JP4734008B2 - 作業支援情報自動導出システム及び作業支援情報自動導出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための情報を自動的に導出する作業支援情報自動導出システム及び作業支援情報自動導出方法に関する。
近年、製品を設計し生産する製造メーカーなどにおいては、3次元CAD(Computer Aided Design)データを合理的に活用して生産過程に至るまでのプロセスを改善する試みがなされている。例えば、3次元CADデータを利用して、製品を完成品として完成させるために必要な組立作業に関する動画を作成し、それを表示して仮想的に作業方法などを確認することで、試作や評価といったプロセスを省略して、生産準備のプロセスに繋げるような仕組みが考案されている。
従来では、上述のような動画を作成するために必要な情報(例えば、接触関係や作業手順)は、3次元CAD上で直接作成又は原始的に作成する手法を採用していた(例えば、特許文献1参照)。すなわち、3次元CAD上で完成品を構成する部品を肉眼で分解又は現物を手作業で確認しながら、かかる情報を人為的に作成していた。このため、複雑な構成を有する製品又は部品点数が多い製品であるほど、動画を作成するために必要な情報の作成に手間や時間を要していた。また、かかる製品を完成品として完成させる際には、数多く(例えば、何百通り)の作業パターン(組付けパターン)が存在するため、作成した情報を入力する際の手間が発生するという問題もあった。
上述のような状況から、3次元CADで作成されたデータを活用して、完成品を完成させるための作業を支援する際に必要な情報を容易に取得できるような仕組みが求められていた。例えば、完成品を完成させるための作業を支援する情報として、汎用性のある基礎データ(位置関係マトリクス)を3次元CADデータ上から自動的に取得することができるような仕組みが求められている。また、例えば、複雑な構成を有する製品に対しては、完成品を完成させる過程において、組み付けの軌跡に障害物があるか否かを自動的に判断できるような仕組みが求められている。
特開2002−278615号公報
本発明はこのような事情に鑑み、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データを自動的に導出することで、完成品を完成させるための作業を支援する情報を容易に作成することができると共に、完成品の生産過程に至るプロセスの短縮及びコストの削減に寄与することができる作業支援情報自動導出システム及び作業支援情報自動導出方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための情報を自動的に導出する作業支援情報自動導出システムであって、3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品を移動させる部品移動手段と、3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品同士の干渉状態を確認する干渉状態確認手段と、3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品間の移動距離を取得する移動距離取得手段とを少なくとも備え、3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、前記部品移動手段が、完成品を構成している位置にある移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、前記干渉状態確認手段が、当該移動部品と前記固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に移動部品が完成品を構成している位置と干渉が有った位置とから算出される固定部品に対する移動部品の移動距離を前記移動距離取得手段が取得することで、当該移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の前記所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスとして導出されることを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第1の態様では、3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、その移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、移動部品と固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に算出される固定部品に対する移動部品の移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎に所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスが導出される。これにより、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データを位置関係マトリクスとして自動的に導出することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様における作業支援情報自動導出システムは、前記位置関係マトリクスに基づいて現物を完成させる作業を支援するための情報を導出する作業支援情報導出手段をさらに具備し、当該作業支援情報導出手段は、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、各組付軸上に存在する所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を判断して完成品を構成する全部品間における上下関係を取得することで、3次元データ上の完成品データから各部品を組付軸上に一列に分解して並べた状態からなる完成品全体における部品の並び順序を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第2の態様では、3次元データ上の完成品データから各部品を組付軸上に一列に分解して並べた状態からなる完成品全体における部品の並び順序が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として部品の並び順序を自動的に導出することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、所定の2部品の何れか一方の部品を組付軸上に移動させる又は組付軸以外に移動させることで、当該2部品間における干渉の有無を確認して、組付軸上で接触する関係にあるか又は組付軸上以外で接触する関係にあるかを判断することで部品同士の接触関係を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第3の態様では、所定の2部品において、組付軸上で接触する関係にあるか又は組付軸上以外で接触する関係にあるかを示す部品同士の接触関係が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として部品同士の接触関係を自動的に導出することができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記作業支援情報導出手段は、導出した前記部品の並び順及び接触関係に基づいて、組付軸を基準として並べられた状態の部品同士の対応関係を一意に示す接触関係図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第4の態様では、部品同士の対応関係を一意に示す接触関係図が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスから自動的に導出された情報に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として接触関係図を容易に作成して自動的に導出することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、各組付軸上に存在する所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を取得することで、固定部品に対する移動部品の分解方向を示す分解部品情報を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第5の態様では、所定の2部品間における固定部品に対する移動部品の分解方向を示す分解部品情報が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として分解部品情報を自動的に導出することができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記位置関係マトリクス及び前記分解部品情報に基づいて、前記部品移動手段が、所定の2部品における移動部品を組付軸方向以外の方向に移動させたときに、前記干渉状態確認手段が固定部品との干渉の有無を確認した際に、少なくとも、前記移動距離取得手段が固定部品の中心点、移動部品の中心点、及び移動部品が固定部品から完全に分解される瞬間までの移動距離を取得することで、当該中心点及び移動距離が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報として導出されることを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第6の態様では、所定の2部品における移動部品を組付軸方向以外の方向に移動させたときに、固定部品との干渉の有無が確認された際の、少なくとも、固定部品の中心点、移動部品の中心点、及び移動部品が固定部品から完全に分解される瞬間までの移動距離が固定部品と移動部品の組み合わせ毎に各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として組立位置情報を自動的に導出することができる。
本発明の第7の態様は、第3〜6の何れかの態様において、前記組付軸データには、組付軸の全体数を示す組付軸総数が含まれており、当該組付軸総数が2以上である場合に、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクス及び前記接触関係に基づいて、1の組付軸に対する部品の組付けを完成したことによりその他の組付軸に対する部品の組付けを妨げる状態を示す誤構造を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第7の態様では、1の組付軸に対する部品の組付けを完成したことによりその他の組付軸に対する部品の組付けを妨げる状態を示す誤構造が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として誤構造を自動的に導出することができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記作業支援情報導出手段は、前記接触関係図に基づいて、完成品の工程パターンを示す状態推移図を導出すると共に、当該状態推移図に前記誤構造を有する未完成な状態が存在しているか否かを判断して、当該状態が存在している場合には、該状態に遷移する前後の工程を削除した状態の状態推移図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第8の態様では、誤構造を有する未完成な状態に遷移する前後の工程を削除した状態の完成品の工程パターンを示す状態推移図が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスから自動的に導出された情報に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として状態推移図を自動的に導出することができる。
本発明の第9の態様は、第6〜8の何れかの態様において、前記作業支援情報導出手段は、前記接触関係図及び前記組立位置情報に基づいて、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第9の態様では、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスから自動的に導出された情報に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として仮想的な動画を容易に作成して自動的に導出することができるため、完成品の生産過程に至るプロセスを短縮したり、コストを削減したりすることも可能となる。
本発明の第10の態様は、第6〜9の何れかの態様において、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクス及び前記組立位置情報に基づいて、完成品を完成させるための各工程パターン毎の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システムにある。
かかる第10の態様では、完成品を完成させるための各工程パターン毎の作業状態を示す仮想的な動画が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスから自動的に導出された情報に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として仮想的な動画を容易に作成して自動的に導出することができるため、完成品の生産過程に至るプロセスを短縮したり、コストを削減したりすることも可能となる。
