JP4728677B2 - 車輌用エネルギ吸収部材及びそれを用いたドアガードビーム - Google Patents

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Description

本発明は、外部から車輌に印加された荷重のエネルギを吸収するための車輌用エネルギ吸収部材及びそれを用いたドアガードビームに関する。
自動車等の車輌に用いられるエネルギ吸収部材として、ドア構造体を構成するドアアウタパネルとドアインナパネルとの間に設けられ、自動車側方から印加された荷重のエネルギを吸収するためのドアガードビームが従来から知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
このようなドアガードビームは、一般的に全体として鋼材で構成されているため、エネルギ吸収特性に優れているが、重量が嵩むために軽量化に限界がある。そのため、近年では、軽量化の観点からドアガードビームを構成する材料としてアルミニウム合金が注目されている。
しかしながら、アルミニウム合金でドアガードビームを構成した場合に、鋼材と同等のエネルギ吸収特性を付与しようとすると、板厚が増したりサイズが大きくなる等のドア構造体におけるレイアウト設計上の制限が新たに生じるという問題がある。
特開平5−38992号公報 特開平8−216684号公報 特開平10−58973号公報 実開平5−49434号公報 実開平5−54026号公報 実開平5−58428号公報
本発明は、エネルギ吸収特性に優れ、しかもレイアウト設計上の制限を少なく軽量化及び小型化を図ることが可能な車輌用エネルギ吸収部材及びそれを用いたドアガードビームを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、外部から車輌に印加された荷重のエネルギを吸収するための車輌用エネルギ吸収部材であって、印加された荷重を受けるための荷重受け部材と、繊維強化複合材料から構成されていると共に貫通孔が形成されているプレート状のフランジ部材と、を備え、前記荷重受け部材は、その両端で連結部材を介して前記フランジ部材の前記貫通孔に固定され、前記フランジ部材は、その一端で車輌に取り付けられている車輌用エネルギ吸収部材、及び、前記車輌用エネルギ吸収部材を用いたドアガードビームが提供される。そして、前記フランジ部材は、前記貫通孔に面圧破壊が発生するように、強化繊維が所定方向に配向された第1の基材と、前記第1の基材とは異なる方向に強化繊維が配向された第2の基材と、を積層して構成され、前記フランジ部材は、前記一端とは反対側に前記貫通孔を基準として面圧破壊が発生する領域を有する。
本発明では、外部から車輌に印加された荷重を受けるための荷重受け部材を、繊維強化複合材料から構成されるフランジ部材を介して、車輌に取り付ける。そして、荷重印加時に、荷重受け部材からフランジ部材に荷重を伝達させ、当該荷重によりフランジ部材を破壊することにより、荷重に対する反力を付与し、荷重のエネルギを吸収する。
このように、フランジ部材を繊維強化複合材料で構成することにより、全体が金属材料で構成された従来のものと比較して軽量化を図ることが可能となる。また、フランジ部材を繊維強化複合材料で構成することにより、車輌用エネルギ吸収部材を平面的に構成することが出来るので小型化を図ることが可能となる。
さらに、フランジ部材を構成する繊維強化複合材料の板厚や積層構成、繊維配向角等を変更することにより、車輌用エネルギ吸収部材の反力を自由に設定することが出来るので、優れたエネルギ吸収特性を確保することが可能となる。しかも、繊維強化複合材料の構成により反力を自由に設定し得るので、レイアウト設計上の自由度が格段に向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームを示す斜視図、図2は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームの平面図である。
本発明の第1実施形態に係るドアガードビーム10aは、図1及び図2に示すように、外部から車輌に印加された荷重を受けるための荷重受け部材20aと、繊維強化複合材料から構成されるフランジ部材30aと、荷重受け部材20aとフランジ部材30aとを連結する連結部材50と、を備えており、荷重受け部材20aの両端部にフランジ部材30aが連結部材50を介してそれぞれ取り付けられており、さらに、各フランジ部材30aは、車輌のドア構造体1を構成するドアインナパネル3に接合されている。フランジ部材30aをドアインナパネル3に接合する方法としては、例えば、接着やボルト締結、リベット止め等の手法を例示することが出来るが、フランジ部材30aの貫通孔35(後述)の面圧破壊荷重よりも強い接合強度を確保できれば何れの手法を選択しても良い。
