JP4721244B2 - 外巻きカール部を備えた鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法 - Google Patents

外巻きカール部を備えた鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、鋼板の両面が熱可塑性樹脂被膜によってそれぞれ被覆されている被覆鋼板から、少なくとも大径の胴部と傾斜状の肩部と小径円筒状の口頸部とが一体成形され、更に、口頸部には、その先端部に外巻きのカール部と、該カール部の下方位置にネジ部が形成されている鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法であって円筒部の先端部分を外側に巻いて外巻きのカール部を成形する際に、該円筒部の先端部分の内面側熱可塑性樹脂被膜の表面が該円筒部の外面側熱可塑性樹脂被膜の表面と接触するようにカール成形させて閉じたカール部を形成させると共に該閉じたカール部内に該円筒部の先端部の鋼板切断面が露出するようにし
その後、該カール部を閉じている接触部分に対して、レーザーを照射して前記内面側の熱可塑性樹脂被膜と前記外面側の熱可塑性樹脂被膜とを溶融させて接合させる鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料用容器としては缶、ビン、紙、PETボトルなどが用途に応じて使い分けられており、容器間の競争は激化の一途をたどっている。
近年では、PETボトルが再栓できることで人気を集めシェアを伸ばしているが、その一方でPETボトルの回収再資源化問題やPETのガスバリヤー性の問題など、解決・改善すべき問題が表面化してきている。
【0003】
これらの容器の回収再資源化問題と容器のガスバリヤー性不足の問題解決とPETボトルの持つ再栓機能付与を同時に達成すべく、長く飲料缶用素材として使用されてきたアルミニウムあるいはスチールを用いて、再栓機能を有するボトル型金属容器の開発が行われ、現在までに内外面に熱可塑性樹脂を被覆したアルミニウム合金板を用いて、ビール・炭酸・茶など種々飲料用にボトル型缶が商品化され始め人気を集めている。
【0004】
尚、これら金属製ボトル型缶は基本的に容器内圧が大気圧より大きい、いわゆる内圧用として使用され、茶などのノンガス飲料にはそれ自体公知の液体窒素充填法が適用され使用される。これら樹脂被覆アルミニウム合金板を用いて製造されたボトル型容器はそのキャップにもアルミニウム合金板製のものが使用され、飲料缶で構築された回収再資源化ルートにそのまま適用することが可能な上、ガスバリヤー性に関しても金属は本来優れたガスバリヤー性を有しているため何ら問題ない。
【0005】
その一例を図1に示す。このボトル型缶は、円筒形の胴部と、胴部に続くドーム状の肩部と、肩部に続く略円筒状でネジ部と閉じられたカール部とが成形されている口頸部があり、胴部下端のいわゆる缶底は、底蓋が巻き締められている。尚、ボトル型缶には、胴部と底部とを一体成形してシームレス缶胴とした後、胴部の開口部側を縮径加工して円錐台状の肩部と円筒状の口頸部となる部分を形成し、その後、円筒状部分にカール部やネジ部を形成した底部が胴部と一体成形された2ピース缶タイプのものもある。
そして、口頸部の上端部には外巻きカール部が設けられて、開口部が形成されており、その下方にはネジ部が設けられ、更にネジ部の下方には、口頸部に冠着されるピルファープルーフキャップのピルファープルーフバンドを固着するための環状凸部及び環状凹部が設けられている。
【0006】
図示しないが、ピルファープルーフキャップには、開栓時のガス抜きの目的でベントスリットと呼ばれる小穴が円周方向に多数開けられている。特に炭酸飲料等においては開栓時にキャップが飛ばされる虞があるため、ベントスリットから開栓時のガスを先に放出することができるように形成されているものである。
【0007】
充填内容物はキャップ内面側に取り付けられたシーリング材により容器内部に密封されるが、キャップには前記ベントスリットが開けられているため、キャッピング後も前記口頸部とキャップの間に水あるいは空気中の湿気が入り込む。また、金属容器が水で冷やされた場合や外気温の急激な変化があって空気中の水分が結露した場合等の様に、水分が鋼板の切断端面に付着すると、発錆する可能性がある。
【0008】
ここで、缶の素材がアルミニウム合金板の場合は問題ないが、素材が鋼板の場合はカール部の鋼板切断端面に錆が発生することがあり、商品価値を著しく低下させる。
【0009】
