JP4732278B2 - 電池管理装置、電池管理システム及び電池管理方法 - Google Patents

電池管理装置、電池管理システム及び電池管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池管理装置、電池管理システム及び電池管理方法、特に、電源から供給される電圧により組電池を構成する複数の二次電池の充電を行なう電池管理装置、電池管理システム及び電池管理方法に関する。
繰り返して充電し放電できる二次電池を直列に接続して組電池として使用する場合、全ての二次電池の容量あるいは内部抵抗が常に同じであれば、各二次電池をバランス良く充電することができる。しかしながら、実際には、二次電池の容量あるいは内部抵抗には若干のばらつきが存在する。更に、初期において二次電池の内部抵抗が同じであったとしても充電を継続すると、時間の経過に伴って二次電池の内部特性が変化し、二次電池の容量に変化が生じる。その結果、各二次電池のバランスが崩れて二次電池の充電電圧にばらつきが生じ、二次電池の寿命や性能を低下させることになる。
特に、二次電池としてリチウムイオン二次電池を用いる場合において、充電電圧のバランスを抑制することは重要であり、中でも規定を越えた充電電圧の上昇を抑制することは、安全性の確保の観点から最重要視されている。
図8は、従来から知られている電池管理システム110の概略構成図である。この電池管理システム110は、直流電源60から負荷80及び電池管理装置100に直流電圧を供給している。電池管理装置100は、制御部70、組電池70、電圧調整部50a〜50lを有する。組電池70は、直列に接続された12個の二次電池70a、70b、70c、70d、・・・、70lからなる。
この電池管理装置100では、二次電池70a〜70lの充電電圧のばらつきを抑制するために、シャントレギュレータを用いた電圧調整部50を各二次電池に取付けている(特許文献1参照)。
また、電圧調整部50a〜50lは、使用中に常時、二次電池70a〜70lの電池電圧の監視を行ない、電池電圧が予め設定された電圧値になった場合には、二次電池1a〜1lと並列に設けられた電圧調整部50a〜50l内のバイパス回路に充電電流をバイパスさせることにより、二次電池70a〜70lの電池電圧の上昇を抑えている。ここで、使用中とは、組電池70の放電後の回復充電中、及び、回復充電完了後のフロート充電中の状態をいう。
従来の技術では、電圧調整部50a〜50lにおける電圧制御の目標電圧は一定値に設定されていた。例えば、二次電池としてリチウムイオン二次電池を用いる場合、リチウムイオン二次電池1個当たりの電池電圧として4.1(V)や4.2(V)のものが用いられる。そして、直流電源60の出力電圧として、二次電池1a〜1lの電池電圧に、組電池を構成する二次電池の数(例えば、12個)を乗算して求まる電圧を設定していた。
特開2000−354335号公報
しかしながら、従来の技術では、直流電源60の出力電圧は負荷80に電流を供給すると変動する。例えば、直流電源60の出力電圧が4.1(V)の場合には、図9に示すような特性を有する。図9において、横軸は負荷率(%)を示している。また、図9において、縦軸の左側は、直流電源の出力電圧(V)を示しており、縦軸の右側は、二次電圧の電池電圧(V/個)を示している。
図9に示すように、組電池70が完全充電状態でも負荷80に電流を供給すると、その負荷に供給する電流の電流値に応じて、直流電源60の出力電圧が変動する。図9において、負荷率を100(%)とすると直流電源60の出力電圧は約48.8(V)となる。直列に接続した12個のリチウムイオン二次電池により組電池70を構成し、電圧調整部50a〜50lにおける電圧調整の設定電圧を4.1(V)とすると、回復充電中、もしくは回復充電完了後、10個ないしは11個の二次電池が4.1(V)に達しても、残りの二次電池は低い電圧のまま保たれてしまう恐れがある。
即ち、11個の二次電池が4.1(V)に達していると、これらの11個の二次電池を直列接続した組電池70の電圧は45.1(V)(=4.1(V)×11個)であり、残り1個の電池電圧は3.7(V)(=48.8(V)−45.1(V))にしか達しない。
また、10個の二次電池の電圧が4.1(V)に達していると、これらの10個の二次電池を直列接続した組電池70の電圧は41(V)(=4.1(V)×10個)であり、残り2個の二次電池は7.8(V)を分け合う。2つの二次電池で7.8(V)を均等に使用して充電した場合であっても、3.9(V)にしか達しない。
