以下、本発明の実施の形態の映像監視システムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、映像監視システムがイベント会場のような施設に備えられるが、本発明がこれに限定されないことはもちろんである。
「第1の実施の形態」
本発明の実施の形態に係る映像監視システムを図1に示す。図1において、映像監視システム101は、複数のカメラ103と、複数のカメラ103から出力されるアナログ映像信号を集約してデジタル映像信号に変換するエンコーダ105と、映像情報の集約、配信、カメラ操作端末への情報送信を取りまとめる機能を持つ映像切換制御装置107と、デジタル映像信号をアナログ映像信号に変換するデコーダ109と、デコーダ109から配信された映像を出力するモニタ111と、カメラ制御およびモニタ出画映像切換の操作を受け付ける機能を有するカメラ操作端末113と、カメラ映像を記録する複数のHDR115とを備えている。映像監視システム101は、さらに、本実施の形態の特徴的構成として、映像切換の制御に必要な情報を保持したデータベース121と、データベース121に登録された情報を書き換えるメンテナンス装置123とを備えている。
上記の映像監視システム101において、各カメラ103は、施設内の各所に設置されている。カメラ103は旋回カメラと固定カメラを含み、場所によって適当なカメラが設置されている。図1では3つのカメラ103と一つのエンコーダ105が示されている。しかし、実際にはより多くのカメラ103とエンコーダ105が設けられていてよい。
また、モニタ111も施設内の各所に設置されている。図1では3つのモニタ111と一つのデコーダ109が示されている。しかし、実際にはより多くのモニタ111とデコーダ109が設けられていてよい。
また、カメラ操作端末113は、施設内の監視室等に設置されている。カメラ操作端末113は映像切換制御装置107とLAN等のネットワークで接続されており、映像切換の指示などをネットワーク経由で通信する。また、カメラ操作端末113はデコーダ109と映像ケーブルで接続されている。そして、カメラ映像はデコーダ109からカメラ操作端末113にも供給され、端末のディスプレイ上でも表示される。
なお、上記のカメラ103、モニタ111およびカメラ操作端末113は、施設外にも設けられてよい。
上記構成において、各カメラ103はアナログ映像信号をエンコーダ105に送り、エンコーダ105でアナログ映像信号がMPEG2等のデジタル映像信号に変換される。デジタル映像信号はエンコーダ105から映像切換制御装置107に入力され、映像切換制御装置107からデコーダ109に送られ、デコーダ109にてアナログ映像信号に変換され、デコーダ109からモニタ111に送られ、モニタ111にて映像が出力される。映像信号はデコーダ109からカメラ操作端末113にも送られる。
カメラ操作端末113にカメラ映像の切換の要求が入力されると、この切換の要求がカメラ操作端末113から映像切換制御装置107に入力され、映像切換制御装置107は、カメラ操作端末113からの入力に従い、カメラ103からの映像の出力先モニタ111を切り換える。
また、カメラ操作端末113にカメラ制御の要求が入力されると、カメラ制御の要求がカメラ切換制御装置107に入力され、カメラ切換制御装置107はカメラ操作端末113からの入力に応じてカメラ103を制御する。例えば、旋回カメラに対するパン、チルト動作の要求が入力されると、動作コマンドがエンコーダ105経由で対象のカメラ103に対して送られ、カメラ103が受信したコマンドに従って動作する。
また、HDR(ハードディスクレコーダ)115は、映像記録装置の一形態であり、エンコーダ105から供給されたカメラ映像を記録する。カメラ操作端末113からは、映像記録の要求も映像切換制御装置107に入力される。この映像記録の要求に従い、記録対象のカメラ映像が、HDR115に記録される。
また、映像切換制御装置107には外部システム117が接続されている。外部システム117から所定の映像切換要求の信号が入力されると、映像記録制御装置107は、所定のカメラ103の映像を所定のモニタ111から出力させる。外部システム117は、例えば防犯システムである。そして、防犯システムで特定箇所の異常が検出されると、異常箇所のカメラ映像が、警備室等にて表示される。その他、監視センサ等からも映像切換制御装置107にセンサ信号が受信され、センサ信号に応じて所定の映像切換が行われてよい。
次に、データベース121は、本実施の形態の特徴的構成であり、データベース121は、映像切換の制御に必要な情報を保持している。映像切換制御装置107は、データベース121の情報を参照して上述のカメラ映像の切換その他の制御動作を行う。映像監視システム101では、カメラ操作端末113毎に、選択可能なカメラ103やモニタ107を制限したり、制御可能なカメラ103を制限する。このような制限もデータベース121を使って実現される。データベース121の情報は、メンテナンス装置123によって書き換えることができる。
図1では、データベース121が映像切換装置107と別々に示されている。しかし、実際のハードウエア構成では、データベース121は映像切換装置107に搭載されてよい。映像切換装置107はサーバコンピュータで構成されてよい。
また、メンテナンス装置123(端末)は、本実施の形態では、映像切換装置107と別のコンピュータである。メンテナンス装置123は、映像切換装置107に対して脱着可能であってもよい。その他、映像切換装置107にメンテナンス装置123の機能が組み込まれ、一体化されてもよい。この場合、映像切換装置107の入出力装置を使ってデータベース121の情報が書き換えられる。
以下、データベース121に登録された各種のデータについて説明し、それから、データベース121を使った映像切換等の動作を説明し、さらに、データベース121のデータのメンテナンスについて説明する。
図2を参照すると、データベース121は、カメラ情報、モニタ情報、カメラ操作端末情報、カメラ選択権情報、カメラ制御権情報、モニタ選択権情報、カメラ優先順位情報、カメラ制御状態情報、HDR情報、HDR制御権情報、外部システム情報、連動制御情報、エンコーダ情報およびデコーダ情報を記憶している。各情報の内容は下記の通りである。
図3はデータベース121に登録されたカメラ情報を示している。データベース121は、システム上に存在するすべてのカメラ103について、カメラの名称(識別情報)、カメラの機種、コマンド体系、カメラの機能(パン・チルト、アイリス、ズーム、ワイパ、ウォッシャ、照明、プリセット、オートパン、オートフォーカス、オートアイリス)の情報をテーブル形式で保持する。映像監視システム101では、このカメラ情報に基づきカメラ103に対する制御が行われる。
図4はデータベース121に登録されたモニタ情報を示している。データベース121は、システム上に存在するすべてのモニタ111について、モニタ名称(識別情報)と種類の情報をテーブル形式で保持する。
図5はデータベース121に登録されたカメラ操作端末情報を示している。本システムでは、コンピュータやそれに接続されるコントロール機器(例えばジョイスティック)からカメラ103の制御、映像切換、および外部システムからの連動情報に対する制御(例えば連動終了の指示)を行う。このような機器をカメラ操作端末113という。データベース121は、システム上に存在するすべてのカメラ操作端末113について、端末名称(識別情報)およびIPアドレスの情報をテーブル形式で保持する。
図6(a)はデータベース121に登録されたカメラ選択権情報を示している。カメラ選択権情報は、カメラ情報とカメラ操作端末情報とに基づき、複数のカメラ操作端末113の各々がカメラ選択権を有するカメラ103を登録したテーブルである。このテーブルでは、各カメラ操作端末113に対して、各カメラ103毎にカメラ選択権が設定される。
図6(b)に示されるように、カメラ操作端末113は、選択権を持つカメラ103の映像をモニタ111に出画することができる。しかし、カメラ操作端末113が選択権を持たないカメラ103については、カメラ操作端末113は当該カメラ103の映像をモニタ111に出画できない。
図7(a)はデータベース121に登録されたカメラ制御権情報を示している。カメラ制御権情報は、カメラ情報とカメラ操作端末情報とに基づき、複数のカメラ操作端末113の各々がカメラ制御権を有するカメラ103を登録したテーブルである。このテーブルでは、各カメラ操作端末113について、各カメラ103毎に制御権が設定される。
図7(b)に示されるように、カメラ操作端末113は、制御権を持つカメラ103を制御することができる。しかし、カメラ操作端末113が制御権を持たないカメラ103については、カメラ操作端末113は当該カメラ103を制御できない。ここでいう制御は、カメラ情報に登録されたカメラ機能の制御であり、例えばパン・チルト動作やズームの制御である。
図8(a)はデータベース121に登録されたモニタ選択権情報を示している。モニタ選択権情報は、カメラ情報とカメラ操作端末情報とに基づき、複数のカメラ操作端末113の各々がモニタ選択権を有するモニタ111を登録したテーブルである。このテーブルでは、各カメラ操作端末113について、各モニタ111毎にモニタ選択権が設定される。
図8(b)に示されるように、カメラ操作端末113は、選択権を持つモニタ111に映像を出画することができる。しかし、カメラ操作端末113が選択権を持たないモニタ111については、カメラ操作端末113は当該モニタ111に映像を出画できない。
