図1に、本発明の一実施例における情報処理装置のハードウェア上のシステム構成を示す。このシステムにおいて、カラーイメージ・スキャナ10、キーボード12、マウス14およびディジタイザ15が入力装置として、内部メモリ16および外部メモリ18が記憶装置として、表示装置20および印紙装置22が出力装置として、それぞれ適当なインタフエース回路(図示せず)を介してCPU24に接続されている。また、CPU24は、通信装置26を介して電話回線または通信回線27とも接続されている。
カラーイメージ・スキャナ10は、用紙上に記載された文書中の文字、記号および図形をカラー画像情報として読み取る。内部メモリ16および外部メモリ18には、CPU24の処理または制御動作を規定する各種プログラムのほか、各種電子辞書、キャラクタフォント、ファイル等が格納されている。通信装置26は、ファクシミリ通信機能を有している。
本装置の電源を入れると、本装置におけるGUI環境を制御する環境制御プログラムが自動的に起動され、例えば、図2に示すデスクトップ画面を表示装置20のディスプレイ画面20a上に表示する。
このデスクトップ画面上において、その左下隅部に常時表示されている「スタート」ボタンを選択指示すると、「プログラム」、「設定」、「検索」等の選択ボタンをリストした「メインメニュー」31がディスプレイ画面20aに現われ、この「メインメニュー」31上において、さらに、「プログラム」ボタンをクリック指示すると、本装置上にインストールしてあるアプリケーションプログラムの一覧を示す「プログラムメニュ―」32が、ディスプレイ画面20a上に表示される。図2は、上記「プログラム」ボタンをクリック指示し、「プログラムメニュ―」32を表示した状態を示したものである。
「プログラムメニュ―」32上において、本発明に関わる機能を制御するアプリケーションプログラムである「表処理アプリケーションプログラム」の該当ボタンをクリック指示すると、上記環境制御プログラムは、この「表処理アプリケーションプログラム」のソースプログラムを装置の外部メモリ18上の所定格納位置から取出し、内部メモリ16上の適当なエリア上において実行形式のプログラムに展開した上、同プログラムを起動すると共に、例えば、図3に示す表処理アプリケーション画面33をディスプレイ画面20a上に表示する。
表処理アプリケーションには、本発明に関わる機能として、「文書作成」、「定義」、「ファイル化出力」、「環境設定」等の機能が設けられいる。ユーザは、文書作成機能によって、上記表処理アプリケーション画面33上において、常時表示されている「文字入力」ボタン、「罫線」ボタンなどを使用して表を含む文書を自由に作成することができる。
また、フォーマット定義機能によって、上記表処理アプリケーション画面33上において、ユーザが任意に作成した多様な表文書上から項目名が定義されたデータを一意に取出すことができるように、データ形式としての表のフォーマットを定義する。上記表処理アプリケーション画面33上において常時表示されている「定義」ボタンを指示することによって表示される副画面90(後述)上のメニューを使用しておこなう。
また、ファイル化出力機能によって、フォーマット定義された表上から取出したデータを所望の形式のデータファイルとして取出すことができる。上記表処理アプリケーション画面33上において常時表示されている「ファイル化出力」ボタンを指示することによって表示される副画面90上のメニューを使用しておこなう。
また、ユーザは、環境設定機能によって、上記フォーマット定義時において、フォーマット定義用に追加記入する文字列、罫線などを、元々、記入されている文字列、罫線と区別すために付ける色、線種などを設定する等の機能をおこなうことができる。上記表処理アプリケーション画面33上において常時表示されている「環境設定」ボタンを指示することによってことによって表示される副画面(図示せず)を使用しておこなう。
以上の機能は、上記表処理アプリケーションプログラムが、上記環境制御プログラム、ならびに、本装置を構成する上記ハードウエアと協働して動作するシステムによって実現される。実施例システムの本発明に関わる機能の構成を図4に示す。
文書作成部37は、カラーイメージ・スキャナ10、キーボード12、マウス14およびディジタイザ15等の入力装置と文書作成ルーチンを実行するCPU24と、文書作成上の入力情報をいったん取り込む内部メモリ16と、このCPU24の制御の下に作成文書の表示出力をおこなう表示装置20とによって構成される。文書データ記憶部39は内部メモリ16または外部メモリ18の記憶領域を用いている。
ファイルデータ記憶部40は外部メモリ18の所定の記憶領域上に展開されている。マージ元ファイル取り出し部42はマージ元データファイル取出し処理を実行するCPU24によって構成される。マージ元ファイル記憶部46とマージファイル記憶部48は内部メモリ16の所定の記憶領域上に展開されている。
定義指示部50は、カラーイメージ・スキャナ10、キーボード12、マウス14およびディジタイザ15等の入力装置と、定義データ生成処理を実行するCPU24と、定義指示用に入力された情報をいったん取り込む内部メモリ16と、CPU24の制御の下に定義指示内容の表示出力をおこなう表示装置20とによって構成される。応用用語辞書52は、内部メモリ16または外部メモリ18の記憶領域を用いている。定義データ記憶部54は、内部メモリ16または外部メモリ18の所定の記憶領域上に展開されている。
表レコード抽出部60は、表レコード抽出処理を実行するCPU24と抽出した表レコードをいったん記憶する内部メモリ16とによって構成される。データマージ部62は、データマージ処理を実行するCPU24と作成したマージレコードをいったん記憶する内部メモリ16とによって構成される。
先ず、本実施例装置における本発明に関わる機能の詳細を、図5に示すデータファイル管理表の例に即して説明する。このデータファイル管理表の上側から見て第1行には、管理対象データファイルの共通条件「年度」のデータ名である「2001年」、「2002年」、「2003年」が記入され、左側から見て第1列には、管理対象データファイルの共通条件「支店」のデータ名である「東京」、「名古屋」、「大阪」が記入されている。
また、最下行と最右列の各構成セルには、ユーザの備考欄として売上げ高の合計が記入されているとする。例えば、最右列の第2行目のセルには、項目「支店」について「東京」、項目「年度」ついて「2001年」と「2002年」と「2003年」の売上げ高の合計が記入されるようになっている。
表の第2行以下、第2列以下のセルのマトリクスは、管理対象のデータファイルのファイル識別名「東京―01」、「東京―02」…が記入されているファイル引用欄であり、その中の、例えば、「2002年」の記入された列と「名古屋」の記入された行との交点のセルには、そのファイル共通条件が、項目「年度」について「2002年」、項目「支店」について「名古屋」であるデータファイルのファイル識別名「名古屋―02」が記入されている。
今、ユーザの手元には、以上の図5に示す9つのデータファイルが作成されているものとする。各データファイルは、何れも、「商品」、「売上数」、「売上高」、「分類」、「月別」という、図6に示す共通のデータ構成を持つレコードから構成され、各々、同じ年度と支店ごとに、それをファイル共通条件として作成されている。以上の各データファイルにおいて、その共通条件である項目「年度」と「支店」のデータは、データファイルの実データとしてのレコード構成データ中には、含まれていない。
以上の各データファイルは、システム内において上記環境制御プログラムのデータハンドリング単位であるファイルの形で管理され、例えば、CSV形式のデータファイルとして、各々、外部メモリ18中に割当てたファイルデータ記憶部40内の所定位置に格納されているものとする。
上記ファイル管理表のファイル引用欄には、ユーザの識別名称として、環境制御プログラムによる該当データファイルのファイル管理名称からファイル種別指示部分”.csv”を除いたものが記入されている。
このファイル管理名称からファイル種別指示部分を除いて得たユーザ名称が、システムから見て一意性を持たない時には、ファイル管理名称全体をそのまま記入する。ユーザにとって判りやすいユーザ識別名を特に設け、それとファイル管理名称とを対応させるテーブルをシステム内に設定した上、そのユーザ識別名を記入してもよい。
ユーザは、このファイル管理表を見て、各データファイルのファイル共通条件をそのファイル名記入位置と同じ行上に記入されている項目「支店」のデータ名と同じ列上に記入されている項目「年度」のデータ名の組合せとして自然に読みとっている。一般に、同じデータ構成からなり、ファイル共通条件を互いに異にする複数のデータファイルを管理する上で、ユーザにとり判りやすい方法は、このように各データファイルの共通条件パラメータと各データファイルとを、表形式により対応付けておくことである。
本システムにおいて、このファイル管理表の形式は、ユーザが利用しやすいように、自由に作成したものであってよい。上記の各データファイルを管理する表として、例えば、図7に示すようなものであってもよい。
ユーザは、実施例装置において、文書作成機能を用いて、図5に示すデータファイル管理表を作成する。図3に示す表処理アプリケーション画面33上において、その下端部に常時表示されている上記「文字入力」ボタン、「罫線」ボタンなどを使用して公知の方法により、表を含む文書を自由に作成すればよい。
例えば、「文字入力」ボタンをクリック指示した後、マウスポインタを目的位置に合わせてクリックし、以降、キーボード12から文字を入力していくと、書面上に上記クリック位置を先頭位置とした文字列が生成される。また「罫線」ボタンをクリック指示した後、マウスポインタを目的位置に合わせてクリックし、以降、マウス14を押下したままマウスポインタを移動させると、書面上に上記マウス14のクリック位置と押下リリース位置を両端とする罫線が引かれることになる。
システムの文書作成部37は、「文字入力」ボタンの指示を受け開始される特定ルーチンが、それに続いてクリックされた位置を目的の文字列の先頭位置として識別した上、キーボード12から入力される文字コード列に基づいて、例えば、図8に示す形式の文字列データを作成する。また、「罫線」ボタンの指示を受け開始される特定ルーチンが、それに続いてクリックされた位置と上記マウス押下解放位置を目的の罫線の両端位置として識別した上、例えば、図9に示す形式の罫線データを作成する。
文字列データ中の文字間ピッチ、文字種、文字サイズ等の情報は、予め、装置にセットしてある設定値を登録すればよい。罫線データ中の線種等の情報も、同様に、デフォールトの設定値を登録すればよい。
1つの表処理アプリケーション画面内において作成され、表示される情報は、上記環境制御プログラムによって、表処理アプリケーションプログラムとリンクした、1つのファイル情報として管理される。以上のように作成した罫線データと文字列データは、この表処理アプリケーション画面33に対応するファイル情報に対して割当てられた内部メモリ16上の特定エリア内の文書データ記憶部39に格納する。
なお、実施例装置における文書の作成方法として、用紙上において所望の文書を作成し、システムにイメージ入力する方法をとってもよい。ユーザが用紙を装置のスキャナ10を介して、画像データとして入力すると、システムは、文書作成部37に備えた公知の文字認識機能、罫線認識機能によって、用紙上に記入されている文字列、罫線を認識した上、該当する文字列データ、罫線データを作成し、該当の文書データ記憶部39に格納する。
次に、本システムのフォーマット定義機能について説明する。上記したように、ファイル管理表の形式は、ユーザが利用しやすいように、自由に作成されたものであってよい。代わりに、フォーマット定義機能が、自由に作成した表フォーマットから、データを多意性なく、かつ定型的に取出すためにおこなわれる。
フォーマット定義機能は、以上に述べた文書作成操作に続けておこなってもよいし、文書作成の後、作成した文書を、いったん外部メモリ18上に保存し、ディスプレイ20a上において該当のアイコンを再度、オープンした上でおこなってもよい。
