JP4728788B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は基板上に複数個の発光部ユニットが形成され、直並列に接続されることにより、たとえば100Vの商用交流電源などで照明用の電灯や蛍光管の代りに使用し得るような半導体発光素子に関する。さらに詳しくは、半導体により形成される複数個の発光部ユニットを直並列に接続してその接続端子を100Vなどの交流電源または直流電源などに接続する場合に、サージなどが印加されても輝度が低下しないで信頼性の高い構造の半導体発光素子に関する。
近年、青色系発光ダイオード(LED)の出現により、ディスプレイの光源や信号機の光源などにLEDが用いられ、さらに電灯や蛍光管の代りにLEDが用いられるようになってきている。この電灯や蛍光管に代ってLEDを用いる場合、100Vの交流駆動でそのまま動作することが好ましく、たとえば図6に示されるように、LEDを直並列に接続し、交流電源71に接続する構成のものが知られている。なお、Sはスイッチを示す(たとえば特許文献1参照)。
特開平10−083701号公報(図3)
前述のように、複数個のLEDを直並列に接続して電灯などの代りにすることにより、省電力化を行うことができる。しかしながら、LEDは元々半導体層の積層により形成されており、サージなどの高電圧が印加されると半導体層のpn接合が破壊されて、輝度が低下するという問題がある。とくに信号機など屋外で使用する場合にはサージも入りやすく、また、精密機器の照明などに用いられる照明装置などでは僅かな輝度の低下も問題になり、このようなサージが入力し場合、非常に信頼性が低下するという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、発光部ユニットが直並列に接続されて照明用などに用い得る半導体発光素子にサージなどが入力しても、輝度の低下などを防止し、信頼性を向上させることができる構造の半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、照明用などの目的のために、半導体層で形成した発光部ユニットを何個も直並列に接続して、たとえば100Vの交流で駆動するような場合に、サージなどが印加しても発光特性が低下したり、破損したりしないで、信頼性を向上させることができる半導体発光素子にするため鋭意検討を重ねた結果、サージが半導体発光素子に印加した場合、殆どの場合、pn接合が完全にショートやオープンになることはなく、pn接合は維持されるもののV-I特性が劣化して発光特性を低下させ、輝度が大幅に低下するという現象になることを見出した。さらに、発光部ユニットが複数個直列に接続されている場合、サージが入力する電極パッドに一番近い発光部ユニットはダメージを受けてV-I特性が劣化するが、2個目以降の発光部ユニットは、サージの波形が1個目の発光部ユニットで鈍って(減衰して)、殆どpn接合はダメージを受けないことを見出した。
そして、逆並列(pn接合の向きが逆方向の並列)で2個の発光部ユニットが接続される場合、ダメージを受ける発光部ユニットは、電極パッドに直接n側電極が接続される発光部ユニットであり、逆並列に接続されるp側電極が電極パッドに接続される発光部ユニットは殆どダメージを受けないことを見出した。すなわち、プラスのサージが入力した場合でも、電子が半導体層に流れ込みやすいため、一対の電極パッドの反対側の電極パッドに接続されるn側電極を介して半導体層に電子が流れ込み、その発光部ユニットのpn接合がダメージを受ける。そして、マイナスのサージが入る場合は、その電極パッドに電子が流れ込むことになるので、その電極パッドに接続されるn側電極に接続される発光部ユニットが最初にダメージを受けることになる。
そのため、その破壊しやすい電極パッド側の発光部ユニットの輝度を小さくしておくことにより、サージが入力してダメージを受け、殆ど発光しなくなっても、元々輝度が小さくされているため、輝度の変化は殆ど生じず、さらに前述のように、pn接合そのものは破壊せず、そのダメージによるV-I特性の変化による発光特性が低下するだけであるため、他の発光部ユニットの電流には影響がなく、発光もそのまま維持することができる。さらに、つぎのサージが入力する場合でも、ダメージを受けた発光部ユニットのpn接合は維持されているため、サージを吸収して減衰させることができ、同様にサージを吸収することができる。その結果、輝度の変化も生じず、何度でもサージを吸収することができる。