図9(a)はデータベース121に登録されたカメラ優先順位情報を示している。カメラ優先順位情報は、カメラ情報とカメラ操作端末情報とに基づき、個々のカメラ103についてのカメラ操作端末113の制御時における優先順位を登録したテーブルである。各カメラ103に対して、複数のカメラ操作端末113の各々の優先順位が設定される。
図9(b)に示されるように、複数のカメラ操作端末113から同一のカメラ103に対する制御が発生した場合には、カメラ優先順位情報を基にカメラ103が制御される。優先順位がデータベース121から検索され、優先順位の最も高いカメラ操作端末113からの要求に従ってカメラ103が制御される。優先順位の低いカメラ操作端末113は、上位のカメラ操作端末113がカメラ103の制御を終了してカメラ制御権を開放した後、当該カメラ103の制御権を取得し、カメラ103の制御を行うことができる。ただし、同じ優先順位が定められている場合には、後制御を優先とすることが好適である。
図10はデータベース121に登録されたカメラ制御状態情報を示している。データベース121は、各カメラ103の制御状態を判断するため、カメラ情報およびカメラ操作端末情報に基づき、個々のカメラ103の制御権をどのカメラ操作端末113が取得中であるかの情報をテーブル形式で保持する。カメラ103毎に、現在制御を行っているカメラ操作端末113が特定される。
図11はデータベース121に登録されたHDR情報を示している。データベース121は、システム上存在するすべてのHDR115について、HDR名称(識別情報)、IPアドレス、各チャネル(CH)の映像入力の情報をテーブル形式で保持する。
図12(a)はデータベース121に登録されたHDR制御権情報を示している。HDR制御権情報は、カメラ情報とカメラ操作端末情報とに基づき、複数のカメラ操作端末113の各々が制御権を有するHDR115を登録したテーブルである。このテーブルでは、各カメラ操作端末113について、各HDR115毎に制御権が設定される。
図12(b)に示されるように、カメラ操作端末113は、制御権を持つHDR115を制御(録画、再生等)することができる。しかし、カメラ操作端末113が制御権を持たないHDR115については、カメラ操作端末113は当該HDR115を制御できない。
図13はデータベース121に登録された外部システム情報を示している。データベース121は、外部システム117の名称(本実施の形態における識別情報)およびIPアドレスをテーブル形式で保持する。
図14(a)はデータベース121に登録された連動制御情報を示している。連動制御情報は、外部システム情報で登録された外部システム117が利用する連動制御のカメラ103、カメラ103のプリセット位置、出画先モニタ111を登録したテーブルである。この連動制御は、外部システム117に対して映像切換のインターフェースを提供する。1つの連動番号に対して複数のカメラ103を登録可能である。
図14(b)の例では、外部システム117から連動番号1が映像切換制御装置107に入力されると、映像切換制御装置107がデータベース121を検索し、連動番号1に対応する連動制御を行う。図の例では、連動番号1に対応して、2つの連動カメラが登録されている。各連動カメラにつき、登録されたプリセット位置の映像が、登録された所定のモニタに出力される。外部システム117は例えば防犯システムであり、防犯システムで必要とされる映像が連動制御で提供される。
その他、図2のデータベース121において、エンコーダ情報は、エンコーダ105の名称、IPアドレス、接続される映像入力元情報を登録したテーブルである。また、デコーダ情報は、デコーダ109の名称、IPアドレス、接続される映像出力先情報を登録したテーブルである。
以上にデータベース121に登録された各種のデータについて説明した。次にデータベース121を使った映像切換等の動作を説明する。
映像切換の際は、カメラ操作端末113がユーザにより操作されて、モニタ111とカメラ103が選択される。ここでは、まず、モニタ111の選択について説明する。モニタ111の選択操作が行われると、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にモニタ111の選択要求が入力され、この選択要求が映像切換制御装置107に受け付けられる。選択要求は、要求元のカメラ操作端末113と選択されたモニタ111とを特定するデータを含んでいる。
映像切換制御装置107は、モニタ選択要求を受信すると、当該カメラ操作端末113が選択しようとするモニタ111の選択権を有するか否かをデータベース121のモニタ選択権情報から判定する。このとき、映像切換制御装置107は、データベース121のモニタ選択権情報のテーブル(図8)から、選択要求のカメラ操作端末113とモニタ111の組み合わせに対応するデータを検索して、検索したデータが「選択権あり」か「選択権なし」かを判定する。
データベース121から情報を検索する際は、ストアドプロシージャおよびストアドファンクション(以下、ストアドという)を用いて検索が行われる。ストアドは、周知のように、データベースに対する一連の処理を一つのプログラムにまとめ、データベース管理システムに保存したもので、引数を渡してそれに基づいて処理を行ったり、処理結果を返すことができる。戻り値を返すストアドプロシージャがストアドファンクションと呼ばれる。
図15は、モニタ選択要求時のモニタ選択権判定処理のフローチャートである。(1)カメラ操作端末のIDと(2)モニタのIDが受け付けられると、(1)および(2)に該当するモニタ選択権情報(図8)が検索される(S1)。そして、該当レコード取得状況として取得レコードがなしの場合には(S3、なし)、戻り値が「選択権なし」になる(S5)。取得レコードがある場合(S3、あり)、(2)のモニタに該当するモニタ情報(図4)が検索される(S7)。そして、該当レコードがなしの場合は(S9、なし)、戻り値が「選択権なし」になり(S11)、該当レコードがある場合は(S9、あり)、戻り値が「選択権あり」になる(S13)。
次に、カメラ103の選択要求時の動作を説明する。この動作は基本的にモニタ選択動作と同様である。カメラ操作端末113にてカメラ103の選択操作が行われると、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にカメラ103の選択要求が入力され、この選択要求が映像切換制御装置107に受け付けられる。選択要求は、要求元のカメラ操作端末113と選択されたカメラ103とを特定するデータを含んでいる。
映像切換制御装置107は、カメラ選択要求を受信すると、当該カメラ操作端末113が出画しようとするカメラ103の選択権を有するか否かをデータベース121のモニタ選択権情報から判定する。このとき、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ選択権情報のテーブル(図6)から、選択要求のカメラ操作端末113とカメラ103の組み合わせに対応するデータを検索して、検索したデータが「選択権あり」か「選択権なし」かを判定する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。
映像切換制御装置107は、モニタ111およびカメラ103の選択要求がカメラ操作端末113から入力されると、上記のようにして、要求されたモニタ111およびカメラ103の選択権をカメラ操作端末113が持つか否かを、データベース121のデータに基づき判定する。そして、カメラ操作端末113が両選択権を持つとき、映像切換制御装置107は、要求されたカメラ103の映像を、要求されたモニタ111へと送出する。
このようにして、映像切換制御装置107は、カメラ操作端末113からの入力に応じてデータベース121の情報を参照し、該カメラ操作端末113がカメラ選択権を有するカメラ103の映像を該カメラ操作端末113がモニタ選択権を有するモニタ111から出力する。
図16は、上記のモニタ選択権およびカメラ選択権の判定処理のシーケンス図である。カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にモニタ選択要求が送られると、映像切換制御装置107は、データベース121のモニタ情報、カメラ操作端末情報およびモニタ選択権情報から、該当カメラ操作端末113が該当モニタ111の選択権を持つかの検索結果を取得し、モニタ選択可否の判定結果をカメラ操作端末113に返す。モニタ情報およびカメラ操作端末情報にて、該当モニタ111および該当カメラ操作端末113の情報が確認される。
また、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にカメラ選択要求が送られると、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、カメラ操作端末情報およびカメラ選択権情報から、該当カメラ操作端末113が該当カメラ103の選択権を持つかの検索結果を取得し、カメラ選択可否の判定結果をカメラ操作端末113に返す。カメラ情報およびカメラ操作端末情報にて、該当カメラ103および該当カメラ操作端末113の情報が確認される。
以上に映像切換の動作について説明した。次に、カメラ制御の動作について説明する。ここでは、カメラ制御権の判定と制御の優先順位の判定について説明する。
