JP4721585B2 - 拭き取りシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拭き取りシートに関し、特に、乾燥状態であっても、湿潤状態であっても吸収性にすぐれた拭き取りシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、濡れ物や水分を含んだ汚れ物等を拭き取るのに、不織布を使用した拭き取りシートが広く用いられている。この拭き取りシートは、水分を含ませて湿潤状態にして使用する場合もあり、湿潤状態であっても吸水性がよく扱い易いものが要求されている。
【0003】
一般に、拭き取りシートは、水分の吸収性が良いパルプを材料として使用した場合、水分の吸収量は使用したパルプの坪量によって影響される。すなわち、拭き取りシートは、使用するパルプの密度を高くすると水分の吸収量は多くなることになる。
【0004】
しかしながら、パルプの密度を高くすると拭き取りシートの剛軟性が高くなるので、感触がゴワゴワして拭き難くなるという問題があった。
そこで、拭き取りシートの剛軟性を下げるためには、パルプの密度を低くすればよいわけであるが、パルプの密度を低くすると拭き取りシートの強度が下がるという問題が新たに生じてくる。
【0005】
一方、拭き取りシートを、レーヨンなどの親水性で長い繊維で作った薄いシートで構成した場合、吸水した拭き取りシートを絞るとシート面が潰れてしまい、シートを広げられないことがあり、拭き心地も悪くなるという問題点があった。
そこで、シート面が潰れないようにするために、シートの厚さを1mm以上にして、使用する繊維の密度を高くする等の対策がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シートを厚くすると拭き心地が悪くなり、また、繊維の密度を高くすると拭き取りシートの剛軟性が上り、拭き心地が悪くなるという問題があった。
【0007】
そこで、特開平10−77560号公報に開示されているように、天然繊維と再生繊維の少なくとも一方を含む繊維と合成単繊維を特定比(50/50〜90/10(重量%))で混繊し、比容積が13cc/g以上とした不織布が提案されている。この不織布によると、乾燥時、湿潤時の何れにおいても良好な嵩高性を有し、かつ適度な水分保持性を有する。しかしながら、拭き取り時に、嵩高性を有すると拭き心地に影響を及ぼす場合がある。
【0008】
また、特開平2001−20168号公報に開示されているように、規則的に配列された多数の凸部が形成されている繊維集合体からなる圧縮回復性シートであって、坪量が15〜100g/m2、無荷重厚みが1〜10mm、圧縮回復率が60%以上とした圧縮回復シートが提案されている。この圧縮回復シートによると、吸収性物品の包袋体内の所定の荷重下では厚みが薄く、包袋体から取り出して使用する際に荷重が取り除かれると、厚みが回復して使用時に吸収性物品に必要な厚みを発現させることができる。しかしながら、拭き取り時に、シートに厚みがあると、拭き心地に影響を及ぼす場合がある。
【0009】
また、特開平9−228212号公報に開示されているように、特定の繊維密度(0.05〜0.1g/cm3)において引張強度と剛軟性を特定した清拭用スパンレース不織布が提案されている。この構成によると、肌触り、柔軟性に優れた清拭用スパンレース不織布を実現できる。しかしながら、従来のものと比較すると強度が劣る。
【0010】
また、特開平9−228213号公報に開示されているように、特定の繊維密度(0.05〜0.1g/cm3)において引張強度と剛軟性を特定したウェットティッシュ用不織布であって、特定の水分を含浸させた状態で特定の引張強度を有するとともに、所定の荷重で圧縮した後に所定の圧縮回復率率を有するウェットティッシュ用不織布が提案されている。この構成によると、湿潤時に適度な強度を有するとともに、湿潤時においても、肌触り、柔軟性に優れたウェットティッシュ用不織布を実現できる。しかしながら、従来のものと比較すると強度が劣る。
【0011】
上述したように、不織布を使用した拭き取りシートは、色々と提案がなされているものの問題点も残されているのが現状である。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、乾燥状態であっても湿潤状態であっても拭き取りが良く、濡らして絞った後に潰れることなく、広げ易く、拭き心地が良く、再吸収性に優れた拭き取りシートを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、拭き取りシートに係るものであって、水分含有量200%の湿潤状態の厚さ減少率が乾燥状態の20%以下であり、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が50〜150gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以上であり、シート厚さが1mm以下であるセルロース系再生繊維を50重量%以上含む材料で形成されたことを特徴とするものである。
【0014】
また、前記拭き取りシートは、繊維の太さを0.8〜3デニールとすることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、以下のような作用が得られる。
すなわち、拭き取りシートは、水分含有量200%の湿潤状態の厚さ減少率が乾燥状態の20%以下とすることで、シートの厚みを確保するとともに、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が50〜150gとすることで、拭き取り操作時にしわになり難く、拭き取り対象物に沿って容易に払拭することができる。また、シートのMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以上とすることで、拭き取り作業中に行われる、絞り操作、広げ操作等の繰り返し操作に耐え得る強度を有すし、さらに、シート厚さが1mm以下とすることで、シートを重ねた時に嵩張ることなくコンパクトにすることができる。
