JP4726289B2 - 射出成形靴 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形靴に関し、特に、ロングブーツやショートブーツなどのような筒部を有する射出成形靴の履き口部における履用者の脚部との接触をスムーズにした上記靴に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ロングブーツやショートブーツなどの射出成形靴は、その履口(筒部)先端の内・外周面に、凹部や凸部を帯状に設けたり、その他適宜の意匠を帯状に施して、履き口部としたものが一般的である。
【0003】
また、(1)長靴の履き口にスポンジ体を接着して、雨水や雪水の侵入を防止し、あるいはズボンの裾のずり上がりや、素足の際の靴づれを防止したもの(実公昭38−13112号公報)、
(2)履き口の内周面に波状のズボン止めを長靴本体と一体に射出成形して、長靴の履用時にズボンのずり上がりを防止したもの(特公昭57−1242号公報)、
(3)ブーツ内の全体又は一部に、ブーツの裏地を貫通する突起体を、ブーツ本体と一体に射出成形し、足と裏地との直接接触をなくして裏地の摺接破損を防止したり、足の抜けを防止するもの(特公昭47−29140号公報)、
も提案されている。
【0004】
しかし、(1)のスポンジ体を接着するものでは、長靴の狭い履き口に接着する工程を必要とするばかりか、スポンジ体が破損したり剥離するなどの問題がある。
(2)の波状のズボン止めを長靴本体と一体成形するものでは、ズボンのずり上がりを防止するためには有効であるが、婦人用ストッキングなどの破損防止、あるいは素足の場合の肌触り感は、必ずしも良好とは言えない。
(3)の裏地を貫通する突起体をブーツ本体と一体に射出成形するものでは、上記(2)のものの場合と同様に、婦人用ストッキングなどの破損防止や、素足の場合の肌触り感に問題が残る。
【0005】
このように、従来の提案は、ズボンの着用を前提になされたものが多く、昨今の婦人が活躍する社会で実用されるロングブーツやショートブーツなどの射出成形靴の提案としては、種々の問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、履き口部において、履用者の脚部との接触がスムーズに行われ、よって婦人用ストッキングなどの破損し易い素材との摺接においても、破損を防止する射出成形靴を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を行った結果、射出成形靴において、所定のR加工を施した突状体を履き口部に設けることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、筒部を有する射出成形靴の履き口近傍部内周面に、突状体を一体に射出成形してなり、突状体は、半径0.5〜5mmのR加工が施された形状を有し、高さが0.5〜10mm、幅が0.5〜10mmであり、突状体の断面が、半円形状又は楕円形状であることを特徴とする射出成形靴を要旨とする。
【0009】
本発明における射出成形靴は、その履き口近傍部内周面、たとえばブーツ類の筒部の先端(履き口)近傍部における内周面に沿って、突状体が靴本体と一体に射出成形されて設けられている。
この突状体は、R加工が施されており、そのRは0.5〜5mmの寸法とすることが必須である。
Rが小さすぎると、すなわち突状体が鋭角すぎると、前記従来提案の(1)や(2)のような、ズボン止め的な役割が支配的となって、履用者の脚部との接触がスムーズに行われ難くなり、履用者が婦人用ストッキングなどの破損し易い素材を着用する場合に、摺接により該素材の破損が生じ易くなったり、素足で履用する場合の肌触り感が低下する。逆に、Rが大きすぎても、すなわち突状体が鈍角すぎても、履用者の脚部との接触がスムーズに行われ難くなり、異物感を生じさせて、履用感を損なう場合がある。
【0010】
突状体の高さが低すぎ、幅が狭すぎると、突状体を設ける意義が生じず、高さが高すぎ、幅が広すぎれば、履き口近傍部が狭くなって、履き難くなるため、0.5〜10mmとすることが適している。
【0011】
上記の突状体は、履き口部の内周面全面に連続した環状に設けてもよいし、適宜の間隔を開けて断続した環状に設けてもよい。
また、設ける箇所は、履き口部近傍部、たとえば、筒部の先端であってもよいし、この先端からやや下側に位置した部位であってもよい。
さらに、形状は、上記範囲内のR加工が施され、かつ上記範囲内の高さと幅を有する帯状、あるいは図5(A)〜(G)に示すような断面が半円形状(図5(A)),楕円形状(図5(B)),波形状(図5(C)),半円形状や楕円形状が複数段連続する形状(図5(D),(E)),こられの形状が間隔をあけて複数段連続する形状(図5(F),(G))など、その他適宜の形状であってよい。
【0012】
本発明の射出成形靴の材料としては、通常の射出成形靴の材料と同様の、塩化ビニル系樹脂、サーモプラスチックラバー系樹脂などをそのまま使用することができる。
したがって、靴本体と一体に射出成形される上記突状体の材料も、これらの樹脂によって構成されることとなり、突状体を靴の射出成形後に貼着する作業工程を必要としないばかりか、突状体が破損したり剥離すると言った問題が生じることもない。
【0013】
また、上記の樹脂のような、比較的軟質で、しかも剛性の高い樹脂を使用することにより、本発明における突状体としての機能(婦人用ストッキング履用者の脚部が摺接しても破損することなく、かつ履用者の脚部との接触感を良好なものとする)を優れたものとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る射出成形靴の一実施態様を、ロングブーツを例にして説明するための模式的な断面図で、(A)が全体図、(B)が(A)のα部を拡大して示す図である。
図1(A),(B)において、1は射出成形されたロングブーツ本体で、2は該ロングブーツ1の裏布である。
【0015】
図1(A),(B)の態様では、履き口先端(ロングブーツ本体1の筒部の先端)に、断面が半楕円形状の突状体11が連続した環状に設けられている。
この突状体11のRは、0.5〜5mmの範囲内に加工されており、高さhと幅wは、いずれも0.5〜10mmの範囲内にある。
【0016】
