JP4730486B2 - 芳香・消臭剤の使用方法及びこれに用いる芳香・消臭剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた芳香・消臭効果が長期間に亘って持続的に発揮され、外観が良好で、使用終点の検知を極めて容易に行うことができる芳香・消臭剤の使用方法及びこれに用いる芳香・消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ゲル状組成物は、有効成分の担持や徐放のための芳香・消臭剤基材として広く用いられている。このゲル状組成物は、成分の揮散に伴いゲルが収縮してゆくため、ゲルが小さくなったときが芳香・消臭剤としての使用終点・交換時期であるというインジケーター機能も兼ね備えていることから、芳香・消臭剤基材として好適な素材として利用されているものである。
【0003】
しかし、従来の芳香・消臭剤基材は主に一体化した固形状ゲルを使用しており、基材全体が徐々に収縮してゆくため、芳香・消臭剤基材がどの程度の大きさになった時が使用終点なのかが分かりづらい。よって、インジケーターとしては必ずしも十分な機能を有するものではなく、このため使用者が芳香・消臭剤の交換時期を判断し難いという問題があった。
【0004】
そこで、インジケーター機能を改善するため、終点の大きさの目安を予め例示して商品に添付する等の対応が行われたり、芳香剤と容器壁面に対照的な色彩を施して減り具合を認視可能としたもの(特許第2761821号)などが提案されている。しかし、これら提案は、いずれも容易かつ有効な解決手段とは言い難いものであり、より簡単かつ的確に使用終点を判断できる芳香・消臭剤の開発が望まれる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、優れた芳香・消臭効果が長期間に亘って持続的に発揮され、外観が良好で、使用終点を極めて容易かつ的確に検知可能な芳香・消臭剤の使用方法及びこれに用いる芳香・消臭剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、芳香・消臭剤を開放部を有する容器に収容し、この開放部から上記芳香・消臭剤中の芳香・消臭成分を揮散させて、芳香・消臭効果を与える方法において、上記芳香・消臭剤として体積2mm3以上の多面体に成型された複数個のゲル状成型物を上記容器に収容することにより、芳香・消臭剤の使用終点を極めて容易かつ的確に検知できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明者は、上記のようにして使用される体積2mm3以上に形成された複数個のゲル状成型物、好ましくはゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を冷却又は架橋することによって得られ、上記芳香・消臭成分の揮散量に応じた割合で収縮するゲル状成型物からなる芳香・消臭剤は、外側部より内部に収容した芳香・消臭剤を視認可能に形成された容器に収容すれば、ゲル状成型物の収縮状態によって上記芳香・消臭剤の使用終点、交換時期を容器外部から極めて容易かつ的確に検知することができる上、優れた芳香・消臭効果が長期間に亘って持続的に発揮され、良好な外観を呈することを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の芳香・消臭剤の使用方法は、芳香・消臭剤を開放部を有する容器に収容し、この開放部から上記芳香・消臭剤中の芳香・消臭成分を揮散させて、芳香・消臭効果を与える方法において、上記芳香・消臭剤として体積2mm3以上の多面体に成型された複数個のゲル状成型物を上記容器に収容し、このゲル状成型物の収縮状態によって上記芳香・消臭剤の使用終点を検知することを特徴とするものである。
【0009】
このような本発明の使用方法に用いられる芳香・消臭剤は、体積2mm3以上に形成された複数個のゲル状成型物からなることを特徴とするものである。この場合、ゲル状成型物は、体積2mm3以上、好ましくは50mm3以上、より好ましくは100mm3以上の多面体であり、体積の上限値は特に限定されないが、500cm3以下、好ましくは200cm3以下、より好ましくは30cm3以下が好ましい。体積が小さすぎると使用終点(交換時期)の視認がわかりづらくなり、本発明の目的を達成できない。体積が大きすぎると、成型物の収縮がわかりずらく使用終点が確認し難くなったり、複数個を充填したものが大きくなり過ぎて、使用場所での設置に不便となる場合がある。
【0010】