図3は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられるフランジ部材を示す斜視図、図4は図3のフランジ部材を構成する繊維強化複合材料の積層構成を示す斜視図、図5はフランジ部材の板厚と貫通孔の面圧破壊荷重との関係を示すグラフ、図6は図3のフランジ部材の貫通孔を示す部分拡大断面図、図7は図3のフランジ部材の貫通孔の他の例を示す部分拡大正面図である。
ドアガードビーム10aのフランジ部材30aは、マトリクス(母材)としての合成樹脂材料と、強化繊維(強化材)と、から成る繊維強化複合材料(FRP:Fiber Reinforced Plastic)から構成されており、図3に示すように、板厚が3.2mm程度のプレート状の形状を有している。このフランジ部材30aには、連結部材50により荷重受け部材20aを連結するための貫通孔35が形成されている。
この繊維強化複合材料のマトリクスとしては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂材料や、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及び、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂材料等を挙げることが出来る。
また、この繊維強化複合材料の強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、ポリエチレン繊維、PBO繊維、及び、ポリエステル繊維等を挙げることが出来る。これらの中でも高剛性であるという観点から炭素繊維やアラミド繊維を強化材として用いたCFRPやKFRPが特に好ましい。
この繊維強化複合材料は、図4に示すように、強化繊維を0度と90度の繊維配向角で織り込んだ第1の平織りクロス31と、強化繊維を±45度の繊維配向角で織り込んだ第2の平織りクロス32と、を交互に積層してフランジ部材30aを構成している。即ち、フランジ部材30aを構成する繊維強化複合材料は、繊維配向角0度の強化繊維を25%、繊維配向角90度の強化繊維を25%、及び、繊維配向角±45度の強化繊維を50%の割合で含有しており、しかも、第1の平織りクロス31と第2の平織りクロス32とは擬似等方性となるように積層されている。なお、本実施形態における第1の平織りクロス31が特許請求の範囲における第1の基材に相当し、本実施形態における第2の平織りクロス32が特許請求の範囲における第2の基材に相当する。
ここで、繊維強化複合材料は、その積層構成や繊維配向角等を変更したり、ステッチングすることにより、荷重印加時において生じ得る破壊モード(例えば、引張破壊や剪断破壊、面圧破壊等)を自由に設定することが出来るが、本実施形態では、繊維配向角0度、90度及び±45度の強化繊維を上記のような25%:25%:50%の割合でフランジ部材30aを構成することにより、フランジ部材30aに引張破壊や剪断破壊を生じさせずに、貫通孔35を長孔状に破壊させる面圧破壊(ベアリング破壊、Bearing Failure)を発生させることが可能となっている(図12参照)。
このように、荷重印加時にフランジ部材30aに発生する破壊モードとして貫通孔35を基準とした面圧破壊を生じさせることにより、荷重印加時において荷重に対する反力を維持することが出来、ドアガードビーム10aに良好なエネルギ吸収特性を確保することが出来る。
なお、本発明においては、繊維配向角0、90度及び±45度の強化繊維の割合は、上記の割合に限定されず、下記の条件式を満たすようフランジ部材を構成することにより、フランジ部材30aの貫通孔35に面圧破壊を発生させることが出来る。
α+β+γ=100%
α=10〜40%
β=10〜40%
γ=30〜70%
但し、αは、フランジ部材30aを構成する繊維強化材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が0度のものの割合[%]、βは、フランジ部材30aを構成する繊維強化複合材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が90度のものの割合[%]、及び、γは、フランジ部材30aを構成する繊維強化複合材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が±45度のものの割合[%]である。
フランジ部材30aに形成された貫通孔35の直径は、必要とされるエネルギ吸収量に応じて決定される。図5は、貫通孔35の直径がφ6.4mmである場合におけるフランジ部材30aの板厚と貫通孔35の面圧破壊荷重との関係を示すグラフである。貫通孔35の直径毎にこのようなグラフを作成し、貫通孔35の直径、フランジ部材30aの板厚及び貫通孔35の面圧破壊荷重の関係をデータベース化しておく。そして、要求されるエネルギ吸収量より導き出される面圧破壊荷重、及び、フランジ部材30aの板厚により当該データベースを参照して最適な貫通孔35の直径を決定される。