作成した文書の保存は、表処理アプリケーション画面33の右上部に常時表示されている「保存」ボタンをクリック指示すればよい。続いて表示される保存操作ガイド画面上(図示せず)において、その保存名称を入力し、保存操作のガイド画面上の「実行」ボタンを指示すると、現在起動されている表処理アプリケーションの作成データを含む全関連データは、1つのファイル情報として外部メモリ18中のファイルデータ記憶部40内の適当位置に格納され、代わりに、ディスプレイ20a上には、該当の表処理アプリケーションのファイル情報を表わすアイコンが表示される。内部メモリ16上において該当ファイル情報の割当てエリア内に設けられた文書データ記憶部39も、外部メモリ18中に設けられた該当のファイル情報格納域の中の所定エリアに保存される。
保存した文書をオープンするには、ディスプレイ画面20a上において、該当のアイコンを、ダブルクリックすればよい。このオープン操作を受けて、外部メモリ18中に格納されている該当するファイル情報が内部メモリ16中に割当てたエリア上にロードされた上、表処理アプリケーション画面33がディスプレイ20a上に表示され、該当の表処理アプリケーションプログラムが起動される。起動された表処理アプリケーションプログラムは、この表処理アプリケーション画面33内に上記ロード割当てエリア中に設けられた文書データ記憶部39の格納内容を表示する。
今、ディスプレイ画面20a上の表処理アプリケーション画面33上に、図5に示す表が作成表示されているものとする。ユーザが、表処理アプリケーション画面33の上部に常時表示されている「定義」ボタンをクリックすると、この指示に応動して、システムの定義指示部50は次の手順をおこなう。
先ず、表上において、データの単位記入域になっている矩形領域であるセルを認識した上、認識したセル毎にそれを定義するセルデータを作成し、定義データ記億部54の所定域に格納する。1つのセルを表わす「セルデータ」の形式例を図10に示す。
表上において、セルの検出は、例えば、次のようにおこなわれる。本例のように罫線によって表が構成されている場合、表を構成する罫線の罫線データを順次とり出し、書面の縦横両方向について、罫線、またはその延長によって区切られる罫線位置を求める。次にこの罫線位置により生成されるマトリクスの各ますについて、その各4辺が罫線部分であるかどうかをサーチし、罫線部分であれば、それをセル境界とし、罫線部分でなければ該当方向に隣接するますを併合し、併合したますにについて同じ判定を繰り返すことにより、セルの4辺の境界を識別する。
続いて、システムは、表フォーマット上の全てのセルについて、その中に記入されているデータ文字列を識別し、その文字列データのアドレスを、該当セルデータ内の「文字列データアドレス部」にセットする。また、このセル内記入文字列の文字列データ内のテキストコード列データを該当セルデータ内の「セル内データ格納部」に格納する。
セル内に記入されている文字列の識別は、公知の方法として、該当のセルのセルデータ位置情報と書面上の各文字列データの位置情報との照合を繰り返すことによっておこなうことができる。
表上の全てのセルについて、以上のようにセルデータを作成し終えると、定義指示部50は、システムは、続いて、ユーザに表フォーマットの定義付け操作をガイドする副画面90を表処理アプリケーション画面33上に表示する。副画面90上においては図3に示すように、「1.フィールド」、「2.項目名」、「3.データ名」等の各種定義項目がリストされている。
表フォーマットの定義付け操作は、表上のファイル引用欄とファイル共通条件パラメータ記入域について、その範囲と対応する項目名を指定する。表上において、同じ項目名の連続したセル列とその項目名となる文字列を、1つづつ、クリック指示した上、副画面90上において、各々に該当する定義項目の区分(「1.フィールド」、または、「2.項目名」、または、「3.登録語」など)を指示することを繰返す形でおこなう。以上の個々の指定操作の順序は、任意であってよい。なお、本明細書においては、このように、1つの項目名が定義される連続したセル列からなるデータフィールドを、項目定義データフィールドと呼ぶことにする。
文字列とセル列のクリック指示は、例えば、公知の方法のように以下のように区別すればよい。セル列のクリック指示は、指定対象のセル列上にマウスポインタを運んだ上、マウス14の左ボタンをクリック押下したまま、指定対象のセル列部分をなぞる、いわゆるドラッグ操作としておこなえばよい。
文字列のクリック指示は、指定対象の文字列上にマウスポインタを運んだ上、マウス14の左ボタンをダブルクリック押下することによって、システムを文字列用カーソル表示モード(文字列指示用モード)に移行させ、続いて、マウス14の左ボタンを押下したまま、指定対象の文字列部分をなぞるドラッグ操作をおこなえばよい。
表上において項目名の記入が省略されている場合は、該当の項目名文字列を該当のデータフィールド域のセル列方向上側または左側に隣接する空白箇所に追加記入する。このデータフィールド域のセル列方向上側または左側に隣接する位置を、本明細書においては、特に、「特定隣接位置」と呼ぶことにする。該当のデータフィールド域の「特定隣接位置」に空白箇所がない場合には、該当のデータフィールド域に隣接する表外部の任意の空白箇所に追加記入すればよい。
ユーザとの規約として、システムは、項目名とデータフィールドとの間の対応付けは、先ず、上記「1.フィールド」の指定を受けたデータフィールド域について、その「特定隣接位置」にある、上記「2.項目名」指定を受けた文字列を、対応する項目名と見なすことにする。次に、上記「1.フィールド」の指定を受けたデータフィールド域の「特定隣接位置」に、上記「2.項目名」指定を受けた文字列が存在しない場合には、該当のデータフィールド域に隣接する上記「2.項目名」指定を受けた文字列を、対応する項目名と見なす。
以上の手順において、データフィールドと項目名の対応付けが一意に定まらない場合には、データフィールドと項目名の組合せの中、適当なものについて、対応する両者を関連付ける記号として、特にシステムに予約した記号である「結合線」を引く。
本システムでは、特定の記号、図形、または、図形的特徴(背景模様など)を予約して、各々、フォーマット定義上の特定の意味に対応させて使用する。この特定の予約記号である定義要素記号の例を図11に示す。ここでは、文書上において、定義内容を構成する要素どうしを関係付ける「結合線」として、線分を対応させている。システムの定義指示部50内には、記号図形種別と定義上の意味を対応させたテーブル(図示せず)が作成されている。
なお、「定義」ボタンの指示されている「定義モード」下で記入される文字列、線分は、フォーマット定義用に記入される「定義用記入情報」として、元々、記入されている文字列、線分などの記入情報と区別した取り扱いをおこなってもよい。「定義用記入情報」は、文書データ記憶部39内において、特に定めたエリア内に格納し、また、予め、「定義用記入情報」に割当てた修飾情報が自動的に付された形で記入される。
「定義用記入情報」への修飾情報の割当ては、表処理アプリケーション画面33上の「環境設定」ボタンを指示することによって表示される「環境設定」画面(図示せず)上でおこなっておく。本例の場合、「定義用記入情報」は、(青)色が付けられる形で区別される。定義モード下において、追加記入した項目名文字列、上記した「結合線」として引いた線分は、上記「定義用記入情報」として(青)色で記入され、元々、記入されている文字列、線分と区別される。
上記した項目名の指定操作において、データフィールドに対して単に名前付けをおこないたい時には、上記定義項目の区分の指示において「2.項目名」を選択する。項目名称にしたがった特定の処理をおこなわせたい場合には、定義区分として「3.登録語」を選択する。
本例の場合、先ず、表第1列上のファイル共通条件記入域の項目名としては、その見出し語として、上側に隣接して記入されている文字列”支店”をそのまま用いることにして、それをクリック指示した上、副画面90上で「2.項目名」を指示する。
また表第1行上のファイル共通条件記入域の項目名としては、その見出し語の記入が省略されているので、表の外部の表第1行に隣接する任意の箇所に、文字列”年度”を追加記入した上、同様にして、副画面90上で「2.項目名」の指定をおこなう。
ファイル引用欄の項目名としては、先ず、応用用語辞書52に登録されている用語である”ファイル名”を表外部の任意の空白箇所に追加記入した上、該当のファイル引用欄域内の任意箇所とを結ぶ結合線を引く。続いて、追加記入した項目名文字列”ファイル名”をクリック指示した上、副画面90上で「3.登録語」を指示する。
本システムでは、ユーザが日常、人間間のインターフェースとして使用している特定用語を、ユーザとシステムの両者が参照でき、かつ、その登録上の意味が、その用語の日常に理解される意味にしたがって定められる特定の辞書手段である応用用語辞書52に登録しておく。応用用語辞書52の登録内容例を図12に示す。また、そのデータフォーマット例を図13に示す。上記応用用語辞書52の登録用語の意味に、あいまい性、多意性が残る場合には、同辞書手段のユーザとのインターフェース(例えば、ユーザマニュアル)中に、語義の注釈を付けて、意味の確定をおこなっておく。
また、書面上において、応用用語辞書52の登録用語に対して特定の指定を与えることにより、その用語を、上記辞書手段の登録意味、すなわち、日常に理解される意味にしたがって解釈されるべき定義情報として確定的に使用する。システムは、この特定の指定を受けた用語について上記辞書にしたがって解釈した上、解釈された用語意味にしたがって定まる方法によって、書面上において関連して指定されている他の情報も併せて解釈することによって、システムに対する1つの定義情報を生成する。
本例の場合、書面上において上記「3.登録語」の指定を受けた応用用語辞書52の登録用語「ファイル名」は、対応するデータフィールドを、その日常に理解される語義にしたがって、データファイルが対応付けられるファイル引用欄であることが定義することになる。
なお、応用用語辞書52に登録されている用語「ファイル名」、または、その同義語が、データフィールドの見出し語として、上記した「特定隣接位置」に記入されているか、または、データフィールドと「結合線」によって対応付けられた形で記入されている場合は、必ず、そのデータフィールドをファイル引用欄として定義するという規約をユーザとの間に設けておくことにより、上記した「3.登録語」の指定に代え、「2.項目名」の指定をおこなってもよい。さらに、以上の規約の下に、「2.項目名」の指定も省略してもよい。
システムは、以上の指定操作を受け、クリック指示対象を、以下に述べる処理にしたがって識別した上、定義指示部50内のワークデータとして設定した指示対象データに登録する。指示対象データの形式を図14に示す。その「区分」部に、指定対象の定義項目区分の該当コードをセットし、「指定対象データアドレス」部には、指定対象がセル列の場合には、後述する該当セルデータチェインの先頭セルデータのアドレスをセットし、指定対象が文字列の場合、該当文字列データのアドレスをセットする。
システムは、上記したマウス14からのクリックボタン押下情報にもとづいて、クリック指示する対象が、文字列であるか、セル列であるかを決定した上、マウスポインタの移動軌跡位置情報と表処理アプリケーション画面33内の各文字の文字列データ位置情報、または、各セルのセルデータ位置情報の照合を繰り返すことによって、クリック指示対象の識別をおこなう。文字列中の各文字の位置情報は、該当の文字列データ中の先頭位置情報と文字間ピッチ情報とにもとづいて、個々に算出すればよい。
以上のように識別したクリック指示対象がセル列である場合、その構成各セルのセルデータを、その中の前方向ポインタ情報と後方向ポインタ情報により順次連結したセルデータチェインを作成し、その先頭セルデータのアドレスを上記「指示対象データ」の「指定対象データアドレス」部にセットする。1つのデータフィールドが、本例のファイル引用欄のように、セルのマトリクスをなす場合は、セルデータチェインは、その上端の各行についてチェインを作成し、各行の末尾のセルは、次の行の先頭のセルをポイントするようにをつないでいけばよい。
