JP4737584B2 - 食用油の包装収納方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用油を他所に効率良く輸送供給するための食用油の供給包装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食生活の向上と洋風化に伴い、食材を加工するために使用する食用油の消費量が増加してきている。
それと共に物流量も増えていることから、トラック等による消費地への輸送供給を極力効率的に行うことが重要となっている。
ところで、食料油は、原料から精選工程、抽出工程、及び精製工程を経由して製造される。
【0003】
この工程を簡単に述べると、先ず、原料は雑穀や石等のきょう雑物が取り除かれて精選され(精選工程)、その後で、前処理として圧扁が行われる。
更に圧扁した原料を抽出容器に入れ溶剤を加えて原料中の油脂を溶剤に移行させ蒸留装置により揮発性の溶剤と油脂部分に分けて原油として抽出する(抽出工程)。
抽出された原油は不純物を除去すべく精製される(精製工程)。
【0004】
そして業務用の食用油であれば、充填機に供給され、1斗缶と呼ばれる金属容器300に充填され金属蓋を締め付けて包装される。
この金属容器300は、食用油の製造施設内に設けられた貯蔵施設から、トラックなどの運搬手段を使って、倉庫や配送センターや問屋などの保管施設に移送される。
その後、保管施設から需要者である食品製造工場、食堂、レストラン等にトラック等の運搬手段により移送される。
【0005】
一方、家庭用の食料油であれば、充填機に供給され、ガラス瓶、プラスチック瓶或いは底が広く起立できるプラスチック容器であるスタンディングパウチ(社団法人日本包装技術協会発行「包装技術」平成11年11月号第16頁〜第947頁,参照)に充填し包装される。
そして、これらは貯蔵施設からトラックなどの運搬手段を使って、配送センターや問屋に移送される。
その後、需要者であるスーパーマーケットや食品小売店等の各店舗にトラック等の運搬手段を使って運ばれることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような食料油の供給システムでは、以下のような幾つかの問題点がある。
先ず、ガラス瓶、プラスチック瓶、金属製缶、或いはスタンディングパウチでは、中身を完全に取出すことが困難であることから、内面に付着する油(残油)が発生し(例えば、1斗缶当り50g程度)、どうしても残油ロスは避けられない。
特に金属製缶の場合は開封に熟練が要る上、開封後、必然的に鋭いエッジが残ることから怪我等の事故の原因にもなる。
【0007】
また、使用後のガラス瓶、プラスチック瓶、金属製缶、或いはスタンディングパウチは、廃棄するまで保管する必要があるが、嵩張ることから、特に業務用の場合は広い保管場所(バックヤード)の確保が必要である。
また、それを回収する廃缶処理は、毎年、法的規制が厳しくなっており、且つ処理業者も最近減少しているのが現状である。
【0008】
特に、スタンドパウチを使った場合は、比較的小容量であるため一般家庭の消費者にとっては便利であるが、供給側では回転テーブルを有する特有の充填装置(いわゆる水平ロータリーテーブル型給袋充填包装ライン)を必要とすることから、充填工程の設置面積が大きくなる欠点がある。
その上、輸送時に転倒を防止するための仕切り板が必要となりこれも不便である。
【0009】
また、これらのガラス瓶、プラスチック瓶、金属製缶、或いはスタンディングパウチは、いずれもコンテナ容器に積載収納した際に、相互間に間隙が生じて、輸送効率が悪い。
特に、最近の高速輸送時に、その空隙により互いが衝突し合って、変形が生じ易く、極端には破損することもある。
【0010】
また、食用油の充填工程において、いずれの容器も空のものを前もって用意しておく必要があり、そのため保管場所を常に確保しなければならない。
このように、従来の供給システムにおいては、貯蓄施設(貯蓄場所)から消費場所に至る過程で、輸送(移送)又は作業の安全性や効率の点から見て必ずしも満足した供給体制とはなっていない。
