JP4736356B2 - プロジェクタおよびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放電式ランプ等の放電式の光源部を備えたプロジェクタに関する。
透過型液晶ライトバルブ等の光変調素子を用いて、画像を光学的に投写させて表示するプロジェクタが知られている。このようなプロジェクタでは、光変調素子として用いられる液晶ライトバルブの駆動に必要な対向電極電圧などは制御信号によって制御されるDAコンバータで生成される(例えば特許文献1参照)。一方、このようなプロジェクタには、例えば、高圧水銀ランプや、メタルハライドランプ及びハロゲンランプ等の放電式ランプが、光源として用いられている。これらの放電式ランプは、高輝度が得られるものの、ランプが点灯するまでに数秒から数十秒程度の時間が必要である。このため、起動時において、プロジェクタの各種初期設定を先に行ってから、ランプの点灯処理に入る。
図9は、従来のプロジェクタにおける、初期設定の流れを示すフローチャートである。ステップS30でプロジェクタの電源スイッチをONすると、ステップS31では、各部及び各回路の初期化処理が行われる。ステップS32では、各種初期設定において必要な所定のデータが記憶装置から読み出されて、DAコンバータ等の初期設定が成される。ステップS33では、それぞれ設定されたデータに沿って関係各部の調整及び画像処理が成される。ここで、初期設定の所定のデータとしては、例えば、液晶ライトバルブの対向電極電圧の設定値や、デジタル画像を液晶ライトバルブで階調表示するためのγ補正に関するパラメータ等が該当する。ステップS34では、ランプの点灯処理が始まり、ステップS35でランプの点灯を確認すると、ランプの点灯処理は終了し、画像の投写が始まる。
特開2002−287716号公報
前述の放電式ランプを点灯する際には、起動時にランプ電極間に高周波の高電圧を印加することにより絶縁破壊を起こさせて放電経路を形成することが必要である。このときの電圧は瞬間的に20KV程度となり、これが高周波ノイズとなって周辺回路に影響を及ぼすことがある。しかしながら、前述の従来のプロジェクタにおいては、ランプの点灯前に各種初期設定が成されているため、設定されたデータが前述の高周波ノイズによって破壊されてしまう恐れがある。
例えば、ランプ点灯前の段階で、液晶パネル駆動部のDAコンバータのレジスタに液晶ライトバルブの対向電極電圧が設定されており、その後、ランプ点灯に伴う高周波ノイズによりデータが破壊されてしまった場合を考える。このプロジェクタの初期設定の画像は、グレーのベタ画像が設定されていたとする。DAコンバータのレジスタデータが破壊されてしまうと、液晶ライトバルブの対向電極間に印加される電圧は、DC電圧であること以外は予測できない。例えば、対向電極間に設定値以外の電位の偏った電圧(以下、DCオフセット電圧という)が印加されると、DCオフセット電圧が掛かっていたときの表示の跡が残ってしまう現象、いわゆる焼き付けが発生してしまう。
また、本来グレーのベタ画像となるべき画像が、異なる色調の画像となってしまうことも想定される。さらには、異常電圧が印加されることにより、画素に過負荷が掛かり、液晶ライトバルブ自体の寿命が縮まることも考えられる。また、このような現象を見て、ユーザーがプロジェクタの故障を疑うことも想定される。このように、従来のプロジェクタは、ランプの点灯前のみに各種初期設定が成されているため、ランプ点灯に伴う高周波ノイズにより設定データが破壊され、これによる異常表示が生じる可能性があり問題である。
上記課題を解決するために、本発明では、光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないプロジェクタを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、照明光を供給する放電式の光源部と、前記光源部の点灯状態を検出する点灯検出部と、前記照明光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子が動作するときの動作条件を設定するデータ設定部と、前記データ設定部に設定された所定のデータに基づいて、前記光変調素子を所定の動作条件で動作させる動作処理部と、前記所定のデータを記憶する記憶部と、前記光源部と、前記データ設定部と、前記動作処理部と、前記記憶部を制御する制御部と、を備え、前記動作処理部は、前記光変調素子に所定の対向電極電圧を供給する信号生成部であり、前記データ設定部は、前記信号生成部内に設けられたレジスタであって、前記記憶部は、前記所定のデータとして所定の対向電極電圧の設定値を記憶し、前記制御部は、前記点灯検出部からの検出信号により前記光源部の点灯を検出すると、前記記憶部から前記所定の対向電極電圧の設定値を読み出し、前記信号生成部のレジスタに設定することを特徴とする。

この構成によれば、点灯検出部は、プロジェクタの光源部の点灯状態を検出し、制御部に検出信号を送る。プロジェクタの光源部は、高輝度が得られる放電式である。制御部は、点灯検出部からの検出信号により光源部の点灯を検出すると、記憶部から所定のデータとして光変調素子の対向電極電圧の設定値を読み出し、データ設定部に設定する。これにより、前述の光源部の点灯時に発生する高周波ノイズが収まった後に、データ設定部に光変調素子が動作するときの動作条件についての所定のデータを設定することができる。すなわち、信号生成部のレジスタに所定の対向電極電圧を設定することができる。動作処理部は、データ設定部に設定された所定のデータに基づいて、光変調素子を所定の動作条件で動作させることができる。すなわち、動作処理部である信号生成部は、レジスタに設定された対向電極電圧の設定値に沿って、対向電極電圧を生成する。従って、光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、前述の焼き付け現象や色調ズレ等が発生せず、設定値通りの適切な投写画像を得ることができる。従って、光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないプロジェクタを提供することができる。