以上のように識別したクリック指示対象が文字列である場合、該当の文字列データのアドレスをを「指示対象テーブル」の「指定対象データアドレス」部にセットする。クリック指示した文字列が、1つの文字列データが作成されている文字列中の部分文字列である場合には、このクリック指示した部分文字列と残りの文字列について、各々、新しく該当する文字列データを作成すればよい。このように分割した各文字列の先頭位置は、元の文字列データ中の先頭位置情報と文字間ピッチ情報とに基づいて算出することができる。
システムは、以上のようにクリック指示対象の定義項目区分を決定すると,続いて、クリック指示された部分の特殊表示(クリック表示)を消し、代わりに、指定された定義項目毎に、予め割当ててある記号、図形、図形的特徴を表示する。この各定義項目に割り当てた特定表示としては、例えば、図11に示した定義要素記号表に定めたものを表示する。
ユーザは、書面上の全ての項目名とデータフィールドについて以上の定義付け指定をおこなった後、副画面90上の「実行」ボタン94を指示すると、これを受け、定義指示部50は、各データフィールドについて、対応する項目名を見出し、両者を対応付ける「項目定義データ」を作成し、該当ファイル情報割り当て域内の定義データ記憶部54の所定域に格納する。
項目定義データの形式を図15に示す。その「対応項目名文字列データアドレス」部に該当する項目名文字列の文字列データアドレスをセットし、「先頭セルデータアドレス」部に上記セルデータチェインの先頭セルデータのアドレスをセットする。該当の項目名文字列の文字列データアドレスと先頭セルデータアドレスは、上記した「指示対象テーブル」の「指定対象データアドレス」部から読み出せばよい。
データフィールドとそれに対応する項目名の組み合わせは、次の順序によって識別していけばよい。先ず、上記指示対象データに登録された項目名とデータフィールドの中、上記した結合線によって結ばれた項目名文字列とデータフィールドの組合せを識別する。
上記した定義用記入情報として記入されている線分の1つ1つについて、その両端の所定位置に、指示対象データに登録された項目名文字列とデータフィールド域が配置されていることを判定していけばよい。この判定は、該当の罫線データの両端位置情報と上記指示対象データに登録されている項目名文字列の文字列データ、または、指示対象データに登録されているデータフィールド構成セルのセルデータ位置情報との照合を繰返すことによっておこなうことができる。本例の場合、このステップで、項目名文字列”ファイル名”とそのデータフィールドの組合せが選択されることになる。
次に、指示対象データ上において残された項目名文字列とデータフィールドの中、上記した「特定隣接位置」にあるデータフィールドと項目名の組み合わせを識別する。項目名文字列の文字列データとデータフィールド構成セルのセルデータ位置情報との照合を繰返すことによっておこなうことができる。
ある項目名文字列について、「特定隣接位置」にあるデータフィールドが2つ以上識別される場合には、その隣接位置に他の項目名文字列が記入されていないデータフィールドの方を選択する。本例においては、このステップにおいて、項目名文字列”支店”とその第1列上のデータフィールドの組合せが選択されることになる。項目名文字とデータフィールドの隣接関係も、項目名文字列の文字列データとデータフィールド構成セルのセルデータ位置情報との照合を繰返すことによっておこなうことができる。
続いて、指示対象データ上において残された項目名文字列とデータフィールドの中から、互いに隣接して記入されている組合せを選択する。本例においては、このステップにおいて、項目名文字列”年度”とその第1行上のデータフィールドの組合せが選択されることになる。 最後に、残された項目名とデータフィールドの組合せが一意に定まっている場合、その組合せを選択する。
データフィールドとそれに対応する項目名の組み合せを識別し、項目定義データを作成すると、上記した定義項目の区分「3.登録語」の指定を与えた項目名文字列について、予め、応用語辞書52に登録した「ファイル名」、またはその同義語であることを判定する。この判定が得られた場合、該当のデータフィールドは、ファイル引用欄と見なして、項目定義データの「区分」欄に該当のコード”2”をセットする。
また、上記した定義項目の区分「3.項目名」の指定を与えた項目名文字列については、上記定義要素記号の中の「集計項目」を表わす定義要素記号が付せられていることを判定し、この判定が得られた場合には、上記「区分」欄に該当のコード”0”をセットし、この判定が得られない場合には、「非集計項目」を表わすコード”1”をセットする。
なお、表全体をファイル管理表として定義する機能を設け、以上の操作の一部簡略化を図ることができる。表全体をファイル管理表として定義することによって、対応する項目名が識別されないデータフィールドが1つ残る場合には、それが自動的にファイル引用欄であることが定まることから、ファイル引用欄の項目名の対応付けを省くことができる。
表全体をファイル管理表として定義する方法として、「ファイル化出力」ボタン指示を受け、図16に示すように表の種別を指定させる表種別メニューを表処理アプリケーション画面33上に表示し、その中から表種別として「ファイル管理表」を選択させてもよい。
あるいは、本アプリケーションの扱う表は、全て、データファイルとそのファイル共通条件パラメータとを対応付けるファイル管理表であるという前提をユーザとの間で約束しておいてもよい。
さらに、上記 応用用語辞書52中に、「ファイル管理表」を示す用語を登録しておき、ファイル管理表全体と関連付けてもよい。例えば、本例の表において、表の表題文字列”ファイル管理表”が応用用語辞書52中に登録されていることを確認した上、上記した定義項目の区分「3.登録語」の指定を加える。
フォーマット定義の定義付け操作として、上記副画面90を用いておこなう代わりに、項目名として定義したい文字列、データフィールドとして定義したいセル列に対して、前記した定義要素記号表において「項目名」、「フィールド」などの定義項目毎に定めた定義要素記号をシステムに備えた文字入力機能、線引き機能によって直接に付記する方法によってもよい。ここで入力される文字、記号には、上記した定義用記入情報に割当てられた区別修飾情報が付せられる。
システムは、上記した定義用記入情報に割当てられた区別修飾情報によって、先ず、付記された上記定義要素記号を選別的に読み取り、次に、定義要素記号が付せられた文字列、セル列について、定義要素記号の種別に基づいて、その定義項目を識別する。以後、上記の場合と同様にして、項目名とデータフィールドの対応付けを識別し項目定義データを生成する。
以上、フォーマット定義を画面上から定義付けをおこなう方法を述べたが、ユーザに、用紙上に作成した表上において、上記の方法と同様に、項目名として定義したい文字列、データフィールドとして定義したいセル列に対して、各々、該当する上記定義要素記号を追記することによって定義付けをおこなわせた上、この用紙をスキャナ10を介してシステムに入力させてもよい。この追記は、上記した定義用に定めた区別修飾情報として、例えば、(青)色を付けておこなう。
ユーザがこの用紙を、スキャナ10を介してシステムに入力すると、システムは、入力された画像データから、文字列、罫線などを認識した上、上記した定義用の区別修飾情報の色情報によって、先ず、定義要素記号を選別的に読み取った上、以降、同様にして定義要素記号が付せられた文字列、セル列について、対応する定義項目を識別して項目定義データを生成する。
また、フォーマット定義を画面上から定義付けをおこなう方法として、次の方法も可能である。1つのデータフィールドを画面上で指定した後、副画面上90で定義項目「1.フィールド」を指示するか、または、画面上において該当のデータフィールドにマウスポインタを合わせてマウス14の左ボタンをダブルクリックすると、続いて、図17(a)に示す項目名指定画面が表示される。マウス14のクリック指示操作として、セル内の文字列部分以外の位置にマウスポインタを合わせた後、マウス14の左ボタンのダブルクリックをおこなうと、上記項目名指定画面が表示されるモードを設けておく。
項目名指定画面の中には、項目名記入欄101、登録語項目名記入欄103、データ名記入欄105、フィールド書式記入欄107が設けられている。今、クリック指定しているデータフィールド域に対応付けたい項目名を項目名記入欄101、または、登録語項目名記入欄103に記入した上、項目名指定画面上の終了ボタン109をクリックすると、該当のデータフィールド域について、入力された項目名がセットされた項目定義データが作成される。以上の操作を表を構成する全てのデータフィールドについて繰返せばよい。
この項目名指定画面中の項目名記入欄101、または、登録語項目名記入欄103への項目名の入力は、次の方法によって、操作の簡便化をはかってもよい。上記項目名記入欄101、登録語項目名記入欄103の何れかにマウスカーソルを運び、マウス14の左ボタンをクリックして該当欄入力モードに移行させた後、再度クリックすると、項目名候補メニューが表示される。登録語項目名記入欄103をダブルクリックした場合に表示される項目名候補メニュー111を、例えば、図17(b)に示す。
システムにおいては、予め、一般に項目名として使用される用語を特定辞書手段中に登録しておき、この特定用語群を項目名候補メニューに掲載表示する。登録語項目名記入欄103をダブルクリックした場合に表示される項目名候補メニュー111には、上記した応用用語辞書52中の「項目名」区分の登録語を掲載する。
表示された項目名メニューにおいて、所望の項目名をクリック指示すると、このクリックされた項目名が項目名記入欄101、または登録語項目名記入欄103内に記入される。
以上のように、フォーマット定義したファイル管理表は、図18に示すような定義付けを示す記号が付された形で表示される。ユーザは、フォーマット定義をおこなったファイル管理表から、所望のデータファイルをオープンしてその内容を参照することができる。フォーマット定義をおこなったファイル管理表上のファイル引用欄中に記入された1つのファイル名称文字列をマウスポインタにより指示してマウス14の左ボタンをクリックすると、該当データファイルがオープンされ、その内容が表示されたウインドウ画面が、ディスプレイ画面20a上に表示される。
表処理アプリケーションプログラムは、表処理アプリケーション画面33内のある位置にマウスポインタが合わされ、マウス14の左ボタンのクリック操作を受けると、先ず、このクリック位置がファイル引用欄として定義されているデータフィルド内であるか、否か判定をおこない、クリック位置がファイル引用欄データフィルド外である場合、上記した通常の応答として、クリック位置を含むセルを指示し、クリック位置がファイル引用欄定義データフィルド内である場合、次の特殊な応答をおこなうものとする。
すなわち、クリック位置を含む文字列を検出して、上記したように、そのファイル識別名をシステムアクセス名に変換した上、ファイルデータ記憶部40にアクセスし、該当のデータファイルの内容全体を内部メモリ16上の所定域に取り出し、その内容をディスプレイ画面20a上に表示する。
なお、このデータファイルのオープン操作として、該当のデータファイル名文字列にマウスポインタを合わせた後、マウス14の右ボタンをクリックし、続いて表示される機能メニュー(図示せず)の中から、該当の処理を指示する「ファイルオープン」ボタンをクリック指示させてもよい。このように、ユーザは、データ構成を共有するデータファイルのグループを、ファイル名称をその共通条件パラメータとわかりやすく対応付けたファイル管理表上において管理することができる。