すなわち本発明の目的は、食用油をある地点から別の地点に効率よく且つ安全に供給輸送できる食用油の供給包装方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先述したような問題点を解決すべく鋭意検討した結果、意外にも、外装容器に収納する小容器を特有のものにすることにより、食用油の供給包装方法としても且つ食用油集積包装体(荷姿)としても、極めて優れたものとなることを見出し、この知見を基に本発明を完成させたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、(1)、食用油を連続工程にて充填する食用油の包装収納方法であって、巻きロールから連続供給されるプラスチックフィルムを充填ローダの周囲を取り巻く整形筒によって円筒状に整形し、該円筒状に整形したプラスチックフィルムの縦方向の重合部を熱シールして円筒状の中空のプラスチックフィルムとし、該中空のプラスチックフィルムを送りロールにて下方へ送りながら、送りロールの下方に配置した一対の扱きロールにより中空のプラスチックフィルムを閉鎖した状態で貯蔵タンク内の食用油を充填ローダより充填するとともに、その閉鎖状態で扱きロールを通過した中空のプラスチックフィルムの一部を、一対の熱シール機によってシールして横シール部とし、その後、扱きロールによる閉鎖を開放した後、再び閉鎖して充填ローダより同様に充填し、中空のプラスチックフィルムの一部をシールして横シール部とし、該中空のプラスチックフィルムからシールされた独立のプラスチック柔軟袋を切り離すことにより、食用油の充填率が0.6〜2.4cc/c m 2の偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋を形成する充填工程と、該プラスチック柔軟袋を外装容器に横置き状態で複数段積み重ねて積載して収納する収納工程とを備えた食用油の包装収納方法に存する。
【0014】
そしてまた、(2)、25℃における粘度が50〜75csの食用油が充填された偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋を、プラスチック板で形成された外壁と内壁の間に中空部を有する、中空二重壁構造の折り畳み自在な外装容器に積載する上記(1)記載の食用油の包装収納方法に存する。
【0016】
本発明は、この目的の沿ったものであれば、上記1〜2を組み合わせた構成も採用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の供給包装方法は、図1に示すように、貯蔵場所には食用油をプラスチック柔軟袋に充填するための充填工程及び該ラスチック柔軟袋を外装容器に積載して収納するための収納工程とを備えており、他方の消費場所には、前記外装容器を開封してプラスチック柔軟袋を取り出すための第1開封工程と該プラスチック柔軟袋を開封して食用油を取り出すための第2開封工程とを備えており、食用油が貯蔵場所から消費場所に移送されて消費されるものであるが、ここで先ず、貯蔵場所に食用油を輸送供給するための前工程を述べる。
【0018】
最初、製造施設においては、原料は各種選別機により雑穀や石等のきょう雑物を取り除かれて精選される(精選工程)。
なお、原料である大豆、なたね、とうもろこし、ひまわり等の油脂原料穀物は穀物専用船により各国から運ばれ、原料サイロに蓄えられているものである。
そして、原料を破砕・加熱し油分を取出し易くするため抽出の前処理として圧扁が行われる。
圧扁した原料を抽出容器に入れ溶剤を加えると、原料中の油脂が溶剤に移行する。
【0019】
この操作を連続的に行い、油脂溶液を蒸留装置により揮発性の溶剤と油脂部分に分けて原油を抽出するのである(抽出工程)。
抽出された原油には蛋白質、ガム質、脂肪酸、色素、微細なきょう雑物などの不純物が含まれており、それらの不純物を除去すべく精製を行う(精製工程)。
その後、精製した食用油は、必要に応じて2種以上を混合して製品となる。