リチウムイオン二次電池の容量は回復充電電圧に大きく依存し、ほぼ電圧値に比例しており、充電電圧が低いと容量が低い。そして、リチウムイオン二次電池の放電においては、二次電池の保護の観点から一定の電圧まで電池電圧が低下したら放電を終了させる必要がある。従って、組電池70内で1個だけ容量の低い二次電池が含まれた状態で組電池70の放電を行なうと、電池電圧が低く容量が少ない二次電池が最初に放電終了電圧に達した段階で、組電池70の放電が終了してしまい、組電池70に蓄電された全電力を使用することができないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組電池に蓄電された全電力を使用することができる電池管理装置、電池管理システム及び電池管理方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の二次電池が直列に接続された第1の組電池であって、複数の当該第1の組電池が並列に接続されて構成され、電源の出力に負荷と並列に接続された第2の組電池と、電源から前記第2の組電池に供給される電圧を前記第1の組電池の端子ごとに計測する電圧計測手段と、前記第1の組電池を構成する二次電池の数を前記第1の組電池ごとに記憶する二次電池数記憶手段と、前記電圧計測手段が計測する電圧と、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数とに基づいて、各二次電池の充電電圧の上限である目標電圧を前記第1の組電池ごとに算出する目標電圧算出手段と、前記各二次電池ごとに設けられ、各二次電池の電池電圧が前記目標電圧以下となるように、前記電源から前記第2の組電池に供給される電圧を各二次電池に供給する電圧供給手段とを有することを特徴とする電池管理装置である。
本発明では、電源から組電池に供給される電圧を電圧計測手段が計測し、組電池を構成する二次電池の数を二次電池数記憶手段が記憶し、電圧計測手段が計測する電圧と、二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数とに基づいて、各二次電池の充電電圧の上限である目標電圧を目標電圧算出手段が算出し、各二次電池の電池電圧が目標電圧以下となるように、電源から組電池に供給される電圧を各二次電池に電圧供給手段が供給するようにした。よって、各二次電池に目標電圧以下の電圧を均等に供給することができ、各二次電池の充電電圧にばらつきが生じることを防ぐことが可能となる。これにより、複数の二次電池のいずれかの二次電池の充電電圧が低いことによって、組電池全体の負荷等に対する放電が途中で停止することを防ぐことができ、組電池に蓄電された全電力を使用することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記各二次電池ごとに設けられ、二次電池の電池電圧が前記目標電圧よりも大きくなった場合に、その二次電池に供給される電流をバイパスさせるバイパス手段を有することを特徴とする電池管理装置である。
本発明では、二次電池の電池電圧が目標電圧よりも大きくなった場合に、その二次電池に供給される電流をバイパスさせるようにした。よって、充電電圧が目標電圧に達していない二次電池を、バイパス電流によって充電することができるので、各二次電池を均等に目標電圧まで充電することができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記目標電圧算出手段は、前記電圧計測手段が計測する電圧を、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数で除算することにより前記目標電圧を算出することを特徴とする電池管理装置である。
本発明では、電圧計測手段が計測する電圧を、二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数で除算することにより目標電圧を目標電圧算出手段が算出するようにした。よって、電源から組電池に供給される電圧を、各二次電池に均等に供給することができ、各二次電池の充電電圧にばらつきが生じることを防ぐことが可能となる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれか項に記載の電池管理装置と、前記電池管理装置と並列に接続される負荷と、前記電池管理装置と前記負荷とに電圧を供給する電源とを有することを特徴とする電池管理システムである。
