JP4718927B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
例えば図1に示すように、スピーカ装置1Jは、フレーム10と、このフレーム10の底部に装着されたプレート11、マグネット12、ヨーク13からなる磁気回路と、プレート11とヨーク13との磁気ギャップ内に配置されて音声信号の供給によって駆動するボイスコイル14と、このボイスコイル14が周囲に巻き回されたボイスコイルボビン15と、このボイスコイルボビン15をフレーム10に支持するダンパ16と、ボイスコイルボビン15に内周端が支持され、フレーム10の外周部10Aにエッジ部17Aを介して外周端が支持された振動板17、振動板17の中央部に形成されたダストキャップ17Bとからなっている。またスピーカ装置Jは、例えば図1に示すように取付部材20Jを介して被取付対象の部材に取り付けられる。
例えば取付部材20Jには、図1に示すように取付強度を大きくするために筒状の補強用リブ23Jが形成される。しかし、この補強用リブ23Jの内側面23Jaにより形成された筒状空間において、スピーカの音響特性に乱れが生じる場合がある。詳細には図1に示すように振動板17の裏面側では、振動板17の振動により発生する空気の振動が、フレーム10の開口部10Bを介して補強用リブ23Jにより形成される筒状空間内で共振現象を生じ、この共振現象により特定の周波数帯域の音圧が上昇し、別の周波数帯域では音圧が下降し、全周波数領域においてはピークとディップの差が大きくなる場合がある。また図1に示すように、振動板17の振動により発生する空気の流れが補強用リブ23Jの内側面23Jaに阻害されて、振動板17の動きを制限し、音響特性が低下する場合がある。
また、例えば高音スピーカにハイパスフィルタ用キャパシタ等のスピーカ供給信号を制御する電子素子を設置する場合には、その電子素子を限られたスペースに配設するために、スピーカフレームに形成されたスピーカ端子部に電子素子をハンダ付け等により直接接続していた。しかし、サイズが大きいキャパシタや複数の電子素子をスピーカ近傍の限られたスペースに配設することが困難な場合がある。
請求項1の発明に係るスピーカ装置は、フレームを含むスピーカユニット、および前記スピーカユニットを被取付対象の被取付部材に取り付ける取付部材を有するスピーカ装置であって、
前記取付部材は、前記被取付部材に取り付けられる取付部と、前記スピーカユニットが取り付けられる開口を有する取付孔部と、前記開口の周縁部の全部または一部に形成された凸形状の補強部とを有し、前記フレームと前記取付部材とは複数個のネジによって固定され、前記フレームの側面部には複数の開口部が形成されており、前記補強部には、前記側面部に対面する傾斜面部が形成されていることを特徴とする。
上記構成のスピーカ装置では、補強部は、スピーカユニット側面部に対面する内側面に傾斜面部が形成されているので、例えばスピーカユニットの振動板の振動により生じた空気の粗密波が、補強部の内側面に形成された傾斜面部に反射して、補強部により形成された空間外に放射されるので、補強部により形成された空間内の共振現象が防止され、音響特性の劣化を低減することができる。また、スピーカユニットの振動板の振動により生じた空気の粗密波が、補強部の傾斜面部によりスムースに排出することができ、振動板の振動に不要な制限を与えることがないので、音響特性の乱れを低減することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係るスピーカ装置を説明するための図である。(a)はスピーカ装置の正面図、(b)はスピーカ装置の側面図である。図3は、図2に示したスピーカ装置の裏面側を説明するための図である。図4(a)は、図2(a)に示したスピーカ装置のA−A線に沿った断面図である。図4(b)は補強用リブを説明するための拡大図である。図5は、図3に示したスピーカ装置の裏面側の斜視図である。ここで、コーン型スピーカ装置を例示して説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、ドーム型、ホーン型、平面・平板型等各種形態のスピーカ装置を対象とすることができる。また、コーン型スピーカユニットにおいても、以下の構造に特に限定されるものではない。
内側面がスピーカユニット側面部の円錐傾斜と逆方向に傾斜した略円錐状(ラッパ状)に形成されている。傾斜面部231が形成された補強用リブ23は、振動板17の振動時、振動板17の裏面側17cからの背圧を、フレーム10の開口部10Bを介してスムースに排出する機能や、補強用リブ23により囲まれた空間内での空気の共振現象を低減する機能等を有する。一般的な補強用リブ23Jでは図1に示すように内面が筒形状に形成されているので、補強用リブ23Jにより形成された空間内で空気の共振が生じる場合があるが、本実施形態に係る補強用リブ23では、傾斜面部231が形成されていることにより、補強用リブ23により形成された空間内での音の反射が低減するので共振が低減する。このため補強用リブ23は、取付部材20の強度を大きくする機能と音響特性の乱れを低減する機能を兼ね備える。
また、補強用リブ23による補強強度を比較的大きく設定する場合には、補強用リブ23の高さh1を比較的大きく設定し、補強用リブ23の傾斜面部231を角度45°よりも小さく角度0°より大きく形成することで、補強強度を比較的大きくすることができる。上述したように補強用リブ23の傾斜面部231は、適宜最適な角度θ1 に設定することができる。