本発明による半導体発光素子は、n形層およびp形層の半導体層が発光層形成部を形成するように積層され、電気的に分離して複数個の発光部ユニットが形成されると共に、該複数個の発光部ユニットが配線により直列および/または並列に接続されてその両端部に一対の電極パッドが形成される半導体発光素子であって、前記一対の電極パッドの少なくとも一方に直接n側電極が接続される発光部ユニットが、他の発光部ユニットより輝度を小さくしたサージ吸収用として形成されている。
なお、並列接続には、pn方向が同じ方向で並列に接続される場合と、pn方向を逆方向にして並列に接続される、いわゆる逆並列の場合の両方を含む意味である。また、発光部ユニットは、たとえば100Vなどの商用交流電源で駆動できるように、直列に100V近くの駆動電圧になるように直列に接続したものを逆並列(pn接合が逆方向になるように並列に接続されること、以下同じ)に接続されてもよいし、2個逆並列接続された組を直列に接続して100Vなどの商用交流電源で駆動できるように直列に接続されてもよいし、これらの組がさらに並列に接続されて100Vなどの商用交流電源に接続されてもよいし、順方向に直列に接続されて直流電源で駆動できるように接続されてもよい。
前記サージ吸収用として形成される発光部ユニットのn形層に接続される電極が前記一対の電極パッドの一方として形成されることにより、殆ど発光に寄与しない発光部ユニットを設けることによるスペースの無駄を殆どなくすることができるため好ましい。
前記複数個の発光部ユニットが、直列に接続されると共に逆並列に前記一対の電極間に接続されることにより、交流で駆動し得るように接続され、前記一対の電極パッドのそれぞれにn側電極が直接接続される全ての発光部ユニットの輝度が小さくなるように形成されることにより、どちらの電極パッドにプラスのサージが入力しても、輝度変化が殆ど生じることがないため好ましい。なお、逆並列に接続される組が複数組並列に接続される場合には、それぞれの組のn側電極が直接電極パッドに接続される発光部ユニットの輝度が低くなるように形成されることが好ましい。また、逆並列に接続する構造としては、直列に接続された組を逆並列に接続されてもよいし、2個が逆並列に接続された組が直列に接続されてもよい。この2個1組が直列に接続された組が、さらに一対の電極パッド間に並列に接続されてもよい。
前記複数個の発光部ユニットが、直列に接続され、またはpn接合が同一方向に直列および並列に接続されて前記一対の電極パッド間に接続されることにより直流で駆動し得るように形成され、前記発光部ユニットのn側電極が前記一対の電極パッドの一方に直接接続される発光部ユニットの1つのn側電極が前記一対の電極パッドの一方として形成される構造にすることもできる。この場合は、p側電極が電極パッドの他方に接続される発光部ユニットでは、従来と同様にn形層の露出する面積を小さくしておいて、大きな面積のp形層上に電極パッドを形成することもできるし、電極パッドは別に形成しながら、その電極パッドにp側電極が接続される発光部ユニットの表面から光が出難くなるように、前述の露出するn形層の面積を大きくする構造にしたり、表面に遮光層を設けたりしてもよい。この場合も、直列に接続される発光部ユニット群が並列に接続される場合その電極パッドに直接接続される発光部ユニット全ての輝度を低下させることが好ましい。
前記発光層形成部が窒化物半導体により青色光または紫外光を発光するように形成され、前記複数個の発光部ユニットからなる発光素子チップの発光面側に該発光素子チップが発光する光を白色光に変換する発光色変換部材が塗布されることにより、白色光を放射することができ、電灯などの代りに使用することができる。
前記半導体層が絶縁性基板または半絶縁層上に積層され、各発光部ユニットの前記n形層およびp形層に接続される電極が前記積層される半導体層の表面側に設けられ、前記輝度を小さくする発光部ユニットが、該発光部ユニットの表面積でn形層の露出する面積が全体の60〜90%になるように形成されることにより、n形層の露出面を電極パッド形成場所として使用することができながら、始めから輝度を充分に落すことになり、サージによる輝度の低下を防止することができるため好ましい。
