以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、実施の形態1から実施の形態5までは、CPU内に設けられたカウンタを用いて実現する態様を示す。また、実施の形態6では、カウンタブロックを用いて実現する態様をそれぞれ示す。
〔実施の形態1〕
まず、カウント値が開始値から終了値に達するまでの変化を多様にする実施の形態1について、図1〜図8を参照しながら説明する。ここで、図1にはパチンコ機の外観を正面図で示す。図2には、第1の制御部の構成をブロック図で示す。図3には第1のメイン処理を、図4には第1のカウント処理(カウント処理Pa)を、図5には第2のカウント処理(カウント処理Pb)を、図6には大当たり判別処理を、図7には第3のカウント処理(カウント処理Pc)をそれぞれフローチャートで示す。図8には、カウント値の経時的な変化をタイムチャートで示す。これらの図において、共通する要素には同一符号を付している。
図1において、パチンコ機10の遊技盤面12上には、複合装置14、第1種始動口18、大入賞口20等が適宜に配置して設けられている。複合装置14には、ゲートセンサ38、普通図柄表示器40、特別図柄表示器42等が設けられている。第1種始動口18は後述する特定領域の一つであって、通常の入賞口と同様に作用して賞球(賞品球とも呼ぶ)を払い出す。ゲートはパチンコ球(遊技球)の通過をゲートセンサ38が検出するだけであり、賞球は払い出さない。普通図柄表示器40は、普通図柄(例えば英数字や記号等)を表示する。この普通図柄はパチンコ球がゲートを通過したときに変動が始まり、その後に停止する。特別図柄表示器42は、特別図柄(例えば絵柄や英数字、記号等)を表示する。この特別図柄は第1種始動口18にパチンコ球が入賞したときに変動が始まり、その後に停止する。
また、第1種始動口18は、始動口センサ34が設けられている。この始動口センサ34は、第1種始動口18に入賞したパチンコ球を検出すると、入賞信号を出力する。大入賞口20には蓋20aが備えられており、この蓋20aはソレノイド32によって開閉される。また、大入賞口20には特別領域としてVゾーン20bが設けられている。このVゾーン20bにパチンコ球が一定の時期に入賞すれば、大当たり遊技状態を一定制限(例えば16回)内で継続することができる。遊技盤面12以外では、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿26と、効果音や音楽等を出すスピーカ28と、遊技者の手がハンドル22に触れているか否かを検出するタッチセンサ24と、そのハンドル22を操作してパチンコ球を打ち出すための発射モータ21と、ガラス枠17の開放を検出する金枠センサ36とが設けられている。スピーカ28は賞球の受皿である上皿30の内部に設けられ、タッチセンサ24や金枠センサ36はそれぞれ所定の位置に設けられている。また、ランプ類16にはLEDや電球等が用いられており、パチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置される。
次にメイン制御部100について、図2を参照しながら説明する。このメイン制御部100は、CPU(プロセッサ)110,ROM102,RAM104,発振器101,入力処理回路108,出力処理回路112,表示制御回路114,通信制御回路116等によって構成されている。発振器101はほぼ一定の周期でパルス信号を出力し、CPU110の動作を司る。CPU110は、ROM102に記録されている遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10を制御する。上記遊技制御プログラムには、後述する大当たり判別処理等を実現するためのプログラムが含まれる。このROM102はEPROMが用いられるが、EEPROMやフラッシュメモリ等を用いてもよい。RAM104には、各種データあるいは入出力信号が格納される。このRAM104にはDRAMが用いられるが、SRAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いてもよい。カウンタ111は、CPU110内(例えばレジスタやバッファ)に設けられている。
入力処理回路108は、始動口センサ34やゲートセンサ38から送られた入賞信号を受けて、メイン制御部100内で処理可能なデータ形式に変換し、バス118を介してCPU110やRAM104にデータ等を送る。出力処理回路112はCPU110からバス118を介して送られた作動データを受けて、ランプ類16やソレノイド32等のようにパチンコ機10に備えられている各種の作動装置を作動させる。表示制御回路114はCPU110からバス118を介して送られた表示データを受けて、普通図柄表示器40や特別図柄表示器42に対して、文字,図柄,画像等を表示するための制御を行う。通信制御回路116は、枠制御部200(あるいはホールコンピュータ300)との間においてデータを送受信するための回路である。枠制御部200はメイン制御部100と同様にCPUを中心に構成されており、その構成は公知であるので詳細な説明を省略する。なお、枠制御部200は、パチンコ遊技を行うために必要なパチンコ球の発射や賞球の払い出し等を制御し、効果音や音楽等をスピーカ28から出し、あるいは金枠センサ36による扉開放の検査等を所定のタイミングで行う。また、上記各構成要素は、いずれもバス118に互いに結合されている。
次に、メイン制御部100内で行われるカウント処理について、図3〜図8を参照しながら説明する。このカウント処理には、カウンタのカウント値をカウントアップする場合と、カウントダウンする場合と、その両方を混在させる場合とがある。ここでは説明を簡単にするために、カウントアップする場合について説明する。そのため、開始値Cminは下限値に、終了値Cmaxは上限値にそれぞれ相当する。
図3に示すメイン処理において、まず特定条件が成立したか否かを判別する〔ステップS10〕。ここで、「特定条件」は、パチンコ機の種類や日時等に応じて予め設定される。なお、遊技状態等に応じて、その特定条件を適時に変化させてもよい。また、特定条件が成立する具体例としては、特定領域(第1種始動口18等)にパチンコ球が入賞または通過した場合や、大当たり状態になっている場合等がある。もし、特定条件が成立したときには(YES)、カウント処理Pbを実行する〔ステップS14〕。一方、特定条件が成立しないときには(NO)、カウント処理Paを実行する〔ステップS12〕。
ここで、カウント処理Paの処理内容について、図4を参照しながら説明する。カウント処理Paは、図2に示すCPU110内に設けられたカウンタ111のカウント値Cを1だけカウントアップする処理を行う。図4において、まずカウント値Cを1だけ加算する〔ステップS30〕。すなわち、C=C+1の演算を行う。この演算の結果、カウント値Cが終了値Cmaxに達したか否かを判別する〔ステップS34〕。すなわち、C≧Cmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Cが終了値Cmaxに達したならば(YES)、そのカウント値Cを開始値Cminで初期化する〔ステップS36〕。すなわち、C=Cminを実行する。このとき、初期化する値は開始値Cminに限らず、他の任意の値であってもよい。一方、カウント値Cが終了値Cmaxに達していないときは(NO)は、何もせずにカウント処理Paを終了する。この処理の場合では、開始値Cminは下限値に、終了値Cmaxは上限値にそれぞれ相当する。
