JP4737043B2 - 反射調整部材駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線にて情報の書き込みや読み出しができる無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置による無線タグ通信システムに関し、特に、壁面等からの反射によるマルチパスの影響を軽減するための技術に関する。
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
ところで、壁面や天井等の障害物に起因する電波の反射がある環境で無線通信を行う場合、反射や回折等により複数の電波受信経路が生じてしまう所謂マルチパス(multipass)の影響により好適な通信が阻害されるおそれがある。そのようなマルチパスの影響を低減させる技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された無線LANシステムがそれである。この技術によれば、送信アンテナから送信される電波を反射攪拌するための電波攪拌装置を備え、受信アンテナが受信する電波の電界強度が最大となるようにその電波攪拌装置の駆動を制御することにより、無線LAN通信におけるマルチパスの影響を軽減できるとされている。
特開2002−77164号公報
しかし、前記従来の技術は、無線LAN通信におけるマルチパスの影響を軽減するためのものであり、前記RFIDシステムにおける通信に適用し得るものではなかった。すなわち、前記無線タグ通信装置と無線タグとの間の無線通信は、1台の無線タグ通信装置が所定の範囲内に存在する複数の無線タグとの間で通信を行うこと、その無線タグから返信される返信信号が微弱であること等、一般の無線通信とは性質が異なるものであるため、前述したような従来の技術によってはマルチパスの影響を軽減することができなかった。このため、前記無線タグ通信装置により前記無線タグとの間で無線通信を行う無線タグ通信システムにおいて、マルチパスの影響を軽減して好適な通信を実現する技術の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、無線タグ通信システムにおけるマルチパスの影響を軽減して好適な通信を実現する技術を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、無線タグに向けて所定の送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて前記無線タグから返信される返信信号を受信することでその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置による無線タグ通信システムに用いられ、電波の反射状態を調整し得る反射調整部材と、その反射調整部材を駆動する駆動部と、前記無線タグ通信装置から送信される前記送信信号を受信する受信部と、その受信部により受信された受信信号に基づいて前記駆動部による前記反射調整部材の駆動を制御する駆動制御部とを、備えたものであることを特徴とする反射調整部材駆動装置である。
このようにすれば、電波の反射状態を調整し得る反射調整部材と、その反射調整部材を駆動する駆動部と、前記無線タグ通信装置から送信される前記送信信号を受信する受信部と、その受信部により受信された受信信号に基づいて前記駆動部による前記反射調整部材の駆動を制御する駆動制御部とを、備えたものであることから、前記無線タグ通信装置による送信信号の送信状態に応じて前記反射調整部材を適宜駆動することで、通信範囲内における電波の伝達経路を変化させて、その通信範囲内に配設された複数の無線タグに好適に電波を伝達させることができる。すなわち、無線タグ通信システムにおけるマルチパスの影響を軽減して好適な通信を実現する反射調整部材駆動装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により前記無線タグ通信装置からの送信信号が予め定められた所定時間受信されなかった場合には前記反射調整部材を駆動するものである。このようにすれば、前記無線タグ通信装置による前記無線タグとの間の一連の通信が完了するまで通信範囲内における電波の伝達経路を変化させないため安定した通信を実行できることに加え、通信が一定時間行なわれていない間に電波の伝達経路を変化させて他の無線タグと通信ができるようにするため、マルチパスの影響を軽減してその通信範囲内に配設された複数の無線タグに好適に電波を伝達させることができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数の変化に応じて前記反射調整部材を駆動するものである。前記無線タグ通信装置から送信される送信信号の周波数が変更されるのは、前記無線タグ通信装置と前記無線タグとの一連の通信が完了したときであり、このようにすれば、前記無線タグ通信装置と前記無線タグとの通信に影響を与えることなくマルチパスの環境を変化させることができるため、送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数が変化する毎に前記反射調整部材を駆動するものである。このようにすれば、高い頻度でマルチパス環境を変化させることができることから、前記無線タグ通信装置から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において、好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数が特定の周波数となった場合に前記反射調整部材を駆動するものである。このようにすれば、特定の周波数となる度にマルチパス環境を変化させられることから、周波数の変化によるマルチパス環境の変化と前記反射調整部材によるマルチパス環境の変化の両方を利用することができ、前記無線タグ通信装置から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号に適用され得る全周波数の適用が完了する毎に前記反射調整部材を駆動するものである。このようにすれば、周波数の変化によるマルチパス環境の変化と前記反射調整部材によるマルチパス環境の変化の両方を利用することができ、前記無線タグ通信装置から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号に含まれるコマンドに応じて前記反射調整部材を駆動するものである。このようにすれば、前記無線タグ通信装置が複数のコマンドを使い分ける場合や、駆動部制御用のコマンドを送信し得る通信形態において、各コマンドに対応して好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記駆動制御部は、前記無線タグ通信装置による所定の通信範囲内に配設された複数の無線タグとの間の通信開始時からその通信が完了するまでの間は前記反射調整部材の駆動を禁止するものである。このようにすれば、前記無線タグ通信装置と前記無線タグとが通信を行っている間はマルチパス環境を変化させることが無く、好適に前記通信を行うことができる。
