以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施例の表示装置10の斜視図である。図1(a)に示すように、表示装置10は、文字又は画像を表示可能な表示パネル2と、枠体3と、表示オンオフキー4と、選択/確定キー6と、ページ送りキー8とを備えている。
表示パネル2は、着色した帯電粒子を分散させた表示液が、2枚のガラス基板の間に封止されることにより構成される電気泳動表示パネルである。表示装置10において、表示パネル2を構成する2枚のガラス基板の一方は、枠体3の上面3a側に露出し、表示画面2aを構成する。2枚のガラス基板にそれぞれ設けられた電極(図示せず)に画像データに応じた電圧を印加することにより、表示液中の帯電粒子を泳動させ、表示画面2aの裏面側に泳動された帯電粒子に起因する画像を表示画面2aに表示させることができる。
枠体3は、表示パネル2を取り囲む部材であって、その上面3aには表示画面2a、表示オンオフキー4、選択/確定キー6が設けられ、側面3bにはページ送りキー8が設けられている。なお、図1(a)に示すように、枠体3は、上面3aに対し垂直な断面の形状が台形となるように構成されている。すなわち、側面3bは、表示画面2aに対し傾斜すると共に、上面3aから背面3cへ向かうに従って、外側へ張り出すように構成されている。
表示オンオフキー4は、表示画面2aにおける表示オンと表示オフとを指示するキーである。表示画面2aに文字や画像が表示されている状態において、表示オンオフキー4が押下されると、表示画面2aに表示されていた文字や画像が消去される。一方、表示画面2aに文字や画像が表示されていない状態において、表示オンオフキー4が押下されると、表示画面2aに文字や画像が表示される。
選択/確定キー6は、主に、表示画面2aにおいて、ポインタ、白黒反転処理、またはカーソル等で指し示された項目の選択を指示するためのキーである。ページ送りキー8は、主に、表示画面2aに表示されるページの切り替えを指示するためのキーである。
図1(b)を参照して、ページ送りキー8の構成について説明する。図1(b)は、ページ送りキー8に設けられたスイッチCの配置を模式的に示す図である。ページ送りキー8は、例えばメンブレンスイッチで構成され、複数のスイッチC1〜C8を備える。スイッチC1〜C8は、側面3bにおいて、上面3aから背面3cへ向かう一方向に所定間隔毎に配設され、スイッチC1(請求項の一端に相当)が最も上面3a側に配設される。また、スイッチC8(請求項の他端に相当)が最も背面3b側に配設される。指などの指示物をページ送りキー8に接触させると、その指示物の接触位置にあるスイッチCが通電する。よって、ページ送りキー8によれば、スイッチC1からC8に対する指示物による一方向の接触位置を検出することができる。
図2は、表示装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、表示装置10は、表示パネル2と、表示オンオフキー4と、選択/確定キー6と、ページ送りキー8と、CPU11と、ROM12と、RAM13と、補助記憶装置14と、ドライバ15と、インターフェース16(I/F16)とを備えている。
図2に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ドライバ15、I/F16はバスを介して接続されている。また、表示パネル2は、ドライバ15を介してバスに接続されている。表示オンオフキー4、選択/確定キー6、ページ送りキー8は、バスではなくて図示しないポートを介してCPU11に接続されている。)
CPU11は、この表示装置10を総括的に制御する中央演算処理であり、図3、図4、図6のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。ROM12は、CPU11により実行される各種制御プログラムや固定値データを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM13は、CPU11により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するものであり、ページ情報メモリ13aを備えている。ページ情報メモリ13aは、ページ情報を記憶するメモリである。ここで、「ページ情報」とは、表示オンオフキー4が押下されることにより、表示画面2aの表示が消去される場合、消去前に表示されていたページが、いずれのファイルの何ページ目であったかを示す情報である。本実施例では、ファイル名とページ位置とをページ情報として記憶するものとして説明する。なお、ここで「ページ位置」とは、何ページ目のページであるかを示す値である。例えば、第1ページ目のページ位置は、「1」である。
補助記憶装置14は、記憶媒体読取装置と、その記憶媒体読取装置で読み取り可能であって、記憶媒体読取装置から分離して持ち運び可能な記憶媒体(例えば、SDメモリーカード)とから構成される。補助記憶装置14の記憶媒体には、ページ単位で構成される複数のファイル(請求項のデータに相当)が格納されている。これらのファイルとしては、例えば、小説などの書籍が電子化された書籍データ等が挙げられる。