本発明の第11の態様は、3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための情報を自動的に導出する作業支援情報自動導出方法であって、3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、完成品を構成している位置にある移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、当該移動部品と前記固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に移動部品が完成品を構成している位置と干渉が有った位置とから算出される固定部品に対する移動部品の移動距離を取得することで、当該移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の前記所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスを導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法にある。
かかる第11の態様では、3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方が固定部品として指定されると共に、他方が移動部品として指定された場合に、移動部品と固定部品との干渉の有無が確認されて、干渉が有った場合に算出される固定部品に対する移動部品の移動距離が取得されることで、移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎に所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスとして導出される。これにより、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データを位置関係マトリクスとして自動的に導出することができる。
本発明の第12の態様は、第11の態様において、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を判断して完成品を構成する全部品間における上下関係を取得することで、3次元データ上の完成品データから各部品が組付軸上で組付く際の部品の並び順序を導出すると共に、所定の2部品の何れか一方の部品を組付く方向へ移動させる又は組付く方向以外に移動させることで、当該2部品間における干渉の有無を確認して部品同士の接触関係を導出して、前記部品の並び順序に従って完成品を分解した状態における部品同士の接触関係が対応付けられた接触関係図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法にある。
かかる第12の態様では、部品の並び順序に従って完成品を分解した状態における部品同士の接触関係が対応付けられた接触関係図が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として接触関係図を容易に作成して自動的に導出することができる。
本発明の第13の態様は、第11の態様において、前記位置関係マトリクスに示された所定の2部品における移動部品を組付く方向以外の方向に移動させた場合に、固定部品との干渉の有無が確認された際の、固定部品及び移動部品の位置情報を取得することで、当該位置情報が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法にある。
かかる第13の態様では、所定の2部品における移動部品を組付く方向以外の方向に移動させた場合に、固定部品との干渉の有無が確認された際の、固定部品及び移動部品の位置情報が取得されることで、その位置情報が固定部品と移動部品の組み合わせ毎に各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報として導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスに基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として組立位置情報を自動的に導出することができる。
本発明の第14の態様は、第13の態様において、前記接触関係図及び前記組立位置情報を所定の仮想データ生成プログラムに入力することで、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法にある。
かかる第14の態様では、接触関係図及び組立位置情報が所定の仮想データ生成プログラムに入力されることで、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画が導出される。これにより、基礎データとなる位置関係マトリクスから自動的に導出された情報に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する情報として仮想的な動画を容易に作成して自動的に導出することができるため、完成品の生産過程に至るプロセスを短縮したり、コストを削減したりすることも可能となる。
本発明によれば、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データとして位置関係マトリクスが自動的に導出されるため、完成品を完成させるための作業を支援するためのあらゆる情報を自動的に導出して容易に作成することができると共に、完成品の生産過程に至るプロセスの短縮及びコストの削減に寄与することができる作業支援情報自動導出システム及び作業支援情報自動導出方法を提供することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態に係る作業支援情報自動導出システムのシステム構成を示す図である。
図示するように、作業支援情報自動導出システム10は、3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品を移動させる部品移動手段11、3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品同士の干渉状態を確認する干渉状態確認手段12、及び3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品間の移動距離を取得する移動距離取得手段13、後述する位置関係マトリクス23に基づいて現物を完成させる作業を支援するための情報を導出する作業支援情報導出手段14を具備している。