また、好適には、前記反射調整部材駆動装置は、前記無線タグ通信システムが用いられる室の壁面に固設され、その壁面に対して前記反射調整部材を相対的に駆動するものである。このようにすれば、一般的に無線タグ通信システムが用いられる室において実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記反射調整部材は、所定の回転軸に固定されたプロペラ状部材であり、前記駆動部は、その回転軸をその軸芯まわりに回転させることにより前記プロペラ状部材を駆動するものである。このようにすれば、室の天井等に設けられるプロペラ状の反射調整部材により実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記反射調整部材は、それぞれ所定の軸芯まわりに回動可能に設けられた複数の羽板部から成るルーバ状部材であり、前記駆動部は、それら複数の羽板部を各軸芯まわりに回動させることにより前記ルーバ状部材を駆動するものである。このようにすれば、室の天井又は側壁等に設けられるルーバ状の反射調整部材により実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、好適には、前記反射調整部材は、前記室の壁面からの距離が前記送信信号に用いられる搬送波の波長の略4分の1となるように配置されるものである。このようにすれば、室の天井又は側壁等で反射する場合の反射波と、前記反射調整部材によって反射される反射波とで、略2分の1波長の経路差が発生するため、マルチパスの状況を好適に変更することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される無線タグ通信システム10について説明する図である。この無線タグ通信システム10は、その無線タグ通信システム10が適用される室8内に設置された無線タグ通信装置12と、その無線タグ通信装置12の通信対象である単数乃至は複数(図1では単数)の無線タグ14とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。すなわち、上記無線タグ通信装置12から質問波F(送信信号)が上記無線タグ14に向けて送信されると、その質問波Fを受信した上記無線タグ14において所定のコマンド(送信データ)によりその質問波Fが変調され、応答波F(返信信号)として上記無線タグ通信装置12に向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12と無線タグ14との間で情報の通信が行われる。この無線タグ通信システム10は、例えば、所定の領域例えば上記室8内における物品の管理等に用いられるものであり、上記無線タグ14は、好適には、管理対象である物品に貼られる等してその物品と一体的に上記室8内に設けられている。また、上記室8には、本発明の一実施例である反射調整部材駆動装置16が、その室8の壁面例えば天井8c等に位置固定に設けられている。
図2は、上記無線タグ通信装置12の構成を説明する図である。この無線タグ通信装置12は、上記無線タグ14に対する情報の読み出し及び書き込みの少なくとも一方を実行するためにその無線タグ14との間で情報の通信を行うものであり、送信信号をディジタル信号として出力したり、上記無線タグ14からの返信信号を復調する等のディジタル信号処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)18と、そのDSP18により出力された変調信号をアナログ信号に変換する送信D/A変換部20と、所定の搬送波信号を出力する搬送波発生部22と、上記送信D/A変換部20によりアナログ信号に変換された変調信号を上記搬送波発生部22から出力される搬送波信号に掛け合わせる送信ミキサ24と、その送信ミキサ24から出力された変調搬送波信号を増幅する送信アンプ26と、その送信アンプ26から出力される変調搬送波信号を質問波Fとして上記無線タグ14に向けて送信すると共に、その質問波Fに応じて無線タグ14から返信される応答波Fを受信する送受信アンテナ28と、上記送信アンプ26により増幅された変調搬送波信号をその送受信アンテナ28に供給すると共に、その送受信アンテナ28により受信された受信信号を受信ミキサ32に供給する送受信分離部30と、上記送受信アンテナ28により受信されてその送受信分離部30を介して供給される受信信号と上記搬送波発生部22から出力される搬送波信号とを乗算し、フィルタにより高周波成分を除去することによりホモダイン検波或いは直交検波する受信ミキサ32と、その受信ミキサ32から出力される検波された受信信号を増幅する受信アンプ34と、その受信アンプ34からの出力をディジタル信号に変換して上記DSP18に供給する受信A/D変換部36とを、備えて構成されている。ここで、上記送受信分離部30としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が好適に用いられる。また、必要に応じて、上記送受分離部30と受信ミキサ32の間に受信信号を増幅する低雑音増幅器を設けてもよい。また、前記搬送波発生部22は、複数の周波数に対応する搬送波を適宜出力し得るものであり、後述する送信制御部50からの指令に応じて搬送波の周波数(チャンネル)を変更する。