従って、樹脂被覆鋼板製ボトル型容器のカール部先端の鋼板切断端面には何らかの防錆処理が必要で、処理方法の一つとして、端面を塗料或いは樹脂で被覆する方法が考えられる。
【0010】
しかしながら、被覆材として塗料或いは樹脂を用いる場合はカール端面に塗料或いは樹脂を塗布するために特別な装置及びそのための技術が必要であった。
即ち、リング状のカール端面に生産性を損なうことなく、塗料溶液あるいは溶融させた樹脂を塗布する場合、飛び散りや糸引きといった問題を生じ易く、これら問題を回避するための装置及び新規技術が必要であった。
【0011】
この様なカール部の鋼板の切断端面を起点とした赤錆を防止するために、特公昭56−3271号公報には、先端部に切断端面を備えたエアゾール缶の先端部分を外巻きカールに成形する前に、切断端面を樹脂やゴム等から成る環状パッキングで被覆した後、容器壁にパッキングを接触させるように外巻きカール成形をすることにより、カール部の先端縁と容器の主体壁との間にパッキングを狭圧させることが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭56−3271号公報に開示されている手段は、赤錆を防止するという観点からは優れた方法であるが、実際の製缶ラインでは切断端面を樹脂等で被覆する速度が低速過ぎて、実用的とは言い難い。
即ち、予め先端部分と同一寸法の環状に成形しておいた樹脂等を金属容器の開口端部分に高速で冠着することがかなり難しい上に、この環状樹脂被覆を落下させることなく、カール加工をすることは更に困難であるという問題があった。
【0013】
また、溶融させた樹脂を開口端部分に塗布することで切断端面を被覆する場合にも、切断端面を被覆している樹脂層が鋭い角部により破断されてしまう虞がある。すなわち図5に示すように、鋼板がプレス加工により切断されると(図5(a)参照)、図5(b)の切断端拡大部に示すように、切断方向に向かってバリが発生し、このバリが鋭い角部となっている。この鋭い角部による樹脂層の破断を回避するために、樹脂が冷却固化してからカール加工をする必要があることから、樹脂で被覆してからカール部を成形する迄にかなりの時間を要し、生産効率が低下してしまうという問題があった。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、鋼板製ボトル型缶の開口端部にある外巻きカール部の鋼板切断端面の発錆を、新たな塗料や新たな熱可塑性樹脂或いはパッキング等を使用することなく防止することができる鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、発明は、鋼板の両面が熱可塑性樹脂被膜によってそれぞれ被覆されている被覆鋼板から、少なくとも大径の胴部と傾斜状の肩部と小径円筒状の口頸部とが一体成形され、更に、口頸部には、その先端部に外巻きのカール部と、該カール部の下方位置にネジ部が形成されている鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法であって
該傾斜状の肩部と、該肩部の上端から上方に延びている円筒状部分とを、複数回の絞り成形によって形成し、更に、該円筒状部分の上半分を更に小径の円筒部に絞り成形すると共に、その円筒部の上端付近を最も小径になるように絞り成形した後
最も小径の円筒部の先端部を外側に巻いて外巻きのカール部を成形する際に、該円筒部の先端部分の内面側熱可塑性樹脂被膜の表面が該円筒部の外面側熱可塑性樹脂被膜の表面と接触するようにカール成形させて閉じたカール部を形成させると共に該閉じたカール部内に該円筒部の先端部の鋼板切断端面が露出するようにし
その後、前記鋼板製ボトル型缶を回転させながら該カール部を閉じている接触部分に対して、レーザーを照射して前記内面側の熱可塑性樹脂被膜と前記外面側の熱可塑性樹脂被膜とを溶融させて接合させることを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】
本発明の外巻きカール部を備えた鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法にあっては、外巻きのカール部を成形する際に、該円筒部の先端部分の内面側熱可塑性樹脂被膜の表面が該円筒部の外面側熱可塑性樹脂被膜の表面と接触するようにカール成形させて閉じたカール部を形成させると共に該閉じたカール部内に該円筒部の先端部の鋼板切断端面が露出するようにしており、更に、該ボトル型缶を回転させながら、該接触部分にレーザーを照射して該内面側の熱可塑性樹脂被膜と該外面側の熱可塑性樹脂被膜とを融着させているので、カール部全周を被覆するのに要する時間が短時間で済み、生産効率の向上を図ることができる。