このような作業支援情報自動導出システム10に、完成品の3次元CADデータ21、組付軸データ及び組付軸上部品データ22を入力することで、3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための各種情報として、例えば、位置関係マトリクス23、組立位置情報24、部品の並び順序25、接触関係26、接触関係図27、分解部品情報28、及び動画29などが自動的に導出される。なお、入力するデータ21及び22、又導出される各種情報23〜29については、詳細に別途後述する。
上述のような作業支援情報自動導出システム10は、例えば、3次元CAD(Computer Aided Design)に機能として内蔵されているものであってもよいし、3次元CADと連携して動作する情報通信機器などであってもよい。
ここで、上述した各種情報23〜29の導出手順について簡単に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る作業支援情報自動導出システムの処理手順の概略を示す図である。
図示するように、まず、作業支援情報自動導出システム10に3次元CADデータ21が入力されると、部品移動手段11、干渉状態確認手段12、及び移動距離取得手段13により、位置関係マトリクス23が導出される(S1)。さらに、作業支援情報自動導出システム10に組付軸データ及び組付軸上部品データ22が入力されると、位置関係マトリクス23に基づいて、作業支援情報導出手段14により、組付軸における部品の並び順序25が導出される(S2)。ここで、入力される組付軸データ及び組付軸上部品データ22は、ユーザにより予め指定される。そして、位置関係マトリクス23及び部品の並び順序25に基づいて、接触関係26が導出される(S3)。このとき、接触関係26は、位置関係マトリクス23と組付軸データ及び組付軸上部品データ22との関係から導出するようにしてもよい。そして、部品の並び順序25及び接触関係26に基づいて、接触関係図27が導出されると共に(S4)、分解部品情報28が導出される(S5)。このとき、分解部品情報28は、位置関係マトリクス23と組付軸データ及び組付軸上部品データ22との関係から導出するようにしてもよい。そして、位置関係マトリクス23及び分解部品情報28に基づいて、部品移動手段11、干渉状態確認手段12、及び移動距離取得手段13により、組立位置情報24が導出される(S6)。そして、ステップS4で導出された接触関係図27及びステップS6で導出された組立位置情報24を所定の仮想データ生成プログラムに入力することで、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画が導出される(図示せず)。なお、所定の仮想データ生成プログラムとしては、例えば、動画生成機能を有するバーチャルファクトリーなどを挙げることができる。
ここで、上述したシステム構成及び各種情報23〜29の導出手順をオーディオプラグに適用した場合について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るオーディオプラグの構成を示す図である。なお、以降の説明において、説明の便宜上、3次元CADデータ21をオーディオプラグ21と称して説明する。
図3に示す(a)には、オーディオプラグ21を構成する各部品として、端子に挿入されるプラグ1、プラグ1を保持するプラグ保持部材2、プラグ1から配線される導線などを柔軟に保持させる弾性部材3、プラグ1及びプラグ保持部材2を覆うハウジング4が示されている。一方、図3に示す(b)には、上述した各部品に基づき完成されたオーディオプラグ21の完成品が示されている。このようなオーディオプラグ21は、プラグ1をプラグ保持部材2の挿入側と反対側の下端部に固定させたものに、弾性部材3をハウジング4に貫通させてその下端部で固定させたものを嵌合させることで構成されている。そして、ハウジング4の内部では、プラグ保持部材2と弾性部材3との間に所定の空間が設けられており、弾性部材3が移動自在に設けられている。なお、以降の説明において、プラグ1、プラグ保持部材2、弾性部材3、及びハウジング4は、説明の便宜上、部品1、部品2、部品3、及び部品4として称する。
以下、図3に示すオーディオプラグ21に基づく、各種情報23〜29及びその導出手順について具体的に説明する。
<位置関係マトリクス>
位置関係マトリクス23とは、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データであり、上述したように、入力された3次元CADデータ21に基づいて、部品移動手段11、干渉状態確認手段12、及び移動距離取得手段13により導出される。
具体的には、3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、部品移動手段11が、移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、干渉状態確認手段12が、移動部品と固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に算出される固定部品に対する移動部品の移動距離を移動距離取得手段13が取得することで、移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクス23として導出される。ここで、所定の各軸方向とは、3次元を構成するX、Y、Z方向の各方向における+、−からなる6方向を意味する。
ここで、オーディオプラグ21から導出される位置関係マトリクス23及びその導出例を図4に示す。図4に示す(a)には、固定部品を“1”とし、移動部品を“3”とした場合に、+Z軸方向で導出された移動距離が“11.43”として例示されている。一方、図4に示す(b)には、オーディオプラグ21を構成する全部品における所定の2部品を固定部品及び移動部品とした場合の各軸方向における移動距離及び干渉の有無が位置関係マトリクス23として例示されている。ここで、図4(b)に示す例では、干渉の有無として、干渉が有った場合には、上述した移動距離が示され、干渉が無かった場合には、“−1”が示されている。したがって、図4(b)に示された位置関係マトリクス23から、プラグ1と弾性部材3において、プラグ1を固定して弾性部材3を各軸方向に移動した場合、+Z方向に“11.43”移動すると干渉し、+Z方向以外の方向には干渉しないことを知ることができる。
<部品の並び順序>
部品の並び順序25とは、3次元データ上の完成品データから各部品を組付軸上に一列に分解して並べた状態からなる完成品全体における各部品の並び順序であり、上述したように、位置関係マトリクス23及び入力された組付軸データ及び組付軸上部品データ22に基づいて、作業支援情報導出手段14により導出される。