なお、上記ステップS30に代えて、あるいはそのステップS30に加えて、変化値Xをカウント値Cに加算してもよい〔ステップS32〕。具体的には、図2に示すRAM104内に設けられるフリーカウンタ105のカウント値Nに基づいてデータテーブルTB2を参照して変化値Xを取得し、その変化値Xをカウント値Cに加算する。すなわち、C=C+Xを実行する。データテーブルTB2には、カウント値Nと変化値Xとの対応関係が規定され、以下に示すデータテーブルTB4,TB6等でも同様である。この場合に変化値Xはどのような値でもよいが、素数とするときにはカウント値Cの変化が多様化する点でより望ましい。このステップS32の実行によって、カウンタ111のカウント値Cを大きく変化させることができる。
また、カウント処理Pbの処理内容について、図5を参照しながら説明する。カウント処理Pbは、図2に示すCPU110内に設けられたカウンタ111のカウント値Cを所定範囲内において、上記フリーカウンタ105のカウント値Nだけカウントアップする処理を行う。図5において、まずカウント値Cをカウント値Nだけ加算する〔ステップS40〕。すなわち、C=C+Nの演算を行う。この演算の結果、カウント値Cが終了値Cmaxに達したか否かを判別する〔ステップS44〕。すなわち、C≧Cmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Cが終了値Cmaxに達したならば(YES)、そのカウント値Cをカウント値Cから終了値Cmaxを減算した値で初期化する〔ステップS46〕。すなわち、C=C−Cmaxを実行する。一方、カウント値Cが終了値Cmaxに達していないときは(NO)は、何もせずにカウント処理Pbを終了する。
なお、上記ステップS40に代えて、あるいはそのステップS40に加えて、図4に示すステップS32の場合と同様にフリーカウンタ105のカウント値Nに基づいてデータテーブルTB4を参照して変化値Xを取得し、その変化値Xをカウント値Nに加算してもよい〔ステップS42〕。すなわち、C=C+Xの演算を実行する。また、ステップS46では、カウント値Cを開始値Cminで初期化してもよい。
図3に戻って、カウント値Cをカウントアップした後、パチンコ遊技のための遊技処理を行う〔ステップS16〕。この遊技処理には、パチンコ球がゲートセンサ38を通過すると行われる普通図柄表示器40の変動処理、パチンコ球が第1種始動口18に入賞すると行われる特別図柄表示器42の変動処理、パチンコ球が入賞すると行われる賞球の払い出し処理等のように、パチンコ遊技を実現するための各種処理が行われる。そのうちの一つに大当たり判別処理があり、図6を参照しながら説明する。この大当たり判別処理は、大当たり/はずれを判別するための処理を行う。
図6において、第1種始動口18にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS50〕。もし、パチンコ球が入賞したときは(YES)、カウンタ111を参照してカウント値Cを取得するとともに〔ステップS52〕、RAM104(あるいはROM102)に格納されている大当たり値を取得する〔ステップS54〕。そして、大当たりか否かを判別する〔ステップS56〕。具体的には、ステップS52,54で取得したカウント値Cと大当たり値とが一致しているか否かで判別する。もし、一致しているときには(YES)、大当たり処理を行う〔ステップS58〕。大当たり処理としては、特別図柄表示器42に大当たり図柄を表示するとともに、所定期間かつ所定回数を限度として大入賞口20の蓋20aを開く。こうして、遊技者は多くの賞球を得ることができる。一方、第1種始動口18にパチンコ球が入賞していないとき(ステップS50のNO)や、大当たりでないとき(ステップS56のNO)には、その後は何もせずに大当たり処理を終了する。
再び図3に戻って、ステップS16の遊技処理を終えた後、ステップS10を実行し始めてからインターバルΔt(例えば4ミリ秒間)を経過するまで〔ステップS20〕、カウント処理Pcを実行する〔ステップS18〕。このカウント処理Pcはフリーカウンタ105のカウント値Nをカウントアップするための処理であって、図7を参照しながら説明する。図7において、まずカウント値Nを1だけ加算する〔ステップS60〕。すなわち、N=N+1の演算を行う。この演算の結果、カウント値Nが終了値Nmaxに達したか否かを判別する〔ステップS64〕。すなわち、N≧Nmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Nが終了値Nmaxに達したならば(YES)、そのカウント値Nを開始値Nminで初期化する〔ステップS66〕。すなわち、N=Nminを実行する。一方、カウント値Nが終了値Nmaxに達していないときは(NO)は、何もせずにカウント処理Pcを終了する。
なお、上記ステップS60に代えて、あるいはそのステップS60に加えて、図4に示すステップS32の場合と同様にフリーカウンタ105のカウント値Nに基づいてデータテーブルTB6を参照して変化値Xを取得し、その変化値Xをカウント値Nに加算してもよい〔ステップS62〕。すなわち、N=N+Xの演算を実行する。
再び図3に戻って、ステップS20においてインターバルΔtが経過すると、再びステップS10に戻る。こうしてステップS10からステップS20が繰り返し実行される。このとき、カウンタ111のカウント値Cは、開始値Cminから終了値Cmaxまでの範囲内で循環して増加方向に変化する。この様子を図8を参照しながら説明する。ここで、図8や図9(B),図10(B)等のタイムチャートにおいて、実線の細線で示す変化パターンP0は、従来のパチンコ機におけるカウント処理によって得られるパターンである。すなわち、時刻t10に開始値Cminから増加し始めて、時刻t16には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t16に開始値Cminから増加し始める。その後も同様の態様で変化する。したがって、カウント値Cがある特定の大当たり値と一致する間隔(以下、本明細書では「大当たり間隔」と呼ぶ。)は、時刻t10から時刻t16までの期間にほぼ等しくなる。なお、カウント値Cは、実際には図面の右上円内に示すように、インターバルΔtごとに階段状に変化するものである。また、各タイムチャートでは全体の変化パターンを分かりやすくするために、カウント値Cの変化を斜め線分で示す。
図3に示すメイン処理を実行すると、図8(A)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP2となる。すなわち、ステップS12を実行すると、従来の変化パターンP0と同様に時刻t10において開始値Cminから増加する。そして、時刻t12に特定条件が成立してステップS14が実行され、カウント値Cが大きく増加している。その後は再び従来の変化パターンP0と同様に変化するため、時刻t14には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t14に開始値Cminから増加し始めて、時刻t18に特定条件が成立して少し変化し、時刻t20には終了値Cmaxに達する。その後も特定条件が成立するごとに、カウント値Cが変化する。
上記の実施の形態1によれば、発振器101から出力されるパルス信号を受けて、カウンタ111のカウント値Cを開始値Cminから終了値Cmaxに達するまで変化させている。また、変化パターンP2における大当たり間隔は、1回目の周期では時刻t10から時刻t14までの期間にほぼ等しく、2回目の周期では時刻t14から時刻t20までの期間にほぼ等しい。カウント値Cが開始値Cminから終了値Cmaxに達するまでの変化に要する期間(すなわち遷移期間)の長さは、1回または複数回だけ伸び縮みすることになる。結果として、少なくとも1回は他の期間と異ならせている。そして、特別図柄表示器42に大当たり図柄が表示されると(所定の遊技条件成立)、大入賞口20の蓋20aを開くことによりパチンコ機10の遊技状態を切り換える。そのため、従来のようにカウンタの1周期に合わせてパチンコ球を発射しても、不正をしようとする遊技者が意図するような遊技状態(この例では大当たり状態である。以下、同様である。)には切り換わらない。遊技者にとっては、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。
また、特定条件が1回または複数回成立したり成立しなかったりする場合もあり、またフリーカウンタ105のカウント値Nも遊技状態に応じて複雑に変わる。このように、特定条件の成立回数やカウント値Nによっては、カウンタ111のカウント値Cが不規則に変化する。こうして大当たり間隔が複雑に(すなわち多様に)変化するので、パチンコ球を第1種始動口18に入賞させるタイミングを大当たりのタイミングに合わせることが極めて困難になる。したがって、不正遊技を防止することができる。さらに、不定のタイミングでカウント値Cが通常の変化とは異なる変化をする(例えば図8(A)に示す時刻t12,t18)。このときカウント値Cが変化する幅もフリーカウンタ105のカウント値Nに依存する。そのため遊技者にとっては、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。
なお、以下に示すように応用してもよい。これらの場合は、いずれも不正遊技を防止することができる。
(a1)遷移期間の長さを他の遷移期間と比べて1回だけ異ならせ、その後は他の遷移期間の長さで変化させてもよい。この場合であっても、大当たり間隔がどれだけ変化したのかは遊技者には分からない。
(a2)特定条件を所定のタイミング(例えばカウント値Cが開始値Cminであるときから所定期間経過後)で成立させてもよい。この場合であっても、フリーカウンタ105のカウント値Nによっては大当たり間隔がどれだけ変化したのかは遊技者には分からない。
(a3)特定条件を不定のタイミングで成立させる場合には、フリーカウンタ105のカウント値Nに代えて、ROM102(あるいはRAM104)に予め格納される所定値をカウント値Cに加算(あるいは減算)してもよい。この場合であっても、カウント値Cがどれだけ通常の変化とは異なる変化をするのかは分からない。そのため、大当たり間隔がどれだけ変化したのかは遊技者には分からない。
(a4)図8(B)に示すように、特定条件が成立する時刻t24,26において、カウント値Cをカウント値Nに基づいて減らしてもよい。この場合には、時刻t10において開始値Cminから増加し始め、途中の時刻t24,26で減少し、時刻t28には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化されている。この変化パターンP4における大当たり間隔は、時刻t10から時刻t28までの期間にほぼ等しい。この態様では大当たり間隔が従来よりも伸びている。こうして大当たり間隔が変化するので、パチンコ球を第1種始動口18に入賞させるタイミングを大当たりのタイミングに合わせることが困難になる。なお、カウント値Cをカウント値Nに基づいて、図8(A)に示す増やす態様と図8(B)に示す減らす態様とを適当に混在させてもよい。この場合には、どの程度混在させるか、あるいは増加値や減少値等によって大当たり間隔がより複雑に変化する。そのため、パチンコ球を第1種始動口18に入賞させるタイミングを大当たりのタイミングに合わせることがさらに困難になる。
〔実施の形態2〕
次に、カウント値が開始値から終了値に達するまでの変化を一時的に停止する実施の形態2について、図9を参照しながら説明する。ここで、図9において、図9(A)には第2のメイン処理をフローチャートを示し、図9(B)にはカウント値の経時的な変化をタイムチャートで示す。なお、パチンコ機10やメイン制御部100の構成は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施の形態1と異なる点について説明する。
図9(A)に示すメイン処理は、図3に示すメイン処理に代わる処理である。図9(A)において、まず特定条件が成立したか否かを判別する〔ステップS10〕。もし、特定条件が成立しないときには(NO)、カウント処理Paを実行する〔ステップS12〕。その後、パチンコ遊技のための遊技処理を行う〔ステップS16〕。一方、特定条件が成立したときには(YES)、何もせずに遊技処理を行う〔ステップS16〕。そして、ステップS10を実行し始めてからインターバルΔtを経過するまで待機し〔ステップS20〕、ステップS10に戻る。こうしてステップS10,S12,S16,S20が繰り返し実行される。
図9(A)に示すメイン処理を実行すると、図9(B)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP6となる。すなわち、ステップS12を実行すると、時刻t10において開始値Cminから増加する。そして、時刻t30から時刻t32までの間には特定条件が成立してステップS12が実行されず、カウント値Cが保持されている。その後は再び増加し、時刻t34には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t34に開始値Cminから増加し始める。その後も特定条件が成立するごとに、カウント値Cが保持される。この変化パターンP6における大当たり間隔は、時刻t10から時刻t34までの期間にほぼ等しい。この態様では時刻t30から時刻t32までの間にカウント値Cが保持されているので、大当たり間隔が従来よりも伸びている。
上記の実施の形態2によれば、不定のタイミングでカウント値Cが不定の期間だけ保持される。そのため、遷移期間が伸びて、大当たり間隔も変化する。こうして大当たり間隔が変化するので、実施の形態1と同様に、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。なお、カウント値Cが保持するタイミングを所定のタイミングとしてもよい。同様に、カウント値Cを保持する期間も所定期間としてもよい。いずれの場合でも、遷移期間が伸びて、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。
〔実施の形態3〕
次に、カウント値が開始値から終了値に達するまでの間に変化方向を一時的に変える実施の形態3について、図10を参照しながら説明する。ここで、図10において、図10(A)には第3のメイン処理をフローチャートを示し、図10(B)にはカウント値の経時的な変化をタイムチャートで示す。なお、パチンコ機10やメイン制御部100の構成は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施の形態1と異なる点について説明する。
図10(A)に示すメイン処理は、図3に示すメイン処理に代わる処理である。図10(A)において、まず特定条件が成立したか否かを判別する〔ステップS10〕。もし、特定条件が成立すると(YES)、変化値Xの符号を反転した後に〔ステップS11〕、カウント処理Paを実行する〔ステップS12〕。一方、特定条件が成立しないときには(NO)、何もせずにカウント処理Paを実行する〔ステップS12〕。ステップS12を実行した後、パチンコ遊技のための遊技処理を行う〔ステップS16〕。そして、ステップS10を実行し始めてからインターバルΔtを経過するまで待機し〔ステップS20〕、ステップS10に戻る。こうしてステップS10,S11,S12,S16,S20が繰り返し実行される。
図10(A)に示すメイン処理を実行すると、図10(B)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP8となる。すなわち、ステップS12を実行すると、時刻t10において開始値Cminから増加する。そして、時刻t40,t42においてそれぞれ特定条件が成立してステップS11が実行され、変化値Xの符号が変わっている。そのため、時刻t10〜t40と時刻t42〜t44とは増加方向に、時刻t40〜t42は減少方向にそれぞれカウント値Cが変化する。その後、時刻t44には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t44に開始値Cminから増加し始める。その後も特定条件が成立するごとに変化値Xの符号が変わり、カウント値Cが増加したり減少したりする。この変化パターンP8における大当たり間隔は、時刻t10から時刻t44までの期間にほぼ等しい。この例では、時刻t40におけるカウント値Cと同じ値に回復するのが時刻t16である。そのため、時刻t40から時刻t16までの期間分だけ大当たり間隔が従来よりも伸びている。
上記の実施の形態3によれば、不定のタイミングで、カウント値Cを不定の期間だけ変化方向を変えて変化させている。そのため、遷移期間が伸びて、大当たり間隔も変化する。こうして大当たり間隔が変化するので、実施の形態1と同様に、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。なお、カウント値Cの変化方向を変えるタイミングを所定のタイミングとしてもよい。同様に、カウント値Cを保持する期間も所定期間としてもよい。いずれの場合でも、遷移期間が伸びて、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。
〔実施の形態4〕
次に、開始値および/または終了値を変更する実施の形態4について、図11〜図13を参照しながら説明する。ここで、図11には第4のメイン処理をフローチャートで示す。図12,図13には、カウント値の経時的な変化をタイムチャートでそれぞれ示す。なお、パチンコ機10やメイン制御部100の構成は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施の形態1と異なる点について説明する。
図11に示すメイン処理は、図3に示すメイン処理に代わる処理である。図11において、まずカウンタ111のカウント値Cを1だけカウントアップするカウント処理Paを実行し〔ステップS12〕、その後にパチンコ遊技のための遊技処理を行う〔ステップS16〕。そして、ステップS12を実行し始めてからインターバルΔtを経過するまで〔ステップS20〕、フリーカウンタ105のカウント値Nを1だけカウントアップするカウント処理Pcを実行する〔ステップS18〕。インターバルΔtを経過すると、カウント値Cが終了値Cmaxに達したか否かを判別する〔ステップS22〕。すなわち、C≧Cmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Cが終了値Cmaxに達したならば(YES)、カウント値Nに基づいて開始値Cminおよび/または終了値Cmaxを変更する〔ステップS24〕。すなわち、Cmin=Cmin+N,Cmin=Cmin−N,Cmax=Cmax+N,Cmax=Cmax−Nのうち、少なくとも一つを実行する。ステップS24の実行後、あるいはカウント値Cが終了値Cmaxに達していないときは(ステップS22のNO)、ステップS12に戻る。こうしてステップS12,S16,S18,S20,S22,S24が繰り返し実行される。
図11に示すメイン処理においてステップS24でCmax=Cmax+Nの実行によって終了値が変更されると、図12(A)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP10となる。すなわち、ステップS12を実行すると、時刻t10において開始値Cminから増加し、時刻t50には終了値(Cmax+N)に達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t50に開始値Cminから増加し始める。この変化パターンP10における大当たり間隔は、時刻t10から時刻t50までの期間にほぼ等しい。この例では、終了値がカウント値Nの分だけ大当たり間隔が従来よりも伸びている。同様に、上記ステップS24でCmax=Cmax−Nの実行によって終了値が変更されると、図12(B)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP12となる。この例では、終了値がカウント値Nの分だけ大当たり間隔が従来よりも縮んでいる。
また、上記ステップS24でCmin=Cmin+Nの実行によって開始値が変更されると、図13(A)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP14となる。この例では、終了値がカウント値Nの分だけ大当たり間隔が従来よりも縮んでいる。さらに、上記ステップS24でCmin=Cmin−Nの実行によって開始値が変更されると、図13(B)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP16となる。この例では、開始値がカウント値Nの分だけ大当たり間隔が従来よりも伸びている。
上記の実施の形態4における4つの態様によれば、カウント値Cが終了値Cmax(所定のタイミング)に達すると、開始値Cminおよび/または終了値Cmaxを変化させている。そのため、遷移期間が伸び縮みし、大当たり間隔も変化する。こうして大当たり間隔が変化するので、実施の形態1と同様に、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。なお、これらの4つの態様を任意に混在して実行すると、大当たり間隔がより多様に変化する。また、開始値と終了値とを同時に変更した場合でも、同様に大当たり間隔がより多様に変化する。さらに、不定のタイミングで開始値Cminおよび/または終了値Cmaxを変化させてもよい。いずれの場合でも、遷移期間が伸び縮みして、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。
〔実施の形態5〕
次に、カウント値の変化値(変化率)を変える実施の形態5について、図14,図15を参照しながら説明する。ここで、図14には第5のメイン処理をフローチャートで示す。図15にはカウント値の経時的な変化をタイムチャートで示す。なお、パチンコ機10やメイン制御部100の構成は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施の形態1と異なる点について説明する。
図14に示すメイン処理は、図3に示すメイン処理に代わる処理である。図14において、まずカウンタ111のカウント値Cを変化値Xに基づいてカウントアップするカウント処理Pbを実行し〔ステップS14〕、その後にパチンコ遊技のための遊技処理を行う〔ステップS16〕。そして、ステップS14を実行し始めてからインターバルΔtを経過するまで〔ステップS20〕、フリーカウンタ105のカウント値Nを0.1(0.01等の他の実数値であってもよい)だけカウントアップするカウント処理Pcを実行する〔ステップS18〕。インターバルΔtを経過すると、カウント値Cが終了値Cmaxに達したか否かを判別する〔ステップS22〕。すなわち、C≧Cmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Cが終了値Cmaxに達したならば(YES)、カウント値Nに基づいて変化値Xを変更する〔ステップS26〕。すなわち、X=Nを実行する。ステップS26の実行後、あるいはカウント値Cが終了値Cmaxに達していないときは(ステップS22のNO)、ステップS14に戻る。こうしてステップS14,S16,S18,S20,S22,S26が繰り返し実行される。
図14に示すメイン処理を実行すると、図15(A)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP18となる。すなわち、ステップS12を実行すると、時刻t10において開始値Cminから変化値X(ただし、X>1)に対応して増加する。そして、時刻t70には終了値Cmaxに達して開始値Cminに初期化される。そして、再び時刻t70に開始値Cminから再び増加し始めて、時刻t72には終了値Cmaxに達する。この変化パターンP18における大当たり間隔は、1回目の周期では時刻t10から時刻t70までの期間にほぼ等しく、2回目の周期では時刻t70から時刻t72までの期間にほぼ等しい。この例では、いずれの周期についても大当たり間隔が従来よりも縮んでいる。一方、変化値Xが0<X<1の場合には、図15(B)に示すようにカウント値Cは実線の太線で示す変化パターンP20となる。この変化パターンP20における大当たり間隔は、時刻t10から時刻t74までの期間にほぼ等しい。この例では、大当たり間隔が従来よりも伸びている。
上記の実施の形態5によれば、カウント値Cが終了値Cmax(所定のタイミング)に達すると、変化値Xを変更してカウント値Cを変化させている。そのため、遷移期間が伸び縮みし、大当たり間隔も変化する。こうして大当たり間隔が変化するので、実施の形態1と同様に、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。なお、変化値Xを変更するタイミングを不定のタイミングとしてもよい。この場合でも、遷移期間が伸び縮みして、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。
〔実施の形態6〕
次に、カウンタブロックを用いて本発明を実現する実施の形態6について、図16〜図19を参照しながら説明する。ここで、図16には、第2の制御部の構成をブロック図で示す。図17には、カウンタブロックの構成を示す。図18には、発振器の構成を示す。図19には、カウンタブロック内で行われる処理内容をフローチャートで示す。なお、パチンコ機10の構成は上記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。したがって、実施の形態1と異なる点について説明する。
図16に示すメイン制御部100は、図2に示すメイン制御部100に代わる制御部である。図2と異なるのは、カウンタをカウンタブロック106で実現している点である。このカウンタブロック106の構成を図17に示す。この図17において、カウンタブロック106は、カウンタ107c,比較器107d,設定レジスタ107eによって構成されている。発振器107aの構成例等については後述する。カウンタ107cは発振器107aから出力されたパルス信号を受けて、カウント値Nをカウントアップする。また、カウンタ107cは、設定レジスタ107eから出力されたクリア信号を受けて、カウンタを開始値Nminで初期化する。さらに、カウンタ107cは、CPU110からバス118を介して出力された読出信号を受けて、そのときのカウント値Nをバス118を介して送る。設定レジスタ107eは、CPU110(あるいは枠制御部200やホールコンピュータ300等)からバス118を通じて設定された設定値を一時的に記録(記憶)する。この設定値は、具体的には終了値Nmaxに相当する。比較器107dは、カウンタ107cのカウント値Nと設定レジスタ107eの設定値とが一致したときにクリア信号を出力し、一致しないときには何も出力しない。
ここで、発振器107aを自励発振回路で構成した一例を図18に示す。ここで、図18(A)には水晶振動子を用いた発振器の回路構成を、図18(B)には抵抗およびコンデンサを用いた発振器の回路構成を、図18(C)にはインバータを多段接続した発振器の回路構成をそれぞれ示す。
図18(A)に示す発振器は、インバータ(NOT回路)Q10,Q12、抵抗R10、水晶振動子XL、コンデンサC10,C12によって構成されている。インバータQ10の両端には抵抗R10と水晶振動子XLとが並列に接続されており、さらにコンデンサC10,C12を介してそれぞれアースに接続されている。このインバータQ10にはインバータQ12が直列に接続されており、そのインバータQ12の出力側から周期的にパルス信号PLが出力される。この発振器では、パルス信号PLの周期は水晶振動子XLの発振周波数に依存する。なお、水晶振動子XLに代えて、セラミックス振動子等のような他の種類の振動子を用いてもよい。
図18(B)に示す発振器は、インバータQ14,Q16、抵抗R12、コンデンサC14によって構成されている。インバータQ14の両端には、抵抗R12が並列接続されている。また、アース側からコンデンサC14、インバータQ14、インバータQ16の順に直列に接続されている。インバータQ14に接続されていないコンデンサC14の片側はアースに接続され、インバータQ16の出力側から周期的にパルス信号PLが出力される。なお、コンデンサC14の容量値と抵抗R12の抵抗値とを掛けた値(=C14×R12)は時定数であり、出力されるパルス信号PLの周期にほぼ等しい。
図18(C)に示す発振器は、4つのインバータQ18,Q20,Q22,Q24によって構成されている。これらのインバータQ18,Q20,Q22,Q24は直列に接続されている。さらに、インバータQ22の出力側がインバータQ18の入力側に接続されて帰還ループをなしている。そして、インバータQ24の出力側から周期的にパルス信号PLが出力される。この例では、4段にインバータを接続して構成したが、多段(数十段から数百段)にインバータを接続することも可能である。各インバータでは入力されたパルス信号が出力されるまでに微小な時間で遅延し、この遅延時間Δdは多段接続されたインバータの数に比例する。したがって、インバータ段数nに遅延時間Δdを掛けた値(=n×Δd)は、出力されるパルス信号PLの周期にほぼ等しい。
上記構成をなすカウンタブロック106は、図19に示すカウント処理Pdの手順で処理される。このカウント処理Pdは、図7に示すカウント処理Pcに代えて実行される。図19において、まず発振器107aから出力されたパルス信号を受けたか否かを判別する〔ステップS70〕。もし、パルス信号を受けていないとき(NO)は、何もせずにステップS80に進む。この場合は、カウンタ107cのカウント値Nは保持されたままになる。一方、パルス信号を受けたときは(ステップS70のYES)、CPU110から停止信号を受けたか否かを判別する〔ステップS72〕。もし、停止信号を受けたときは(YES)、ステップS80に進む。この場合もカウンタ107cのカウント値Nは保持されたままになる。一方、停止信号を受けていないときは(ステップS72のNO)、カウント値Nをカウントアップする〔ステップS74〕。具体的には、N=N+1の演算を行う。そして、カウント値Nが終了値Nmaxに達したか否かを判別する〔ステップS76〕。具体的には、N≧Nmaxを満たすか否かで判別する。もし、カウント値Nが終了値Nmaxに達したならば(YES)、そのカウント値Nを開始値Nminで初期化する〔ステップS78〕。具体的には、N=Nminの代入を行う。この開始値Nminは、予めCPU110から直接カウンタ107cに設定しておく。なお、必要に応じて適時に開始値Nminの値を変更してもよい。一方、カウント値Nが終了値Nmaxに達していないときは(ステップS76のNO)、何もせずに次のステップS80に進む。
次に、比較器107dからクリア信号を受けたか否かを判別する〔ステップS80〕。もし、クリア信号を受けていないときはステップS84に進む。この場合もカウンタ107cのカウント値Nは保持されたままになる。一方、クリア信号を受けたときは(YES)、ステップS78と同様にカウンタ107cのカウント値Nを開始値Nminで初期化する〔ステップS82〕。そして、CPU110から読出信号を受けたか否かを判別する〔ステップS84〕。もし読出信号を受けていないとき(NO)は、そのままステップS70に戻る。一方、読出信号を受けたときは(YES)、バス118を介してCPU110にカウント値Nを送った後〔ステップS86〕、ステップS70に戻る。この処理内容によって、通常はステップS74によってカウント値Nがカウントアップされ、CPU110はカウンタ107cに読出信号を出力してカウント値Nを取得することができる。また、カウントアップを停止してカウント値Nを保持する場合には、カウンタ107cに停止信号を出力すればよい。さらに、カウンタ107cに開始値Nminを、設定レジスタ107eに終了値Nmaxをそれぞれ設定し変更することもできる。そのため、適時に開始値Nminおよび/または終了値Nmaxを変更することができる。
上記の実施の形態6によれば、発振器101(第1発振器)から出力されるパルス信号を受けて、カウンタ111(第1カウンタ)のカウント値C(第1カウント値)を開始値Cmin(第1開始値)から終了値Cmax(第1終了値)に達するまで規則的に変化させている(図3参照)。また、発振器101よりも高速に動作する発振器107a(第2発振器)から出力されるパルス信号を受けて、カウンタ107c(第2カウンタ)のカウント値N(第2カウント値)を開始値Nmin(第2開始値)から終了値Nmax(第2終了値)に達するまで変化させている(図19参照)。そのため、カウンタ111のカウント値Cと、カウンタ107cのカウント値Nとは異なる速度で更新されることになる。そして、不定のタイミングで、カウンタ107cのカウント値Nに基づいてカウンタ111のカウント値Cを変更している(図3に示すステップS14)。そのため、カウント値Cは不定のタイミングで大きく変化することが多くなる。さらに、特別図柄表示器42に大当たり図柄が表示されると(所定の遊技条件成立)、大入賞口20の蓋20aを開くことによりパチンコ機10の遊技状態を切り換える。ここで、発振器107aは図18に示す自励発振回路によって構成したので、パルス信号PL間の間隔はそれほど高い精度は得られず不均一になる。この傾向は精度の悪い発振器107aを用いるほど顕著になる。また、カウンタ107cを初期化する周期(遷移期間に相当する)もまた不均一となる。そのため、図19に示すステップS74,S82を実行して得られるカウント値Nもまた不均一となる。さらには大当たり間隔も不均一となるので、従来のようにカウンタの1周期に合わせてパチンコ球を発射しても、不正をしようとする遊技者が意図するような遊技状態には切り換わらない。当然のことながら、遊技者にとっては、大当たり間隔がいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技をより確実に防止することができる。
なお、以下に示すように応用してもよい。これらの場合は、いずれも不正遊技を防止することができる。
(b1)カウンタ107cは、図17に示す発振器107aに代えて、図2に示す発振器101から出力されるパルス信号を受けるようにしてもよい(図16および図17では二点鎖線で示す)。この場合、発振器101と発振器107aとの発振周波数は同一であってもよいし、異なっていてもよい。ただし、発振器107aが発振器101よりも高い周波数であるほうが望ましい。こうすると、大当たり間隔を大幅に変えることができる。なお、発振器101が発振器107aよりも高い周波数であってもよい。また、発振器101の構成を図18に示す3態様のいずれかとしてもよい。この場合には、パルス信号が不規則に変化しやすくなる。そのため、上述した実施の形態1から実施の形態5までの各形態において、遷移期間も不規則になりやすくなる。こうして、大当たり間隔を不規則に変えることができる。
(b2)図17に示す発振器107a(発振器101)とカウンタ107cとの間には、発振器107a(発振器101)から出力されたパルス信号を分周して出力する分周器107bを設けてもよい。この分周器107bは、CPU110(あるいは枠制御部200やホールコンピュータ300等)からバス118を通じて設定された分周値に基づいてパルス信号の分周を行う。分周値を適当な時期に変更すると、遷移期間が伸び縮みし、大当たり間隔も変わる。