上記DSP16は、CPU、ROM、及びRAM等から成り、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、上記送信D/A変換部20及び受信A/D変換部36のサンプリング周波数を発生させるサンプリング周波数発振部38と、前記無線タグ14への送信データに対応するコマンドビット列を生成するコマンドビット列生成部40と、そのコマンドビット列生成部40から出力されたディジタル信号をパルス幅方式等で符号化する符号化部42と、その符号化部42により符号化された信号からAM変調を行うための変調信号を生成して上記送信D/A変換部20に供給する変調信号生成部44と、上記送受信アンテナ28により受信され、上記受信ミキサ32で検波(復調)されたAM復調波をFM方式等で復号する復号部46と、その復号部46により復号された復号信号を解釈して前記無線タグ14の変調に関する情報信号を読み出す返答ビット列解釈部48と、上記搬送波発生部22からの搬送波信号の出力、その搬送波の周波数(チャンネル)の変更、偏波面の変更、及び上記コマンドビット列生成部40からのコマンドビット列の出力等を制御することにより前記送受信アンテナ28からの送信信号の送信を制御する送信制御部50とを、機能的に備えている。
図3は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路素子52の構成を説明する図である。この図3に示すように、上記無線タグ回路素子52は、前記無線タグ通信装置12との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部54と、そのアンテナ部54により受信された信号を処理するためのIC回路部56とを、備えて構成されている。そのIC回路部56は、上記アンテナ部54により受信された前記無線タグ通信装置12からの質問波Fを整流する整流部58と、その整流部58により整流された質問波Fのエネルギを蓄積するための電源部60と、上記アンテナ部54により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部68に供給するクロック抽出部62と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部64と、上記アンテナ部54に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部66と、上記整流部58、クロック抽出部62、及び変復調部66等を介して上記無線タグ回路素子52の作動を制御するための制御部68とを、機能的に含んでいる。この制御部68は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部64に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部54により受信された質問波Fを上記変復調部66において上記メモリ部64に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで応答波Fとして上記アンテナ部54から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図4は、前記反射調整部材駆動装置16の要部構成を説明するブロック図である。この図4に示すように、本実施例の反射調整部材駆動装置16は、前記無線タグ通信装置12から送信される質問波F(送信信号)を受信するための受信部70と、その受信部70により受信された受信信号の信号強度を検出する信号強度検出部72と、上記受信部70により受信された受信信号(搬送波)の周波数を検出する周波数検出部74と、上記受信部70により受信された受信信号に含まれるコマンド(無線タグ通信装置12からの送信データ)を検出するコマンド検出部76と、前記受信部70により受信された受信信号に基づいて後述する駆動部84による反射調整部材80等の駆動を制御する駆動制御部78とを、備えて構成されている。上記受信部70における図示しない受信アンテナは、好適には、後述する図5に示す回転軸82の軸芯等、反射調整部材の駆動による影響を受けにくい場所に設けられる。また、上記駆動制御部78は、好適には、上記信号強度検出部72により検出される信号強度、周波数検出部74により検出される周波数、及びコマンド検出部76により検出されるコマンドのうち少なくとも1つに基づいて上記駆動部84による反射調整部材80等の駆動を制御する。この反射調整部材駆動制御については、図14乃至図18のフローチャート等を用いて後述する。
図5は、前記反射調整部材駆動装置16の一例(以下、反射調整部材駆動装置16aと称する)の構成を説明するためにその回転軸82の軸芯方向から見た平面図である。この図5に示すように、上記反射調整部材駆動装置16aは、所定の回転軸82に固定された2枚のプロペラ(propeller)状部材である反射調整部材80と、その回転軸82をその軸芯まわりに回転させることにより上記反射調整部材80を駆動する駆動部84とを、備えて構成されている。この駆動部84は、例えば前述した図1に示すように、前記無線タグ通信システム10が用いられる室8の壁面である天井8c等に固設され、その天井8cに対して上記反射調整部材80を相対的に回転駆動するものである。また、図5では、実線で示す位置から所定角度θだけ反時計回りに上記反射調整部材80を回転させた状態を破線で示している。この駆動部84による反射調整部材80の駆動は、上記駆動制御部78により制御され、後述するように前記無線タグ通信装置12からの送信信号に応じて所定の角度となるように上記反射調整部材80を回転させる。ここで、前記無線タグ通信システム10の形態に応じて、上記反射調整部材80の枚数を増加させてもよい。すなわち、図6に示すように3枚の上記反射調整部材80を備えた反射調整部材駆動装置16bや、図7に示すように5枚の上記反射調整部材80を備えた反射調整部材駆動装置16cも考えられる。
上記反射調整部材80は、好適には、スチール等の金属材料、非金属材料の表面に金属メッキや金属蒸着の施された材料等から板状に構成されたものであり、その表面において電波を反射し得る反射部材であるが、逆に表面にフェライトシートが貼られる等して、その表面において電波を吸収し得る吸収部材であってもよい。何れの態様においても、上記反射調整部材80は、その表面において電波の反射状態を調整し得るものとされる。なお、上述のように板状の反射調整部材80が、前記室8の天井8cと平行を成すように上記回転軸82に取り付けられたものであってもよいし、所謂シーリングファンのようにその天井8cに対して所定角度を成すように取り付けられたものであってもよい。