また、前記拭き取りシートは、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたテンセル等のセルロース系再生繊維を50重量%以上含む材料で形成し、残りの部分にパルプや合成繊維を混合することで、吸水性を高めることができる。パルプを50%以上含む材料で形成すると潰れ易く、潰れたシートの厚さの回復が困難となる場合があり、また、パルプは繊維の長さが短いので強度が弱くなる場合がある。
【0016】
また、前記拭き取りシートは、これを構成する繊維の太さを0.8〜3デニールとすることで、繊維の繊度に応じた水分の吸収速度やシートの厚さに応じた吸水量等のシート性状を最適にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施形態は、不織布を用いたの拭き取りシートであって、水分含有量200%の湿潤状態の厚さ減少率が乾燥状態の20%以下で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が50〜150gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以上であり、シート厚さが1mm以下に形成したものである。
前記拭き取りシートは、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたテンセル等のセルロース系再生繊維を50重量%以上含む材料で形成され、その繊維の太さを0.8〜3デニールとしている。
【0018】
拭き取りシートを構成する繊維として、合成繊維を多く使用する場合は、シートの強度は増すが吸水性が悪くなり、一方、セルロース系繊維のパルプ、綿を多く使用する場合は、シート面が潰れ易くなるとともにシートの厚さが回復し難くなり、特にパルプの場合は繊維長が短いのでシートの強度も弱くなるという特性がある。
【0019】
天然繊維としては、木綿、羊毛等が用いられ、合成繊維としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリプロピレン系およびこれらを主成分とした共重合体やブレンド重合体等が用いられる。
【0020】
用途として、台所での布巾、台布巾、キッチンペーパ、さらし、タオル、雑巾の代わりや、調理時に豆腐、野菜、果物などを絞ったり、刻んだ物を絞ったり、水を流しながらの皮むき、泥落し等の束子の代わりにもなる。その他、ペットの体拭き、足拭き、ハンカチ、生活の中でタオルのようなものとしても使用可能である。
【0021】
以下に、表を参照して、本実施形態による実施例の構成および作用を説明するとともに、従来例との比較する。
表1は、本発明の実施形態に係る拭き取りシートの実施例と比較例の組成および製造条件と、拭き取り評価を表す。
【0022】
【表1】
Figure 0004721585
【0023】
表2は、拭き取り評価の評価基準を示す評価基準表である。
拭き取りシートの評価は、数値が高くなるほど評価は高いことを表す。
【0024】
【表2】
Figure 0004721585
【0025】
以下に、本実施形態に係る実施例と従来の比較例を詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを100重量%含む材料で形成し、繊維の太さを0.8〜3デニールの範囲として、高圧水流交絡により製造されたスパンレース不織布を用いた拭き取りシートであり、シート面には柄は無く、坪量を45g/m2、密度を0.11g/cm3、シート厚さを0.4mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096、以下、単に「JIS1096」という)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の11%、湿潤強度が3.0kgf/2.5cm、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が89.8gであり、且つMD方向の湿潤強度が3kgf/2.5cmとなっている。
【0026】
実施例1の拭き取りシートによれば、吸水量が665g/m2と優れ、絞り時にも破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性は「5」、拭き残しは「5」、シートの広げ易さは「4」と全てに亘り優れた結果を示している。
【0027】
(実施例2)
実施例2は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを100重量%含む材料で形成し、繊維の太さを0.8〜3デニールの範囲として、高圧水流交絡により製造されたスパンレース不織布を用いた拭き取りシートであり、シート面には柄が有り、坪量を65g/m2、密度を0.12g/cm3、シート厚さを0.5mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の2%、湿潤強度が3.6kgf/2.5cm、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が108.5gであり、且つMD方向の湿潤強度が3.6kgf/2.5cmとなっている。
【0028】
実施例2の拭き取りシートによれば、吸水量が780g/m2と優れ、絞り時にも破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性、拭き残し、シートの広げ易さ共に「5」と全てに亘り優れた結果を示している。
【0029】
(実施例3)
実施例3は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを100重量%含む材料で形成し、繊維の太さを0.8〜3デニールの範囲として、高圧水流交絡により製造されたスパンレース不織布を用いた拭き取りシートであり、シート面には柄は無く、坪量を65g/m2、密度を0.09g/cm3、シート厚さを0.7mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の18%、湿潤強度が3.5kgf/2.5cm、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が52gであり、且つMD方向の湿潤強度が3.5kgf/2.5cmとなっている。
【0030】
