JP4731006B2 - 発泡シート用積層樹脂組成物、及びそれを積層したポリスチレン系樹脂積層発泡シート、容器 - Google Patents

発泡シート用積層樹脂組成物、及びそれを積層したポリスチレン系樹脂積層発泡シート、容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、容器及びそれらに適した積層樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂発泡シートは,熱成形に優れ,得られた成形品の外観が美麗で,しかも軽量で断熱性に優れるなどの特徴を有する為,食品容器等の熱成形用として近年大量に使用されている。しかし,ポリスチレン系樹脂シート中には一部で環境ホルモンの疑いがあるといわれているスチレンダイマー及びスチレントリマーが含まれている。これらには環境ホルモン作用が無いことを示す新たな研究結果が公表されてはいるが、一度社会的に問題とされたものを嫌う傾向はあり、食品のスープ中への溶出量を抑制する社会的ニーズがある。とくに、容器成形時の割れ(打ち抜き加工性)、商品輸送中における食品と容器内壁の接触による微粉発生、箸やフォークの突き刺しによる穴あきの防止などを目的に容器の内側に塊状重合にて製造したハイインパクトポリスチレンからなるフイルムを積層している、いわゆる積層発泡シート容器においては、スチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を効果的に抑制する技術が無かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スチレンダイマー及びスチレントリマーの食品スープ中への溶出がきわめて少なく、容器成形時の割れ(打ち抜き加工性)、商品輸送中における食品と容器内壁の接触による微粉発生、箸やフォークの突き刺しによる穴あきを防止したポリスチレン系樹脂積層発泡シート、容器及びそれに適した積層樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意検討した結果,懸濁重合または溶液重合にて製造したポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムからなるポリスチレン系樹脂発泡シート用積層樹脂組成物中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量が、従来の塊状重合のハイインパクトポリスチレン樹脂からなる積層樹脂中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量と比較して少なくなることを見いだした。さらにスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下の積層樹脂組成物をポリスチレン系樹脂発泡シート容器の内側に積層することにより、食品スープ中へのスチレンダイマー及びスチレントリマー溶出量が減少することを見いだし、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち本発明は、懸濁重合で製造されたポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%であり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートへの積層用樹脂組成物(請求項1)、ポリスチレン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%であり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートへの積層用樹脂組成物(請求項2)、ポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%である樹脂組成物からなる積層フィルムがポリスチレン系樹脂発泡シートの内側に積層されてなり、且つ上記積層フィルム部分のスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1500ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート(請求項)、ポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%である樹脂組成物からなる積層フィルムがポリスチレン系樹脂発泡シートの内側に積層されてなり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーのヘプタンへの溶出量が1000ppb以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器(請求項である
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において容器の内側に積層するフイルム樹脂組成物を構成するポリスチレン系樹脂、スチレン系ゴムは,懸濁重合または溶液重合で製造されたものが好ましく、そのほかは特に限定されるものではない。
【0007】
ポリスチレン系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で有ればスチレンを50重量%以上含めば共重合体であっても良い。共重合成分としては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体が挙げられ、これらの単量体を単独もしくは2種以上混合して用いることができる。また、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体を併用してもよい。このようなものとしてはスチレン単独重合体であるポリスチレン、1,3−ブタジエンとの共重合体であるハイインパクトポリスチレンが耐熱性、機械的性質、コストなどのバランスにおいて好ましい。