図8及び図9は、前記反射調整部材駆動装置16における反射調整部材80の駆動に応じたマルチパス環境の変化を説明する図である。これらの図において、前記無線タグ通信装置12から前記無線タグ14へ直接到達する電波すなわち直接波を実線矢印で、所定の反射部材により反射させられて到達する電波すなわち反射波を破線矢印でそれぞれ示している。また、この図において、前記反射調整部材駆動装置16が取り付けられている壁面以外の反射波は省略している。前記反射調整部材80が図8に示すような回転位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記室8の天井8cにおいて反射させられ、反射波として前記無線タグ14へ到達する。一方、前記反射調整部材80が図9に示すような回転位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記反射調整部材80の表面において反射させられ、反射波として前記無線タグ14へ到達する。これら図8及び図9にそれぞれ示す反射波は、前記無線タグ通信装置12により出力されてから前記無線タグ14へ到達するまでの電波の経路が異なり、その経路長に差が生じるため、前記反射調整部材80が図8に示すような回転位置とされている場合には前記無線タグ14との間で好適な通信が成立しなかったものが、図9に示すような回転位置では好適な通信が成立したり、逆に、前記反射調整部材80が図9に示すような回転位置とされている場合には前記無線タグ14との間で好適な通信が成立しなかったものが、図8に示すような回転位置では好適な通信が成立するといった、マルチパス環境の変化による通信性の向上が実現され得る。
前記反射調整部材駆動装置16の態様としては、前述した反射調整部材駆動装置16a、16b、16cのみならず様々なものが考えられる。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。図10は、前記反射調整部材駆動装置16の一例(以下、反射調整部材駆動装置16dと称する)の構成を説明するためにその回転軸82の軸芯方向から見た平面図である。この図10に示すように、上記反射調整部材駆動装置16dは、前記回転軸82に固定された2枚の扇形(中心角90°の円弧に対応する部分円盤状部材)の反射調整部材86aを備えて構成されている。また、図11は、前記反射調整部材駆動装置16の更に別の一例(以下、反射調整部材駆動装置16eと称する)の構成を説明するためにその回転軸82の軸芯方向から見た平面図である。この図11に示すように、上記反射調整部材駆動装置16eは、前記回転軸82に固定された1枚の半円形(中心角180°の円弧に対応する部分円盤状部材)の反射調整部材86bを備えて構成されている。上記反射調整部材86a、86bは、その表面において電波の反射状態を調整し得るものであり、その材質等は前述した反射調整部材80と同等である。これら反射調整部材駆動装置16d、16eによっても、前述の反射調整部材駆動装置16a、16b、16c等と同様に、前記回転軸82をその軸芯まわりに回転させることにより上記反射調整部材86a、86bを駆動してマルチパス環境を変化させることができる。
図12は、前記反射調整部材駆動装置16の更に別の一例(以下、反射調整部材駆動装置16fと称する)の構成を説明するためにその設置面(例えば、前記室8の天井8c)に垂直な方向から見た平面図である。この図12に示すように、上記反射調整部材駆動装置16fは、それぞれ所定の軸芯92まわりに回動可能に設けられた複数(図12では9枚)の羽板部(矩形平板状部材)90から成るルーバ(louver)状部材である反射調整部材88と、それら複数の羽板部90を各軸芯92まわりに回動させることにより上記反射調整部材88を駆動する駆動部94と、その駆動部94との間で上記複数の羽板部90(軸芯92)を支持するための軸受96とを、備えて構成されている。上記羽板部90は、その表面において電波の反射状態を調整し得るものであり、その材質等は前述した反射調整部材80等と同等である。また、上記駆動部94及び軸受96は、例えば、前記室8の壁面である天井8c等に固設され、その天井8cに対して上記反射調整部材88を相対的に回動させるものである。図13は、図12に示す位置から各羽板部90を90°回動させた状態を示している。この駆動部94による反射調整部材88の駆動は、前記駆動制御部78により制御され、後述するように前記無線タグ通信装置12からの送信信号に応じて所定の角度となるように上記反射調整部材88を回動させる。
上記反射調整部材88が図12に示すような回動位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記反射調整部材88の表面において反射させられ、反射波として前記無線タグ14へ到達する。一方、上記反射調整部材88が図13に示すような回動位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記室8の天井8cにおいて反射させられ、反射波として前記無線タグ14へ到達する。このようにして、前記無線タグ通信装置12により出力されてから前記無線タグ14へ到達するまでの電波の経路が変化させられ、その経路長に差が生じるため、前記反射調整部材88が図12に示すような回動位置とされている場合には前記無線タグ14との間で好適な通信が成立しなかったものが、図13に示すような回転位置では好適な通信が成立したり、逆に、前記反射調整部材88が図13に示すような回動位置とされている場合には前記無線タグ14との間で好適な通信が成立しなかったものが、図12に示すような回動位置では好適な通信が成立するといった、マルチパス環境の変化による通信性の向上が実現され得る。