本発明によれば、複数個の発光部ユニットが直並列に接続された発光素子にサージが入力した場合に、ダメージを受けるのは電極パッドに直接n側電極が接続される発光部ユニットであって、しかもpn接合が完全に破壊するのではなく、V-I特性が劣化して発光出力が低下するだけで、しかもその発光部ユニットによりサージは鈍って(減衰して)2個目以降の発光部ユニットには何ら異常をもたらさないという知見に基づいて、その発光部ユニットの輝度を最初から低下させているため、サージが入力して輝度が低下しても当初の輝度と殆ど変化がなく、何ら問題が生じない。しかも、その輝度の低下する発光部ユニットは、輝度が低下してもpn接合はそのまま維持しており、つぎのサージが入力する場合でもそのサージを鈍らせる(減衰させる)機能を有しており、2個目以降の発光部ユニットには何ら異常をもたらすことがない。その結果、サージが入力しても、非常に信頼性の高い半導体発光素子が得られる。
さらに、輝度を小さくした発光部ユニットの表面に電極パッドを形成することにより、輝度を小さくして発光には殆ど寄与しない発光部ユニットを形成することによるスペースの無駄を有効に利用して必要な電極パッドを形成しながら、輝度の小さい発光部ユニット、すなわちサージを吸収するpn接合を形成することができ、殆どスペースの無駄なくサージを吸収することができる。
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体発光素子について説明をする。本発明による半導体発光素子は、図1(a)にその一実施形態である発光部ユニットの接続例の平面説明図が示されるように、n形層およびp形層の半導体層が発光層形成部を形成するように積層され、電気的に分離して複数個の発光部ユニット10が形成されると共に、その複数個の発光部ユニット10が配線16により直列および/または並列に接続されてその両端部に一対の電極パッド17a、17bが形成されている。そして、一対の電極パッド17a、17bの少なくとも一方に直接n側電極14bが接続される発光部ユニット10dが、他の発光部ユニット10より輝度を小さくしたサージ吸収用として形成されている。
図1(a)に示される例では、輝度を小さくして形成されたサージ吸収用の発光ユニット10dは発光には寄与しない、すなわちp形層がエッチング除去されて活性層を介したpn接合を有しないn形層の露出する領域の面積を全体の60〜90%と、活性層を介したpn接合を有しp形層(厳密には透光性導電層)が表面に露出している部分の面積よりも大きくなるように形成されている(通常の発光部ユニット10とその面積比がほぼ逆の構造になっている)。その結果、n形層が露出する部分は発光に寄与しないので、全体が同じ平面積に形成される発光部ユニット10であっても、サージ吸収用の発光部ユニット10dは、p形層が残存する面積が非常に小さいので、殆ど発光には寄与しない。すなわち、輝度が小さくなるように形成されている。この輝度を小さくしたサージ吸収用の発光部ユニット10dは、電極パッド17a、17b間に直列に接続される発光部ユニット群の中で、電極パッド17a、17bと直接接続される(他の発光部ユニットを介さないで配線により直接電極パッド17a、17bに接続される発光部ユニットを意味する)発光部ユニット10d、発光部ユニット10が逆並列で電極パッドに接続される場合には、n側電極14b側が接続される発光部ユニット10dに輝度低下の方策が施されている。
このようなn側電極14b側が直接接続される側の発光部ユニット10dの輝度を低下させる理由について説明をする。たとえば一方の電極パッド17aにプラスのサージ電圧が入力する場合、電子の移動が正孔の移動より勝っているため、サージにより他方の電極パッド17bの下の電子が発光部ユニット10dに流れ込もうとする。そのため、他方の電極パッド17bに電子が流れ込んでくると、その電子は、他方の電極パッド17b側のn側電極14bに流れ込みやすく、一方の電極パッド17a側にp側電極が接続された発光部ユニット10よりも早くサージの電子が流れ込み、その大量の電子の流れ込みにより発光部ユニット10dのpn接合がダメージを受け、逆にサージはその勢いが減衰される。そのため、一対の電極パッド17a、17bに接続される発光部ユニット10のうち、n側電極14bが直接接続される発光部ユニット10dがサージ吸収用として輝度が小さくなるように形成されている。なお、後述する直流駆動用にp側電極側しか存在しない場合(n側電極が直接電極パッドに接続される発光部ユニットが存在しない場合)には、p側電極側でも直接電極パッドに接続される発光部ユニットの輝度が低下するように形成される。