また、本発明のプロジェクタの好ましい態様によれば、制御部は、光源部が点灯する前においても、所定のデータを記憶部から読み出し、データ設定部に設定することを特徴とする。この構成によれば、放電式の光源部が点灯するのに必要な数秒から数十秒の時間においても、光変調素子が動作するときの動作条件、または、光変調素子により生成される画像に影響を与える画像信号の処理条件についての所定のデータが設定されており、光変調素子には、動作処理部から適切な電圧や、画像信号が印加されている。従って、光源部が点灯する前においても、光変調素子に過電圧や異常な画像信号が印加されることがないので、光変調素子及び関係各部を保護することができる。
また、本発明のプロジェクタの制御方法は、照明光を供給する放電式の光源部と、前記照明光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子に所定の対向電極電圧を供給する信号生成部と、前記信号生成部内に設けられ、前記光変調素子が動作するときの動作条件についての所定のデータを設定するレジスタであるデータ設定部と、前記所定のデータとして所定の対向電極電圧の設定値を記憶する記憶部と、を備えるプロジェクタの制御方法であって、前記光源部の点灯状態を検出する点灯検出工程と、前記点灯検出工程において前記光源部の点灯が検出されると、前記記憶部から前記所定の対向電極電圧の設定値を読み出し、前記信号生成部のレジスタに設定する第1のデータ設定工程とを含むことを特徴とする。
この制御方法によれば、点灯検出工程では、光源部の点灯状態を検出する。データ設定工程では、点灯検出工程において光源部の点灯が検出されると、所定のデータを記憶部より読み出し、データ設定部に設定する。これにより、前述の光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、所定のデータが設定されるのは、高周波ノイズの影響が大幅に低減された光源部の点灯後であるので、所定のデータが破壊される可能性は低減される。よって、光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないプロジェクタの制御方法を提供することができる。
また、本発明のプロジェクタの好ましい態様によれば、前記光源部が点灯する前においても、前記所定のデータを前記記憶部から読み出し、前記データ設定部に設定する第2のデータ設定工程を含むことを特徴とする。この構成によれば、放電式の光源部が点灯するのに必要な数秒から数十秒の時間においても、光変調素子が動作するときの動作条件、または、光変調素子により生成される画像に影響を与える画像信号の処理条件についての所定のデータが設定されており、光変調素子には、動作処理部から適切な電圧や、画像信号が印加されている。従って、光源部が点灯する前においても、光変調素子に過電圧や異常な画像信号が印加されることがないので、光変調素子及び関係各部を保護することができる。

以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1のプロジェクタ100を示す概略構成図である。プロジェクタ100は、光源部としてのランプ1が放射した光を、赤色光(以下R光という)、青色光(以下B光という)、緑色光(以下G光という)の光の3原色成分に分離し、各色光毎に光変調素子としての各色光用液晶ライトバルブ2にて画像信号に応じて変調した後、再度合成してスクリーンSCに投写するいわゆる液晶3板式のプロジェクタである。ここでは、まず、プロジェクタ100の概略構成について説明し、続いて、液晶ライトバルブの表示原理及び液晶ライトバルブの諸特性について詳細に説明し、最後にプロジェクタ100の起動ルーチンについて説明する。
図1において、画像信号供給装置3は、例えば、パーソナルコンピュータやビデオレコーダ等、外部から画像信号を供給する装置であり、プロジェクタ100の図示しない外部接続端子に接続されている。画像信号供給装置3からの画像信号VSは、アナログ画像信号であり、例えば、パーソナルコンピュータのコンピュータ画像を表すRGB信号や、ビデオレコーダやテレビジョン受信機からのコンポジット信号としてプロジェクタ100に供給される。画像信号供給装置3からのアナログ画像信号VSは、画像信号処理部4へ入力される。画像信号処理部4は、画像コンバータ5、γ補正回路6、色ムラ補正回路7等から構成されている。
画像コンバータ5は、アナログ画像信号VSをAD変換し、デジタル画像信号DSとして出力する。この画像信号DSには、タイミング信号としての垂直同期信号や水平同期信号、クロック信号が含まれている。このデジタル画像信号DSの画像データは、1画素あたり24ビットの画像データとして各画素ごとに連続して出力される。なお、1画素の画像データは、R、G、Bの各色毎に8ビットの色データで構成されている。γ補正回路6は、液晶ライトバルブ2への印加電圧に対する透過率の変化特性(以下、V−T特性という)を、より直線的に変化するようにデジタル画像信号DSに補正を掛ける。この、補正をγ補正という。なお、γ補正の詳細については後述する。色ムラ補正回路7は、スクリーンSC上に表示される画像に発生する色ムラを抑制するように、γ補正後のデジタル画像信号DSγを補正し、更にDA変換を施してアナログ画像信号DScとして、液晶パネル駆動部8へ出力する。色ムラ補正の詳細については後述する。
液晶パネル駆動部8は、後述するDCバイアス回路及びゲイン調整回路(いずれも図示せず)を含んでいる。液晶パネル駆動部8は、前述の同期信号等を含むアナログ画像信号DScに、DCバイアス回路及びゲイン調整回路により、DCバイアス調整及びゲイン調整を行い、アナログ画像信号DSeとして液晶ライトバルブ2へ供給する。なお、DCバイアス調整及びゲイン調整については後述する。