カメラ操作端末113にてカメラ制御の操作が行われると、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にカメラ制御要求が入力され、このカメラ制御要求が映像切換制御装置107に受け付けられる。このカメラ制御要求は、要求元のカメラ操作端末113と制御されるべきカメラ103とを特定するデータを含んでいる。
映像切換制御装置107は、カメラ制御要求を受信すると、当該カメラ操作端末113が制御しようとするカメラ103の制御権を有するか否かをデータベース121のカメラ制御権情報から判定する。このとき、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ制御権情報のテーブル(図7)から、制御要求のカメラ操作端末113とカメラ103の組み合わせに対応するデータを検索して、検索したデータが「制御権あり」か「制御権なし」かを判定する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。
同一のカメラ103に対して、制御権を持つ複数のカメラ操作端末113から、カメラ制御要求が発生する場合がある。このとき、映像切換制御装置107は、複数のカメラ操作端末113から、同じカメラ103に対する制御要求を受け付けることになる。この場合、映像切換制御装置107は、対象カメラ103に関してカメラ操作端末113に定められた優先順位をカメラ優先順位情報から判定し、優先順位が高いカメラ操作端末113に制御権を与えるように動作する。
優先順位の判定は例えば下記のようにして行われる。映像切換制御装置107は、カメラ操作端末113から制御要求を受け取ると、データベース121のカメラ優先順位情報のテーブル(図9)から、対象のカメラ103についてのカメラ操作端末113の優先順位を検索する。また、映像切換制御装置107は、カメラ制御状態情報のテーブル(図10)から、対象のカメラ103についての制御権を取得中のカメラ操作端末113を検索し、そのカメラ操作端末113の優先順位もカメラ優先順位情報のテーブルから検索する。そして、映像切換制御装置107は、検索した優先順位を比較して、優先順位が高い方のカメラ操作端末113に制御権を与え、同カメラ操作端末113を図10のカメラ制御状態情報のテーブルに登録する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。
図17は、上記のカメラ制御権および優先順位の判定処理のシーケンス図である。カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にカメラ制御要求が送られると、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、カメラ操作端末情報およびカメラ制御権情報から、該当カメラ操作端末113が該当カメラ103の制御権を持つかの検索結果を取得する。また、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、カメラ操作端末情報、カメラ優先順位情報およびカメラ制御状態情報から、優先順位の判定結果を取得する。そして、映像切換制御装置107は、カメラ制御可否の判定結果をカメラ操作端末113に返す。したがって、カメラ制御権情報のテーブルに制御権が登録されており、かつ、カメラ制御状態情報のテーブルに登録された他のカメラ操作端末より高い優先順位がカメラ優先順位情報のテーブルに登録されている場合に、カメラ操作端末113は、制御可能の判定結果を受け取る。
カメラ操作端末113は、さらに、カメラ制御内容を映像切換制御装置107に送る。カメラ制御内容は、具体的にいうと、制御項目と制御量を含むデータであり、例えば、制御項目が「旋回(パン・チルト)」であり、制御量が「旋回方向と旋回量(旋回角)」である。映像切換制御装置107は、カメラ情報とカメラ操作端末情報からカメラ制御情報を取得する。カメラ情報のテーブルのカメラ機能の情報が確認される。映像切換制御装置107は、カメラ制御内容に従って対象のカメラ103を制御し、カメラ制御結果をカメラ操作端末113に返す。
このようにして、映像切換制御装置107は、カメラ操作端末113からの入力に応じてデータベース121の情報を参照し、カメラ操作端末113がカメラ制御権を有するカメラ103を制御する。また、映像切換制御装置107は、複数のカメラ操作端末113から同一のカメラ103に対する制御要求が入力されたときにデータベース121の情報を参照し、優先順位が高いカメラ操作端末113からの制御要求に従う。
次に、HDR制御の動作について説明する。カメラ操作端末113にてHDR制御の操作が行われると、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にHDR制御要求が入力され、このHDR制御要求が映像切換制御装置107に受け付けられる。このHDR制御要求は、要求元のカメラ操作端末113と制御されるべきHDR115とを特定するデータを含んでいる。
映像切換制御装置107は、HDR制御要求を受信すると、当該カメラ操作端末113が制御しようとするHDR115の制御権を有するか否かをデータベース121のHDR制御権情報から判定する。このとき、映像切換制御装置107は、データベース121のHDR制御権情報のテーブル(図12)から、制御要求のカメラ操作端末113とHDR115の組み合わせに対応するデータを検索して、検索したデータが「制御権あり」か「制御権なし」かを判定する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。そして、「制御権あり」であれば、カメラ操作端末113は、HDR制御要求に従い、要求に示されるHDR115を制御し、カメラ103の映像を記録させる。
図18は、上記のHDR制御権の判定処理のシーケンス図である。カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にHDR選択要求が送られると、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ操作端末情報、HDR情報およびHDR制御権情報から、該当カメラ操作端末113が該当HDR115の制御権を持つかの検索結果を取得し、制御可否の判定結果をカメラ操作端末113に返す。カメラ操作端末情報およびHDR情報にて、該当カメラ操作端末113および該当HDR115の情報が確認される。
このようにして、映像切換制御装置107は、カメラ操作端末113からの入力に応じてデータベース121の情報を参照し、該カメラ操作端末113が制御権を有するHDR115に映像を記録させる。
次に、外部システムからの映像切換要求に対する連動動作について説明する。連動制御情報(図14)は、外部システム117が映像切換を行う場合に使用される情報である。連動制御情報は、連動番号に対して、連動するカメラとカメラプリセット位置と出画先モニタを保持している。映像切換制御装置107は、外部システム117の識別情報と連動番号とを含む映像切換要求を外部システム117から受信する。
映像切換制御装置107は、外部システム117から映像切換要求を受信すると、データベース121の連動制御情報のテーブル(図14)から、映像切換要求の連動番号に対応する連動制御のデータを検索する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。連動制御のデータは、上述のように登録されたカメラ103、プリセット位置およびモニタ111を含む。検索したデータに従って、映像切換制御装置107は、登録されたカメラ103の映像を登録されたモニタ111が出力するように映像切換制御を行い、かつ、登録されたプリセット位置を撮影するようにカメラ103を制御する。
図19は、上記の外部システム映像切換要求のシーケンス図である。外部システム117から映像切換要求(連動番号)が入力されると、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、外部システム情報および連動制御情報から、入力された連動番号に対応する連動制御情報を検索し、また、カメラ情報、カメラ操作端末情報、カメラ優先順位情報、カメラ制御状態情報および連動制御情報から前述した優先順位判定の情報を取得し、さらに、カメラ情報、モニタ情報および連動制御情報から映像切換情報を取得し、これらの情報を用いて外部システムのために連動制御の映像切換を行い、その結果を外部システム117に返す。
このようにして、映像切換制御装置107は、外部システム117からの入力に応じてデータベース121の情報を参照し、連動制御情報に登録されたカメラ103の映像を連動制御情報に登録されたモニタ111から出力する。
以上に、データベース121を使った映像切換等の動作を説明した。次に、本実施の形態の映像監視システム101における機器構成の変更について説明する。
本実施の形態では、機器構成を変更するときは、メンテナンス装置123によってデータベース121の関連データが書き換えられる。メンテナンス装置123により、データベース121の変更対象のテーブルが読み出され、テーブルが書き換えられ、データベース121に再度格納され、これによりテーブルが更新される。このとき、映像切換制御装置107の制御プログラムのソフトウエアは基本的に変更されなくてよい。映像切換制御装置107は、機器構成の変更に伴って書き換えられたデータベース121のデータを用いて、機器構成の変更前と同じソフトウエアを実行すればよい。これにより、映像監視システム101は、機器構成の変更に対応して動作することができる。