ドライバ15は、CPU11からの制御に従い、表示パネル2を構成する一対の基板に設けられた電極(図示せず)に電圧を供給する回路である。ドライバ15により、表示パネル2を構成する一対の基板間に封止された表示液に、画像データに応じた電界を付与し、着色した帯電粒子を泳動させることにより、画像データに応じた文字や画像を表示画面2aに表示させる。
I/F16は、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置を有線接続又は無線接続するためのインターフェイスであり、このI/F16を介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置とのデータの入出力を制御するものである。
次に、図3、図4、図6のフローチャートを参照して、上記のように構成される第1実施例の表示装置10において実行される表示処理について説明する。
図3は、表示装置10で実行される表示処理を示すフローチャートである。この表示処理は、表示オンオフキー4が押下されて、表示オンが指示されると起動する処理である。まず、電源(図示せず)投入後、一回目の表示オン指示であるか否かを確認する(S2)。つまり、ページ情報メモリ13aにページ情報が記憶されているか否かを確認する。電源投入後、一回目の表示オンである場合(S2:Yes)、ファイル選択処理を実行する(S4)。ファイル選択処理は、補助記憶装置14に格納されているファイルのうち、いずれのファイルを読み出して表示画面2aに表示すべきかを使用者に選択させ、選択されたファイルの第1ページ目を表示画面2aに表示させる処理である。なお、ファイル選択処理については、図4を参照しつつ、後に詳細に説明する。
一方、電源投入後、二回目以降の表示オン指示である場合(S2:No)、すなわち、電源投入後、一回以上、文字または画像を表示画面2a(図1参照)に表示させ、その後、表示オンオフキー4が押下されて表示が消去された場合、ページ情報メモリ13aに記憶されているページ情報に従って、前回表示が消去される直前に、表示画面2aに表示されていたページを、表示画面2aに表示させる(S6)。すなわち、表示画面2aには、ファイル選択処理(S4)により選択されたファイルの第1ページ目または前回表示が消去される直前に表示画面2aに表示されていたページのいずれかが表示される。
次に、後述するファイル選択処理(S4)において表示オンオフキー4が押下されることによりファイル選択処理が終了されたか否か、または、S6の処理の後、表示オンオフキー4が押下されて表示オフが指示されたか否かを判断する(S7)。表示オンオフキー4が押下されない場合(S7:Yes)、次に、使用者によるページ送りキー8からの入力に従って、ページを選択し、選択されたページを表示画面2aに表示させるページ送り処理を実行する(S8)。なお、ページ送り処理については、図6を参照しつつ、後に詳細に説明する。
そして、後述するページ送り処理(S8)において表示オンオフキー4が押下されることにより、ページ送り処理(S8)が終了されたか否かを判断し(S10)、表示オンオフキー4にてページ送り処理が終了されていない場合(S10:No)、ページ送り処理を繰り返す(S8)。一方、表示オンオフキー4にてページ送り処理が終了された場合(S10:Yes)、現在表示されているページのページ情報、すなわち、現在選択されているファイルのファイル名および表示画面2aに表示されているページのページ位置を、ページ情報メモリ13aに格納する(S12)。そして、表示画面2aにおける表示を消去し(S14)、処理を終了する。
図4を参照して、ファイル選択処理について説明する。図4は、ファイル選択処理を示すフローチャートである。ファイル選択処理では、まず、補助記憶装置14に格納されたファイルのファイル名を表示させる(S42)。図5(a)は、ファイル選択処理の開始時に、表示画面2aに表示させる画像の一例を示す図である。図5(a)に示すように、表示画面2aには、例えば、選択可能なファイルのファイル名がリスト表示されると共に、先頭のファイル名が白黒反転表示された画像を表示させる。なお、本実施例においては、白黒反転表示により1つのファイル名を特定して表示することとしているが、例えば、ポインタやカーソルなどその他の指示手段により、1つのファイル名を特定して表示するものであってもよい。
図4に戻り説明する。次に、表示オンオフキー4が押下されたか否かを判断する(S43)。表示オンオフキー4が押下されていない場合(S43:No)、選択/確定キー6が押下されたか否かを判断する(S44)。次に、選択/確定キー6が押下された場合(S44:Yes)、その選択/確定キー6が押下されていたときに、表示画面2aにおいて白黒反転表示で示されていたファイル名で特定されるファイルを選択し、そのファイルの第1ページ目を、表示画面2aに表示させる(S46)。