ここで、図20に示すように、前記反射調整部材80、86、88と前記室8の天井8cとの距離dが前記搬送波の波長の略4分の1となるようにすると、前記反射調整部材80で反射され前記無線タグ14へ到達する電波の経路長と、前記室8の天井8cで反射され前記無線タグ14へ到達する電波の経路長との差が略2分の1波長となるため、マルチパス環境の変化を大きくすることができ、マルチパス環境の変化による通信性の向上が実現され得る。また、図21に示すように、前記反射調整材80と天井8cの距離が一定でない構成の場合には中央部での距離dを4分の1波長とすればよい。また、送受信アンテナ28との位置関係で電波が斜めに入反射するような配置の場合はその割合だけ小さくするとより好適にマルチパス環境の変化を大きくでき、通信性能の向上が期待できる。
図14乃至図19は、前記反射調整部材駆動装置16の駆動制御部78による反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。以下、これらのフローチャートを用いて、前記反射調整部材駆動装置16の駆動制御部78による反射調整部材駆動制御の種々の態様を説明する。なお、図14乃至図19において、各制御に共通するステップについては同一の符号を付しており、重複して説明を行わない。
前記駆動制御部78は、前記無線タグ通信装置12による所定の通信範囲に配設された複数の無線タグ14との間の通信開始時からその通信が完了するまでの間は前記反射調整部材80等の駆動を禁止するように前記駆動部84等を制御する。ここで、上記通信範囲とは、前記無線タグ通信装置12により前記無線タグ14との間の通信を好適に行い得る通信可能範囲であり、前記反射調整部材駆動制御装置16における反射調整部材80等の位置によって定まる。前記駆動制御部78は、換言すれば、前記受信部70により前記無線タグ通信装置12からの送信信号が予め定められた所定時間受信されなかった場合には前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84等を制御する。この受信信号の有無の判定は、前記信号強度検出部72による検出結果に基づいて行われ、その信号強度検出部72により検出される信号強度が所定時間継続して所定値未満であった場合には、前記無線タグ通信装置12からの送信信号が予め定められた所定時間受信されなかったと判定される。斯かる制御により、前記駆動制御部78は、前記反射調整部材80等が所定の位置とされた状態において前記無線タグ通信装置12により通信可能な全ての無線タグ14との間で通信が完了するまでその反射調整部材80等の駆動を禁止し、斯かる通信が完了してはじめて前記反射調整部材80を駆動する制御を行う。
図14は、上述した態様の反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記反射調整部材80等の回転角度に対応するθが初期値であるθsとされる。次に、S2において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号の信号受信待ち処理が行われる。次に、S3において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号が受信されたか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、S2以下の処理が再び実行されるが、S3の判断が肯定される場合には、S4において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号の受信処理が行われ、前記受信部70により受信信号の信号強度が検出される。次に、S5において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号の受信が途絶えたか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S5の判断が肯定される場合には、S6において、所定時間待機させられる。次に、S7において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号の受信処理が行われ、前記受信部70により受信信号の信号強度が検出される。次に、S8において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号(キャリア)が受信されたか否かが判断される。このS8の判断が肯定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S8の判断が否定される場合には、S9において、前記反射調整部材80等の回転角度に対応するθに所定値dθが加算される。次に、S10において、前記反射調整部材80等が角度θの回転位置となるように前記駆動部84等の駆動制御が行われる。次に、S11において、前記反射調整部材80等の回転角度に対応するθが所定の最大値θeであるか否かが判断される。このS11の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S11の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S4及びS7が前記信号強度検出部72の動作に対応する。
前記駆動制御部78は、また、好適には、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数の変化に応じて前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84等を制御する。この周波数の変化の判定は、前記周波数検出部74による検出結果に基づいて行われる。前記駆動制御部78は、例えば、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数が変化する毎に前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84を制御する。図15は、斯かる態様の反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、前述したS4の処理に続いて、前記周波数検出部74の動作に対応するS12において、前記受信部70により受信された受信信号における搬送波(キャリア)の周波数が検出される。次に、S13において、S12にて検出された搬送波の周波数が前回検出された周波数から変化したか否かが判断される。このS13の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S13の判断が肯定される場合には、前述したS9以下の処理が実行される。