図1(a)に示される例では、このサージ吸収用発光部ユニット10dは、前述のように、n形層の露出面積をp形層の残存面積よりも大きくなるようにすることにより、活性層を挟んだpn接合の面積が小さくなり、輝度を小さくすることができる。このn形層の露出面積は、発光部ユニット10全体の面積に対して、60〜90%程度、さらに好ましくは65〜80%程度にすることが好ましい。余り小さいと発光面積が増えて輝度を低下させる効果が少なくなり、余り大きすぎるとpn接合部の面積が小さくなって、サージを充分に吸収することができなくなるからである。しかし、輝度を小さくする構造としては、このような構造にする必要はなく、p形層の表面に光の透過を遮断する材料からなる膜を設けてもよく、たとえば後述する直流駆動用のように、この表面に電極パッドを形成してもよいし、p側にショットキー電極を設けて空乏層を活性層まで延ばして輝度を低下させる構造にすることもできる。このような場合には、n形層の露出面積を大きくする必要はない。
また、前述の例では、発光部ユニット10が逆並列に接続された組を直列に接続して一対の電極パッド17a、17b間に接続されているが、接続方法はこの例に限定されることはなく、たとえば図3(a)に示されるように、直列に接続した組が逆並列に接続されてもよく、これらがさらに並列に接続(図3(a)に示される構造)されてもよく、また、図3(b)に示されるように、図1に示される接続構造がさらに並列に接続されてもよい。なお、図3では、後述する電極パッド17a、17bが独立して設けられるのではなく、n側電極14bと共用でn形層上に設けられている趣旨で書かれている。また、輝度を小さくした発光部ユニット10dのダイオード記号に斜線を付してある。
さらに、図1(a)に示される例では、一対の電極パッド17a、17bの間に発光部ユニット10の群が接続されているが、輝度を低くしたサージ吸収用の発光部ユニット10dを、前述のようにn形層の露出面積を大きくして輝度を低下させる構造にすることにより、n側電極14bの面積を大きくすることができ、図1(b)に示されるように、このn側電極14bをそのまま電極パッド17aとしてワイヤボンディング用に用いることもできる。このような構造にすることにより、サージ吸収用の発光部ユニット10dは、発光素子全体の輝度には殆ど寄与しないが、図1(a)に示される電極パッド17a、17bのスペースが不要となるため、その分発光部ユニット10を作製することができ、サージ吸収用の発光部ユニット10dを形成することにより生じるスペースの浪費も殆ど生じない。
発光部ユニット10の構造は、たとえば図2に一部の断面説明図が示されるように、たとえば窒化物半導体を用いた青色光または紫外光の発光をするように形成される。そして、図示されていないが、たとえばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体やSr-Zn-La蛍光体などからなる発光色変換部材が設けられることにより、白色光を発光する発光素子にすることができ、しかも発光部ユニットを前述の図1(a)に示されるように、直並列に接続されるように配線することにより、交流の100V電源で動作し得るように形成されてもよい。たとえば2個1組で24組、合計48個の発光部ユニット10が形成され、発光素子チップの1個の大きさは、たとえば1.5mm×1.5mm程度の大きさに形成される。なお、直列に接続される複数個の発光部ユニット10の動作電圧の合計が丁度100Vなどの商用交流電源電圧にならない場合には、抵抗またはキャパシタが直列に接続されて調整される。しかし、このような構成には限定されず、たとえば赤、緑、青の3原色の発光部を形成して白色光になるようにすることもできるし、必ずしも白色光にする必要はなく、所望の発光色の発光部に形成することができるし、また、100Vで動作するようにする必要もない。
