JP4731668B2 - 多孔質成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多孔質成形体の製造方法に関し、より詳しくは、成形時の加圧による、多孔質粒子の細孔や多孔質粒子間の間隙の潰れを十分に低減可能な多孔質成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
直径1.5〜50nm程度のいわゆるメソ孔が非常に規則的に配列したシリカ系の多孔体(以下、シリカメソ多孔体という)が見出されて以来(例えば、C. T. Kresge et al., Nature, vol.359, p710, 1992、S. Inagaki et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 680, 1993等参照)、その用途開発が積極的になされてきた。例えば、シリカメソ多孔体は、その優れた吸着特性を利用して吸着材や触媒等に用いられているが、シリカメソ多孔体は通常粉末状の物質として提供されるため、このような用途に適用する場合は圧粉成形して高密度化することが一般的である。
【0003】
シリカメソ多孔体の圧粉成形は、例えば、特開平9−178292号公報に開示されている。当該公報においては、シリカメソ多孔体粉末をそのまま圧粉して成形し、吸着ヒートポンプ用吸着材として用いると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示の方法にしたがって、シリカメソ多孔体を成形した場合高密度化は達成されるものの、当該成形体を吸着材や触媒等として用いた場合において、吸着性能や触媒性能が成形前のシリカメソ多孔体に比べて劣ることがあった。また、成形体の特性にもばらつきが多く見られて性能の再現性が低いという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、多孔質粒子の吸着特性を高水準で維持しつつ、高密度化された多孔質粒子の成形体を、繰り返し、再現性よく、得ることが可能な多孔質成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記従来技術における成形後の吸着性能や触媒性能の低下は、圧粉により多孔質粒子の細孔や多孔質粒子間の間隙が潰れて比表面積や細孔容積が減少したり、吸着物質等の拡散経路が遮断されることに起因するものであることを見出した。
【0007】
そして、この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、多孔質粒子に特定の添加剤を添加した後に加圧し、加圧後当該添加剤を除去することにより、多孔質粒子の細孔や多孔質粒子間の間隙の潰れを十分に防止することができ、多孔質粒子の吸着特性を高水準で維持しつつ高密度化された多孔質粒子の成形体を再現性よく得ることが可能であることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の多孔質成形体の製造方法は、(1)複数の細孔を有する多孔質粒子の集合体と、該多孔質粒子と非反応性であり且つ前記細孔内部に侵入が可能な添加剤とを混合することにより、前記細孔内部および前記多孔質粒子間の間隙に前記添加剤を導入せしめ、前記多孔質粒子と前記添加剤とからなる混合物を得る第1の工程と、(2)前記混合物を加圧して成形体を得る第2の工程と、(3)前記成形体から前記添加剤を除去する第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記第1の工程において、前記多孔質粒子の集合体100重量部に対して、前記添加剤2〜70重量部を混合することが好ましく、前記多孔質粒子が、表面が親水性の多孔質粒子であり、且つ、前記添加剤が極性を有する添加剤であることが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記多孔質粒子が、複数のメソ細孔を有するシリカメソ多孔体であり、且つ、前記添加剤が、極性を有する液体および下記一般式(1)で表されるアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
【化2】
Figure 0004731668
[式中、R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状1価有機基、R4は炭素数5以上の直鎖状または分岐状1価有機基、Xはハロゲン原子または水酸基をそれぞれ示す。]
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質成形体の製造方法は、(1)複数の細孔を有する多孔質粒子の集合体と、該多孔質粒子と非反応性であり且つ前記細孔内部に侵入が可能な添加剤とを混合することにより、前記細孔内部および前記多孔質粒子間の間隙に前記添加剤を導入せしめ、前記多孔質粒子と前記添加剤とからなる混合物を得る第1の工程と、(2)前記混合物を加圧して成形体を得る第2の工程と、(3)前記成形体から前記添加剤を除去する第3の工程とを含むものである。