また、請求項5に記載の発明は、複数の二次電池が直列に接続された第1の組電池であって、複数の当該第1の組電池が並列に接続されて構成され、電源の出力に負荷と並列に接続された第2の組電池に、前記電源から供給される電圧を電圧計測手段が前記第1の組電池の端子ごとに計測する第1のステップと、前記第1の組電池を構成する二次電池の数を前記第1の組電池ごとに記憶する二次電池数記憶手段と、前記電圧計測手段が計測する電圧を、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数で除算することにより、各二次電池の充電電圧の上限である目標電圧を目標電圧算出手段が前記第1の組電池ごとに算出する第2のステップと、各二次電池の電池電圧が前記目標電圧以下となるように、前記電源から各二次電池に供給される電圧を、前記各二次電池ごとに設けられる電圧供給手段が各二次電池に供給する第3のステップとを有することを特徴とする電池管理方法である。

本発明では、複数の二次電池のいずれかの二次電池の充電電圧が低いことによって、組電池全体の負荷等に対する放電が途中で停止することを防ぐことができ、組電池に蓄電された全電力を使用することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による電池管理装置10の概略構成図である。この電池管理装置10は、組電池1、制御部3、電圧調整部5a、5b、5c、5d、・・・、5l、充電電圧検出部7を有する。
組電池1は、直列に接続された12個の二次電池1a、1b、1c、1d、・・・、1lにより構成されている。なお、組電池1を構成する二次電池の数は、12個に限定されるものではない。組電池1の両端は、電池管理装置10の端子p1、端子p2にそれぞれ接続されている。本実施形態では、二次電池としてリチウムイオン二次電池を用いているが、二次電池として鉛蓄電池などを用いてもよい。
制御部3は、電圧調整部5a〜5lと、充電電圧検出部7とに接続されている。制御部3については、図3を参照して後述する。
電圧調整部5a、5b、5c、5d、・・・、5lは、二次電池1a、1b、1c、1d、・・・、1lの両端にそれぞれ接続されるとともに、制御部3に接続されている。電圧調整部については、図3を参照して後述する。
充電電圧検出部7は制御部3に接続されており、計測する電圧を制御部3に出力する。
図2は、本発明の実施形態による電池管理システム11の概略構成図である。この電池管理システム11では、電池管理装置10(図1)の端子p1に、直流電源2(電源)の一方の端子と負荷4の一方の端子とを接続している。また、電池管理装置10の端子p2に、直流電源2の他方の端子と負荷4の他方の端子とを接続している。
本発明の実施形態では、電池管理装置10の一方の端子p1から敷設された配線と負荷4の一方の端子から敷設された配線とが接続される接続点q1と、直流電源2の一方の端子との間に、充電電圧検出部7を設置している。
直流電源2は、電池管理装置10や負荷4に電圧を供給する。負荷4は、通信装置などであり、直流電源2や電池管理装置10から供給される電力を利用して駆動する。
図3は、本発明の実施形態による電池管理装置10の具体的な構成を示す回路図である。制御部3は、電圧計測部31(電圧計測手段)、二次電池数記憶部32(二次電池数記憶手段)、電圧演算部33(目標電圧算出手段)、電圧コントローラ34a、・・・、34k、34lを有する。
電圧計測部31は、充電電圧検出部7が出力する、直流電源2(図2参照)から組電池1及び負荷4に供給される電圧Vaを取得し、その電圧Vaを電圧演算部33に出力する。
二次電池数記憶部32は、組電池1を構成する二次電池の数Nを記憶する。本実施形態では、組電池1は12個の二次電池1a〜1lにより構成されているため、二次電池数記憶部32は、二次電池の数Nとして12を記憶する。
電圧演算部33は、電圧計測部31が出力する電圧Vaと、二次電池数記憶部32が記憶する二次電池の数Nとに基づいて、各二次電池1a〜1lの充電電圧の上限である目標電圧Vpを算出する。より具体的には、電圧演算部33は、電圧計測部31が計測する電圧Vaを、二次電池数記憶部32が記憶する二次電池の数Nで除算することにより目標電圧Vp(=Va/N)を算出する。電圧演算部33は、算出した目標電圧Vpを、各電圧コントローラ34a〜34lに出力する。
電圧コントローラ34kは、電圧演算部33から目標電圧Vpを取得し、電圧調整部5kに出力することにより、二次電池1kの電池電圧が目標電圧Vp以下となるように、直流電源2から組電池1に供給される電圧を二次電池1kに供給する。また、電圧コントローラ34kは、二次電池1kの電池電圧や、後述するバイパス電流値を電圧調整部5kから取得し、制御部3に出力する。なお、電圧コントローラ34a〜34j、34lの構成は、電圧コントローラ34kの構成と同じであるので、それらの説明を省略する。
図4は、本発明の実施形態による電圧演算部33の処理を示すフローチャートである。
始めに、電圧演算部33は、電圧計測部31から電圧Vaを取得する(ステップS11)。そして、電圧演算部33は、二次電池数奇オブ32から二次電池の数Nを読み出す(ステップS12)。