【0017】
また、レーザー照射により局所的に融着させるので、接合部分周辺の熱可塑性樹脂被膜に与える影響を最小限に抑えることができる
【0018】
更に、カール部を成形した後でレーザー照射を行なえるので、カール部の成形工程の後にネジ部成形工程の有るボトル型缶の場合には、カール部の成形工程の後工程となるネジ部成形工程の後、更に、胴部に底蓋巻き締め固着用の開口部を有するタイプのボトル型缶の場合には、缶の胴部の開口部のネックイン加工工程やフランジ加工工程の後で、レーザー照射による溶融接合が可能であり、通常の場合には、カール部の切断端面を被覆する必要のないアルミニウム合金板製のボトル型缶を製造するラインの途中部分を大幅に改造することなく、最終工程として、レーザー照射装置を付加すれば良いので、素材に関係なく同一のボトル型缶ラインを使用できる結果、製缶ラインの稼働率を向上させることができるという効果が得られる
【0019】
本発明の鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法によって得られる鋼板製ボトル型缶にあっては、外巻きカール部のカールが閉じられた部分である鋼板の内面側の熱可塑性樹脂被膜と鋼板の外面側の熱可塑性樹脂被膜とが接触している部分が融着されているので、鋼板切断端面をカール部の内面側に閉じ込め、その結果、鋼板切断端面が外気中の水分に曝されたり、缶内に内溶液を充填・密封する際や缶の開口部から内溶液を注入する際に、鋼板切断端面に内溶液が付着して発錆する虞がない
【0020】
また本発明の鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法によって得られる鋼板製ボトル型缶にあっては、鋭い角部を有し、しかも化成処理等が施されていないために塗料や熱可塑性樹脂との接着性に劣る鋼板切断端面に塗料又は溶融した熱可塑性樹脂を塗布して保護するのではなく、容器の高さ方向に見て曲面と平面(又は曲面と曲面)とが互いに接触している部分の内面側の熱可塑性樹脂被膜と外面側の熱可塑性樹脂被膜とを融着させているので、鋼板をラミネートする樹脂被膜として、内面側のものと外面側のものとを熱融着性の良好な組み合わせにすれば、カール部の鋼板切断端面を完全に外部の水等から保護できる
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する鋼板は、錫メッキ鋼板、極薄錫メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、電解クロム酸処理鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、リン酸処理鋼板、有機無機表面処理鋼板、ノンクロム型表面処理鋼板の様な適宜の製缶用鋼板が使用可能である。
【0022】
また、本発明で缶の内外面を被覆している熱可塑性樹脂被膜は、従来から缶用として使用されている熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは2種類以上の樹脂を混合した混合樹脂でもよく、鋼板表面に施すのは、製缶する前の金属板の状態の時、即ち、予め金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートし(接着剤層を介して熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしても良い)、このラミネート板を使用して、絞り・再絞り成形、又は絞り・再絞り・しごき成形を行って製缶するので、多量の水を使用する脱脂処理工程、化成処理工程を製缶時に省略できる。
【0023】
図1は、本発明のボトル型缶の全体図であり、図2は、ボトル型缶1の本体部分(図1に示すボトル型缶から底蓋をのぞいた部分)の成形工程を示しており、それぞれ(a)口頸部4となる小径の円筒状部分を二段絞り成形した状態、(b)小径円筒部分の先端部のトリミングをした状態、(c)開口した小径円筒部(口頸部4)の先端部分を外巻きにカールしてカール部6を成形した状態、(d)カール部6の下方の口頸部4にネジ部7を成形した状態、(e)ネジ部7の下方に環状凸部8と環状凹部9とを成形した状態(環状凹部9を成形すると必然的にその上に環状凸部8ができる)を示す。尚、肩部形状はドーム状だけでなく、円錐台形状等任意の傾斜面にすることができる。また、本発明のボトル型缶としては、胴部と底部とを一体成形したシームレス缶胴の開口端側を縮径加工することにより肩部と小径の円筒状部分を形成し、その後、カール部やネジ部を形成する底部と胴部とが一体成形されたタイプのボトル型缶であっても良い。