一方、選択/確定キー6が押下されない場合(S44:No)、ページ送りキー8から入力がされたか否かを判断する(S48)。ページ送りキー8から入力がされない場合(S48:No)、S44の処理に戻る。一方、ページ送りキー8から入力がされた場合(S48:Yes)、入力変化有りか否かを判断する(S50)。入力変化有りか否かとは、例えば、所定時間内に、スイッチC1〜C8に対する指示物の接触位置に変化があったか否かに基づいて、判断することができ、使用者がページ送りキー8を押下しただけの場合には、入力変化無しと判断され、使用者がページ送りキー8を押下しながら指を移動させた場合には、入力変化有りと判断される。入力変化がない場合(S50:No)、図5(b)に示すように、白黒反転表示位置を1段移動させ、1段下のファイル名が白黒反転表示された画像を表示画面2aに表示させる(S52)。
一方、ページ送りキー8において入力変化があった場合(S50:Yes)、すなわちスイッチC1〜C8に対する接触位置に変化があった場合、図5(c)に示すように、白黒反転表示位置を5段移動させ、5段下のファイル名が白黒反転表示された画像を表示画面2aに表示させる(S54)。なお、白黒反転表示位置の移動の際に、白黒反転表示位置が最後尾のファイル名に到達した場合は、白黒反転表示位置は、再び先頭に戻り、ページ送りキー8からの入力に基づいて決定される移動量に応じて移動する。
このようにして、表示オンオフキー4または選択/確定キー6が押下されるまで処理を繰り返し、表示オンオフキー4が押下されると(S43:Yes)、ファイル選択処理は終了し、表示処理(図3)に戻る。一方、選択/確定キー6が押下されると(S44:Yes)、表示画面2aに表示された画像において、白黒反転表示により示されていたファイル名で特定されるファイルを選択し、その選択されたファイルの第1ページ目を、表示画面2aに表示させ(S46)、処理を終了する。なお、表示オンオフキー4の押下によりファイル選択処理が終了して、表示処理(図3)に戻った場合、S7の処理が肯定され(S7:Yes)、S12の処理に移行する。この時点においては、表示画面2aには、ファイル名のリスト(図5参照)が表示されているので、次回の表示オンオフキー4の押下時に、ファイル名のリストが再表示されるように、S12の処理において、ファイル名のリストに相当する画像データを保存するように構成してもよい。また、S12の処理をスキップして、S14の処理に移行し、単に表示を消去するように構成しても良い。
ファイル選択処理によれば、使用者は、ページ送りキー8において、指などの指示物により一箇所に接触するか、または、スイッチC1〜C8に対する接触位置を変化させるかによって、白黒反転表示位置の移動量を選択することができる。よって、使用者にファイルを選択させる際の操作性が良い。
図6を参照して、ページ送り処理(S8)について説明する。図6は、ページ送り処理を示すフローチャートである。ページ送り処理の開始時には、前回の消去前に表示画面2aに表示されていたページが表示されるか(S6)、または、ファイル選択処理(S4)により選択されたファイルの第1ページ目が表示されている(S46)。
ページ送り処理では、まず、表示オンオフキー4が押下されたか否かを判断する(S81)。表示オンオフキー4が押下されていない場合(S81:No)、選択/確定キー6が押下されたか否かを判断する(S82)。選択/確定キー6が押下されていない場合(S82:No)、ページ送りキー8から入力がされたか否かを判断する(S84)。ページ送りキー8から入力がされない場合(S84:No)、S82の処理に戻る。
一方、ページ送りキー8から入力がされた場合(S84:Yes)、入力変化があった否かを判断する(S86)。これは、例えば、所定時間内に、スイッチC1〜C8(図1(b)参照)に対して指示物による接触位置に変化があったか否かに基づいて、判断することができる。入力変化がない場合(S86:No)、スイッチC1〜C8に対する接触位置に基づいて、表示すべきページを選択し(S88)、選択されたページを表示画面2aに表示させる(S90)。
図7(a)を参照して、指示物の接触位置に基づいてページを選択する方法の一例について説明する。図7(a)は、スイッチC1〜C8に対する接触位置とその接触位置に基づいて選択されるページとを概念的に示す図である。まず、図7(a)において、破線の楕円で示すように、スイッチC1,C2に相当する位置に指示物が接触した場合について説明する。まず、スイッチC1〜C8に対する接触位置を、スイッチC1からスイッチC8までの全体に対する割合で算出する。例えば、スイッチC1,C2に相当する位置に指示物が接触した場合は、まず、各スイッチCに付された番号1,2の平均値(1.5=(1+2)/2)を算出する。そして算出された平均値を、スイッチの数8で除算する。これによりスイッチ1〜C8に対する接触位置「0.1875」が算出される。