そして、電圧演算部33は、電圧Vaと二次電圧の数Nとから目標電圧Vp(=Va/N)を算出する(ステップS13)。そして、電圧演算部33は、ステップS13で算出した目標電圧Vpを電圧コントローラ5a〜5lに出力する(ステップS14)。
そして、電圧演算部33は、内蔵するタイマを参照することにより、所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かについて判定する(ステップS15)。所定時間が経過していない場合(ステップS15で「NO」)には、電圧演算部33は所定時間が経過するまで待機する。一方、所定時間が経過した場合(ステップS15で「YES」)には、ステップS11に進む。
次に、図3の電圧調整部5kについて説明する。なお、電圧調整部5a〜5j、5lの構成は、電圧調整部5kと同様であるので、それらの説明を省略する。電圧調整部5kは、バイパス電流制御素子41、バイパス電流制限素子42、バイパス電流測定素子43、電池電圧誤差増幅器44、電池電圧測定用誤差増幅器45を有している。
バイパス電流制御素子41、バイパス電流制限素子42、バイパス電流測定素子43は、直列に接続されており、バイパス回路(バイパス手段)を構成している。このバイパス回路は、二次電池1kと並列に接続されている。
バイパス電流制御素子41は、トランジスタなどの素子であり、電池電圧誤差増幅器44から制御信号を受信した場合に、充電電流のうち二次電池1kの充電に使用しない電流であるバイパス電流をバイパス回路に流れるように制御する。
バイパス電流制限素子42は、ヒューズなどの素子であり、バイパス回路にバイパス可能な電流の最大値である許容バイパス電流値よりも大きな電流が流れた場合に、バイパス電流制御素子41とバイパス電流測定素子43との間を流れる電流を遮断する。
バイパス電流測定素子43は、バイパス回路を流れるバイパス電流の電流値を測定し、バイパス電流測定値として電圧コントローラ34kに出力する。
電池電圧誤差増幅器44は、電圧コントローラ34kから出力される目標電圧Vp(例えば、4.06(V))と、電池電圧測定用誤差増幅器45から出力される二次電池1kの電池電圧Vbとを比較し、電池電圧Vbが目標電圧Vpよりも大きい場合には、バイパス電流制御素子41にバイパス電流を流すことを指示する制御信号を、バイパス電流制御素子41に出力する。
電池電圧測定用誤差増幅器45は、二次電池1kの正極及び負極の電圧値の差から、二次電池1kの電池電圧を算出し、その電池電圧Vbを制御部3と電池電圧誤差増幅器44とに出力する。
電圧コントローラ34kから出力される、目標電圧Vpと各二次電池1a〜1lの電圧の測定値を、電池電圧誤差増幅器44に入力することでバイパス回路のバイパス電流制御素子41の制御が行われる。バイパス電流制御素子41が完全にオンしていればバイパス電流としては許容可能な最大電流が流れる。また完全にオフしていればバイパス電流は流れない。さらに、バイパス電流制御素子41を増幅領域(不飽和領域)で使用することで可変抵抗と同じ状態とすることができ、バイパスさせるバイパス電流の電流値を連続的に調整することができる。
このように、このバイパス回路では、バイパス電流制御素子41が可変抵抗と同様に使用できるので、電池電圧Vbが設定された目標電圧Vpに近づき、充電電流が微小な値になっても、このような微小な充電電流もバイパスさせることができる。このような制御により電池電圧値に応じて充電電流をバイパス回路で連続的にバイパスさせることで、各二次電池が指定された目標電圧Vp以上にならないように制御することができる。
本実施形態では、電圧調整部5a〜5lが各二次電池1a〜1lに並列に接続されているので、組電池1内で各二次電池1a〜1lの電池電圧に応じて、電池電圧が高い二次電池では充電電流のバイパスが進行し、また、電池電圧が低い二次電池では充電電流の流入による充電が進行し、組電池1内では全ての二次電池1a〜1lの電池電圧が目標電圧Vpになるよう制御される。
これによって、組電池1内を構成する各二次電池1a〜1lの電池電圧が目標電圧Vpとなるように調整されるため、各二次電池1a〜1lの電池電圧のばらつきが少なくなるように充電することが可能となる。
次に、本発明の実施形態による電池管理システム11を使用した場合の効果について説明する。本発明の実施形態による電池管理システム11では、組電池1の充電は定電流定電圧充電方式で行われる。定電流定電圧充電方式は、組電池1の電池電圧が所定の電圧(例えば、4.08×N(V))に達するまでは、定電流(例えば、1(CA))で組電池1の充電を行ない、所定の電圧に達した後は、定電圧(例えば、4.08×N(V))で組電池1の充電を行なう方式である。
