JP4718553B2 - 血流および静脈容量の測定 - Google Patents

血流および静脈容量の測定 Download PDF

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Description

本発明は、被験者のある生理学的パラメータを非侵襲的に測定するための方法および装置に関する。本発明は、血流量または血流量に由来する他の生理学的パラメータを測定するとともに、静脈コンプライアンスについてある定量的な指標をもたらすための静脈閉塞プレチスモグラフィ(VOP)において、特に有用である。従って、本発明を、そのような用途に関して以下で説明する。
静脈閉塞プレチスモグラフィは、被験者の生理学的パラメータ、特に血流量を、非侵襲的に測定するための公知の方法である。これは、静脈閉塞装置の遠位側または上流側に位置する体領域の静脈における血液の蓄積に基づいている。静脈閉塞プレチスモグラフィ法においては、静脈血を静脈閉塞装置が作用している体領域よりも遠位側に位置する(または、心臓からさらに離れている)他の体領域に蓄積させるため、静脈圧よりも大きいが動脈圧よりも小さい圧力が体領域の周囲に加えられる。遠位領域について、時間に対する体積の変化が測定され、血流、または所与の閉塞圧力レベルにおいて蓄積された相対体積などの血流に由来する他の生理学的パラメータの測定をもたらすために使用される。
VOPは、被験者の循環系の以下の生理学的特性に基づいている。
1.静脈は、きわめて高いレベルのコンプライアンスを有しており、比較的低い圧力で大量の血液を収容することができる。
2.全身動脈血圧と全身静脈血圧との間に、大きな圧力差が存在する。
3.全身の動脈の血流が、心臓から体の末梢に向かって伝搬する一方で、全身の静脈においては、血流が反対方向に(すなわち、末梢から心臓に向かって)伝搬する。
現時点においては、VOP測定は、一般的には、ある体領域の外周を覆って配置された分節カフ(segmental cuff)を膨張させ、静脈圧と動脈圧との間の圧力まで、この特定の体領域の全周にわたって圧力を加え、次いでカフの遠位側に蓄積する血液の体積を測定することによって行われている。以下でさらに詳しく説明されるように、カフにおいて静脈閉塞圧力が間欠的に高められると、静脈がさらなる体積を収容することができなくなるときまで、累積の体積がそれぞれのパルス波毎に増加し始める。
上述のように、静脈は、動脈の血管に比べてはるかに高い程度のコンプライアンスを有することを特徴としており、すなわち同等の寸法の動脈血管と比べ、所与の圧力の増加についてより大きな体積変化を受けることができる。静脈のコンプライアンスは、最初に空にされた後にとくに高い。しかしながら、静脈が徐々に満たされ、静脈の壁が引き延ばされ始めるにつれて、収容されている血液の圧力を高めることなく膨張できるという静脈の能力は、低下する傾向にあり、したがって、圧力が上昇するとき、非線形な圧力・体積間の関係がもたらされる。それでもやはり、静脈が完全に空にされた状態から収容することができる血液の体積のかなりの部分は、静脈の壁を引き延ばすことなく生じ、きわめて低い圧力レベルで生じる。蓄積される血液の体積の変化の速度が、血流量(BF)である。閉塞カフの遠位側の領域の血液がカフの圧力に達すると、血液のさらなる蓄積は止み、血液の体積の定常レベルが広がる。従って、この時点において閉塞カフの遠位側に蓄積された血液の体積は安定期に達し、これが静脈容量(VC)を表している。
静脈閉塞カフの遠位側の血液の体積および圧力が増すにつれ、静脈のコンプライアンスが減少する傾向にあることに、特に注意すべきである。