【0012】
先ず、本発明における第1の工程について説明する。
第1の工程において用いられる多孔質粒子は、細孔壁に仕切られることにより複数の細孔が形成された粒子状の物質であればよく、粒子形状、粒径、細孔形状、細孔径、組成等は特に制限されない。多孔質粒子の粒子形状としては、例えば、球状、紡錘状、多面体状、繊維状等が挙げられるが、複数の形状の混合物であってもよい。多孔質粒子の平均粒径は、加圧により成形体が得られれば特に限定されない。
【0013】
細孔壁に仕切られることにより形成される細孔は、細孔同士の連結がない独立細孔であっても細孔同士の少なくとも一部が連結した連続細孔であってもよい。また、細孔の形状としては、球状、多面体状、円柱状、多角柱状等が挙げられるが、複数の形状が混合したものであってもよい。細孔径は特に限定されないが、細孔径がメソサイズ(1.5〜50nm)である場合は、窒素吸着法により測定される中心細孔直径が、1.5〜5nmであることが好ましい。ここで、中心細孔直径とは多孔質粒子の細孔径分布曲線の最大ピークにおける細孔径として定義されるものであり、窒素吸着法においては、液体窒素温度(−196℃)に冷却した多孔質粒子に様々な圧力で窒素ガスを吸着させて得られた吸着等温線から、BJH法等を用いて細孔径分布曲線が求められる。なお、第1の工程では、上記のような形状を有する細孔内部に、多孔質粒子合成時に使用する界面活性剤等の有機成分等を含有した多孔質粒子を用い、これを添加剤と混合する。
【0014】
第1の工程において用いられる多孔質粒子は、吸着剤として用いた場合の吸着特性の観点から、比表面積および細孔容積がある一定量以上であることが好ましい。すなわち、多孔質粒子の比表面積は、細孔内部の有機成分を除去した場合の値として、200m2/g以上であることが好ましく、400m2/g以上であることがより好ましい。また、細孔容積は、0.1mL/g以上であることが好ましく、0.3mL/g以上であることがより好ましい。なお、比表面積および細孔容積は上記の窒素吸着法により求められ、比表面積を算出する場合においてはB.E.T.一点法を適用する。
【0015】
本発明における上記の細孔は、多孔質粒子においてランダムに分布していても一定の規則性をもって配列していてもよい。細孔の配列の規則性は、例えば、多孔質粒子の粉末X線回折により調べることが可能である。すなわち、X線回折パターンにおいて明瞭なピークが現われる場合は細孔配列構造が規則的であると判断することができ、明瞭なパターンが現われない場合は、細孔がランダムに分布していると判断することができる。規則的な細孔配列構造の態様としては、2次元ヘキサゴナル(S. Inagaki, et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 680, 1993参照)、3次元ヘキサゴナル(Q. Huo et al., Science, 268, 1324, 1995参照)、キュービック(J. C. Vartuli et al., Chem. Mater., 6, 2317, 1994、Q. Huo et al., Nature, 368, 317, 1994参照)が挙げられる。
【0016】
本発明における多孔質粒子を構成する成分は特に制限されないが、表面が親水性となるような成分であることが好ましい。ここで、表面とは多孔質粒子の細孔内部の細孔壁の表面を含む多孔質粒子の表面を意味する。多孔質粒子においては、細孔内部の細孔壁の表面積は非常に大きいため、細孔内部の細孔壁の表面が親水性であることが好ましい。表面が親水性である多孔質粒子は、添加剤として極性を有するものを用いることにより、細孔内部および多孔質粒子間の間隙に効率的に添加剤を導入させることができる。
【0017】
本発明においては、多孔質粒子を構成する成分はシリカであることが好ましい。シリカはケイ素酸化物であっても、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(Ga)、ベリリウム(Be)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、バナジウム(V)、ホウ素(B)等を含有するケイ素複酸化物であってもよい。なお、多孔質粒子が上記のケイ素酸化物またはケイ素複酸化物からなる場合は、表面が親水性となる。
【0018】
本発明においては、複数のメソ細孔を有するシリカメソ多孔体を多孔質粒子として用いることが特に好ましい。ここで、シリカメソ多孔体とは、直径1.5〜50nmの細孔(メソ細孔)を有するシリカを成分とする多孔質粒子を意味し、シリカの定義は上記と同様である。
【0019】
このようなシリカメソ多孔体としては、(a)界面活性剤が溶解した水溶液中で、カネマイト(NaHSi25・3H2O)等の層状ケイ酸塩を混合して合成されるシリカメソ多孔体が利用可能である(T. Yanagisawa et al., Bull. Chem. Soc. Jpn, 63,988-992, 1990、特開平8−67578号公報等参照)。また、(b)界面活性剤が溶解した水溶液中で、水ガラス、テトラオルトシリケート、無定型シリカ等の非層状ケイ酸塩を混合して合成されるシリカメソ多孔体を用いることもできる(C. T. Kresge et al., Nature, 359, 710, 1992、特開平8−67578号公報等参照)。