前記駆動制御部78は、また、好適には、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数が特定の周波数となった場合に前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84を制御する。図16は、斯かる態様の反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、上述したS12の処理に続いて、S14において、S12にて検出された搬送波の周波数が予め定められた所定値であるか否かが判断される。このS14の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S14の判断が肯定される場合には、前述したS9以下の処理が実行される。
前記駆動制御部78は、また、好適には、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号に適用され得る全周波数の適用が完了する毎に前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84を制御する。図17は、斯かる態様の反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートである。この制御において、前述したS13の判断が肯定される場合、すなわちS12にて検出された搬送波の周波数が前回検出された周波数から変化したと判断される場合には、S15において、前記無線タグ通信装置12からの送信信号に適用され得る、予め定められた全周波数の適用が完了したか否かが判断される。このS15の判断が否定される場合には、S4以下の処理が再び実行されるが、S15の判断が肯定される場合には、前述したS9以下の処理が実行される。
前記駆動制御部78は、また、好適には、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号に含まれるコマンドに応じて前記反射調整部材80等を駆動するように前記駆動部84等を制御する。例えば、前記送信信号に含まれるコマンドがタグのIDをツリー上に検索するコマンドである「PING」である場合と、タグのIDを限定してそのタグの存在を探索する「SCROLL ID」である場合ではそれぞれ前記反射調整部材80等の毎回(単位駆動処理毎)の回転角度を異なる値とする駆動制御を行うといったように、前記送信信号に含まれるコマンドに応じて前記反射調整部材80等の回転角度を制御する。このコマンドの判定は、前記コマンド検出部76による検出結果に基づいて行われる。図18は、斯かる態様の反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートである。この制御において、前述したS3の判断が肯定される場合、すなわち前記無線タグ通信装置12からの送信信号が受信されたと判断される場合には、前記コマンド検出部76の動作に対応するS16において、前記受信部70により受信された前記無線タグ通信装置12からの送信信号に含まれるコマンドが検出される。次に、S17において、S16にて検出されたコマンドに応じて前記反射調整部材80等の毎回の回転角度であるdθが設定された後、前述したS4以下の処理が実行される。
図19は、前記反射調整部材駆動装置16f(ルーバ状部材である反射調整部材88)に対応する反射調整部材駆動制御の要部を説明するフローチャートであり、前述した図14の制御に対応するものである。この図19に示すように、前記反射調整部材駆動装置16fに対応する制御では、前述したS11の判断が肯定される場合、すなわち前記反射調整部材88の回転角度に対応するθが所定の最大値θeであると判断される場合には、S18において、前記反射調整部材88を初期位置に戻すように前記駆動部94が駆動させられた後、本ルーチンが終了させられる。また、このS18は、前述した図15から図18の各制御にも同様に適用される。以上の制御において、S1乃至S18が前記駆動制御部78の動作に対応する。
このように、本実施例によれば、電波の反射状態を調整し得る反射調整部材80等と、その反射調整部材80等を駆動する駆動部84等と、前記無線タグ通信装置12から送信される前記送信信号を受信する受信部70と、その受信部70により受信された受信信号に基づいて前記駆動部84等による前記反射調整部材80等の駆動を制御する駆動制御部78(S1乃至S18)とを、備えたものであることから、前記無線タグ通信装置12による送信信号の送信状態に応じて前記反射調整部材80等を適宜駆動することで、通信範囲内における電波の伝達経路を変化させて、その通信範囲内に配設された複数の無線タグ14に好適に電波を伝達させることができる。すなわち、無線タグ通信システム10におけるマルチパスの影響を軽減して好適な通信を実現する反射調整部材駆動装置16を提供することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により前記無線タグ通信装置12からの送信信号が予め定められた所定時間受信されなかった場合には前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、前記無線タグ通信装置12による前記無線タグ14との間の通信が完了する毎に通信範囲内における電波の伝達経路を変化させて、その通信範囲内に配設された複数の無線タグ14に好適に電波を伝達させることができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数の変化に応じて前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、前記無線タグ通信装置12と前記無線タグ14との通信に影響を与えることなくマルチパスの環境を変化させることができ、送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数が変化する毎に前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、高