また、本発明の実施形態による電池管理システム11では、直流電源2の出力電圧は、図9と同じ特性を示す。即ち、1個のリチウムイオン二次電池あたりの最適な充電電圧は4.10Vであり、この電圧を超えた場合、電圧調整部が作動することにより、電圧の上昇が抑制される。
図5(a)及び図5(b)、図6(a)及び図6(b)は、組電池1を放電した後、回復充電を行ない、完全充電状態に達する前後における、組電池1内の各二次電池1a〜1lの電圧のばらつきを模式的に示した図である。これらの図において、二次電池の電池電圧(V)を示しており、縦軸は二次電池数(個)を示している。
図5(a)及び図5(b)は、図9において、負荷率が100%の場合の特性を示している。また、図6(a)及び図6(b)は、図9において、負荷率が50%の場合の特性を示している。
図5(a)は、負荷率が100%で運転されている直流電源2から、48.8(V)の電圧が出力される場合を示している。電池管理装置10の電圧演算部33は、この48.8(V)を二次電池数N(=12個)で除算した値である4.06(V)を、目標電圧Vpに設定する。
この結果、図5(a)に示すように各二次電池1a〜1lの電池電圧は、4.06(V)近辺の値となる。一方、従来の技術による電池管理装置100(図8参照)で、目標電圧が4.1(V)に設定されたままの場合には、図5(b)に示すように、10個の二次電池が4.1(V)に到達したとすると残りの2個の二次電池の電池電圧は3.9(V)のままになる。
この理由は、直流電源2の出力電圧が48.8(V)で安定していると、出力電流はこの電圧に応じた一定値のままで増加することがないためである。
図6(a)及び図6(b)は、直流電源の負荷率が50%に低下した場合の特性を示している。直流電源2の出力電圧が48.96(V)となるので、二次電池の目標電圧Vpが4.08(V)(=49.96(V)/12個)となる。この結果、図6(a)に示すように、各二次電池の電池電圧の分布は4.08(V)を中心としたものとなる。
一方、従来の技術による電池管理装置100(図8参照)では、図6(b)に示すように多くの二次電池が4.1(V)になっても、一部の二次電池の電圧が低いままになる。これは、上述したように、直流電源2の出力が48.96(V)で安定しており、出力電流がこの電圧に応じた一定値のままとなるためである。
上述したように、本発明の実施形態による電池管理装置10は、直列接続された二次電池1a〜1lの電圧調整部5a〜5lにおける電池電圧を管理する場合において、直流電源2の出力電圧Vaを測定し、この電圧Vaを二次電池の数Nで除算した値を目標電圧Vpとして、各二次電池を充電する。
この結果、直流電源2の出力電圧Vaが回復充電中に変動しても、これに追随して電池電圧を調整することができる。これにより、電池電圧のばらつきが発生することを抑制し、充電不足の二次電池が生じるのを防ぐことができる。
なお、本発明の実施形態による電池管理装置10の制御部3に、過充電や過放電から二次電池1a〜1lを保護する機能を設けてもよい。例えば、図2の二次電池1lと端子p2との間にスイッチを設けるとともに、各二次電池1a〜1lの電池電圧を測定し、電池電圧が過充電電圧以上、又は、過放電電圧以下となった場合に、スイッチの開放を行なうようにしてもよい。
例えば、二次電池としてリチウムイオン二次電池を用いる場合、電池電圧が4.2(V)〜4.5(V)に達すると、リチウムイオン二次電池が故障等するおそれがあるので、充電中に過充電電圧以上の電池電圧が少なくとも1個の二次電池で検出された場合には、スイッチを開放し組電池1の安全性を確保する。また、二次電池の放電が行われた場合に、同様に各二次電池の電圧を測定し、過放電電圧である2.5(V)以下の電池電圧が少なくとも1個の二次電池で検出された場合には、スイッチを開放する。
このようなスイッチ制御回路は、制御部3内にOR回路を設けることにより実現することができる。このOR回路は、過充電電圧又は過放電電圧と測定電圧Vbとの比較を行った上で、スイッチの開放条件となる過充電電圧又は過放電電圧が検出された場合に、スイッチ開放信号をスイッチに出力する。
なお、本発明の実施形態では、図2に示したように、負荷4と1つの電池管理装置10とを並列接続する場合について説明したが、これに限定されるものではない。図7に示すように、負荷4と複数の電池管理装置10とを並列に接続するようにしてもよい。図7のような構成にすることにより、負荷2に流れる電流や組電池1の容量を考慮して、直流電源2に電池管理装置10を増設することができる。組電池1は電池管理装置10ごとに設けられているので、それぞれの組電池1を独立して制御することができる。