VOPの主たる限界は、以下の理由のために、現在実施されているように、心臓の高さよりも上方に維持された体の部位の測定に限定されている点にある。すなわち、上述のようにきわめて大きい静脈のコンプライアンスと、心臓の高さに対する垂直変移による脈管系における静水圧勾配の発生との組み合わせゆえ、心臓の高さよりも下方の体の部位の静脈が容易に血液で満たされてしまい、血液の追加の体積を自由に収容する能力を失ってしまう。静脈の血管が静水圧勾配ゆえに満たされてしまうと、この部分的に満たされた静脈は、さらなる膨張の能力の相対的な減少および血管の壁の伸張ゆえの圧力・体積間関係の線形性の欠如により、VOP測定のために正確に利用することができない。これらの理由のため、これまでのところVOP測定は、心臓の位置よりも上方の領域の測定に厳しく制限されている。
このような静水圧による静脈の充満は、外部から充分なレベルの対抗圧力を測定場所へと印加する(静脈内の圧力に釣り合うように)ことによって、防止することができるが、従来からのVOP体積測定採取カップには、測定場所から追いやられることなく感知できる程度の圧力を加えることが、機械的に不可能である。従って、静脈内の圧力に釣り合うための必要な程度の圧力をもたらすことが不可能であり、心臓の高さよりも下方のBFの信頼できる測定のために使用することができない。シラスティック・リング(silastic ring)内の水銀または円周のひずみゲージなどといった代替の収集装置は、静脈閉塞カフの遠位側の組織の塊に対して実際の圧力場をもたらしておらず、したがってこれらの方法のいずれによっても、静止の静脈拡張を打ち消すことはできない。さらに、これらは体積を実際には測定しておらず、外周の指標を測定しているため、体積の指標をもたらすように正確に較正することが不可能である。
これらの制約ゆえ、従来からのVOP装置は、体の測定対象部位が心臓の高さよりも下方にある場合に、特定の圧力レベルでのBF測定または静脈容量を実行可能にするように、局所的な静脈貫壁性の血圧を変更することができず、従って上述のように、一般的にはVOP測定が、被験者の心臓の上方に位置し、あるいは心臓の高さよりも上方へと意図的に持ち上げられた体の領域に限定されている。
VOP測定に関するさらなる情報は、例えば米国特許第5447161号および第6749567号といった特許文献から入手可能であり、それらの内容は、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする。これらの特許は、やはりVOP法によって測定することができる血流量に由来する他の生理学的パラメータも説明している。
本発明の目的は、生理学的パラメータ、特に血流量および静脈容量を非侵襲的に測定するための上述の点に利点を有する方法を提供することにある。本発明のさらに特有の目的は、被験者の心臓の高さよりも上方の体の部位または心臓の高さよりも上方へと持ち上げられた体の部位に限定されないVOP測定プロセスを提供することにある。本発明の他の目的は、そのような新規な方法による非侵襲の測定を行うための装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、データを標準的な物理単位で提供するために定量的な方法でそのような非侵襲の測定を行うための装置を提供することにある。
本発明の1態様によれば、被験者の生理学的パラメータを非侵襲的に測定するための方法であって、被験者の体の部位へと、体の部位の第1の領域に係合するための第1の流体チャンバを有している第1の部位と、第1の領域に近接して第1の領域の被験者の心臓に面する方の側に位置している体の部位の第2の領域に係合するための第2の流体チャンバを有している第2の部位とを備えている静脈閉塞プレチスモグラフィ装置を適用し;第1の流体チャンバを、固有の静脈圧と前記所与の体の部位内に広がる静水圧との合計を超える圧力レベルまで加圧し;第2の流体チャンバ内の圧力を、第1のチャンバ内の圧力以上であるが動脈圧未満である圧力まで、間欠的に上げ下げし;体の部位の第1の領域の体積変化を測定し;測定した体積変化を使用して、生理学的パラメータの測定をもたらすことからなる方法が提供される。