具体的には、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データ22との関係から、各組付軸上に存在する所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を判断して完成品を構成する全部品間における上下関係を取得することで、3次元データ上の完成品データから各部品を組付軸上に一列に分解して並べた状態からなる完成品全体における部品の並び順序25が導出される。
すなわち、所定の2部品間において、干渉しない方向を導き出すことにより、その2部品の並び順序を取得することができる。このような処理を位置関係マトリクス23に示された完成品を構成する全ての2部品間で行うことで、完成品全体において各部品の並び順序を導出することができる。ここで、組付軸データとしては、完成品を構成する組付軸総数、及びその組付軸の組付軸方向を意味する。
図4に示す例では、組付軸データとして、組付軸総数が“1”、組付軸方向が“Z”、組付軸上部品データとして、Z軸上に存在する部品が“1、2、3、4”として指定される。そして、図4(a)を例にすると、固定部品1に対して、移動部品3を+Z軸上に移動させると干渉し、−Z軸上に移動させると干渉しないことが分かる。これにより、Z軸上において、移動部品3は、固定部品1より下にあるという情報(Z:3<1)を取得することができる。このような処理を位置関係マトリクス23における6パターンで示された各2部品間で行うと、“Z:2<1、Z:3<1、Z:4<1、Z:3<2、Z:4<3”というZ軸上における各部品の上下関係を取得することができる。そして、この上下関係を組み合わせることで、オーディオプラグ21における部品の並び順序25が“Z:4<3<2<1”として導出される。
<接触関係>
接触関係26とは、組付可能な2つの部品の関係を示すものであり、上述したように、作業支援情報導出手段14により、位置関係マトリクス23及び部品の並び順序25に基づいて、又は、位置関係マトリクス23と組付軸データ及び組付軸上部品データ22との関係から導出される。
具体的には、位置関係マトリクス23に基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データ22との関係から、所定の2部品の何れか一方の部品を組付軸上に移動させる又は組付軸以外に移動させることで、その2部品間における干渉の有無を確認して、組付軸上で接触する関係にあるか又は組付軸上以外で接触する関係にあるかを判断することで部品同士の接触関係26が導出される。
ここで、組付軸上で接触する関係とは、組付軸の方向で接触がある組付軸接触関係を意味し、組付軸上以外で接触する関係とは、組付軸以外の方向で接触がある他軸接触関係を意味する。これら接触関係の判断は、予め各々の接触関係毎に設定されたみなし距離を基準にして行う。すなわち、みなし距離を満たす2つの部品同士が何れかの接触関係が成立する関係にあるとみなされることになる。このようなみなし距離は、部品や完成品など、製品の状況に応じて、予め設定されるものである。本実施形態では、組付軸接触関係が成立するためのみなし距離を“α”mmとし、他軸接触関係が成立するためのみなし距離を“β”mmとして想定する。
具体的に、オーディオプラグ21を例にした場合、みなし距離は、“α=0.7”、“β=1.4”と設定される。すなわち、組付軸における+、−方向の何れか一方がα以下なら組付軸接触関係にあるとみなされ、組付軸以外の2軸の少なくとも何れか1軸における+、−方向の双方がβ以下なら他軸接触関係とみなされる。なお、他軸接触関係は、まだ接触関係が導出されていない部品同士で行われる。
図5(a)に示す位置関係マトリクス23に基づけば、上述した組付軸接触関係の条件を満たす部品同士の組み合わせは、“1−4”及び“3−4”となる。すなわち、図5(b)に例示するように、1と4は、組付軸となるZ軸方向で接触する関係にあることが判断できる。一方、上述した他軸接触関係の条件を満たす部品同士の組み合わせは、“1−2”及び“2−4”となる。すなわち、図5(c)に例示するように、部品2及び部品4は、組付軸上以外のX軸及びY軸方向で接触する関係にあることが判断できる。このようにして、所定の2部品間における各々の接触関係26を導出することができる。
<接触関係図>
接触関係図27は、組付軸を基準として並べられた状態の部品同士の対応関係を一意に示すものであり、上述したように、部品の並び順序25及び接触関係26に基づいて、作業支援情報導出手段14により導出される。
具体的には、部品の並び順序25に従って部品を並べた状態(Z:4<3<2<1)において、接触関係26で導出された接触関係にある部品同士(1−2、1−4、2−4、3−4)を対応付けることで、図6に示す接触関係図27を導出することができる。図6では、接触関係にある部品同士を線で結ぶことで対応付けを行って作成した接触関係図27が例示されている。
<分解部品情報>
分解部品情報28とは、2つの部品間において、指定された部品が何れの方向に分解できるのかという情報を示すものであり、上述したように、作業支援情報導出手段14により、部品の並び順序25及び接触関係26に基づいて、又は、位置関係マトリクス23と組付軸データ及び組付軸上部品データ22との関係から導出される。
具体的には、位置関係マトリクス23に基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データ22との関係から、所定の2部品間に対する上下関係を取得することで、固定部品に対する移動部品の分解方向を示す分解部品情報28が導出される。ここで、所定の2部品における固定部品と移動部品の関係、すなわち、何れを固定部品又は移動部品とするかは、ユーザなどが任意に指定することができる。
図4(b)に示す位置関係マトリクス23に基づけば、固定部品を“1”とし、移動部品をそれぞれ“2、3、4”とした場合、それら移動部品の分解方向は、何れも“−Z”軸方向となる。このような処理をその他の部品間で行うことにより、分解部品情報28を導出することができる。
一方、部品の並び順序25及び接触関係26から分解部品情報28を導出した場合、例えば、図7に示す分解部品情報28が導出される。すなわち、オーディオプラグ21の接触関係(1−2、1−4、2−4、3−4)26について、例えば、固定部品を1とし、移動部品を2として指定した場合に、導出された部品の並び順序(Z:4<3<2<1)25に基づけば、Z軸上において、移動部品2は固定部品1より下に位置するため、部品2は、部品1に対して“−Z軸”方向に分解できるという情報を取得することができる。このような処理をその他の接触関係に基づいて行うことにより、分解部品情報28を導出することができる。
<組立位置情報>
組立位置情報24は、3次元CADデータの部品を仮想工場内で組付ける際に必要な位置情報(例えば、座標や距離)であり、上述したように、位置関係マトリクス23及び分解部品情報28に基づいて、部品移動手段11、干渉状態確認手段12、及び移動距離取得手段13により導出される。