フォーマット定義したファイル管理表は表処理アプリケーション画面33上に常時表示されている「保存」ボタンをクリックすことによって、いったん、保存してもよい。続いて表示される保存操作ガイド画面上(図示せず)において、その保存名称を入力し、保存操作のガイド画面上の「実行」ボタンを指示すると、該当の表処理アプリケーション画面33は、ディスプレイ画面20aから消え、代わりに、該当のファイル管理表自体がアイコン化され画面上の適当位置に表示される。
次に、本システムのファイル化出力機能について説明する。ファイル化出力機能は、以上に述べた定義付け操作に続けておこなってもよいし、いったん、定義付け操作をおこなった後、いったん、外部メモリ18に保存したファイル管理表を、再度、オープンした上でおこなってもよい。
画面上に、図18に示すフォーマット定義された表が表示されているとする。ユーザは、表処理アプリケーション画面33上に常時表示されている「ファイル化出力ボタン」を指示すると、例えば、図19に示すファイル化出力メニューが表示される。ユーザがファイル化出力ファイルメニューにおいて、出力データファイル名入力欄115と、ファイル形式入力欄117に、各々、目的のマージデータファイルの名称とファイル形式等を入力選択し、「実行」ボタン119 を指示するとシステムによるファイル化出力処理が始まる。
ファイル化出力ファイルメニューの中で入力された出力データファイル名称とファイル形式は、各々、「出力データファイル名称データ」、「出力ファイル形式データ」として、内部メモリ16上の特定エリアに登録される。本例の場合、例えば、目的のマージデータファイルの名称”集計01−03年”が入力され、ファイル形式としてCSV形式が選択されるものとする。
システムによるデータ出力機能は、上記の図4に示す各構成部の次の作用によって実現される。表レコード抽出部60は、定義データ記憶部54内に格納されている項目定義データとセルデータと、文書データ記憶部39内に格納されている文字列データを参照し、ファイル引用欄セル内の1つのセル、または、データについて、それと表フォーマット上において同時に参照されるべきデータの組合せある関連データを表上データの配置規則に基づいて抽出し、該当のファイル引用欄内セルと合わせて表レコードとして識別する。
マージ元ファイル取り出し部42は、上記表レコード中のファイル引用欄セル内に記入されているファイル識別名に基づいて、該当のデータファイルをファイルデータ記憶部40から取り出し、マージ元ファイル記憶部46に格納する。
データマージ部62は、マージ元ファイル記憶部46にセットしたマージ元データファイルに対して、表レコード抽出部60が取り出した表レコードを構成するデータの中、上記の関連データをマージしたマージデータファイルを作成し、マージファイル記憶部48に格納する。
本明細書においては、1つの表フォーマット上において、同時に参照されるべきデータ、または、それを格納するセルの組合せを、特に、表レコードと呼び、一方、データファイルを構成するレコードを、上記「表レコード」と区別して「ファイルレコード」と呼ぶことにする。上記したように、ファイル引用欄セルとその関連データは1つの表レコードを構成する。表上において、ファイル引用欄内セルの関連データは、表上データの配置規則に基づいて、該当ファイル引用欄内セルと同一行または同一列上にあり、かつ、表のファイル引用欄と異なる項目名のデータとして読み取ることができる。
以上のファイル化出力機能を本例に即して説明すると、例えば、図20において、ファイル引用欄内のセル1について、それと同一行上にあるセル2の中に記入されている項目名「支店」のデータ「名古屋」と、同一列上にあるセル3の中に記入されている項目名「年度」のデータ「2002年」を、その関連データとして識別する。上記セル1、セル2、セル3内のデータの組合せは、上記した表レコードを構成することになる。
一方、セル1内に記入されたファイル名「名古屋―2002年」により、該当のデータファイルを取り出し、項目名「商品」、「売上数」、「売上高」、「分類」、「月別」からなる、その構成ファイルレコードの全てに対して、上記識別した表レコードの中、ファイル引用欄内のセル1を除いた項目名「年度」、「支店」のデータを関連データとしてマージした、項目名「年度」、「支店」、「商品」、「売上数」、「売上高」、「分類」、「月別」からなるマージデータファイルを作成することになる。
本システムによる「ファイル化出力処理」の詳細を、図21に示す手順にしたがって説明する。先ず、初期処理(ステップG1)として、図22に示す構成のマージワークテーブルを作成する。このマージワークテーブル上において、1つのファイル引用欄内セルについて読み出した上記表レコードと該当のデータファイルから取り出したファイルレコードとがセットされ、両者がマージされたマージレコードが作成される。
マージワークテーブルの第1行の項目名記入欄には、ファイル管理表から取り出される表レコードの構成項目名とファイル管理表上に引用されているファイルレコードの構成項目名とが記入される。本例の場合、ファイル管理表から取り出される表レコードの構成項目名として、「支店」、「年度」、「ファイル名」とが記入され、該当ファイルレコードの構成項目名として「商品」、「売上数」、「売上高」が記入されることになる。
マージワークテーブルの第2行の区分記入欄には、項目名の「区分」が記入される。項目名「ファイル名」 に対応する欄には、ファイル引用欄の項目名であることを示す該当コード(例えば、コード”2”)が記入される。また、表レコード構成項目名の欄には、該当コード(例えば、コード”1”)が記入され、ファイルレコードの構成項目名の欄には該当コード(例えば、コード”0”)が記入される。
マージワークテーブルの第3行の出力元データアドレス記入欄の中、表レコード構成項目名に対応する各欄(該当する項目名と同じ列上の欄)には、表から読み出される表レコードを構成するセルのセルデータアドレスがセットされる。
この出力元データアドレス記入欄の中、ファイルレコード構成項目名に対応する各欄上の欄上には、データファイル構成項目名のレコード内オフセット位置指示値がセットされる。本例のようにファイル形式がCSV形式の場合、このデータファイル構成項目名のレコード内オフセット位置指示値として、レコード内における該当項目名の格納順位が記入されることになる。
マージワークテーブルの第4行上の出力元データ記入欄の中、表レコード構成項目名に対応する各欄には、第3行の出力元データアドレス記入欄にセットした表レコード構成セル内のデータが、各々、セットされる。すなわち、表のファイル引用欄に記入されたファイル識別名とその関連データとがセットされることになる。上記出力元データ記入欄の中、ファイルレコード構成項目名にに対応する各欄には、該当のデータファイルから取り出したレコード内の各項目のデータがセットされる。
マージワークテーブルは、実際には、たとえば、以下のように実装することができる。集計管理テーブル上の各データ記入欄ごとに、リストデータを設け、各リストデータは、各各データ記入欄中のデータを格納するとともに、行方向ポインタデータ、列方向ポインタデータを持ち、行方向、列方向に隣接する各データ記入欄のデータを、順次、辿れるようになっている。
初期処理(ステップG1)においては、マージワークテーブルを以上のように設定した後、そのマージワークテーブルの各項目名記入欄(第1行)に該当表レコードの構成項目名と該当ファイルレコードの構成項目名とをセットする。また、各区分記入欄(第2行)に、各々、上記のように該当する区分コードをセットする。
表レコードの構成項目名は、定義データ記億部54中に格納されている各項目定義データの「対応項目名文字列アドレス」部からポイントされている文字列データから識別することができる。該当ファイルレコードの構成項目名は、ファイル管理表上に対応付けられているデータファイルをオープンし、その項目名インデクス部からファイルの形式毎に定められた方法にしたがって読みとればよい。
表処理アプリケーションの仕様として、ファイル管理表上に対応付けるデータファイルとしては、ファイル共通条件パラメータが、すでに、レコード内データとして含まれているものもあってよいとする。そこで、各ファイルレコード構成項目名の中、表レコードの構成項目名と同じものは、各項目名記入欄(第1行)に重複してセットしない。また,この重複する項目名に該当する区分記入欄(第2行)には、表レコード構成項目の該当コードをセットする。
また、ファイル管理表上に対応付けられている全てのデータファイルをオープンし、各ファイルレコード構成項目名の組み合わせの中から、表レコード構成項目名を除いた残りの組合せが、全てのデータファイルについて同じであることを確認する。構成項目名の組合せが他のファイルと異なるファイルが存在する場合には、適当な異常メ―ッセージを該当の表処理アプリケーション画面上に表示する。
マージワークテーブルの項目名記入欄における各項目名の記入順は、デフォールトとして、表レコード構成項目名をファイルレコード構成項目名の前方の位置にセットする。表レコード構成項目名間の記入順序は、順不同でよい。ファイルレコード側の構成項目名の記入順序としては、デフォールトとして、該当データファイルの項目名インデクス部における登録順にしたがってセットする。
初期処理(ステップG1)においては、次に、マージ元データファイルを格納するマージ元ファイル記憶部46とマージデータファイルを格納するマージファイル記憶部48とを、各々、内部メモリ16上の適当位置に設定する。また、マージデータファイルの管理部を、指示された出力ファイル種別形式にしたがってマージファァイル記憶部48中の所定位置に作成する。指示された出力ファイル種別形式は、内部メモリ16上のの特定エリアにセットした上記「出力ファイル形式データ」から読み取ればよい。
マージデータファイル管理部中の名称部には、上記ファイル化出力メニューにおいて入力され、上記した「マージデータファイル名称データ」として登録されている名称をセットすればよい。マージデータファイルの管理部中の項目名インデクス部には、マージワークテーブルの第1行上「項目名記入欄」中にセットされている各テキストデータの中からファイル引用欄に該当する項目名を除いたものを、出力ファイル種別毎に定められた形式にしたがってセットすればよい。
本例のように、指示された出力形式がCSV形式の場合、項目名管理インデクス部として、マージワークテーブル第1行上「項目名記入欄」中にセットされている各テキストデータの集合から、項目名「ファイル名」を除いた集合を連続したテキスト列としてレコード構成順(マージワークテーブル上のセット順)につないだ上、各データ間に区切り記号”,”を挿入し、テキスト列の末尾には改行記号を追加すればよい。
ステップG1の初期設定処理の最後に、ファイル管理表上において表レコードを取り出す位置をスタート位置にセットすると、次に、システムは、表レコード抽出部60の作用として、ファイル管理表上から1つの表レコードを識別して、その構成セルのセルデータアドレスと記入データとを、各々、マージワークテーブル上の第3行上出力元データアドレス記入欄と第4行上出力元データ記入欄の該当欄上にセットする。(ステップG2)
表上において、ファイル引用欄内の1つのセルと合わせて表レコードを構成する関連データは、上記したように、該当のファイル引用欄セルに対して同一行上左側、または同一列上上側にあり、かつ、表のファイル引用欄と異なる項目名を持つデータとして読み取ることができる。該当のファイル引用欄に対して左側、または、上側にある各データフィールドについて定義されている項目定義データからポイントされているセルデータチェインを順次たどり、該当のファイル引用欄セルに対して、上記した配置関係にあるセル内のデータとして識別すればよい。
本例のように、ファイル引用欄を含む表の場合、例えば、ファイル引用欄のスタート位置のセルから、セルを1つづつ順に取り出して、取り出したセルを含む表レコードを表フォーマット上から識別していけばよい。ファイル引用欄からセルを取り出していく順序としては、例えば、そのファイル引用欄の左上角のセルを取り出すスタート位置のセルとして、以降、同じ行上において左側から順にとり出し、1つの行上で全てのセルを取り出した後、次の下側の行上において同じことを繰り返していけよい。