図20は、機器構成変更の登録の例を示している。図20では、映像監視システム101に「VIPカメラ」が追加されるのに伴って、メンテナンス装置123によりデータベース121のカメラ情報のテーブルに対して「VIPカメラ」が登録される。カメラを削除するときも同様であり、データベース121のカメラ情報から該当カメラの登録が削除される。また、モニタの追加、削除、カメラ操作端末の追加、削除、HDRの追加、削除も同様にして、データベース121のモニタ情報、カメラ操作端末情報、HDR情報のテーブルに登録される。
また、上記の機器の追加、削除に伴い、カメラ選択権情報、カメラ制御権情報、モニタ選択権情報、カメラ優先順位情報、HDR制御権情報の変更もメンテナンス装置123によってデータベース121に登録される。例えば、カメラの追加に伴い、そのカメラに対する各端末の制御権および優先順位が、カメラ制御権情報および優先順位情報のテーブルに登録される。また、カメラの削除に伴い、そのカメラに対する制御権および優先順位のデータが、カメラ制御権情報および優先順位情報のテーブルから削除される。
また、機器の追加、削除が行われない場合でも、運用変更に伴ってデータベース121の選択権、制御権および優先順位のテーブルが書き換えられる。これにより、特定のカメラを特定の端末から制御不可にするといったような運用の変更ができる。ここでも、ソフトウエアを変更することなく、制御権等の変更内容に従ってデータベース121を書き換えればよい。映像監視システム101は、書き換えられたデータベース121を使って制御されることで、変更された運用の通りに動作することになる。
一例として、図21は、カメラ優先順位の変更の登録を示している。変更の前後で、ゲート監視カメラに対しての、センター端末1と警官詰所端末の優先順位が入れ替わっている。映像切換制御装置107が登録変更後のデータベース121を参照すれば、ソフトウエアが変わっていないのにも拘わらず、警官詰所端末の制御がセンター端末1の制御よりも優先されることになる。このように、運用ルールが変更されても、データベース121への変更で対応でき、ソフトウエアの変更が発生しないですむ。
その他、外部システム117の追加および削除もデータベース121に登録される。また、カメラ、モニタ、カメラ操作端末および外部システムの追加および削除に伴う変更を含む連動制御情報の変更も、メンテナンス装置123によりデータベース121に登録される。ここでも、ソフトウエアの変更が不要であり、外部システムの変更に容易に対応できる。また、エンコーダ情報およびデコーダ情報の変更もメンテナンス装置123によりデータベース121に登録される。
以上、本発明の好適な実施の形態に係る映像監視システム101について説明した。本実施の形態によれば、カメラ103、モニタ111およびカメラ操作端末113といった機器構成と、カメラ操作端末113毎のカメラ選択権、モニタ選択権といった映像切換制御に必要な情報とをデータベース121に登録しており、機器構成を変更するときは、機器構成の変更とそれに伴う選択権の変更をデータベース121にメンテナンス装置で登録すれば、映像切換制御装置は、変更後のデータベース121の情報を参照することで、機器構成の変更に対応した切換制御を実行する。このようにして、機器構成を登録したデータベース121とそのメンテナンス装置を備えたことで、現場でも容易に機器構成を変更でき、したがって拡張性を向上できる。
また、各カメラ操作端末113の持つカメラ制御権がデータベース121に登録され、メンテナンス装置によって変更される。したがって、各カメラ操作端末113がどのカメラ103のパン、チルト動作などを制御できるかといったシステム動作を容易に変更できる。
また、各カメラ操作端末113による制御の優先順位がデータベース121に登録され、メンテナンス装置によって変更される。したがって、どのカメラ操作端末113に対する制御操作を優先させるかといったシステム動作を容易に変更できる。
また、映像記録装置(本実施の形態ではHDR)と選択権がデータベース121に登録され、メンテナンス装置によって変更される。したがって、映像記録装置に関する機器構成も容易に変更でき、拡張性がさらに向上する。
また、外部システム117と連動制御の情報がデータベース121に登録され、メンテナンス装置によって変更される。したがって、外部システム117に関する変更も容易に実現でき、拡張性がさらに向上する。
従来技術と本実施の形態を比較すると、従来は機器変更の際にソフトウエアの改造が必要であった。しかし、本実施の形態では、機器構成をすべてデータベースに登録することにより、機器構成の変更の際にソフトウエアの改造が不要で、データベースへの追加、削除が行われればよい。また、実施環境としては、従来は開発環境でソフトウエアを改造する必要があったが、本実施の形態では現地でデータベースが書き換えられればよい。そして、機器変更のコストも本実施の形態で大幅に少なくなる。また、スケーラビリティの点でも、本実施の形態は、実用上、ソフトウエアの内部構造に依存しないので有利である。
「第2の実施の形態」
次に、本発明の第2の実施の形態に係る映像監視システムについて説明する。本実施の形態の映像監視システムでは、図1に示された第1の実施の形態に係る映像監視システムと同様の構成を有している。そして、本実施の形態の映像監視システムは、第1の実施の形態に係る映像監視システムとの相違点として、カメラ操作端末毎およびカメラ毎に制御可能な制御項目を登録する機能を備えている。制御項目は、旋回、ズーム等である。
より詳細には、第1の実施の形態では、カメラ操作端末毎およびカメラ毎にカメラ制御権の有無が登録された。しかし、各カメラについて、カメラ制御権を有する複数のカメラ操作端末の間では、制御項目が共通である。より詳細には、一のカメラの制御権を有する複数のカメラ操作端末は、当該カメラの全制御項目の制御が可能であった。しかし、本実施の形態では、各カメラの制御項目毎に、そしてカメラ操作端末毎に、制御の許否が設定され、登録される。この登録により、カメラ操作端末毎に制御可能な項目を変えて、制限することができる。
以下、第2の実施の形態に係る映像監視システムについて、図面を参照して説明する。ただし、第1の実施の形態と共通する事項の説明は省略する。
図22は、本実施の形態におけるデータベース121に登録されたデータを示している。図示のように、本実施の形態のデータベース121は、第1の実施の形態のデータベースの各種データに加えて、カメラ制御項目情報を記憶している。
図23は、図22のデータベース121に登録されたカメラ制御項目情報のテーブルを示している。図23の例では、カメラ1、2、3が旋回カメラである。図示のように、カメラ制御項目情報は、カメラ操作端末毎、カメラの制御項目毎に、制御可否(「制御可能」か「制御不可能」)の設定を登録したテーブルである。
本実施の形態では、予め、カメラ操作端末毎、カメラの制御項目毎に、制御の許否が設定されている。該当制御項目の制御が許可されている場合に、図23のテーブルに「制御可能」が登録され、該当制御項目の制御が許可されていない場合に、図23のテーブルに「制御不可能」が登録されている。
図24に示されるように、本実施の形態の映像監視システムでは、カメラ制御項目情報に従い、例えば、カメラ操作端末1は、カメラ1のパンチルト制御を行うことができるが、カメラ2のパンチルト制御を行うことはできない。一方、カメラ操作端末2は、カメラ1のパンチルト制御を行うことはできないが、カメラ2のパンチルト制御を行うことはできる。
本実施の形態は、上記のカメラ制御項目情報を利用することにより、カメラ操作端末113毎に制御のランクを設定しているということもできる。ここでは、下記の2つのランクA、Bを考える。
「ランクA」(旋回監視):旋回(パン・チルト)、ワイパ、ズーム、アイリスが可能
「ランクB」(固定監視):旋回は不可、ワイパ、ズーム、アイリスは可能
図23の例では、カメラ操作端末1は、カメラ1に対してはランクAを有し、カメラ2、3に対してはランクBを有している。カメラ操作端末2は、カメラ1に対してはランクBを有し、カメラ2、3に対してはランクAを有している。カメラ操作端末3は、カメラ1、3に対してはランクAを有し、カメラ2に対してはランクBを有している。このように、本実施の形態では、カメラ毎、カメラ操作端末毎に、制御のランク付けを個別に登録し、データベース化することができる。
次に、本実施の形態における制御可否リスト(制御可否の一覧)の表示について説明する。各カメラ操作端末113は、下記のように、カメラ制御項目情報を取得して制御可否リストを表示することができる。この制御可否リストは、例えば、操作者によるリスト表示の指示がカメラ操作端末113に入力されたときに行われる。カメラ操作端末113は、映像切換装置107を介して、データベース121からカメラ制御項目情報を受信する。そして、カメラ操作端末113は、図25に示されるように、制御可否リストを表示する。
図25において、カメラ操作端末113のディスプレイの画面には、映像表示部、モニタ選択部、カメラ選択部、カメラリスト表示部、情報表示部といった複数の領域が設けられている。モニタ選択部、カメラ選択部は、各機器の選択操作のために使用される領域である。そして、カメラリスト表示部が、制御可否リストを表示する領域であり、制御可否リストは、図示のように、各カメラの制御項目毎の制御可否の一覧である。