さらに、フランジ部材30aの貫通孔35は、図6に示すように、その開口周縁にテーパ36が形成されている。荷重印加時にこのテーパ36がトリガとして作用することにより、フランジ部材30aに生じる破壊モードとして、貫通孔35の面圧破壊を確実に生じさせることが出来る。なお、本発明においてはこれに限定されず、例えば、図7に示すように、貫通孔35の開口周縁に、面圧破壊が発生させたい方向、例えばドアガードビームが延在する方向にノッチ37を形成しておき、荷重印加時にこのノッチ37をトリガとして作用させても良い。
図8は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる荷重受け部材を示す斜視図、図9は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる荷重受け部材の他の例を示す斜視図である。
ドアガードビーム10aの荷重受け部材20aは、図8に示すようなベルト状の形状を有しており、連結部材50を介してフランジ部材30aに連結可能なように、その両端に取付孔21がそれぞれ形成されている。この荷重受け部材20aは、上述した繊維強化複合材料から構成されており、その中でも高強度及び軽量化の観点から強化材として炭素繊維を用いたCFRPで構成されていることが好ましい。この荷重受け部材20aは、フランジ部材30aに形成された貫通孔35の面圧破壊荷重より強い引張耐荷重を持ち、且つ、荷重印加時に荷重により当該印加方向に変形可能となっている。荷重印加方向に変形可能とすることにより、当該印加された荷重を、フランジ部材30aの貫通孔35に作用する張力に変換することが出来る。なお、荷重受け部材20aの取付孔21の面圧耐荷重も、フランジ部材30aの貫通孔35の面圧破壊荷重よりも強く設定されている。
なお、本発明における荷重受け部材は、フランジ部材に形成された貫通孔の面圧破壊荷重より強い引張耐荷重を持ち、且つ、荷重印加時に荷重により当該印加方向に変形可能であれば、上記のようなCFRP製のベルトに限定されず、例えば、図9に示すようなスチールワイヤ等で構成された荷重受け部材20bであっても良い。
図10は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる連結部材を示す拡大断面図である。
本実施形態に係るドアガードビーム10aの連結部材50は、図10に示すように、カラー51、ボルト52及びナット53から構成されている。そして、荷重受け部材20aの取付孔21、及び、フランジ部材30aの貫通孔35にカラー51を挿入し、さらに当該カラー51の内孔にボルト52を挿入し、当該ボルト52にナット53を締結することにより、荷重受け部材20aとフランジ部材30aとが連結部材50により連結されている。
以上のようなドアガードビーム10aを用いて自動車のドア構造体1を構成する場合には、図1に示すように、先ず、ドアガードビーム10aの両端のフランジ部材30aをドアインナパネル3に接合して、ドアガードビーム10aをドアインナパネル3に固定する。次いで、このドアインナパネル3をドアアウタパネル2に重ね合わせた後に、ドアアウタパネル2の外周をヘミング加工すると共にスポット溶接して、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3とを固定することによりドア構造体が構成される。
次に作用について説明する。
図11は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加された状態を示す平面図、図12は本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加されてフランジ部材に面圧破壊が発生した状態を示す斜視図、図13は荷重受け部材の変形角度と荷重印加方向に発生した反力との関係を示すグラフである。
自動車のドア構造体1に対して車外側から荷重が印加されると、当該荷重がドアアウタパネル2を介して、内部に設けられた荷重受け部材20aに作用する。荷重を受けた荷重受け部材20aは、図11中の矢印A方向(荷重印加方向)に変形し、フランジ部材30a自体が車内側に折れ曲がりながら、当該荷重が、荷重受け部材20a及び連結部材50を介して、フランジ部材30aに張力(図中の矢印B)としてそれぞれ伝達される。