(b3)設定レジスタ107eに設定する設定値は、パチンコ機10相互間で異なる値に設定するのがより望ましい。例えば、CPU110の内部に記録されているID番号や製造番号等のようなデータに基づいて、上記設定値を特定する。こうすることによって、カウンタ107cを初期化する周期(すなわち、遷移期間や大当たり間隔)をパチンコ機10ごとに異ならせることができる。そのため体感器等の不正手段によって、あるパチンコ機でカウント周期が分かったとしても、他のパチンコ機のカウント周期は異なるためにタイミングを合わせることができない。したがって、他のパチンコ機では「当たり」になる可能性が極めて低く、不正遊技を最小限に抑えることができる。
(b4)図18(A)や図18(B)に示す抵抗R10,R12やコンデンサC10,C12,C14は、精度の低いものを用いるのが望ましい。また、抵抗R10,R12にはカーボン抵抗器や金属被膜抵抗器が用いられる。これらの種類の抵抗器に代えて、周囲温度に応じて抵抗値が変化しやすいサーミスタを用いてもよい。また、コンデンサC10,C12,C14には、可変容量コンデンサを用いてもよい。こうすると、出力するパルス信号PLの周期をより不規則にしやすくなる。そのため、遷移期間や大当たり間隔がさらに不規則になる。したがって、不正遊技を行おうとする遊技者のタイミングを大きく外すことができるので、不正遊技を防止することができる。
〔他の実施の形態〕
上述した遊技機の制御装置において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,個数,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)実施の形態5では所定または不定のタイミングで変化値Xを変更した。この変化値Xを関数に基づいて所定のタイミング(例えばインターバルΔtごと)で変更するようにしてもよい。例えば、関数fを次式のように定義する。 [数1] f=AeBx+C(eは自然対数、A,B,Cは定数、xは変数である) このとき、変数xとして与えるのは、カウント値Cである。その他、関数fは、多元多項式で表してもよい。こうした関数fに基づいて変化値Xを変更させると、例えば図20に示す変化パターンP22のようになる。この例では、時刻t10から時刻ta2までの1回目の周期と、時刻ta2から時刻ta4までの2回目の周期とでは異なる関数fに基づいて変化させている。いずれにしても、遷移期間が伸び縮みして、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。なお、同じ関数fに基づいて変化値Xを変更してもよい。また、図4に示すデータテーブルTB2,図5に示すデータテーブルTB4,図7に示すデータテーブルTB6における対応関係を、上記関数fで求められる関係としてもよい。こうすれば毎回演算をする必要がなくなり、処理速度が向上する。
(2)上記の各実施の形態では、カウント値Cを開始値Cminと終了値Cmaxとの範囲内(すなわち、Cmin≦C≦Cmax)で変化させた。この態様に限らず、開始値Cminと終了値Cmaxとの範囲を超えて変化させてもよい。具体的には、上記関数fを適切に定めることによって実現できる。その一例を図21に変化パターンP24で示す。この例では、時刻tb2から時刻tb4までの間に、カウント値Cが終了値Cmaxよりも上回っている。この場合も、遷移期間が伸び縮みして、大当たり間隔も変化するので、不正遊技を防止することができる。
(3)上記の実施の形態1では、特定条件が成立するときにカウント値Cをカウント値Nに基づいて減らし、そのカウント値Cが終了値Cmaxに達する時期を制限していない(図8(B)参照)。この形態に代えて、カウント値Cが終了値Cmaxに達する時期を一定周期に制限してもよい。その一例を図22に変化パターンP26で示す。この例では、時刻tc0,tc2,tc4,tc6,tc8においてそれぞれカウント値Cが減っており、時刻t10から時刻t16までの期間に相当する周期でカウント値Cが開始値Cminで初期化されている。この場合には、一定周期の間にカウント値Cが当たり値Hitと一致する回数が変化するとともに、ある当たりから次の当たりになるまでの期間が変化する。そのため、従来のようにカウンタの1周期に合わせてパチンコ球を発射しても、不正をしようとする遊技者が意図するような遊技状態には切り換わらない。遊技者にとっては、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。
(4)上記の各実施の形態では、請求項の記載における「当たり」をいずれも大当たりとした。すなわち、変動後の特別図柄表示器42に停止して表示されている特別図柄が大当たり図柄と一致した状態について適用した。この形態に加えて(あるいは代えて)、「当たり」を通常の当たり、すなわち変動後の普通図柄表示器40に停止して表示されている普通図柄が当たり図柄と一致した状態について適用してもよい。これらの場合であっても、各実施の形態と同様に、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。
(5)上記の実施の形態1では、図2においてカウンタ111をCPU110内に設けた。この形態に代えて、カウント値を記録・更新可能な記録媒体に格納してもよい。記録媒体としては、RAM104(図2では二点鎖線で示す)や、枠制御部200、ホールコンピュータ300、カード類(プリペイドカード,ICカード,紙カード等)、あるいは文字や記号等を印刷した印刷物等がある。この記録媒体に記録する態様は、分周値や関数f等についても適用できる。
(6)発振器101はほぼ一定の周期でパルス信号を出力する。この発振器101に代えて、あるいはパルス信号以外の信号(例えば正弦波信号等のようなアナログ信号)を出力する発振器を用いてもよい。また、発振器101および/または発振器107aに代えて、外来ノイズを検出しパルス信号を出力するノイズ検出装置を用いてもよい。このノイズ検出装置は、例えばアンテナ(アンテナに相当するリード線や金属部材等を含む。)と、そのアンテナで受信された信号を増幅する増幅回路と、増幅された信号が所定のレベルに達するとパルス信号を出力する信号出力回路によって構成される。
(7)上記の各実施の形態では、フリーカウンタ105のカウント値Nに基づいてカウント値Cを変化させている(例えば図3に示すステップS14)。このカウント値Nに代えて、枠制御部200やホールコンピュータ300等から通信回線を介してパチンコ機10に送られたカウント値に基づいてカウント値Cを変化させるようにしてもよい。