図25の例では、カメラ1の全制御項目が制御可能であり、カメラ2、3については、パン・チルトが不可であるが、残りの制御項目の制御は可能である。図25の例は、図23のカメラ操作端末1に対する制御可否の設定と対応している。
なお、より詳細には、図25の制御可否リストは、図23のカメラ制御項目情報に加えて、既に説明したカメラ選択権情報およびカメラ制御権情報も使って生成および表示される。カメラ制御権を持つことが制御可否の前提であり、カメラ制御権を有するカメラについて、各制御項目の制御可否がリストで表示される。
次に、本実施の形態のカメラ制御項目を用いたカメラ制御動作を説明する。カメラ操作端末113を用いてカメラが選択された後、さらに、カメラ制御内容(旋回、ズーム等)がカメラ操作端末113に入力されたとする。カメラ制御内容は、具体的にいうと、制御項目と制御量を含むデータであり、例えば、制御項目が「旋回(パン・チルト)」であり、制御量が「旋回方向と旋回量(旋回角)」である。
カメラ制御内容は、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107に送信され、映像切換制御装置107に入力される。映像切換制御装置107は、カメラ制御内容を受信すると、データベース121のカメラ制御項目情報のテーブルから、カメラ制御内容に対応する制御項目の制御可否を検索し、そして、検索されたデータが、「制御可能」か「制御不可能」かを判定する。ここでも、データベース121から情報を検索する際は、ストアドを用いて検索が行われる。そして、検索結果が「制御可能」であれば、映像切換制御装置107は、入力された制御内容に従ってカメラを制御する。検索結果が「制御不可能」であれば、映像切換制御装置107は、入力された制御内容に従ったカメラ制御を行わない。
例えば、カメラ操作端末1が、カメラ1を選択して、カメラ制御内容としてパン・チルトと両方向の旋回角とを入力したとする。この場合、映像切換制御装置107は、図23のカメラ操作端末1に対応するカメラ1の制御項目「パン・チルト」の設定を検索する。そして、「パン・チルト」が「制御可能」なので、映像切換制御装置107は、制御内容の要求に従ってカメラ1にパン・チルトのコマンドを送る。
図26は、カメラ制御項目情報が利用されるときの映像監視システムの動作のシーケンス図である。図26では、図17のシーケンス図に対し、データベース中にカメラ制御項目情報が追加されている。まず、図17を用いて説明したように、カメラ操作端末113から映像切換制御装置107にカメラ制御要求が送られると、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、カメラ操作端末情報およびカメラ制御権情報から、該当カメラ操作端末113が該当カメラ103の制御権を持つかの検索結果を取得する。また、映像切換制御装置107は、データベース121のカメラ情報、カメラ操作端末情報、カメラ優先順位情報およびカメラ制御状態情報から、優先順位の判定結果を取得する。そして、映像切換制御装置107は、カメラ制御可否の判定結果をカメラ操作端末113に返す。カメラ制御権情報のテーブルに制御権が登録されており、かつ、カメラ制御状態情報のテーブルに登録された他のカメラ操作端末より高い優先順位がカメラ優先順位情報のテーブルに登録されている場合に、カメラ操作端末113は、制御可能の判定結果を受け取る。
カメラ制御可能の判定結果を受け取ると、さらに、カメラ操作端末113は、カメラ制御内容を映像切換制御装置107に送る。映像切換制御装置107は、カメラ情報とカメラ操作端末情報からカメラ制御情報を取得する。カメラ情報のテーブルのカメラ機能の情報が確認される。
映像切換制御装置107は、さらに、カメラ制御項目情報の該当データを検索して、入力された制御内容に対応する制御項目の制御可否のデータを取得する。ここでは、対象端末および対象カメラの該当制御項目のデータが検索され、「制御可能」か「制御不可能」かが判断される。検索結果が「制御可能」であれば、映像切換制御装置107は、カメラ制御内容に従って対象のカメラ103を制御し、カメラ制御結果をカメラ操作端末113に返す。検索結果が「制御不可能」であれば、映像切換制御装置107は、カメラ制御内容に従ったカメラ103の制御は行わず、制御不可能の通知をカメラ制御結果としてカメラ操作端末113に返す。
次に、本実施の形態におけるカメラ制御項目情報の変更について説明する。カメラ制御項目情報の変更は、他のデータと同様に、メンテナンス装置123によって行われる。すなわち、カメラ等の機器構成を変更するとき、メンテナンス装置123によって、関連データとしてのカメラ制御項目情報が必要に応じて書き換えられる。メンテナンス装置123により、カメラ制御項目情報のテーブルが読み出され、テーブルが書き換えられ、データベース121に再度格納され、これによりテーブルが更新される。このとき、映像切換制御装置107の制御プログラムのソフトウエアは基本的に変更されなくてよい。映像切換制御装置107は、機器構成の変更に伴って書き換えられたデータベース121のデータを用いて、機器構成の変更前と同じソフトウエアを実行すればよい。これにより、映像監視システム101は、機器構成の変更に対応して動作することができる。
上記では、カメラ制御項目情報が、機器構成の変更に伴って行われる。機器構成の変更は、典型的にはカメラ等の要素の追加および削除である。例えば、カメラが追加されると、その新しいカメラがカメラ情報のテーブルに書き加えられる。このとき、カメラ選択権、カメラ制御権等と共に、カメラ制御項目情報のテーブルも書き換えられる。そして、新しいカメラの各制御項目の制御可否が、カメラ操作端末毎に設定される。さらに、カメラ制御項目情報は、機器構成の変更(追加、削除)が行われない場合でも、運用変更に伴ってメンテナンス装置23によって書き換えられてよい。この点も、選択権、制御権等の他のデータと同様である。制御用のソフトウエアを変更しないでも、データベースのテーブルの書換えにより、カメラ操作端末毎、カメラ毎に許可する制御項目を容易に変更することができる。
以上、本発明の第2の実施の形態に係る映像監視システムについて説明した。本実施の形態によれば、データベースが、複数のカメラの各々に対する複数のカメラ操作端末の各々による制御が許可された制御項目を登録したカメラ制御項目情報を記憶している。映像切換制御装置は、複数のカメラ操作端末の各々からの複数のカメラの各々に対する制御項目を含む制御内容の入力に応じてデータベースを参照し、該カメラ操作端末に対する該当制御項目の制御の許否に従って該カメラを制御する。メンテナンス装置は、カメラおよびカメラ操作端末の追加および削除を含む変更を含むカメラ制御項目情報の変更をデータベースに登録する。このような構成により、同じカメラに対する制御可能な項目をカメラ操作端末毎に変え、制限することができる。
そして、本実施の形態によれば、カメラ操作端末の用途毎に制御項目の差別化を実現することができる。各カメラ操作端末が行うべきでないカメラ操作を細かく規定して、カメラの誤操作または誤動作を好適に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、カメラ制御項目情報がデータベースに登録されて、メンテナンス装置によって変更されるので、カメラ操作端末毎およびカメラ毎の制御項目に関するシステム動作を容易に変更できる。
「第3の実施の形態」
次に、本発明第3の実施の形態に係る映像監視システムについて説明する。本実施の形態の映像監視システムは、上述の実施の形態に係る映像監視システムと同様の構成を有している。そして、本実施の形態の映像監視システムは、さらに、映像切換時にカメラ映像を出画した時間の統計情報を管理し、これにより操作端末単位でどのカメラ映像を何時間出画したかを管理し、出画時間に応じた課金額の計算を行う機能を備える。さらに、本実施の形態の映像監視システムは、カメラ制御や映像記録装置(上述の実施の形態ではHDR)の制御についても履歴管理機能と課金計算機能を備える。
上記機能を実現するために、概略的には、映像切換制御装置107が、映像切換制御時、カメラ制御時、および、映像記録装置制御時に、データベース121上の履歴情報を保存するトランザクションテーブルに、機器や時間についての必要な情報を保存しておく。そして、映像切換制御装置107は、保存された履歴情報と、データベース121の課金基準テーブルに登録された時間当たり費用とを用いて、課金情報(課金額データのこと、以下同じ)を計算する。
図27は、本実施の形態におけるデータベース121に登録されたデータを示している。図示のように、本実施の形態のデータベース121は、上述の実施の形態で示された各種のデータに加えて、モニタ出画状態情報、カメラ制御状態情報、HDR制御状態情報、モニタ出画課金基準情報、カメラ制御課金基準情報、HDR制御課金基準情報を記憶している。これらのデータはテーブルのかたちで記憶されている。なお、カメラ制御状態情報は図2および図10に示されるように前述の実施の形態でも記憶されていたが、本実施の形態では後述の如く、より詳細な情報が記憶される。
以下、モニタ出画、カメラ制御および映像記録装置制御に分けて、本実施の形態の履歴管理機能を説明し、それから、それらに関する課金計算機能について説明していく。
「モニタ出画時間の統計情報の管理」