制御部9はCPU等から構成され、前述の画像信号処理部4、液晶パネル駆動部8、これから説明する記憶部10、DAコンバータ(DAC)11及びI/F部12にバスを介して接続されており、各部の制御を行う。記憶部10は、例えばフラッシュメモリや、EEPROM等の不揮発性のメモリから構成されており、液晶ライトバルブ2で画像を表示するために必要な各種の所定のパラメータ等を記憶している。動作処理部としてのDAコンバータ11は、液晶ライトバルブ2へ供給する対向電極電圧を生成する。なお、DAコンバータ11の内部には、データ設定部としてレジスタ18が設けられている。I/F部12には、インジケータ部13、操作部14、メイン電源部15、ランプ駆動部16及びランプ点灯検出部17が接続されている。I/F部12は、制御部9と、I/F部12に接続する各部との情報の橋渡しを行っている。よって、I/F部12に接続する各部13〜17は、I/F部12を介して制御部9により制御されている。
インジケータ部13は、例えば複数のLEDや、TN型の液晶パネルから構成されており、プロジェクタ100の動作状態を示す。操作部14は、図示しない複数の操作スイッチから構成されており、この複数のスイッチによりプロジェクタ100の操作が可能となっている。また、図示しないリモコンによっても同様の操作が可能である。メイン電源部15は、外部AC電源からの電力をプロジェクタ100の各部に必要な電力様式に変換して、各部に供給している。ランプ1は、例えば、高圧水銀ランプや、メタルハライドランプ及びハロゲンランプ等の放電式ランプを用いている。ランプ駆動部16は、点灯時にランプ1の電極間に高電圧を印加して絶縁破壊を起こさせ放電経路を形成するイグナイタ回路(図示せず)及び、ランプ点灯後にアーク放電を安定化させ、これを維持するためのバラスト回路(図示せず)とを含み、ランプ1の点灯及び消灯を行う。
点灯検出部としてのランプ点灯検出部17には、例えばフォトダイオード19のような光センサが設けられている。なお、光センサとしては、フォトトランジスタ又はCDSなどを用いても良い。ランプ点灯検出部17は、ランプ1が点灯すると、この光センサによって、ランプ1から放射される光の一部を検出し、検出信号をI/F部12に送る。I/F部12は、ランプ点灯検出部17からの検出信号を所定の信号形式に変換して制御部9へ送る。ランプ1が放射した照明光は、色光分離光学系を含んだ照明光学系(いずれも図示せず)により照明光の分散を防ぎながらR,G,B各色光成分に分離され、各色光用の液晶ライトバルブ2へ入射する。各色光用液晶ライトバルブ2にて、各色光毎に画像信号に応じて変調された変調光は、R,G,B各色光を合成する合成光学系を含む投写光学系により投写光として合成され、スクリーンSCにフルカラー画像を投写する。
ここで、液晶ライトバルブ2の表示原理及び対向電極電圧について説明する。液晶ライトバルブ2は、各画素を形成する液晶に、各画素に対応する画素信号に応じた電圧を印加して、各画素に照射される光の透過率を制御することにより画像を形成する光変調素子である。図2は、液晶ライトバルブ2の任意の1画素の等価回路と、この1画素に印加する印加電圧波形を示す説明図である。図2(a)に示すように、1つの画素PEは、互いに直交する走査線SLと信号線DLの交点に、スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)50を介して設けられている。TFT(以下、「TFTスイッチ」と呼ぶ)50のゲート電極は走査線SLに接続され、ドレイン電極は信号線DLに接続され、ソース電極は画素PEの画素電極51に接続される。画素電極51に対向する対向電極52は、図1のDAコンバータ11からの出力線である対向電極信号線LCCOMに接続されている。なお、対向電極52は、通常、全画素に共通な電極として形成されるため、共通電極信号線とも呼ばれる。
画素電極51と対向電極52との間に、液晶が狭持されている。なお、この液晶は、等価的に容量(以下、「液晶容量」と呼ぶ)CLCとしてみなされる。また、液晶容量CLCと並列に蓄積容量Csが付加されている。なお、液晶容量CLCと蓄積容量Csの合成容量Cpe(=CLC・Cs/(CLC+Cs))は「画素容量」と呼ばれる。図1の液晶パネル駆動部8より信号線DLを通じて供給される画像信号DSeのうち、この画素に対応する画素信号電圧Vdは、走査線SLにより供給される走査線駆動信号のスイッチ電圧Vgでオン/オフ制御されるTFTスイッチ50を介して、画素容量Cpeに書き込まれる。具体的には、図2(b)に示すように、サンプリング期間Tsにおいて、画素信号電圧Vdが画素電極電圧Vpとして画素容量Cpeに書き込まれ、ホールド期間Thにおいて、画素電極電圧Vpが保持される。この結果、画素電極51に供給される画素電極電圧Vpと対向電極52に供給される対向電極電圧Vcomとの電位差によって、画素電極51上の液晶が動作する。なお、マトリクス状に配列された他の複数の画素も同様である。
ここで、液晶に長時間DC電圧を印加すると、液晶内部では、不純物イオンによる分極が発生する等による材料物性の変化が発生し、抵抗率が減少するなどの劣化現象が現れる。この劣化現象の一例としては、前述の画面の焼き付きが該当する。従来からこの問題を解決するために、各画素のAC駆動が行われている。図2(b)に示すように、画素電極51に印加する画素電極電圧Vpを、対向電極52に印加する対向電極電圧Vcomに対して、フレーム走査周期ごとに反転し、画素電極51と対向電極52との間に印加される平均電圧を0とし、液晶にDCオフセット電圧が印加されないような駆動が行われている。このため、対向電極電圧Vcomは、画素電極51と対向電極52との間に印加される平均電圧が0となるような、所定のDC電圧値が設定されている。この所定のデータである対向電極電圧Vcomの設定値は、設計段階で最適な値が導出され、図1の記憶部10に格納されており、制御部9の指示によりDAコンバータ11のレジスタ18に設定される。
