JP4730385B2 - 貯湯タンク及びそれを用いた給湯装置 - Google Patents

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本発明は、貯湯式給湯装置が具備している加熱した水を蓄える貯湯タンクに関し、特に断熱構造に関するものである。
従来の貯湯タンクは断熱材で被覆されており、電気やガスのエネルギーを用いて高温の湯に加熱された水を内部に貯留して、給湯端末で利用するようにしている。断熱材には、断熱性能の高い(熱伝導率が低い)断熱材を利用している。そのため、貯湯タンクの放熱熱量が低減し、貯湯タンクの熱容量を比較的長い時間保持することができる。また、貯湯タンクの放熱熱量の低減に伴い、加熱に必要な電力やガスなどのエネルギーが低減するため、給湯装置の効率の向上を図ることができる。断熱材の材質は、例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂、または、グラスウール、グラスファイバーなどの繊維材料などが用いられる。また、組み立てのしやすさから、貯湯タンクの形状に合わ
せて成型した成型断熱材を用いることも多くなってきている。
ところで、貯湯式給湯装置は貯湯タンクに1日の給湯熱量を蓄える必要があるため、大型である場合が多く、設置性が劣る課題がある。この課題を解決するため、貯湯タンクの断熱材の厚みを薄くして小型化する方法がある。これまで、単純に従来の断熱材を薄くしたのでは断熱性能が落ちるため、より断熱性能の高い真空断熱材と、従来の断熱材とを複合的に用いて、断熱性能を落とさずに貯湯タンクの小型化を図る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。図4、図5は、特許文献1に記載された貯湯タンクの断熱構造を示すものである。
図4においては、容器体2全体を被覆している成型断熱材21の外気に接する部分の一部を平面状の真空断熱材22に置き換えて、貯湯タンク幅、または、奥行き寸法を小さくしている。図5においては、成型断熱材24が容器体3に接する部分を真空断熱材23に置き換えて寸法を小さくしている。
特開2007−163038号公報
しかしながら、図4における従来の貯湯タンクの構造では、成型断熱材21の一部を平面的な真空断熱材22に置き換えたのみであるため、貯湯タンクの寸法を十分に低減できているとは言いがたい。
また、図5における従来の貯湯タンクの構造では、成型断熱材24と真空断熱材23が接する部分に隙間が生じ、放熱ロスの割合が増加する恐れがある。また、特に言及されていないが、図6に示すように、真空断熱材23は、芯材30と複数のフィルム部材31からなり、端部にフィルム部材31を相互に加熱接合されたヒートシール部32を有しており、ヒートシール部32はヒレ状になっている。
この場合の課題は、ヒートシール部32の加熱接合部を容器体3に接して配置すると、長時間高熱にさらされることになり、シールが劣化して組み立て当初の断熱性能が保てなくなる恐れがあることである。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、貯湯タンクの小型化を図って設置性を高めるとともに、貯湯タンクからの放熱ロスを低減させることができる貯湯タンクを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の貯湯タンクは、貯湯用容器体と前記容器体を包囲し断熱する複数の断熱材とを備え、前記複数の断熱材は、成型断熱材と前記成型断熱材より厚みの薄い真空断熱材とで構成され、かつ、前記真空断熱材の一部は、前記容器体の曲面部に沿うように成形された形状であるとともに、前記真空断熱材の端部は、前記容器体の曲面部の接線方向に成形された略直線形状で、前記真空断熱材の略直線形状に成形された端部の内面と前記容器体とによって形成された空間に、前記成型断熱材の端部を配設したことを特徴とするもので、断熱性能のよい真空断熱材を容器体に沿うように成形するため、従来の平面状の真空断熱材を使用する貯湯タンクよりも大幅な寸法の低減を図ることができる。
本発明によれば、貯湯タンクの小型化を図って設置性を高めるとともに、貯湯タンクからの放熱ロスを低減させることが可能な貯湯タンクを提供することができる。
第1の発明は、貯湯用容器体と前記容器体を包囲し断熱する複数の断熱材とを備え、前記複数の断熱材は、成型断熱材と前記成型断熱材より厚みの薄い真空断熱材とで構成され、かつ、前記真空断熱材の一部は、前記容器体の曲面部に沿うように成形された形状であるとともに、前記真空断熱材の端部は、前記容器体の曲面部の接線方向に成形された略直線形状で、前記真空断熱材の略直線形状に成形された端部の内面と前記容器体とによって形成された空間に、前記成型断熱材の端部を配設したことを特徴とする貯湯タンクで、従来の貯湯タンクよりも、大幅な寸法の低減を図ることができる。
また、成型断熱材と真空断熱材が接する部分を容器体に対して重ねて配置するため、断熱材間の隙間が少なくなるとともに、重なり部分での断熱性能が高くなるため、放熱ロスを少なくすることができる。また、真空断熱材のヒートシール部分は容器体に接することがないため、長期間にわたって断熱性能を維持することができる。
第2の発明は、第1の発明に記載の貯湯タンクを用いた給湯装置で、貯湯タンクの小型化を図って設置性を高めるとともに、貯湯タンクからの放熱ロスを低減させることができる貯湯タンクを用いた給湯装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における貯湯タンクの断熱構造図を示し、図2には、本発明の実施の形態における貯湯タンクを備えた貯湯式給湯装置の構成図を示すものである。
図1は図2におけるA−A’方向の断面図を示している。図1において真空断熱材11bは容器体3の側面の形状に沿うように成形され、端部は容器体3から離れ、容器体3の曲面の接線方向に直線に成形されている。成型断熱材11dは真空断熱材11bと容器体3の両方に接するように、すなわち、真空断熱材11bと容器体3によって形成される空間形状にあうように成型されている。また、真空断熱材11bのヒートシール部は、成型断熱材11dの外周に沿わせるように配置する。
図2において、加熱手段1は、容器体3に貯留された水を高温に加熱する加熱熱源で有り、混合弁3は、給水配管12に接続された給水管路12から供給される給水と、容器体3上部に接続された給湯上部管路5から供給される湯を、リモコン(図示せず)等で設定された温度の給湯水となるように、給水と湯を混合するものである。設定温度となった給湯水は、給湯管路6を経由して、給湯端末13へ供給される。
容器体3に給水配管14から供給されて貯留されている給水は、入水管路7の水ポンプ9により、加熱手段1へ搬送される。加熱手段1によって加熱されて高温となった湯は、加熱手段1に接続される出湯管路8によって、貯湯タンク2の上部から貯留する。
このとき、容器体3の内部では、上部に高温の湯水、下部では低温の水が積層状態に蓄えられている。容器体3、混合弁4、給湯上部管路5、給水管路12、給湯管路6、入水管路7、出湯管路8、水ポンプ9などは、天面部の外装体10a、側面部の外装体10b、底面部の外装体10cによって包囲されることにより、貯湯式給湯装置として形成される。
ここで、容器体3の外面には、断熱材11a、11b、11c、11dを備えている。すなわち、容器体3の上部の断熱材として上部断熱材11a、貯湯タンク2の側面の断熱材として真空断熱材11b、側面断熱材11d、容器体3の下部の断熱材として下部断熱材11cである。また、前記上部断熱材11a、前記側面断熱材11d、下部断熱材11cは成型断熱材である。なお、この成型断熱材の材質は、例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂などが用いられる。
以上のように、容器体3の側面を曲面に沿うように成形した真空断熱材11bと、真空断熱材11bと容器体3の空間に成型断熱材11dを配置することで、平面状の真空断熱材11bを配置するよりも貯湯タンクの寸法を小さくすることができる。また、真空断熱材11bと成型断熱材11dが接する部分に隙間が発生しないため放熱ロスの低減が可能になるとともに、真空断熱材11bと成型断熱材11dが接する部分は2重に断熱されるため、断熱性能を向上させることができる。また、真空断熱材11bのヒートシール部32は容器体3に接することがないため、長期間にわたって断熱性能を維持すること画できる。
また、図3は他の貯湯タンクの断熱構造を示す図で、図2において容器体3の上部の曲面に対して、真空断熱材11eを配置している。
容器体3の上部の曲面に真空断熱材11eを配置することによって、断熱材の体積が減り、外装体内に新たに空間が生じる。新たに生じた空間に、容器体3の上部に接続している混合弁4や給湯上部管路5、制御基盤(図示せず)を配置することによって、外装体11bの寸法を低減でき、設置性を高めることができる。
なお、上記実施の形態1および2で、加熱手段1として、ヒートポンプを用いた給湯機であってもよく、ガスエンジンを用いた給湯機であってもよく、電気ヒータを用いた給湯機であってもよい。
以上のように、本発明にかかる貯湯タンクは、断熱性能を損なわずに省スペース化をはかることが可能になるので、熱源や加熱方式にかかわらずに貯湯式の給湯装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における貯湯タンクの断熱構造図 同貯湯タンクを備えた貯湯式給湯装置の構成図 同他の貯湯タンクの断熱構造図 従来の貯湯タンクの第一の断熱構造図 従来の貯湯タンクの第二の断熱構造図 真空断熱材の構成図
1 加熱手段
2 貯湯タンク
3 容器体
4 混合弁
5 給湯上部管路
6 給湯管路
7 入水管路
8 出湯管路
9 水ポンプ
10a 外装体
10b 外装体
10c 外装体
11a 成型断熱材
11b 真空断熱材
11c 成型断熱材
11d 成型断熱材
12 給水配管
13 給湯端末

Claims (2)

  1. 貯湯用容器体と前記容器体を包囲し断熱する複数の断熱材とを備え、前記複数の断熱材は、成型断熱材と前記成型断熱材より厚みの薄い真空断熱材とで構成され、かつ、前記真空断熱材の一部は、前記容器体の曲面部に沿うように成形された形状であるとともに、前記真空断熱材の端部は、前記容器体の曲面部の接線方向に成形された略直線形状で、前記真空断熱材の略直線形状に成形された端部の内面と前記容器体とによって形成された空間に、前記成型断熱材の端部を配設したことを特徴とする貯湯タンク。
  2. 前記請求項1に記載の貯湯タンクを用いた給湯装置。
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