【0024】
図3は、本発明のボトル型缶1の要部を拡大した半縦断面図であり、このボトル型缶1の本体部分は内面及び外面がそれぞれ内面側熱可塑性樹脂被膜12及び外面側熱可塑性樹脂被膜13によって被覆されており、外巻きカール部6の鋼板切断端面11の近傍部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12が口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13と接触してカール部6を閉じており、内面側熱可塑性樹脂被膜12と外面側熱可塑性樹脂被膜13との接触部分10において、内面側熱可塑性樹脂被膜12と外面側熱可塑性樹脂被膜13が融着されている。
【0025】
図4は、ボトル型缶1の本体部分のカール部6の内面側熱可塑性樹脂被膜12と口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13との接触部分10にレーザー照射装置20によってレーザーを照射し、内面側熱可塑性樹脂被膜12と外面側熱可塑性樹脂被膜13とを溶融により接合している状態を示す。
【0026】
尚、本実施の形態においては図2(c)のカール成形工程におけるカール成形条件として、鋼板切断端面11の近傍部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12が口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13に接触するように成形されている。
【0027】
ボトル型1を高速回転させた状態で、カール部の内面側の熱可塑性樹脂12と口頸部4の外面側熱可塑性樹脂13とが接触している部分にビーム径を絞ったYAGレーザーを照射し、接触状態にある内面側の樹脂と外面側の樹脂とを融着させることで、鋼板切断端面11をカール部の内面側に閉じ込めることができる。
【0028】
以上により、接触部分10に新たな防錆用塗料或いは防錆用樹脂を使用することなく、すなわち特別な塗布装置を使用することなく、また生産性を損なうことなく、更にはカール部6の接触部分10以外の樹脂に極力影響を及ぼすことなく鋼板切断端面11をカール部6内に封鎖密封状態にすることが可能となり、カール部6の鋼板切断端面11の発錆を有効に防止することができる。
【0029】
尚、YAGレーザー以外のレーザーでも樹脂を融着させることが出来れば使用することが出来る。例えば、CO2レーザー等の出力を調整することで使用しても良い。また、パルス波を用いて、ボトル型のインフィード・アウトフィードに要する時間をエネルギー蓄積に当てることで、連続波を用いる場合より装置仕様を小型化することが出来る。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施の形態における鋼板製のボトル型缶1においては、外巻きカール部6下端付近のカールが閉じられた部分である内面側熱可塑性樹脂被膜12と外面側熱可塑性樹脂被膜13とが接触している接触部分10が融着されているので、鋼板切断端面11をカール部6の内面側に閉じ込めることが可能となり、その結果、鋼板切断端面11が外気中の水分に曝されたり、缶内に内容液を充填・密封する際や缶の開口部から缶内容液を注出する際に、鋼板切断端面11に内容液が付着して発錆する虞がない。
【0031】
また、本実施の形態では、鋭い角部を有し、しかも化成処理等が施されていないために塗料や熱可塑性樹脂と接着性に劣る鋼板切断端面11に硬化型塗料や溶融した熱可塑性樹脂を塗布して保護するのではなく、容器の高さ方向に見て曲面と平面(又は曲面と曲面)とが互いに接触している部分の内面側熱可塑性樹脂被膜と外面側熱可塑性樹脂被膜とを融着させるので、鋼板にラミネートする樹脂被膜として、内面側に用いるものと外面側に用いるものとで熱融着性が良好なものを選択すれば、カール部6の鋼板切断端面11を完全に外部の水等から保護できる。
【0032】
また、鋼板切断端面11の近傍部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12の表面と口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13の表面とを接触させて、カール部6を閉じ、この接触部分10にレーザーを照射して内面側の熱可塑性樹脂被膜12と外面側の熱可塑性樹脂被膜13とを融着させているので、被覆に要する時間が短時間で済み、生産効率の向上を図ることができる。
