JP4729917B2 - 携帯情報処理装置 - Google Patents
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Description
しかし、携帯電話機の地磁気センサは、携帯電話機に搭載されるスピーカ、マイクロフォン、着磁した電子部品の金属パッケージ等から漏れる磁界と地球の磁界(地磁気)の合成磁界を検出しているため、地球の磁界以外の磁界を求め、それをオフセットとして、計測されたデータから差し引いて実際の方位を求めることを行う。このオフセットはいろいろの条件で変化し、このため、地磁気センサを具備する携帯電話機やその他の携帯情報端末においては、オフセットデータのキャリブレーションが必要となる。
従来、オフセットデータのキャリブレーションの方法として、例えば、携帯電話機が表示器によってユーザに操作を指示し、ユーザがその指示通り携帯電話機を動かすと、自動的にキャリブレーションが行われるという方法が知られている。しかしながら、このようなキャリブレーション方法は、携帯電話機の操作が複雑で、ユーザにとって面倒であるという欠点があった。
また、この発明の他の目的は、ユーザが面倒な操作をすることなく、また、特に意識することもなく自動的にオフセットデータのキャリブレーションが行われる携帯情報処理装置を提供することにある。
なお、平面上の方位を2軸の地磁気センサ、地表面に対する傾きを重力センサのような傾きセンサによって検出してもよい。
また、上述した音源21は、CPU(DSP)によるソフトウエア方式でもよく、また、ハードウエアによって構成してもよい。また、必ずしもヘッドフォンで音を出力する必要はなく、外部のスピーカへ楽音信号を出力して3Dポジショニングを実現してもよい。
○仮想音源の3Dポジショニングの定位を指定する。
○仮想音源の3Dポジショニングの現在の定位を取得する。
○地磁気センサの方位情報や傾き情報を指定する。
○地磁気センサの方位情報や傾き情報を取得する。
○楽曲や音のデータのロードや再生コントロールを行う。
ユーザインターフェイス34は、ユーザがアプリケーションをコントロールするためのインターフェイスを意味し、携帯電話機上の表示部4から見える表示や操作キー部5のボタンを指す。ユーザは表示部4を見ながらボタンを操作することでゲームアプリケーションを実行することができる。
キャリブレーション処理ブロック36は、ソフトウエア処理モジュールであり、ゲームアプリケーション37から得たキャリブレーションデータに基づいてキャリブレーションを実行する。
この携帯電話機は通常の通話/通信機能の他に、
(1)鑑賞用楽音信号生成機能
(2)ゲーム機能
(3)方位測定のキャリブレーション機能
を有している。以下、これらの機能について順次説明する。
図7は鑑賞用楽音信号生成の過程を示すフローチャートである。携帯電話機のユーザが音楽鑑賞を行う場合、まず、操作キー部5によって好みの楽曲または音を選択する(ステップSa1)。楽曲コントローラ33は、この選択を受けて、楽曲または音のデータである楽音データのロードをAPI31に指示し、ミドルウエア32は楽音データを読み込む(ステップSa2)。次に、ユーザが操作キー部5から楽曲または音の開始指令を入力すると(ステップSa3)、ミドルウエア32が楽曲または音の再生を開始し(ステップSa4)、以後、ロードされた楽音データが順次音源21へ出力される。これにより、音源21の楽音生成回路において楽音信号が生成され、次いで、生成された楽音信号に音像定位回路においてデフォルトのフィルタ係数による音像定位が行われ、ヘッドフォン22へ出力される。
図8はゲームの過程を示すフローチャートである。携帯電話機のユーザがゲームを行う場合、まず、操作キー部5によって好みのゲーム(例えば、シューティングゲーム)を選択すると(ステップSb1)、選択されたゲームアプリケーションがロードされる(ステップSb2)。次に、ユーザが操作キー部5からゲームスタート指令を入力すると(ステップSb3)、ゲームアプリケーションがスタートし(ステップSb4)、以後、ゲームが実行される(ステップSb5)。このゲームにおいては、ゲームアプリケーションが音データと、様々なフィルタ係数とを逐次音源21へ出力する。これにより、ユーザのヘッドフォン22において、各種のゲーム音が発生し、また、その音像があちこちへ移動する。ユーザは、その音を聞き、音のする方へ携帯電話機を向けて操作キー部5のショットボタンをオンとする(ステップSb6)。
なお、音像定位はヘッドフォンのL、Rを基準とした相対方位であるが、地磁気センサによる方位や傾きは絶対方位である。したがって、ヘッドフォンの向きを絶対方位に合わせる必要がある。実際には、最初にユーザがヘッドフォンをして顔を前方に向け、携帯電話機を顔が向いている方向と同じ方向に向けてボタン押すなどの操作を行い、携帯電話機に基準となる方位を覚え込ませる。そして、ユーザは音像の定位の指示またはゲームの際に頭を基準方向にしておく必要がある。
また、携帯電話機が自機の位置を測定可能なGPS回路を内蔵する場合は、3Dポジショニングによるリスニングポイントからの仮想音源までの距離と、GPSにより測定される距離との一致を方位、傾きに加えてチェックするようにしてもよい。
前述したように、方位/傾きの測定においては、X、Y、Z軸データから算出された方位/傾き情報からRAM2内のオフセットを減算して正しい方位/傾きを求める。図9はゲームをしながらこのオフセットのキャリブレーションを行う過程を示すフローチャートである。ユーザがキャリブレーションを行う場合、まず、表示部4に表示されたメニューからキャリブレーション実行を選択するか、あるいは、キャリブレーション機能を内蔵するゲームを選択すると(ステップSc1)、ゲームアプリケーションデータがロードされる(ステップSc2)。次に、ユーザがゲームスタートを指示すると(ステップSc3)、ゲームアプリケーションが実行され、ゲームがスタートする(ステップSc4)。
例えば、前述したシューティングゲームにおいて、ゲームアプリケーションが音像をあちこちへ移動させると、ユーザは、その音を聞き、音のする方へ携帯電話機を向ける。この間、CPU1は一定時間(例えば、0.1sec)が経過する毎に地磁気センサ部12へデータ送信指示を出力する。地磁気センサ部12のインターフェイス19はこの指示を受け、X軸〜Z軸センサ13〜15の各出力に対応するX軸データ、Y軸データ、Z軸データをCPU1へ出力する。CPU1はこれらのデータをRAM2の予め定められたキャリブレーションデータ領域へ書き込む。これにより、ゲーム終了時において、キャリブレーションデータ領域に様々な方位のX、Y、Z軸データが収録される。
キャリブレーション用データの収集が開始されると(ステップSd1)、CPU1は一定時間(0.1sec)が経過する毎に地磁気センサ部20へ指示を行い(ステップSd2)、地磁気センサ部20からX軸データ、Y軸データ、Z軸データを取得し、RAM2の一時記憶領域に書き込む(ステップSd3)。次に、CPU1は、一時記憶領域に書き込んだデータについてキャリブレーション用データとして適切か否かの判定を行う(ステップSd4)。この判定は次の手順による。
diff<sqrt((X−Xp)2+(Y−Yp)2+(Z−Zp)2)
の条件式が満たされた場合にのみ、データ(X,Y,Z)をRAM2のキャリブレーションデータ領域に格納する。なお、最初に収録されたデータは無条件でキャリブレーションデータ領域に格納される。
電話機の製造時に地磁気センサ部20から得られる磁界の計測値(X0,Y0,Z0)に対して、オフセット値を(Xf0,Yf0,Zf0)とすると、
(X0−Xf0)2+(Y0−Yf0)2+(Z0−Zf0)2=R2
が成り立つ実数Rに1/10を掛けた程度の数値が好ましい。上式は地球の磁界の大きさに近い数値を半径Rとする球を表す式であり、以降、この球を方位球と呼ぶ。このような判定を行うことにより、ユーザが携帯電話機を動かす動作がごくわずかである場合に同一点近傍のデータが集中して取得されることを避けることができる。
時は、当該データをRAM2のキャリブレーションデータ領域に書き込む(ステップSd6)。そして、CPU1はキャリブレーションデータ領域に書き込んだデータが予め定められた個数に達したか否かを判断する(ステップSd7)。CPU1はステップSd7の判断結果が「NO」の場合、0.1秒間待機し(ステップSd5)、再びデータの取得を試みる。一方、ステップSd7の判断結果が「YES」の場合は、キャリブレーションに必要なデータ取得が完了したものとして次の処理に移る。
ます、キャリブレーションデータ領域に格納したデータを(xi,yi,zi)(i=1,・・・,N:Nは格納したデータの数を表す自然数)と表し、求める対象である新しいオフセットを(X0,Y0,Z0)とし、方位球の半径を実数Rと表す。この時、
(xi−X0)2+(yi−Y0)2+(zi−Z0)2=R2
の関係式が成り立つ。
次に、最小二乗誤差εを次式のように定義する。
Claims (2)
- ゲームアプリケーションを実行するゲーム実行手段と、
音信号を生成する音信号生成手段と、
前記音信号生成手段によって生成された音信号の音像を3次元空間上に定位させる音像定位手段と、
前記音像定位手段によって定位処理が行われた音信号が出力されるヘッドフォンと、
ユーザが操作する操作手段と、
前記ゲームアプリケーションの指示にしたがって前記音像の3次元空間上の定位位置を移動させる制御手段と、
前記操作手段により所定の操作がされた時、携帯情報処理装置の筐体が向いている方位を少なくとも磁界の強さを測定して検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された方位と、前記音信号の音像の定位が所定の判断基準において一致しているか否かを判断する判断手段と、
前記ゲームアプリケーションが進行している時に前記検出手段が出力する複数の方位に対応する複数の磁界データを記憶手段へ記憶させるデータ格納手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数の磁界データを基にしてオフセット値を演算して前記記憶手段に記憶させるオフセット値演算手段と、
を具備し、
前記ゲーム実行手段は、前記判断手段の判断結果に基づいて前記ゲームアプリケーションにおけるゲーム処理を行う
ことを特徴とする携帯情報処理装置。 - 前記検出手段は、直交する2または3方向の地磁気の強さを測定する磁気センサと、前記磁気センサの出力をディジタルデータに変換するA/D変換器と、前記A/D変換器の出力データに基づいて前記筐体の方向を演算する演算手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報処理装置。
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