この張力が貫通孔35の面圧破壊荷重に達すると、フランジ部材30aを構成する繊維強化複合材料が擬似等方性となっているために、図12に示すように、フランジ部材30aに貫通孔35を基準とした面圧破壊が矢印C(図11及び図12参照)方向に発生すると同時に荷重印加点に反力(図11中の矢印D)が付与され、印加された荷重のエネルギが吸収される。この際、荷重受け部材20aの内側への変形により、荷重印加点がドア構造体1の内側方向へ変位するため、図13に示すように、荷重受け部材20aの変形角度θ(図12参照)が大きくなり、これに従って、荷重印加点に付与される反力も徐々に増加する。因みに、全体が金属材料で構成された従来のものでは、荷重印加初期に最大反力を発生した後は、急激に反力が低下するため、エネルギ吸収量を向上するのに板厚の増加や断面形状の拡大等を必要とし、これには重量の大幅な増加を伴う。
図14は本実施形態に係るドアガードビームに用いられるフランジ部材の他の例を示す断面図である。本実施形態では、フランジ部材30aは、図14に示すように、ドアインナパネル3との接合部から荷重受け部材20a側に向かってtからtに漸次減少する板厚を有しても良い(t>t)。板厚tは例えば6.4mm程度であり、板厚tは例えば3.2mm程度である。
フランジ部材30aの板厚を一定にした場合には、図13中の実線で示すように、荷重に対する反力が荷重受け部材20aの変形角度θに比例しているため、荷重印加初期には小さな反力しか得られない。これに対し、上記のようにフランジ部材30aの板厚を部分的に増加させておくことにより、図13中に点線で示すように、荷重印加初期においても比較的大きな反力を得ることが可能となり、エネルギ吸収量の向上を図ることが出来る。
なお、荷重印加初期における反力を大きくする手法としては、フランジ部材30aの板厚を部分的に増加させる手法の他に、フランジ部材30aを構成する繊維強化複合材料の繊維配向を部分的に変える手法、ステッチを施す手法を挙げることも出来る。
以上のように本実施形態では、フランジ部材30aを繊維強化複合材料で構成することにより、全体が金属材料で構成された従来のものと比較して軽量化を図ることが出来る。また、フランジ部材を繊維強化複合材料で構成することにより、ドアガードビームを平面的に構成することが出来るので小型化を図ることが可能となる。
さらに、繊維強化複合材料は、板厚や積層構成、繊維配向角等を変更することにより、その強度や破壊モードを自由に設定することが出来るが、本実施形態ではこのような特徴を持つ繊維強化複合材料によりフランジ部材30aを構成することにより、ドアガードビーム10aの反力を自由に設定することを出来、優れたエネルギ吸収特性を確保することが可能となっている。しかも、繊維強化複合材料の構成により反力を自由に設定し得るので、レイアウト設計上の自由度が格段に向上する。
[第2実施形態]
図15は本発明の第2実施形態に係るドアガードビームを示す平面図、図16は本発明の第2実施形態に係るドアガードビームに用いられるヒンジ部材を示す斜視図、図17は図16に示すヒンジ部材の分解斜視図、図18は図16のXVIII-XVIII線に沿った断面図、図19は本発明の第3実施形態に係るドアガードビームに用いられるヒンジ部材を示す斜視図、図20は本発明の第2実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加された状態を示す平面図である。
本発明の第2実施形態に係るドアガードビーム10bは、図15に示すように、ヒンジ部材40aを備えている点で上述の第1実施形態に係るドアガードビーム10bと相違するが、その他の構成は第1実施形態に係るドアガードビーム10aと同一である。以下に、第2実施形態に係るドアガードビーム10bについて、第1実施形態に係るドアガードビーム10aの相違点のみを説明する。
本実施形態に係るドアガードビーム10bのヒンジ部材40aは、図16〜図18に示すように、金属製の第1及び第2のプレート41、42が金属製のシャフト41を中心としてヒンジ動作可能に構成されている。第1のプレート41の両主面には、貫通孔35が形成された繊維強化複合材料製のフランジ部材30bが接着剤により貼り付けられている。また、この第1のプレート41には、貫通孔35に対応する部分からシャフト43とは反対側に伸び、当該第1のプレート41の端面で開口している切欠部44が形成されている。第1のプレート41にこのような切欠部44を形成することにより、各フランジ部材30bに貫通孔35を基準とした面圧破壊を発生させることが出来る。フランジ部材30bの貫通孔35及びヒンジ部材40aの切欠部44には、荷重受け部材20aの取付孔が合わせられて連結部材50が挿入され、荷重受け部材20aとヒンジ部材40aとが連結されている。
第2のプレート42には、ヒンジ部材40aをドアインナパネル3にリベットにより取り付けるための取付孔45が2箇所形成されており、ヒンジ部材40aは、この第2のプレート42で接着剤及びリベット止めによりドアインナパネル3に固定されるようになっている。
なお、図19に示すヒンジ部材40bのように、シャフト43を除いて第1のプレート41及び第2のプレート42自体を繊維強化複合材料で構成しても良い。なお、この場合には、第1のプレート41に切欠部44を形成せずに貫通孔35のみを形成する。