続いて、液晶ライトバルブ2の諸特性について説明する。図3(a)は、ツイステッドネマチック型液晶を用いたR,G,B各色光用液晶ライトバルブに所定の電圧(V)を印加した際の透過率(T)をグラフにしたものである。この場合、液晶ライトバルブへ印加する電圧は0V〜6Vまでの範囲であるが、透過率が略100%の白レベルと、透過率が略0%の黒レベル領域における透過率は、共に印加電圧に対して飽和した状態となっている。よって、飽和している電圧範囲は、透過率に対して無効である。このため、液晶ライトバルブへ印加される電圧を、透過率を変化させるのに有効な電圧の振幅である3.8V程度に制限して、映像信号のDCバイアスを調整している。この調整をブライトネス調整と称する。本実施形態においては、図1の液晶パネル駆動部8内に図示しないDCバイアス調整回路を含んでおり、液晶パネル駆動部8にてDCバイアス調整を施している。
また、R,G,B各色光用液晶ライトバルブ2のV−T特性は、それぞれの色光毎に傾きが異なり、透過率が略100%の白レベル及び、透過率が略0%の黒レベルに達する電圧にばらつきがある。このばらつきを低減するために、映像信号のゲインを調整している。この調整をゲイン調整と称する。本実施形態においては、図1の液晶パネル駆動部8内に図示しないOPアンプ等から構成されるゲイン調整回路を含んでおり、液晶パネル駆動部8にてゲイン調整を施している。なお、これらのDCバイアス調整及び、ゲイン調整に関するパラメータは、液晶ライトバルブ2の特性により決まるため、あらかじめ把握することができる。本実施形態では、これらの所定のパラメータは設計段階で最適な設定値が導出され、図1の記憶部10に格納されており、制御部9の指示により液晶パネル駆動部8のレジスタ18に設定される。
図3(b)は、前述のブライトネス調整及びゲイン調整を行った状態でのV−T特性を示す。電圧軸は8ビットのデジタル入力信号の階調値で表している。ここで、各色光ともに、透過率が略0%の黒レベルにおいて、階調値の変化に対する透過率の変化量が少ない。従って、このままでは十分な解像度を得ることができない。十分な解像度を得るためには、1階調値あたりの透過率の変化量が均一になることが望ましく、それには、V−T特性を図3(b)に示す理想γ特性に近づけることが必要である。ここで、図4(a)に示すγ補正特性を用いて補正を掛けることにより、図4(b)に示すようなγ特性を得ることができる。この補正をγ補正という。本実施形態においては、図1の画像信号処理部4のγ補正回路で、γ補正を施している。なお、γ補正に関するパラメータは、液晶ライトバルブ2の特性により決まるため、あらかじめ把握することができる。このγ補正に関するパラメータは設計段階で最適な設定値が導出され、図1の記憶部10に格納されており、制御部9の指示によりγ補正回路6のレジスタ18に設定される。
プロジェクタの投写画面は、数センチメートル四方の液晶ライトバルブからの投写光を数十インチにまで拡大している。このため、例えば、照明光のわずかな色ムラや、液晶ライトバルブの特性、または一部の画素不良などによるわずかな透過不良が拡大されて投写画像に色ムラを発生させてしまう。このような色ムラを補正する手段としては、プロジェクタ100を組み立てた後に、一定輝度レベルの画像信号、例えばグレーのベタ画像を入力してスクリーンに画像を投写し、色ムラの発生状況を確認して必要な補正を掛ける方法がある。図5は、この色ムラ補正手段の説明図であり、スクリーンSCは、格子状に9ブロックa〜iに分割されている。色ムラ補正に関するパラメータは、例えば、スクリーンSCに投写された一定輝度レベルの画像信号での投写画像の9ブロックa〜i毎の輝度を、輝度計にて測定し、その測定値と基準値との差により求めることができる。また、輝度計の変わりにビデオカメラ等の撮像手段で撮影して、輝度を測定することとしても良い。この色ムラ補正に関するパラメータは、図1の記憶部10に格納されており、制御部9の指示により色ムラ補正回路7のレジスタ18に設定される。
続いて、プロジェクタ100の起動ルーチンについて説明する。図6は、プロジェクタ100の起動ルーチンを示すフローチャートである。以下、図6と、図1を用いて説明する。プロジェクタ100を起動するには、ステップS1にて、操作部14の電源スイッチ(図示せず)をONする。電源スイッチをONすると、ステップS2にて、各部の初期化処理が行われる。初期化処理としては、まず、メイン電源部15が立ち上がり各部に電源を供給する。次いで、各部にハードウエアリセットが掛けられる。このとき、画像信号処理部4の画像コンバータ5、γ補正回路6、色ムラ補正回路7もハードウエアリセットが成され、合わせて、それそれのレジスタ18の設定内容もクリアされる。また、同様に液晶パネル駆動部8及びDAコンバータ11についても、ハードウエアリセットと、それそれのレジスタ18の設定内容のクリアが行われる。なお、フローチャートには記載していないが、ステップS1の電源スイッチONにより、インジケータ部13は、例えば起動状態を示すLEDを点灯させる。
続いてステップS3にて、液晶ライトバルブ2の諸特性に関する所定のデータとしての設定値やパラメータを設定する。制御部9は、記憶部10に格納されている対向電極電圧の設定値を読み出し、DAコンバータ11のレジスタ18に設定する。制御部9は、同様の作業を繰り返すことにより、γ補正回路6のレジスタ18には、γ補正に関するパラメータを、色ムラ補正回路7のレジスタ18には、色ムラ補正に関するパラメータを、液晶パネル駆動部8のレジスタ18には、DCバイアス調整に関するパラメータと、ゲイン調整に関するパラメータとを、それぞれ設定する。また、本実施形態においては、起動時の初期画面表示に関するデータも、記憶部10に格納されており、制御部9により、画像コンバータ5のレジスト18に設定される構成となっている。ここでは、例えば、初期画面データとしてグレーのベタ画像を設定する。