【0020】
本発明においては、上記(a)の方法により合成されるシリカメソ多孔体を用いることが好ましい。この場合において、層状ケイ酸塩としては、カネマイトの他に、ジケイ酸ナトリウム結晶(α、β、γ、δ−Na2Si25)、マカタイト(Na2Si49・5H2O)、アイアライト(Na2Si817・xH2O)、マガディアイト(Na2Si1417・xH2O)、ケニヤイト(Na2Si2041・xH2O)等を用いることもできる。また、セピオライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、雲母、カオリナイト、スメクタイト等の粘土鉱物を酸性水溶液で処理してシリカ以外の元素を除去したものも層状ケイ酸塩として使用可能である。
【0021】
また、上記(a)または(b)の方法において用いられる界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤のいずれも適用可能であるが、本発明においては、下記一般式(1)で表されるアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【化3】
Figure 0004731668
[式中、R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状1価有機基、R4は炭素数5以上の直鎖状または分岐状1価有機基、Xはハロゲン原子または水酸基をそれぞれ示す。]
上記アルキルアンモニウムハライドとしては、R1、R2およびR3が全てメチル基でありR4がアルキル基である、アルキルトリメチルアンモニウムハライドが特に好ましい。
【0022】
第1の工程においては、以上説明した多孔質粒子の集合体と添加剤とが混合される。添加剤は、多孔質粒子と非反応性であり且つ多孔質粒子における細孔内部または粒子間の間隙に少なくともその一部が侵入可能なものであればよく、組成等は特に制限されない。ここで添加剤が非反応性であるとは、添加剤と多孔質粒子とが混合される条件で添加剤が多孔質粒子と反応しない(化学結合を生じない)ことを意味する。なお、水素結合やファンデルワールス力等の分子間力による引き合いは、ここでいう化学結合には含まれない。また、添加剤が多孔質粒子における細孔内部に侵入可能であるとは、吸着や毛管現象等により添加剤が細孔内部に取り込まれ得ることをいう。したがって、細孔内部に侵入可能である限りにおいては、添加剤は固体状であっても液体状であってもよく、分子サイズは細孔径より大きくてもよい。
【0023】
本発明における添加剤は、多孔質粒子との混合により、多孔質粒子の細孔内部および多孔質粒子間の間隙に導入され、多孔質粒子と添加剤とからなる混合物が得られる。添加剤が多孔質粒子の細孔内部および多孔質粒子粒子間の間隙に導入されることにより、混合物が加圧されても細孔や多孔質粒子間の間隙が押し潰され難くなり、これにより、多孔質粒子の吸着特性を高水準で維持しつつ、高密度化された多孔質粒子の成形体を得ることが可能となる。
【0024】
本発明において、表面が親水性である多孔質粒子に対して、極性を有する添加剤を用いることが好ましい。極性を有する添加剤は親水性表面と親和性が高いため、多孔質粒子の細孔内部や多孔質粒子間の間隙に添加剤が導入されやすくなる傾向にある。また、多孔質粒子が上述したシリカメソ多孔体である場合は、添加剤は、極性を有する液体および下記一般式(1)で表されるアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
【化4】
Figure 0004731668
[式中、R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状1価有機基、R4は炭素数5以上の直鎖状または分岐状1価有機基、Xはハロゲン原子または水酸基をそれぞれ示す。]
【0025】
極性を有する液体としては、水、アルコールが挙げられる。添加剤としてのアルコールは1価アルコールでも多価アルコールでもよく、分子構造は特に制限されないが、本発明においては、炭素数が1〜20のアルコールが好ましく、炭素数1〜10のアルコールがより好ましい。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等が挙げられる。
【0026】
添加剤が上記一般式(1)で表される化合物である場合、R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキル基であり、R4は炭素数5以上の直鎖状または分岐状アルキル基であることが好ましい。また、R1、R2、R3のうち少なくとも1つはメチル基であることが好ましく、R1、R2、R3の全てがメチル基であることがより好ましい。さらに、上記一般式(1)におけるR4は炭素数5〜30の直鎖状または分岐状アルキル基であることが好ましく、当該アルキル基は偶数の炭素原子を有することがより好ましい。