ここで、製品となった食用植物油は、食用サフラワー油、大豆油、ひまわり油、ニガー油、とうもろこし油、棉実油、ごま油、菜種油、米油、ガーリック油、落花生油、オリーブ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、パーム核油、やし油といわれるもので、これらを組み合わせ調合した調合油もある。
【0020】
このように、精選、抽出、精製の各工程を経ることにより製造された食用油は、タンクローリーなどの大量輸送手段を使って製造施設1から貯蔵場所(貯蔵施設)に移送される。
貯蔵場所P1に移送された食用油はそこに設置された貯蔵タンク11(例えば容量10〜50トン)に貯蔵される。
この貯蔵場所P1においてプラスチック柔軟袋への食用油の充填工程、及びプラスチック柔軟袋を外装容器に積載して収納する収納工程が遂行されるので、この点について以下に説明する。
【0021】
A)食用油をプラスチック柔軟袋への充填する充填工程(図2に示す「縦型製袋同時充填包装ライン」参照)。
貯蔵タンク11内に貯蔵された食用油は、最初に、充填ローダ12に供給される。
一方、包装用のプラスチック柔軟袋2の出発点となるプラスチックフィルム1は、巻きロール14として準備されている。
【0022】
そして、巻きロール14から供給される帯状になったプラスチックフィルム1は、充填ローダ12の周囲を取り巻く整形筒であるフォーマ15を介して円筒状に整形され、順次上方から下方にかけて連続して移動される。
同時にこの筒状のプラスチックフィルム1を移動する過程において、プラスチックフィルム1の縦方向の重合部Yが、縦シール機16に内蔵された縦シールヒータによって熱シールされ、連続状をなす中空のプラスチックフィルム1が成形される。
中空のプラスチックフィルム1は、それを下方に送るための送りロール17にて送られる。
【0023】
次に送りロール17の下方に配置した一対の扱きロール18が、中空のプラスチックフィルム下端を閉塞した状態で、充填ローダ12より供給された食用油Fがこの中空のプラスチックフィルム内に充填される。
食用油の充填された中空のプラスチックフィルム1は、その下端において食用油を扱いて閉塞された部分を、一対の横シール機19によってシールされる。
【0024】
すなわち、上方の中空のプラスチックフィルム1の下端を熱シールして横シール部Xを得るとともに、下方の中空のプラスチックフィルムの上端を熱シールして上端の横シール部Xを得るのである。
このように、連続状に連なる中空のプラスチックフィルム1は、順次下方に移動し、一対の横シール兼カッタ20によって、独立すべく切り離される。
【0025】
すなわち、上方に連なる中空のプラスチックフィルム1の下端の横シール部Xが再度熱シールされるとともに、下方に連続して連なる中空のプラスチックフィルムは分離切断され食用油の充填された偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋2となる。
上記のようにして、食用油の個包装形態である偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋2が形成されるのである。
【0026】
B)プラスチック柔軟袋を外装容器に積載して収納する収容工程(図3参照)。
上述のように食用油の充填されたプラスチック柔軟袋2は、例えばコンベヤ21等にて移送され、順次、外装容器3に収容される(なお、外装容器は、既に組み立てられたものを使う)。
【0027】
ここで収容に際しては、外装容器3に仕切板を使用することなく、食用油のプラスチック柔軟袋を縦シール部が略水平位置となるように横置き状態にすることができる。
その横置きのプラスチック柔軟袋を上方に複数段積み重ねて積載し、横方向にも同様に並列配置していく。
このように、偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋なので横置きが可能となり、その上、横置きされたプラスチック柔軟袋内の食用油は、各プラスチック柔軟袋の相互の間隙や外装容器との間の間隙を均一に埋めるように作用する。
【0028】
そのため集積包装体として空隙が極めて少な且つ均一なプラスチック柔軟袋の積載収納が可能となる。