映像切換制御装置107は、カメラ操作端末からの要求に応えて映像切換制御を行った場合に、モニタに出画したカメラ映像の出画開始時間、出画終了時間、切換制御操作を行ったカメラ操作端末の操作履歴に関する情報を、データベース上の履歴情報を保存するトランザクションテーブルに保存する。このテーブルが、本発明のモニタ出画状態情報に相当する。これにより、各モニタに出画したカメラ映像に対する統計情報を管理可能とする。なお、履歴保存対象のカメラ映像には、カメラからの映像に加えて、エンコーダに入力されるその他の映像(HDRやその他PC映像など)も含まれてよい。
図28は、モニタ出画状態履歴管理テーブルの例を示す。本実施の形態では、大規模施設の一例としての空港に備えられた映像監視システムが想定されている。図28のテーブルは、上記のトランザクションテーブルの一例であり、図27のモニタ出画状態情報に該当する。図示のように、各履歴について、モニタ情報(モニタ識別情報)、出画カメラ(カメラ識別情報)、出画開始時間、出画終了時間および切換元カメラ操作端末(端末識別情報)がテーブルのかたちで記録される。出画開始時間および出画終了時間は、日付および時刻の情報である。出画開始時間から出画終了時間までが、1回の出画時間になる。
図の例では、3台のカメラ操作端末が示されている。上述の実施の形態で説明したように、各端末ごとに、当該端末が出画が可能なモニタ、及び、当該カメラ映像の取得可否について、モニタ選択権テーブルおよびカメラ選択権テーブルにて定められている。これらの情報を基に映像切換の可否判断が行われて、その結果の履歴が本実施の形態では図28のテーブルに保存され、このようにしてデータベース処理の中で履歴の統計情報が保存される。
図29は、映像切換時の処理シーケンスを示している。映像切換時には、操作を行うカメラ操作端末からの要求に応じて、映像切換制御装置(制御サーバ)が、指定したモニタに出画可能かどうか(モニタ選択権)、指定したカメラ映像を配信可能かどうか(カメラ選択権)をデータベースに問い合わせる。問合せの結果、当該カメラ操作端末が指定したモニタ、カメラについてそれぞれ選択権を持っている場合は、映像切換制御装置は、映像切換制御を行う。ここまでは、上述の実施の形態の処理シーケンス(図16)と同様である。
本実施の形態では、さらに、映像切換制御装置が、映像切換制御の際、モニタ出画確定に伴って、モニタ出画状態情報のテーブルに、出画したモニタおよびカメラの情報、出画開始時間、出画終了時間、切換操作元端末の情報を記録する。
より詳細には、一つの出画履歴において、出画開始時間は、モニタ出画開始時に図29で示した出画開始時の処理で記録される。出画終了時間は、図29には示されていないが、次の映像切換処理が行われるときに出画終了時点で記録される。出画終了前であって当該モニタに出画中の場合は、図示のように出画終了時間を未定状態にする(この点は以降の他の履歴管理テーブルでも同様である)。また、付言すると、図29の処理では、今回のモニタ出画履歴の開始時間と共に、1つ前のモニタ出画履歴の終了時間も記録される。
データベースへの処理は、上述の実施の形態における他の処理と同様に、ストアドにて構成し、映像切換を行う際に本ストアドをコールすることにより、データベースへモニタ情報の設定を行う。
「カメラ制御時間の統計情報の管理」
次に、カメラ制御時間の統計情報の管理処理について説明する。映像切換制御装置107は、カメラ操作端末からの要求に応えてカメラに対して制御を行う際に、カメラの制御権をカメラ操作端末が取得した時間、開放した時間、及び操作元カメラ操作端末に関する情報を、データベース上の履歴情報を保存するカメラ制御状態トランザクションテーブルに保存する。このテーブルが、本発明のカメラ制御状態情報に相当する。これにより、各カメラに対するカメラ操作端末による制御状態の統計情報を管理可能とする。
図30は、カメラ制御状態履歴管理テーブルの例を示す。図30のテーブルは、上記のトランザクションテーブルの一例であり、図27のカメラ制御状態情報に該当する。図示のように、各制御履歴について、カメラ情報(カメラ識別情報)、制御権取得時間、制御権開放時間および制御元カメラ操作端末(端末識別)がテーブルのかたちで記録される。制御権取得時間および制御権解放時間は、日付と時刻の情報である。制御権取得時間から制御権開放時間までが1回の制御時間になる。
図の例では、3台のカメラ操作端末が示されている。上述の実施の形態で説明したように、各端末ごとに、当該端末が制御可能なカメラの取得可否について、カメラ制御権テーブルにて定められている。この情報を基にカメラの制御可否判定が行われ、その結果の履歴が本実施の形態では図30のテーブルに保存され、このようにしてデータベース処理の中で履歴の統計情報が保存される。
図31は、カメラ制御時の処理シーケンスを示す。カメラ制御時には、操作を行うカメラ操作端末からの要求に応じて、映像切換制御装置が、指定したカメラを制御可能かどうか(カメラ制御権)をデータベースに問い合わせる。問合せの結果、当該カメラ操作端末が指定したカメラについて制御権を持っている場合は、映像切換制御装置は、カメラ操作端末の制御権要求に対して、制御権を与える。制御権を取得したカメラ操作端末は、当該のカメラを制御可能となる。ここまでは、上述の実施の形態の処理シーケンス(図17)と同様である。
本実施の形態では、さらに、映像切換制御装置が、カメラ制御の際、カメラ制御権取得確定の判定に伴い、カメラの制御権の保持状況を、カメラ制御状態情報のテーブルにて管理する。上記のカメラ情報、制御権取得時間、および、制御元カメラ操作端末の情報が記録される。
カメラ制御の終了時についても同様の処理が行われ、このときにはカメラ制御権の開放時間が記録される。すなわち、カメラ制御権解放時には、操作を行うカメラ操作端末からのカメラ制御権解放の要求に応じて、映像切換制御装置が、データベースに制御権解放の処理を行う。映像切換制御装置は、制御権解放可否結果をカメラ操作端末に伝えると共に、カメラ制御権解放確定に伴って解放時間の記録をカメラ制御状態情報のテーブルに対して行う。前述の制御権取得の記録時点から制御権解放の記録時点までが、1回の制御時間になる。
データベースへの処理は、上述の実施の形態における他の処理と同様に、ストアドにて構成し、カメラ操作端末からの制御権取得要求と解放要求に応じて、制御権の更新を行う際に本ストアドをコールすることにより、データベースへカメラ制御権情報の設定を行う。
「映像記録装置制御時間の統計情報の管理」
次に、映像記録装置制御時間の統計情報の管理処理について説明する。映像切換制御装置は、カメラ操作端末からの要求に応えて映像記録装置に対して制御を行う際に、映像記録装置の制御権をカメラ操作端末が取得した時間、開放した時間、及び操作元カメラ操作端末に関する情報を、データベース上の履歴情報を保存する映像記録装置制御状態トランザクションテーブルに保存する。このテーブルが、本発明の映像記録装置制御状態情報に相当する。これにより、各映像記録装置に対するカメラ操作端末による制御状態の統計情報を管理可能とする。本実施の形態の例では、前述のように映像記録装置がHDRである。
図32は、HDR制御状態の履歴管理テーブルの例を示す。図32のテーブルは、上記のトランザクションテーブルの一例であり、図27のHDR制御状態情報に該当する。図示のように、各履歴について、映像記録装置情報(HDR識別情報)、制御権取得時間、制御権開放時間および制御元カメラ操作端末(端末識別情報)がテーブルのかたちで記録される。制御権取得時間および制御権解放時間は、日付および時刻の情報である。制御権取得時間から制御権開放時間までが1回の制御時間になる。
図の例では、3台のカメラ操作端末が示されている。上述の実施の形態で説明したように、各端末ごとに、当該端末が制御可能なHDRの制御権取得可否について、HDR制御権テーブルにて定められている。この情報を基に、HDRの制御可否判定を行われ、その結果の履歴が本実施の形態では図32のテーブルに保存され、このようにしてデータベース処理の中で履歴の統計情報が保存される。
図33は、HDR制御時の処理シーケンスを示す。制御時には、操作を行うカメラ操作端末からの要求に応じて、映像切換制御装置が、指定したHDRを制御可能かどうか(HDR制御権)をデータベースに問い合わる。問合せの結果、当該カメラ操作端末が指定したHDRについて制御権を持っている場合は、映像切換制御装置は、カメラ操作端末の制御権要求に対して、制御権を与える。制御権を取得したカメラ操作端末は、当該HDRを制御可能とする。ここまでは、上述の実施の形態の処理シーケンス(図18)と同様である。
本実施の形態では、さらに、映像切換制御装置が、HDR制御の際、HDR制御権取得確定の判定に伴い、HDRの制御権の保持状況を、HDR制御状態情報のテーブルにて管理する。HDR情報、制御権取得時間、および、制御元カメラ操作端末の情報が記録される。
HDR制御の終了時についても同様の処理が行われ、このときにはHDR制御権の開放時間が記録される。すなわち、HDR制御権解放時には、操作を行うカメラ操作端末からのHDR制御権解放の要求に応じて、映像切換制御装置が、データベースに制御権解放の処理を行う。映像切換制御装置は、制御権解放可否結果をカメラ操作端末に伝えると共に、HDR制御権解放確定に伴って解放時間の記録をHDR制御状態情報のテーブルに対して行う。前述の制御権取得の記録時間から制御権解放の記録時間までが、1回の制御時間になる。
データベースへの処理は、上述の実施の形態における他の処理と同様に、ストアドにて構成し、カメラ操作端末からの制御権取得要求と解放要求に応じて、制御権の更新を行う際に本ストアドをコールすることにより、データベースへHDR制御権情報の設定を行う。