実施例3の拭き取りシートによれば、吸水量が768g/m2と優れ、絞り時にも破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性、拭き残し、シートの広げ易さ共に「5」と全てに亘り優れた結果を示している。
【0031】
(実施例4)
実施例4は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを100重量%含む材料で形成し、繊維の太さを0.8〜3デニールの範囲として、高圧水流交絡により製造されたスパンレース不織布を用いた拭き取りシートであり、シート面には柄が有り、坪量を57g/m2、密度を0.11g/cm3として、シート厚さを0.5mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の12%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が90.1gであり、且つMD方向の湿潤強度が2.9kgf/2.5cmとなっている。
【0032】
実施例4の拭き取りシートによれば、吸水量が618g/m2と優れ、絞り時にも破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性、拭き残し、シートの広げ易さ共に「5」と全てに亘り優れた結果を示している。
【0033】
(実施例5)
実施例5は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを100重量%含む材料で形成し、繊維の太さを0.8〜3デニールの範囲として、高圧水流交絡により製造されたスパンレース不織布を用いた拭き取りシートであり、シート面に柄は無く、坪量を69g/m2、密度を0.1g/cm3として、シート厚さを0.7mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の9.5%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が104.1gであり、且つMD方向の湿潤強度が5.02kgf/2.5cmとなっている。
【0034】
実施例5の拭き取りシートによれば、吸水量が750.7g/m2と優れ、絞り時にも破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性、拭き残し、シートの広げ易さ共に「5」と全てに亘り優れた結果を示している。
【0035】
さらに、上述した発明の実施例と従来技術とを比較するために、比較例を説明する。
(比較例1)
比較例1は、天然繊維であるパルプを50重量%、合成繊維であるポリエステルを50重量%含む材料で形成された拭き取りシート(ユニチャーム製クックアップ)であり、シート面には柄が有り、坪量を46g/m2、密度を0.07g/cm3として、シート厚さを0.7mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の28.7〜50.1%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が75.5gであり、且つMD方向の湿潤強度が4.2kgf/2.5cmとなっている。
【0036】
比較例1の拭き取りシートによれば、絞り時には破れが発生することなく再使用が可能であるが、吸水量が320g/m2で実施例と比較して少ない。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性は「5」と良好であるが、拭き残しは「3」、シートの広げ易さは「2」という悪い結果を示している。
【0037】
(比較例2)
比較例2は、天然繊維であるパルプによる乾式パルプの不織布で形成された拭き取りシート(リード製ペーパタオル)であり、シート面には柄は無く、坪量を39g/m2、密度を0.04g/cm3として、シート厚さを1.0mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の50%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が227.8gであり、且つMD方向の湿潤強度が0.1kgf/2.5cmとなっている。
【0038】
比較例2の拭き取りシートによれば、吸水量が990g/m2と実施例よりも多く吸水できるが、絞り時には破れが発生してしまう。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き取り対象物に沿った作業性は「4」、拭き残しは「4」と良好であるが、シートの広げ易さは「1」という悪い結果を示している。
【0039】
(比較例3)
比較例3は、天然繊維であるパルプを50と合成繊維であるポリエステルを含む材料で形成された拭き取りシート(デュポン製ソンタラキッチンワイパー)であり、シート面には柄が有り、坪量を100g/m2、密度を0.12g/cm3として、シート厚さを0.8mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の−1.7%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が227.6gであり、且つMD方向の湿潤強度が1kgf/2.5cm以下となっている。
【0040】
比較例3の拭き取りシートによれば、吸水量が690g/m2で、絞り時には破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、シートの広げ易さは「4」と良好であるが、拭き取り対象物に沿った作業性は「2」、拭き残しは「2」という悪い結果を示している。
【0041】
(比較例4)
比較例4は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを80重量%と、合成繊維であるポリエステルを50重量%含む材料で形成された拭き取りシート(クレハ製テーブル抗菌フキン)であり、シート面には柄が有り、坪量を80g/m2、密度を0.11g/cm3として、シート厚さを0.7mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の−4.8%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が360gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以下となっている。
