JP4730011B2 - 小型バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、形状記憶合金を使用した気体や液体など各種流体を制御する小型バルブに関する。
従来、この種の流体調整を行う小型バルブとして、例えば、特許文献1に示されるように、オリフィスを開閉する弁体のアクチュエータを形状記憶合金で形成し、このアクチュエータに通電することにより、弁体を変位させる常閉型及び常開型のバルブが知られている。この特許文献1で示されるようなバルブの制御弁においては、オリフィスの密閉性を良くするために、オリフィスへの押圧を強くする必要性から、形状記憶合金のアクチュエータは、閉弁時、オリフィスに接触後も、さらにオリフィスを加圧している。しかしながら、この加圧によってオリフィスが圧接されることにより、逆に、アクチュエータは、バルブ本体に固定されているオリフィスから負荷を受けることになる。この負荷は、アクチュエータからオリフィスへの押圧が強いほど大きくなり、形状記憶合金に過負荷を与えることになる。
ところで、通電加熱型の形状記憶合金では、通常、常温では全長が伸びる伸長形状となり、直流又は交流電圧が印加されて通電されると自己発熱し、その温度がある温度以上の高温になると予め記憶された収縮形状となる。そして、いずれの形状においても、温度を初期の状態に戻せば、元の形状に回復し、形状記憶合金の性質である回復形状の再現性を示す。しかしながら、形状記憶合金は、加熱状態で過剰な圧力を加えられると、その形状記憶の回復形状の再現性が損なわれ、元の形状状態に完全に復帰しないという傾向を持っている。
このため、上記特許文献1に示されるバルブにおいても、オリフィスへの過剰な押圧により、アクチュエータの形状記憶合金が加熱状態で過負荷を受け、これが繰り返されることにより経時劣化し、初期設定した回復形状状態が変形されてしまい、元の形状状態に復帰しなくなる。これにより、形状記憶合金の回復形状の再現性が劣化し、バルブの弁制御性能を低下させる虞があった。
なお、他の従来例として、特許文献2に示されるように、形状記憶合金で形成されたコイルバネが一定温度以上になると伸長し、バイアスバネのバイアス力に打ち勝って開弁状態にある弁体を押圧して、強制的に閉弁させる小型バルブがある。しかし、このバルブは、コイルバネ形状であるため、外形が大きくなり、小型化が困難であった。また、一定の力を出すために形状記憶合金のコイルバネの線形を太くすると、コイルバネの熱容量が増えるため、放熱時の応答性が悪くなる虞があった。さらに、他の従来例として、特許文献3に示されるように、形状記憶合金製のワイヤを用いて、常開型のバルブの閉動作を実現する小型バルブが知られている。しかし、ワイヤの折り返し部で温度分布が生じるため、熱応力による耐久性の劣化をもたらす虞があった。また、ワイヤが動作限まで動いた後は、形状記憶合金に過負荷を掛けるため、前述と同様に、形状記憶合金に経時劣化を発生させる問題があった。
特開平05−99369号公報 特開平09−313363号公報 特開平11−153234号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、筒形状でオリフィスを内蔵する固定構造物と、固定構造物に内接してオリフィスを封止する封止体を備える可動自在な可動構造体を備え、形状記憶合金のワイヤを加熱して変形することにより、オリフィスを封止する小型バルブにおいて、過負荷低減弾性体を設けることにより、ワイヤの加熱時の応力負荷を過負荷低減弾性体の弾性変形により低減し、形状記憶合金の再現性を劣化させず耐久性を維持し、信頼性の高い小型バルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、オリフィス部を内蔵する筒形状の固定構造物と、前記固定構造物に内接して可動自在に前記オリフィスを封止する可動構造体と、前記固定構造物と可動構造体のいずれか又は両方に保持される通電用の電極となる第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極とによって保持される形状記憶合金のワイヤと、前記ワイヤにバイアスの引張り応力を付与するバイアス弾性体と、前記形状記憶合金を加熱時の前記可動構造体への応力負荷を低減する過負荷低減弾性体とを有し、前記第1電極と前記第2電極とに通電して前記ワイヤを加熱して形状記憶合金を変形させることにより、前記可動構造体を可動させて前記オリフィスを封止する小型バルブであって、前記可動構造体は、前記固定構造物に内接する主円筒部と、該主円筒部から前記オリフィス部側に伸延する円柱部と、を備え、前記ワイヤは、前記可動構造体の主円筒部内に配設され、前記オリフィスを前記固定構造と分離して可動する可動体とし、前記バイアス弾性体を前記固定構造物内の前記オリフィス部と前記可動構造体の間に配設し、前記過負荷低減弾性体を前記オリフィス部と前記固定構造物のオリフィス部の封止側とは反対側の端部との間に配設したものである。
請求項2の発明は、オリフィス部を内蔵する筒形状の固定構造物と、前記固定構造物に内接して可動自在に前記オリフィスを封止する可動構造体と、前記固定構造物と可動構造体のいずれか又は両方に保持される通電用の電極となる第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極とによって保持される形状記憶合金のワイヤと、前記ワイヤにバイアスの引張り応力を付与するバイアス弾性体と、前記形状記憶合金を加熱時の前記可動構造体への応力負荷を低減する過負荷低減弾性体とを有し、前記第1電極と前記第2電極とに通電して前記ワイヤを加熱して形状記憶合金を変形させることにより、前記可動構造体を可動させて前記オリフィスを封止する小型バルブであって、前記可動構造体は、前記固定構造物に内接する主円筒部と、該主円筒部から前記オリフィス部側に伸延する円柱部と、を備え、前記ワイヤは、前記可動構造体の主円筒部内に配設され、前記第2電極は板バネ構造を有し、前記バイアス弾性体と一体化し、前記第1電極は板バネ構造を有し、前記過負荷低減弾性体と一体化したものである。
請求項1の発明によれば、過負荷低減弾性体の弾性変形によるクッション効果により、加熱時のバルブ閉弁時の形状記憶合金への過負荷を低減することができる。これにより、形状記憶合金の形状記憶の再現性を劣化させず、耐久性が維持され、小型バルブの信頼性を高めることができる。また、オリフィス部が固定構造物から独立して構成できるので、オリフィスの加工が容易となり、その加工精度も向上する。また、ワイヤを可動構造体に並行して配置できるので、ワイヤと可動構造体とを直列に配置する場合に比較して、小型化できる。
第1電極の板バネに過負荷低減弾性体を一体化し、第2電極の板バネにバイアス弾性体を一体化することにより、構成部品点数を低減することができるので、生産性を向上することができる。また、ワイヤを可動構造体に並行して配置できるので、ワイヤと可動構造体とを直列に配置する場合に比較して、小型化できる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る小型バルブについて、図1、図2(a)、(b)及び図3を参照して説明する。これらの図において、小型バルブ10は、金属製又は樹脂製の筒形状のガイドパイプ1(固定構造物)と、ガイドパイプ1に内接され独立して移動可能なオリフィスを有する金属製又は樹脂製のオリフィス部2と、ガイドパイプ1に内接し可動自在にオリフィス部2を封止する可動弁体3(可動構造体)と、ガイドパイプ1に内接し可動弁体3とオリフィス部2との間に設けられたバイアス用バネのバイアスコイル6(バイアス弾性体)と、ガイドパイプ1のオリフィス部2側の端部1aとオリフィス部2間に設けられた加熱時の形状記憶合金への応力負荷を低減するコイルバネ5(過負荷低減弾性体)と、ガイドパイプ1に固定された固定電極7(第1電極)と、可動弁体3の端末に設置された可動電極8(第2電極)と、固定電極7と可動電極8とによって保持される形状記憶合金(または形状記憶樹脂、形状記憶ゴム等)のワイヤ9とを備える。ここでの形状記憶合金は、ある温度以上になると収縮する通電発熱型(例えば、Ti―Ni系形状記憶合金)のものが用いられる。