具体的には、位置関係マトリクス23及び分解部品情報28に基づいて、部品移動手段11が、所定の2部品における移動部品を組付軸方向以外の方向に移動させたときに、干渉状態確認手段12が固定部品との干渉の有無を確認した際に、少なくとも、移動距離取得手段13が固定部品の中心点、移動部品の中心点、及び移動部品が固定部品から完全に分解される瞬間までの移動距離を取得することで、その中心点及び移動距離が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報24として導出される。具体的に、移動部品の中心点とは、分解方向に所定の距離だけ移動させたときの移動部品の中心点となる。
さらに詳言すれば、組立位置情報24とは、図8に例示するように、移動部品と組付く際の固定部品の中心点(ASP)、固定部品に組付ける際に最初に位置決めされた移動部品の中心点(APP)、移動部品がAPPの位置から固定部品に接触するまでの移動距離(オフセット1)、及び移動部品が固定部品に接触した位置(オフセット1)から組付くまでの移動距離(オフセット2)という要素から構成されている。すなわち、完成品を基準とすると、オフセット2とは、移動部品が固定部品から完全に分解される瞬間までの移動距離であり、ASPは、その際の固定部品の中心点であり、APPは、その際のオフセット1の起点となる点である。このうち、オフセット1は、ユーザにより予め指定され、部品同士の組付けを直線方向で確実に行うためのものであるため、組立位置情報24に必ずしも含まれていなくてもよい。また、ASP及びAPPは、各部品が回転することなどを考慮して決定されるものであり、本実施形態では、組付軸上の中心としている。
ここで、上述のようなASP、APP、及びオフセット2の取得手順について説明する。図9は、オーディオプラグ21の組立位置情報24を取得する際のフローチャートを示す図である。なお、図9に示す例では、固定部品を1とし、移動部品を4とした場合の処理を例示している。
まず、移動部品を組付軸以外の4方向(X、Y軸における+、−方向)に動かして(S21)、固定部品と干渉する場合(S22;Yes)には、移動部品を元の位置に戻してから、分解部品情報28に基づいて分解方向に移動させる(S23)。そして、ステップS22において固定部品と干渉しないと判断されるまで、ステップS21〜S23までの処理を繰り返す。
一方、固定部品と干渉しない場合(S22;No)には、APPから算出される移動部品の移動距離をオフセット2として取得する(S24)。そして、予めユーザが指定したオフセット1の距離について、移動部品を分解方向に移動させた時点の移動部品の中心点の位置をAPPとして取得すると共に、固定部品の中心点をASPとして取得する(S25)。
上述のような一連の処理をその他の2部品間において行うことで、図10に示す組立位置情報24を導出することができる。図10に示す例では、図9のように導出された分解部品情報28に示された2部品毎の組み合わせに対して取得されたASP、オフセット1、オフセット2、及びAPPがそれぞれ示されている。
<動画>
動画29は、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な画像情報であり、上述したように、接触関係図27及び組立位置情報24を所定の仮想データ生成プログラムに入力することで、作業支援情報導出手段14により導出される。
具体的には、接触関係図27及び組立位置情報24をバーチャルファクトリーに入力することで、一連の作業状態を示す仮想的な動画29が導出される。そして、その動画29を加工することで、完成品を完成させるための各工程パターン毎の作業状態を示す仮想的な動画29がさらに導出される。
(応用例)
上述したオーディオプラグ21において、分解された状態の各部品を完成品として完成させるための組立作業の工程パターンは、導出された接触関係図27に基づけば、図11に示すようになる。図11に示す例では、分解された状態から完成に至るまでの各種状態が(a)分解状態、(b)分解状態から部品1に部品2を組付けた状態、(c)分解状態から部品3に部品4を組付けた状態、(d)部品1と部品2、及び部品3と部品4が組付いた状態、(e)部品2、3、4が組付いた状態、及び(f)完成状態として示されている。そして、図11の(a)〜(f)に示された状態から、オーディオプラグ21の工程パターンは、“(a)−(b)−(d)−(f)、(a)−(c)−(e)−(f)、及び(a)−(c)−(d)−(f)”という3つのパターンからなることが分かる。
図11に示されたオーディオプラグ21は、1軸構造からなる完成品であるが、ここでは、例えば、図12に示すような2軸構造からなる完成品を例に挙げてみる。
図12(a)に示す例では、部品33に対して、部品31及び部品32がそれぞれ組付くと共に、部品31に対して部品34が組付くことで、図12(b)に示すような完成品30が完成する。すなわち、部品33は、オーディオプラグ21を構成する部品3が並行して2つ設けられて一体に形成されたものに相当する。以下、このような完成品30を完成させるために必要な情報について説明する。
<誤構造>
完成品30において、分解された状態の各部品を完成品として完成させるための組立作業の工程パターンは、図13に示すようなものとなる。これを状態推移図といい、詳細は後述する。
図13に示す例では、分解された状態から完成に至るまでの各種状態が、状態1〜状態7まで示されている。このうち、1の組付軸に対する部品の組付けを完成したことによりその他の組付軸に対する部品の組付けを妨げる状態(状態X)が存在し、これを誤構造として位置づけている。
誤構造は、組付軸データに含まれる組付軸の全体数を示す組付軸総数が2以上である場合に、位置関係マトリクス23及び接触関係26に基づいて、作業支援情報導出手段14により導出される。このような誤構造は、組立作業の工程において、削除しなければならないものであるため、導出することで組立作業を支援することができる。
<状態推移図>
上述したように、状態推移図は、完成品の工程パターンを示すものであり、作業支援情報導出手段14により導出される。そして、作業支援情報導出手段14は、導出された状態推移図に誤構造を有する未完成な状態(状態X)が存在しているか否かを判断して、当該状態が存在している場合には、該状態に遷移する前後の工程を削除した状態の状態推移図を導出する。すなわち、状態4から状態Xに移る工程、状態3から状態Xに移る工程、及び状態Xから状態7に移る工程が削除された状態推移図が導出される。
<誤構造導出例>
図14に示すような完成品40の接触関係図27及び図15に示す位置関係マトリクス23を用いる場合を想定する。