そして、ファイルの全体ページ数に、算出された接触位置「0.1875」を乗算する。例えば、ファイルの全体ページ数が1000ページである場合、接触位置を乗算し、小数点以下を切り捨てることにより、値「187」が得られるから、187ページ目を、表示すべきページとして選択する。
また、図7(a)において、実線の楕円で示すように、スイッチC4,C5,C6に相当する位置に指示物が接触した場合について説明する。この場合、まず、各スイッチCに付された番号4,5,6の平均値(5=(4+5+6)/3)を算出する。そして算出された平均値を、スイッチの数8で除算する。これによりスイッチC1〜C8に対する接触位置「0.625」が算出される。そして、ファイルの全体ページ数に、算出された接触位置「0.625」を乗算する。例えば、ファイルの全体ページ数が1000ページである場合、接触位置を乗算し、値「625」が得られるから、625ページ目のページを、表示すべきページとして選択する。
このようにすれば、ファイルの1ページ(先頭)から最終ページ(後尾)におけるページ位置が、ページ送りキー8のスイッチC1からスイッチC8に対する接触位置と対応するように、ファイルのページが選択されるので、紙で構成される書籍において、開こうとするページが全ページの中でどの辺りに位置しているかを見当付け、書籍の厚み方向における位置に換算して、所望のページを開く動作に似た感覚で、所望のページを表示させることができる。
図6に戻り説明する。ページ送りキー8から入力がされた場合であって(S84:Yes)、且つ入力変化があった場合(S86:Yes)、その入力変化が、ページ進み方向の入力変化か否かを判断する(S92)。ここで、図7(b)を参照して、入力変化の方向について説明する。図7(b)に示すように、ページ進み方向の入力変化は、スイッチC1〜C8に対する接触位置が、スイッチC1側(上面3a側(図1(a)参照))からスイッチC8側(背面3c側(図1(a)参照))へ移動する場合の入力変化である。一方、反対に、指示物の接触位置が、スイッチC8側(背面3c側(図1(a)参照))からスイッチC1側(上面3a側(図1(a)参照))へ移動する場合の入力変化が、ページ戻り方向の入力変化である。スイッチC1〜C8に対する接触位置が、所定時間内に変化した場合、その接触位置の変化に基づいて、入力変化の方向を検出することができる。
図6に戻り説明する。入力変化が、ページ進み方向の入力変化である場合(S92:Yes)、表示画面2aに表示されているページの次のページを選択し、表示させる(S94)。一方、入力変化が、ページ戻り方向の入力変化である場合(S92:No)、表示画面2aに表示されているページの前ページを選択し、表示させる(S96)。
このようにすれば、紙で構成される書籍において1ページ捲る動作に似た感覚で、次ページまたは前ページを表示させることができる。すなわち、紙で構成される書籍においては、ページ側面に親指を押し当て、親指の押し当て位置を書籍の厚み方向に僅かにずらすことによりページ捲り動作をする。よって、ページ送りキー8において入力変化を与える(すなわち指示物をずらす)動作により、1ページ隣のページを表示することは、紙で構成される書籍のページ捲り動作と似た感覚を与えることができるのである。さらに、入力変化の方向(すなわち指示物をずらす方向)に応じて、次ページを開くか、前ページを開くかを選択することができるので、紙で構成された書籍と似た操作感を、使用者に与えることができる。紙で構成される書籍においても、次ページを開く場合と前ページを開く場合とでは、互いに反対方向の動作がなされるからである。
そして、表示オンオフキー4または選択/確定キー6が押下されるまで処理を繰り返し、ページ送りキー8からの入力に従って選択されるページを表示する。表示オンオフキー4が押下されると(S81:Yes)、表示処理(図3)に戻る。一方、選択/確定キー6が押下されると(S82:Yes)、ファイル選択処理を実行する(S9)。すなわち、使用者に新たなファイルを選択させる。そして、ページ送り処理を終了する。なお、ファイル選択処理(S9)は、図4を参照して説明したファイル選択処理(S4)と同じ処理であるので、図示および説明は省略する。
第1実施例の表示装置10によれば、ページ送りキー8の一箇所を指示物によって接触する(すなわち入力変化を与えない)ことにより、スイッチC1〜C8に対する接触位置に対応したページ位置のページが表示されるので、紙で構成される書籍において、開こうとするページが全ページの中でどの辺りに位置しているかを見当づけて所望のページを開く動作に似た感覚で、表示画面2aに所望のページを表示させることができる。さらに、ページ送りキー8上において指示物を滑らす動作をするなどにより、スイッチC1〜C8に対する接触位置を変化させる(すなわち、入力変化を与える)ことにより、その方向に応じて、1ページ隣のページが表示されるので、紙で構成された書籍においてページ捲りをする動作に似た感覚で、所望のページを表示させることができる。なお、上述の説明では、所定時間内に、スイッチC1〜C8(図1(b)参照)に対して指示物による接触位置に変化があったか否かに基づいて、入力変化があるか否かを判断していたが、入力変化があるか否かを判断する条件を適宜変更してもよい。例えば、5以上のスイッチにおいて接触位置に変化があった場合のみ、入力変化があると判断するなど、入力変化有りとする条件を厳しく設定することにより、誤操作による影響を排除することが可能である。