【0008】
このようなポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は,好ましくは20万以上50万以下,更に好ましくは25万以上45万以下である。重量平均分子量が20万未満では得られる積層樹脂が脆くなる傾向がある。また,重量平均分子量が45万を越えると,積層時の加工性が低下する傾向がある。ポリスチレン系樹脂の重合方法としては懸濁重合がコストの点で好ましい。
【0009】
積層フイルム樹脂として前記ポリスチレンに混合して用いられるスチレン系ゴムとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体などがあげられる。これらのなかでは、容器成形時の割れ(打ち抜き加工性)、商品輸送中における食品と容器内壁の接触による微粉発生、箸やフォークの突き刺しによる穴あきなどの防止効果が大きく、発泡シートの基材樹脂であるポリスチレン系樹脂との接着性、コストの点から、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。スチレン−ブタジエンブロック共重合体は、アルカリを基材とした開始剤による溶液重合(リビングアニオン重合法)により重合することができる。なお、本発明の効果を損なわない範囲でスチレン、ブタジエン以外の単量体として1,3−ペンタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを用いてもよい。
【0010】
スチレン系ゴムの200℃、荷重5kgfにおけるメルトフローレート(以下、MFRと略す)が5〜30の範囲が好ましく、ゴム成分含有量は30〜90重量%が好ましい。この範囲外のスチレン系ゴムはポリスチレン系樹脂への分散性が悪くなる傾向があり、容器成形時の割れ(打ち抜き加工性)、商品輸送中における食品と容器内壁の接触による微粉発生、箸やフォークの突き刺しによる穴あきなどの防止効果が必ずしも得られにくい。
【0011】
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート用積層樹脂組成物は、好ましくはポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜15重量%であることを特徴とする。全ゴム成分量が1重量%未満では、容器成形時の割れ、商品輸送中における食品と容器内壁の接触による微粉発生、箸やフォークの突き刺しによる穴あきなどの防止効果が得られにくい傾向があり、30重量%を越えると積層加工性が悪くなる傾向がある。
【0012】
このようにして得られた積層樹脂組成物は、以下に述べるポリスチレン系樹脂発泡シートに対して種々の方法によりフイルムの状態で積層することができるが、積層樹脂組成物中のスチレンダイマー及びスチレントリマーの合計の含有量は1300ppm以下、好ましくは700ppm以下である。1300ppmを越えると、積層樹脂組成物から得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シートの容器からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を大きく低下させることが困難になる。
【0013】
本発明の積層樹脂組成物が積層されるポリスチレン系樹脂発泡シートは、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするもので、通常の押出発泡によって製造される。ここで使用するポリスチレン系樹脂は特に制限はなく、塊状重合、懸濁重合、溶液重合など通常の重合法によって製造されるものであれば特に限定しないが、これらのうちでは懸濁重合、溶液重合によって得られたものが、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が少ない点で好ましい。
【0014】
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート製造においては、押出発泡シート化、フィルム積層及び容器成形等の加工時に於けるスチレンダイマー及びスチレントリマーの発生を抑制する為に、安定剤として食品添加用酸化防止剤を添加することができる。食品添加用酸化防止剤しては,ビタミンE(トコフェロール),ビタミンC(アスコルビン酸金属塩),安息香酸,ソルビン酸,デヒドロ酢酸並びにそれらの金属塩,安息香酸エステル類を使用する事ができる。上記の内トコフェロール(ビタミンE)が好ましく,更にはdl−α−トコフェロールが好ましい。安定剤は、押出発泡時や積層樹脂組成物中に添加するのが一般的であるが、積層樹脂または発泡シートに用いるポリスチレン系樹脂の重合中に含浸させておいても良い。安定剤の添加量としては、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.03〜0.5重量部が好ましい。0.03重量部未満では、スチレンダイマー及びスチレントリマーの発生を抑制する効果が少なくなる傾向があり、0.5重量部を越えると加工性が悪くなったり発泡シートのセルが細かくなりすぎたりする傾向がある。
【0015】
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート製造時に用いられる発泡剤としては、脂肪族炭化水素類であるプロパン、ブタン、イソブタン,ペンタン,イソペンタン,ヘキサンなど,脂環式炭化水素類であるシクロペンタン,シクロヘキサンなど,ハロゲン化炭化水素類であるメチルクロライド,メチレンクロライド,ジクロロフルオロメタン,クロロフルオロメタン,クロロジフルオロメタン,トリクロロフルオロメタン,トリクロロトリフルオロエタン,ジクロロテトラフルオロエタンなどがあげられる。又、発泡剤量はポリスチレン系樹脂100重量部に対し、2〜5重量部用いるのが好ましい。これらは、単独もしくは2種以上を併せて用いることができ、ポリスチレン系樹脂製造時に添加含浸しても良いし、押し出し発泡シート化時に添加しても良い。
【0016】
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート製造時に用いる造核剤としては、特に限定はなく,通常使用しうる造核剤であれば使用しうる。具体例としては,タルク,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,シリカ,酸化チタン,クレー,酸化アルミニウム,ベントナイト,ケイソウ土などの無機化合物であって,平均粒径が0.1〜20ミクロン,好ましくは1〜10ミクロン程度のもの;クエン酸,酒石酸,シュウ酸,などの有機酸;ホウ酸などの酸とナトリウム,カリウム,アンモニウムなどの重炭酸塩または炭酸塩との組み合わせからなるものなどがあげられる。これらの造核剤は,通常単独で使用されるが,2種以上組み合わせて用いても良い。これらの内,タルク,炭酸カルシウム,シリカ,アルミナなどの無機化合物が安価であり,かつ取り扱いやすい点で好ましい。また該ポリスチレン系樹脂発泡シートには,充填剤・難燃剤・着色剤・紫外線吸収剤・酸化防止剤などを含有していても良い。
【0017】
本発明の積層樹脂組成物を前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの内側に積層する方法は、特に限定はない。例えば、予めフイルム状に成形した樹脂組成物を供給される発泡シートに、容器の内側になるように熱ロールなどにより接着する方法、予めフイルム状に成形した樹脂組成物を供給される発泡シートに、容器の内側になるように接着剤を介して接着する方法、供給される発泡シートに、容器の内側になるように押出機から供給した積層樹脂組成物を層状に積層し、可塑状態にある積層樹脂を冷却ロールなどにより固着する方法などがあげられる。なかでも、押出機から供給した積層樹脂組成物を層状に積層・固着する方法は製造工程数が少なく、コストの点で好ましい。
【0018】
このようにして得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート中の積層フィルム部分のスチレンダイマー及びスチレントリマーの合計の含有量は1500ppm以下、好ましくは800ppm以下である。1500ppmを越えると、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートから得られた容器からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を大きく低下させることが困難になる。
【0019】
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用いて、通常の発泡シートの成形と同様に、真空・圧空成形等によって種々の容器を製造することができる。このようにして得られた積層発泡シート容器からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量はきわめて少なく、ヘプタンへの溶出量で1000ppb以下、好ましくは500ppb以下である。
【0020】
本発明の積層シート等はラーメン、うどん、焼きそばなどの食品用のどんぶりやカップとして好適に用いることができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例、比較例によってさらに詳細に説明するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[スチレンダイマー及びスチレントリマーの測定]
積層樹脂組成物または積層発泡シートのフィルム部分をクロロホルムに溶解しGCにて測定した。
GC:ヒューレットパッカード製 GC−5890シリーズII
カラム:J&W Scientific社製 DB−5 0.25mmi.d.×30m膜厚0.25ミクロン
カラム温度:40℃(0.5分)→10℃/分→100℃→20℃/分→280℃(15分)
検出器:FID
[スチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量の測定]
食品衛生法、器具及び容器包装の規格基準、溶出試験における試験溶液の調製法の規定に準じて測定した。
【0022】
ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器(口径155mm、底部直径140mm、深さ50mmの内容積850cm3の円錐台状に成形した容器)にへプタンを580cc入れ、25℃で60分放置し、へプタン中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量をGC/MS−SIMで測定した。
GC/MS:ヒューレットパッカード製 HP6890シリーズII/HP5973。
カラム:J&W Scientific社製 DB−5MS 0.25mmi.d.×30m膜厚0.25ミクロン。
カラム温度:40℃(0.5分)→10℃/分→100℃→20℃/分→280℃(15分)。
[打ち抜き加工性]
積層樹脂発泡シートから成形した容器をトムソン刃で打ち抜いて取り出す際、打ち抜き部分に割れが生じる場合を×(不合格)、そうでない場合を○(合格)とした。
(製造例) 攪拌機を具備した反応器に,純水700kg,第三リン酸カルシウム1.05kg,ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム46g,塩化ナトリウム3.3kg入れ攪拌し水懸濁液とした後,スチレン700kgに重合開始剤として,ベンゾイルパーオキサイド1.33kg,1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.7kgを溶解し,反応器に加え,98℃に昇温してから4時間かけて重合した。次いで,120℃に昇温して2時間保持した後冷却して,その内容物を取り出し脱水・乾燥し,ポリスチレン樹脂を得た。
(実施例1〜3) 製造例で得られた懸濁重合ポリスチレン樹脂から通常の方法で製造された厚さ2mm、発泡倍率8倍、厚み方向の気泡数10個の発泡シートの表面に、Tダイを使用して製造例で得られた懸濁重合ポリスチレン樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成製;「タフプレンA」、ゴム含有量60重量%、MI=13)を混合したものを押し出し、120ミクロンのフィルムを積層した。上記懸濁重合ポリスチレン樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体の混合物および得られた積層発泡シートの積層されたフイルム部分のスチレンダイマー及びスチレントリマー量をガスクロマトグラフィーによりそれぞれ測定した。
【0023】
次に、上記積層発泡シートを積層フイルムが容器の内側になるようにポリスチレン発泡シート成形用の小型単発成形機を用い、150℃の炉内で発泡シートを13〜15秒間加熱した後、60℃に温度調整した金型で口径155mm、底部の直径140mm、深さ50mmの容器を成形し、得られた容器をトムソン刃で打ち抜いて取り出した。得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器中からのn−ヘプタンへのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量をガスクロマトグラフィーにより測定した。容器打ち抜き性、溶出量の結果を表1に示す。
(実施例4) 製造例で得られた懸濁重合ポリスチレン樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成製;「タフプレン315」、ゴム含有量80重量%、MI=15)を混合したものを、L/D=32の50mm単軸押出機に供給し、Tダイより溶融押出させ厚さ120ミクロンのフイルムを得た。上記懸濁重合ポリスチレン樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体の混合物および得られたフイルム中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量をガスクロマトグラフィーによりそれぞれ測定した。
【0024】
このフイルムと実施例1で使用したものと同じ発泡シートを、熱圧着ロール(表面温度198℃)を装備したラミネーターで積層した。
【0025】
次に、得られた積層発泡シートを実施例1と同様に容器を成形した。容器中からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量をガスクロマトグラフィーにより測定した。容器打ち抜き性、溶出量の結果を表1に示す。
(比較例1) 発泡シートが市販の塊状重合のポリスチレン樹脂、積層フイルムが製造例で得られた懸濁重合ポリスチレンのみから製造したこと以外は、実施例1と同様にして積層フイルム、積層発泡シート及び容器を作製した。容器打ち抜き性、溶出量の結果を表1に示す。
(比較例2) 発泡シートが市販の塊状重合のポリスチレン樹脂、積層フイルムが市販の塊状重合ハイインパクトポリスチレン(旭化成;スタイロンHIPS、ゴム含有量7重量%)から製造したこと以外は、実施例1と同様にして積層フイルム及び積層発泡シート容器を作製した。容器打ち抜き性、溶出量の結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004731006
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば,容器からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を大きく低下させることができる。

Claims (4)

  1. 懸濁重合で製造されたポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%であり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートへの積層用樹脂組成物。
  2. ポリスチレン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%であり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートへの積層用樹脂組成物。
  3. ポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%である樹脂組成物からなる積層フィルムがポリスチレン系樹脂発泡シートの内側に積層されてなり、且つ上記積層フィルム部分のスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1500ppm以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  4. ポリスチレン系樹脂とスチレン系ゴムとの混合物からなり、樹脂組成物中の全ゴム成分量が1〜30重量%である樹脂組成物からなる積層フィルムがポリスチレン系樹脂発泡シートの内側に積層されてなり、且つスチレンダイマー及びスチレントリマーのヘプタンへの溶出量が1000ppb以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器。
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