可動弁体3は、ガイドパイプ1に内接する主円筒部31と主円筒部31からオリフィス部2側に伸延する小径の円柱部32を備え、円柱部32の先端には、オリフィス部2を封止する樹脂又はゴム製の封止部4(封止体)が設けれている。形状記憶合金は、ある温度以上になると収縮する通電加熱型のものを用いているので、直流電圧を印加して通電されると、自己発熱して温度が上昇し、ある温度以上になると予め記憶された収縮形状に回復する。この形状回復力は、バイアスコイル6及びコイルバネ5の弾発力に比べて著しく大きなものである。また、コイルバネ5の弾性係数k2は、後述するように、バイアスコイル6の弾性係数k1より大きく設定されており、バイアスコイル6により、常温時は、オリフィス部2と封止部4の間に間隔が空けられ、オリフィス部2は開弁されている(常開型:ノーマリオープン)。
上記構成において、固定電極7と可動電極8間に通電されると、ワイヤ9が加熱され、ある温度以上になると形状記憶合金より成るワイヤ9が収縮して記憶形状に変形する。この時、ワイヤ9の一端は、ガイドパイプ1に固定の固定電極7に接合されて移動しないため、可動弁体3に配置された可動電極8に接続されるワイヤ9の他端は、引っ張られて可動弁体3と伴に移動する。従って、ワイヤ9の収縮により可動弁体3がオリフィス部2側に移動し、この移動によりバイアスコイル6が圧迫されて縮小し、バイアスコイル6をオリフィス部2側に押し付ける。そして、可動弁体3の先端の封止部4が、オリフィス部2に接触し、オリフィスを封止した状態で止まる。これにより、図2(b)に示すように、オリフィス部2が閉弁される。このとき、コイルバネ5の弾性係数k2は、バイアスコイル6の弾性係数k1より大きく設定されているので、バイアスコイル6が圧縮されオリフィス部2が封止部4で封止されるまでは、コイルバネ5は殆ど縮小されない。
一方、固定電極7と可動電極8間の通電を止めると、形状記憶合金のワイヤ9の温度が低下し、元の温度に戻るとワイヤ9が伸長し、前記と逆の作用により、図2(a)に示すように、可動弁体3が元の位置に戻り、封止部4がオリフィス部2から離れ、オリフィス部2が開放される。
上記の構成において、オリフィス部2が封止部4により接触されて封止された後、より強く密閉するために、さらにワイヤ9が収縮して封止部4がオリフィス部2を圧接すると、バイアスコイル6は、ガイドパイプ1のオリフィス部2と可動弁体3の間に押さえつけられて、それ以上収縮できない状態になる。この時点から、バイアスコイル6に代わり、コイルバネ5が収縮を始める。
ここで、ワイヤ9の収縮力をFとし、バネの収縮長さをxとし、弾性係数をkとし、外部圧力のない状態の長さをLとすると、収縮されたバネの長さLは、
L=−x+L(Lは収縮前の長さ)
で表される。バイアスコイル6とコイルバネ5の各収縮後の長さL1及びL2とし、収縮前の長さをLa、Lbとし、それぞれのバネの弾性係数をk1、k2とすると、
F=−kxの関係より、
L1=−x+La=―F/k1+La
L2=−x+Lb=−F/k2+Lb
となる。このL1、L2と収縮力Fの関係を図3に示す。ここで、バイアスコイル6の弾性係数k1は、コイルバネ5の弾性係数k2より小さくしている。これにより、バイアスコイル6は、コイルバネ5より先に収縮し、コイルバネ5は、封止部4がオリフィス部2に接触するまでの収縮力Frまでは殆ど収縮せず、接触後、さらにオリフィス部2に収縮力Fが加わると収縮を始める。
このコイルバネ5の収縮は、ワイヤ9に直接に過負荷が掛かるのを緩和するクッション効果の役目を果し、ワイヤ9への過剰な負荷を低減することができる。このため、形状記憶合金への過負荷を避けることができるので、ワイヤ9の高温時に設定された記憶形状を変形させることを防止することができ、形状記憶合金は、常に元の記憶された形状に復帰することができて、当初の記憶形状の変形を防ぐことができる。そして、過負荷の繰り返しによる記憶形状の経時変化を無くし、耐久性を高め、ワイヤ9の通電によるオリフィス部2の開閉を精度良く行うことができる。