次に、システムは、マージ元ファイル取り出し部42の作用として、今、マージワークテーブル上に取り出している表レコードの中のファイル引用欄セルについて、該当のファイルデータをマージ元ファイル記憶部46上に取り出す。(ステップG3)
先ず、マージワークテーブルにおいて、第2行上の区分記入欄に「ファイル引用欄」の該当コードがセットされている列上の第4行上の出力元データ記入欄にセットされている該当データファイル名を、ファイルデータ記憶部40にアクセス可能なファイル管理名称に変換した上、このアクセス名によって、該当のデータファイル全体を、上記外部メモリ18のファイルデータ記憶部40から、上記内部メモリ16上に予め設定したマージ元データファイル記憶部46に取り出す。
上記したように、ファイル管理表のファイル引用欄には、ユーザの識別名称として、環境制御プログラムによる該当データファイルのファイル管理名称からファイル種別指示部分”.csv”を除いたものが記入されている。
該当するファイル管理名称は、システム上において定義されている全てのファイル管理名称に対して、該当のファイル引用欄記入名によって前方一致検索をおこなうことにより得ることができる。本例の場合,例えば、ファイル引用欄記入名「2002年―名古屋」から、ファイル管理名称「2002年―名古屋.csv」が検索される。
続いて、マージ元データファイル記憶部46に取り出したマージ元データファイルについて、今、表レコード中に取り出しているファイル共通条件データがすでに、その構成レコード中に含まれていることを判定する。(ステップG4)マージワークテーブル上において、その「区分記入欄」に「表レコード構成項目」の該当コード”1”がセットされている項目名を見出し、それが該当データファイルの項目名インデクス部に登録されていることをサーチすればよい。
ステップG4の判定が得られない場合、マージ元データファイル記憶部46に取り出しているマージ元データファイルに該当の表レコード中の関連データをマージし、マージデータファイルを作成する。(ステップG5)
ステップG4の判定が得られる場合にば、次に続く、ファイル管理表から読み取った関連データをマージするステップG5以降の手順をスキップし、ファイル管理表から次の表レコードを読み取るステップG2に戻る。
ステップG5においては、先ず、その中の初期設定処理として、該当のデータファイルの項目名インデクス部に登録されている、各レコード構成データのレコード内アドレスをマージワークテーブルの第3行上の出力元データアドレス記入欄の該当欄にセットする。本例の場合、「ファイル形式」はCSV形式であることから、各レコード構成データのレコード内格納順位をセットすることになる。
以降、マージ元データファイル記憶部46にセットした該当のデータファイルから、その構成レコードを順次取り出した上、マージワークテーブルの第3行上の該当欄にセットした上記レコード内アドレスに基づいて、該当レコードの各構成データをマージワークテーブルの第4行上出力元データ部の該当欄上にセットしていく。
目的のマージデータファイルの構成単位であるマージレコードは、マージワークテーブル第4行上出力元データ部にセットされたデータ集合から項目名「ファイル名」のデータを除くことによって得ることができる。得られたマージレコードを、指定されている出力形式に変換した上、マージファイル記憶部48に格納する。
本例の場合、指定出力形式はCSV形式であることから、マージレコードは上記マージレコードの構成単位である各テキストデータをレコード構成順(マージワークテーブル上の順)につなぎ、各データ間に区切り記号”,”を挿入したテキスト列の形式に変換する。
該当のマージ元データファイルから取り出した1つのファイルレコードについて、上記のようにマージレコードを作成すると、同じマージ元データファイルから次のファイルレコードを取り出し、マージレコードを作成した上、マージファイル記憶部48へ格納する処理を繰返す。マージレコードのマージファイル記憶部48への格納順序は、デフォールトとして、マージ元データファイルにおける該当レコードの格納順序とする。
本例のCSVファイルの場合、最初に作成されるマージレコードのテキスト列は、上記した項目名インデクス部のテキスト列の末尾に、改行記号を追加した上、それにつなげればよい。2番目以降に作成されたマージレコードのテキスト列は、その前に作成格納されているマージレコードのテキスト列の末尾に、同じく改行記号を追加した上、それにつなげればよい。
該当のマージ元データファイルから取り出した全てのファイルレコードについて上記のように、マージレコードを作成し、マージデータファイルに追加することによって、ステップG5を終えると、次の表レコードの取り出し位置をサーチし(ステップG6)、次の表レコードの取り出しが可能か、否か、判定をおこなう(ステップG7)。
上記の判定が得られれば、ファイル管理表上から次の表レコードを識別するステップG2の処理に戻り、以降、これに基づいて取り出される新しいマージ元データファイルを取り出し、該当する関連データをマージしてマージデータファイルに追加するというステップG3―G6の処理を繰返す。ステップG2−G6の処理手順は、ファイル管理表上から取り出される全ての表レコードについて繰返されることになる。
上記ステップG7は、本例の場合、ファイル引用欄について作成されている上記セルデータチェインの終端を検出する処理としておこなわれる。ステップG7において、次の表レコードが抽出されないことが判定された場合、マージデータファイルに終端コードを設ける等の終端処理(ステップG8)をおこなった上、本手順を抜ける。
マージファイル記憶部48においては、1つの表レコード(ファイル引用欄セル)から取り出されるマージ元データファイルについて生成されるマージレコードの集合は、デフォールトとして、前回に取り出されているマージ元データファイルについて生成されるマージレコードの集合に続く位置に格納する。
本例のCSVファイル場合、ファイル管理表から2番目以降に取り出されたマージ元データファイルから、最初に作成されるマージレコードのテキスト列は、その前回にファイル管理表から取り出されているマージ元データファイルについて最後に作成格納されているマージレコードテキスト列の末尾に、改行記号を追加した上、それにつなげればよい。
全てのマージ元データファイルについて、該当関連データをマージして、マージファイル記憶部48に格納した後、ステップG8において、該当のファイル種別毎に定められたファイル作成終端処理をおこない、目的のマージファイルを得ることができる。
ファイル管理表は、図23に示すように、表の外部に「共通条件データ」が記入されているものであってもよい。図23において、この表外に記入されている、項目名「仕向け」のデータ「国内」は、表内の全てのファイル引用欄セルについての「共通条件データ」として上記した関連データとなっている。
図23に示すファイル管理表に対する定義付け操作としては、上記した方法に準じて、データ名文字列の”国内”に対して文字列”仕向け”を 項目名として対応付ければよい。例えば、文字列”仕向け”と”国内”をディスプレイ画面a上においてクリック指定した後、副画面90上において、各々、「2.項目名」と「3.データ名」を指定すればよい。
また、定義データ作成時には、データ名文字列として指定された”国内”に対応する項目名として、上記した項目名とデータフィールドとを対応付ける基準に準じて、その左側に隣接する項目名文字列として指定された”仕向け”を識別して、項目定義データを作成する。該当の項目定義データの「対応項目名文字列データポインタ」部に該当項目名文字列の文字列データのアドレスをセットし、「先頭セルデータポインタ」部に該当データ名文字列の文字列データのアドレスをセットする。
また、このような表外の「共通条件」を関連データとして持つファイル管理表の扱いとして、定義データ作成時において、ファイル引用欄セルの関連データの中、ファイル引用欄と同じ表内にあって、上記した表上データの配置規則にしたがって読み取られるデータ(以降、「表内関連データ」と呼ぶ)と上記した「共通条件データ」となるデータとを次のように区別する。
すなわち、ファイル引用欄の最上行にある全てのセルについて、その上側方向に隣接するセルを順次、たどり、たどった各セルの所属する項目定義データフィールドを識別していく。ファイル引用欄の最上行にある全てのセルについて、以上の方法により識別され得る項目定義データフィールドを、先ず、上記「表内関連データ」の項目定義データフィールドとして判定する。また、ファイル引用欄の最左列にある全てのセルについても、その左側方向に隣接するセルを順次、たどることによって、同様にして、「表内関連データ」の項目定義データフィールドを識別する。
上記した「共通条件」となるデータは、ファイル管理表上において項目名が定義されている全てのデータの中、以上の判定手順において、「表内関連データ」として判定されないものとして識別し、該当の項目定義データの「区分」に、「共通条件」であることを示す該当コード(例えば、”5”)をセットする。
出力処理のステップG1においては、マージワークテーブル第1行「項目名記入欄」に「共通条件」となる項目名を加え、該当する第2行「区分記入欄」に「共通条件」であることを示す該当コード(例えば、”5”)をセットしておく。
表上から表レコードを読み込むステップG2の処理として、このマージワークテーブル第2行「区分記入欄」に、「共通条件」であることを示す該当コードがセットされている項目は、最初の表レコード読み込み時にセットしたデータを、以降の表レコード読み込み時にもそのままセットし続けておけばよい。
ステップG5においては、全てのファイル引用欄セルについて、各々、表上から読み取られる関連データに加えて、この固定した「共通条件データ」が該当のデータファイルのデータに対してマージされることになる。本例でいえば、ファイル引用欄にその識別名を記入した全てのデータファイルに対して、各々、該当する項目名「年度」、項目名「支店」の該当データに加えて、この項目名「仕向け」の共通データ「国内」がマージされることになる。
実施例システムにおいては、CSVファイル等のデータファイルも、公知の方法として、環境制御プログラムによって1つのファイルとして管理され、デスクトップ画面上において、それを表わすアイコンが表示され、ディスプレイ画面20a上における、そのアイコンに対する特定指示により、ディスプレイ画面20a上に1つのウィンドウ画面が生成された上、その中に該当ファイルの内容が表示されるようになっている。
ファイル管理表によってデータファイルを管理する方法として、上記の例のようにファイル管理表のファイル引用欄セル内にファイル名を記入する方法の代わりに、ディスプレイ画面20a上において、データファイルを表わすアイコンを該当するファイル引用欄セル内に貼り付ける方法によってもよい。
システム内には、環境制御プログラムによって該当の各データファイルについてアイコン定義情報が生成され、それに基づいて上記デスクトップ画面上にアイコンが表示されているものとする。アイコン定義情報は、公知の方法として、そのID(ポインタ)情報、ディスプレイ画面20a上、乃至は、デスクトップ画面上のアイコン表示位置情報、対応する本体ファイル情報、乃至は、対応するウインドウ画面へのポインタ情報、アイコンのイメージを表わす画像データへのポインタ情報などから構成されている。
ユーザは、このアイコンを該当のファイル管理表を表示している表処理アプリケーション画面33内に運び、目的の位置にドラッグ&ドロップする操作をおこなう。アイコンをファイル管理表上へ貼り付ける時期は、ファイル管理表に対して上記したフォーマット定義付け操作をおこなう前後の何れであってもよい。
以上のアイコンのドラッグ&ドロップ操作を受け、公知の方法として、環境制御プログラムは、そのデスクトップ画面上のドラッグ&ドロップ先位置にアイコンのイメージを表示し直すと共に、デスクトップ画面上に表示されているアプリケーションプログラムのウインドウ画面中に該当アイコンが含まれていることを判定し、この判定が得られた場合、該当のアプリケーションプログラムにその旨の通知をおこなう。