ステップS4では、ステップS3にて設定された設定値やパラメータに沿って、それぞれの回路調整、画像処理等が行われる。DAコンバータ11においては、レジスタ18内の設定値に沿った対向電極電圧が生成されて、液晶ライトバルブ2に供給される。画像コンバータ5では、レジスタ18内のパラメータに沿ってグレーのベタ画像を生成し、デジタル画像信号DSとしてγ補正回路6に送る。γ補正回路6は、デジタル画像信号DSにレジスタ18内のパラメータに沿ったγ補正を施し、デジタル画像信号DSγとして色ムラ補正回路7に送る。色ムラ補正回路7は、デジタル画像信号DSγにレジスタ18内のパラメータに沿った色ムラ補正を行い、さらにDA変換を施してアナログ画像信号DScとして液晶駆動部8に送る。液晶駆動部8は、内部のDCバイアス調整回路及びゲイン調整回路(いずれも図示せず)により、アナログ画像信号DScにレジスタ18内のパラメータに沿ったDCバイアス調整及びゲイン調整を施し、アナログ画像信号DSeとして液晶ライトバルブ2へ供給する。
ステップS4が完了した時点で、ランプ1は点灯する前なので画像の投写表示は成されていないが、液晶ライトバルブ2は、初期設定画像であるグレーのベタ画像を表示している。ステップS5では、ランプON動作を行う。制御部9は、I/F部12を介して、ランプ駆動部16にランプON信号を送る。ランプON信号を受信したランプ駆動部16のイグナイタ回路(図示せず)は、ランプ1の電極間に高電圧を印加して、絶縁破壊による放電経路の形成を行う。このときの電圧は瞬間的に20KV程度となり、これが高周波ノイズとなって周辺各部に影響を及ぼすことがある。例えば、DAコンバータ11のレジスタ18に設定されている対向電極電圧に関するパラメータを破壊してしまう可能性がある。ランプ駆動部16のイグナイタ回路(図示せず)による高電圧の印加により、ランプ1の電極間に絶縁破壊による放電経路の形成が成されると、ランプ1は点灯する。ランプ駆動部16は、ランプ1の点灯、非点灯に拘わらず、一定時間が経過するとイグナイタ回路の動作を停止し、ランプ点灯後のアーク放電を安定化させるバラスト回路(図示せず)を起動する。
ステップS6では、ステップS5でのランプON動作によりランプ1が点灯したかどうか検出する。ランプ点灯検出部17のフォトダイオード19の受光部は、ランプ1が点灯した際に、ランプ1が放射する光の一部が入射するような位置に設置されている。フォトダイオード19は、ランプ1が点灯すると受光部に入射した光量に比例した逆電流を流す。ランプ点灯検出部17は、この逆電流量に比例した所定の検出信号をI/F部12に送る。I/F部12は、ランプ点灯検出部17からの検出信号をA/D変換等により所定の信号形式に変換して制御部9へ送る。また、ランプ1が非点灯のときも、I/F部12は、ランプ点灯検出部17からの検出信号をA/D変換等により所定の信号形式に変換して制御部9へ送る。制御部9は、I/F部12からの信号レベルと、あらかじめ記憶部10に格納されている基準信号レベルとを比較し、ランプ1の点灯または非点灯を検出する。ここで、制御部9が、ランプ1の点灯を検出した場合は、ステップS7へ進む。非点灯を検出した場合は、ステップS9のランプ非点灯処理ルーチンへ進む。なお、ステップS9のランプ非点灯処理ルーチンについては後述する。
ランプ1の点灯を検出し、ステップS7へ進んだ場合、再度ここで、液晶ライトバルブ2の諸特性に関する所定のデータを設定する。本実施形態では、対向電極電圧の再設定を行う。なお、ランプ1が点灯している段階においては、前述した通り、ランプ駆動部16のバラスト回路(図示せず)が起動している。よって、ランプ1が消灯して、再度、点灯動作が成されない限りは、ランプ駆動部16のイグナイタ回路(図示せず)による高電圧印可にともなう、高周波ノイズの影響を受ける心配はない。制御部9は、記憶部10に格納されている所定のデータとしての対向電極電圧の設定値を読み出し、再度、動作処理部としてのDAコンバータ11のレジスタ18からなるデータ設定部に設定する。
ステップS8では、ステップS7にて設定されたパラメータに沿って、回路調整が行われる。DAコンバータ11は、レジスタ18内の設定値に沿った対向間電圧Vcomを生成し、液晶ライトバルブ2に供給する。ステップS8が終了した時点で、起動ルーチンは完了し、初期設定画像であるグレーのベタ画像がスクリーンSCに投写された待ち受け状態となっている。この段階で、画像信号供給部から画像信号VSが入力されると、画像信号は、画像信号処理部4及び液晶パネル駆動部8にて前述したような画像信号処理が施され画像信号DSeとして、液晶ライトバルブ2に供給される。ランプ1からの照明光は、液晶ライトバルブ2にて画像信号DSeにより変調され、投写光学系(図示せず)にて合成及び投写されて、スクリーンSCにフルカラー画像を映し出す。
ここで、ステップS9のランプ非点灯処理ルーチンについて説明する。制御部9が、ランプ1が非点灯であると判断した場合、図7のランプ非点灯処理ルーチンへ進む。ここからは、図6、図1に図7を加えて説明する。まず、ステップS20では、制御部9内のカウンタにてランプ1が連続して非点灯となった回数をカウントする。ランプ1が連続して非点灯となった回数が、あらかじめ記憶部10に設定してある基準回数以上になった場合は、ステップS24の異常処理ルーチンへ進む。本実施形態においては、基準回数を3回に設定している。よって、ランプ1が3回連続して非点灯となった場合、異常処理ルーチンに進む。ステップS24の異常処理ルーチンでは、例えば、インジケータ部13の異常警告LEDを点滅させたり、修理依頼LEDを点滅させ、使用者に異常を伝える。ランプ1の非点灯の検出回数が3回未満の場合は、ステップS22のランプOFF動作へ進む。