(8)上記の各実施の形態では、カウンタ111のカウント値C,フリーカウンタ105のカウント値N,カウンタ107cのカウント値Nをいずれもカウントアップさせる態様に適用した。この形態に代えて、いずれか少なくとも一つのカウント値をカウントダウンさせる態様に適用してもよい。なお、この場合には、カウント値は1またはN、あるいは変化値Xだけ減算される。また、開始値はCmaxまたはNmaxとなり、終了値はCminまたはNminとなる。そのため、カウント値はCmaxまたはNmaxで初期化することになる。さらに、初期化する値は開始値に限らず任意の値(例えば100)であってもよい。さらに、ある周期ではカウントアップし、他のある周期ではカウントダウンするように、カウントアップとカウントダウンとを適宜に切り換えてもよい。これらの態様であっても、遷移期間が伸び縮みし、大当たり間隔も変化する。こうして大当たり間隔が変化するので、パチンコ機10の不正遊技を防止することができる。また、カウンタには、k進n桁カウンタであって、かつ、CPU110等からアクセスできる値がm桁であるカウンタを用いてもよい。ここで、k,n,mはいずれも整数であって、k>1,n>1,n>m>1の関係が成り立つ。この場合には、m桁の範囲内で初期化することになる。例えば10進4桁(k=10,n=4)のカウンタを用いたときには0000〜9999の値を取り得る。このとき、CPU110等からアクセスできる値が3桁(m=3)である場合、その取り得る値は000〜999になる。この例では、カウンタは0999の次にカウントアップすると1000になるが、CPU110等から見ると999から000に初期化されたようになる。このことはカウントダウンする場合でも同様である。このように、クリア信号等で積極的にカウンタを初期化しなくても、結果的にCPU110等が得る値を初期化することができる。なお、n桁カウンタのうち少なくとも一つの桁が他の累進数となるようなカウンタを適用しても同様である。例えば、10進5桁カウンタのうち下2桁が2進数でカウント処理するカウンタがある。また、実施の形態6のように発振器107aから出力されたパルス信号を分周器107bによって分周して上記カウンタに送ると(図17参照)、カウント周期が多様に変化する点でより望ましい。
(9)実施の形態1から実施の形態5までは、本発明をソフトウェアで実現したが、ハードウェアで実現してもよい。例えば、ハードウェアロジック回路、ゲートアレイ、ECL回路、TTL回路等がある。さらには、ファームウェアにおけるマイクロプログラムによっても実現することができる。
(10)上記の各実施の形態では、当たり値(大当たり値を含む)は変更していないが、この当たり値を所定または不定のタイミングで変更してもよい。こうすると、カウント値が開始値から終了値に達するまでの間に当たり値と一致するタイミングが異なる。そのため、ある当たりから次の当たりになるまでの期間が変化するので、従来のようにカウンタの1周期に合わせてパチンコ球を発射しても、不正をしようとする遊技者が意図するような遊技状態には切り換わらない。遊技者にとっては、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。
(11)上記の各実施の形態では、本発明をパチンコ機10に適用した。これに限らず、図柄が表示可能な図柄表示部(普通図柄表示器40および/または特別図柄表示器42)を備えており、その図柄表示部において図柄を変動した後に停止して表示された図柄が所定図柄と一致すると、当たりとして遊技者に特別の利益を提供する他の遊技機にも同様に適用することができる。他の遊技機としては、例えば、アレンジボール機やテレビゲーム機等がある。
[他の発明の態様]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載した発明の態様のみならず他の発明の態様を有するものである。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
〔態様1〕
発振器から出力される信号を受けて、カウンタのカウント値を開始値から終了値に達するまで不規則に変化させ、所定の遊技条件が成立すると、そのときのカウント値に基づいて遊技機の遊技状態を切り換える遊技機の制御装置。
〔態様1の関連説明〕
本態様によれば、カウンタのカウント値を不規則に変化させると、当たり間隔も変化する。こうすると当たり間隔が不規則に変化するので、入賞や通過のタイミングを「当たり」のタイミングに合わせることが極めて困難になる。したがって、不正遊技を防止することができる。
〔態様2〕
第1発振器から出力される信号を受けて、第1カウンタの第1カウント値を第1開始値から第1終了値に達するまで規則的に変化させ、その第1発振器よりも高速または低速に動作する第2発振器から出力される信号を受けて、第2カウンタの第2カウント値を第2開始値から第2終了値に達するまで変化させ、所定または不定のタイミングに達すると、その第2カウント値に基づいて第1カウント値を変更し、所定の遊技条件が成立すると、そのときの第1カウント値に基づいて遊技機の遊技状態を切り換える遊技機の制御装置。 〔態様2の関連説明〕
本態様によれば、規則的に変化している第1カウンタの第1カウント値を、所定または不定のタイミングで第2カウンタの第2カウント値に変更すると、第1カウンタにおける遷移期間の長さも伸び縮みする。こうすると第1カウンタにおける当たり間隔が変化するので、入賞のタイミングを合わせることが困難になる。また、所定または不定のタイミングで変化値が変わるので、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは遊技者には分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。
〔態様3〕
態様2または請求項9に記載の遊技機の制御装置において、その第1発振器および/または第2発振器は、信号を不規則に出力する遊技機の制御装置。
〔態様3の関連説明〕
本態様によれば、第1発振器および/または第2発振器によって、第1カウンタの第1カウント値および/または第2カウンタの第2カウント値が不規則に変化する。そして、所定または不定のタイミングで第1カウント値を第2カウント値に変更すると、第1カウンタにおける遷移期間の長さも伸び縮みする。こうすると第1カウンタにおける当たり間隔がさらに変化するので、入賞のタイミングを合わせることが極めて困難になる。また、所定または不定のタイミングで変化値が変わるので、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは遊技者には分からない。したがって、不正遊技をより確実に防止することができる。
〔態様4〕
発振器から出力される信号を受けて、カウンタのカウント値を開始値から終了値に達するまで変化させ、そのカウント値が当たり値になってから次回の前記当たり値になるまでの期間の長さを少なくとも1回異ならせ、所定の遊技条件が成立し、かつ、カウント値が当たり値と一致すると、遊技機の遊技状態を切り換える遊技機の制御装置。
〔態様4の関連説明〕
本態様によれば、カウント値が開始値から終了値に達するまでの間に当たり値と一致するタイミングが少なくとも1回は異なる。そのため、ある当たりから次回の当該当たりになるまでの期間が変化するので、従来のようにカウンタの1周期に合わせてパチンコ球を発射しても、不正をしようとする遊技者が意図するような遊技状態には切り換わらない。遊技者にとっては、遷移期間の長さがいつ、どれだけ変化するのかは分からない。したがって、不正遊技を防止することができる。