今、デスクトップ画面上に表処理アプリケーション画面33が表示されており、該当のアイコンが表処理アプリケーション画面33内にドラッグ&ドロップされた場合、該当の表処理アプリケーションプログラムは、上記した環境制御プログラムからの上記通知を受け、該当アイコンの貼り付け対象書面(ファイル管理表が記入されている書面)上におけるアイコン貼り付け位置を算出した上、それを「書面上アイコン位置情報」として、該当のアイコン定義情報を指示する「アイコンポインタ情報」とリンクした形で、該当ファイル情報内に登録しておく。
この「書面上アイコン位置情報」は、該当アイコンのデスクトップ画面上における位置から該当の表処理アプリケーション画面33のデスクトップ画面上における相対位置と該当アイコンの貼り付け対象書面の該当表処理アプリケーション画面33内における相対位置の両者を差し引くことによって求めることができる。
上記した「ファイル化出力」のユーザ指示を受けると、システムは、先に図21に示した手順をおこなう。ただし、ファイル管理表から上記した表レコードを検出するステップG2においては、該当のファイル引用欄セルについて、アイコンが貼り付けられていることを判定する。
ファイル引用欄内のセル内に貼り付けられているアイコンは、該当のファイル引用欄セルの書面上位置と各アイコンの書面上位置との照合を繰り返すことによって検出することができる。ファイル引用欄セルの書面上位置は、該当のセルデータから知ることができ、該当セルデータのアドレスは、マージワークテーブルの第3行「出力元データアドレス記入欄」にセットされている。また、該当の表アプリケーション画面内に貼り付けられているアイコンの書面上位置は、上記したように表処理アプリケーションの該当ファイル情報内において、該当アイコンについて「アイコンポインタ情報」にリンクされた形で作成されている「書面上アイコン位置情報」という形で登録されている。
ステップG2においては、本例のように、該当のファイル引用欄セル内にアイコンが貼り付けられていることが判定された場合には、マージワークテーブル第2行上の「区分記入欄」の該当欄に、該当する第4行上出力元データ記入欄内のセットデータがアイコンポインタ情報であることを示す特定コード(”3”)をセットし、該当のファイル引用欄セル内に文字列が記入されていることが判定された場合には、該当のコード(”2”)を改めてセットする。
また、該当のファイル引用欄セル内にアイコンが貼り付けられていることが判定された場合には、該当の「アイコンポインタ情報」をマージワークテーブル第4行上の出力元データ記入欄の該当欄内にセットする。
続くステップG3においては、先ず、マージワークテーブル第2行上「区分記入欄」にマージワークテーブル第4行上「出力元データ記入欄」のセットデータが上記アイコン定義情報へのポインタ情報であることを示す上記特定コードがセットされている場合、マージワークテーブル第4行上「出力元データ記入欄」の該当欄にセットされた「アイコンポインタ情報」により、該当のアイコン定義情報を識別した上、さらに、該当のアイコン定義情報からポイントされている実体データファイルを、マージ元データファイル記憶部42上にオープンすればよい。以降の処理は、上記の場合と全く、同様におこなわれる。
本発明に関わる表処理アプリケーションプログラムの1つの機能として、以上のようにフォーマット定義されたファイル管理表上へデータファイルを表わすアイコンを貼り付ける操作を受け、システムに直ちにファイル管理表のアイコン貼り付け位置から読み取れる上記関連データを該当のデータファイルにマージする処理をおこなわせてもよい。
すなわち、ユーザが、ディスプレイ画面20a上において、フォーマット定義された図5に示すファイル管理表のファイル引用欄内の1つのセルに、データファイルを表わすアイコンをドラッグ&ドロップすると、表処理アプリケーションプログラムは、上記したように、環境制御プログラムからの通知を受け、該当アイコンの該当アプリケーション書面上の位置である上記「書面上アイコン位置情報」を該当アイコンを指示する上記「アイコンポインタ情報」とリンクした形で生成した上、該当アイコンのドラッグ&ドロップ先位置がファイル引用欄として定義されているデータフィールド内であるか、否か判定をおこなう。この判定は、該当アイコンのアプリケーション書面上位置情報と表内の該当する各セルについて作成されているセルデータの位置情報との照合を繰返すことによっておこなわれう。
この判定が得られると、システムは、図24に示す確認画面をディスプレイ画面20a上に表示して、ユーザの指示を求める。図24に示す確認画面上においては、該当の表レコードの構成項目名とファイルレコードの構成項目名とを表わすボタンが、上記したデフォールトの順序にしたがって配置されて表示される。ユーザは、同画面上において、この項目名を表わすボタンを、マウス14によるドラッグ操作により並び替え、マージレコードのデータ構成を所望の順序に変えることができる。
ユーザが図24に示す確認画面上において、「実行」ボタン121をクリック指示すると、 システムは、アイコンを貼り付けたセルについて、表上から上記した関連データを識別した上、該当のデータファイルの各構成レコードにマージする。すなわち、上記した図21の手順において、1つのファイル引用欄セルについておこなわれるステップG1、G2、G3、G4、G5、G8をおこなえばよい。ただし、ステップG1においては、マージワークテーブル上の第1行上項目名記入欄の各項目名を、上記確認画面上において、ユーザが並び替えた順に並び替ええておく。
システムは、続いて、新しくマージされたデータファイルをマージファイル記憶部48から,ファイルデータ記憶部40中の適当位置に移送した上、該当のアイコン定義情報について、それが持つ実体データファイルへのポインタ情報のポイント先を、この新しくマージされたデータファイルに付け替え、元の実体データファイルは、廃棄する。
なお、このファイル管理表上における関連データのマージを該当アイコンの該当表上への貼り付けに伴っておこなう機能において、ファイル引用欄についての項目定義の定義付けを省くことができる。
すなわち、ユーザとの規約により、アイコンをドラッグ&ドロップしたセルと同じ表内にあり、かつ、項目名が定義されたデータであって、アイコンをドラッグ&ドロップしたセルの上側方向、または、左側方向に記入されているものは、必ず、該当セルの関連データになるものとして、システムは、表アプリケーション画面33内にアイコンがドラッグ&ドロップされたことを検出した場合、そのドラッグ&ドロップ位置について、それが上記セルデータの作成されているセル内であり、かつ、上記した配置条件に適う関連データが同じ表内から検出されるか、否かを判定する。
この判定は、アイコンをドラッグ&ドロップしたセル位置の上側方向、または、左側方向に隣接するセルを順次求め、それが項目名の定義されたデータフィールド内に含まれるか、否かを判定していくことによっておこなうことができる。この判定が得られた場合、この識別した関連データを該当データファイルに対して、上記した方法にしたがってマージすればよい。
デスクトップ画面上において表示されるアイコンの縦方向寸法は、一般に文字が入力されるセルの縦方向寸法よりも大きいことから、アイコンをファイル管理表内の1つのセル内にドラッグ&ドロップした時に、セルの寸法をアイコンの寸法に合わせて自動調節させてもよい。
先ず、アイコンの縦方向寸法に適当な上下のマージン寸法を加えて、新しいセルの縦方向寸法を決めた上、次に、ファイル引用欄の上縁を基準として、それより下側に引かれた横方向罫線の罫線データの縦方向位置情報を新しい位置に更新する。該当の各罫線データを縦方向の配置順に並べ、その縦方向位置情報を新しいセルの縦方向寸法にしたがって、順次、更新していけばよい。続いて、罫線データを更新した横方向罫線の中、最下端の横方向罫線の縦方向位置に基づいて、表を構成する各縦方向罫線の罫線データの下端位置情報を更新した上、ファイル引用欄の上縁より下側において、以上のように更新した罫線データに基づいて、新しいセルデータを作成すると共に、元の各セルデータは廃棄する。
なお、データファイルのアイコンをファイル管理表上へ貼り付ける操作に伴って、貼り付けたデータファイルの名称もシステムに自動生成させてもよい。
一般に、上記した例のように、ユーザが同じデータ構成を持つ複数のデータファイルのグループを管理する時に、個々のデータファイルを最も判別しやすい名称は、各データファイルの共通条件パラメータが名称中に明らかになっているものである。したがって、該当のデータファイルの共通条件データを、上記したようにファイル管理表上のアイコン貼り付け先のセルについての関連データとしてファイル管理表上から読み取り、読み取った共通条件データ文字列を、適当なの生成規則によってはめ込んだ文字/記号列を作成すればよい。
ユーザが、あるファイルを表わすアイコンを、上記したフォーマット定義がなされているファイル管理表上のファイル引用欄内のセル中に貼り付けた時、表処理アプリケーションプログラムは、上記したように、環境制御プログラムからの通知を受け、該当アイコンの該当アプリケーション書面上の位置である上記「書面上アイコン位置情報」を上記したように生成した上、該当アイコンの貼り付け位置がファイル引用欄として定義されているデータフィールド内であるか、否か判定をおこない、この判定が得られた時、図25に示した手順をおこなう。
同手順においては、先ず、アイコンを貼り付けたファイル引用欄のについて、次に述べる名称定義データがすでに作成されているか、否か、判定をおこなう。(ステップS1)この判定は、該当のファイル引用欄について定義されている項目定義データ中の「名称定義データポインタ」部を参照することによっておこなわれる。「名称定義データポインタ」部には、名称定義データが作成されている場合は、そのアドレスがセットされており、名称定義データが作成されていない場合には、名称定義データが作成されていないことを示す特定のデータがセットされている。
上記ステップS1の判定において、名称定義データが作成されていない場合、名称定義データを次のように初期作成し、ファイル引用欄のデータフィールドについて作成されている 該当の項目定義データ中の「名称定義データポインタ」部からポイントする。(ステップS2)
名称定義データは、一般形として、図26に示すように、任意の文字/記号列データ中の任意位置に、ファイル引用欄の各関連データについて作成される「関連データ情報」を差し込んだ形式を持つ。「関連データ情報」は、関連データの該当項目名を表わす「項目名情報」と後述する「変換方法情報」とを持つ。
この名称定義データの初期作成時には、先ず、ファイル管理表上においてファイル引用欄の関連データの項目名を識別した上、識別した各項目名ごとに、「関連データ情報」を作成し、各「関連データ情報」を、例えば、その最も単純な形として、適当に定めた順序により、予め定めた適当な区切り記号によってつなぐことにより、名称定義データを作成する。
ファイル引用欄の関連データの項目名は、ファイル管理表上においてファイル引用欄以外のデータフィールドについて定義されている項目定義データ内の「対応項目名文字列データアドレス」に基づいて,該当する文字列データを参照すればよい。「関連データ情報」内の「項目名情報」には、該当項目名のテキスト列をセットし、「変換方法情報」には、初期設定値として「無変換」を表わすコードを設定する。
次に、アイコンを貼り付けた該当のセルについて、全ての関連データ文字列を上記した方法により読み取り、例えば、上記したマージワークテーブルの形式によって、該当の項目名と対応付けた形でセットする(ステップS3)。
続いて、名称定義データの文字記号列中に挿入されている各「関連データ情報」について、その中の「項目名情報」を参照して、ステップS3において該当のセルについて読み出されている関連データ文字列の中から、同じ「項目名」の対応付けられている関連データ文字列を選択した上、それに対して該当の「関連データ情報」中の「変換方法情報」を参照することによって変更をおこなった「関連データ変換文字列」を作成する。
(ステップS4)