ランプ駆動部16は、前述した通り、ランプの点灯、非点灯に拘わらず一定時間が経過するとイグナイタ回路の動作を停止し、バラスト回路(いずれも図示せず)を起動する。よって、ここで、一旦、ランプ駆動部16の動作を終了しておく必要がある。制御部9は、I/F部12を介して、ランプ駆動部16にリセット信号を送る。ステップS22では、再度、ランプON動作を行う。ランプON動作は、前述のステップS5での説明と同一である。ステップS23では、再度、ランプ1が点灯したかどうかを検出する。ランプ点灯検出についても、前述のステップS6での説明と同一である。ステップS23で、制御部9がランプの点灯を判断した場合は、ランプ非点灯処理ルーチンを抜け、ステップS10から起動ルーチンのステップS7の所定のパラメータ設定へ戻る。ステップS23で、制御部9がランプの非点灯を判断した場合は、再度、ステップS20の非点灯の検出回数ルーチンへ戻る。
上述した通り、実施形態1によれば以下の効果が得られる。
(1)点灯検出部としてのランプ点灯検出部17は、フォトダイオード19により、放電式ランプ1からなる光源部の点灯状態を検出し、I/F部12を介して制御部9に検出信号を送る。制御部9は、I/F部12からの信号レベルと、あらかじめ記憶部10に格納されている基準信号レベルとを比較し、ランプ1の点灯または非点灯を検出する。制御部9は、ランプ1の点灯を検出すると、記憶部10に格納されている所定のデータとしての対向電極電圧の設定値を読み出し、動作処理部としてのDAコンバータ11内の、データ設定部としてのレジスタ18に設定する。これにより、前述のランプ点灯時に発生する高周波ノイズが収まった後に、DAコンバータ11に対向電極電圧を設定することができる。よって、液晶ライトバルブ2に異常なDCオフセット電圧が印加されることが防げるので前述の焼き付けは発生しない。よって、焼き付けによる、液晶ライトバルブ2の劣化も防ぐことができる。さらに、ランプ1点灯後は、適切な対向電極電圧が印加されるので初期設定画像の色調異常も起こらない。従って、光源部としてのランプ1の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないプロジェクタを提供することができる。
(2)図6のステップS3にて、光変調素子としての液晶ライトバルブ2の諸特性に関する所定のデータとしての設定値やパラメータは、光源部としてのランプ1が点灯する前にも設定されている。制御部9は、記憶部10に格納されている対向電極電圧、γ補正、色ムラ補正、DCバイアス調整、ゲイン調整及び初期画面表示に関する所定のデータとしての設定値やパラメータ読み出し、各データ設定部としての各レジスタ18に設定する。前述した通り、液晶ライトバルブ2はランプ1が点灯する前においても、画像の投写表示は成されないが、初期設定画像を表示している。これにより、放電式ランプ1が点灯するのに必要な数秒から数十秒の時間においても、液晶ライトバルブ2が動作するときの動作条件、または、液晶ライトバルブ2により生成される画像に影響を与える画像信号の処理条件についての所定のデータが設定されており、液晶ライトバルブ2には、動作処理部としてのDAコンバータ11及び画像信号処理部4から適切な電圧や、画像信号が印加されている。従って、光源部としてのランプ1が点灯する前においても、液晶ライトバルブ2に過電圧や異常な画像信号が印加されることがないので、光変調素子としての液晶ライトバルブ2及び関係各部を保護することができる。
(実施形態2)
続いて、本発明の第2の実施形態について図面に基づいて説明する。図8は実施形態2のプロジェクタ110(図示せず)の起動フローチャートである。なお、実施形態1のプロジェクタ100と同一の部分には同一の符号を付し重複する説明は省略する。プロジェクタ110(図示せず)の概略ブロック構成及び各部の作用説明は、プロジェクタ100と同一である。ここでは、図8の起動フローチャートを中心に、プロジェクタ100との相違点についてのみ、図1、図6、図7を用いて説明する。
プロジェクタ110(図示せず)の起動の流れについて、ステップS1からステップS6までについては、プロジェクタ100の起動時と同様である。ステップS1にて、電源ON処理を行い、ステップS2にて、各部の初期化処理が行われる。続いてステップS3にて、液晶ライトバルブ2の諸特性に関する所定のデータとしての設定値やパラメータを設定する。ステップS4では、ステップS3にて設定された設定値やパラメータに沿って、それぞれの回路調整、画像処理等が行われる。ステップS5では、ランプON動作を行う。ステップS6では、ステップS5でのランプON動作によりランプ1が点灯したかどうか検出する。また、ステップS6で、ランプ1の非点灯を検出した場合の図7で示すランプ非点灯処理ルーチンへの分岐及び、ステップS10のランプ非点灯処理ルーチンからの帰還についても、第1の実施形態におけるプロジェクタ100と同様である。
ランプ1の点灯を検出し、ステップS7へ進んだ場合、再度ここで、液晶ライトバルブ2の諸特性に関する所定のデータとしての設定値やパラメータを、動作処理部としてのDAコンバータ11及び画像信号処理部4に設定する。本実施形態では、対向電極電圧、γ補正、色ムラ補正、DCバイアス調整、ゲイン調整及び初期画面表示に関する設定値及びパラメータを各データ設定部としての各レジスタ18に再設定する。制御部9は、記憶部10に格納されている対向電極電圧の設定値を読み出し、DAコンバータ11のレジスタ18に設定する。制御部9は、同様の作業を繰り返すことにより、γ補正回路6のレジスタ18には、γ補正に関するパラメータを、色ムラ補正回路7のレジスタ18には、色ムラ補正に関するパラメータを、液晶パネル駆動部8のレジスタ18には、DCバイアス調整に関するパラメータと、ゲイン調整に関するパラメータとを、画像コンバータ5のレジスト18には、初期画面表示に関するデータをそれぞれ設定する。
