JP4736905B2 - 車両のセンターピラー補強構造 - Google Patents

車両のセンターピラー補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4736905B2
JP4736905B2 JP2006099104A JP2006099104A JP4736905B2 JP 4736905 B2 JP4736905 B2 JP 4736905B2 JP 2006099104 A JP2006099104 A JP 2006099104A JP 2006099104 A JP2006099104 A JP 2006099104A JP 4736905 B2 JP4736905 B2 JP 4736905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
disposed
tubular
center pillar
reinforcement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006099104A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007269241A (ja
Inventor
憲一 渡辺
美枝 橘
晃士 吉田
ヴィーマン マーカス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006099104A priority Critical patent/JP4736905B2/ja
Publication of JP2007269241A publication Critical patent/JP2007269241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4736905B2 publication Critical patent/JP4736905B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両の側部においてドア開口を区画する縦枠部を形成するとともにアウタパネルに対して車室側に配置される車両のセンターピラー補強構造に関する。
従来、車両の側部においてドア開口を区画する縦枠部を形成するとともにアウタパネルに対して車室側に配置される車両のピラー補強構造が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。特許文献1においては、アウタパネルとインナパネルとで構成される閉断面構造のセンターピラーの内部に、上部と下部とに分割された構造のレインフォースメントや補強板、鋼製パイプ等が配設されているセンターピラー補強構造が開示されている。なお、補強板はドアロック取付部に固定されて下部レインフォースメントとも固定され、鋼製パイプはこのパイプと同長でL型チャンネル状に形成された取付金具によって上下レインフォースメントに固定されている。
また、特許文献2においては、閉断面構造のセンターピラー内に型材を収納配置したセンターピラー補強構造が開示されている。このセンターピラー内の型材は、センターピラーに設けられた上下のヒンジ取付座やドアロックストライカ座にそれぞれネジ止めされる各補強部材と溶接されることで固定されている。また、特許文献3においては、アウタパネルと上下一対の連結板とを有する閉断面状のセンターピラーに閉断面状の補強部材を配置したピラー補強構造が開示されている。この補強部材は、連結板に対して固定されており、ルーフレールの前部からセンターピラーを経てサイドシルの前部に亙って一体的に連続して延びるように設けられている。
特開平8−276864号公報(第2−3頁、第2−3図) 特開平9−254809号公報(第3頁、第2−3図) 特開2000−219153号公報(第4−5頁、第1図、第4図)
上記の特許文献1に記載されたセンターピラー補強構造は、センターピラーの内部にレインフォースメント、補強板、鋼製パイプ、鋼製パイプと同長の取付金具が配設されているものであり、構成部材点数の増加に応じてピラー構造の重量の増大を招いてしまい易い。また、このセンターピラー構造では、センターピラー内に鋼製パイプを配設しているものの、取付金具を介して鋼製パイプを配設しているに過ぎず、鋼製パイプの強度が単独的に発揮されるものであるため、重量に対してさらに効率よく強度を発揮する構造が望まれる。また、上記特許文献2、3に記載された車両のピラー補強構造も、センターピラー内に型材や閉断面状の補強部材を配設しているものに過ぎず、これらの型材や補強部材の強度が単独的に発揮されるものであるため、重量に対してさらに効率よく強度を発揮する構造が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、重量に対してさらに効率よく強度を発揮することができる車両のセンターピラー補強構造を提供し、十分な強度を確保するとともにさらなる軽量化を可能にすることを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明は、車両の側部においてドア開口を区画する縦枠部を形成するとともにアウタパネルに対して車室側に配置される車両のセンターピラー補強構造に関する。