「課金情報計算処理」
以上に、モニタ出画時間、カメラ制御時間および映像記録装置制御時間の履歴管理機能(統計情報管理機能)について説明した。次に、これら履歴情報に基づく課金情報(課金額データ)の計算処理について説明する。
本実施の形態の映像監視システムは、上記3つの履歴情報に対して、モニタ出画、カメラ制御、映像記録装置制御のそれぞれについて、使用時間に応じた課金が可能なように、課金に必要な情報を課金基準テーブルに設定する。課金基準テーブルはデータベースに登録される。課金基準テーブルへの設定、変更は、上述の実施の形態で説明されたメンテナンス装置から行うものとする。
また、本システムは、課金基準テーブルとして、モニタ出画時間課金用、カメラ制御時間課金用、映像記録装置制御時間課金用のそれぞれのテーブルを持ち、かつそれぞれを個別に設定可能とする。また、モニタ選択権、カメラ選択権により、当該カメラ操作端末が選択権を持たないカメラ(そもそも選択することができないカメラ)については、課金情報テーブル上も識別して処理する。カメラ制御権および映像記録装置の制御権についても同様である。
上記の3つのテーブルが、本発明のモニタ出画課金基準情報、カメラ制御課金基準情報および映像記録装置制御課金基準情報に相当する。以下、モニタ出画、カメラ制御および映像記録装置制御の各々について、課金情報計算処理を説明する。
「モニタ出画の課金情報処理」
図34は、モニタ出画課金基準テーブルの例を示している。このテーブルは、図27のデータベース上のモニタ出画課金基準情報に対応する。図示のように、各モニタ及び各カメラのそれぞれの組合せについて、個々に出画単位時間当たりの費用が設定されている。モニタとカメラの組合せの課金情報を個々に設定可能とすることにより、運用状況に応じて、詳細な課金サービスを提供することが可能となる。また、カメラ追加等のシステム拡張に伴う図34のテーブルの変更は、本実施の形態のメンテナンス装置(図1、符号123)によって登録される。
映像切換制御装置は、カメラ操作端末からの課金情報計算の要求に応えて、図27のモニタ出画状態の履歴情報のテーブルと、図34の課金基準情報のテーブルに従い、課金情報を計算する。
まず、1回の出画履歴の課金情報を計算する処理を説明する。モニタ出画状態のテーブルから、課金情報計算の要求を送ったカメラ操作端末の履歴が参照される。そして、各回の出画履歴に含まれるモニタとカメラの組合せに対応する時間当たりの費用が、課金基準情報のテーブルから求められる。この時間当たり費用に、履歴中の出画時間(出画開始時間から出画終了時間までの時間)を掛けると、1回の出画履歴の課金情報が算出される。
実際のシステムでは、複数回の出画についての集計処理が好適に行われる。例えば、毎月の情報が集計されて、1ヶ月の課金情報が算出される。このとき、カメラ操作端末では集計操作が行われる。そして、集計の要求が映像切換制御装置に送られ、映像切換制御装置は課金情報の集計処理を行う。
図35は、テーブル情報を元に操作端末から集計操作を行った場合のシーケンスを示している。カメラ操作端末からの集計操作要求に応えて、映像切換制御装置が、モニタ出画状態情報とモニタ出画課金基準情報を取得し、集計処理を行い、集計結果応答をカメラ操作端末に送る。
図36(a)、図36(b)、図36(c)に示されるように、集計処理は複数のパターンで行うことができる。まず、図36(a)に示されるように、モニタ単位で課金情報が集計される。
また、本実施の形態は、モニタ単位で細かく履歴情報を管理している。そこで、図36(b)に示されるように、モニタに対する事業者識別を別途行うことにより、事業者ごとに課金情報を集計可能となる。図中のモニタと事業者の対応関係のテーブルは、他のテーブルと同様にデータベース121に登録され、メンテナンス装置123によってメンテナンスされてよい。
さらに、図36(c)に示されるように、操作元のカメラ操作端末を基準として課金情報の集計を行うことも可能となる。ここでも、操作元のカメラ操作端末の事業者識別を行うことにより、操作元の事業者ごとの課金情報集計も可能となる。カメラ操作端末と事業者の対応関係のテーブルも、図示されないが、他のテーブルと同様にデータベース121に登録され、メンテナンス装置123によってメンテナンスされてよい。
なお、どのパターンの集計を行うかは、予め設定されていてもよく、また、カメラ操作端末の操作に応じて選択されてもよい(この点は、以降の他の課金情報集計においても同様である)。
「カメラ制御の課金情報処理」
図37は、カメラ制御課金基準テーブルの例を示している。このテーブルは、図27のデータベース上のカメラ制御課金基準情報に対応する。図示のように、各カメラおよび各カメラ操作端末のそれぞれの組合せについて、個々にカメラ制御単位時間当たりの費用が設定されている。カメラとカメラ操作端末の組合せの課金情報を個々に設定可能とすることにより、運用状況に応じて、詳細な課金サービスを提供することが可能となる。また、カメラ追加等のシステム拡張に伴う図37のテーブルの変更は、本実施の形態のメンテナンス装置によって登録される。
また、カメラ制御権情報のテーブルにおいてカメラ操作端末が制御権を持たないカメラ(そもそも制御することができないカメラ)については、図示のように、課金基準テーブル上も識別して処理される。すなわち、カメラ操作端末が制御権を持たないカメラの基準料金は、図37のテーブル上で設定されず、その組合せの課金情報が計算されることもない。図の例では、例えば、警官詰所用端末とPTB2F出国ゲートカメラの組合せが該当する。
映像切換制御装置は、カメラ操作端末からの課金情報計算の要求に応えて、図30のカメラ制御状態の履歴情報のテーブルと、図37の課金基準情報のテーブルに従い、課金情報を計算する。
1回の制御履歴の課金情報を計算する処理としては、カメラ制御状態のテーブルから、課金情報計算の要求を送ったカメラ操作端末の履歴が参照される。そして、各回の制御履歴に含まれるカメラとカメラ操作端末の組合せに対応する時間当たりの費用が、課金基準情報のテーブルから求められる。この時間当たり費用に、履歴中のカメラ制御時間(制御権取得時間から制御権解放時間までの時間)を掛けると、1回のカメラ制御履歴の課金情報が算出される。
実際のシステムでは、複数回のカメラ制御についての集計処理が好適に行われる。例えば、毎月の情報が集計されて、1ヶ月の課金情報が算出される。このとき、カメラ操作端末では集計操作が行われる。そして、集計の要求が映像切換制御装置に送られ、映像切換制御装置は課金情報の集計処理を行う。
図38は、テーブル情報を元に操作端末から集計操作を行った場合のシーケンスを示している。カメラ操作端末からの集計操作要求に応えて、映像切換制御装置が、カメラ制御状態情報とカメラ制御課金基準情報を取得し、集計処理を行い、集計結果応答をカメラ操作端末に送る。
図39(a)、図39(b)に示されるように、集計処理は複数のパターンで行うことができる。まず、図39(a)に示されるように、カメラ単位で課金情報が好適に集計される。
また、本実施の形態は、カメラとカメラ操作端末の組み合わせ単位で細かく履歴情報を管理している。そこで、図39(b)に示されるように、カメラ操作端末に対する事業者識別を別途行えば、事業者ごとに課金情報を集計可能となる。図中のカメラ操作端末と事業者の対応関係のテーブルは、他のテーブルと同様にデータベース121に登録され、メンテナンス装置123によってメンテナンスされてよい。
「映像記録装置制御の課金情報処理」
図40は、映像記録装置制御課金基準テーブルの例を示している。このテーブルは、図27のデータベース上のHDR制御課金基準情報に対応する。図示のように、各HDRおよび各カメラ操作端末のそれぞれの組合せについて、個々に単位時間当たりの費用が設定されている。HDRとカメラ操作端末の組合せの課金情報を個々に設定可能とすることにより、運用状況に応じて、詳細な課金サービスを提供することが可能となる。また、HDRの追加等のシステム拡張に伴う図40のテーブルの変更は、本実施の形態のメンテナンス装置によって登録される。
また、HDR制御権情報のテーブルにおいてカメラ操作端末が制御権を持たないHDR(そもそも制御することができないHDR)については、課金基準テーブル上も識別して処理される。すなわち、カメラ操作端末が制御権を持たないHDRの基準料金は、図40のテーブル上で設定されず、その組合せの課金情報が計算されることもない。図の例では、例えば、警官詰所用端末AとPTB常録HDRの組合せが該当する。
映像切換制御装置は、カメラ操作端末からの課金情報計算の要求に応えて、図32のHDR制御状態の履歴情報のテーブルと、図40の課金基準情報のテーブルに従い、課金情報を計算する。
1回の制御履歴の課金情報を計算する処理としては、HDR制御状態情報のテーブルから、課金情報計算の要求を送ったカメラ操作端末の履歴が参照される。そして、各回の制御履歴に含まれるHDRとカメラ操作端末の組合せに対応する時間当たりの費用が、課金基準情報のテーブルから求められる。この時間当たり費用に、履歴中のHDR制御時間(制御権取得時間から制御権解放時間までの時間)を掛けると、1回のHDR制御履歴の課金情報が算出される。
実際のシステムでは、複数回の制御についての集計処理が好適に行われる。例えば、毎月の情報が集計されて、1ヶ月の課金情報が算出される。このとき、カメラ操作端末では集計操作が行われる。そして、集計の要求が映像切換制御装置に送られ、映像切換制御装置は課金情報の集計処理を行う。
