPH0653069B2 (ja) * 1985-02-05 1994-07-20 旭化成工業株式会社 耐熱性ビリルビン・オキシダーゼの製造法
JPH01181790A (ja) * 1988-01-18 1989-07-19 Toray Silicone Co Ltd 生理活性物質の固定化方法
EP0405583A1 (en) * 1989-06-30 1991-01-02 Kanzaki Paper Manufacturing Co., Ltd. Method and apparatus for flow analysis with enzyme electrode
JP2862940B2 (ja) * 1989-08-25 1999-03-03 王子製紙株式会社 固定化酵素およびそれを用いる測定装置
CA2064683A1 (en) * 1992-03-26 1993-09-27 Krishna Mohan Rao Kallury Formation of thermostable enzymes with extra-ordinary heat tolerance by immobilization on phospholipid matrices
AU695080B2 (en) * 1994-06-24 1998-08-06 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Thermostable non-reducing saccharide-forming enzyme, its production and uses
US6294281B1 (en) * 1998-06-17 2001-09-25 Therasense, Inc. Biological fuel cell and method

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59146587A (ja) * 1983-02-12 1984-08-22 Matsushita Electric Works Ltd 固定化酵素の製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006513715A (ja) 2006-04-27
DE60325513D1 (de) 2009-02-05
AU2003226627A1 (en) 2004-10-18
EP1608747B1 (en) 2008-12-24
ATE418605T1 (de) 2009-01-15
EP1608747A1 (en) 2005-12-28
WO2004085640A1 (en) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zheng et al. Gold nanoparticles-coated eggshell membrane with immobilized glucose oxidase for fabrication of glucose biosensor
Munjal et al. Stability and properties of mushroom tyrosinase entrapped in alginate, polyacrylamide and gelatin gels
Fisher et al. Structural and kinetic characterization of active-site histidine as a proton shuttle in catalysis by human carbonic anhydrase II
Babu et al. Stabilization of immobilized glucose oxidase against thermal inactivation by silanization for biosensor applications
Guiseppi‐Elie et al. Enzyme microgels in packed‐bed bioreactors with downstream amperometric detection using microfabricated interdigitated microsensor electrode arrays
US9303255B2 (en) Electrode having enzyme crystals immobilized thereon, method for producing electrode having enzyme crystals immobilized thereon, and biological fuel cell and biosensor provided with electrode having enzyme crystals immobilized thereon
JP2004000230A (ja) 新規な酵素固定化形態としての架橋結合された結晶の使用
Villalonga et al. Construction of an amperometric biosensor for xanthine via supramolecular associations
JP4740598B2 (ja) 熱安定酵素の製造方法
US7556945B1 (en) Method for converting sucrose to β-D-glucose
US7267971B2 (en) Process for preparation of thermostable enzyme
Hajizadeh et al. Gamma-irradiation immobilization of lactate oxidase in poly (vinyl alcohol) on platinized graphite electrodes
JP3098591B2 (ja) 3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホ硫酸の製造方法
JPS5835679B2 (ja) コウソハンノウノ ジツシホウホウ
Jensen et al. Enzyme “sequence” electrode for D-gluconate
JP2862940B2 (ja) 固定化酵素およびそれを用いる測定装置
JP2013146264A (ja) アミノ酸オキシダーゼ固定化体及びアミノ酸測定装置
JP2020202825A (ja) 酵素固定化体及びそれを備えた測定装置ならびにアスパラギン及びl−アスパラギン酸の測定方法
Chaubey et al. Immobilization of lactate dehydrogenase on tetraethylorthosilicate-derived sol-gel films for application to lactate biosensor
JPH0332357B2 (ja)
Huang et al. Determination of glutamine in mammalian cell cultures with a flow injection analysis/wall-jet electrode system
Wang et al. The novel biocatalytic cascade ZIF-8 capsule/polysulfone stereostructure and its application in amperometric glucose biosensors
Matsumoto et al. A novel method for the assay of α-glucosidase inhibitory activity using a multi-channel oxygen sensor
RU2054481C1 (ru) Способ получения иммобилизованных ферментов
CN117625572B (zh) 一种制备固定化半乳糖氧化酶的方法及应用

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101217

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110325

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees