JP4735477B2 - 光半導体封止用樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

光半導体封止用樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、LED、フォトアイソレータ、フォトトランジスター、フォトダイオード、CCD、CMOS、EPROM等の光半導体素子を封止するために用いられる光半導体封止用樹脂組成物及びこれを用いて製造される光半導体装置に関するものである。
従来、半導体の封止材料として、密着性、耐湿性、電気絶縁性、耐熱性等に優れる
点から、エポキシ樹脂組成物による樹脂封止が行われている(例えば、特許文献1参照。)。その中でも、エポキシ樹脂組成物によるトランスファーモールドでの樹脂封止は、作業性並びに量産性の面でも優れている。
また、成形方式としては、大型タブレットを使用し、1回の成形で多数の半導体装置をトランスファーモールドするコンベンショナル方式や、樹脂の利用効率を追求することを目的とした、ミニタブレットを使用したマルチプランジャー方式や、粉状樹脂組成物を使用し、成形機内で予めスティック状に加圧成形した成形体を金型内に挿入し、トランスファーモールドするタイプの生産性に優れた成形方式等が導入されている。
一方、半導体回路基板には、フォトカプラー、フォトアイソレータ等の光半導体装置のように、電気的に絶縁を図った上で、光学的に接続を図る光半導体デバイスが搭載される。これにより、電気的なノイズの影響を受けず、光による応答接続化を図ることが可能となる。
また、光半導体装置のコストダウンのために、従来の対向型と呼ばれるタイプ、すなわち、リードフレームを2枚対向させて貼り合わせると共に、光透過性の高い材料と光を遮断する材料をそれぞれ成形するタイプ(ダブルモールド)から、反射型と呼ばれるタイプ、すなわち、リードフレーム1枚で組み立てることが可能で、かつ、内部での光反射効率が高く、外部からの光(外乱光)の光隠蔽効果の高い光半導体封止用樹脂組成物を用い、1回成形することで組み立て可能なシングルモールドタイプが開発されている。
通常、上記のような光半導体封止用樹脂組成物には、外乱光の影響を受けず、かつ、内部の光半導体素子の光伝達効率を向上させるために、二酸化チタン等の光隠蔽力の高い白色顔料が添加されており、このようにして外乱光の遮断と内部での光反射率の両立化について鋭意検討され、製品化されている。
しかしながら、近年においては、これまでの単チャンネル/1パッケージタイプから多チャンネル/1パッケージタイプのパッケージ構造が開発されているが、上記のような二酸化チタンの添加や増量だけでは、チャンネル間同士の狭ギャップ(薄肉部)での光隠蔽性を確保することが難しい。そのため、特に多チャンネル型の光半導体装置にあっては、あるチャンネルで伝達されるべき信号が他のチャンネルで受信されるなどして、誤動作を起こしやすいという問題がある。このような問題を解消するには、例えば、チャンネル間同士が相互に干渉しないように、チャンネル間の距離を大きく設計したり、狭ギャップ部の肉厚を厚く設計したりするなどして光信号の伝達を防止することが考えられるが、これでは光半導体装置の小型化や薄型化を図ることが難しくなる。また、二酸化チタンの増量は、硬化物の強度等の物性低下を生じるため、好ましくない。このような事情から、特に多チャンネル型の光半導体装置を製造するにあたっては、誤動作を防止しつつ、軽薄短小化を図るのが困難な状況となっている。
また、光半導体封止用樹脂組成物には、封止材としての性能と環境性能との両立化についての問題もある。すなわち、半導体装置の基本性能として、耐炎性グレードがUL94−V0以上であることが要求され、従来難燃剤としてブロム化合物や三酸化アンチモン等が使用されていたが、近年の地球環境保護の観点から有害物質の使用削減のために、前記難燃剤に代替する新たな難燃剤の開発が推進され、有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等が検討されている。しかし、これらの新たな難燃剤の使用は、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を生じやすく、環境性能との両立化が非常に困難な状況となっている。
特許第3512732号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、単チャンネル型の光半導体装置を製造する場合はもちろん、特に多チャンネル型の光半導体装置を製造する場合には、外乱光の影響を受けにくく、内部受発光素子間の光伝達効率を高めることができると共に、誤動作を防止することができ、且つ環境性能を発揮しつつ良好な耐炎性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性をも発揮することができる光半導体封止用樹脂組成物及びこれを用いて製造される光半導体装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る光半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、シリカ粉末、二酸化チタン及び金属水酸化物を含有し、前記金属水酸化物の表面がアルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物のうち少なくとも一種でコーティングされているものであることを特徴とする。
請求項に係る発明は、上記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのうち少なくとも一方であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1において、上記金属水酸化物を8〜20重量%の範囲で含有することを特徴とする。
請求項に係る光半導体装置は、請求項1又は2に記載の光半導体封止用樹脂組成物にて封止して成ることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、単チャンネル型の光半導体装置を製造する場合はもちろん、特に多チャンネル型の光半導体装置を製造する場合には、外乱光の影響を受けにくく、内部受発光素子間の光伝達効率を高めることができると共に、誤動作を防止することができるものであり、且つ環境に悪影響を及ぼすブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させることなく、耐炎性を向上することができると共に、コーティングされた金属水酸化物によって更に成形性や硬化物の曲げ強度、耐湿信頼性、耐リフロー性等の特性を向上することができて、環境性能を発揮しつつ良好な耐炎性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性を発揮することができるものである。
請求項に係る発明によれば、入手容易な水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムを用いて上記効果を奏する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、硬化物の耐炎性、光透過率、曲げ強度を更に向上することができるものである。
請求項に係る発明によれば、単チャンネル型の光半導体装置の場合はもちろん、特に多チャンネル型の光半導体装置の場合に、外乱光の影響を受けにくく、内部受発光素子間の光伝達効率を高めることができると共に、誤動作を防止することができるものであり、且つ環境に悪影響を及ぼすブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させることなく、耐炎性を向上することができると共に、コーティングされた金属水酸化物によって更に成形性や硬化物の曲げ強度、耐湿信頼性、耐リフロー性等の特性を向上することができて、環境性能を発揮しつつ良好な耐炎性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性を発揮することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る光半導体封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、シリカ粉末、二酸化チタン及び金属水酸化物を含有する。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を持つものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂肪族系エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂等を用いることができる。また、上記のエポキシ樹脂の芳香環に水素が添加されたエポキシ樹脂等を用いることもできる。これらのエポキシ樹脂は一種単独で用い、或いは二種以上を併用することができる。
硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に制限はないが、光半導体用エポキシ樹脂組成物には比較的着色の少ないものが好ましい。例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸等の酸無水物、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾールシン等とホルムアルデヒドとを縮合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。この他にアミン系硬化剤も挙げられるが、硬化時の変色が大きいため使用する際は添加量等に注意を要する。これらの硬化剤は一種単独で用い、或いは二種以上を併用することができる。エポキシ樹脂と硬化剤の化学量論上の当量比は、色目や硬化物物性の点から、エポキシ樹脂/硬化剤(当量比)=0.8〜2であることが好ましい。
シリカ粉末としては、溶融シリカ、結晶シリカ等が挙げられる。その形状は特に制限されず、例えば球状、破砕状等の適宜の形状のものを用いることができる。光半導体封止用樹脂組成物全量に対して、シリカ粉末の含有量は50〜80重量%に設定することができる。シリカ粉末の平均粒径は8〜15μmであることが好ましく、その最大粒径は150μm以下、特に100μm以下であることが好ましい。シリカ粉末の平均粒径が8μm未満であると、封止成形する際に樹脂漏れや樹脂バリ等に起因する成形不具合が生じて生産性や歩留りの低下を生じるおそれがあり、逆にシリカ粉末の平均粒径が15μmを超えるとパッケージの薄肉部への樹脂の充填性が悪化して未充填等の成形不具合の原因となるおそれがある。また、シリカ粉末の最大粒径が150μmを超えると、樹脂封入時のゲート詰り、未充填等の成形不具合に加え、薄肉部の光隠蔽性の低下を生じるおそれがある。
二酸化チタンとしては特に制限されるものではないが、製法上、硫酸イオン、ナトリウムイオン等の不純イオンが含まれるため、イオン交換水で煮沸抽出した際に溶出するイオン中におけるカリウム、ナトリウム、硫酸イオン、塩素イオン等の少ないものを使用したり、表面コーティングされたものを使用することが、良好な耐湿信頼性を得る上で望ましい。また、光半導体封止用樹脂組成物全量に対して、二酸化チタンの含有量は15〜30重量%であることが好ましい。二酸化チタンの含有量が15重量%未満であると、光隠蔽性と光反射特性を共に高く得ることができないおそれがあり、逆に、二酸化チタンの含有量が30重量%を超えると、成形性や成形品の特性が低下するおそれがある。
金属水酸化物としては特に制限されるものではないが、工業的に比較的安価であること等を考慮すると、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を用いることが好ましい。これらは一種単独で用い或いは複数種を併用することができる。
この金属水酸化物としては、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物のうち少なくとも一種でコーティングされたものが用いられる。これらのコーティングのための化合物としては、具体的にはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、化学式(C37O)2Ti(C5722等で示されるチタン化合物等を挙げることができ、これらの化合物によるコーティングは、所定の量の化合物を水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物粉末と共にボールミル等に投入し、均一混合する方法などして行うことができる。これにより、イオン交換水で煮沸抽出した際に溶出する不純イオンを低減することができ、且つ、組成物中における金属水酸化物の凝集を防止して組成物の流動性を向上することができる。これにより、成形性や硬化物の曲げ強度、耐湿信頼性、耐リフロー性等の特性の向上に寄与することができる。
上記金属水酸化物の含有量は、組成物全量に対して8〜20重量%の範囲であることが好ましく、この範囲において特に硬化物の耐炎性、光透過率、曲げ強度を向上することができる。この含有量が前記範囲より少ないと光透過率や耐炎性を十分に向上することができなくなるおそれがあり、前記範囲より多いと曲げ強度が低下するおそれがある。
また、金属水酸化物の平均粒径は0.1〜10μmの範囲が好ましい。平均粒径が前記範囲より小さいと被表面積の増大による樹脂組成物の溶融粘度上昇に起因する流動性の低下を生じるおそれがあり、前記範囲より大きいと樹脂組成物内への均一分散性の低下を生じるおそれがある。
また、金属水酸化物の最大粒径は100μm以下の範囲であることが好ましく、この最大粒径が100μmを超えると、成形時に成形品の未充填を生じ易くなったりボンディングワイヤの変形が生じ易くなったりするおそれがある。
