JP4738217B2 - 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これら両分極性電極間に介装さ
れたセパレータとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電極には電解液が含浸されて
いる電気二重層キャパシタ及びその製造方法に関する。
電気二重層キャパシタとしては、例えば、炭素材料を主体とする一対の分極性電極の間
に多孔性セパレータを挟んだ素子を、電解液と共に、一対の集電用金属箔とこれら集電用
金属箔を絶縁する絶縁性樹脂によって構成されるケース中に収納したコイン型のものが知
られている。
ここで、上記分極性電極の材料としては、従来、活性炭または繊維状活性炭等の多孔性
炭素材料によって構成されていた。しかしながら、この多孔性炭素材料を分極性電極とし
て用いた電気二重層キャパシタでは、内部抵抗が大きくなるため、大電流が取り出せない
という欠点つまり、高レート特性に劣るという課題を有していた。
また、多孔性炭素材料は複雑なアルカリ賦活処理や水蒸気賦活処理等の製造工程を経る
ことにより作製しなければならないため、製造コストが高騰するという課題もある。更に
、多孔性炭素材料の比表面積は3200m/gでほぼ限界となり、それ以上高めるのは困難である。
このようなことを考慮して、上記分極性電極の材料としてフラーレンを用いる提案(下
記特許文献1参照)や、分極性電極の材料にカーボンナノチューブを含めるという提案(
下記特許文献2参照)がなされている。上記フラーレンやカーボンナノチューブは、工業
的製法としてアーク放電等の物理相成長的手法によって得られるものであり、分極性電極
の材料として用いた場合には、活性炭または繊維状活性炭等の多孔性炭素材料を用いた場
合よりも高レート特性が改善される。
特開平10−97956号公報 特開2000−124079号公報
しかしながら、上記従来の発明では、電気二重層キャパシタの容量の更なる向上を図る
べく、フラーレンに対して長時間のアルカリ賦活処理や水蒸気賦活処理等を実施したり、
カーボンナノチューブに対して長時間のアルカリ賦活処理を実施したりすると、フラーレ
ンやカーボンナノチューブの分子構造が破壊されるため、更なる高容量化を図ることがで
きないという課題を有していた。
そこで、本発明は、高レート特性の改良と高容量化とを図ると共に、製造コストを低減
することができる電気二重層キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
上記目的を達成するために本発明は、各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これ
ら両分極性電極間に介装されたセパレータとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電
極と上記セパレータとには電解液が含浸されている電気二重層キャパシタにおいて、上記
一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料には、マイクロ波賦活処
理がなされたフラーレンが含まれることを特徴とする。
上記構成の如く、一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料には、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレン、またはカーボンナノチューブが含まれていれば、電気二重層キャパシタの高レート特性を改良でき、且つ大容量化を達成できる。これは、以下に示す理由によるものと考えられる。
前記背景技術の項で説明したアルカリ賦活処理や水蒸気賦活処理等の賦活処理では、フ
ラーレン分子の外部のみからしか侵食しないので、この処理が長時間にわたって行われる
とフラーレン分子が破壊される。これに対して、マイクロ波賦活処理を用いた場合、材料
内部から均一、且つ、急速に加熱されて賦活現象が生じる為に、分子構造が破壊されるこ
となく、均一で大きな比表面積(比表面積3500m/g程度)を有するフラーレンを得ることができると考えられる。
加えて、フラーレンにマイクロ波を照射して加熱するだけで、賦活処理を行うことがで
きるので、電気二重層キャパシタの製造コストの低減を図ることもできる。
ここで、上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料を、マイ
クロ波賦活処理がなされたフラーレンのみから構成するのが望ましい。
このような構成であれば、電気二重層キャパシタの高レート特性を一層改良でき、且つ
更なる大容量化を達成できるからである。
また、上記フラーレンとして、1分子あたりの炭素数が60及び70の混合物で、かつ
球状であるものを用いるのが望ましい。
フラーレンとして、1分子あたり炭素数が60及び70の混合物で、かつ球状であるものは、対象的な構造を有しており、特に酸化安定性に優れている。したがって、このフラーレンを主体とする分極性電極を用いた電気二重層キャパシタは、電極自身の酸化によるガス発生がなく、信頼性が高くなるからである。
上記目的を達成するために本発明は、炭素材料であるフラーレンをマイクロ波賦活処理するステップと、上記マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンから成る炭素材料と結着剤とを含む電極を作製するステップと、上記ステップで作製した電極を、一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極として用い、一対の分極性電極間にセパレータを配置すると共に、両分極性電極とセパレータとに電解液を含浸させるステップと、を有することを特徴とする。
上記方法であれば、上述の電気二重層キャパシタを容易に製造することが出来る。