好ましくは、上記方法において使用される静脈閉塞装置は、すでに発行済みであって、その内容がここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする米国特許第6319205号、第6322515号、第6461305号、および第6488633号、ならびにすべて本件出願と同じ譲受人へと譲渡され、現在係属中であるいくつかの特許出願に記載されているような末梢動脈圧力測定(PAT)プローブである。従って、後述する本発明の好ましい実施の形態は、そのようなPATプローブの利用を説明する。
説明される好ましい実施の形態のさらなる特徴によれば、体積変化が、測定される時間期間にわたって蓄積され、変化の速度が割り出されて、血流量の測定がもたらされる。しかしながら、上述のように、この方法は、例えば上記引用米国特許第5447161号に記載されているように、例えば特定の静脈圧レベルにおける静脈容量のレベル、静脈圧、動脈圧など、血流量に由来する他の生理学的パラメータの測定にも使用可能である。
本発明の他の態様によれば、被験者の生理学的パラメータを非侵襲的に測定するための方法であって、被験者の手指または足指へと、手指または足指の先端の最も遠位側の極端を含む遠位端に係合するための第1の流体チャンバを有している第1の部位と、遠位端の内側の手指または足指の環状の領域に係合するための第2の流体チャンバを有している第2の部位とを備えている静脈閉塞装置を適用し;第1の流体チャンバを、静脈閉塞圧力を下回っているが、被験者の心臓の高さに対する前記手指または足指の垂直高さに応じて静脈圧へと加えられる静水圧を補償するには充分である圧力まで加圧し;前記第2の流体チャンバ内の圧力を、前記第1の流体チャンバ内の圧力以上であるが動脈圧未満である圧力まで、間欠的に上昇させ;手指または足指の前記遠位端の体積変化を測定し;前記測定した体積変化を使用して、生理学的パラメータの測定をもたらすことからなる方法が提供される。
説明される好ましい1実施の形態によれば、手指または足指の環状の領域は、遠位端に隣接している。
しかしながら、手指または足指の環状の領域は、米国特許第6488633号に記載のように中間の環状領域によって遠位端から離間している他の実施の形態も説明される。この場合、静脈閉塞装置は、第1の部位と第2の部位との間に第3の部位を備えている。第3の部位は、手指または足指の第1の領域と第2の領域との間の環状領域を囲んでいる第3の流体チャンバを備えており、第3の流体チャンバが、第1の流体チャンバと同じ圧力まで加圧される。
本発明のさらに他の態様によれば、被験者の生理学的パラメータを非侵襲的に測定するための装置であって、体の部位の第1の領域に係合するための第1の流体チャンバを有している第1の部位と、第1の領域に近接して第1の領域の被験者の心臓に面する方の位置に位置している体の部位の第2の領域に係合するための第2の流体チャンバを有している第2の部位とを備えている静脈閉塞装置;第1の流体チャンバを、静脈閉塞圧力を下回っているが、固有の静脈圧と被験者の心臓の高さに対する体の部位の垂直高さゆえの静脈内の静水圧との合計を補償するためには充分である圧力まで、加圧するための加圧システム;および第2の流体チャンバ内の圧力を、第1のチャンバ内の圧力以上であるが動脈圧未満である圧力まで間欠的に上げ下げし、体の部位の第1の領域の体積の変化を測定し、測定した体積変化を使用して、生理学的パラメータの測定をもたらすための制御システム、を有する装置が提供される。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明を、本明細書において、添付の図面を参照しつつあくまで例として説明する。
図1a〜1cは、血流量(BF)および静脈容量またはコンプライアンスを測定するための基本的な静脈閉塞プレチスモグラフィ(VOP)プロセスを説明する波形を含む一方で、図1dは、静脈容量またはコンプライアンスを測定するためのさらなるプロセスを説明している。
図2は、従来からのVOP測定法の基本的な欠点を克服するとともに、当該方法を被験者の心臓に対して任意の高さにある体の部位について測定を行うために使用できるようにするため、本発明に従って有用である装置の1形態を示している。