特に食用油が持つ粘性の範囲〔例えば、粘度;50〜75cs(センチストーク),25℃〕においては、上記の作用が極めて顕著である。
【0029】
そのため外装容器に積載収納された状態でトラック等により他場所に輸送される場合、プラスチック柔軟袋相互の衝突が回避され安定した荷姿を維持することができる。
このようにプラスチック柔軟袋2が積載収納された外装容器3は、貯蔵場所P1から食品製造工場や、食堂、レストラン、ホテル等の各店舗である消費場所P2に、トラック等の運搬手段を使って移送される。
【0030】
もっとも、貯蔵場所P1より、配送センター、問屋等の中間店を介して、上記の各消費場所P2に運ばれることもある。
この消費場所P2において、外装容器3を開封してプラスチック柔軟袋2を取り出すための第1開封工程、及びプラスチック柔軟袋2を開封して食用油を取り出すための第2開封工程が遂行される。
【0031】
その点について簡単に以下述べることにする。
C)外装容器を開封してプラスチック柔軟袋を取り出す第1開封工程(図4参照)。
消費場所P2に運搬された外装容器3は、蓋体33が開けられ、中に収納されたプラスチック柔軟袋2が取り出される。
この取り出しの際にプラスチック柔軟袋2を手で掴んだ場合、該袋の周囲全体に均等に充填圧が伝わるためにプラスチック柔軟袋2の周囲のどの部分を掴んでも同様な把持力を得られる。
【0032】
D)プラスチック柔軟袋を開封して食用油を取り出す第2開封工程(図5参照)。
取り出されたプラスチック柔軟袋2は開封され、食用油はトレイ等に排出される。
ここでの開封は横シール部を含む隅部を切断し開口部3Aを形成することにより行われる。
このように、プラスチック柔軟袋2から、一定の量の食用油がバッチ的にその都度全部排出されるため、従来のガラス瓶、プラスチック瓶、或いは金属製缶のように、残量があるまま経過して賞味期限を逸することは極力避けられる。
【0033】
プラスチック柔軟袋2から食用油を排出した後は、プラスチック柔軟袋自体は容積が殆どなくなり一枚のシート状となり嵩張らないことから、回収また廃棄が極めて容易となる。
また、収容されたプラスチック柔軟袋が全て使用された段階で、外装容器3は解体されて折り畳み又は展開状態とされ、重ねられて段積の状態で消費場所から回収される。
そして洗浄・検査・補修などの処理を行った後、消費場所P2から再び貯蔵場所P1の縦型製袋同時充填ラインに供給される。
【0034】
以上、供給包装方法を説明したが、次にこの方法に使用される食用油集積包装体について説明する。
本発明の食用油集積包装体は、プラスチック柔軟袋と、それを収納する外装容器とを含む。
【0035】
〔プラスチック柔軟袋〕
プラスチック柔軟袋2は、図6に示すように偏平な中空状の袋体であって、フレクシブルなものである。
先述したように、プラスチック柔軟袋2は連続した筒状の中空のプラスチックフィルムをシールして分離独立することで得られたものであり、この例では3か所のシールラインが形成されている。
従って、プラスチック柔軟袋2は、食用油を充填していない状態では、一枚の矩形のシートであり、食用油を充填した後は、一定の厚みのある偏平な矩形状の外観(いわゆる座布団型)となる。
【0036】
このように偏平な矩形状をしているため、横置き状態に安定することができ、また角部を切断して充填された食用油を排出する際は、単に上方から押圧して扱くだけで、スムースに排出が可能となる。
また、上記実施例にあっては、従来の容器のように注出口が一定の位置に限定されないため、コーナ部のどの位置を切断してよく自由度がある。
また、先述したように、外装容器から取り出す際、把持し易く扱いが容易である。
【0037】
このプラスチック柔軟袋の材質としては、剛性、ガスバリア性、シール性を考慮して、多重壁にすることが好ましい。
例えば、最外層は二軸延伸ポリアミドフィルムを使った剛性層、中間層はエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを使ったガスバリヤ層、最内層は直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを使ったシーラント層の積層フィルムが使用される。