また、上記目的を達成するために本発明は、各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これら両分極性電極に介装されたセパレータとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電極と上記セパレータとには電解液が含浸されている電気二重層キャパシタにおいて、上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料には、800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブが含まれることを特徴とする。
上記構成の如く、一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料には、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブが含まれていれば、電気二重層キャパシタの高レート特性を改良でき、且つ大容量化を達成できる。これは、以下に示す理由によるものと考えられる。
カーボンナノチューブにマイクロ波賦活処理を行と、ミクロ孔、マクロ孔が形成されて表面積が大きくなると共に、グラフェンシートの直径も一層大きくなるため、グラフェン構造層間距離がより大きくなるということ、これらのことによりイオン篩効果が発現し難くなるということ、及び、単層構造のカーボンナノチューブにおいてもグラフェンシートの表面積が大きくなる等の理由によるものと考えられる。
また、マイクロ波賦活処理を用いた場合には、材料内部から均一、且つ、急速に加熱されて賦活現象が生じる為に、分子構造が破壊されることがない。
加えて、フラーレンにマイクロ波を照射して加熱するだけで、賦活処理を行うことができるので、電気二重層キャパシタの製造コストの低減を図ることもできる。
ここで、上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料が、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブのみから構成するのが望ましい。
このような構成であれば、電気二重層キャパシタの高レート特性を一層改良でき、且つ更なる大容量化を達成できるからである。
また、上記マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブにおけるグラフェン構造層間距離が4.0Å以上であることが望ましく、特に、5.3Å以上であることが望ましい。
このように規制するのは、グラフェン構造層間距離が4.0Å以上の場合に、急激に、比表面積及び単位電極材重量あたりの容量が増加し、特に、5.3Å以上であれば比表面積及び単位電極材重量あたりの容量が極めて増加(例えば、グラフェン構造層間距離が5.3Å以上であれば比表面積が約3500m/g以上となる)からである。
上記目的を達成するために本発明は、カーボンナノチューブを800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理するステップと、上記マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブから成る炭素材料と結着剤とを含む電極を作製するステップと、上記ステップで作製した電極を、一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極として用い、一対の分極性電極間にセパレータを配置すると共に、両分極性電極とセパレータとに電解液を含浸させるステップと、を有することを特徴とする。
上記方法であれば、上述の電気二重層キャパシタを容易に製造することができる。ここで、カーボンナノチューブをマイクロ波賦活処理するステップで、マイクロ波賦活処理時の賦活温度が800℃以上であることが望ましい。
このように規制するのは、マイクロ波賦活処理時の賦活温度が800℃以上であれば、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブにおけるグラフェン構造層間距離が5.3Å以上となるからである。
上記目的を達成するために本発明は、各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これら両分極性電極間に介装されたセパレータとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電極と上記セパレータとには電解液が含浸されている電気二重層キャパシタにおいて、上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極の炭素材料には、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンと、800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブとが含まれることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明は、フラーレンをマイクロ波賦活処理すると共に、カーボンナノチューブを800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理するステップと、上記マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンと、上記800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブとから成る炭素材料と結着剤とを含む電極を作製するステップと、上記ステップで作製した電極を、一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極として用い、一対の分極性電極間にセパレータを配置すると共に、両分極性電極とセパレータとに電解液を含浸させるステップと、を有することを特徴とする。
尚、分極性電極およびセパレータに含浸させる電解液としては、有機溶媒に電解質を溶解したものが利用できる。上記有機溶媒としては、カーポネート類、アルコール帯、ニトリル類、アミド類、エーテル類などを単独で、または混合物として用いることができる。また、上記電解質としては、プロトン、アルカリ金属イオン、4級アンモニウムイオン、