「関連データ変換文字列」は、表上から読み取った関連データ文字列に対して後に述べるような簡単な規則による変更をおこなったもので、目的の名称文字列中に関連データ文字列に代わって挿入される。
今の場合のように、ファイル管理表上にはじめてアイコンを貼り付ける場合、「関連データ情報」中の「変換方法情報」には、初期値として「無変換」を表わすコードが設定されていることから、表上から読み取った関連データ文字列がそのまま、「関連データ変換文字列」として目的の名称文字列中に挿入される。
続いて、名称定義データの上記文字/記号列データをテンプレートとして、その中の各「関連データ情報」を、各々、ステップS4において求めた該当する「関連データ変換文字列」によって置き換えることによって、該当アイコンに対応するファイルの名称を表わす名称テキストデータを得る。(ステップS5)
名称テキストデータは、先に図8に示した文字列データの形式によって作成される。名称テキストデータ中において、上記のように挿入した関連データ変換文字列、ないしは、関連データ文字列の部分には、その隣接部分と区別できる様に、例えば、予め定めた特定の囲み記号(たとえば、[ ]など)を付けておく。この関連データ変換文字列、ないしは、関連データ文字列に対する囲み記号は、上記した「定義用記入情報」として付加し、名称テキストデータを構成する文字、記号と区別ができるようになっている。
例えば、図5に示した表について、名称定義データの初期作成(ステップS2)において、「項目名情報」が「支店」である「関連データ情報」と、「項目名情報」が「年度」である「関連データ情報」とを、例えば、記号”―”によりつないだ文字記号列を作成しておく。
今、ユーザが、その関連データが、項目「支店」について「名古屋」、項目「年度」について「2002年」であるセル内に、1つのCSVファイルのアイコンを貼り付けると、システムは、名称定義データの文字/記号列データ内において、項目名「支店」の「関連データ情報」と項目名「年度」の「関連データ情報」を、各々、該当する関連データ文字列である”名古屋”と”2002年”により置き換えた上、”[ 名古屋]―[2002年]”という名称文字列テキストデータを得る。この名称文字列テキストデータ中において、”名古屋”と”2002年”には、上記した関連データ文字列部分を示す特定の囲み記号[ ]が付せられている。
次に、システムは、以上のように作成した名称文字列テキストデータを、適当な確認画面上に表示した上、 確認画面 上からのユーザ指示によりその変更と確定をおこなう。(ステップS6)
例えば、図27は、この名称付与機能の上記確認画面を示すものであり、作成した名称文字列テキストデータを、上記確認画面中の名称欄131に表示した上、システムに備えた公知の文字入力機能により、ユーザが所望するものに変更することができる。ただ、この確認画面中の名称欄131上における変更は、変更後も関連データ変換文字列部分、ないしは、関連データ文字列部分に対して上記の特定囲み記号が付せられているようにおこなうものとする。
上記した、ユーザによる生成名称文字列の変更は、名称文字列中に差し込んだ関連データ変換文字列部分、ないしは、関連データ文字列部分については、表上から読み取られる関連データ文字列に対する、ユーザとの規約にしたがって定められた規則による変更のみがおこなわれるものとする。
この変換規則は、ユーザにとって、変更後の文字列から、直ちに元の関連データ文字列が判別できるものでなければならない。例えば、テキスト列前方からの一定文字数の部分文字列の抽出、テキスト列後方からの一定文字数の部分文字列の抽出、テキスト列中の数字列部分の後方からの一定文字数の部分文字列の抽出、または、ローマ字化をおこなった上での前方からの一定文字数の部分文字列の抽出等である。
また、ステップS6の先頭において、ステップS5において生成された名称文字列テキストデータは、システム内の別のエリアにコピーされて、第2の名称文字列テキストデータが生成され、ステップS6における上記確認画面を介した変更は、この第2の名称文字列テキストデータに対しておこなわれるものとする。
名称文字列は、ユーザの上記確認画面中の「実行」ボタン132の指示により確定し、システムはステップS6を抜け、次に、ユーザによる変更が上記ステップS6において加えられたか、否か判定をおこなう。(ステップS7)ステップS7においては、上記した第1の名称文字列テキストデータと第2の名称文字列テキストデータの比較をおこなえばよい。
上記ステップ7において、名称文字列テキストデータに変更がないことが判定された場合、この名称文字列テキストデータを登録した上(ステップS9)、本手順を終える。すなわち、生成した名称文字列テキストデータによって、該当の実体データファイルの管理部内に登録されている名称データを更新すると共に、該当の種別を表わす文字列(たとえば、”.csv”)を付加した上、該当データファイルのファイル管理部内とアイコン定義情報内の名称情報を更新する。なお、このステップS9の登録処理においては、名称文字列テキストデータ中の関連データ文字列部分に付けた上記特定囲み記号は外した上、セットする。
上記ステップ7において、ユーザによるステップS6における変更が加えられていることが判定された場合、システムは、変更された名称文字列テキストデータに基づSいて、名称定義データを更新する処理をおこなった上(ステップS8)、上記ステップS9の登録処理をおこなう。
ステップS8においては、新しい名称定義データを、上記確認画面上の変更によって更新されている名称文字列テキストをもとに、その中の各関連データ変換文字列部分について、該当する「関連データ情報」を作成し、この作成した「関連データ情報」によって置き換えることによって作成する。各関連データ変換文字列に該当する「関連データ情報」は、次のようにして識別することができる。
先ず、名称文字列テキストデータの中の各関連データ変換文字列部分は、上記した特定囲み記号の付けられたテキスト部分として、順次、識別することができる。また、各関連データ変換文字列部分について、その元の関連データ文字列と元の関連データ文字列からの変換方法は、ユーザによって変更された該当の関連データ変換文字列と該当セルについて表上から読み取られる全ての関連データ文字列との間で、上記したユーザとの規約により決まる種類の照合をおこなうにより識別することができる。例えば、両者の間で、全体一致、前方一致、後方一致などの照合を適当な順序によりおこなえばよい。
また、この関連データ変換文字列の変換方法の識別においては、ユーザによって変更された関連データ変換文字列が数字列であることを判定するステップを設け、その判定が得られた場合には、各関連データ文字列の数字列部分との後方一致照合をおこなう。さらに、ユーザによって変更された関連データ変換文字列がローマ字表記であることを判定するステップを設け、その判定が得られた場合には、各関連データ文字列を公知の方法によりローマ字表記に変換した上、上記した各種の照合をおこなう。
「関連データ変換情報」内の「変換方法情報」には、こうして識別した元の関連データテキストからの変換方法を示す情報をセットする。「関連データ情報」内の「項目名情報」には、上記したマージワークテーブル上において、元の関連データと対応付けられてセットされている項目名テキストをセットする。
今、例えば、ユーザは、ステップS6において、システムの文字列入力/編集機能を用いて、上記したシステムによるデフォールト作成名称”[名古屋]―[2002年]”の先頭に”集計―”を付加し、かつ、その中の関連データ文字列部分”名古屋”と”2002年”の位置を入れ替え、かつ、関連データ文字列”2002年”に対して、その数字列部分の下2桁以外を削除するなどの変更を加え、新しい名称”集計―[02][名古屋]”を作成しているものとする。
システムは、変更後の名称文字列中における最初の関連データ文字列部分”02”について、該当セルについて表上から読み取られる関連データ文字列である”名古屋”と”2002年”との間で上記した照合をおこない、その中の関連データ文字列”2002年”の数字列部分の下2桁と一致することを検出し、元の関連データ文字列から変更方法は、「数字列部分の下2桁の後方一致」として識別する。
また、「関連データ情報」内の「項目名情報」にセットすべき項目名は、以上の照合により識別されたれた元の関連データ文字列”2002年”の項目名である「年度」であり、それは上記したマージワークテーブル上において該当の関連データ文字列”2002年”と対応付けられてセットされている。
こうして、この関連データ変換文字列部分”02”について対応する「関連データ情報」として、その中の「項目名情報」には、テキスト列”年度”がセットされ、その「変換方法情報」内の「区分」部には、「数字列部分についての後方一致」を示す該当コードがセットされ、「変換方法情報」内の「一致文字数」部には「2」がセットされた「関連データ情報」が作成されることになる。
また、もう1つの関連データ変換文字列部分”名古屋”については、同様にして、その中の「項目名情報」には、テキスト列”支店”がセットされ、その「変換方法情報」内の「区分」部には、「無変換」を示す該当コードがセットされた「関連データ情報」が作成される。新しい名称定義データは、上記確認画面上の変更によって更新されている名称文字列テキスト”集計―[02][名古屋]”をもとに、その中の各関連データ変換文字列部分”02”と”名古屋”とを、各々、以上のように作成した「関連データ情報」によって置き換えることによって得ることができる。
名称定義データが以上のようにして更新されると、それ以降に表中にアイコンを貼り付けたファイルについては、更新された最新の名称定義データに基づいて、名称テキストデータの生成がおこなわれる。すなわち、ステップS1の判定において、名称定義データが作成されていることから、ステップS2の「名称定義データの初期作成」をスキップして、該当セルの関連データを読み取った上(ステップS3)、上記したように、「関連データ情報」中の「変換方法情報」を参照して「関連データ変換文字列」を得る。(ステップS4)
続いて、現在の変更されている名称定義データの上記文字/記号列データをテンプレートとして、その中の各「関連データ情報」を、各々、該当する「関連データ変換文字列」によって置き換えることによって、該当アイコンに対応するファイルの名称を表わす名称テキストデータ(図示せず)を得ることになる。(ステップS5)
例えば、上記の説明において引用したセルの右隣にあるセル(表の上から第3行、左から第4列のセル)については、関連データ文字列として、表上から項目名「年度」について”2003年”、項目名「支店」について”名古屋”が読み取られる。
現在の名称定義データの文字/記号列データ中にセットされた、現在の「関連データ情報」については、上記したように、その「項目名テキスト情報」には、”年度”がセットされ、「関連データ変換情報」には、「数字列部分についての下2桁の後方一致」を示す該当情報がセットされていることから、表上から読み取った関連データ文字列の中から、項目名「年度」の関連データ文字列”2003年”を選び、その数字列部分の下2桁を切り出して関連データ変換文字列”03”が得られ、、名称定義データの文字/記号列データ中において、該当の「関連データ情報」と置き換わることになる。
名称定義データの文字/記号列データ中において次の位置にセットされている「関連データ情報」の「項目名テキスト情報」には、テキスト列”支店”がセットされ、「変換方法情報」の「区分」部には、「無変換」を示す該当コードがセットされていることから、名称定義データの文字/記号列データ中において、表上から読み取った関連データ文字列の中、”名古屋”が該当の「関連データ情報」と置き換わることになる。
ここで生成された名称テキストデータは、ステップS6において確定された上、目的の名称文字列として登録される。(ステップS9)ステップS6において、名称テキストデータが再度変更されれば、名称定義データは、改めて更新されることになる。(ステップ8)