図14に示す部品45を例にした場合、まず、部品45より組付軸となるZ軸の+方向に他軸の部品が存在するか否かを判断する。すなわち、部品45以降に組付ける部品の組付けを妨げる部品の存在を判断する。ここでは、部品48が該当する。そして、部品45より下にあり且つ接触関係のある部品を取得する。すなわち、部品45を組付ける際に、組付け対象となる中間品に含まれる必須部品の情報を取得する。ここでは、部品47が該当する。これにより、部品45がなく部品48及び部品47が存在する中間品は、誤構造になり得るという情報を導出することができる。すなわち、部品45を組付ける際に、組付けの対象となる中間品に部品48が存在しなければよいという誤構造にかかる情報を導出することができる。
このような処理をZ軸の−方向に対して行い、又、その他の部品に対して行うことで、完成品の完成を妨げる実行不可能な組み合わせを誤構造として導出することができる。例えば、図14及び図15に示す例からは、“部品41がなく部品48及び部品42が存在する中間品、部品41がなく部品48及び部品47が存在する中間品、部品42がなく部品48及び部品47が存在する中間品、部品43がなく部品48及び部品47が存在する中間品、部品44がなく部品48及び部品45が存在する中間品、部品44がなく部品48及び部品47が存在する中間品、部品45がなく部品48及び部品47が存在する中間品、及び部品46がなく部品48及び部品47が存在する中間品”という8つの情報が誤構造になり得る情報として導出される。このように導出された情報に基づいて、誤構造の元となる実行不可能な組み合わせを排除した正確な状態推移図を導出することができる。
以上説明したように、本実施形態では、3次元データで作成された完成品データから完成品を完成させるための作業を支援する情報を作成する際の基礎となる基礎データとして位置関係マトリクス23を自動的に導出することができる。そして、導出した位置関係マトリクス23に基づいて、完成品を完成させるための作業を支援する主な情報として、接触関係図27、組立位置情報24、動画29などを自動的に導出して容易に作成することができる。これにより、完成品の生産過程に至るプロセスの短縮及びコストの削減に寄与することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る作業支援情報自動導出システムのシステム構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る作業支援情報自動導出システムの処理手順の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係るオーディオプラグの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る位置関係マトリクス及びその導出例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る接触関係の導出について説明する図である。 本発明の一実施形態に係る接触関係図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る分解部品情報を示す図である。 本発明の一実施形態に係る組立位置情報を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る組立位置情報を取得する際のフローチャートを示す図である。 本発明の一実施形態に係る組立位置情報を示す図である。 本発明の一実施形態に係る応用例についての工程パターンを説明する図である。 本発明の一実施形態に係る応用例についての完成品の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誤構造及び状態推移図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誤構造導出例を説明する際の完成品の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誤構造導出例を説明する際の完成品の位置関係マトリクスを示す図である。
符号の説明
1 プラグ
2 プラグ保持部材
3 弾性部材
4 ハウジング
10 作業支援情報自動導出システム
11 部品移動手段
12 干渉状態確認手段
13 移動距離取得手段
14 作業支援情報導出手段
21 3次元CADデータ(オーディオプラグ)
22 組付軸データ及び組付軸上部品データ
23 位置関係マトリクス
24 組立位置情報
25 部品の並び順序
26 接触関係
27 接触関係図
28 分解部品情報
29 動画
30 完成品
31、32、33、34 部品
40 完成品
41、42、43、44、45、46、47、48 部品

Claims (14)

  1. 3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための情報を自動的に導出する作業支援情報自動導出システムであって、
    3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品を移動させる部品移動手段と、
    3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品同士の干渉状態を確認する干渉状態確認手段と、
    3次元データ上に存在する完成品データを構成する各部品間の移動距離を取得する移動距離取得手段とを少なくとも備え、
    3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、前記部品移動手段が、完成品を構成している位置にある移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、前記干渉状態確認手段が、当該移動部品と前記固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に移動部品が完成品を構成している位置と干渉が有った位置とから算出される固定部品に対する移動部品の移動距離を前記移動距離取得手段が取得することで、当該移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の前記所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスとして導出されることを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  2. 