ここに窒化物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII 族元素のGaの一部または全部がAl、Inなどの他のIII 族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなどの他のV族元素と置換した化合物(窒化物)からなる半導体をいう。
基板11としては、窒化物半導体を積層するには、サファイア(Al23単結晶)またはSiCが一般的には用いられるが、これらに限定されるものではなく、SiやGaAsなどの半導体基板が、積層される半導体層に応じて格子定数や熱膨張係数などの観点から選ばれることもある。図2に示される例では、サファイア(Al23単結晶)が用いられている。
サファイア基板11上に積層される半導体積層部12は、たとえばGaNからなる低温バッファ層12aが0.005〜0.1μm程度、ついでアンドープのGaNからなる高温バッファ層12bが1〜3μm程度、その上にSiをドープしたn形GaNからなるコンタクト層およびn形AlGaN系化合物半導体層からなる障壁層(バンドギャップエネルギーの大きい層)などにより形成されるn形層12cが1〜5μm程度、バンドギャップエネルギーが障壁層のそれよりも小さくなる材料、たとえば1〜3nmのIn0.13Ga0.87Nからなるウェル層と10〜20nmのGaNからなるバリア層とが3〜8ペア積層される多重量子井戸 (MQW)構造の活性層12dが0.05〜0.3μm程度、p形のAlGaN系化合物半導体層からなるp形障壁層(バンドギャップエネルギーの大きい層)とp形GaNからなるコンタクト層とによるp形層12eが合せて0.2〜1μm程度、それぞれ順次積層されることにより形成されている。
図2に示される例では、アンドープで、半絶縁性のGaNからなる高温バッファ層12bが形成されている。基板がサファイアのような絶縁性基板からなる場合には、必ずしも半絶縁になっていなくても基板まで後述する分離溝を形成すれば支障はないが、アンドープにした方が積層する半導体層の結晶性が良くなるため、さらには、半絶縁性半導体層が設けられていることにより、各発光部に電気的分離する際に、基板表面までを完全にエッチングしなくても、電気的に分離することができるため好ましい。基板11がSiCのような半導体基板からなる場合には、隣接する発光部間を電気的に分離させるため、アンドープで半絶縁性の高温バッファ層12bが形成されることが各発光部を独立させるために必要となる。
また、n形層12cおよびp形層12eは、障壁層とコンタクト層の2種類で構成する例であったが、キャリアの閉じ込め効果の点から活性層12d側にAlを含む層が設けられることが好ましいものの、GaN層だけでもよい。また、これらを他の窒化物半導体層で形成することもできるし、他の半導体層がさらに介在されてもよい。さらに、この例では、n形層12cとp形層12eとで活性層12dが挟持されたダブルヘテロ接合構造であるが、n形層とp形層とが直接接合するpn接合構造のものでもよい。また、活性層12d上に直接p形AlGaN系化合物層を成長したが、数nm程度のアンドープAlGaN系化合物層を成長することにより、活性層12dの下側にピット発生層を形成して活性層12dにできたピットを埋め込みながら、p形層とn形層との接触によるリークを防止することもできる。
半導体積層部12上には、たとえばZnOなどからなり、p形半導体層12eとオーミックコンタクトをとることができる透光性導電層13が0.01〜0.5μm程度設けられている。この透光性導電層13は、ZnOに限定されるものではなく、ITOやNiとAuとの2〜100nm程度の薄い合金層でも、光を透過させながら、電流をチップ全体に拡散することができる。この半導体積層部12の一部がエッチングにより除去されてn形層12cが露出され、さらにそのn形層12cの露出部の近傍で間隔dだけ離間してエッチングにより分離溝12fが形成されている。この離間する部分は発光領域(長さL1の部分)としては寄与せずダミー領域12gとなり、熱放散部、配線などの形成スペースなどとすることができ、目的に応じて間隔dは1〜50μm程度の範囲内で設定される。この分離溝12fは、ドライエッチングなどにより形成されるが、電気的に分離できる範囲で、できるだけ狭い幅wで形成され、0.6〜5μm程度、たとえば1μm程度(深さは5μm程度)に形成される。