そして、本発明の車両のセンターピラー補強構造は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明は、以下の特徴を単独で、もしくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る車両のセンターピラー補強構造における第1の特徴は、前記ドア開口を形成している上縁部と下縁部とを前記アウタパネルの車室側にて上下方向において連結するように設けられ、前記上縁部に対して取り付けられる上側部分と、前記下縁部に対して取り付けられる下側部分と、当該上側部分及び当該下側部分の間に配置されてこれらと一体に形成されている中間部分と、を有するアウタレインフォースと、前記アウタレインフォースに対して車室側に取り付けられ、矩形状の閉断面を有するとともに前記アウタレインフォースに沿って延びるように配設されている2本の管状補強部材と、を備え、前記中間部分は、前記アウタパネルに沿うように平板状に形成され、前記下側部分は、前記アウタパネルに沿うように形成されている平板状部と、当該平板状部に対して部分的に立設して車室側に配向するように形成されている壁部と、を有し、前記管状補強部材は、前記矩形状の閉断面における一対の長辺の方向が前記アウタパネルから車室側に向かう方向に沿って配向するように、配設されており、前記2本の管状補強部材のうち車両前後方向における前方側に配置されている管状補強部材が、後方側に配置されている管状補強部材に対して、前記下側部分に対向するように配設されている下端側の長さが短くなるように形成されていることである。
この構成によると、アウタレインフォースは、中間部分が平板状に形成され、下側部分が平板状部とこれに部分的に立設する壁部とで形成されているため、アウタレインフォースの重量を大幅に軽量化することができる。一方、矩形状の閉断面を有する2本の管状補強部材がアウタレインフォースに沿って取り付けられているため、断面2次モーメントを大きくして高い剛性を確保し高強度な補強構造を実現することができる。そして、矩形状の閉断面における一対の長辺の方向がアウタパネルから車室側に向かう方向に沿って配向するように各管状補強部材が配設されているため、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際においても十分な強度を発揮することができる。すなわち、アウタレインフォースにおいて平板状に形成された部分が多く設けられて大幅な軽量化が図られていても、2本の管状補強部材によって十分な強度を確保することができる。したがって、本発明によると、従来の車両のピラー補強構造に対して少ない材料で十分な強度を確保できる。すなわち、重量に対してさらに効率よく強度を発揮することができる車両のセンターピラー補強構造を提供し、十分な強度を確保するとともにさらなる軽量化を可能にすることができる。
また、2本の管状補強部材のうちの車両前方側の管状補強部材の下端側の長さが短くなるように形成されているため、ピラー構造の下側の部分が変形し易くなり、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際に乗員の腰部位置付近でピラー補強構造を変形させることができる。そして、前方側の管状補強部材の長さが短く形成されているため、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際には後方側の管状補強部材が変形することになり、乗員の後方側でピラー下側のサイドシル補強構造を変形させることができる。
また、本発明に係る車両のセンターピラー補強構造における第2の特徴は、前記管状補強部材は、700MPa以上の引張強度を有する鋼材であって、ロールフォーミングにより形成されていることである。
この構成によると、ロールフォーミングでは管形状の高強度鋼の加工も容易に行えるため、700MPa以上の引張強度を有する高強度鋼からなる管形状の部材であっても、矩形状の閉断面に形成して管状補強部材を得ることができる。また、ロールフォーミングによると、連続的に効率よく管状補強部材の加工を行うことができる。したがって、本発明の構成によると、矩形状の閉断面を有する高強度鋼からなる管状補強部材を効率よく生産することができる。
また、本発明に係る車両のセンターピラー補強構造における第3の特徴は、前記管状補強部材は、前記上側部分に対向するように配設されている上端側の部分が当該管状補強部材の長手方向において断面が変化するように一部切断加工されていることである。
この構成によると、管状補強部材の上端側の部分が長手方向において断面が変化するように一部切断加工されているため、管状補強部材の重量の軽量化を図ることができる。一方、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際においても、管状補強部材の上端側の部分は強度的に影響は非常に小さいため、一部切断加工することによる強度低下の影響も極めて小さく押えることができる。したがって、強度低下を抑制しつつ、さらなる軽量化を図ることができる。
また、本発明に係る車両のセンターピラー補強構造における第4の特徴は、前記2本の管状補強部材は、前記中間部分に対向するように配設されている部分が互いに離間しているように配設されていることである。
この構成によると、アウタレインフォースの中間部分に対向するように配設されている部分が互いに離間しているように2本の管状補強部材が配設されているため、センターピラー補強構造全体としての断面2次モーメントをより大きくすることができるとともに高いねじり剛性も得ることもでき、さらに高い強度を確保することができる。
また、本発明に係る車両のセンターピラー補強構造における第5の特徴は、前記2本の管状補強部材は、前記下側部分に対向するように配設されている下端側の部分が互いに離間しているように配設されていることである。