また、光半導体封止用樹脂組成物中には、硬化促進剤を含有させることができる。硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進させる作用があるものであれば、特に限定されるものではないが、比較的着色の少ないものを用いるのが好ましく、例えば、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン系硬化促進剤、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン系硬化促進剤及びその有機塩類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の有機酸塩類、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらの硬化促進剤は一種単独で用い或いは二種以上を併用することができる。また、硬化促進剤の含有量は組成物全量に対して0.05〜5重量%であることが好ましい。硬化促進剤の含有量が0.05重量%未満であると、エポキシ樹脂と硬化剤の反応の充分な促進効果を得ることができず、成形サイクルが悪化するおそれがあり、逆に、硬化促進剤の含有量が5重量%を超えると、ゲル化時間が短くなりすぎるため、ボイドや未充填等の成形性の悪化が引き起こされるおそれがある。
更に、光半導体不使用樹脂組成物中には、上記成分のほか、必要に応じて変色防止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、変性剤、赤外線吸収剤、可塑剤、希釈剤等を含有させても良い。
光半導体封止用樹脂組成物を調製するにあたっては、上記のような各成分をミキサー、ブレンダー等で均一にドライブレンドした後、ニーダー等の連続混合機で溶融混練し、次にこの混練物を冷却・固化した後、この固化物を粉砕することによって、封止材料として調製することができる。この封止材料は、必要に応じて、タブレット状やスティック状に成形してもよい。
図1は本発明に係る光半導体装置の一例を示すものであり、この光半導体装置2は、上記のようにして調製した光半導体封止用樹脂組成物1を用いて光半導体素子3を封止することによって製造することができる。
具体的には、図1に示す光半導体装置2は2チャンネル型の反射型フォトカプラーであり、このフォトカプラーは次のようにして製造することができる。すなわち、発光素子であるLED4と受光素子であるフォトダイオード5を対向させてリードフレーム7に2組実装し、各組のLED4とフォトダイオード5をシリコン6で一体にドーム状にオーバーコートした後、これらを光半導体封止用樹脂組成物1でトランスファー成形して封止することによって、2チャンネル型の反射型フォトカプラーを製造することができる。なお、図1では、LED4及びフォトダイオード5並びにこれらをオーバーコートしているシリコン6が見えているが、実際には、入出力用のピン8以外は、光半導体封止用樹脂組成物1で光半導体装置2の全体が被覆されているので、外部からLED4等を視認することはできない。
また、通常、フォトカプラーのLED4としては近赤外(900〜1000nm)の光を出すGaAs素子が使用されるが、これに限定されるものではなく、発光波長(色)の異なる化合物半導体からなる各種のLED4を用いてもよい。LED4やフォトダイオード5等の受発光素子が応力に弱い場合には、上記のように、弾性率の低いシリコン6でオーバーコートすると、受発光素子を保護することができる。LED4とフォトダイオード5からなる組を増加させることによって、2チャンネルのほか、3チャンネル以上の多チャンネル型の光半導体装置2を製造することもできる。
そして、図1に示す光半導体装置2にあっては、光半導体封止用樹脂組成物1で、チャンネル間に狭ギャップ9(0.1〜0.5mm程度の薄肉部)が形成されるが、上記樹脂組成物1は、シリカ粉末及び二酸化チタンに加えて、表面がアルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物のうち少なくとも一種でコーティングされている金属水酸化物を含有するので、狭ギャップ9の光隠蔽性を高く得ることができるものである。そのため、一方のチャンネルのLED4から送信された光信号を他方のチャンネルのフォトダイオード5で受信しないように、光信号を上記狭ギャップ9で確実に遮断して光信号のリークを阻止することができ、光半導体装置2の誤動作を防止することができるものである。なお、従来のように二酸化チタンの増量のみで狭ギャップ9の光隠蔽性を高めるのは困難であり、また、二酸化チタンを増量しても硬化物の物性低下という別の問題が生じる。また、チャンネル間同士に厚肉部を形成するなどしてチャンネル間を大きく隔てる必要がないので、本発明では光半導体装置2の小型化や薄型化を容易に図ることができる。また、上記樹脂組成物1には、二酸化チタンが含有されており、成形品の光透過率を低く設定しているので、光半導体装置2内部のフォトダイオード5等の受光素子に外乱光が悪影響を及ぼすのを防止することができ、また、成形品の光反射率を高く設定しているので、上記樹脂組成物1による成形品の表面(図1では、上記樹脂組成物1による成形品とシリコン6との界面)で光信号を確実に反射させて、内部受発光素子間の光伝達効率を高めることができるものである。
また、このようにシリカ粉末及び二酸化チタンに加えて、表面がアルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物のうち少なくとも一種でコーティングされている金属水酸化物を含有するので、環境に悪影響を及ぼすブロム化合物、三酸化アンチモン等や、耐湿信頼性や成形性、硬化物物性の低下を引き起こす有機・無機リン化合物、フォスファゼン化合物等を含有させることなく、耐炎性を向上することができ、加えて前記コーティングされた金属水酸化物によって更に成形性や硬化物の曲げ強度、耐湿信頼性、耐リフロー性等の特性を向上することができ、環境性能を発揮しつつ良好な耐炎性、耐湿信頼性、成形性、硬化物物性を発揮することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(原材料)
エポキシ樹脂として、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である住友化学株式会社製「XL−3」及びブロム化エポキシ樹脂である住友化学株式会社製「ESB400T」を用いた。
硬化剤として、フェノールノボラックである群栄化学工業株式会社製「PSM6200」を用いた。
硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィンである北興化学工業株式会社製「TPP」を用いた。
シリカ粉末として、球状シリカ(平均粒径15μm、最大粒径100μm)及び破砕シリカ(平均粒径8μm、最大粒径100μm)を用いた。
顔料として、二酸化チタンを用いた。
金属水酸化物として、味の素株式会社製「プレンアクトAL−M」(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート)でコーティングした水酸化アルミニウム(平均粒径1μm、最大粒径10μm)、前記「プレンアクトAL−M」でコーティングした水酸化マグネシウム(平均粒径1μm、最大粒径10μm)、信越化学工業(株)製「KBM403」(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)でコーティングした水酸化マグネシウム(平均粒径1μm、最大粒径10μm)、松本製薬工業(株)製「オルガチックスTC−100」(化学式(C37O)2Ti(C5722で示される化合物)でコーティングした水酸化マグネシウム(平均粒径1μm、最大粒径10μm)、及び前記「プレンアクトAL−M」と「KBM403」とでコーティングした水酸化マグネシウム(平均粒径1μm、最大粒径10μm)を用いた。
無機難燃剤として三酸化アンチモンである(株)鈴裕化学製「AT−3」を用いた。
シランカップリング剤として信越化学工業株式会社製「KBM403」を用いた。
(光半導体封止用樹脂組成物の調製)
表1に示す各成分を配合し、これをミキサーで均一にドライブレンドした後、ニーダーで溶融混練し、次にこの混練物を冷却・固化した後、この固化物を粉砕することによって、光半導体封止用樹脂組成物を封止材料として調製した。
(耐炎性の評価)
金型温度175℃、キュア時間120秒の成形条件で、光半導体封止用樹脂組成物を金型を用いてトランスファー成形した後、175℃で6時間ポストキュアすることによって、厚み1/16インチ(1.59mm)の試験片を作製した。この試験片に対して、UL94試験方法に従い、耐炎性を測定した。その結果を下記表1に示す。
(光透過率の評価)
上記耐炎性の評価時と同一の成形条件により50mmφ×0.3mmtの寸法の円盤状のテストピースを作製した。
このテストピースに対し、株式会社島津製作所製の積分球付き分光光度計を使用して、波長940nmの光透過率及び光反射率を測定した。
光透過率については、0.01%未満であるものを[◎]とし、0.01〜0.3%であるものを[○]とし、0.3%を超えるものを[×]として、結果を下記表1に示す。
また、光反射率については、65%未満であるものを[×]とし、65〜90%であるものを[○]とし、90%を超えるものを[◎]として、結果を下記表1に示す。
(チャンネル間リーク電流の測定)
図1に示すような2チャンネル型の反射型フォトカプラー(パッケージ形状:8ピンDIP)を次のようにしてそれぞれ50個製造した。すなわち、LED4(GaAs素子)とフォトダイオード5を対向させてリードフレーム7に2組実装し、各組のLED4とフォトダイオード5をシリコン6で一体にドーム状にオーバーコートした後、これらを光半導体封止用樹脂組成物1でトランスファー成形して封止することによって、AとBの2チャンネルからなる反射型フォトカプラーを製造した。狭ギャップ9の厚みは0.3mmである。
そして、Aチャンネルの発光側(入力1)へ12Vの入力信号を加えた時のBチャンネルの受光側(出力2)の出力電流を測定した。受光側(出力2)の出力電流が小さければ小さいほど、狭ギャップ9で光信号が阻止されていることとなり、チャンネル間の独立性が高く、2チャンネルが互いに独立駆動することとなる。よって、受光側(出力2)の出力電流が0.1μA未満であるものを[◎]とし、0.1μA〜0.1mAであるものを[○]とし、0.1mAを超えるものを[×]として、反射型フォトカプラーの良否を判定した。尚、下記表1に示す結果は、50個の評価用の反射型フォトカプラーについての平均的な評価である。
(曲げ強度の評価)
上記成形条件により4mm×10mm×80mmの寸法のテストピースを成形した。次に、島津製作所製のオートグラフを用い試験速度2mm/minにて破断強度を測定した。このとき試験条件は、支点間距離64mmとし、支持台2mmRを使用した。そして破断強度が120MPa以上170MPa未満のものを[○]、100MPa以上120MPa未満のものを[△]、100MPa未満のものを[×]と判定して評価した。
(耐リフロー性の評価)
上記成形条件により評価用パッケージとして18SOPを10個作製した。この評価用パッケージに125℃で16時間ベーク処理を施した後、85℃/85%RH/96hrの条件で吸湿前処理を施し、更にピーク温度260℃でのIRリフロー処理を三回施した。
リフロー処理後、超音波探査装置を用い、チップ表面の剥離発生の有無を各10個のパッケージについて行った。そして、チップ剥離の発生がないものを[○]、チップ剥離の発生があるものを[×]と判定して評価した。尚、下記表1に示す結果は、10個の評価用パッケージについての平均的な評価である。
(耐湿信頼性の評価)
上記成形条件により評価用パッケージとして回路幅3μmのアルミニウム配線を施したテスト用素子を実装した16DIPを各10個作製した。この評価用パッケージに、85℃/85%RH/25V/1000hrの条件で高温高湿バイアステストを実施し、電気的なオープン不良の発生がないものを[○]、オープン不良の発生があるものを[×]と判定して評価した。尚、下記表1に示す結果は、10個の評価用パッケージについての平均的な評価である。
Figure 0004735477
上記表1にみられるように、実施例1〜9についてはいずれも耐炎性、光透過率、光反射率が良好であり、またリーク電流が0.1mA以下であってチャンネル間の独立性が高く、誤動作を生じにくいことが確認される。また、曲げ強度、耐リフロー性、耐湿信頼性の各特性についても良好な結果が得られた。このうちコーティングがなされた金属水酸化物を8〜20重量%の範囲で含有する実施例1〜7では、特に耐炎性、光透過率、曲げ強度が優れたものとなった。
これに対して、コーティングを施した金属水酸化物を含まない比較例1〜3については、光反射率は良好であるものの、光透過率が低く、且つチャンネル間リーク電流も0.1mAを超えてしまうものであって、一方のチャンネルが他方のチャンネルに従属して駆動するおそれがあり、誤動作を生じやすいことが確認される。このうち難燃剤成分であるブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモンのいずれも含有しない比較例3では、耐炎性も不充分となった。
また、金属水酸化物を含有するものの、この金属水酸化物にはコーティングが施されていない比較例4では、曲げ強度、耐リフロー性、耐湿信頼性が不充分であった。
本発明の実施の形態の一例を示す概略平面図である。
符号の説明
1 光半導体封止用樹脂組成物
2 光半導体装置
3 光半導体素子

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、シリカ粉末、二酸化チタン及び金属水酸化物を含有し、前記金属水酸化物の表面がアルミニウム化合物、ケイ素化合物、チタン化合物のうち少なくとも一種でコーティングされているものであり、前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのうち少なくとも一方であることを特徴とする光半導体封止用樹脂組成物。
  2. 上記金属水酸化物を8〜20重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体封止用樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の光半導体封止用樹脂組成物にて封止して成ることを特徴とする光半導体装置。
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