そして、透光性導電層13上の一部に、TiとAuとの積層構造により、p側電極14aが形成され、半導体積層部12の一部がエッチングにより除去されて露出するn形層12cにオーミックコンタクト用のn側電極14bが、Ti-Al合金などにより形成されている。図2に示される例では、このn側電極14bが、0.4〜0.6μm程度の厚さに形成され、p側電極14aとほぼ同程度の高さになるように形成されている。そして、このp側電極14aおよびn側電極14bの表面が露出するように半導体積層部12の露出する表面および分離溝12f内に、たとえばSiO2などからなる絶縁膜15が設けられている。その結果、分離溝12fで区切られた発光部ユニット10が基板11上に複数個形成されている。その絶縁膜15の表面で、1個の発光部ユニット10aのn側電極14bとその発光部ユニット10aと隣接する発光部ユニット10bのp側電極14aとが配線膜16により接続されている。この配線膜16は、AuまたはAlなどの金属膜を真空蒸着またはスパッタリングなどにより0.3〜1μm程度の厚さに形成されている。この配線膜16は、たとえば図1または図3の等価回路図に示されるように、一対の電極パッド17a、17b間に各発光部ユニット10が直列または並列の所望の接続になるように形成される。
前述の各例では、2個を逆並列に接続した1組を直列に接続し、または直列に接続された組を逆並列に接続して、交流駆動が可能な接続構造になっていたが、pn接合は同一方向で直列および必要に応じてさらに並列に接続して直流駆動が可能な構造にすることもできる。その一例が図4に示されている。図4(a)に示される例は、一対の電極パッド17a、17b間にpn接合が一定方向になるように複数個の発光部ユニット10が直列に接続され、第1の(一方の)電極パッド17a側には、発光部ユニット10eのp側電極14aが接続される構造になっている。このように、p側電極14aが第1の電極パッド17aと接続される発光部ユニット10eも、その輝度を他の発光部ユニット10より低下させる構造に形成されている。これは、第1の電極パッド17aには、プラスかマイナスのいずれのサージが入力するかは分らず、この構造でマイナスのサージが入力した場合、n側電極が接続された発光部ユニットがないため、接続されている発光部ユニット10eに電子が流れ込むことになり、前述と同様にpn接合にダメージを与えることになるため、予め輝度を小さくしておいて、その影響を少なくするためである。
この第1の電極パッド17a側に接続される輝度を低下させた発光部ユニット10eも、前述の各例と同様に、n形層の露出面積を大きくすることにより、その輝度を低下させることができる。しかし、第1の電極パッド17aと接続するのは、p側電極であるため、狭い面積のp側電極14aを第1の電極パッド17aと共用することはできず、発光部ユニット10eとは別に第1の電極パッド17aが独立して形成されている。一方、第2の(他方の)電極パッド17b側は、前述の各例と同様に、発光部ユニット10dのn側電極14bが接続される構造であるため、図1(b)に示される例と同様に、輝度を低下させた発光部ユニット10dのn側電極14bと共用して第2の電極パッド17bが設けられている。なお、この場合でも、発光部ユニット10dのn側電極14bとは別に第2の電極パッド17bを形成して配線により接続する構造にすることもできる。
また、p側電極14aや電極パッド17aは金属膜により形成されるため、発光部で発光した光を殆ど透過させることができず、表面がこれらの金属膜で覆われると、内部で反射して側面から放射される光が出てくるだけで、前述の発光そのものを減らす構造ほどではないが大幅に減衰させることができる。そのため、図4(b)に示されるように、p側電極が電極パッドと接続される発光部ユニット10fを、通常の発光部ユニットと同様の構造で半導体積層部の形成およびエッチングをし、p形層の露出部(実際には透光性導電層18の露出部)の大部分にp側電極14aを形成することにより、電極パッド17aと兼用することもできる。
このような一方向のみに発光部ユニット10が接続された直流駆動用の接続の場合でも、図5に等価回路図で示されるように、さらに並列に接続して全体の輝度を大きくする構造にすることができる。この場合には、一対の電極パッド17a、17bに直接接続される発光部ユニット10d(図ではダイオード記号に斜線を付してある)の全てに輝度を低下させる手段が施される構造にする必要がある。電極パッド17a、17bに直接接続される発光部ユニット10dのどれにサージが流れ込むか分らないからである(全部に流れ込む場合が多い)。
以上のように、発光部ユニットを直並列に接続した発光素子でサージが入力した場合に、pn接合がダメージを受けて輝度は低下するが、pn接合そのものは維持してサージを吸収する性質があるという知見に基づいて、サージが入力する最初の発光部ユニットの輝度を予め小さくしておいて、サージが入力してpn接合がダメージを受けてもそれ以上輝度が低下しないようにすることにより、サージの影響を殆ど受けることがなくなり、さらにサージによりダメージを受けたpn接合もさらにつぎに入力するダメージに対してその波形を鈍らせる、すなわちサージを吸収する作用をする性質を利用しているため、サージに対して非常に信頼性の高い半導体発光素子となり、電灯や蛍光管などに代って用いられる室内の照明灯はもとより、屋外の信号機など種々の照明装置などに信頼性よく利用することができる。
本発明による半導体発光素子の一実施形態の模式的平面説明図である。 図1の発光部ユニット部分の半導体構造を示す断面説明図である。 交流駆動用の発光部ユニットの他の接続例を示す等価回路図である。 直流駆動用の発光部ユニットの接続例を示す平面説明図である。 直流駆動用の他の接続例を示す等価回路図である。 従来のLEDを用いて交流電源に接続する例の説明図である。
符号の説明
10 発光部ユニット
10d サージ吸収用発光部ユニット
14a p側電極
14b n側電極
16 配線
17a、17b 電極パッド

Claims (6)

  1. n形層およびp形層の半導体層が発光層形成部を形成するように積層され、電気的に分離して複数個の発光部ユニットが形成されると共に、該複数個の発光部ユニットが配線により直列および/または並列に接続されてその両端部に一対の電極パッドが形成される半導体発光素子であって、前記一対の電極パッドの少なくとも一方に直接n側電極が接続される発光部ユニットが、他の発光部ユニットより輝度を小さくしたサージ吸収用として形成されてなる半導体発光素子。
  2. 前記サージ吸収用として形成される発光部ユニットのn形層に接続される電極が前記一対の電極パッドの一方として形成されてなる請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記複数個の発光部ユニットが、直列に接続されると共に逆並列に前記一対の電極間に接続されることにより、交流で駆動し得るように接続され、前記一対の電極パッドのそれぞれにn側電極が直接接続される全ての発光部ユニットの輝度が小さくなるように形成されてなる請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. 前記複数個の発光部ユニットが、直列に接続され、またはpn接合が同一方向に直列および並列に接続されて前記一対の電極パッド間に接続されることにより直流で駆動し得るように形成され、前記発光部ユニットのn側電極が前記一対の電極パッドの一方に直接接続される発光部ユニットの1つのn側電極が前記一対の電極パッドの一方として形成されてなる請求項1または2記載の半導体発光素子。
  5. 前記発光層形成部が窒化物半導体により青色光または紫外光を発光するように形成され、前記複数個の発光部ユニットからなる発光素子チップの発光面側に該発光素子チップが発光する光を白色光に変換する発光色変換部材が塗布されてなる請求項1ないし4のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  6. 前記半導体層が絶縁性基板または半絶縁層上に積層され、各発光部ユニットの前記n形層およびp形層に接続される電極が前記積層される半導体層の表面側に設けられ、前記輝度を小さくする発光部ユニットが、該発光部ユニットの表面積でn形層の露出する面積が全体の60〜90%になるように形成されてなる請求項1ないし5のいずれか1項記載の半導体発光素子。
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