4級ホスホニウムイオンなどの単独あるいは複数のカチオンと、スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、6フッ化ヒ素イオン、ハロゲンイオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンの単独あるいは複数のアニオンを組み合せたものを用いることができる。
更に、セパレータは、両分極性電極の電気的な短絡を防ぎ、電気化学的に安定でイオン透過性が大きく、ある程度の機械強度を備えた絶縁性の多孔体であればよく、具体的には、不織布あるいは多孔性のポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、セルロース(紙)製セパレータなどを用いることができる。
本発明によれば、製造コストを低減しつつ、電気二重層キャパシタの高レート特性の改良と高容量化とを達成することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
[第1の形態]
本発明の一例である電気二重層キャパシタは、図1に示すように、共にマイクロ波加熱法により賦活処理を行なったフラーレン等からなる第1分極性電極(正極)1と第2分極性電極(負極)2とが、セルロース系不織布から成るセパレータ3を介した状態で対向配置された電極体4を有している。この電極体4は、共にエッチドアルミニウム箔からなる2つの集電体5,6と、絶縁性樹脂7とで構成される収納空間に収納されている。また、前記電極体4には電解液が含浸されていると共に、前記第1分極性電極1は集電体5と、第2分極性電極2は集電体6と電気的に接続されている。
尚、電気二重層キャパシタの厚みは3.2mm、直径は15.0mmである。
ここで、上記電気二重層キャパシタを、以下のようにして作製した。
(分極性電極の作製)
先ず、球状であり且つ1分子あたりの炭素数が60及び70のフラーレンC60とフラーレンC70とを、両者の重量比が3:1となるように混合した混合物に、下記条件でマイクロ波を照射して、その賦活処理を行った。尚、このマイクロ波賦活処理が成されたフラーレン〈活物質〉の比表面積を、BET法で測定したところ、3500m/gであった。
・マイクロ波照射条件
温度:800℃
時間:30分
次に、上記マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンと、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンとを、8:1:1の重量比になるように混合し、該混合物を円板状に成形した後、150℃で2時間真空乾燥させて第1分極性電極及び第2分極性電極を作製した。
(電解液の調整)
プロピレンカーボネートからなる有機溶媒に、支持塩であるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて電解液を調製した。
(コイン型電気二重層キャパンタの組立て)
上記第1分極性電極1と第2分極性電極2とを、セルロース系不織布から成るセパレータ3を介した状態で対向配置させて電極体4を作製すると共に、電極体4に電解液を含浸させた後、この電極体4を、エッチドアルミニウム箔からなる2つの集電体5,6と絶縁性樹脂7とで構成される収納空間に収納することにより作製した。
[第2の形態]
活物質の作製を、以下のようにして行った以外は、上記第1の形態と同様にしてコイン型電気二重層キャパシタを作製した。
先ず、下記条件でグラファイトをターゲットとしてCOレーザーを界射するレーザーアプリケイション法により、カーボンナノチューブの集合体を作製した後、各カーボンナノチューブの端部に存在する略半球部を取り除いて開口処理を行なうべく、硝酸溶液にてカーボンナノチューブを処理した。これにより、無蓋円筒状のカーボンナノチューブが作製されることになる。尚、カーボンナノチューブはグラフェンシート(炭素原子が六角形の頂点に整然と並んでいる)が円筒状に丸まった構造をしており、多層構造のカーボンナノチューブでは2枚以上で構成され、単層構造のカーボンナノチューブでは1枚で構成される。
・CO2レーザー照射条件
温度:室温
圧力:760Torr
雰囲気:不活性アルゴンガス雰囲気
次に、上記無蓋円筒状のカーボンナノチューブに、下記条件でマイクロ波を照射して、その賦活処理を行った。尚、このマイクロ波賦活処理が成されたカーボンナノチューブ(活物質)は比表面積が3500mm/gであった。
・マイクロ波照射条件
温度:800℃
時間:30分
〔第1実施例]
(実施例)
実施例としては、前記第1の形態で示した電気二重層キャパシタを用いた。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、本発明キャパシタAと称する。
(比較例1)
両分極性電極の炭素材料(活物質)として、活性炭と水酸化カリウムとを4:1の重量比で混合して500℃で60分間攪拌するという条件でアルカリ賦活処理を行ったアルカリ賦活処理活性炭を用いた以外は、上記実施例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、比較キャパシタX1と称する。
(比較例2)
分極性電極の炭素材料として、賦活処理を行っていないフラーレン(未処理フラーレン)を用いた以外は、上記実施例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、比較キャパシタX2と称する。
(比較例3)
分極性電極の炭素材料として、フラーレンと水酸化カリウムとを4:1の重量比で混合して500℃60分間攪拌するという条件でアルカリ賦活処理を行ったアルカリ賦活処理フラーレンを用いた以外は、上記実施例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、比較キャパシタX3と称する。
(実験1)
上記本発明キャパシタA及び比較キャパシタX1〜X3について、各電極材重量あたり