【0027】
したがって、上記一般式(1)で表される添加剤としては、R1、R2、R3の全てがメチル基でありR4がアルキル基である、アルキルトリメチルアンモニウムハライドであることが好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムハライドとしては、オクチルトリメチルアンモニウムハライド、デシルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムハライド、ヘキサデシルアンモニウムハライド、オクタデシルアンモニウムハライドが好ましい。これらのアルキルトリメチルアンモニウムハライドにおけるハライドはクロリドまたはブロミドであることが好ましい。
【0028】
添加剤として用いられる上記のアルキルアンモニウムハライドは、上記(a)または(b)の方法で多孔質粒子(シリカメソ多孔体)を合成する場合に用いられる界面活性剤と同様の一般式で表される。すなわち、上記(a)または(b)の方法にしたがって合成したシリカメソ多孔体を加圧して成形する場合においては、(a)または(b)の方法で用いることのできる界面活性剤を添加剤として使用することができる。この場合において、界面活性剤と添加剤は、一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムハライドであればよく、全く同一の化学構造を有していなくてもよい。
【0029】
上記(a)および(b)の合成法によれば、界面活性剤は細孔形成のためのテンプレートとして機能するため、得られるシリカメソ多孔体は細孔中に界面活性剤を取り込んだものとなる。取り込まれる界面活性剤の含有量は、合成条件が同一でも毎回同量とはならないため、合成後そのままの状態で加圧して成形を行った場合は、界面活性剤の含有量が多い時は細孔等の潰れが少なく、界面活性剤の含有量が少ない時は細孔等の潰れが多くなり、全体として性能が均一な成形体を得ることができない。また、合成後のシリカメソ多孔体の保管場所の湿度等の影響により、異なった量の水分が細孔内部に侵入するため、細孔中の界面活性剤含有量を一定になるように合成できた場合であっても、経時的に細孔中の物質量が変化する。
【0030】
しかしながら、本発明においては、界面活性剤の含有量にばらつきのある多孔質粒子を用いた場合であっても、常に所定量の添加剤を細孔中に侵入させるため、加圧によって潰れる細孔数が多孔質粒子間でばらつくことが少なくなり、さらに潰れる細孔の総数も少なくなる。これは、添加剤を、焼成等により細孔中の界面活性剤等を取り除いた後に添加した場合であっても同様である。
【0031】
本発明における第1の工程においては、多孔質粒子100重量部に対して添加剤2〜70重量部を混合することが好ましい。多孔質粒子100重量部に対する添加剤の量は5〜70重量部であることがより好ましく、5〜50重量部であることがさらに好ましい。添加剤の量が2重量部未満である場合は、多孔質粒子の細孔内部や多孔質粒子間の間隙に導入される添加剤の量が不足する傾向にあり、加圧により細孔や多孔質粒子間の間隙が潰されるおそれがある。また、添加剤の量が70重量部を超す場合は、固形状の添加剤が二次凝集して大きな塊を形成しそれが多孔質粒子間に挟まれることがあり、均一な成形物が得ることが困難になる傾向にある。
【0032】
第1の工程において、上述した多孔質粒子の集合体と添加剤を混合する方法としては、容器に多孔質粒子の集合体と添加剤を導入し、均一になるまで5〜30分程度、震盪(振動)もしくは攪拌する方法が挙げられる。震盪もしくは攪拌時の温度は添加剤の融点または沸点以下で行うことが好ましく、室温付近で行うことがより好ましい。
【0033】
次に本発明における第2の工程について説明する。
第2の工程においては、第1の工程で得られた多孔質粒子と添加剤との混合物を加圧して成形体を得る。この場合における成形方法としては、容器に混合物を導入してロールプレス、ラバープレス、静水圧プレス、打錠成型等の加圧器により、200〜10000kg/cm2(好ましくは、500〜4000kg/cm2)で加圧を行う方法が挙げられる。加圧時の温度は、0〜100℃(好ましくは、添加剤の融点または沸点以下の温度)で行うことができ、加圧時間は多孔質粒子の種類や加圧器のサイズ等により決定可能である。なお、第2の工程で得られた成形体は、第3の工程に移る前に適宜粉砕してもよい。
【0034】
次に本発明における第3の工程について説明する。
第3の工程においては第2の工程で得られた成形体から添加剤を除去する。添加剤の除去方法としては、添加剤の良溶媒で抽出する方法、添加剤を加熱溶融する方法、添加剤を焼成する方法等が挙げられる。添加剤が極性を有するものである場合は、極性溶媒による抽出または焼成が好ましい。
【0035】
