JP4720645B2 - 一方向クラッチ - Google Patents
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Description
そこで、一方向クラッチでは、外輪の回転に伴って回転するスプラグに作用する遠心力により、当該スプラグに内輪から離反させる(浮き上がらせる)力(以下、「浮揚力」という)を作用させている。
しかし、前記遠心力は、スプラグの質量や回転数の二乗に比例して大きくなるが、スプラグの質量は小さいことから回転数が低い状態では遠心力、及びこれによる浮揚力が小さいため、スプラグと内輪との間の摺動トルクを低減させる作用が小さいという問題点がある。
図1はこの発明の一方向クラッチの実施の一形態を示している側面図であり、図2はその要部を示している断面図である。この一方向クラッチは、内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2間において周方向に複数配設されたスプラグ3と、これらスプラグ3を周方向に所定間隔で保持している外保持器5及び内保持器6と、スプラグ3を内輪1と外輪2とに対して噛み合い方向に付勢するスプリング4とを備えている。この一方向クラッチは、外輪2が内輪1に対して一方向に回転することによりスプラグ3が内外輪1,2間に噛み合って動力が伝達され、外輪2が内輪1に対して他方向に回転した場合は、スプラグ3の噛み合いが解除されて動力伝達が遮断される。なお、図1と図2において、外輪2の矢印Pで示す回転方向が、スプラグ3の噛み合いが解除されて動力伝達が遮断される方向である。
これにより、矢印P方向の外輪2の回転に伴って外保持器5、スプラグ3、及び、内保持器6(分割片16)は周方向に回転することができ、外輪2は内輪1に対して空転する。
また、図2において、スプラグ3は側面視において繭形とされており、外カム部21と内カム部22との間にはくびれ部23が設けられている。
したがって、外輪2の回転に伴って外保持器5とスプラグ3と共に各分割片16が周方向に回転することで、各分割片16に遠心力R2が働き、この遠心力R2により当該分割片16は径方向外方へ移動しようとする力が作用する。
このように、外輪2の空転時において、従来のスプラグ3自体に働く遠心力R1のみの場合よりも、スプラグ3を内輪1から離反させるための浮揚力(前記回転力)を大きく作用させることができる。このため、スプラグ3と内輪1との間の摺動トルクを小さくし、外輪2の空転トルクをより一層低下させることができる。そして、外輪2が所定の高回転数で回転すると、スプラグ3と内輪1との間の摺動トルクをゼロとすることもできる。
つまり、各分割片16の遠心力は矢印Eの方向に働くが、一つの分割片16の一端部側で保持しているスプラグ3aには、当該分割片16の遠心力によって、内輪1と外輪2とに噛み合う方向(噛合方向)の力が作用してしまい、内輪1から離反させる方向の回転力(浮揚力)が作用しないおそれがある。
そこで、内保持器6を3分割以上とすることで、各分割片16に働く遠心力R2により、各分割片16で保持された個々のスプラグ3に、内輪1と外輪2とに対する噛み合いが解除される方向(非噛合方向)へ回転力を作用させることができる。つまり、スプラグ3に浮揚力を効果的に作用させることができる。
例えば、前記実施の形態では、スプラグ3を保持する保持器について、径方向外側の外保持器5と、これより小径の内保持器6とを備えた二重の構造とし、内保持器6を分割したものとしているが、図示しないが、外保持器と内保持器との一方を省略して一重の構造とし、この一重の保持器を周方向に複数に分割したものであってもよい。さらには、保持器について二重の構造であるが、内保持器を一つの環状とし、外保持器を周方向に複数に分割したものや、内保持器及び外保持器の両者について周方向に複数に分割したものであってもよい。
2 外輪
3 スプラグ
5 外保持器
6 内保持器
16 分割片
A 接点
G 重心
F1 回転力
F2 回転力
R1 スプラグに働く遠心力
R2 内保持器の各分割片に働く遠心力
Claims (2)
- 内輪と、外輪と、これら内外輪間に複数配設されたスプラグと、これらスプラグを周方向に所定間隔で保持し外輪回転に伴い前記スプラグと共に周方向に回転する保持器と、を備え、
前記保持器は、周方向に複数に分割され、前記周方向の回転により作用する遠心力によって前記スプラグを前記内輪から離反させる方向に付勢する分割片からなることを特徴とする一方向クラッチ。 - 前記保持器は3分割以上としている請求項1に記載の一方向クラッチ。
Priority Applications (1)
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JP2006177733A JP4720645B2 (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 一方向クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006177733A JP4720645B2 (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 一方向クラッチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008008348A JP2008008348A (ja) | 2008-01-17 |
JP4720645B2 true JP4720645B2 (ja) | 2011-07-13 |
Family
ID=39066751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006177733A Expired - Fee Related JP4720645B2 (ja) | 2006-06-28 | 2006-06-28 | 一方向クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4720645B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3702649A (en) * | 1970-01-31 | 1972-11-14 | Ringspann Maurer Kg A | One-way clutch having tiltable sprags |
JP2006029558A (ja) * | 2004-07-21 | 2006-02-02 | Ntn Corp | 一方向クラッチ |
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2006
- 2006-06-28 JP JP2006177733A patent/JP4720645B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008008348A (ja) | 2008-01-17 |
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