請求項1における作業支援情報自動導出システムは、前記位置関係マトリクスに基づいて現物を完成させる作業を支援するための情報を導出する作業支援情報導出手段をさらに具備し、当該作業支援情報導出手段は、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、各組付軸上に存在する所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を判断して完成品を構成する全部品間における上下関係を取得することで、3次元データ上の完成品データから各部品を組付軸上に一列に分解して並べた状態からなる完成品全体における部品の並び順序を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  3. 請求項1又は2において、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、所定の2部品の何れか一方の部品を組付軸上に移動させる又は組付軸以外に移動させることで、当該2部品間における干渉の有無を確認して、組付軸上で接触する関係にあるか又は組付軸上以外で接触する関係にあるかを判断することで部品同士の接触関係を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  4. 請求項3において、前記作業支援情報導出手段は、導出した前記部品の並び順及び接触関係に基づいて、組付軸を基準として並べられた状態の部品同士の対応関係を一意に示す接触関係図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、各組付軸上に存在する所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を取得することで、固定部品に対する移動部品の分解方向を示す分解部品情報を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  6. 請求項5において、前記位置関係マトリクス及び前記分解部品情報に基づいて、前記部品移動手段が、所定の2部品における移動部品を組付軸方向以外の方向に移動させたときに、前記干渉状態確認手段が固定部品との干渉の有無を確認した際に、少なくとも、前記移動距離取得手段が固定部品の中心点、移動部品の中心点、及び移動部品が固定部品から完全に分解される瞬間までの移動距離を取得することで、当該中心点及び移動距離が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報として導出されることを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  7. 請求項3〜6の何れかにおいて、前記組付軸データには、組付軸の全体数を示す組付軸総数が含まれており、当該組付軸総数が2以上である場合に、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクス及び前記接触関係に基づいて、1の組付軸に対する部品の組付けを完成したことによりその他の組付軸に対する部品の組付けを妨げる状態を示す誤構造を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  8. 請求項7において、前記作業支援情報導出手段は、前記接触関係図に基づいて、完成品の工程パターンを示す状態推移図を導出すると共に、当該状態推移図に前記誤構造を有する未完成な状態が存在しているか否かを判断して、当該状態が存在している場合には、該状態に遷移する前後の工程を削除した状態の状態推移図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  9. 請求項6〜8の何れかにおいて、前記作業支援情報導出手段は、前記接触関係図及び前記組立位置情報に基づいて、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  10. 請求項6〜9の何れかにおいて、前記作業支援情報導出手段は、前記位置関係マトリクス及び前記組立位置情報に基づいて、完成品を完成させるための各工程パターン毎の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出システム。
  11. 3次元データで作成された完成品データから実際に現物を完成させるために必要な一連の作業を支援するための情報を自動的に導出する作業支援情報自動導出方法であって、
    3次元データ上で完成した完成品を構成する全部品から、所定の2部品のうちの何れか一方を固定部品として指定すると共に、他方を移動部品として指定した場合に、完成品を構成している位置にある移動部品を3次元上に存在する所定の各軸方向に移動させたときに、当該移動部品と前記固定部品との干渉の有無を確認して、干渉が有った場合に移動部品が完成品を構成している位置と干渉が有った位置とから算出される固定部品に対する移動部品の移動距離を取得することで、当該移動距離及び干渉の有無が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の前記所定の各軸方向における数値の配列で示された位置関係マトリクスを導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法。
  12. 請求項11において、前記位置関係マトリクスに基づいて、予め指定された現物を完成させるための組付けを行う際に各部品が直線移動する軌跡となる組付軸に関する組付軸データ及び各組付軸上に存在する部品点数を示す組付軸上部品データとの関係から、所定の2部品間における干渉状態が確認される方向から上下関係を判断して完成品を構成する全部品間における上下関係を取得することで、3次元データ上の完成品データから各部品が組付軸上で組付く際の部品の並び順序を導出すると共に、所定の2部品の何れか一方の部品を組付く方向へ移動させる又は組付く方向以外に移動させることで、当該2部品間における干渉の有無を確認して部品同士の接触関係を導出して、前記部品の並び順序に従って完成品を分解した状態における部品同士の接触関係が対応付けられた接触関係図を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法。
  13. 請求項11において、前記位置関係マトリクスに示された所定の2部品における移動部品を組付く方向以外の方向に移動させた場合に、固定部品との干渉の有無が確認された際の、固定部品及び移動部品の位置情報を取得することで、当該位置情報が固定部品と移動部品の組み合わせ毎の各軸方向における数値の配列で示された組立位置情報を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法。
  14. 請求項13において、前記接触関係図及び前記組立位置情報を所定の仮想データ生成プログラムに入力することで、完成品を完成させる際の一連の作業状態を示す仮想的な動画を導出することを特徴とする作業支援情報自動導出方法。
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