この構成によると、アウタレインフォースの下側部分に対向するように配設されている部分が互いに離間しているように2本の管状補強部材が配設されているため、ピラー補強構造全体としての断面2次モーメントをより大きくすることができるとともに高いねじり剛性も得ることもでき、さらに高い強度を確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る車両のセンターピラー補強構造は、車両の側部においてドア開口を区画する縦枠部を形成するとともにアウタパネルに対して車室側に配置されるピラー補強構造として広く適用することができる。
図1は、本実施形態に係る車両のセンターピラー補強構造1(以下、単に「ピラー補強構造1」という)を示す正面図であり、図2は、ピラー補強構造1の背面図である。なお、図1はピラー補強構造1を車外側から見た図であり、図2はピラー補強構造1を車室側から見た図である。また、図1および図2において、矢印(a)で示す側が車両前方側であり、矢印(b)で示す側が車両後方側になっている(図3においても同様に矢印(a)・(b)を図示)。このピラー補強構造1は、車両(図示せず)のセンターピラーとして用いられるものであり、その車両の側部のドア開口を区画する縦枠部を形成している。そして、このピラー補強構造1の車外側には図示しないアウタパネル(車両側部の最外側に設けられる鋼板)が配置されるようになっている(すなわち、アウタパネルの車室側にピラー補強構造1が配置される)ようになっている。
図1および図2に示すように、ピラー補強構造1は、車外側に配置されるアウタレインフォース11および車室側に配置されるインナパネル12を備えている。また、図3はピラー補強構造1においてアウタレインフォース11を除いた状態で示した正面図である。図3に示すように、ピラー補強構造1は、2本の管状補強部材13(13a、13b)も備えている。
図1および図2に示すアウタレインフォース11は、鋼板がプレス成形等の加圧成形を施されることで形成される板金部品として構成されている。このアウタレインフォース11は、ピラー補強構造1が取り付けられる車体にてドア開口を形成している図示しない上縁部(ルーフサイドレール)と図示しない下縁部(サイドシル)とをアウタパネルの車室側にて上下方向に連結するように設けられる。そして、アウタレインフォース11は、ルーフサイドレールに対して取り付けられる上側部分11aと、サイドシルに対して取り付けられる下側部分11cと、上側部分11aおよび下側部分11cの間に配置されてこれらと一体に形成されている中間部分11bと、を備えて構成されている。
図4および図5は分解した状態で示すピラー補強構造1の側面図であって、図4は車両前方側からみたものであり、図5は車両後方側からみたものである。なお、図4および図5において、矢印(c)で示す側が車室側であり、矢印(d)で示す側が車外側になっている。また、図6および図7はピラー補強構造1の分解斜視図であって、図6は車外側の斜め前方からみたものであり、図7は車外側の斜め後方からみたものである。
アウタレインフォース11の中間部分11bは、図示しないアウタパネルに沿うように形成されており、図1、図4乃至図7に示すように、平板状に形成されている。また、アウタレインフォース11の下側部分11cは、中間部分11bと同様にアウタパネルに沿うように形成されている平板状部11d(図5参照)と、平板状部11dに対して部分的に立設して車室側に配向するように形成されている壁部11eと、を有している。なお、アウタレインフォース11では、図4および図5に示すように、平板状部11dにおける車両前方側の縁部からのみ壁部11eが立設されている(すなわち、平板状部11dにおける車両後方側の縁部からは壁部は立設されていない)。
図1乃至図7に示すインナパネル12は、図示しないアウタパネルに対して、縁部分に形成されたフランジ部同士で接合される。そして、アウタパネルとインナパネル12とが接合されることでこれらの間に適宜閉断面が形成され、この閉断面内にアウタレインフォース11と管状補強部材13とが配設されることになる。なお、インナパネル12を省略して、アウタレインフォース11および管状補強部材13だけでピラー補強構造を構築することもできる。
2本の管状補強部材13(13a、13b)は、図3乃至図7に示すように、アウタレインフォース11に対して車室側に取り付けられ、矩形状の閉断面を有するとともにアウタレインフォース11に沿って延びるように配設されている。そして、管状補強部材13aは車両前方側に配設されており、管状補強部材13bは車両後方側に配設されている。管状補強部材13の矩形状の閉断面は、例えば、略長方形の断面や略台形状の断面(上底辺や下底辺の寸法よりも台形高さの寸法が大きい台形断面)等として形成されている。そして、管状補強部材13は、その矩形状の閉断面における一対の長辺の方向がアウタパネル11から車室側に向かう方向に沿って配向するように、配設されている。
また、各管状補強部材13は、図4乃至図7によく示すように、アウタレインフォース11の上側部分11aに対向するように配設されている上端側の部分14が管状補強部材13の長手方向において断面が変化するように一部切断加工されている。
また、2本の管状補強部材13は、図3、図6および図7によく示すように、アウタレインフォース11の中間部分11bに対向するように配設されている部分と、下側部分11cに対向するように配設されている下端側の部分とが、それぞれ互いに離間しているように配設されている。そして、図3、図4、図6、および図7に示すように、2本の管状補強部材13のうち車両前方側に配置されている管状補強部材13aが、後方側に配置されている管状補強部材13bに対して、アウタレインフォース11の下側部分11cに対向するように配設されている下端側の長さが短くなるように形成されている。
なお、管状補強部材13は、700MPa以上の引張強度を有する鋼材であって、ロールフォーミングにより形成されている。例えば、上下高さ方向と左右幅方向とにそれぞれ配置された一対の駆動ロールにより連続的に管材の成形を行うロール成形装置により管状補強部材13を形成することができる。この場合、そのロール間を700MPa以上の引張強度を有する高強度鋼からなる管形状の部材が駆動ロールの回転に伴って引き込まれるように挿通されることで、管形状の部材の断面がロールギャップに応じた矩形状の断面に加工されることになる。また、管状補強部材13の作製にあたっては、ロールフォーミング後に焼入れを行わない場合と焼入れを行う場合とがある。焼入れを行わずにロールフォーミング後そのままの状態で用いる場合の管状補強部材13の引張強度は700MPa以上1600MPa以下に設定することができ、ロールフォーミング後焼入れを行った状態で用いる場合の管状補強部材13の引張強度は1200MPa以上2000MPa以下に設定することができる。
図8は、ロールフォーミングではなくハイドロフォーミングにより高強度鋼からなる円管を拡径させるよう成形する場合の変形状態例を示した斜視図である。ハイドロフォーミングによって管材を成形する場合は、管材に内圧を付加して拡径させて板厚減少させながら所望の断面形状に加工していくことになる。このため、図8に示すように、ハイドロフォーミングによる成形時に管内圧を上昇させていくと所定圧(バースト圧)に達したところで管が破裂してしまう(バーストが発生してしまう)。鋼材を用いると高強度を確保し易くなるが、一般的に鋼材の場合は引張強度(MPa)が高くなるほど伸び率(%)が小さくなってしまう傾向にある。したがって、成形対象の管材の強度が上昇するほど(引張強度が高くなるほど)、バースト圧が高くなって成形が困難になるとともに拡管率(バーストする際の管径の伸び率、すなわち拡径可能な管径の最大伸び率)が低下する。
図9は、ハイドロフォーミングによって管材を成形する場合における引張強度TS(MPa)と拡管率(%)およびバースト圧(MPa)との関係をシミュレーションにより解析した結果である。ハイドロフォーミングの場合、この図9に示すように、引張強度が高くなるほど、バースト圧が高くなって成形が困難になるとともに拡管率も低下してしまう。とくに、引張強度が700MPa以上になると急激にバースト圧が上昇するとともに拡管率が低下してしまうため成形が極めて困難になる。
しかしながら、本実施形態の管状補強部材13のようにロールフォーミングで成形する場合は、ハイドロフォーミングのように拡径させて板厚減少させながら加工することはなく、ロール間で連続的に変形させながら所望の断面形状に加工することになる。このため、引張強度が高い鋼材であっても、容易に且つ連続的に効率よく成形することができる。また、ロールセット(一対のロール)を上流側から下流側へと複数配置したロール成形装置を用いることで、各ロールセットのロール間で徐々に変形させながら所望の断面形状へと加工することもできる。なお、複数のロールセットを通過させながら成形する場合であっても、連続的に加工できるため、高い生産効率を確保することができる。また、ハイドロローミングで矩形状の断面に成形する場合は、板厚減少をさせながら変形させるものであるため、コーナー部における曲率を大きくすることが困難(曲率半径を小さくすることが困難)である。しかしながら、ロールフォーミングで矩形状の断面を成形する場合は、コーナー部において大きな曲率(小さな曲率半径)を容易に確保することができる。
次に、ピラー補強構造1における重量と強度との関係に関して解析した結果について説明する。図10は、図2のX−X線矢視位置に対応するピラー補強構造1の断面をアウタパネル15とともに模式的に示す断面図であって、ピラー補強構造1における重量と強度との関係を解析するための解析モデルを示したものである。図10に示すピラー構造(ピラー補強構造1とアウタパネル15と備えて構成される本実施例)では、アウタパネル15の車室側にピラー補強構造1が配置されており、アウタパネル15のフランジ部15aとインナパネル12のフランジ部12aとが接合されている。また、管状補強部材13はアウタレインフォース11とインナパネル12とにそれぞれ接合されている。
また、図11、図12は、重量と強度との関係についてピラー補強構造1と比較して解析したピラー補強構造の断面(解析モデル)を示したものである。図11に示すピラー構造(比較例1)は、アウタパネル16と、アウタパネル16に沿うように配設されるアウタレインフォース17と、このアウタレインフォース17に沿うように配設されるヒンジレインフォース18と、アウタパネル16に対してフランジ部同士で接合されるインナパネル19とを備えて構成されているものである。また、図12に示すピラー構造(比較例2)は、アウタパネル20と、アウタパネル20に沿うように配設されるアウタレインフォース21と、アウタレインフォース21における一方のコーナー部に沿って配設されるブラケット22と、ブラケット22に沿って配設されるパイプ23とを備えて構成されているものである。なお、比較例2は、特許文献1に記載のセンターピラー補強構造と同様に、レインフォースメントに対応するアウタレインフォース21、取付金具に相当するブラケット22、および鋼製パイプに対応するパイプ23を備えているものである。
上記の図10乃至図12に示す各解析モデルに関して、各断面形状を有する単位長さ(1m)のピラー構造が3点曲げ試験でそれぞれ同水準の曲げ強度を有するように、各解析モデルにおける部材の組み合わせをシミュレーションにより解析した。解析においては、本実施例のピラー構造の曲げ強度を基準とし、比較例1および比較例2においては、これと同水準の強度となる各部材の組み合わせを解析した。なお、本実施例の管状補強部材13と、比較例2のパイプはいずれも1270MPaの高強度鋼である場合を例にとって解析を行った。この解析の結果、図13に示すような部材の組み合わせとすることで、本実施例、比較例1、比較例2のそれぞれのピラー構造において同じ水準の曲げ強度を得られることがわかった。そして、図13に示す部材の組み合わせの場合、単位長さ(1m)当たりの重量としては、比較例1では13.4kg、比較例2では10.9kg、本実施例では6.5kgとなり、比較例1・2に対し本実施例では同一強度でも重量を大幅に低減可能であることがわかった。
以上説明したように、本実施形態のピラー補強構造1によると、アウタレインフォース11は、中間部分11bが平板状に形成され、下側部分11cが平板状部11dとこれに部分的に立設する壁部11eとで形成されているため、アウタレインフォース11の重量を大幅に軽量化することができる。一方、矩形状の閉断面を有する2本の管状補強部材13がアウタレインフォース11に沿って取り付けられているため、断面2次モーメントを大きくして高い剛性を確保し高強度な補強構造を実現することができる。そして、矩形状の閉断面における一対の長辺の方向がアウタパネルから車室側に向かう方向に沿って配向するように各管状補強部材13が配設されているため、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際においても十分な強度を発揮することができる。すなわち、アウタレインフォース11において平板状に形成された部分が多く設けられて大幅な軽量化が図られていても、2本の管状補強部材13によって十分な強度を確保することができる。したがって、ピラー補強構造1によると、従来のピラー補強構造に対して少ない材料で十分な強度を確保できる。すなわち、重量に対してさらに効率よく強度を発揮することができる車両のピラー補強構造を提供し、十分な強度を確保するとともにさらなる軽量化を可能にすることができる。
また、ロールフォーミングでは管形状の高強度鋼の加工も容易に行えるため、700MPa以上の引張強度を有する高強度鋼からなる管形状の部材であっても、矩形状の閉断面に形成して管状補強部材13を得ることができる。また、ロールフォーミングによると、連続的に効率よく管状補強部材13の加工を行うことができる。したがって、ピラー補強構造1の生産においては、矩形状の閉断面を有する高強度鋼からなる管状補強部材13を効率よく生産することができる。
また、ピラー補強構造1によると、管状補強部材13の上端側の部分14が長手方向において断面が変化するように一部切断加工されているため、管状補強部材13の重量の軽量化を図ることができる。一方、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際においても、管状補強部材13の上端側の部分14は強度的に影響は非常に小さいため、一部切断加工することによる強度低下の影響も極めて小さく押えることができる。したがって、強度低下を抑制しつつ、さらなる軽量化を図ることができる。
また、ピラー補強構造1によると、アウタレインフォース11の中間部分11bに対向するように配設されている部分が互いに離間しているように2本の管状補強部材13が配設されているため、ピラー補強構造1全体としての断面2次モーメントをより大きくすることができるとともに高いねじり剛性も得ることもでき、さらに高い強度を確保することができる。
また、ピラー補強構造1によると、アウタレインフォース11の下側部分11cに対向するように配設されている部分が互いに離間しているように2本の管状補強部材13が配設されているため、ピラー補強構造1全体としての断面2次モーメントをより大きくすることができるとともに高いねじり剛性も得ることもでき、さらに高い強度を確保することができる。
また、ピラー補強構造1によると、2本の管状補強部材13のうちの車両前方側の管状補強部材13aの下端側の長さが短くなるように形成されているため、ピラー構造の下側の部分が変形し易くなり、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際に乗員の腰部位置付近でピラー補強構造1を変形させることができる。そして、前方側の管状補強部材13aの長さが短く形成されているため、車外から車両側部へ衝撃荷重が付加された際には後方側の管状補強部材13bが変形することになり、乗員の後方側でピラー補強構造1を変形させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
本発明の実施形態に係る車両のセンターピラー補強構造を示す正面図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造の背面図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造においてアウタパネルを除いた状態で示した正面図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造を分解した状態で示す側面図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造を分解した状態で示す側面図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造の分解斜視図である。 図1に示す車両のセンターピラー補強構造の分解斜視図である。 ハイドロフォーミングにより高強度鋼からなる円管を拡径させるよう成形する場合の変形状態例を示した斜視図である。 ハイドロフォーミングによって管材を成形する場合における引張強度と拡管率およびバースト圧との関係を解析した結果である。 図1に示すピラー補強構造における重量と強度との関係を解析するための解析モデルを示したものである。 重量と強度との関係について図10に示すピラー補強構造と比較して解析したピラー補強構造の断面を示したものである。 重量と強度との関係について図10に示すピラー補強構造と比較して解析したピラー補強構造の断面を示したものである。 各ピラー補強構造において同水準の曲げ強度を有する部材の組み合わせを解析した結果示したものである。