次に、図8から図11を参照して、本発明の第2実施例の表示装置30を説明する。上記した第1実施例では、ファイルの1ページ(先頭)から最終ページ(後尾)におけるページ位置が、ページ送りキー8のスイッチC1〜C8に対する接触位置と対応するように、ファイルのページが選択されていた。これに対し、第2実施例の表示装置30は、表示画面2aに表示されているページからファイルの最終ページまでの範囲から、ページが選択される点が第1実施例の表示装置10と異なる。なお、この第2実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図8を参照して、第2実施例の表示装置30において、指示物の接触位置に基づいて選択されるページについて説明する。図8は、第2実施例の表示装置30における、スイッチC1〜C8に対する指示物の接触位置とその接触位置に基づいて選択されるページとを概念的に示す図である。図8(a)は、ページ送りキー8から1回目の入力がされた場合を示す。1回目の入力においては、第1実施例と同様に、スイッチC1〜C8までがファイル全体に対応する。そして、ファイルの1ページから最終ページにおけるページ位置が、スイッチC1〜C8に対する接触位置と対応したページが選択され、表示される。
続いて、2回目の入力においては、図8(b)に示すように、スイッチC1〜C8までが、表示画面2aに表示されているページから最終ページまでの範囲と対応する。そして、表示画面2aに表示されているページから最終ページまでの範囲におけるページ位置が、スイッチC1〜C8における接触位置と対応するように、ページが選択される。その結果、2回目以降にページ送りキー8から入力がされると、表示画面2aに表示されているページから最終ページまでの範囲から、スイッチC1〜C8に対する接触位置と対応するページが選択され表示される。したがって、紙で構成される書籍において、一旦あるページを開いた状態で、さらに別のページを開く動作と似た感覚で、所望のページを表示させることができる。
図9は、第2実施例の表示装置30の構成を示すブロック図である。第2実施例の表示装置30は、RAM13が、ページ情報メモリ13aに加えて、表示ページ位置メモリ13bと、ページ送り範囲メモリ13cとを有する以外は、上記した表示装置10と同じである。表示ページ位置メモリ13bは、表示画面2aに表示されたページのページ位置を記憶するメモリである。ページ送り範囲メモリ13cは、表示画面2aに表示されたページのページ位置からファイルの最終ページのページ位置までの範囲を記憶するメモリである。例えば、1000ページから構成されるファイルの1ページ目が、表示画面2aに表示された場合、表示ページ位置メモリ13bには、「1」が記憶される。また、ページ送り範囲メモリ13bには、範囲内先頭ページ位置である「1」とファイルの最終ページ位置である「1000」が記憶される。
図10は、第2実施例のページ送り処理(S810)を示すフローチャートである。第2実施例のページ送り処理(S810)は、図3に示す表示処理のページ送り処理(S8)に替えて実行される処理である。第2実施例のページ送り処理(S810)は、S812〜S822の処理が設けられている以外は、上記した第1実施例のページ送り処理(S8)と同じである。
第2実施例のページ送り処理(S810)では、まず、表示画面2aに現在表示されているページ位置を、表示ページ位置メモリ13bに記憶する(S812)。次に、ページ送り範囲を、ページ送り範囲メモリ13cに記憶する(S814)。すなわち、1000ページから構成されるファイルの第1ページ目が表示されている場合、表示ページ位置メモリ13bに、ページ位置である「1」を記憶させ、ページ送り範囲メモリ13bには、範囲内先頭ページのページ位置「1」とファイルの最終ページのページ位置「1000」を記憶する。
続いて、表示オンオフキー4が押下されず(S81:No)、選択/確定キー6が押下されず(S82:No)、ページ送りキー8から入力がされた場合であって(S84:Yes)、入力変化がなかった場合(S86:No)、スイッチC1〜C8(図1(b)参照)に対する接触位置に基づいて表示すべきページを選択し(S816)、選択されたページを表示画面2aに表示させる(S818)。ここで、第1実施例では、ファイルの1ページから最終ページにおけるページ位置が、スイッチC1〜C8に対する接触位置と対応するように、ファイルのページが選択されていた。これに対し、第2実施例では、ページ送り範囲メモリ13bに記憶されている範囲からページが選択される。
具体的には、まず、第1実施例と同様に、スイッチC1〜C8に対する接触位置を、スイッチC1からスイッチC8までの全体に対する割合で算出する。例えば、図8(a)に示すように、スイッチC4,C5,C6に相当する位置が指示物により接触された場合は、各スイッチCに付された番号4,5,6の平均値(5=(4+5+6)/3)を算出する。そして算出された平均値を、スイッチの数8で除算する。これによりスイッチC1〜C8に対する接触位置「0.625」が算出される。
そして、ページ送り範囲メモリ13bに記憶されている範囲におけるページ位置が、接触位置「0.625」と対応するように、上記範囲におけるいずれかのページを選択する。具体的には、範囲内のページ数に接触位置を乗算する。例えば、ページ範囲メモリ13bに格納されている範囲内先頭ページ位置が「1」であり、ファイル最終ページ位置が「1000」である場合、範囲内のページ数は「1000」であるので、接触位置「0.625」を乗算することにより、値「625」が得られる。そして、得られた値を、表示ページ位置メモリ13bに記憶されている表示ページ位置に加算した値が、選択されるべきページのページ位置として算出される。例えば、表示画面2aに第1ページ目のページが表示されている場合、表示ページ位置メモリ13bには、「1」が記憶されているので、「626」ページ目が選択され、表示される。
次に、S818の処理で表示画面2aに表示されたページのページ位置を記憶する(S820)。例えば、表示画面2aに626ページ目が表示されている場合、表示ページ位置メモリ13bに、「626」が記憶される。そして、ページ送り範囲メモリ13cには、ページ送り範囲を記憶する(S822)。例えば、ページ送り範囲メモリ13cには、範囲内先頭ページである「626」とファイルの最終ページである「1000」が記憶される。これにより、次回、ページ送りキー8から入力がされた場合に、いずれの範囲からページが選択されるべきであるかが決定される。
そして、次にページ送りキー8から入力がされ(S84:Yes)、その入力変化がない場合(S86:No)、S816〜S822の処理が繰り返される。例えば、表示画面2aに、「626」ページ目のページが表示されている場合において、図8(b)に示すように、スイッチC4,C5,C6に相当する位置が指示物により接触された場合は、スイッチC1〜C8に対する接触位置「0.625」が算出される。そしてページ送り範囲メモリ13bに記憶されている範囲におけるページ位置が、接触位置「0.625」と対応するように、上記範囲におけるいずれかのページを選択する。具体的には、範囲内のページ数「375」に接触位置「0.625」を乗算し、得られた値「234.375」を、表示ページ位置メモリ13bに記憶されている「626」に加算することにより、値「860.375」が得られる。そして、小数点以下を切り捨てることにより、値「860」が得られる。したがって、「860」ページ目が選択され、表示される。
第2実施例の表示装置30によれば、紙で構成される書籍において所望のページを開く動作に似た感覚で、所望のページを表示させることができる。すなわち、紙で構成される書籍においては、一旦、あるページを開いた後、残りのページ群の中で、開こうとするページがどの辺りに位置しているかを見当付け、書籍の厚み方向における位置に換算して、その位置で書籍を開くことにより、所望のページを開いている。したがって、表示されているページから最終ページまでの範囲内から、スイッチに対する接触位置に対応したページ位置のページが選択され、表示されることにより、紙の書籍と似た操作感を使用者に与えることができるのである。
なお、第1実施例および第2実施例では、ページ送りキー8が側面3bに設けられていたが、ページ送りキー8の設置位置はこれに限られない。図11(a)は、ページ送りキー8の設置位置の変形例を示す斜視図であり、図11(b)は、変形例のページ送りキー8の拡大図である。図11(a)に示すように、ページ送りキー8は、例えば、枠体3の上面3aに設けられても良い。また、ページ送りキー8の形状は、図11(b)に示すように、階段状とされていても良い。この場合、スイッチC1〜C10は、例えば、各階段部の縁にそれぞれ設けられることにより、表示画面2aに対し傾斜するように一方向に配設される。このように構成すれば、ユーザは、紙で構成された書籍のページの側面に指を押し当てるのと似た感覚で、各階段部の縁に接触し、または各階段部の縁上で指示物を滑らすことができる。
また、第2実施例では、表示画面2aに表示されているページからファイルの最終ページまでの範囲から、スイッチに対する接触位置に対応するページが選択されていた。これに対し、図11(b)に示すように、ページ送りキー8の形状を、例えば左右対称とし、左右一対のスイッチC1〜C10を配設した場合には、例えば、上面3aに向かって右側に配設されたスイッチ(スイッチC1〜C5)により接触位置が検出されると、表示画面2aに表示されているページからファイルの最終ページまでの範囲からページを選択させ、一方、上面3aに向かって左側のスイッチ(スイッチC6〜C10)により接触位置が検出されると、ファイルの第1ページ目から表示画面2aに表示されているページまでの範囲からページを選択させるように構成してもよい。
このようにすれば、紙で構成される書籍において所望のページを開く動作に似た感覚で、所望のページを表示させることができる。すなわち、紙で構成される書籍においては、一旦、あるページを開いた後、残りのページ群またはそのページよりも先頭側のページ群の中で、開こうとするページがどの辺りに位置しているかを見当付け、書籍の厚み方向における位置に換算して、その位置で書籍を開くことにより、所望のページを開いている。したがって、右側に設けられたスイッチ(スイッチC1〜C5)または左側に設けられたスイッチ(スイッチC6〜C10)のいずれにより接触位置を検出したかに基づいて、表示画面2aに表示されているページからファイルの最終ページまでの範囲、またはファイルの第1ページから表示画面2aに表示されているページまでの範囲内のいずれか一方を決定し、その決定した範囲からページを選択することにより、紙で構成される書籍と似た操作感を与えることができる。
また、図11(b)に示すように、左右一対のスイッチC1〜C10を配設した場合には、右側のスイッチ(スイッチC1〜C5)において入力変化が検出されると、ページ進み方向の入力変化であるとして、現在表示画面2aに表示されているページの次ページを表示させ、一方、左側のスイッチ(スイッチC6〜C10)において入力変化が検出されると、ページ戻り方向の入力変化であるとして、現在表示画面2aに表示されているページの前ページを表示させるように構成してもよい。
紙で構成される書籍においては、前ページを捲る場合と、次ページを捲る場合と左右対称の動作をすることから、上述のように構成することにより、紙で構成される書籍と似た操作感を与えることができる。
次に、図12および図13を参照して、本発明の第3実施例の表示装置50を説明する。上記した第1実施例および第2実施例では、ページ送りキー8の一箇所が指示物により接触された場合(入力変化がない場合)は、スイッチC1〜C8に対する接触位置に応じて表示すべきページが選択され、一方、ページ送りキー8において入力変化がある場合は、入力変化方向に従って、次ページまたは前ページが表示されていた。これに対し、第3実施例の表示装置50は、入力変化があるか否かに関わらず、スイッチに対する接触位置に応じて表示すべきページが選択される点が、第1実施例および第2実施例と異なる。なお、この第3実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12(a)は、本発明の第3実施例である表示装置50の斜視図であり、図12(b)は、第3実施例のページ送りキー58の部分拡大図である。図12(a)に示すように、第3実施例の表示装置50において、ページ送りキー58は、枠体3の上面3aに設けられている。また、ページ送りキー58は、上面3aにおいて左右に対称な一対のキー群59a、59bから構成される。また、キー群59aは、上面3aにおいて、表示画面2a上下方向に並ぶ5つのキー60a、61a、62a、63a、64aから構成され、キー群59bは、上面3aにおいて、表示画面2a上下方向に並ぶ5つのキー60b、61b、62b、63b、64bから構成される。
なお、各キー60a〜64a、60b〜64bには、それぞれ対応するスイッチC60a〜C64a、C60b〜C64bが設けられている。すなわち、上面3aにおける上下方向(請求項の一方向に相当)にスイッチC60a〜C64a、C60b〜C64bが配設されている。
表示装置50のROM12には、各スイッチC60a〜C64a、C60b〜C64bに対する接触位置に対応付けたページ移動数が予め記憶されている。例えば、表示画面2aの最上段のキー60a、60bに設けられたスイッチC60a、C60bには、ページ移動数「1」が対応付けられる。キー60a、60bの次段のキー61a、61bに設けられたスイッチC61a、C61bには、ページ移動数「2」が対応付けられる。キー61a、61bの次段のキー62a、62bに設けられたスイッチC62a、C62bには、ページ移動数「3」が対応付けられる。キー62a、62bの次段のキー63a、63bに設けられたスイッチC63a、C63bには、ページ移動数「4」が対応付けられる。キー63a、63bの次段のキー64a、64bに設けられたスイッチC64a、C64bには、ページ移動数「5」が対応付けられる。
また、上面3aに向かって左側に設けられるキー群59aに配設されたスイッチC60a〜C64aには、ページ進み方向の移動が対応付けられ、上面3aに向かって右側に設けられるキー群59bに配設された各スイッチC60b〜C64bには、ページ戻り方向の移動が対応付けられる。なお、ページの移動方向についての対応は、逆であっても良い。ページ送りキー58を構成するいずれかのキー60a〜64a、60b〜64bが押下されると、そのキー60a〜64a、60b〜64bに設けられたスイッチCにより、スイッチCに対する接触位置が検出される。そして、接触位置を検出したスイッチCに対応付けられた移動方向と移動数に応じて、表示すべきページが選択され、表示画面2aに表示される。
なお、図12(b)に示すように、キー61a〜64a、61b〜64b表面には、線状に突出した段部65が形成される。そして、表示画面2aの下側のキー、すなわち、相対的に多いページ移動数が対応付けられたスイッチCが配設されたキーには、表示画面2aの上側のキー、すなわち、相対的に少ないページ移動数が対応付けられたスイッチCが配設されたキーに比較して、表面に多くの段部65が形成される。
図13は、第3実施例のページ送り処理(S830)を示すフローチャートである。第3実施例のページ送り処理(S830)は、図3に示す表示処理のページ送り処理(S8)に替えて実行される処理である。第3実施例のページ送り処理(S830)は、S832が設けられ、S86、S88、S92〜S96の処理が設けられていない以外は、上記した第1実施例のページ送り処理(S8)と同じである。
第3実施例のページ送り処理(S830)では、表示オンオフキー4が押下されず(S81:No)、選択/確定キー6が押下されず(S82:No)、ページ送りキー58から入力がされた場合(S84:Yes)、スイッチC60a〜C64a、C60b〜C64bに対する接触位置に基づいて、表示すべきページを選択する。上述のように、各スイッチC60a〜C64a、C60b〜C64bには、移動方向とページ移動数が対応付けられて、例えばROM12(図2参照)に記憶されているので、現在表示画面2aに表示されているページから、接触位置が検出されたスイッチCに応じた移動方向とページ移動数分のページを移動したページを選択する。例えば、ファイルの第1ページ目が表示されている状態において、上面3aに向かって右側最上段に位置するキー60bから入力がされた場合、ページ進み方向に1ページ分移動したページ、すなわち2ページ目が選択され、S90の処理において表示画面2aに表示される。
第3実施例の表示装置50によれば、図12(b)に示すように、相対的に多いページ移動数が対応付けられたスイッチCを備えるキーには相対的に多い段部65が形成され、相対的に少ないページ移動数が対応付けられたスイッチCを備える決定される接触位置には相対的に少ない段部65が形成されるので、使用者は各キーに形成された段部65により、触覚的にページ移動数を把握することができ、紙で構成される書籍と似た操作感を与えることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上述の第1実施例および第2実施例では、ページ送りキー8が1つの側面3bに設置される場合を説明したが、2つ以上の側面3bに設置されるものであってもよい。例えば、上面3aに向かって左側の側面と、右側の側面とに左右一対のページ送りキー8を設けてもよいし、上側の側面と下側の側面、または上側の側面と右側の側面に、一対のページ送りキー8を設けてもよい。さらに、一対のページ送りキー8のうち、いずれのキーから入力がされたかに基づいて、表示画面2aに現在表示されているページよりも前のページを表示させるか、または現在表示されているページよりも後のページを表示させるかを選択できるように構成しても良い。
また、上述の第1実施例および第2実施例では、ページ送りキー8が側面3bの一部に設置されていたが(図1b参照)、1つの側面3b全面をページ送りキー8として構成するものであってもよい。
また、上述の第1実施例および第2実施例では、枠体3が、上面3aに垂直な断面の形状が台形となるように構成されていたが、枠体3の形状はこれに限られない。例えば、図14(a)に示すように、上面3aに垂直な断面の形状において、側面3bが、外側に凸の円弧状となるように構成してもよいし、図14(b)に示すように、側面3bが、内側に凸の円弧状となるように構成しても良いし、図14(c)に示すように、側面3bを階段状に構成してもよい。このように、上面3aから背面3cに向けて、側面3bが外側へ張り出す形状に構成し、その側面3bにおいて一方向にスイッチCを配設してページ送りキー8を構成することで、例えば、片手のみで表示装置10を保持しつつ、ページ送りキー8を手指により操作する動作がし易いため携帯性が良く、また、紙で構成された書籍の側面に手指を押し付ける動作と似た操作感を使用者に与えることができる。
また、上述の表示処理(図3参照)では、表示オンオフキー4の押下によりファイル選択処理(S4)または、前回表示されていたページの表示処理(S6)がされていたが、例えば、電源の投入時に、その電源の投入が一回目の電源投入であるか否かを判断し、その電源の投入が一回目であればファイル選択処理(S4)を実行し、その電源の投入が二回目以降であれば、前回の電源オフ前に表示画面2aに表示されていたページの表示処理(S6)を実行するように構成してもよい。
また、上述の実施例では、複数のセンサCが一直線方向に配設されていたが、例えば円弧状に複数のセンサCが配設されていても良い。