ステップS8では、ステップS7にて設定された設定値及びパラメータに沿って、それぞれの回路調整、画像処理等が行われる。DAコンバータ11においては、レジスタ18内の設定値に沿った対向電極電圧が生成されて、液晶ライトバルブ2に供給される。画像コンバータ5では、レジスタ18内のパラメータに沿って、例えばグレーのベタ画像を生成し、デジタル画像信号DSとしてγ補正回路6に送る。γ補正回路6は、デジタル画像信号DSにレジスタ18内のパラメータに沿ったγ補正を施し、デジタル画像信号DSγとして色ムラ補正回路7に送る。色ムラ補正回路7は、デジタル画像信号DSγにレジスタ18内のパラメータに沿った色ムラ補正し、更にDA変換を施してアナログ画像信号DScとして液晶駆動部8に送る。液晶駆動部8は、内部のDCバイアス調整回路及びゲイン調整回路(いずれも図示せず)により、アナログ画像信号DScにレジスタ18内のパラメータに沿ったDCバイアス調整及びゲイン調整を施し、アナログ画像信号DSeとして液晶ライトバルブ2へ供給する。
ステップS8が終了した時点で、起動ルーチンは完了し、初期設定画像であるグレーのベタ画像がスクリーンSCに投写された待ち受け状態となっている。この段階で、画像信号供給部3から画像信号VSが入力されると、画像信号は、画像信号処理部4及び液晶パネル駆動部8にて前述したような画像信号処理が施され画像信号DSeとして、液晶ライトバルブ2に供給される。ランプ1からの照明光は、液晶ライトバルブ2にて画像信号DSeにより変調され、投写光学系(図示せず)にて合成及び投写されて、スクリーンSCにフルカラー画像を映し出す。
上述した通り、実施形態2の構成によれば実施形態1の効果に加えて以下の効果が得られる。
(1)点灯検出部としてのランプ点灯検出部17は、フォトダイオード19により、放電式ランプ1からなる光源部の点灯状態を検出し、I/F部12を介して制御部9に検出信号を送る。制御部9は、I/F部12からの信号レベルと、あらかじめ記憶部10に格納されている基準信号レベルとを比較し、ランプ1の点灯または非点灯を検出する。制御部9は、ランプ1の点灯を検出すると、記憶部10に格納されている所定のデータとしての設定値やパラメータを読み出し、動作処理部としてのDAコンバータ11及び画像信号処理部4の各レジスタ18からなるデータ設定部に再設定する。これにより、前述のランプ1の点灯時に発生する高周波ノイズが収まった後に、動作処理部としての画像信号処理部4の各レジスタ18に液晶ライトバルブ2に適した画像信号に関する所定のデータを設定することができる。画像信号処理部4は、各レジスタ18に設定された画像信号に施す処理条件についての所定のデータに沿って画像信号を処理する。従って、光源部としてのランプ1の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、所定のデータに沿った所望の投写画像を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)前記実施形態2において、プロジェクタ110(図示せず)は、ランプ1の点灯を検出すると、所定のデータの設定に先立って、動作処理部としての画像信号処理部4の初期化を行うこととしても良い。図1と図8を用いて説明する。制御部9は、ステップS6にて、ランプ点灯検出部17からの検出信号によりランプ1の点灯を検出すると、画像信号処理部4の初期化を行い、初期化が完了してから、ステップS7にて、画像信号処理部4に記憶部10から読み出した所定のデータとしての設定値やパラメータを設定する。この構成によれば、制御部9は、ランプ点灯検出部17からの検出信号によりランプ1の点灯を検出すると、所定のデータの設定に先立って、画像信号処理部4の画像コンバータ5、γ補正回路6、色ムラ補正回路7のハードウエアリセット及び、それそれのレジスタ18の設定内容をクリアする。これにより、画像信号処理部4はハードウエアリセットが成されるので、ハードウエアリセットが成されない場合に比べて、より安定した状態で所定のデータを設定することができる。従って、光源部としてのランプ1の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、所定のデータに沿った所望の投写画像を得ることができる。
(変形例2)前記各実施形態のプロジェクタにおいて、起動時に限らずランプ1の点灯を検出したときには、その都度、所定のパラメータを読み出し、各データ設定部に再設定することとしても良い。前述したとおり、現在のプロジェクタは起動時にランプが点灯した後は、投写が終了し電源をオフするまでは点灯を継続するものが多いが、例えば、消費電力削減のため、動作途上で、ランプのみ消灯する仕様も想定できる。このようなプロジェクタにおいては、起動時に限らずランプ1の点灯を検出したときには、その都度、所定のデータを読み出し、各データ設定部に再設定することにより、ランプの点灯の都度、発生する前述の高周波ノイズの影響を低減することができる。従って、光源部としてのランプ1の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないプロジェクタを提供することができる。
(変形例3)前記各実施形態の各部の構成及び起動フローチャート等による、光源部としてのランプ1の点灯に伴う高周波ノイズの影響を低減させる技術は、プロジェクタに限定されるものではない。光源部に、点灯の際に高電圧の印加が必要な放電式のランプを用いた機器であれば適用が可能である。例えば、放電式のランプを光源として、R光、G光、B光用の3つの光変調素子と、プロジェクタとほぼ同様な光学系とを備え、透過型スクリーンに背面から投写画像を投写するリアプロジェクタに適用しても良い。これにより、放電式ランプの点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しないリアプロジェクタが提供できる。更に、上記各実施形態のプロジェクタの空間光変調部は、透過型の液晶ライトバルブを用いる構成としたが、これに限定するものではない。例えば、反射型液晶表示装置や、ティルトミラーデバイスを用いる構成としても良い。