また、補強用リブ23の傾斜面部231の角度θ1 を、取付孔部22の裏面側の周縁部全周に渡って一定角度に設定してもよいし、取付孔部22の周縁部の周方向に応じて、傾斜面部の傾斜角度を部分的に異なる角度に規定してもよい。こうすることにより周方向に沿って、所定部位で補強強度を比較的大きく設定したり、また別部位で音響特性の乱れの度合いをより小さく設定したり、周方向に応じて所望の機能を自由に設定することが可能である。
また、例えば図7に示すよう鉄等の金属により補強用リブ(補強ビード)23bを形成し、内側面に傾斜部231dを形成してもよい。また、図8に示すように鉄等の金属により補強用リブ(いわゆる補強用ビード)23cを形成し、凸形状の先端部の内側に面した角部231eを丸角状に形成し、また、凸形状の角部231fを丸角状に形成してもよい。また、例えば取付部材22を、金属加工板により、上記凸形状に加工された補強用リブ(補強ビード)23bを形成した場合でも、上述した実施形態に係る効果と略同様な効果を得ることができる。
ところで、一般的なスピーカ装置では、スピーカ本体部の近傍、具体的にはフレーム10の裏面側面部に形成されたスピーカ端子基板19に、低域周波数カットオフ用キャパシタ31や、スピーカ高域周波数カットオフ用コイル、増幅素子、スイッチ素子等の電子素子をハンダ付け等により直接配設する。この場合、電子素子をスピーカ端子基板19上に配設しているために、スピーカ端子基板19の形成位置に電子素子の配設位置が制限される。また、車両搭載型スピーカ装置等ではスピーカ端子基板19付近に設置スペース(例えば、車両とスピーカ間の隙間)が小さい場合があり、比較的大きなサイズの電子素子や複数の電子素子等を配置することが困難な場合がある。
上述したように、スピーカへの供給信号を制御する電子素子30をスピーカ端子基板上ではなく、例えば取付部材20において、スピーカユニット周りの比較的スペースの取れる位置に電子素子取付部24を形成し、その電子素子取付部24に電子素子30を配設することで、スピーカ本体部近傍の限られたスペースに効率よく電子素子30を配設することができる。また、一般的なスピーカ装置と比べて、スピーカ端子部191の形成位置に影響されることなく、電子素子30の配設位置の自由度を大きくすることができ、例えばスピーカと被取付部材との間のスペースに応じて自由に配置位置を設定することができる。また、例えば比較的サイズの大きなキャパシタ31やコイル、増幅素子(トランジスタ等)、スイッチ素子等の電子素子や、複数個の電子素子等を取付部材20の所望の位置に配設することができる。
また、取付部材20は、図3,5に示すように、コネクタ端子40が取り付けられるコネクタ端子取付部25が形成されている。詳細にはコネクタ端子取付部25に形成された被係合孔部251と、コネクタ端子40に形成された係合部41とが係合して、コネクタ端子40が取付部材20に固定される。また、係合部41に外れ防止機能としての爪部41aが形成されている。また、コネクタ端子40、スピーカ端子部191、および電子素子30は、例えば図5に示すように、適宜複数本の導電線(コード)により電気的に接続されている。詳細には、コネクタ端子40の第1端子部とスピーカ端子部1911とが導電線L1により電気的に接続し、コネクタ端子40の第2端子部とスピーカ端子部1912とが導電線L2により電気的に接続し、コネクタ端子40の第3端子部と端子金具2412とが導電線L3により電気的に接続し、端子金具2411とスピーカ端子部1912とが導電線L4により電気的に接続している。
また、上述したように取付部材20上に、取付部材20に形成された端子金具241と、フレーム10に形成されたスピーカ端子部191とが、中継部26を介して導電線により接続され、またコネクタ端子取付部25に取り付けられたコネクタ端子40とスピーカ端子部191とが、中継部26を介して導電線により接続された、一種の回路基板のような構造を有するので、一般的なスピーカ装置と比較して、それぞれの構成要素の配置位置を自由に設定することができ、また、サイズの大きいキャパシタ等の電子素子を取付部材20に配設することができる。特に車載スピーカ装置等では、電子素子30の設置スペースが比較的小さい場合であっても、電子素子30を取付部材20上の所望位置に配設することができる。
また、図3,5に示すように、端子金具2411,2412間に、所定高さの凸形状の保護部(保護リブ)242をけることにより、端子金具2411,2412間の端子間の短絡を防止することができる。
上記構成の第1及び第2台部2401,2402と係合部2403により形成される貫通孔部2405に、端子金具241を導電線接続部241b側からスライドさせて貫通して、溝部241cと係合部2403が係合することにより、端子金具241と取付部材20とが固定される。また溝部241cと係合部2403が係合することにより、端子金具241の外れ防止機能を実現することができる。
また、第2台部2402の先端部には、端子金具241をスライドさせて貫通孔部に挿入する場合に、端子金具241が第2台部2402を乗り越えやすくするために、テーパ角部(傾斜面部)2402aを形成してもよい。