い頻度でマルチパス環境を変化させることができることから、前記無線タグ通信装置12から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において、好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号の周波数が特定の周波数となった場合に前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、特定の周波数となる度にマルチパス環境を変化させられることから、周波数の変化によるマルチパス環境の変化と前記反射調整部材80等によるマルチパス環境の変化の両方を利用することができ、前記無線タグ通信装置12から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号に適用され得る全周波数の適用が完了する毎に前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、周波数の変化によるマルチパス環境の変化と前記反射調整部材80等によるマルチパス環境の変化の両方を利用することができ、前記無線タグ通信装置12から送信される送信信号の周波数が変化し得る通信形態において好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記受信部70により受信される前記無線タグ通信装置12からの送信信号に含まれるコマンドに応じて前記反射調整部材80等を駆動するものであるため、前記無線タグ通信装置12が複数のコマンドを使い分ける場合や、駆動部制御用のコマンドを送信し得る通信形態において、各コマンドに対応して好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記駆動制御部78は、前記無線タグ通信装置12による所定の通信範囲内に配設された複数の無線タグ14との間の通信開始時からその通信が完了するまでの間は前記反射調整部材80等の駆動を禁止するものであるため、前記無線タグ通信装置12と前記無線タグ14とが通信を行っている間はマルチパス環境を変化させることが無く、好適に前記通信を行うことができる。
また、前記反射調整部材駆動装置16は、前記無線タグ通信システム10が用いられる室8の壁面である天井8cに固設され、その天井8cに対して前記反射調整部材80等を相対的に駆動するものであるため、一般的に無線タグ通信システム10が用いられる室8において実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記反射調整部材80は、所定の回転軸82に固定されたプロペラ状部材であり、前記駆動部84は、その回転軸82をその軸芯まわりに回転させることにより前記反射調整部材80を駆動するものであるため、前記室8の天井8c等に設けられるプロペラ状の反射調整部材80により実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記反射調整部材88は、それぞれ所定の軸芯92まわりに回動可能に設けられた複数の羽板部90から成るルーバ状部材であり、前記駆動部94は、それら複数の羽板部90を各軸芯92まわりに回動させることにより前記反射調整部材88を駆動するものであるため、前記室8の天井8c又は側壁等に設けられるルーバ状の反射調整部材88により実用的な態様でマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前記反射調整部材80、86、88は、前記室8の壁面8cからの距離が前記送信信号に用いられる搬送波の波長の略4分の1となるように配置されたものであるため、前記室8の壁面8cで反射する場合の反射波と、前記反射調整部材80等によって反射される反射波とで、略2分の1波長の経路差が発生し、マルチパスの状況を好適に変更することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、前記無線タグ通信システム10が適用される室8の天井8cに1台の反射調整部材駆動装置16が設けられた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記室8の天井8cや側壁面等に複数台の反射調整部材駆動装置16が設けられたものであってもよい。前記室8の広さにもよるが、複数台の反射調整部材駆動装置16によれば、更に好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信システム10に備えられた無線タグ通信装置12は、単一の送受信アンテナ28により前記無線タグ14との間の通信を行うものであったが、送信アンテナと受信アンテナとがそれぞれ個別に有する無線タグ通信装置を備えた無線タグ通信システムにも本発明は好適に適用される。また、複数のアンテナ素子から成るアレイアンテナ有する無線タグ通信装置を備えた無線タグ通信システムに本発明が適用されても構わない。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信システム10に備えられた無線タグ通信装置12は一台であったが、複数の無線タグ通信装置12が存在する環境においても本発明は好適に適用される。この場合、幾つかの無線タグ通信装置12が同時に動作する場合についても、例えば図14に示したフローチャートを適用することで、全ての無線タグ通信装置12が好適にマルチパス環境の影響を除去することが可能になる。