次に作用を説明する。
ドア構造体1に対して車外側から荷重が印加されると、第1実施形態と同様に、当該荷重が、ドアアウタパネル2を介して荷重受け部材20aに作用し、図20中の矢印A方向(荷重印加方向)に変形する。この際、ヒンジ部材40aの第1のプレート41が第2のプレート42に対してシャフト43を中心軸として荷重印加方向に回転動作する。
荷重受け部材20aに印加された荷重は、当該荷重受け部材20a及び連結部材50を介してフランジ部材30bに張力としてそれぞれ伝達され、貫通孔35の面圧破壊荷重に達すると、当該貫通孔35を基準とした面圧破壊が矢印C方向に発生すると同時に荷重印加点に反力(矢印D)が付与され、印加された荷重のエネルギが吸収される。この際、荷重受け部材20aの内側への変形により、荷重印加点がドア構造体1の内側方向へ変位するため、荷重受け部材の変形角度θ(図20参照)が大きくなり、これに従って、荷重印加点に付与される反力も徐々に増加する。
以上のように本実施形態では、フランジ部材30bを繊維強化複合材料で構成することにより、全体が金属材料で構成された従来のものと比較して軽量化を図ることが出来る。また、フランジ部材30bを繊維強化複合材料で構成することにより、ドアガードビーム10bを平面的に構成することが出来るので小型化を図ることが可能となる。
さらに、繊維強化複合材料は、板厚や積層構成、繊維配向角等を変更することにより、その強度や破壊モードを自由に設定することが出来るが、本実施形態では、このような特徴を持つ繊維強化複合材料によりフランジ部材30bを構成することにより、ドアガードビーム10bの反力を自由に設定することが出来、優れたエネルギ吸収特性を確保することが可能となっている。しかも、繊維強化複合材料の構成により反力を自由に設定し得るので、レイアウト設計上の自由度が格段に向上する。
また、本実施形態では、ヒンジ部材40aを介してフランジ部材30aをドアインナパネル3に取り付けられているので、荷重印加時に荷重受け部材20aの変形角度θが大きくなってもフランジ部材自体が曲げ荷重を受けることがなく、フランジ部材の変形による破損が防止され、フランジ部材30bに意図した破壊モード(面圧破壊)のみを発生させることが出来る。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、連結部材により荷重受け部材とフランジ部材とを連結したが、本発明では特にこれに限定されず、連結部材を設けずに、荷重受け部材の両端部をフランジ部材の貫通孔に挿入する等して、荷重受け部材とフランジ部材とを直接連結しても良い。
また、本発明の車輌用エネルギ吸収部材は、外部から車輌に印加された荷重のエネルギを吸収するドアガードビーム以外の部材にも使用することが出来る。
図1は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームを示す斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームの平面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられるフランジ部材を示す斜視図である。 図4は、図3のフランジ部材を構成する繊維強化複合材料の積層構成を示す斜視図である。 図5は、フランジ部材の板厚と貫通孔の面圧破壊荷重との関係を示すグラフである。 図6は、図3のフランジ部材の貫通孔を示す部分拡大断面図である。 図7は、図3のフランジ部材の貫通孔の他の例を示す部分拡大正面図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる荷重受け部材を示す斜視図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる荷重受け部材の他の例を示す斜視図である。 図10は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられる連結部材を示す拡大断面図である。 図11は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加された状態を示す平面図である。 図12は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加されてフランジ部材に面圧破壊が発生した状態を示す斜視図である。 図13は、荷重受け部材の変形角度と荷重印加方向に発生した反力との関係を示すグラフである。 図14は、本発明の第1実施形態に係るドアガードビームに用いられるフランジ部材の他の例を示す部分拡大断面図である。 図15は、本発明の第2実施形態に係るドアガードビームを示す平面図である。 図16は、本発明の第2実施形態に係るドアガードビームに用いられるヒンジ部材を示す斜視図である。 図17は、図16に示すヒンジ部材の分解斜視図である。 図18は、図16のXVIII-XVIII線に沿った断面図である。 図19は、本発明の第3実施形態に係るドアガードビームに用いられるヒンジ部材の他の例を示す斜視図である。 図20は、本発明の第2実施形態に係るドアガードビームに荷重が印加された状態を示す平面図である。