添加剤として上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムハライドを用いた場合は、焼成法、有機溶媒による抽出法、イオン交換法等により添加剤を除去することが好ましい。焼成法においては、成形体を300〜1000℃、好ましくは400〜700℃で加熱する。加熱時間は30分程度でもよいが、完全に添加剤を除去するには1時間以上加熱することが好ましい。焼成は空気中で行うことが可能であるが、多量の燃焼ガスが発生するため、窒素等の不活性ガスを導入して行ってもよい。
【0036】
有機溶媒による抽出法を適用する場合は、用いたアルキルアンモニウムハライドの良溶媒中に多孔体を浸漬して抽出を行う。イオン交換法においては成形体を酸性溶液(少量の塩酸を含むエタノール等)に浸漬し、例えば室温〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。これにより、成形体の細孔中に存在するアルキルアンモニウムハライドが水素イオンでイオン交換され抽出される。
【0037】
第3の工程により得られた多孔質成形体の充填密度は多孔質成形体の体積および重量の値から求めることができ、比表面積は上述の窒素吸着法によりB.E.T.一点法で求めることができる。また、細孔容積は窒素吸着等温線から算出可能である。本発明においては、最終的に得られる多孔質成形体の充填密度は、0.3g/mL以上であることが好ましく、比表面積は、200m2/g以上であることが好ましい。また、細孔容積は、0.3mL/g以上であることが好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
[シリカメソ多孔体の合成]
(合成例1)
25.2gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.1M)をイオン交換水1000mLに分散させて、そこにジケイ酸ナトリウム10gを加え70℃に昇温した。70℃で3時間攪拌して加熱を行った後に、2規定の塩酸を添加してジケイ酸ナトリウムの分散液のpHを7.5に調整した。さらに3時間攪拌した後、室温になるまで放冷し、生成物を濾別した。得られた固形分をイオン交換水1000mLに分散させて洗浄し、濾過を行った。洗浄および濾過の操作を3回繰り返した後に45℃の乾燥機で24時間乾燥させ、大気中、550℃で6時間焼成することにより細孔内の有機物を除去してシリカメソ多孔体を得た。X線回折の結果、得られたシリカメソ多孔体は2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していることがわかった。このようにして得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/8−Aと呼ぶ。
【0040】
(合成例2〜5)
オクチルトリメチルアンモニウムブロミドの重量を3024g、イオン交換水の容量を120L、ジケイ酸ナトリウムの重量を1200gとした他は、合成例1と同様にして合成例1の120倍のスケールで合計4回シリカメソ多孔体の合成を行った。X線回折の結果、シリカメソ多孔体はいずれも2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していた。得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/8−B、FSM/8−C、FSM/8−D、FSM/8−Eと呼ぶ。
【0041】
(合成例6)
25.2gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミドに代えて、28.0gのデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いジケイ酸ナトリウムの重量を50gとした他は合成例1と同様にしてシリカメソ多孔体を得た。X線回折の結果、生成物であるシリカメソ多孔体は2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していた。得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/10と呼ぶ。
【0042】
(合成例7)
25.2gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミドに代えて、30.8gのドデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いた他は合成例1と同様にしてシリカメソ多孔体を得た。X線回折の結果、生成物であるシリカメソ多孔体は2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していた。得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/12と呼ぶ。
【0043】
(合成例8)
25.2gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミドに代えて、33.6gのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いた他は合成例1と同様にしてシリカメソ多孔体を得た。X線回折の結果、生成物であるシリカメソ多孔体は2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していた。得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/14と呼ぶ。