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記室8の天井8cが電波吸収材で覆われた無線タグ通信システム10においても、本発明は好適に適用される。斯かる室8に前記反射調整部材駆動装置16が設けられた態様を考えると、前記反射調整部材80等が図8に示すような回転位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記室8の天井8cにおいて吸収される一方、前記反射調整部材80等が図9に示すような回転位置とされている場合、前記無線タグ通信装置12から出力された電波は、前記反射調整部材80の表面において反射させられ、反射波として前記無線タグ14へ到達するため、前記室8の広さや前記無線タグ14の配設位置にもよるが、更に好適にマルチパスの影響を軽減することができる。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される無線タグ通信システムについて説明する図である。 図1の無線タグ通信システムにおける無線タグ通信装置の構成を説明する図である。 図1の無線タグ通信システムにおける無線タグに備えられた無線タグ回路素子の構成を説明する図である。 本発明の一実施例である反射調整部材駆動装置の要部構成を説明するブロック図である。 図4の反射調整部材駆動装置の一例の構成を説明するためにその回転軸の軸芯方向から見た平面図である。 図4の反射調整部材駆動装置の他の一例の構成を説明するためにその回転軸の軸芯方向から見た平面図である。 図4の反射調整部材駆動装置の更に別の一例の構成を説明するためにその回転軸の軸芯方向から見た平面図である。 図5等に示す反射調整部材駆動装置による反射調整部材の駆動に応じたマルチパス環境の変化を図9との対比により説明する図である。 図5等に示す反射調整部材駆動装置による反射調整部材の駆動に応じたマルチパス環境の変化を図8との対比により説明する図である。 図4の反射調整部材駆動装置の更に別の一例の構成を説明するためにその回転軸の軸芯方向から見た平面図である。 図4の反射調整部材駆動装置の更に別の一例の構成を説明するためにその回転軸の軸芯方向から見た平面図である。 図4の反射調整部材駆動装置の更に別の一例の構成を説明するためにその設置面に垂直な方向から見た平面図である。 図12に示す反射調整部材駆動装置におけるルーバ状部材が駆動された様子を説明する図である。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートである。 図4の反射調整部材駆動装置による反射調整部材駆動制御の更に別の一例の要部を説明するフローチャートであり、図12に示す反射調整部材駆動装置におけるルーバ状部材の駆動制御を説明する図である。 図4の反射調整部材駆動装置に備えられた反射調整部材とその反射調整部材駆動装置が配置される室における壁面との相対位置関係の一例を示す図である。 図4の反射調整部材駆動装置に備えられた反射調整部材とその反射調整部材駆動装置が配置される室における壁面との相対位置関係の他の一例を示す図である。
符号の説明
8:室
8c:天井(壁面)
10:無線タグ通信システム
12:無線タグ通信装置
14:無線タグ
16:反射調整部材駆動装置
70:受信部
78:駆動制御部
80:反射調整部材(プロペラ状部材)
82:回転軸
84:駆動部
86:反射調整部材
88:反射調整部材(ルーバ状部材)
90:羽板部
92:軸芯
94:駆動部

Claims (12)

  1. 無線タグに向けて所定の送信信号を送信すると共に、該送信信号に応じて前記無線タグから返信される返信信号を受信することで該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置による無線タグ通信システムに用いられ、
    電波の反射状態を調整し得る反射調整部材と、
    該反射調整部材を駆動する駆動部と、
    前記無線タグ通信装置から送信される前記送信信号を受信する受信部と、
    該受信部により受信された受信信号に基づいて前記駆動部による前記反射調整部材の駆動を制御する駆動制御部と
    を、備えたものであることを特徴とする反射調整部材駆動装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記受信部により前記無線タグ通信装置からの送信信号が予め定められた所定時間受信されなかった場合には前記反射調整部材を駆動するものである請求項1の反射調整部材駆動装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数の変化に応じて前記反射調整部材を駆動するものである請求項1又は2の反射調整部材駆動装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数が変化する毎に前記反射調整部材を駆動するものである請求項3の反射調整部材駆動装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号の周波数が特定の周波数となった場合に前記反射調整部材を駆動するものである請求項3の反射調整部材駆動装置。
  6. 前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号に適用され得る全周波数の適用が完了する毎に前記反射調整部材を駆動するものである請求項3の反射調整部材駆動装置。
  7. 前記駆動制御部は、前記受信部により受信される前記無線タグ通信装置からの送信信号に含まれるコマンドに応じて前記反射調整部材を駆動するものである請求項1から6の何れかの反射調整部材駆動装置。
  8. 前記駆動制御部は、前記無線タグ通信装置による所定の通信範囲内に配設された複数の無線タグとの間の通信開始時から該通信が完了するまでの間は前記反射調整部材の駆動を禁止するものである請求項1から7の何れかの反射調整部材駆動装置。
  9. 前記反射調整部材駆動装置は、前記無線タグ通信システムが用いられる室の壁面に固設され、その壁面に対して前記反射調整部材を相対的に駆動するものである請求項1から8の何れかの反射調整部材駆動装置。
  10. 前記反射調整部材は、前記室の壁面からの距離が前記送信信号に用いられる搬送波の波長の略4分の1となるように配置されたものである請求項の反射調整部材駆動装置。
  11. 前記反射調整部材は、所定の回転軸に固定されたプロペラ状部材であり、前記駆動部は、該回転軸をその軸芯まわりに回転させることにより前記プロペラ状部材を駆動するものである請求項1から10の何れかの反射調整部材駆動装置。
  12. 前記反射調整部材は、それぞれ所定の軸芯まわりに回動可能に設けられた複数の羽板部から成るルーバ状部材であり、前記駆動部は、それら複数の羽板部を各軸芯まわりに回動させることにより前記ルーバ状部材を駆動するものである請求項1から10の何れかの反射調整部材駆動装置。
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