図41は、テーブル情報を元に操作端末から集計操作を行った場合のシーケンスを示している。カメラ操作端末からの集計操作要求に応えて、映像切換制御装置が、HDR制御状態情報とHDR制御課金基準情報を取得し、集計処理を行い、集計結果応答をカメラ操作端末に送る。
図42(a)、図42(b)に示されるように、集計処理は複数のパターンで行うことができる。まず、図42(a)に示されるように、HDR単位で課金情報が好適に集計される。
また、本実施の形態は、HDRとカメラ操作端末の組合せ単位で細かく履歴情報を管理している。そこで、図42(b)に示されるように、HDRに対する事業者識別を別途行えば、事業者ごとに課金情報を集計可能となる。図中のカメラ操作端末と事業者の対応関係のテーブルは、他のテーブルと同様にデータベース121に登録され、メンテナンス装置123によってメンテナンスされてよい。
以上に、モニタ出画、カメラ制御および映像記録装置制御についての課金情報計算処理を説明した。なお、既に説明した通り、上記処理で使われた課金基準テーブル(図34、図37、図40)は、本実施の形態のメンテナンス装置によって登録され、メンテナンスされる。カメラ追加等の映像システムの拡張に対しても、メンテナンス装置から課金基準テーブルを書き換えることで、拡張後のシステムに適合した課金処理を行える。したがって、本実施の形態は、課金処理に関しても、前述の実施の形態と同様、システム拡張性向上の要求に容易に好適に応えることを可能にする。
また、上記の集計処理は、カメラ操作端末からの要求に応じて行われた。個々の端末で集計可能な課金情報は、自端末や自事業者に関係する課金情報のみ可能とすることが好適である。これに対して、システム全体の課金情報については、保守を行うメンテナンス装置の操作によって集計、閲覧可能とすることが好適である。
「適用例」
次に、図43を参照し、第3の実施の形態に係る映像監視システムが好適に適用される例を説明する。
図43に示されるように、大規模な映像監視システムにおいては、複数の事業者の共同出資により、設備の導入がなされることが考えられる。図43の例では、空港運営会社、警備会社、警察関係により設備が導入され、3者の設備が合わさって全体の映像監視システムが構成される。図43を図1の映像監視システムのブロック図と比較すると、図43の映像切換機が、図1に示された本発明の映像切換制御装置とデータベース、メンテナンス装置に相当している。また、図1のモニタ、カメラ、カメラ操作端末、エンコーダ、デコーダは図43にも示されている。HDRは図43では示されていないが、適当に設けられてよい。また、図43に示す通り本実施の形態の映像監視システムの各種機器はネットワークで接続されており、この点は図1に関連して説明した通りである。
さて、上記のように複数の事業者により共同で設備が導入される場合、それぞれが主として使用する機器については、各事業者が設備を導入する。しかし、同じカメラの映像を同時に出画可能であるので、他事業者も同じカメラ映像を選択および出画することが可能である。この時、事業者間をまたいでカメラ映像を配信するような場合に、使用時間を管理して課金を行うことが好適である。そして、このような課金を実現するために、課金を行うべきカメラとモニタの組合せに対して、図34のモニタ出画の課金基準テーブル上で基準料金(時間当たり費用)が設定される。課金が不要な組合せに対しては図34に示される通り基準料金が0円でよい。
同様に、ある事業者が他事業者のカメラを制御する場合にも、使用時間を管理して課金を行うことが好適である。そして、図37のカメラ制御の課金基準テーブル上でも、課金を行うべきカメラとカメラ操作端末の組合せに対して基準料金が設定される。他事業者の映像記録装置を制御する場合も同様であり、使用時間の管理と課金が行われ、そのために図40の課金基準テーブル上にて基準料金が設定される。
上述したように、本実施の形態では、複数事業者による設備導入時に、運用に応じて柔軟に課金方法を設定および変更できる。したがって、本実施の形態の履歴管理と課金機能は、監視システムの導入に複数の事業者が介在するような大規模映像監視システムにおいて効果的である。
図44は、第3の実施の形態に係る映像監視システムが好適に適用されるもう一つの例を示している。図44の例は、監視エリアの拡大に従い、順次監視設備の拡張を行ってきた映像監視システムである。大規模拡張により、既設設備を流用しつつ、拡張が行われている。このような場合、旧来の設備内での監視では従来どおりの監視を行うが、新規設備にて既設のカメラ映像を表示させる場合や、逆に既設設備にて新規設備の装置を制御する場合に課金を行う。この課金も、図43の例と同様にして、本実施の形態の課金機能によって好適に実現される。
図44の例についてより詳細に説明しておく。既存の設備としてアナログ映像監視システムが存在している。監視エリアの拡大に伴い、順次カメラ及び監視場所の拡大を行っており、各エリアごとで設備の所有者や運営会社が異なる。図では2つのアナログ映像監視システムが右側領域に示されている。
このような状況において、監視カメラ設備の老朽化に伴い、図44の左側領域に示されるように、本実施の形態のようなIPネットワークを利用したデジタル映像ネットワークタイプの映像監視システムが導入され、既存のアナログ映像監視システムと統合されるとする。この場合、既存システムのカメラが、デコーダに接続されて、本実施の形態の映像監視システムの一員なる。これにより、エリアをまたがった映像もIPネットワークを経由して出画可能となる。しかし、運用上の都合により、エリアをまたがる場合には、出画時間や制御時間に応じた課金が必要となることがある。このような場面で本発明の課金機能が好適に適用される。
上述したように、本実施の形態では、旧来のシステムを統合して、監視エリアの拡大を行う場合に、新旧のシステムをまたぐような設備の利用時に、運用に応じて柔軟に課金方法の設定および変更ができる。このように、本実施の形態の履歴管理と課金機能は、旧来のシステムを統合して監視エリアの拡大を行う場合にも効果的に適用される。
以上に、本発明の第3の実施の形態に係る映像監視システムについて説明した。本実施の形態によれば、映像切換制御装置が、カメラ操作端末からの入力に従って映像切換制御を行ったときに上述のようなモニタ出画状態情報をデータベースに記録する。したがって、どのカメラ操作端末からの指示でどのカメラの映像をどのモニタからどれくらいの時間にわたって出画したのかといったモニタ出画履歴の統計情報を管理できる。本発明のデータベースと映像切換装置の構成を活用し、映像切換制御装置が、カメラ操作端末からの指示でデータベースを利用するときに履歴情報をもデータベースに記録することにより、履歴情報を簡単な構成で管理できる。
また、本実施の形態では、上述のように、モニタ出画の履歴情報とモニタ出画時間課金基準情報を用いることによってモニタ出画時間に応じた課金を行える。本発明のデータベースを利用し、カメラとモニタの組合せに応じた基準料金を登録することにより、それら機器の組合せに応じて柔軟に料金基準を設定でき、これにより課金処理を好適に行える。さらには、データベースへの基準料金の登録を上述のメンテナンス装置から行うことにより、カメラ増設等のシステム拡張にも好適に対応できる。
また、本実施の形態によれば、映像切換制御装置が、カメラ操作端末の入力に従ってカメラ制御を行ったときに上述のようなカメラ制御状態情報をデータベースに記録する。したがって、どのカメラ操作端末がどのカメラの制御をどれくらいの時間にわたって行ったたのかといったカメラ制御履歴の統計情報を管理できる。本発明のデータベースと映像切換装置の構成を活用し、映像切換制御装置が、カメラ操作端末からの指示でデータベースを利用するときに履歴情報をもデータベースに記録することにより、履歴情報を簡単な構成で管理できる。
また、本実施の形態では、上述のようにカメラ制御の履歴情報とカメラ制御課金基準情報を用いることによってカメラ制御時間に応じた課金を行える。本発明のデータベースを利用し、カメラとカメラ操作端末の組合せに応じた基準料金を登録することにより、それら機器の組合せに応じて柔軟に料金基準を設定でき、これにより課金処理を好適に行える。さらには、データベースへの基準料金の登録を上述のメンテナンス装置から行うことにより、カメラ増設等のシステム拡張にも好適に対応できる。
また、本実施の形態によれば、映像切換制御装置が、カメラ操作端末からの入力に従って映像記録装置制御を行ったときに上述のような映像記録装置制御状態情報をデータベースに記録する。したがって、どのカメラ操作端末がどの映像記録装置の制御をどれくらいの時間にわたって行ったたのかといった映像記録装置の制御履歴の統計情報を管理できる。本発明のデータベースと映像切換装置の構成を活用し、映像切換制御装置が、カメラ操作端末からの指示でデータベースを利用するときに履歴情報をもデータベースに記録することにより、履歴情報を簡単な構成で管理できる。
また、本実施の形態では、上述のように映像記録装置制御の履歴情報と課金基準情報を用いることによって映像記録装置の制御時間に応じた課金を行える。本発明のデータベースを利用し、映像記録装置とカメラ操作端末の組合せに応じた基準料金を登録することにより、それら機器の組合せに応じて柔軟に料金基準を設定でき、これにより課金処理を好適に行える。さらには、データベースへの基準料金の登録を上述のメンテナンス装置から行うことによりシステム拡張にも好適に対応できる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。