【0038】
ここでプラスチック柔軟袋に対する食用油の充填に際しては、食用油を充填した袋を外装容器に収容した場合の耐破袋強度の維持および取出し作業性を考慮して、一定範囲の充填率(充填量[cc]/プラスチック柔軟袋の内表面積[c m2])とすることが好ましい。
すなわち食用油の充填率は0.6〜2.4が好ましい。こうすることにより、外装容器に横置きで数段積み重ねて収容しても耐破袋強度の維持が可能となり、プラスチック柔軟袋を開封する際に油が飛び散ることがない。
【0039】
充填率は0.6未満であると外装容器に充填した袋を開封した際の排出効率が悪く、また外装容器に収容した際に振動により袋が移動し易い。
その上、食用油の包装容量に対するフィルムの樹脂使用量が高くなりコスト的に不利である。
また、充填率が2.4を越えるとシート強度の点から必ずしも十分でなく、万一にも扱い時に落下させた場合に破れ易い。
因みに、充填率の具体例及び性能としては、以下の通りである。
【0040】
【実施例1】
図2に示す製袋同時充填包装方法を用いて、縦310mm、横200mm、横シール巾15mm、縦シール巾15mmとしたラミネートした3層壁の三方(胴合掌合わせ形式)のピロー包装形態であるプラスチック柔軟袋(充填前)を作った。
ここで3層壁の内訳は、剛性層(2軸延伸ナイロンフィルム、膜厚15μm)、ガスバリア層(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、膜厚12μm)、シーラント層(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、膜厚12μm)である。
【0041】
次に食用油を充填して充填率0.9としたところ、プラスチック柔軟袋は縦及び横が少し縮小し厚みが3cm程度となった。
これを図3に示すような方法にて、縦290mm×横350mm×高さ210mmに4段重ねで積載し食用油集積包装体を作った。
食用油を取り出す際、開封した後の排出がスムーズに行えた。
また、プラスチック柔軟袋を手で確実に把持でき取り出す際に作業性が良く効率的である。
外装容器の振動によってもプラスチック柔軟袋の移動はない。
【0042】
【実施例2】
実施例1の充填率を2.2に変えた以外は同様にして食用油集積包装体を作った。
この場合、実施例1とほぼ同様の結果となった。
【0043】
【比較例1】
実施例1の充填率を0.2に変えた以外は同様にして食用油集積包装体を作った。
食用油を取り出す際、開封した後の排出がスムースにいかない。
また、プラスチック柔軟袋を手で把持して取り出す際に曲がり易く不安定である。
外装容器の振動によりプラスチック柔軟袋の移動が生じた。
【0044】
【比較例2】
実施例1の充填率を2.6に変えた以外は同様にして食用油集積包装体を作った。
食用油を取り出す際、開封した後の排出が急激にとなりトレイから漏れた。
また、プラスチック柔軟袋を手で把持して取り出す際に、厚みがあるため把持力が十分働かない。
また、落下した際、一部分に破れが生じるものがあった。
外装容器の振動によりプラスチック柔軟袋同士の緩衝力が低い。
【0045】
〔外装容器〕(図7参照)
一方、外装容器は、図7に示すように、例えば高密度ポリエチレン等のプラスチック板で形成され、折畳み自在となっている。
即ち、外装容器3は底板31と4枚の側板32と2枚の蓋体33からなり、それぞれ隣接する一部をヒンジ部Hにて連結されている。
そのためヒンジ部Hを折り曲げることにより簡単に立体状の外装容器3から折り畳み(展開も含む)が可能であり、当然組み立ても容易となる。
また、これらの各板は、外壁と内壁の間に中空部を有する中空二重壁構造となっており、輸送の際の事故時の衝撃を緩和することができる。
【0046】
以上、本発明を説明したが、本発明は、実施の形態や実施例に拘束されることなく変形が可能である。
プラスチック柔軟袋の材料は、食用油を充填できる強度を有するものであればよく、層壁も3層より多くてもよい。
外装容器は折り畳み自在であれば、その展開ブランクは自由である。