なお、この名称付け機能においては、そのアイコンをファイル管理表上に貼り付ける名称付けの対象として、データファイルに限らず、例えば、文書ファイル等の他の種別のファイルであってもよく、また、1つの連続したファイル引用欄中に、異なる種別のファイルを含んでよい。さらに、この名称付けの対象としては、複数のファイルのグループであるフォルダであってもよい。
また、このファイル管理表による命名機能においても、上記した、該当アイコンの該当表上への貼り付けに伴っておこなう関連データのマージ機能と同様に、ファイル引用欄についての項目定義の定義付けを省くことができる。
すなわち、ユーザとの規約により、アイコンをドラッグ&ドロップしたセルと同じ表内にあって、そのセルの上側方向、または、左側方向にあり、かつ、項目名が定義されたデータは、必ず、該当セルの関連データになるものとして、システムは、表アプリケーション画面33内にアイコンがドラッグ&ドロップされたことを検出した場合、そのドラッグ&ドロップ位置について、上記したように、先ず、それがセルデータの作成されているセル内であり、かつ、上記した条件に適う関連データが同じ表内から検出されるか、否かを判定する。この判定が得られた場合、識別した関連データに基づいて、該当データファイルに対して、上記した命名処理をおこなえばよい。
なお、この場合、ファイル引用欄について項目定義データは作成されていないので、名称定義データは、システム内のある定められた位置にセットされるものとする。
ファイル管理表中において、同じ項目名を持つ関連データは、ファイル引用欄の上側方向にある1つの行上、または、ファイル引用欄の左側方向にある1つの列上に配置される。そこで、ユーザとの規約によって、ファイル引用欄の上側方向にある1つの行、または、ファイル引用欄の左側方向にある1つの列は、1つの項目定義データが作成されているデータフィールドと同じ扱いをすることとして、名称文字列の生成を関連データ文字列についての項目名とデータフィールド範囲の定義付けを省いた表上においておこなってもよい。
例えば、ユーザが、あるファイルを表わすアイコンを 図5に示したファイル管理表(関連データ文字列についての項目名とデータフィールド範囲の定義付けを加えてない)上のファイル引用欄内のセルに貼り付けると、システム側の対応として、先ず、該当の表について、上記セルデータが作成されているか、否か、判定をおこない、セルデータが作成されていない場合、セルデータを作成した上、このファイル管理表プリケーション情報内の特定エリアに格納すると共に、システム内に特定エリアにセルデータ作成フラグをたてる。上記したセルデータが作成されていることの判定は、この特定フラグの参照によっておこなえばよい。
次に、図25に示した手順が上記の場合と同様におこなわれる。ただし、ステップS2においては、今の場合、名称定義データは、その中の「関連データ情報」内の「項目名情報」に代わって、関連データ文字列が記入されている該当の行、または列を定義する「行/列指示情報」がセットされたものが作成され、ファイル管理表プリケーション情報内の特定エリアに格納される。
上記した行/列指示情報は,例えば、図28に示すように、行と列の区別を示す「行/列区別情報」と表中における配置順位を示す「配置順位情報」からなる。ここでいう配置順位とは、行の場合、表上において上側から数えた行位置、列の場合、表上において左側から数えた列位置を意味する。
ステップS2においては、アイコンを貼り付けたセルについて、表内の上側方向か、左側方向に記入データが読み取れれば、該当の「関連データ情報」を作成し、その中の「行/列指示情報」に該当の記入データが存在する行、または列を示す情報をセットする。記入データが表内の上側方向に読み取れた場合、「行/列指示情報」「行/列区別情報」には「行」を示す情報がセットされ、その「配置順位情報」には行位置を示す情報がセットされる。記入データが表内の左側方向に読み取れた場合、「行/列指示情報」「行/列区別情報」には「列」を示す情報がセットされ、その「配置順位情報」には列位置を示す情報がセットされる。作成した「関連データ情報」は、上記したように名称定義データ中に順不同に挿入する。
ステップS3においては、システムは、アイコンを貼り付けたセルについて、各関連データ文字列を、各々、該当する「行/列指示情報」と関連付けた形で読みとる。関連データ文字列がファイル引用欄の上側方向にある場合、それが存在する「行」、ファイル引用欄の左側方向にある場合、それが存在する「列」を指示する「行/列指示情報」と関連付けて読み取る。
例えば、表上において該当のファイル引用欄セルについて、表の第1行上から読み取れる関連データ「2002年」は、「行/列区別情報」には「行」を示す該当コード、「配置位置情報」には、「1」がセットされた「行/列指示情報」を対応付けた形で読みとる。上記マージワークテーブルに第5行を追加しておき、関連データ文字列と対応付けて読み取った行/列指示情報は、このマージワークテーブルに第5行の該当列にセットすればよい。
ステップS4においては、名称定義データの文字記号列中に挿入されている各「関連データ情報」について、その中の「行/列指示情報」を参照して、該当のアイコンを貼り付けたセルについて表上から読み出されている関連データ文字列の中から、同じ「行/列指示情報」の対応付けられた関連データ文字列を選択し、それに対して該当の「関連データ情報」中の「変換方法情報」によって変更をおこなった「関連データ変換文字列」を作成する。
ステップS5においては、名称定義データの文字記号列中の各「関連データ情報」を以上のように作成した該当する「関連データ変換文字列」によって置き換えていけばよい。また、ステップS6において変更された名称文字列中の各「関連データ変換文字列」部分は、ステップS8において、上記のようにして元の関連データ文字列と変換方法が識別された上、元の関連データ文字列に対応する「行/列指示情報」と該当の「変換方法情報」を持つ「関連データ情報」に置換えられることによって、名称定義データの更新がおこなわれる。
データファイルを構成するデータに、書面上において該当のアイコンに関係付けて記入した文字列などの記入情報から識別して付加する情報としては、データの単位名、または、有効数字などのデータ属性情報であってもよい。例えば、図5に示したファイル管理表の表外の右肩部に、ユーザのためのメモとして、図29(a)に示すように、項目「売上高」のデータの金額単位を示す”売上高の単位はK¥”という注釈文が記入されているものとする。この注釈文を、それがユーザに対して示している内容をそのままシステムに対して指定する定義情報として転化させて用いるために、本システムでは次の措置をおこなう。
先ず、データの単位情報を示すための項目名である「単位」とその同義語を、上記応用用語辞書52中に登録しておく。図12に示すように同辞書中の「項目名区分」欄には「項目名」であることを示すコードをセットしておく。また、単位を表わす用語(¥、$、kg…)は、たとえば、図30に示す形式によってシステムに登録し、図12に示した形式による登録語と合わせて、応用用語辞書52を構成させる。図30に示す形式は、単位を表わす用語をカテゴリー(たとえば、金額、重量、面積)ごとに分け、同じ意味を持つ用語とその換算率を1行に配置している。
次に、画面上において、注釈文中のデータ項目名に上記した「項目名」 の指定をおこない、単位の項目名に上記した「登録語」の指定、また、単位を表わす用語に、上記した「登録語」の指定、または、上記した「データ名 」の指定をおこなう。以上の「項目名」、「登録語」、「データ名」の指定は、上記した場合と同様に、副画面90を用いて、該当のメニュ項目ボタンを指示すればよい。本例の場合、図29(b)に示すように、上記した注釈文中の文字列”売り上げ”に「項目名 の指定」、文字列”単位”に「登録語 」の指定、文字列”K¥”に「データ名 」の指定をおこなうものとする。
システムは、「項目名 」の指定を受けた文字列”甲”、上記「登録語」の指定を受けた「単位の項目」を表わす用語”乙”、「登録語」の指定を受けた単位名を表わす用語”丙”が、1行上に特定の順序に記入配置されている場合、ユーザとの約束により、「項目名”甲”のデータの単位は、”丙”である」として読み取る。上記した特定順序とは、ユーザが使用している自然言語による記述における配置順であり、例えば、日本語の場合”甲”、”乙”、”丙”の順になる。
また、データ属性情報を定義付ける対象のデータファイルとしては、同じく、ユーザとの約束により、デフォールトとして、定義付ける注釈文と同一書面(同一ページ)上に貼り付けられた全てのアイコンが表わすデータファイルを読み取る。定義付ける注釈文を特定のアイコンとのみ対応付けしたい場合には、上記した「結合線」を用いて、両者を関係付ければよい。
また、定義したいデータ属性が複数種類の場合、次の方法をとってもよい。先ず、データ属性を「項目名と「データ」の対として記述する上で「項目名」として使用される用語を、応用用語辞書52中の「データ属性項目名指定」区分に登録しておき、図29(c)に示すように、データ属性をあらわす表上に項目定義をおこなってもよい。この場合の項目定義も、上記したファイル管理表における各項目定義と全く同様におこなうことができる。
図29(c)に示す項目定義においては、第1行に記入された「項目名」”項目名”に対して「データ」”売上高”、”単価”、…が定義され、同じく第1行に記入された「項目名」”単位” 対して「データ」”K¥”、”¥”…が定義される。表上の同一行上の「データ」、例えば、”売上高”と”K¥”、”単価”と”¥”とが、各々、1つのレコードとして1つのデータ属性記述情報をなすものとしてと読み取られる。
上記にあげた例の場合、以上のようにして、ファイル管理表上にアイコンを貼り付けた全てのデータファイルについて、「項目”売上高”の単位は”K¥”」として定義されることになる。また、他のデータ属性情報、例えば、数値の有効数字も同様にして定義することができる。識別したデータ属性情報は、該当のデータファイルと該当の項目名をキーとして、例えば、図31に示す構成のデータ属性定義データの形で、該当の「表処理アプリケーション」ファイル情報内に割り付けた上記定義データ記憶部54内の所定域に格納する。
データファイルのアイコンを貼り付けたファイル管理表をデータ出力元として指定すると、上記したように各データファイルから その構成レコードが取り出され、その時、該当のデータファイルについて登録されているデータ属性定義データが参照され、得られた属性が指定された所要の出力形式にしたがって該当のデータに付与されて出力されることになる。
データの出力形式としては、例えば、図22に示したマージワークテーブルの形式に第5行以下を追加し、第5行に「単位」記入欄、第6行に「有効数字」記入欄というように、各行に各々、データ属性の各項目を割り当てた上、該当項目、該当属性の欄に、該当の属性値を表わすコードをセットすればよい。
書面上のデータ記入領域としてのフィールドについて、そこに記入されるデータの単位を定義しておき、入力元のデータに定義されている単位情報との間で換算をおこなった上、換算数値を文字列化して該当のフィールド上に出力する例は、様々、公知になっている。
上記にあげたファイル管理表から得られる「売上高」のデータを、例えば、別の書面上において、単位が「万円」として定義されたフィールド上に出力する場合、入力元の「売上高」データの数値に対して、「K¥」と「万円」との間に定義された換算率によって換算がおこなわれ、得られた換算数値が記入されることになる。この場合、「K¥」と「万円」との間の換算率は、本システムにおいては、応用用語辞書52において、単位を表わす用語である「K¥」と「万円」について、各々、定義されている換算率情報「1」と「10000」の両者から得られる。
なお、本発明は、上記した本発明の機能を実現するためのプログラムまたはソフトウェアを用いる。かかるソフトウェアは、任意の媒体を介して、たとえば蓄積媒体あるいはオンライン等により本発明のシステムにインストールされ得るものである。したがって、本発明を実施するためのソフトウェアを格納した蓄積媒体を業として譲渡する行為や、該ソフトウェアをオンラインでシステムにインストロールする行為等は本発明の実施の一形態である。