【0044】
(合成例9〜11)
25.2gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミドに代えて、36.4gのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いた他は合成例1と同様にしてシリカメソ多孔体を得た。この合成を計3回繰り返した。X線回折の結果、生成物であるシリカメソ多孔体はいずれも2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していた。得られたシリカメソ多孔体を、以下FSM/16−A、FSM/16−B、FSM/16−Cと呼ぶ。
【0045】
[焼成前シリカメソ多孔体における有機成分の割合]
上記合成例1〜11における焼成前のシリカメソ多孔体の有機成分の割合(重量%)を、以下のような方法により測定した。すなわち、理学製ThermoPlus TG8120を用いて、合成例1〜11における焼成前のシリカメソ多孔体約10mgを窒素流通下10℃/分で昇温し熱重量測定を行った。熱重量測定においては、150℃までの減量を水分、600℃までの減量をシリカメソ多孔体中の有機成分に由来するものとした。結果を以下の表1に示す。
【0046】
[焼成前シリカメソ多孔体における水分の割合]
合成例2〜6および11において45℃の乾燥機で24時間乾燥させた焼成前シリカメソ多孔体の重量を測定し、その後70℃で4時間真空乾燥させ再び重量を測定した。この重量差から焼成前シリカメソ多孔体における水分の割合(重量%)を算出した。結果を以下の表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004731668
【0048】
表1における合成例2〜5の焼成前シリカメソ多孔体は同一条件で合成されたものであるにもかかわらず、有機成分の割合が最大で4%の差があり、水分の割合が最大で約2%の差があることがわかった。また、合成例9〜11の焼成前シリカメソ多孔体も同一条件で合成されたものであるにもかかわらず、有機成分の割合が最大で約10%の差があることがわかった。
【0049】
[焼成後シリカメソ多孔体の特性]
合成例1〜11において得られた焼成後のシリカメソ多孔体の特性を表2に示す。表2における、比表面積(m2/g)、細孔容積(mL/g)は、上述の窒素吸着法により算出されたものである。
【0050】
【表2】
Figure 0004731668
【0051】
[多孔質成形体の製造]
(実施例1)
合成例2で得られた焼成前のFSM/8−B(多孔質粒子)50gを厚手の塩化ビニル製の袋中に秤量した。この袋の中にオクチルトリメチルアンモニウムブロミド(添加剤)25g添加し、ダマがなくなるまで10分以上振動して両者を均一に混合した(多孔質粒子100重量部に対する添加剤の量は50重量部)。この混合物を別の塩化ビニル製の袋に密栓して静水圧プレスにて200kg/cm2の圧力で1分間保持した。得られた試料を乳鉢中で粉砕して粒径0.2〜0.3mmに揃えた後、空気中550℃で6時間焼成することにより添加剤を除去して多孔質成形体を得た。
【0052】
(実施例2〜4)
静水圧プレスの圧力を500、1000、3000kg/cm2にした他は、実施例1と同様にして、それぞれ実施例2、3、4の多孔質成形体を得た。
【0053】
(比較例1〜4)
オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(添加剤)を用いなかった他は、実施例1、2、3、4と同様にして、それぞれ比較例1、2、3、4の多孔質成形体を得た。
【0054】
[多孔質成形体の評価]
実施例1〜4および比較例1〜4で得られた多孔質成形体の体積および重量をメスシリンダーと重量計で測定することにより充填密度(g/mL)を求めた。また、これらの多孔質成形体の比表面積を液体窒素下における窒素ガスの吸着によりB.E.T.一点法で求めた。さらにこれらの多孔質成形体の水蒸気吸着等温線を、日本ベル製水蒸気吸着装置BELSORP18を用いて測定した。なお、水蒸気吸着等温線の測定前には多孔質成形体を30分間超音波処理してそのまま翌日まで放置して表面を十分に水和させ、濾過後に25℃で4時間真空排気(10-3mmHg)する前処理を行った。
【0055】
以下の表3および表4に、実施例1〜4および比較例1〜4で得られた多孔質成形体の充填密度および比表面積をそれぞれ示す。また、図1には実施例3で得られた多孔質成形体の水蒸気吸着等温線を示し、図2には比較例1および2で得られた多孔質成形体の水蒸気吸着等温線を示す。なお、表3、4および図1、2には加圧成形をしていない粉末サンプルFSM/8−B(合成例2)のデータも参考のために記載した。
【0056】
【表3】