このように、ガイドパイプ1の中に独立して移動可能なオリフィス部2と、オリフィス部2と可動弁体3の間に設けたバイアスコイル6と、ガイドパイプ1の端部1aとオリフィス部2の間に設けた過負荷低減用のコイルバネ5とを直列状に配設し、バイアスコイル6の弾性係数k1をコイルバネ5の弾性係数k2より小さくしたことにより、オリフィス部2の閉弁時のワイヤ9への過負荷に対し、過負荷低減用のコイルバネ5を弾性変形させることができる。これにより、導通時のワイヤ9の形状記憶合金への収縮応力の過負荷を低減することができ、この形状記憶合金の記憶形状の再現性の劣化を防いで耐久性を向上し、小型バルブ10の信頼性を高めることができる。さらに、オリフィス部2をガイドパイプ1と一体化せず独立に設けたことにより、ガイドパイプ1内の部品の配置の自由度が増すと共に、微細な加工を必要とするオリフィス部2の加工が容易となり、精度も向上することができる。また、ワイヤ9を太いバネ状でなく細い直線状で形成できるので、スペースを取らず小型化できると共に、形状記憶合金の放熱の応答性を速くすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る小型バルブについて、図4(a)、(b)、(c)を参照して説明する。本実施形態の小型バルブ10は、第1半固定電極11(第1電極)が板バネ構造を有して過負荷低減弾性体11bを一体化し、第2半固定電極12(第2電極)が板バネ構造を有してバイアス弾性体12bを一体化した点で前記実施形態と異なる。
これらの図において、小型バルブ10は、金属製又は樹脂製の筒形状のガイドパイプ1(固定構造物)と、ガイドパイプ1に内蔵された金属製又は樹脂製のオリフィス部2と、ガイドパイプ1に内接して可動自在にオリフィス部2を封止する可動弁体3と、ガイドパイプ1に一端が固定される板バネ構造の第1半固定電極11(第1電極)と、ガイドパイプ1に一端が固定され他端が可動弁体3と接触して連動する板バネ構造の第2半固定電極12(第2電極)と、第1半固定電極11と第2半固定電極12とによって保持される形状記憶合金のワイヤ9とを備える。この形状記憶合金は、前述と同様の通電発熱型のものが用いられる。可動弁体3のオリフィス部2側の先端には、オリフィス部2を封止する樹脂又はゴム製の封止部4が設けられている。
第1半固定電極11は、L字型の板バネからなり、ガイドパイプ1に固定される固定端部11aと、固定端部11aから直角に折り曲がって可動弁体3に挿入されるバネ部11bとから成る。バネ部11bは、ガイドパイプ1内の可動弁体3の主円筒部31内のオリフィス部2側の端部35に接近して、略平行になるように配設される。第2半固定電極12は、L字型の板バネからなり、ガイドパイプ1に固定される固定端部12aと、固定端部12aから直角に折り曲がって可動弁体3に挿入されるバネ部12bとから成る。バネ部12bは、ガイドパイプ1内の可動弁体3の主円筒部31内のオリフィス部2と反対側の端部33に略平行に接触するように配設される。第1半固定電極11のバネ部11bの弾性係数k2は、第2半固定電極12のバネ部12bの弾性係数kより大きく設定されている。そして、バネ部11bとバネ部12bは、形状記憶合金から成るワイヤ9の両端とそれぞれ接続されている。バネ部11bとバネ部12bの間隔は、常温では、可動弁体3の主円筒部の両端の端部35と端部33の長さに略等しくし、常温時に可動弁体3の移動する遊びを抑えている。
可動弁体3は、樹脂材やゴム材等の弾性体材料で構成され、ガイドパイプ1に内接する主円筒部31と、主円筒部31のオリフィス部2側の端部35からオリフィス部2側に伸びる円柱部32と、オリフィス部2と反対側の端部33と、バネ部12bからの応力を可動弁体3に伝えるためにバネ部12bをストップするストッパ部34と、ストッパ部34と端部33で囲まれたバネ部12bを挿入する空間のバネ挿入部36とを備えている。また、円柱部32の先端には、オリフィス部2を封止する封止部4が設けられている。
図4(a)は、第1半固定電極11と第2半固定電極12に通電が無い状態を示し、この場合、第2半固定電極12のバネ部12bは、端部33に接して、可動弁体3をオリフィス部2とは反対の方向に押す形に押圧するようになっている。この押圧により、可動弁体3の先端の封止部4が、オリフィス部2から完全に離れ、常温ではオリフィス部2を開弁状態にする。このように、第2半固定電極12は、オリフィス部2のバイアス用のバイアス弾性体となり、通電用電極である第2半固定電極12にバイアス弾性体が一体化されている。