また原則的に食用油を使用しているが、それに類似する油であれば、当然本発明の供給包装方法及び集積包装体の原理は適用されることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明の供給包装方法及びプラスチック柔軟袋は、ガラス瓶、プラスチック瓶、金属製缶、或いはスタンディングパウチに比べ油の取出しが便利であり、残油ロスも極めて少なく経済的である。
また、缶の容器のように、開封した跡の切り口で怪我等の事故の恐れがない。
また、スタンディングパウチのような仕切壁を有する外装容器を使用する必要が全くない。
【0048】
本発明の供給包装方法及びプラスチック柔軟袋は、縦型製袋同時充填包装方式により中身の充填と同時に製袋が可能であるため、スタンディングパウチの水平ロータリーテーブル型給袋充填包装方式に比べ作業面積がコンパクトとなり、スタンディングパウチを予め準備する必要がない。
従来では、貯蔵場所において充填の際、空のガラス瓶、プラスチック瓶、金属製缶、或いはスタンディングパウチを前もって用意しておく必要があるが、本発明の供給包装方法及びプラスチック柔軟袋においては、それが全く不要であり包装コストも低減される。
また使用後の容積が殆ど無くなるため、廃棄が簡単であり、また回収をするとしても保管が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の食用油の供給包装方法を示す工程図である。
【図2】図2は、食用油をプラスチック柔軟袋へ充填する充填工程を示す図である。
【図3】図3は、プラスチック柔軟袋を外装容器に積載して収納する収容工程を示す図である。
【図4】図4は、外装容器を開封してプラスチック柔軟袋を取り出す第1開封工程を示す図である。
【図5】図5は、プラスチック柔軟袋を開封して食用油を取り出す第2開封工程を示す図である。
【図6】図6は、プラスチック柔軟袋を示す図である。
【図7】図7は、外装容器を示す図である。
【符号の説明】
1…プラスチックフィルム
11…貯蔵タンク
12…充填ローダ
17…送りロール
14…巻きロール
15…フオーマ
16…縦シール機
13…導入パイプ
18…扱きロール
19…横シール機
20…横シール兼カッター
21…コンベヤー
2…プラスチック柔軟袋
3…外装容器
3A…開口部
31…底板
32…側板
33…蓋体
F…食用油
P1…貯蔵場所
P2…消費場所
Claims (2)
- 食用油を連続工程にて充填する食用油の包装収納方法であって、巻きロールから連続供給されるプラスチックフィルムを充填ローダの周囲を取り巻く整形筒によって円筒状に整形し、該円筒状に整形したプラスチックフィルムの縦方向の重合部を熱シールして円筒状の中空のプラスチックフィルムとし、該中空のプラスチックフィルムを送りロールにて下方へ送りながら、送りロールの下方に配置した一対の扱きロールにより中空のプラスチックフィルムを閉鎖した状態で貯蔵タンク内の食用油を充填ローダより充填するとともに、その閉鎖状態で扱きロールを通過した中空のプラスチックフィルムの一部を、一対の熱シール機によってシールして横シール部とし、その後、扱きロールによる閉鎖を開放した後、再び閉鎖して充填ローダより同様に充填し、中空のプラスチックフィルムの一部をシールして横シール部とし、該中空のプラスチックフィルムからシールされた独立のプラスチック柔軟袋を切り離すことにより、食用油の充填率が0.6〜2.4cc/c m 2の偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋を形成する充填工程と、
該プラスチック柔軟袋を外装容器に横置き状態で複数段積み重ねて積載して収納する収納工程とを備えたことを特徴とする食用油の包装収納方法。 - 25℃における粘度が50〜75csの食用油が充填された偏平な矩形状のプラスチック柔軟袋を、プラスチック板で形成された外壁と内壁の間に中空部を有する、中空二重壁構造の折り畳み自在な外装容器に積載することを特徴とする、請求項1記載の食用油の包装収納方法。
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