100mAの電流密度で定電流充放電を行い、放電曲線より直流静電容量及び内部抵抗を
求め、単位電極材重量あたりの容量(Ca p)を算出すると共に、比表面積を調べたので、その結果を表1に示す。尚、資料数は各キャパシタ20個であり、表1にはその平均値を示している。
Figure 0004738217
上記表1から明らかなように、単位電極材重量あたりの容量について、比較キャパシタ
X1〜X3では41.1〜46.1F/gであるのに対して、本発明キャパシタAでは60.5F/gであり、比較キャパシタX1〜X3に比べて容量が大きくなっていることが認められる。これは、比較キャパシタX1〜X3では比表面積が1600〜3200m2/gで小さいのに対して、本発明キャパシタAでは比表面頼が3500m2/gであり、比較キャバシタX1〜X3に比べて比表面積が大きくなっていること等に起因するものと考えられる。
(実験2)
上記本発明キャパシタAで用いたマイクロ波賦活処理フラーレンと、比較キャパシタX2で用いた未処理フラーレンと、比較キャパシタX3で用いたアルカリ賦活処理フラーレンとにおける、カリウム残存量を測定したので、その結果を表2に示す。尚、測定は、誘導結合プラズマ発光分析法(IPC)を用いた。
Figure 0004738217
上記表2から明らかなように、比較キャパシタX2、X3ではカリウム残存量が250
及び680ppmであるのに対して、本発明キャパシタAではカリウム残存量が200ppmであり、比較キャパシタX1〜X3に比ペてカリウム残存量が少なくなっていることが認められる。
[第2実施例]
(実施例1)
実施例としては、前記第2の形態で示した電気二重層キャパシタを用いた。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、本発明キャパシタB1と称する。
(実施例2〜4)
マイクロ波賦活処理を施す際の温度を、それぞれ、500℃、650℃、950℃とした以外は、上記実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下それぞれ、本発明キャパシタB2〜4と称する。
(比較例1)
比較例1としては、上記第1実施例の比較例1で示した比較キャパシタX1を用いた。
(比較例2)
分極性電極の炭素材料〈活物質)として、賦活処理を行っていないカーボンナノチューブ(未処理カーボンナノチューブ)を用いた以外は、上記実施例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
このようにして作製した電気二重層キャパシタを、以下、比較キャパシタYと称する。
(実験1)
上記本発明キャパシタB1〜B4及び比較キャパシタX1、Yについて、各電極材重量あたり各100mA、500mA、1000mAの電流密度で定電流充放電を行い、放電曲線より直流静電容量及び内部抵抗を求め、単位電極材重量あたりの容量(Cap)を算出すると共に、グラフェン構造層間距離(グラフェンシートを複数備えた多層構造のカーボンナノチューブにおけるグラフェンシート間の距離)と比表面積とを調べたので、その結果を表3に示す。尚、資料数は各キャパシタ20個であり、表3にはその平均値を示している。また、グラフェン構造層間距離は、X線回折法(X線管球はCu、電圧は200kv)で求めた。
Figure 0004738217
上記表3から明らかなように、炭素材料としてカーボンナノチューブを用いた場合であっても、マイクロ波賦活処理が行なわれた本発明キャパシタB1〜B4は、マイクロ波賦活処理が行なわれていない比較キャパシタYに比べて、単位電極材重量あたりの容量が増加していることが認められる。
これは、以下に示す理由によるものと考えられる。
即ち、カーボンナノチューブにマイクロ波賦活処理を行うと、グラフェンシートを構成
している網目の格子間隔の一部が拡幅することにより、ミクロ孔、マクロ孔がさらに形成
されて表面積が大きくなると共に、無蓋円筒状のグラフェンシートの直径も大きくなるため、多層構造のカーボンナノチューブではグラフェン構造層間距離が大きくなる。
また、上記グラフェン構造層間距離の増大及び上記ミクロ孔、マクロ孔の形成により、
電解液中の電解質イオンとの相互作用によるイオン篩効果が発現し難くなる。
さらに、マイクロ波賦活処理によりグラフェンシートを構成している綱目の格子間隔の
一部が切れることにより、単層構造のカーボンナノチューブにおいてもグラフェンシート
の表面積が大きくなる等の理由によるものと考えられる。
また、炭素材料としてカーボンナノチューブを用い、且つマイクロ波賦活処理時の温度
が800℃以上の本発明キャパシタB1、B4は、炭素材料として活性炭を用い、且つこ
の活性炭をアルカリ賦活処理した比較キャパシタX1よりも、単位電極材重量あたりの容
量が増加していることが認められる。
これは、マイクロ波賦括処理時の温度が800℃以上のカーボンナノチューブにおいて
は、グラフェン構造層間距離がさらに大きくなり、比表面積も増加するということに起因
するものと考えられる。
次に、グラフェン構造層間距離と比表面積、及び、グラフェン構造層間距離と単位電極
材重量あたりの容量との関係をグラフ化したので、これらの結果を図2に示す。
図2から明らかなように、グラフェン構造層間距離の増加とともに、比表面積及び単位
電極材重量あたりの容量の増加の割合が大きくなることが認められ、特に、グラフェン構
造層間距離が3.86Åから4.02Åの間において、急激に、比表面積及び単位電極材
重量あたりの容量が増加している。
これは、カーボンナノチューブに高温でマイクロ波賦活処理を行うと、ミクロ孔、マク
ロ孔がさらに形成されて表面積が一層大きくなると共に、無蓋円筒状のグラフェンシー
トの直径も一層大きくなるため、グラフェン構造層間距離がより大きくなるということ、
これらのことによりイオン篩効果が一層発現し難くなるということ、及び、単層構造のカ
ーボンナノチューブにおいてもグラフェンシートの表面積が一層大きくなる等の理由によ
ると考えられる。
{その他の事項}