【0042】
比較例4の拭き取りシートによれば、吸水量が602g/m2で、絞り時には破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、シートの広げ易さは「4」と良好であるが、拭き取り対象物に沿った作業性は「1」、拭き残しは「2」という悪い結果を示している。
【0043】
(比較例5)
比較例5は、セルロース系再生繊維であるレーヨンを含む材料で形成された拭き取りシート(ディーナ製カウンタークロス)であり、シート面には柄が有り、坪量を78g/m2、密度を0.13g/cm3として、シート厚さを0.6mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の0%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が292.1gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以下となっている。
【0044】
比較例5の拭き取りシートによれば、吸水量が533g/m2で、絞り時には破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、シートの広げ易さは「5」と良好であるが、拭き取り対象物に沿った作業性は「1」、拭き残しは「1」という悪い結果を示している。
【0045】
(比較例6)
比較例6は、セルロース系再生繊維であるレーヨンと、天然繊維であるパルプを含む材料で形成された拭き取りシート(ペティトラスト製ペット用タオル▲1▼)であり、シート面には柄は無く、坪量を60g/m2、密度を0.1g/cm3として、シート厚さを0.57mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の−8.4%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が320.5gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.2kgf/2.5cmとなっている。
【0046】
比較例6の拭き取りシートによれば、吸水量が530g/m2で、絞り時には破れが発生することなく再使用が可能である。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き残しは「4」、シートの広げ易さは「4」と良好であるが、拭き取り対象物に沿った作業性は「2」という悪い結果を示している。
【0047】
(比較例7)
比較例7は、天然繊維であるパルプを使用した湿式紙で構成された拭き取りシート(イデシギョウ製ペット用タオル▲2▼)であり、シート面には柄が有り、坪量を77g/m2、密度を0.05g/cm3として、シート厚さを1.57mmに形成したものであって、水分含有量200%の湿潤状態(JIS1096)の厚さ減少率が乾燥状態(温度23℃、湿度50%、ISO標準状態)の−67.8%で、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が341.6gであり、且つMD方向の湿潤強度が0.7kgf/2.5cmとなっている。
【0048】
比較例7の拭き取りシートによれば、吸水量が610g/m2であるが、絞り時には破れが発生する。また、拭き取り評価は、表1に示すように、拭き残しは「4」と良好であるが、拭き取り対象物に沿った作業性は「2」、シートの広げ易さは「2」という悪い結果を示している。
【0049】
上述したように本実施形態によれば、実施例1〜5の拭き取りシートは、表1より明らかなように、拭き取り対象物に沿った作業性、拭き残し、シートの広げ易さという「拭き取り評価」に関して、従来の比較例と比べて全てに亘り優れた性能を有している。
【0050】
尚、本発明の拭き取りシートは、上述した実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々数値に変更を加え得ることは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の拭き取りシートによれば、乾燥状態であっても湿潤状態であっても拭き取りが良く、濡らして絞った後に潰れることなく、広げ易く、拭き心地が良く、再吸収性に優れた拭き取りシートを実現することができる。
詳しくは、本発明の拭き取りシートは、JIS L 1096で規定する水分含有量200%の湿潤状態の厚さ減少率が乾燥状態の20%以下とすることで、シートの厚みを確保するとともに、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性を本発明の範囲とすることで、拭き取り操作時にしわになり難く、拭き取り対象物に沿って容易に払拭することができ、また、シートのMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以上とすることで、拭き取り作業中に行われる、絞り操作、広げ操作等の繰り返し操作に耐え得る強度を有し、さらに、シート厚さが乾燥状態において1mm以下とすることで、シートを重ねた時に嵩張ることなくコンパクトにすることができるという優れた効果を奏する。
【0052】
また、前記拭き取りシートは、これを構成する繊維の太さを0.8〜3デニールとすることで、繊維の繊度に応じた水分の吸収速度やシートの厚さに応じた吸水量等のシート性状を最適にすることができるという優れた効果を奏する。

Claims (2)

  1. JIS L 1906に規定する水分含有量200%の湿潤状態の厚さ減少率が乾燥状態の20%以下であり、シート乾燥状態でハンドルオメータ法により測定した剛軟性が89.8〜150gであり、且つMD方向の湿潤強度が1.0kgf/2.5cm以上であり、シート厚さが乾燥状態において1mm以下であるセルロース系再生繊維が100重量%である材料で形成されたことを特徴とする拭き取りシート。
  2. 繊維の太さを0.8〜3デニールとすることを特徴とする請求項1に記載の拭き取りシート。
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