Figure 0004731668
【0057】
【表4】
Figure 0004731668
【0058】
成形時にオクチルトリメチルアンモニウムブロミドを添加しなかった比較例1〜4においては、表4に示されるように、比表面積が加圧成形をしていないFSM/8−B(合成例2)の数値に比べて小さい値となった。また、成形圧力が高くなることにより充填密度は向上する一方で、比表面積が低下することがわかった。比表面積の低下は多孔質成形体を吸着剤として用いたときの吸着量低下を意味する。一方、成形時にオクチルトリメチルアンモニウムブロミドを添加した実施例1〜4においては、表3に示されるように、比表面積が加圧成形をしていないFSM/8−B(合成例2)の数値とほぼ同程度に維持された。また、成形圧力が高くなることによって充填密度は向上し、比表面積はほぼ一定に保たれた。
【0059】
また、図1に示されるように、実施例3で得られた多孔質成形体の水蒸気吸着等温線は、加圧成形をしていないFSM/8−B(合成例2)の水蒸気吸着等温線とほぼ等しく、実施例3で得られた多孔質成形体はFSM/8−B(合成例2)の吸着特性を維持していることがわかった。一方、図2に示されるように、比較例1および2で得られた多孔質成形体の吸着等温線は、加圧成形をしていないFSM/8−B(合成例2)の水蒸気吸着等温線と異なっている。成形圧力が高くなるにつれ曲線の変曲点の位置(傾きが大きく変化している部分の水分吸着量の値)が下がっていることから、比較例1、2で得られた多孔質成形体においてはメソ細孔に潰れが生じれいることがわかった。また、図2において変曲点を過ぎて傾きが小さくなっている領域では、成形圧力が高くなるにつれ曲線の位置が下がっていることから、比較例1、2で得られた多孔質成形体においては細孔の潰れまたは多孔質粒子間の間隙の潰れにより細孔容積が減少していることがわかった。
【0060】
[多孔質成形体の製造]
参考例5A〜5E)
オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(添加剤)25gに代えて、イオン交換水(添加剤)8.06g用い(多孔質粒子100重量部に対する添加剤の量は16.12重量部)、静水圧プレスの加圧力を3000kg/cm2とした他は実施例1と同様にして多孔質成形体を得た。なお、加圧成形時のFSM/8−B(多孔質粒子)の細孔中の水分量は、多孔質粒子の全重量を基準として20重量%であった。この操作を合計5回繰り返し、それぞれを、参考例5A、5B、5C、5Dおよび5Eとした。
【0061】
(比較例5A〜5E)
イオン交換水を用いなかった他は参考例5A〜5Eと同様にして多孔質成形体を得た。それぞれを、比較例5A、5B、5C、5Dおよび5Eとした。
【0062】
[多孔質成形体の評価]
参考例5A〜5Eおよび比較例5A〜5Eで得られた多孔質成形体の比表面積および充填密度を上記と同様にして測定した。比表面積のばらつきは、平均値からの標準偏差(σ)の値を求めて評価した。参考例5A〜5Eの結果を表5に、比較例5A〜5Eの結果を表6に示す。
【0063】
【表5】
Figure 0004731668
【0064】
【表6】
Figure 0004731668
【0065】
表5と表6を比較して明らかなように、加圧成形時にイオン交換水を添加した参考例5A〜5Eの方が、加圧成形時にイオン交換水を添加しなかった比較例5A〜5Eよりも、比表面積が大きく、ばらつきを表す標準偏差(σ)の値は小さかった。したがって、参考例5A〜5Eにおいては比表面積の大きな多孔質成形体が再現性高く得られたことが示された。
【0066】
[多孔質成形体の製造]
参考例6)
合成例6において得られた焼成前の多孔質粒子50gを厚手の塩化ビニル製の袋中に秤量した。これに対して、細孔中の水分量が多孔質粒子の全重量を基準として5重量%になるようにイオン交換水(添加剤)を添加して(多孔質粒子100重量部に対する添加剤の量は2.38重量部)、ダマがなくなるまで10分以上振動して両者を均一に混合した。この混合物を別の塩化ビニル製の袋に密栓して静水圧プレスにて3000kg/m2の圧力で1分間保持した。得られた試料を乳鉢中で粉砕して粒径0.2〜0.3mmに揃えた後、空気中550℃で6時間焼成することにより細孔中の物質を除去して多孔質成形体を得た。
【0067】
参考例7〜10)
細孔中の水分量が、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%となるようにした他は、参考例6と同様にして、それぞれ参考例7、8、9、10の多孔質成形体を得た。細孔中の水分量が、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%である場合、多孔質粒子100重量部に対する添加剤(イオン交換水)の量は、それぞれ7.38重量部、9.38重量部、12.38重量部、17.38重量部であった。
【0068】
(比較例6)
イオン交換水を用いなかった他は、参考例6と同様にして多孔質成形体を得た。
【0069】
[多孔質成形体の評価]
参考例6〜10および比較例6で得られた多孔質成形体の比表面積、充填密度および細孔容積を上記と同様にして測定した。その結果を表7に示す。また、参考例6、8〜10および比較例6で得られた多孔質成形体の水蒸気吸着等温線を上記と同様の方法により測定した。得られた水蒸気吸着等温線を図3に示す。なお、表7および図3には、合成例6で得られたFSM/10(加圧成型なし)のデータも参考のために記載した。
【0070】
【表7】
Figure 0004731668
【0071】
表7に示すように、参考例6〜10とFSM/10(加圧成型なし)とは、ほぼ等しい比表面積および細孔容積を示すのに対して、比較例6の比表面積および細孔容積の値は、FSM/10(加圧成型なし)の値を大きく下回るものであった。また、加圧成形時の水の添加量が上記の範囲内である場合は、水の添加量が多いほど、比表面積および細孔容積は、FSM/10(加圧成型なし)の値に近づくことがわかった。
【0072】
[多孔質成形体の製造]
参考例11A〜11E)
合成例2で得られた焼成前のFSM/8−B(多孔質粒子)に代えて、同量の焼成前のFSM/16−C(多孔質粒子)を用い、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(添加剤)25gに代えて、イオン交換水(添加剤)9.48g用い(多孔質粒子100重量部に対する添加剤の量は18.96重量部であった)、静水圧プレスの加圧力を3000kg/cm2とした他は実施例1と同様にして多孔質成形体を得た。なお、加圧成形時の多孔質粒子の細孔中における水分量は20重量%であった。この操作を合計5回繰り返し、それぞれを、参考例11A、11B、11C、11Dおよび11Eとした。
【0073】
(比較例7A〜7E)
イオン交換水を用いなかった他は参考例11A〜11Eと同様にして多孔質成形体を得た。それぞれを、比較例7A、7B、7C、7Dおよび7Eとした。
【0074】
[多孔質成形体の評価]
参考例11A〜11Eおよび比較例7A〜7Eで得られた多孔質成形体の比表面積および充填密度を上記と同様にして測定した。比表面積のばらつきは、平均値からの標準偏差(σ)の値を求めて評価した。参考例11A〜11Eおよび比較例7A〜7Eの結果を、それぞれ表8および表9に示す。
【0075】
【表8】
Figure 0004731668
【0076】
【表9】
Figure 0004731668
【0077】
表8と表9を比較して明らかなように、加圧成形時にイオン交換水を添加した参考例11A〜11Eの方が、加圧成形時にイオン交換水を添加しなかった比較例7A〜7Eよりも、比表面積が大きく、ばらつきを表す標準偏差(σ)の値は小さかった。したがって、参考例11A〜11Eにおいては比表面積の大きな多孔質成形体が再現性高く得られたことが示された。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多孔質粒子の吸着特性を高水準で維持しつつ、高密度化された多孔質粒子の成形体を、繰り返し、再現性よく、得ることが可能な多孔質成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた多孔質成形体およびFSM/8−Bの水蒸気吸着等温線を示す図である。
【図2】比較例1および2で得られた多孔質成形体およびFSM/8−Bの水蒸気吸着等温線を示す図である。
【図3】 参考例6、8〜10、比較例6で得られた多孔質成形体およびFSM/10(加圧成型なし)の水蒸気吸着等温線を示す図である。

Claims (4)

  1. 複数の細孔を有する多孔質粒子の集合体と、下記一般式(1)
    Figure 0004731668
    [式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分岐状1価有機基、R 4 は炭素数5以上の直鎖状または分岐状1価有機基、Xはハロゲン原子または水酸基をそれぞれ示す。]
    で表されるアンモニウム塩である添加剤とを混合することにより、前記細孔内部および前記多孔質粒子間の間隙に前記添加剤を導入せしめ、前記多孔質粒子と前記添加剤とからなる混合物を得る第1の工程と、
    前記混合物を加圧して成形体を得る第2の工程と、
    前記成形体から前記添加剤を除去する第3の工程と、を含むことを特徴とする多孔質成形体の製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記多孔質粒子の集合体100重量部に対して、前記添加剤2〜70重量部を混合することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記多孔質粒子が、表面が親水性の多孔質粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記多孔質粒子が、複数のメソ細孔を有するシリカメソ多孔体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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