図2(A),(B)は、図1(A),(B)に示す態様のロングブーツ1を人(スカートを着用した女性)が履用している状態を説明するための図であって、(A)がロングブーツ1の全体図、(B)が(A)のα部を拡大して示す図である。
図2(A),(B)において、図1(A),(B)と同一符号は図1(A),(B)と同義であり、HLは本態様のロングブーツ1の履用者の脚部を示している。
【0017】
図2(A),(B)に示すように、本態様に係るロングブーツ1を履用する人の脚部HLは、ロングブーツの履き口部においては、該部に設けられている突状体11と接触している。
したがって、この突状体11が、本発明の範囲内において、R加工され、また高さhと幅wを有していれば、該突状体11と脚部HLとが摺接しても、脚部HLに靴ズレが生じることはないし、また脚部HLに婦人用ストッキングなどの破れ易い素材のものが着用されていても該素材の破損を防止することができる。
【0018】
図3は、図1(A),(B)に示す態様のロングブーツ1を成形する場合の一実施態様を説明するための断面図であり、図1(A),(B)と同一符号は図1(A),(B)と同義であって、31がラストモールド、32,32がサイドモールド、33がボトムモールドである。
ボトムモールド33には、射出成形用の材料(たとえば、塩化ビニル系樹脂)を、キャビティー1′内に射出するためのゲート331が設けられている。
【0019】
図3に示すラストモールド31は、図4(A)に示すラストモールド31′の上端から下側へ寸法Dだけ下がった部分に、図4(B)に示すような凹溝311が形成されたものである。
【0020】
この凹溝311は、断面が半楕円形状で、連続した環状に加工され、深さ(突状体11の高さhに該当)が0.5〜10mmの範囲内に、溝幅(突状体11の幅wに該当)が0.5〜10mmの範囲内にそれぞれ設定され、Rが0.5〜5mmとなるように加工されている。
【0021】
上記のような構成を有するラストモールド31と、各モールド32,32,33を使用して本発明のロングブーツ1を射出成形する態様を、図3を参照して説明する。
図3において、先ず、ラストモールド31に、ロングブーツ1の裏布2を吊り込む。
【0022】
この裏布2は、一般に、織布、編布、その他の伸縮性に富む素材が使用され、ロングブーツ1の内面形状に沿った形に、しかもロングブーツ1の内寸より小さい寸法で、縫製されている。
このため、裏布2は、伸長された状態でラストモールド31に吊り込まれ、吊り込まれた後には、収縮する方向の力が作用して、凹溝311の凹形状に沿ってラストモールド31の表面に緊密に接した状態となる。
【0023】
次いで、上記の態様で裏布2が吊り込まれたラストモールド31に、サイドモールド32,32、およびゲート331を有するボトムモールド33がセットされ、図3に示す態様のキャビティー1′が形成される。
このキャビティー1′内に、ボトムモールド33のゲート331を介して、上記の射出成形材料を射出する。
【0024】
この射出成形材料は、上記のようにラストモールド31に形成された凹溝311内にも入り込み、図3に示す断面形状を有するキャビティー1′内にロングブーツ本体1を成形すると同時に、裏布2の織り目や編み目内に侵入して、裏布2をアンカー効果によりロングブーツ本体1と固定する。
【0025】
最後に、この裏布2を固定したロングブーツ本体1を脱型すれば、図1(A),(B)に示すような断面形状の、すなわちラストモールド31の凹溝311に該当する部分に形成された突状体11を、筒部の先端(履き口)内周面に連続した環状で有するロングブーツ1を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の射出成形靴によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)射出成形靴の履き口部において、履用者の脚部との接触がスムーズに行われ、よって婦人用ストッキングなどの破損し易い素材との摺接においても、破損を生じることはなく、また素足で履用する場合の肌触り感も良好である。
(2)従来のスポンジ体を接着するもののような、突状体が剥離するという問題はない。
(3)これらから、昨今の婦人が活躍する社会において、あるいは夏期などの猛暑時において、実用性の高い射出成形靴と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形靴の一実施態様をロングブーツを例にして説明するための模式的な断面図であり、(A)が全体図、(B)が(A)のα部の拡大図である。
【図2】図1に示す実施態様のロングブーツを人(スカートを着用した女性)が履用している状態を説明するための図であり、(A)が全体図、(B)が(A)のα部の拡大図である。
【図3】図1に示す実施態様のロングブーツを成形する場合の一実施態様を説明するための模式的な断面図である。
【図4】図1に示す実施例態様のロングブーツを射出成形する場合に使用するラストモールドを説明するための図であり、(A)が通常のラストモールド、(B)がこのラストモールドに凹溝を形成した状態を示すための説明図である。
【図5】(A)〜(G)は、本発明の射出成形靴における突状体の形状例を説明するための模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形靴(ロングブーツ)本体
2 裏布
11 突状体
31 ラストモールド
311 凹溝
32,32 サイドモールド
33 ボトムモールド
331 ゲート
h 突状体の高さ
w 突状体の幅
HL 射出成形靴(ロングブーツ)履用者の脚部
Claims (1)
- 筒部を有する射出成形靴の履き口近傍部内周面に、突状体を一体に射出成形してなり、
突状体は、半径0.5〜5mmのR加工が施された形状を有し、高さが0.5〜10mm、幅が0.5〜10mmであり、
突状体の断面が、半円形状又は楕円形状であることを特徴とする射出成形靴。
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- 2000-10-13 JP JP2000313427A patent/JP4726289B2/ja not_active Expired - Lifetime
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