符号の説明
1…ドア構造体
2…ドアアウタパネル
3…ドアインナパネル
10a、10b…ドアガードビーム
20a、20b…荷重受け部材
21…取付穴
30a、30b…フランジ部材
31…第1の平織りクロス
32…第2の平織りクロス
35…貫通孔
36…テーパ
37…ノッチ
40a、40b…ヒンジ部材
41…第1のプレート
42…第2のプレート
43…シャフト
44…切欠部
45…取付孔
50…連結部材
51…カラー
52…ボルト
53…ナット

Claims (10)

  1. 外部から車輌に印加された荷重のエネルギを吸収するための車輌用エネルギ吸収部材であって、
    印加された荷重を受けるための荷重受け部材と、
    繊維強化複合材料から構成されていると共に貫通孔が形成されているプレート状のフランジ部材と、を備え、
    前記荷重受け部材は、その両端で連結部材を介して前記フランジ部材の前記貫通孔に固定され、
    前記フランジ部材は、その一端で車輌に取り付けられており、
    前記フランジ部材は、前記貫通孔に面圧破壊が発生するように、
    強化繊維が所定方向に配向された第1の基材と、
    前記第1の基材とは異なる方向に強化繊維が配向された第2の基材と、を積層して構成され、
    前記フランジ部材は、前記一端とは反対側に前記貫通孔を基準として面圧破壊が発生する領域を有する車輌用エネルギ吸収部材。
  2. 前記第1の基材は、
    繊維配向角が0度の強化繊維と、
    繊維配向角が90度の強化繊維と、を有し、
    前記第2の基材は、
    繊維配向角が−45度の強化繊維と、
    繊維配向角が+45度の強化繊維と、を有し、下記条件式を満たす請求項記載の車輌用エネルギ吸収部材。
    α+β+γ=100%
    α=10〜40%
    β=10〜40%
    γ=30〜70%
    但し、αは、前記フランジ部材を構成する繊維強化複合材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が0度のものの割合[%]、βは、前記フランジ部材を構成する繊維強化複合材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が90度のものの割合[%]、及び、γは、前記フランジ部材を構成する繊維強化複合材料に含有された強化繊維のうちの繊維配向角が±45度のものの割合[%]である。
  3. 前記フランジ部材を構成する前記第1の基材及び前記第2の基材は擬似等方性に積層されている請求項1又は2記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  4. 前記荷重受け部材は、荷重印加時に荷重により当該印加方向に変形可能である請求項1〜3の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  5. 前記荷重受け部材は、金属材料又は繊維強化複合材料から構成されている請求項4記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  6. 前記フランジ部材の前記貫通孔の開口周縁はテーパ状に形成され、又は、前記貫通孔の開口周縁にノッチが形成されている請求項1〜5の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  7. 前記フランジ部材において前記貫通孔を基準として面圧破壊が発生する領域よりも前記貫通孔の近傍の領域の方が厚く形成されている請求項1〜6の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  8. 前記フランジ部を構成する繊維強化複合材料は、炭素繊維を強化材料として含有している請求項1〜7の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  9. 荷重の印加方向に回転動作可能なヒンジ部材をさらに備え、
    前記フランジ部材は、前記ヒンジ部材を介して前記車輌に取り付けられており、
    前記車輌に荷重が印加された際に、前記ヒンジ部材によって前記フランジ部材が荷重印加方向に回転する請求項1〜8の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の車輌用エネルギ吸収部材を用いたドアガードビーム。
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