また、多面体の形状は特に限定されないが、ゲルの成型性や容器内での充填性から、立方体、直方体が好ましい。なお、大きさ、形状は、複数個のゲル状成型物が皆同じでも、異なっていてもよく、使用する場所や使用期間、容器形状などの特性にあわせて、適宜選定することができる。
【0011】
本発明において上記ゲル状成型物としては、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液から得られるものであれば特に限定されず、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液としては、水性、油性のいずれのゲル状組成物であってもよい。ゲル状組成物としては、ゲル化剤、消臭成分等の各種有効成分、香料、界面活性剤等の各種の添加剤などを配合したものが使用できる。
【0012】
ゲル状組成物を構成するゲル化剤としては、例えばカッパーカラギーナン等のカラギーナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、ジェランガムのような天然系ゲル化剤や、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸、その塩やエステル、これらの共重合体又は架橋体等のアクリル系ポリマー、ウレタンポリマー、ポリオキシエチレン架橋物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のような合成樹脂や、テルペン系炭化水素溶媒をゲル化するセッケンなどが挙げられ、これらの中では、特に食品や薬品、芳香・消臭剤用ゲルの製造方法が応用でき、しかも、使用成分の揮散に伴って顕著に収縮する高収縮性のゲル状組成物を得ることができるカラギーナン、寒天、ゼラチン、ジェランガム、カルボキシポリマーから選ばれるものが好ましい。
【0013】
これらの剤によるゲル化には、加熱溶解した溶液の冷却や架橋反応などが用いられ、架橋反応によりゲル化させる場合は、架橋剤として硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄、塩化銅、カリウムミョウバン等の各種多価金属塩、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、トランスグルタミナーゼなどの架橋剤を適宜配合することができる。
【0014】
また、ポリオキシエチレン架橋物などの高吸収性合成樹脂や、ポリアクリル酸エステル架橋物等の高吸油性合成樹脂は、香料等の有効成分を含む液を吸収させるだけでゲルを調製できる。
【0015】
上記ゲル状組成物には、芳香成分、消臭成分の1種又は2種以上が配合される。この場合、芳香成分、消臭成分としては公知のものを使用し得、香料成分としては、各種香料素材、精油などが挙げられ、揮散して芳香を発したり、気分転換したりする作用や、消臭、抗菌、防カビ、殺菌、生物類の忌避・誘引作用を有するものであれば特に限定しないが、本発明の形態上、芳香やアロマコロジー作用を有するものが望ましい。
【0016】
具体的に、香料成分としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系のカルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物などの合成香料、動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料などを挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0017】
より具体的には、例えば1996年化学工業日報社刊,印藤元一著(合成香料化学と商品知識)、1969年,ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTAMDER)著(パフューム アンド フレバー ケミカルス<Perfume and Flavor Chemicals>)等に記載された香料等が好適に使用できる。以下に主な香料等を示す。
【0018】
アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ベータダマスコン、デルタダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルユルゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオレフィン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セリストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、デルタC6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、ユゲノール、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルセテート、ガラキソリッド、ガンマC6〜C13ラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキシンニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、インノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート等が挙げられる。
【0019】
その他の消臭成分としては、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化鉄等の遷移金属化合物、フラボノイド等のポリフェノール類や植物抽出物等が挙げられる。
【0020】
上記芳香成分、消臭成分の配合量は、揮散量や効果等に応じて適宜選定されるが、特にゲル状組成物全体の0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%が望ましい。配合量が少なすぎると揮散量や効果が十分ではない場合があり、多すぎると香りが強すぎたり、可溶化剤の量が多量となるおそれがある。
【0021】
また、必要に応じて、一般の芳香剤や消臭剤に使用されているような界面活性剤、多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、無機塩、色素等の添加が本発明の効果を妨げない範囲で可能である。
【0022】
特に本発明のゲル状組成物には、色素として、ゲル状成型物が経時で収縮していく際に目視で色調の濃淡などの色調変化を明確に確認できるものを有効量配合することがより好ましい。これにより、容器外部から収縮によるゲルの体積変化と共にゲルの色調変化を視認できるので、より明確に使用終点、交換時期を判断可能である。
【0023】
更に、上記ゲル状組成物には、非毒性であり、かつ可食困難な味覚を付与する味覚剤を配合することが可能であり、これにより誤飲、誤食を防止する効果が高まる。
【0024】
苦味を付与する剤としては、苦味付与効果が大きい点、香りや色に影響を及ぼさない点、香料や色素、活性剤との共存下での安定性に変化を及ぼさない点から、安息香酸デナトニウムが好ましい。
【0025】
上記ゲル状組成物からゲル状成型物を得る方法としては、一般的なゲル状芳香・消臭剤や食品、薬品用ゲル状組成物等の製造に用いられる公知の方法が広く採用できるが、とりわけ本発明では、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を加熱溶解させた後に冷却するか、あるいは前記溶液を架橋させる方法が好適であり、これらの方法を採用することにより、液を吸収させて樹脂を膨潤しゲル化する方法よりも少量のゲル化成分(ゲル化剤)でゲル状成型物を得ることができる。更に具体的には、上記のように冷却又は架橋により塊状成型物を得、この塊状成型物を上記特定体積の多面体に裁断又は粉砕するか、あるいは予めゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を特定体積の多面体を成型する型内で冷却又は架橋させる方法が好ましく採用される。
【0026】
ここで、上記加熱溶解した溶液を冷却する方法としては、例えばカラギーナン、寒天、ジェランガム等のゲル化剤を用い、これを70〜90℃で水に溶解した後、芳香・消臭成分を混合し、次いで、この溶液を40℃程度以下に冷却してゲル化させる方法が採用される。
【0027】
また、架橋反応による方法としては、例えばポリアクリル酸やカルボキシメチルセルロース等のカルボキシポリマーなどのゲル化剤を用い、この溶液に芳香・消臭成分を混合した後、架橋剤として多価金属塩を加えてゲル化させるか、あるいはゼラチンを水に加熱溶解し、芳香・消臭成分を混合した後、カリウムミョウバン、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、トランスグルタミナーゼなどの架橋剤を添加し、冷所静置してゲル化させる方法が好適に採用される。
【0028】
次に、上記冷却又は架橋により得られる塊状成型物を上記特定体積の多面体に裁断又は粉砕する方法としては、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含んだ溶液を、多面体ゲルの所望体積より大きな容量の容器に充填し、冷却や架橋反応などでゲル化させて塊状のゲルとし、これを刃物、板、金属線、糸、回転羽根などを用いて特定体積に裁断や粉砕する方法が採用される。一例としては、バット、コンテナー、石油缶などの容器でゲル化させた数kg〜十数kgのブロック状ゲルを、食品製造用のフードカッターやスリット状、格子状の刃物に通して裁断し、複数個の数cm3程度の立方体ゲルに成型する方法が挙げられる。
【0029】
型に流し込んで成型する方法としては、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含んだ溶液を多面体ゲルの所望体積となる容量、形状の容器に充填し、冷却や架橋反応などでゲル化させる。一例としては、箱型容器の内部を複数個の数cm3程度の大きさとなるように仕切ったものが使用でき、冷凍庫用の製氷皿や、食品製造用のデザート寒天流しに充填し、ゲル化させ成型する方法が挙げられる。
【0030】
なお、ゲル化方法としては、上記以外に高吸水性樹脂や高吸油性樹脂に香料や消臭成分、又はこれらを可溶化、乳化した溶媒を吸収、膨潤させてゲル化する方法がある。しかし、この膨潤させる方法は、一定量の液をゲル化するためのゲル化成分(樹脂)量が多く必要であり、本発明では、組成の経済性、性能、効率の点から、樹脂を膨潤させてゲルを得る方法よりも、冷却又は架橋により得られた塊状成型物を裁断又は型に流し込んで固化させる方法が好ましく採用される。更に、この膨潤させる方法は、多面体の体積が原料樹脂の大きさによって制限されるため、この点からも、本発明では、任意の大きさに成形し易い裁断又は型に流し込んで固化させる方法が好ましく採用される。
【0031】
本発明において、上記芳香・消臭剤が収容される容器は、ゲル状成型物を収容可能であって、開放部を有し、この開放部から芳香・消臭剤中の芳香・消臭成分を揮散させ得るものであればその形状や構造に特に制限はなく、開放部が上部にあるものの他、側部など他部にあるものも使用可能であり、芳香・消臭剤として使用される通常の形状の容器を使用可能である。
【0032】
上記容器としては、プラスチック、ガラス、金属などを用いることができるが、ゲル状成型物の収縮を目視できる、透明又は半透明な材質や、スリットや開口部から内部を視認できるものが好ましい。更には、グラス等の食器類やそれに類似した容器を用いると、ゲル状組成物を食品と誤認し、誤食等に繋がる恐れがあるため、従来から芳香・消臭剤に用いられているプラスチック容器、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの容器が好ましく使用される。
【0033】
更に、上記容器は、必要に応じてゲル状成形物の収縮(減り具合)をより明確に目視できるように容器内壁とゲル状物質に対照的な色彩を施すこともできる。
【0034】
また、本発明では、上記芳香・消臭剤として、体積2mm3以上の多面体に成型されたゲル状成型物の複数個を詰め替え用簡易容器内に収容してもよい。この簡易容器内に収容された芳香・消臭剤においては、密閉状態で簡易容器内に収容され、例えば設置使用されている芳香・消臭剤が使用終点となった時点で、この簡易容器を開封し、簡易容器内に収容された複数個のゲル状成型物の使用全量あるいは必要量を設置用の別容器に移し替えて使用することができる。
【0035】
この場合、ゲル状成型物を収容する容器は、薄肉ボトルやパウチなどの詰め替え用簡易容器でもよい。薄肉ボトルには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの材質が好ましく、パウチには、PET、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなどや、これらプラスチックのアルミ積層、アルミ蒸着、シリカ蒸着などのフィルムが好ましい。
【0036】
上記芳香・消臭剤を容器内に収容、設置する際、ゲル状成型物の設置個数は特に限定されず、使用する場所や使用期間、容器形状などの特性に応じてその個数を適宜選定することができ、また同一容器に収容、設置する複数のゲル状成型物は、互いに異なる色調及び/又は香調を有していてもよい。
【0037】
本発明の使用方法に用いられる上記芳香・消臭剤においては、使用により経時でゲル状成型物から水分や各種成分が揮散することでゲル状成型物が収縮し、この収縮が容器外部から簡単かつ明確に視認することができ、これにより芳香・消臭剤の使用終点、交換時期を判断することができる。
【0038】
この場合、ゲル状成型物の収縮は、積み重なった複数個のゲル状成型物のうち容器の開口部に近いものから収縮し、次第に収縮するゲル数が増加して最終的に全てのゲルが収縮した時点を使用終点とすることができる。ゲルの収縮過程は、例えば図1に示す模式図のようになる。即ち、使用開始時にカップ状容器内に収容されている複数個のゲル(図1−1)は、まず積み重なった個々のゲルのうち容器の開口部に近いものが収縮し、他は元の形をほぼ保っている状態になる(図1−2)。続いて、成分の揮散が進むにつれて収縮するゲルの数が増えてゆき(図1−3)、最終的に全てのゲルが収縮した時点を使用終点とすることができる(図1−4)。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において%はいずれも質量%である。
【0040】
〔実施例1〜6〕
表1の組成に従い、安息香酸デナトニウムを水に溶解した後、カッパーカラギーナンを水に分散させ、加熱して80℃とし完全に溶解した。放冷して60℃とし、界面活性剤、その他の成分を添加、酸によりpHを5〜6に調整した後、この溶液をステンレス製のバット容器に充填して、室温下に24時間放置した。固化したゲルを刃物を用いて1cm角の立方体に裁断し、PET製カップ状容器(容量500cm3、開口部5.5cm径)に300gを充填した。
【0041】
〔比較例1〜6〕
表1の組成に従い実施例1〜6と同様に混合した溶液を、PET製カップ状容器(容量500cm3、開口部5.5cm径)に300gを充填し、室温下に24時間放置して固化させた。
【0042】
〔比較例7〕
表1の組成に従い、実施例1と同様に混合し固化させたゲルを、刃物と目開き1mmのメッシュとを用いて1mm3の塊状に裁断し、PET製カップ状容器(容量500cm3、開口部5.5cm径)に300gを充填した。
【0043】
【表1】
*1:界面活性剤(ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテル)
*2:防腐剤(ピロクトンオラミン)
*3:色素(Reactive Blue 72)
上記実施例、比較例で得られた芳香・消臭剤について、下記評価を行った。
【0044】
評価1
実施例1〜6と比較例1〜7のサンプルを25℃の室内に放置して揮散させ、形状変化を観察した。その結果、実施例1〜6のサンプルはいずれも図1と同様の変化を示し、3ヵ月後にはほぼ全てのゲルに収縮が認められ、体積としては1/3程度の量の残さが残っているものの、その変化から使用終点であることがはっきりと認識できた。一方、比較例1〜6のサンプルは、容器内のゲル全体が徐々に収縮してゆき、3ヵ月後でも体積1/3程度の量のゲルが残っているため、そのまま収縮が進むかのように認識された。比較例7のサンプルはゲルが細かいため形状変化がわかりづらく、使用終点が認識できなかった。
【0045】
評価2
実施例1〜4と比較例1〜4のサンプル3個ずつを25℃の室内に放置して揮散させた。1ヵ月後に、各3個のうちの1個を取りだし、キャップをして揮散を止め、経時1ヵ月にあたる評価見本を作成した。他の2個はそのまま揮散を継続し、2ヵ月後、3ヵ月後にそれぞれ同様の操作を行って、経時2ヵ月、3ヵ月にあたる評価見本を作成した。これに未使用品を加えて時系列に並べ、ゲルの外観変化を示す評価サンプルとして、下記(1)〜(3)の項目を女性パネラー11名にアンケート調査した。なお、項目(1)の評価については、必要により経時3ヵ月後も評価を継続した。各項目の評価結果、評価平均点は表2に示すとおりであった。
【0046】
評価項目:
(1)見た目に、もう終わりと思うのは何ヵ月使用品か。
(2)「徐々に減っていく」という言葉に対して、どの程度あてはまるか。
(3)「取り替え時期が分かり易い」という言葉に対して、どの程度あてはまるか。
評価基準:
7:非常にあてはまる
6:かなりあてはまる
5:ややあてはまる
4:どちらともいえない
3:あまりあてはまらない
2:かなりあてはまらない
1:全くあてはまらない
【0047】
【表2】
【0048】
表2の結果から明らかな通り、(1)見た目に使用終わりと思うサンプルは、実施例1〜4では3ヵ月使用品に集中しており、このサンプルが使用終点であると容易に認識されている。一方、比較例1〜4では、1ヵ月から3〜4ヵ月まで広く分布しており、どのサンプルが使用終点かが認識し辛いことが判る。また、(2)「徐々に減っていく」という言葉と、(3)「取り替え時期が分かり易い」という言葉とに対しても、実施例1〜4が比較例1〜4よりも高い合致度を得ており、終点として認識し易い外観変化であることが判った。
【0049】
〔実施例7〕
実施例1の組成からカラギーナンを除いた配合液を293.4g作成し、これに実施例1の組成のカラギーナンと同配合量となるようにポリオキシエチレン架橋物6.6gを添加し、室温下に放置して樹脂を膨張させた。24時間後に膨潤してゲル状となった多面体成型物を取り出して秤量したところ、ゲル状成型物は109gであり、191gの液が吸収されずに残っていた(実施例1では同条件で300gのゲル状成型物が得られている)。得られたゲル状成型物は、実施例1と同じPETカップ状容器に充填した。得られたサンプルの香気を専門パネラーにより評価したところ、実施例1よりも香りが弱かった。
【0050】
実施例1及び実施例7の結果から明らかなように、液を吸収させて樹脂を膨潤しゲル化する方法(実施例7)は、ゲル化剤を含んだ液を冷却などによりゲル化する方法(実施例1)よりも、得られるゲル状成型物の量が少なく、即ち、同量のゲル状成型物を得るためにはゲル化成分(樹脂)量が多く必要である。よって、本発明では、組成の経済性や性能から、液を吸収させて樹脂を膨潤したゲルよりも、ゲル化剤を含んだ液を冷却などによりゲル化したものが好適に使用される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の芳香・消臭剤の使用方法によれば、芳香・消臭剤の使用終点、交換時期を極めて容易かつ的確に検知可能である。従って、本発明の上記方法に用いられる芳香・消臭剤は、使用終点の検知が容易で、外側部から内部に収容した芳香・消臭剤を視認可能に形成された容器を用いれば、芳香・消臭剤の使用終点、交換時期を容器外部から極めて容易かつ的確に判断することができる上、優れた芳香・消臭効果が長期間に亘って持続的に発揮され、外観も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の芳香・消臭剤のゲル状成型物の経時での収縮経過を示す模式図である。
【符号の説明】
1 未収縮ゲル
2 収縮ゲル
Claims (11)
- 芳香・消臭剤を開放部を有するカップ状容器に収容し、この開放部から上記芳香・消臭剤中の芳香・消臭成分を揮散させて、芳香・消臭効果を与える方法において、上記芳香・消臭剤として体積100mm3〜30cm3の多面体に成型された複数個のゲル状成型物を複数個のゲル状成型物上に積み重ねて上記カップ状容器に収容し、上記容器の開放部に近いゲル状成型物から順次収縮することにより、このゲル状成型物の収縮状態によって上記芳香・消臭剤の使用終点を検知することを特徴とする芳香・消臭剤の使用方法。
- 上記容器が、外側部より内部に収容した芳香・消臭剤を視認可能に形成されてなる請求項1記載の使用方法。
- ゲル状成型物が、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を冷却又は架橋することによって得られ、上記芳香・消臭成分の揮散に伴って収縮するものである請求項1又は2記載の使用方法。
- ゲル状成型物の体積が100mm3〜1cm3である請求項1〜3のいずれか1項記載の使用方法。
- ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有し、体積100mm3〜30cm3の多面体に成型された複数個のゲル状成型物を複数個のゲル状成型物上に積み重ねてなることを特徴とする請求項1記載の方法に用いられる芳香・消臭剤。
- 詰め替え用容器に収容された請求項5記載の芳香・消臭剤。
- ゲル状成型物が、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を冷却又は架橋することによって得られ、上記芳香・消臭成分の揮散に伴って収縮するものである請求項5又は6記載の芳香・消臭剤。
- ゲル状成型物が、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を冷却又は架橋することにより得られた塊状成型物を体積100mm3〜30cm3の多面体に裁断又は粉砕したものである請求項7記載の芳香・消臭剤。
- ゲル状成型物が、ゲル化剤と芳香・消臭成分を含有する溶液を体積100mm3〜30cm3の多面体を成型する型内で冷却又は架橋させたものである請求項7記載の芳香・消臭剤。
- ゲル化剤が、カラギーナン、寒天、ジェランガム、ゼラチン、カルボキシポリマーから選ばれる1種又は2種以上である請求項7〜9のいずれか1項記載の芳香・消臭剤。
- ゲル状成型物の体積が100mm3〜1cm3である請求項5〜10のいずれか1項記載の芳香・消臭剤。
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