1 車両のセンターピラー補強構造
11 アウタレインフォース
11a 上側部分
11b 中間部分
11c 下側部分
11d 平板状部
11e 壁部
13、13a、13b 管状補強部材

Claims (5)

  1. 車両の側部においてドア開口を区画する縦枠部を形成するとともにアウタパネルに対して車室側に配置される車両のセンターピラー補強構造であって、
    前記ドア開口を形成している上縁部と下縁部とを前記アウタパネルの車室側にて上下方向において連結するように設けられ、前記上縁部に対して取り付けられる上側部分と、前記下縁部に対して取り付けられる下側部分と、当該上側部分及び当該下側部分の間に配置されてこれらと一体に形成されている中間部分と、を有するアウタレインフォースと、
    前記アウタレインフォースに対して車室側に取り付けられ、矩形状の閉断面を有するとともに前記アウタレインフォースに沿って延びるように配設されている2本の管状補強部材と、
    を備え、
    前記中間部分は、前記アウタパネルに沿うように平板状に形成され、
    前記下側部分は、前記アウタパネルに沿うように形成されている平板状部と、当該平板状部に対して部分的に立設して車室側に配向するように形成されている壁部と、を有し、
    前記管状補強部材は、前記矩形状の閉断面における一対の長辺の方向が前記アウタパネルから車室側に向かう方向に沿って配向するように、配設されており、
    前記2本の管状補強部材のうち車両前後方向における前方側に配置されている管状補強部材が、後方側に配置されている管状補強部材に対して、前記下側部分に対向するように配設されている下端側の長さが短くなるように形成されていることを特徴とする車両のセンターピラー補強構造。
  2. 前記管状補強部材は、700MPa以上の引張強度を有する鋼材であって、ロールフォーミングにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のセンターピラー補強構造。
  3. 前記管状補強部材は、前記上側部分に対向するように配設されている上端側の部分が当該管状補強部材の長手方向において断面が変化するように一部切断加工されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のセンターピラー補強構造。
  4. 前記2本の管状補強部材は、前記中間部分に対向するように配設されている部分が互いに離間しているように配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両のセンターピラー補強構造。
  5. 前記2本の管状補強部材は、前記下側部分に対向するように配設されている下端側の部分が互いに離間しているように配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両のセンターピラー補強構造。
JP2006099104A 2006-03-31 2006-03-31 車両のセンターピラー補強構造 Expired - Fee Related JP4736905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099104A JP4736905B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 車両のセンターピラー補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099104A JP4736905B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 車両のセンターピラー補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007269241A JP2007269241A (ja) 2007-10-18
JP4736905B2 true JP4736905B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=38672464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099104A Expired - Fee Related JP4736905B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 車両のセンターピラー補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4736905B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064505A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Toyota Auto Body Co Ltd 車体長手部材の補強構造