また、図16に示すように、保護リブ243の溝部243aの内側角部にテーパ面243bを形成することが好ましい。上記構成の保護リブ243を設けることにより、リード線311を溝部243aへ嵌合する際の作業効率が向上する。
また、図19に示すように、リード線311を覆うように、リード線の側面部および上部に保護リブ244を設けてもよい。上記構成の保護リブ244を設けることにより、保護機能をさらに向上させることができる。
また、上記実施形態では車載用スピーカ装置を説明したがこの形態に限られるものではない。また、取付部21、取付孔部22、補強用リブ23の形状は、上述した形態に限られるものではない。必要に応じて任意の形状に形成してもよい。
また、補強部23は、内側面がスピーカユニット側面部の円錐傾斜と逆方向に傾斜した略円錐状に形成されているので、補強強度を大きくすることができ、音響特性の乱れを低減することができる。
11 プレート
12 マグネット
13 ヨーク
14 ボイスコイル
15 ボイスコイルボビン
16 ダンパ
17 振動板
18 ガスケット
19 スピーカ端子基板
20 取付部材
21 取付部
22 取付孔部
23 補強部(補強用リブ)
24 電子素子取付部
25 コネクタ端子取付部
100 スピーカユニット
Claims (13)
- フレームを含むスピーカユニット、および前記スピーカユニットを被取付対象の被取付部材に取り付ける取付部材を有するスピーカ装置であって、
前記取付部材は、
前記被取付部材に取り付けられる取付部と、
前記スピーカユニットが取り付けられる開口を有する取付孔部と、
前記開口の周縁部の全部または一部に形成された凸形状の補強部と、を有し、
前記フレームと前記取付部材とは複数個のネジによって固定され、
前記フレームの側面部には複数の開口部が形成されており、
前記補強部には、前記側面部に対面する傾斜面部が形成されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 前記側面部は、前記スピーカユニットの上方向に開いた略円錐形であり、
前記傾斜面部は、前記スピーカユニットの下方向に開いた略円錐形であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記補強部は、前記取付孔部の周縁部の周方向に応じて、前記傾斜面部の傾斜角度が部分的に異なる角度に規定されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記補強部は、前記傾斜面部の傾斜角度が略45°に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記傾斜面部は、前記凸形状の角部に形成された湾曲面であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記取付部材は、金属加工板からなり、凸形状に加工された前記補強部を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記取付部材は、前記取付孔部の近傍に、前記スピーカユニットに入力する電気信号を制御する電子素子が配設される電子素子取付部を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記電子素子取付部に配設された前記電子素子と、前記スピーカユニットに形成されたスピーカ端子部とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置。
- 前記取付部材は、少なくとも前記スピーカユニットに形成されたスピーカ端子部と、前記電子素子取付部に配設された電子素子間の導電線の配線位置を規制する導電線規制手段を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記電子素子取付部は、一端が前記電子素子に接続され、他端がスピーカ端子部に接続され、中央部付近側面部に溝部を備える導電端子部と、
内側面に係合部が形成された貫通孔部と、を有し、
前記貫通孔部に前記導電端子部が貫通し、前記導電端子部の前記溝部と前記係合部とが係合して、前記導電端子部が固定されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置。 - 前記電子素子取付部は、内側面の上端部付近に内側に向かって形成された凸部、および当該凸部の底面部側に導電端子部が嵌合する隙間部が形成された被嵌合部と、
前記凸部に対応して溝部が形成された導電端子部と、を有し、
前記被嵌合部の凸部と前記導電端子部の溝部とを嵌合して、前記被嵌合部の隙間部に前記導電端子部が嵌合した状態で、前記導電端子部をスライドさせることにより、前記導電端子部が固定されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置。 - 前記電子素子取付部は、前記電子素子のリード線を保護するリード線保護部を有することを特徴とする請求項7に記載のスピーカ装置。
- 前記電子素子は、前記電子素子本体部に規定間隔に形成された複数のリード線を有し、
前記リード線保護部は、前記電子素子本体部と前記電子素子のリード線が接続される導電端子部との間に設けられ、前記規定間隔と略同じ間隔に形成された、前記リード線が嵌合する嵌合部を有することを特徴とする請求項12に記載のスピーカ装置。
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