上記構成において、第1半固定電極11と第2半固定電極12に通電してワイヤ9を加熱すると、温度上昇により、通電発熱型の形状記憶合金から成るワイヤ9が変形し、ワイヤ9の長さが収縮する。この時、ワイヤ9の一方が接続されている第1半固定電極11のバネ部11bは、その弾性係数k2が第2半固定電極12のバネ部12bの弾性係数k1より大きいので、殆ど曲がらず、主としてバネ部12bが湾曲して、オリフィス部2側へ引っ張られる。このバネ部12bのオリフィス部2側への湾曲により、バネ挿入部36の中のバネ部12bは、可動弁体3のストッパ部34を押圧し、可動弁体3をオリフィス部2側に移動させる。そして、図4(b)に示すように、可動弁体3の先端の封止部4がオリフィス部2に接触すると、可動弁体3の移動はほぼ停止しオリフィス部2が閉弁される。
一方、第1半固定電極11と第2半固定電極12間の通電を止めると、形状記憶合金のワイヤ9の温度が低下し、元の温度に戻るとワイヤ9が伸長し、前記と逆の作用により、弾性体の可動弁体3が元の位置に戻り、封止部4がオリフィス部2から離れ、オリフィス部2が開弁される。
前述と同様に、バイアス弾性体であるバネ部12bの弾性係数k3は、過負荷低減弾性体であるバネ部11bの弾性係数k4より小さくしている。これにより、バネ部12bは、バネ部11bより先に収縮し、封止部4がオリフィス部2に接触するまでは、バネ部11bは殆んど収縮しない。
そして、オリフィス部2が封止部4により接触されて圧接された後、より強く密閉するために、ワイヤ9がさらに収縮して封止部4がオリフィス部2を圧迫されると、バネ部12bとストッパ部34は、既に接触しているので、バネ部12bは、それ以上湾曲できない。このとき、ワイヤ9からの収縮の圧力を受けて、弾性体であるバネ部11bが収縮を始め、図4(c)に示すように、バネ部11bは、ワイヤ9に引っ張られてバネ部12b側に湾曲される。このバネ部11bの変形により、ワイヤ9の収縮によるオリフィス部2への過剰な圧力に伴うオリフィス部2からワイヤ9自身への過負荷を低減することができる。ここで、第1半固定電極11は、ワイヤ9の形状記憶合金の過負荷低減弾性体となり、通電用電極である第1半固定電極11に過負荷低減弾性体が一体化されている。
このように、第1半固定電極11を弾性係数の小さなバネ構造とし、第2半固定電極12を弾性係数の大きなバネ構造としたことにより、過剰な負荷に対して第1半固定電極11を湾曲することができるので、第1半固定電極11は、ワイヤ9に直接過負荷が掛かるのを緩和するクッション効果の役目を果し、ワイヤ9への過剰な負荷を低減することができる。さらに、第1半固定電極12を板バネ構造として過負荷低減弾性体と一体化し、第2半固定電極11を板バネ構造としてバイアス弾性体と一体化したことにより、小型バルブ10の構成部品点数を低減でき、生産性を向上することができる。
上述した各種実施形態に係る小型バルブ10によれば、ガイドパイプ1内に独立して可動自由なオリフィス部2と、ガイドパイプ1に内接して可動自在にオリフィス部2を封止する可動弁体3を設け、ガイドパイプ1に配置される固定電極7と可動弁体3に配置された可動電極8とによって形状記憶合金のワイヤ9を保持し、ガイドパイプ1の端部1aとオリフィス部2の間にコイルバネ5を配設し、オリフィス部2と可動弁体3の間にバイアスコイル6を配設し、コイルバネ5の弾性係数k2をバイアスコイル6の弾性係数k1より大きくしたことにより、閉弁時のワイヤ9の過剰収縮によるオリフィス部2からの過負荷を、コイルバネ5の弾性変形により吸収することができる。すなわち、コイルバネ5は、ワイヤ9の過剰収縮に対し、過負荷低減弾性体としてのクッション効果を持ち、加熱によるバルブ閉鎖時の形状記憶合金への過負荷を低減することができる。これにより、バルブ閉弁時の形状記憶合金への過剰な加圧を防止することができるので、形状記憶合金の形状記憶の再現性を劣化させることなく、また、繰り返しの過負荷による経時劣化を無くすことができ、耐久性を向上させ、小型バルブの信頼性を高めることができる。さらに、オリフィス部2をガイドパイプ1と一体化せず独立に設けたことにより、ガイドパイプ1内の部品の配置の自由度が増すと共に、微細な加工を必要とするオリフィス部2の加工が容易となり、加工精度も向上することができる。