(1)上記第1実施例では、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンを第1分極性電極
(正極)と第2分権性電極(負極)とに用いているが、このような構造に限定するもので
はなく、一方の分極性電極のみに用いても良いことは勿論である。また、炭素材料として
は、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンのみを用いる構成に限定するものではなく、例えば、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンと活性炭とを混合したものを用いて
も良い。
(2〉上記第1実施例で用いたフラーレンは純粋な炭素のみからなり、炭素の五員環と六
員環から形成され、さまざまな構造を有するものである。したがって、フラーレンとして
は、球状であり且つ1分子あたりの炭素数がそれぞれ60及び70であるフラーレンC60及びフラーレンC70に限定するものではない。
(3)上記第2実施例では、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブを第1
分極性電極(正極)と第2分極性電極(負極)とに用いているが、このような構造に限定
するものではなく、一方の分極性電極のみに用いても良いことは勿論である。また、炭素
材料としては、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブのみを用いる構成に
限定するものではなく、例えば、マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブと
活性炭とを混合したものを用いても良い。
(4)上記第2実施例で用いたカーボンナノチューブは、単層のもの、多層のもの等あるが、いずれも網目の構造を有するので同様の効果となる。したがって、特定種のものに限定されるものではない。
(5)炭素材料としては、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンとマイクロ波賦活処
理がなされたカーボンナノチューブとを混合して用いることも可能である。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末のメモリ等のバ
ックアップ用電源、瞬間停電補償用又はハイブリッド自動車用の電気二重層などに適用す
ることができる。
本発明の電気二重層キャパシタの断面図である。 グラフェン構造層間距離と比表面積及び単位電極材重量あたりの容量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:第1分極性電極(正極)
2:第2分極性電極(負極)
3:セパレータ
4:電極体

Claims (7)

  1. 各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これら両分極性電極間に介装されたセパレ−タとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電極と上記セパレータとには電解液が含浸されている電気二重層キャパシタにおいて、
    上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極材料には、マイクロ波賦活処理がなされたフラーレンが含まれることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 各々炭素材料を備えた一対の分極性電極と、これら両分極性電極間に介装されたセパレ−タとからなる電極体を有し、且つ上記両分極性電極と上記セパレータとには電解液が含浸されている電気二重層キャパシタにおいて、
    上記一対の分極性電極のうち少なくとも一方の分極性電極材料には800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブが含まれることを特徴とする電気二重キャパシタ。
  3. 上記フラーレンとして、1分子あたりの炭素数が60及び70の混合物で、かつ球状であるものを用いる、請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  4. フラーレンをマイクロ波賦活処理するステップと、
    上記マイク波賦活処理がなされたフラーレンから成る炭素材料と結着剤とを含む電極を作製するステップと、
    上記ステップで作製した電極を、一対の分極電極のうち少なくとも一方の分極性電極として用い、一対の分極性電極間にセパレータを配置すると共に、両分極性電極とセパレータとに電解液を含浸させるステップと、
    を有することを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
  5. 上記フラーレンとして、1分子あたりの炭素数が60又は70の混合物で、かつ球状で
    あるものを用いる、請求項4記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
  6. カーボンナノチューブを800度以上の賦活温度でマイクロ波賦活処理するステップと、
    上記マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブから成る炭素材料と結着剤とを含む電極を作製するステップと、
    上記ステップで作製した電極を、一対の分極電極のうち少なくとも一方の分極性電極として用い、一対の分極性電極間にセパレータを配置すると共に、両分極性電極とセパレータとに電解液を含浸させるステップと、
    を有することを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
  7. 上記マイクロ波賦活処理がなされたカーボンナノチューブにおけるグラフェン構造層間距離が5.3Å以上である、請求項2記載の電気二重層キャパシタ。
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