また、本発明の実施形態では、図2に示したように、接続点q1と直流電源2の一方の端子との間に、充電電圧検出部7を設置する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、電池管理装置10の一方の端子p1と交点q1との間に、充電電圧検出部7を設置するようにしてもよい。
なお、以上説明した実施形態において、図3の電圧計測部31、二次電池数記憶部32、電圧演算部33、電圧コントローラ34の機能又はこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電池管理装置10の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の実施形態による電池管理装置10の概略構成図である。 本発明の実施形態による電池管理システム11の概略構成図である。 本発明の実施形態による電池管理装置10の具体的な構成を示す回路図である。 本発明の実施形態による電圧演算部33の処理を示すフローチャートである。 組電池1内の各二次電池1a〜1lの電圧のばらつきを模式的に示した図である。 組電池1内の各二次電池1a〜1lの電圧のばらつきを模式的に示した図である。 本発明の実施形態による電池管理システム11の他の一例を示す概略構成図である。 従来から知られている電池管理システム110の概略構成図である。 従来から知られている直流電源60の出力特性を示す図である。
符号の説明
1・・・組電池、1a〜1l・・・二次電池、2・・・直流電源、3・・・制御部、5・・・電圧調整部、7・・・充電電圧検出部、10・・・電池管理装置、11・・・電池管理システム、31・・・電圧計測部、32・・・二次電池数記憶部、33・・・電圧演算部、34・・・電圧コントローラ、41・・・バイパス電流制御素子、42・・・バイパス電流制限素子、43・・・バイパス電流測定素子、44・・・電池電圧誤差増幅器、45・・・電池電圧測定用誤差増幅器

Claims (5)

  1. 複数の二次電池が直列に接続された第1の組電池であって、複数の当該第1の組電池が並列に接続されて構成され、電源の出力に負荷と並列に接続された第2の組電池と、
    前記電源から前記第2の組電池に供給される電圧を前記第1の組電池の端子ごとに計測する電圧計測手段と、
    前記第1の組電池を構成する二次電池の数を前記第1の組電池ごとに記憶する二次電池数記憶手段と、
    前記電圧計測手段が計測する電圧と、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数とに基づいて、各二次電池の充電電圧の上限である目標電圧を前記第1の組電池ごとに算出する目標電圧算出手段と、
    前記各二次電池ごとに設けられ、各二次電池の電池電圧が前記目標電圧以下となるように、前記電源から前記第2の組電池に供給される電圧を各二次電池に供給する電圧供給手段と、
    を有することを特徴とする電池管理装置。
  2. 前記各二次電池ごとに設けられ、二次電池の電池電圧が前記目標電圧よりも大きくなった場合に、その二次電池に供給される電流をバイパスさせるバイパス手段を有することを特徴とする電池管理装置。
  3. 前記目標電圧算出手段は、
    前記電圧計測手段が計測する電圧を、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数で除算することにより前記目標電圧を算出することを特徴とする電池管理装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の電池管理装置と、
    前記電池管理装置と並列に接続される負荷と、
    前記電池管理装置と前記負荷とに電圧を供給する電源と、
    を有することを特徴とする電池管理システム。
  5. 数の二次電池が直列に接続された第1の組電池であって、複数の当該第1の組電池が並列に接続されて構成され、電源の出力に負荷と並列に接続された第2の組電池に、前記電源から供給される電圧を電圧計測手段が前記第1の組電池の端子ごとに計測する第1のステップと、
    前記第1の組電池を構成する二次電池の数を前記第1の組電池ごとに記憶する二次電池数記憶手段と、
    前記電圧計測手段が計測する電圧を、前記二次電池数記憶手段が記憶する二次電池の数で除算することにより、各二次電池の充電電圧の上限である目標電圧を目標電圧算出手段が前記第1の組電池ごとに算出する第2のステップと、
    各二次電池の電池電圧が前記目標電圧以下となるように、前記電源から各二次電池に供給される電圧を、前記各二次電池ごとに設けられる電圧供給手段が各二次電池に供給する第3のステップと、
    を有することを特徴とする電池管理方法。
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