また、通電用の電極である第1半固定電極と第2半固定電極をそれぞれ弾性を持った板バネ構造とし、第1半固定電極を過負荷低減弾性体と一体化し、第2半固定電極をバイアス弾性体と一体化することにより構成部品点数を低減でき、生産性を向上することができる。
本発明の第1の実施形態による小型バルブの断面図。 (a)、(b)は上記バルブのそれぞれバルブ開弁時及び閉弁時の断面図。 上記バルブのコイルバネとバイアスコイルの収縮特性図。 (a)は本発明の第2の実施形態による小型バルブの開弁時の断面図、(b)、(c)はそれぞれ同バルブの閉弁時及び過負荷閉弁時の断面図。
符号の説明
1 ガイドパイプ(固定構造物)
2 オリフィス部(可動体)
3 可動弁体(可動構造体)
4 封止部(封止体)
5 コイルバネ(過負荷低減弾性体)
6 バイアスコイル(バイアス弾性体)
7 固定電極(第1電極)
8 可動電極(第2電極)
9 ワイヤ(形状記憶合金)
10 小型バルブ
11 第1半固定電極(第1電極、過負荷低減弾性体)
12 第2半固定電極(第2電極、バイアス弾性体)

Claims (2)

  1. オリフィス部を内蔵する筒形状の固定構造物と、前記固定構造物に内接して可動自在に前記オリフィスを封止する可動構造体と、
    前記固定構造物と可動構造体のいずれか又は両方に保持される通電用の電極となる第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極と第2電極とによって保持される形状記憶合金のワイヤと、
    前記ワイヤにバイアスの引張り応力を付与するバイアス弾性体と、
    前記形状記憶合金を加熱時の前記可動構造体への応力負荷を低減する過負荷低減弾性体とを有し、
    前記第1電極と前記第2電極とに通電して前記ワイヤを加熱して形状記憶合金を変形させることにより、前記可動構造体を可動させて前記オリフィスを封止する小型バルブであって、
    前記可動構造体は、前記固定構造物に内接する主円筒部と、該主円筒部から前記オリフィス部側に伸延する円柱部と、を備え、
    前記ワイヤは、前記可動構造体の主円筒部内に配設され
    前記オリフィスを前記固定構造と分離して可動する可動体とし、
    前記バイアス弾性体を前記固定構造物内の前記オリフィス部と前記可動構造体の間に配設し、
    前記過負荷低減弾性体を前記オリフィス部と前記固定構造物のオリフィス部の封止側とは反対側の端部との間に配設したことを特徴とする小型バルブ。
  2. オリフィス部を内蔵する筒形状の固定構造物と、前記固定構造物に内接して可動自在に前記オリフィスを封止する可動構造体と、
    前記固定構造物と可動構造体のいずれか又は両方に保持される通電用の電極となる第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極と第2電極とによって保持される形状記憶合金のワイヤと、
    前記ワイヤにバイアスの引張り応力を付与するバイアス弾性体と、
    前記形状記憶合金を加熱時の前記可動構造体への応力負荷を低減する過負荷低減弾性体とを有し、
    前記第1電極と前記第2電極とに通電して前記ワイヤを加熱して形状記憶合金を変形させることにより、前記可動構造体を可動させて前記オリフィスを封止する小型バルブであって、
    前記可動構造体は、前記固定構造物に内接する主円筒部と、該主円筒部から前記オリフィス部側に伸延する円柱部と、を備え、
    前記ワイヤは、前記可動構造体の主円筒部内に配設され
    前記第2電極は板バネ構造を有し、前記バイアス弾性体と一体化し、
    前記第1電極は板バネ構造を有し、前記過負荷低減弾性体と一体化したことを特徴とする小型バルブ。
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