前記各実施形態および各変形例から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
照明光を供給する放電式の光源部と、前記光源部の点灯状態を検出する点灯検出部と、前記照明光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子が動作するときの動作条件、または、前記光変調素子により生成される画像に影響を与える前記画像信号の処理条件についての所定のデータを設定するデータ設定部と、前記データ設定部に設定された前記所定のデータに基づいて、前記光変調素子を所定の動作条件で動作させる、または、前記光変調素子に送られる前記画像信号に所定の処理条件で処理を施す、動作処理部と、前記所定のデータを記憶する記憶部と、前記光源部と、前記点灯検出部と、前記データ設定部と、前記動作処理部と、前記記憶部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記点灯検出部からの検出信号により前記光源部の点灯を検出すると、前記記憶部から前記所定のデータを読み出し、前記データ設定部に設定することを特徴とする画像表示装置。
これによれば、点灯検出部は、画像表示装置の光源部の点灯状態を検出し、制御部に検出信号を送る。制御部は、点灯検出部からの検出信号により光源部の点灯を検出すると、記憶部から所定のデータを読み出し、データ設定部に設定する。これにより、前述の光源部の点灯時に発生する高周波ノイズが収まった後に、データ設定部に光変調素子が動作するときの動作条件、または、光変調素子により生成される画像に影響を与える画像信号の処理条件についての所定のデータを設定することができる。動作処理部は、データ設定部に設定された所定のデータに基づいて、光変調素子を所定の動作条件で動作させる、または、光変調素子に送られる画像信号に所定の処理条件で処理を施すことができる。従って、光源部の点灯に伴う高周波ノイズの影響を受けても、異常表示しない画像表示装置を提供することができる。
実施形態1のプロジェクタの概略構成図。 液晶ライトバルブの任意の1画素の説明図。 液晶ライトバルブのV−T特性図。 液晶ライトバルブのγ補正についての説明図。 プロジェクタの色ムラ補正についての説明図。 プロジェクタの起動フローチャート。 プロジェクタのランプ非点灯処理ルーチン。 実施形態2のプロジェクタの起動フローチャート。 従来のプロジェクタの起動フローチャート。
符号の説明
1…光源部としてのランプ、2…光変調素子としての液晶ライトバルブ、3…画像信号供給装置、4…動作処理部としての画像信号処理部、5…画像コンバータ、6…γ補正回路、7…色ムラ補正回路、8…液晶パネル駆動部、9…制御部、10…記憶部、11…動作処理部としてのDAコンバータ、12…I/F部、13…インジケータ部、14…操作部、15…メイン電源部、16…ランプ駆動部、17…点灯検出部としてのランプ点灯検出部、18…データ設定部としてのレジスタ、19…フォトダイオード、100…プロジェクタ、SC…スクリーン。

Claims (4)

  1. 照明光を供給する放電式の光源部と、
    前記光源部の点灯状態を検出する点灯検出部と、
    前記照明光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、
    前記光変調素子が動作するときの動作条件を設定するデータ設定部と、
    前記データ設定部に設定された所定のデータに基づいて、前記光変調素子を所定の動作条件で動作させる動作処理部と、
    前記所定のデータを記憶する記憶部と、
    前記光源部と、前記データ設定部と、前記動作処理部と、前記記憶部を制御する制御部と、を備え、
    前記動作処理部は、前記光変調素子に所定の対向電極電圧を供給する信号生成部であり、前記データ設定部は、前記信号生成部内に設けられたレジスタであって、
    前記記憶部は、前記所定のデータとして所定の対向電極電圧の設定値を記憶し、
    前記制御部は、前記点灯検出部からの検出信号により前記光源部の点灯を検出すると、前記記憶部から前記所定の対向電極電圧の設定値を読み出し、前記信号生成部のレジスタに設定することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 前記制御部は、前記光源部が点灯する前においても、前記所定のデータを前記記憶部から読み出し、前記データ設定部に設定することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 照明光を供給する放電式の光源部と、前記照明光を画像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子に所定の対向電極電圧を供給する信号生成部と、前記信号生成部内に設けられ、前記光変調素子が動作するときの動作条件についての所定のデータを設定するレジスタであるデータ設定部と、前記所定のデータとして所定の対向電極電圧の設定値を記憶する記憶部と、を備えるプロジェクタの制御方法であって、
    前記光源部の点灯状態を検出する点灯検出工程と、前記点灯検出工程において前記光源部の点灯が検出されると、前記記憶部から前記所定の対向電極電圧の設定値を読み出し、前記信号生成部のレジスタに設定する第1のデータ設定工程とを含むことを特徴とするプロジェクタの制御方法。
  4. さらに、前記光源部が点灯する前においても、前記所定のデータを前記記憶部から読み出し、前記データ設定部に設定する第2のデータ設定工程を含む請求項3に記載のプロジェクタの制御方法。
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