US8662567B2 (en) * 2009-02-02 2014-03-04 Vari-Form, Inc. Vehicle roof support pillar assembly
CN107826169B (zh) * 2017-10-31 2021-07-30 奇瑞汽车股份有限公司 一种汽车b柱加强板及其制造方法
JP6991935B2 (ja) * 2018-07-04 2022-01-13 豊田鉄工株式会社 車両用補強部材とその製造法
JP7284056B2 (ja) * 2019-09-30 2023-05-30 株式会社Subaru 車体構造
JP7384655B2 (ja) * 2019-12-16 2023-11-21 住友重機械工業株式会社 車体用構造体、補強部材および補強部材の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09193664A (ja) * 1996-01-16 1997-07-29 Toupure Kk 車室の補強構造
JPH10218017A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Nissan Motor Co Ltd センターピラーの補強構造
JP2000219153A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Mazda Motor Corp 自動車の車体構造
JP2003118633A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Daimler Chrysler Ag 自動車用ボディ・ピラー

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09193664A (ja) * 1996-01-16 1997-07-29 Toupure Kk 車室の補強構造
JPH10218017A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Nissan Motor Co Ltd センターピラーの補強構造
JP2000219153A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Mazda Motor Corp 自動車の車体構造
JP2003118633A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Daimler Chrysler Ag 自動車用ボディ・ピラー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007269241A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4555210B2 (ja) 自動車の車体構造
US8651562B2 (en) B-pillar reinforcement of a motor vehicle
JP4736905B2 (ja) 車両のセンターピラー補強構造
JP4993142B2 (ja) 一体化溶接フランジを有するワンピース管状部材およびそれを製造するための関連した方法
US20120313400A1 (en) Vehicle pillar assembly
JP6170895B2 (ja) 自動車用耐衝突部品
EP3037187A1 (en) Production method for press-molded body, and press molding device
JP5420462B2 (ja) 自動車用部品
EP3219589B1 (en) Structural member
EP2529997A1 (en) Vehicle roof support pillar assembly
JP4648047B2 (ja) 自動車パネル構造体
JP5203870B2 (ja) 曲げ圧壊特性に優れた自動車車体補強材
JP6540591B2 (ja) 車体側部構造
JP2006341687A (ja) 車体骨格部材の衝突エネルギー吸収構造および衝突エネルギー吸収方法
JP5328057B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP4834353B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP5513084B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP2004051065A (ja) 車体構造材および耐衝突補強材
JP4932688B2 (ja) 自動車車体用ルーフ補強材
JP5513085B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
EP3597512B1 (en) Molded body, structural member, and method for manufacturing molded body
JP6677839B1 (ja) 自動車のバンパー補強材
JP6058425B2 (ja) センターピラーレス車両のフロントドア構造
EP3932750B1 (en) Structural member for vehicle
JP7084159B2 (ja) 車両のドアビーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4736905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees