JP4734013B2 - 電気手術装置 - Google Patents
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このため、従来例では、図9に示すように電気メス装置の出力スイッチを時刻t1でONにして高周波出力で処置を行うと同時に排煙動作を開始(ON)させることにより排煙を行い、時刻t2で出力スイッチのOFFにより高周波出力がOFFになるのに連動して、排煙動作もOFFにするようにしていた。つまり、処置を行う高周波出力のON/OFFに同期して排煙動作もON/OFFさせるようにしていた。
一方、例えば特開平6−178780号公報の従来例では、高周波出力がONになった後、一定時間後に吸引ポンプを作動させて排煙動作を行い、高周波出力がOFFになった後にも排煙動作を行うようにしている。また、この従来例では、排煙動作に連動して、送気動作を行い、排煙による体腔内の圧力低下を送気によりカバーしている。
この公報の従来例では、高周波出力がOFFになった後にも排煙動作を行うようにしているので、体腔内の圧力低下が大きくなり、送気によりカバーしている。
なお、本実施例におけるアーク放電の検出を行う場合に関連する従来例として、特開2001−198138号公報がある。この公報ではアーク放電を検出し、アーク放電発生後は、高周波出力の定電圧制御を行うものを開示している。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、排煙動作に連動して送気を行うことを必要としない簡単な構成により、体腔内の圧力低下を最小限に抑制し、かつ適切に排煙を行うことができる電気手術装置を提供することを目的とする。
図1に示すように本発明の実施例1を備えた電気手術システム1は、内視鏡装置2と、この内視鏡装置2と共に使用される外科手術装置としての例えば高周波焼灼装置(電気メス装置)3と、体腔内に送気(気体注入)及び排煙を行う機能を備えた送気装置5とからなる。
内視鏡装置2は、ベッド6に横たわる患者7の例えば腹腔内を観察するTVカメラ装着内視鏡8と、このTVカメラ装着内視鏡8に照明光を供給する光源装置9と、TVカメラ装着内視鏡8に対する信号処理を行うカメラコントロールユニット(CCUと略記)11と、このCCU11から出力される映像信号が入力されることにより、TVカメラ17で撮像した内視鏡画像を表示するモニタ12とを有する。
照明窓に隣接して設けられた観察窓には図示しない対物レンズが配置され、その対物レンズによる光学像はリレー光学系により接眼部に伝送され、この接眼部に装着されたTVカメラ17によりその結像位置に配置された固体撮像素子に結像される。この固体撮像素子は、カメラケーブル18を介してCCU11と接続され、CCU11は、この固体撮像素子により光電変換された撮像信号に対する信号処理を行い、映像信号を生成してモニタ12に出力する。そして、内視鏡画像がモニタ12により表示される。
また、トラカール14は、送気チューブ21の一端が接続され、この送気チューブ21の他端は送気装置5内の送気を行うバルブユニット22の送気側口金に接続される。
このバルブユニット22の送気動作は、制御部24により制御される。また、この送気装置5は、吸引することにより体腔内の煙或いはミスト(以下では煙で代表する)を含む気体を排気する排煙動作を行う吸引ポンプ25を内蔵しており、この吸引ポンプ25の動作も制御部24により制御線26からの制御信号で制御される。
なお、本実施例では、排煙動作を行う吸引ポンプ25を送気装置5内に設けているが別体で、制御線26を介して接続される構造にも同様に適用できる。
上記制御部24には、送気指示操作と排気指示(排煙)操作を行う例えばフットスイッチ等で構成される出力スイッチ27が接続されており、この出力スイッチ27を操作することにより送気及び排煙指示を制御部24に指示入力することができる。
腹腔13内には、トラカール31を介しては高周波電流(高周波出力)による処置具としての電気メス32が刺入され、このトラカール31には、腹腔13内に連通する通気路が設けてある。そして、その通気路の開口端にチューブ30が接続され、腹腔13内で発生した煙及びミストを含む気体を吸引して排気することができるようにしている。
上記電気メス32は、アクティブコード33aを介して高周波電源装置34のアクティブ端子58aに接続される。また、この高周波電源装置34のリターン端子58bには、リターンコード33bを介して患者7の背面部等に広い面積で接触している患者プレート35と接続される。
また、高周波発生部36は、高周波発生回路36aにより発生された高周波電流を出力トランス36bにより絶縁して電気メス32側に供給する。
また、制御部37は、出力スイッチ38のON/OFF操作を監視し、その操作に対応した信号を通信ケーブル42を介して送気装置5の制御部24に伝送する。
高周波電源装置34のコネクタ受け43の接点は、制御部37に接続され、制御部37から出力スイッチ38による高周波出力のON/OFF指示信号が、このコネクタ受け43に接続される通信ケーブル42を経て送気装置5の制御部24に入力される。
そして、制御部24は、出力スイッチ38による高周波出力のON/OFFの信号と共に、以下に説明する設定部51の図示しない条件設定部による設定条件に応じて、吸引ポンプ25の吸引による排煙動作を制御する。
炭酸ガスボンベ23に貯留されている液状の二酸化炭素は、気化されてバルブユニット22内の内部管路を介して減圧器46に導かれる。そして、炭酸ガスは減圧器46により所定の圧力に減圧された後、内部管路に導かれ、電空比例弁47により、腹腔内及び管腔内に適した圧力に調節される。
そして、この電空比例弁47により調整された腹腔用の炭酸ガスは、電磁弁48、流量センサ50を介して腹腔用供給口金22b、送気チューブ21を通って腹腔13内に導かれるようになっている。
電空比例弁47は、制御部24によって圧力の制御が可能で、減圧器46によって減圧された圧力を、制御部24からの制御信号に基づいてさらに所定の範囲内で調節する。 例えば、電空比例弁47は、制御部24からの制御信号に基づいて減圧器46により減圧された炭酸ガスの圧力を0〜500mmHgの範囲内で減圧可能である。
電磁弁48は、制御部24によって開閉制御が可能なバルブであり、制御部24からの制御信号に基づいて開状態又は閉状態に切り替えられる。
圧力センサ49は、電磁弁48が閉じているとき、腹腔13の圧力を計測して、その計測結果を制御部24に出力する。
なお、図示はしないが電磁弁48と流量センサ50との間に排気弁を設けても良い。この排気弁は、圧力センサ49の計測値が腹腔内圧力設定値を超えているとき、制御部24からの制御信号に基づいて腹腔内圧力を減圧させるために弁を開放状態にするようになっている。
制御部24は、供給された各計測結果及び検出結果に基づいて、電空比例弁47の圧力制御、電磁弁48の開閉制御等を行う。
また、送気装置5には、その正面等に上記設定部51が設けてあり、術者53a、53bは、設定部51で設定した情報を制御部24に入力することにより、制御部24はその情報に基づき各種制御を行う。
このように本実施例では、設定部51において出力スイッチ38がONしたタイミングから遅延して排煙動作を開始させる時間taの設定を行うことにより、制御部24は、高周波出力がONしたタイミングからこの時間taだけ遅延して排煙動作を開始させ、高周波出力がOFFになると排煙動作を停止させる(OFFにする)制御動作を行う。
また、この高周波電源装置34は、装置全体を制御する制御部37を構成するCPU37aを有し、このCPU37aにはD/Aコンバータ56aが接続され、CPU37aは、そのデジタルの制御信号をD/Aコンバータ56aを介してアナログ信号に変換してアンプ55に印加し、アンプ55を経て出力される高周波出力信号の出力値を制御することができる。
また出力トランス36bの1次側は、コンデンサC1を介してアンプ55の出力端に接続され、2次側は、コンデンサC2、C3及び電圧センサ57a、電流センサ57bを介して端子58a、58bに接続されている。
端子58aには、前記アクティブコード33aを介して電気メス32に、端子58bはリターンコード33bを介して患者プレート35にそれぞれ接続される。また、CPU37aは、設定部39と接続され、この設定部39の操作による操作内容より、装置全体を制御する。
また、CPU37aは、この指示信号をコネクタ受け41aに接続される通信ケーブル42を介して送気装置5の制御部24に送信する。
このような構成の本実施例を備えた電気手術システム1による動作を図4を参照して説明する。
患者7の腹腔13内のポリープ等に対して、内視鏡観察下で外科手術を行うような場合、例えば図1に示すように設定してTVカメラ装着内視鏡8により撮像した内視鏡画像をモニタ12に表示する。この場合、送気装置5により腹腔13内に炭酸ガスを注入して、腹腔13内を気腹し、TVカメラ装着内視鏡8による観察視野を確保する。
また、術者は、送気装置5の設定部51を操作して、出力スイッチ38をONにして高周波出力で処置を開始したタイミングから排煙動作を開始させる時間taの設定も行う。 このように出力値の設定及び排煙動作を開始させる時間taの設定を行った後、例えば術者53aは、電気メス装置3の出力スイッチ38を操作して高周波出力をONにすると、制御部37を経て、その信号が高周波電源装置34の高周波発生部36内の高周波発生回路36aに送られ、高周波発生回路36aで発生された高周波出力信号が、出力トランス36bを経て電気メス32に供給される。
そして、制御部24は、例えば出力スイッチ38のONのタイミングから設定部51による設定条件、具体的には出力スイッチ38がONされた時刻t1から時間taだけ経過したかの判定を行い、時間ta経過したタイミングで排煙動作を開始させる。
つまり、制御部24は、時刻t1+taのタイミングで、吸引ポンプ25を動作させて、排煙動作を行わせる。また、出力スイッチ38を時刻t2でOFFにすると、電気メス32に供給される高周波出力もOFFになる。また、このOFFの信号が入力されることにより、制御部24は排煙動作も停止させる。
従って、本実施例によれば、電気メス32に高周波出力を供給して処置が開始し、設定された時間ta後から、高周波出力がOFFになるまでの限られた時間、排煙動作をさせることにより、体腔内の圧力低下を最小限に抑えた状態で、排煙を行うことができる。
本実施例においては、制御部37を構成するCPU37aは、出力スイッチ38がONされた場合、図3に示した電圧センサ57a及び電流センサ57bの検出値をA/Dコンバータ56bを介して取り込む。そして、CPU37aは、取り込んだ検出値が、予め設定した電流の閾値Ith1(図5参照)と比較し、その結果により電気メス32が処置を行おうとする生体組織へ接触したか否かを検出(判定)する。
上記のように出力スイッチ38がONにされた場合、実施例1では予め設定された時間ta後に排煙動作を開始するようにしていたが、本実施例ではその時間taの代わりに、接触検出手段により接触検出のタイミングで排煙動作を開始させる制御を行う構成にしている。その他の構成は、実施例1と同様である。
次に本実施例による作用を図5及び図6を参照して説明する。
そして、出力スイッチ38がONされると、ステプS2に示すようにCPU37aは、高周波発生回路36aから高周波出力信号を出力させると共に、接触検出の動作を開始する。なお、図6では、ステップS1及びS2の例として、出力スイッチ38が時刻t1でONされ、これに同期して高周波出力もONとなる状態で示している。
ステップS2により接触検出の動作を開始すると、ステップS3に示すようにCPU37aは、電流センサ57bにより検出した電流データを取り込み、その電流データの値が閾値Ith1より大きいか否かの比較判定を行う。この条件(電流データの値が閾値Ith1より大きい条件)を満たさないと判定した場合には、この比較判定の動作を継続して行う。
そして、次のステップS5においてCPU37aは、出力スイッチ38がOFFにされるのを待つ状態となる。そして、出力スイッチ38がOFFにされると、ステップS6に示すように、高周波出力がOFF、また出力スイッチ38がOFFにされた信号が制御部24に送信されて制御部24は、排煙動作をOFFにする。そして、ステップS1に戻り、CPU37aは再び出力スイッチ38がONされるのを待つ状態となる。
つまり、煙が発生し易い状態に達した場合でのみ排煙を行うようにしているので、本実施例によれば、体腔内の圧力低下を最小限に抑える状態で排煙を適切に行うことができる。
このため、本実施例においては実施例2における接触検出手段の代わりにアーク放電手段を設け、このアーク放電手段によりアーク放電を検出したタイミングで排煙動作を開始するようにしたものである。
アーク放電検出手段は、接触検出手段の場合と類似している。つまり、CPU37aは、A/Dコンバータ56bを介して電流センサ57bにより測定された電流データを取り込み、その取り込んだ値がアーク放電に相当する電流の閾値Ith2を越えたか否かを比較判定することによりアーク放電の有無を判定する。その他の構成は、実施例2と同様である。
また、本実施例による動作のタイミング図を図7に示す。この図7に示すタイミング図は図6のタイミング図における接触検出をアーク放電検出に置換し、(電流センサ57bにより測定された)電流データが閾値Ith2を超える状態になったタイミングの時刻t3以降、排煙動作を開始させる動作となっている。
本実施例によれば、実施例2と類似した動作及び効果となる。つまり、本実施例によれば、電気メス32により実際に生体組織に対して接触する状態からさらにアーク放電が開始する状態になったことを検出した時点で排煙動作を開始させるようにしているので、体腔内の圧力低下を最小限に抑制して、適切な排煙を行うことができる。
このため、、本実施例においては実施例3において、さらにアーク放電の終了を検出し、アーク放電が終了したと判定した場合には、出力スイッチ38がONの状態であっても排煙動作を停止(OFF)させる制御を行う。
つまり、出力スイッチ38がONにされた後、アーク放電の開始を検出し、アーク放電を検出した場合には排煙動作を開始させ、このアーク放電の開始後にはアーク放電の終了を検出(判定)する。そして、アーク放電の終了を検出した場合には、その時点で排煙動作をOFFにする。その他の構成は、実施例3と同様である。
また、このアーク放電の開始の検出後は、アーク放電の終了の検出を行い、アーク放電の終了を例えば測定された電流データの値が閾値Ith3以上に達した場合には、アーク放電の終了と判定して、排煙動作を停止(OFF)させる。
なお、図8では、アーク放電の開始及び終了を判定する閾値として、簡単化のため1つの閾値Ith3を用いて説明したが、図7のように閾値Ith2でアーク放電の開始を検出し、その後この閾値Ith2とは異なる閾値Ith3でアーク放電の終了を検出するようにしても良い。
なお、上述した各実施例を組み合わせて異なる実施例を構成することもできる。例えば、設定部51における条件設定部として、時間、接触条件、アーク放電などの項目を選択できるようにし、選択された項目を排煙条件として設定できるようにしても良い。また、複数の項目を排煙条件として設定できるようにし、複数の項目に優先度を設定し、優先度が高い方の判定を優先して行い、その条件が満たされない場合には優先度の低い方の判定結果で排煙動作を制御するようにしても良い。
なお、上述の説明では、高周波電源装置34から電気メスに高周波の電気エネルギを供給して切開や凝固等の処置を行う場合で説明したが、本発明は、超音波により切開や凝固等の処置を行うような場合に適用することもできる。
1.請求項3において、前記接触条件を検出するための接触条件検出手段を有する。
2.付記1において、前記接触条件検出手段は、前記処置具側に流れる電流を検出するセンサを用いて構成される。
3.請求項4において、前記アーク放電の有無を検出するアーク放電検出手段を有する。4.付記3において、前記アーク放電検出手段は、前記処置具側に流れる電流を検出するセンサを用いて構成される。
5.請求項4において、さらに前記排煙条件設定手段は、アーク放電が終了した場合には、排煙動作を停止させる条件に設定する。
2…内視鏡装置
3…電気メス装置
5…送気装置
2…内視鏡装置
6…ベッド
7…患者
8…カメラ装着内視鏡
13…腹腔
14…トラカール
22…バルブユニット
23…炭酸ガスボンベ
24、37…制御部
25…吸引ポンプ
27、38…出力スイッチ
32…電気メス
34…高周波電源装置
36…高周波発生部
39、51…設定部
42…通信ケーブル
Claims (1)
- 高周波電源装置からの高周波出力信号を体腔内に挿入される処置具に供給して、体腔内の生体組織に対する処置を行う電気手術手段と、
体腔内に気体を注入する送気手段と、
前記体腔内で発生する煙を排気する排煙手段と、
前記処置具に供給される高周波出力信号の出力を制御する出力制御手段と、
前記排煙手段による排煙動作を制御する排煙制御手段と、
前記処置具が生体組織に接触したか否かを検出する生体組織接触判定手段と、
を具備し、
前記排煙制御手段は、前記出力制御手段により前記処置具に前記高周波出力信号が供給された後に、前記生体組織接触判定手段の判定結果に基づいて前記処置具が生体組織に接触したと判断した際には、前記体腔内で発生する煙を排気する排煙動作を開始せしめるよう前記排煙手段を制御する
ことを特徴とする電気手術装置。
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