【0033】
尚、カール部6の形状は上記実施の形態のように、鋼板切断端面11の近傍部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12を口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13に接触させてカール部6を閉鎖させる場合の他に、図6に示すように、鋼板切断端面11から少し離れた部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12を口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13に接触させてカール部6を閉鎖させる場合、更には、図7に示すように、鋼板切断端面11から少し離れた部分の内面側熱可塑性樹脂被膜12を口頸部4の外面側熱可塑性樹脂被膜13に接触させてカール部6を閉じ、更に、鋼板切断端面11をカール部6内の外面側熱可塑性樹脂被膜13と接触させても良い。
【0034】
また、カール部を成形した後でレーザー照射を行えるので、カール部の成形工程の後にネジ部成形工程の有るボトル型缶の場合には、カール部の成形工程の後工程となるネジ部成形工程の後、更には、胴部に底蓋巻き締め固着用の開口部を有するボトル型缶の場合には、缶の胴部の開口部のネックイン加工工程やフランジ加工工程の後で、レーザー照射による融着が可能であり、通常の場合には、カール部6の鋼板切断端面11を被覆する必要のないアルミニウム合金板製のボトル型缶を製造するラインの途中部分を大幅に改造することなく、最終工程として、レーザー照射装置20を付加すれば良いので、素材に関係なく同一のボトル型缶ラインを使用できる結果、製缶ラインの稼働率を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のボトル型缶の全体図である。
【図2】本発明の実施例のボトル型缶の口頸部の加工工程を表す図である。
【図3】本発明の実施例のボトル型缶の要部拡大半縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態のボトル型缶のカール部接触部分近傍にレーザー照射を行い溶接をしている状態を表す図である。
【図5】鋼板を切断加工する際の鋼板切断端を表す図である。
【図6】本発明の他の実施例の要部拡大半縦断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例の要部拡大半縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボトル型缶
2 胴部
3 肩部
4 口頸部
5 底蓋
6 カール部
7 ネジ部
8 環状凸部
9 環状凹部
10 接触部分
11 鋼板切断端面
12 内面側熱可塑性樹脂被膜
13 外面側熱可塑性樹脂被膜
20 レーザー照射装置

Claims (1)

  1. 鋼板の両面が熱可塑性樹脂皮膜によってそれぞれ被覆されている被覆鋼板から、少なくとも大径の胴部と傾斜状の肩部と小径円筒状の口頸部とが一体成形され、更に、口頸部には、その先端部に外巻きのカール部と、該カール部の下方位置にネジ部が形成されている鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法であって
    該傾斜状の肩部と、該肩部の上端から上方に延びている円筒状部分とを、複数回の絞り成形によって形成し、更に、該円筒状部分の上半分を更に小径の円筒部に絞り成形すると共に、その円筒部の上端付近を最も小径になるように絞り成形した後
    最も小径の円筒部の先端部を外側に巻いて外巻きのカール部を成形する際に、該円筒部の先端部分の内面側熱可塑性樹脂被膜の表面が該円筒部の外面側熱可塑性樹脂被膜の表面と接触するようにカール成形させて閉じたカール部を形成させると共に該閉じたカール部内に該円筒部の先端部の鋼板切断端面が露出するようにし
    その後、前記鋼板製ボトル型缶を回転させながら該カール部を閉じている接触部分に対して、レーザーを照射して前記内面側の熱可塑性樹脂被膜と前記外面側の熱可塑性樹脂被膜とを溶融させて接合させることを特徴とする外巻きカール部を備えた鋼板製ボトル型缶のカール部被覆方法
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