図3aは、外部から加える適切なレベルの対抗圧力が存在しない場合に、監視対象部位(腕または脚)が心臓の高さに対して垂直に下げられるにつれて、例えば手指または足指である監視対象部位の静脈の充満が次第に増加するという現在使用されている従来からのVOP測定システムの固有の欠点を説明している。対照的に、図3bは、静脈内の圧力に釣り合うように外部から加える充分なレベルの圧力を用意して、該当する体の領域の終端へと至り終端を含む該当する体の領域の周囲に加えることによって、心臓の高さに対して垂直に下げられることによる静脈の充満の発生を防止できることを示している。心臓の下方のすべての垂直変位の高さにおいて静脈の充満の防止を保証するため、圧力のレベルは、固有の静脈圧と最大程度の垂直変位時の静水圧との合計に等しいか、あるいはそれより大きくなければならない。
図4aおよび4bは、それぞれ図3および図3bに対応する図であるが、図4bにおいて図2の装置の使用によって従来からのVOP測定法の上述の欠点がどのように克服され、心臓に対して任意の所望の垂直高さにある体の部位について測定が可能になるのかを説明している。
図5は、本発明による生理学的パラメータの測定に使用できる他の装置を示している。
図6は、静脈閉塞の開始をトリガするために被験者のECG信号が使用される変形例を示している。
図7は、血流測定を内皮機能の測定においてもどのように使用できるのかを説明する複数のパネルを含んでいる。
図8は、検査対象のある体領域の測定結果と対照として機能する他の体領域の測定結果との同時比較を説明している。
図9a〜cは、対照部位および検査部位の両者に影響を及ぼす外的影響について補正を行った血流の指標を生成する1つの方法を説明している。
上述した図面および以下の記載は、主に、本発明の概念的態様、および現在好適な実施形態とみなされるものを含め、可能な様々な実施形態の理解を容易にする目的のために提示するものであることを理解されたい。明瞭かつ簡潔にするために、当業者が通常の技術および設計を使用して、記載する発明を理解しかつ実施することを可能にするために必要である以上の詳細を提示しようとは試みない。さらに、記載する実施形態は単なる例であって、本発明は本書に記載する以外の形態および適用例で実施することが可能であることを理解されたい。
基本的な静脈閉塞プレチスモグラフィ(VOP)プロセス
簡単に上述したとおり、被験者の生理学的パラメータを測定するためのVOP法は、被験者のある体領域の周囲に静脈閉塞装置を適用し、間欠的な静脈の閉塞を生じさせるべく、動脈圧を下回る大きさの静脈閉塞圧力にて間欠的に圧力を上下させ、閉塞装置によって静脈を閉塞させた体領域の遠位側または上流側(心臓から遠い側)の体領域の体積変化を測定して、生理学的パラメータの測定をもたらすことに基づいている。このプロセスは、図1a〜1dに示されている。
すなわち、静脈閉塞圧力が閉塞装置によって間欠的に高められる(図1a)とき、それぞれのパルス波毎に累積の体積が増加し始める(図1b)。図1cに示されているように、蓄積される血液の体積変化の速度が、血流量(BF)である。
一般的に言って、測定される体積変化は、少なくとも1つのパルス・サイクルにわたり、ある所与のパルス波ランドマークにおいて体積変化を測定することによって決定される。
実際には、蓄積される血液の体積変化の速度は、複数のパルス・サイクルにわたり、ある所与のパルス波ランドマークにおいて体積変化を測定することによって決定される。適切なパルス波ランドマークの例としては、収縮期ピーク、パルスの立ち上がりのふもと、インシスーリア(incisuria)またはジクロティック・ノッチ(dichrotic notch)などが挙げられる。パルスが体積変化のばらつきをパルスできるよう、多数のパルス信号について体積変化を最適に決定できるよう、線形回帰モデルの最良適合の線を決定することが一般的な実務である。そのような最良適合の線によって記述された時間に対する体積変化は、血流量を表している。
図1dに示されているように、静脈が所与のレベルの静脈閉塞圧力において体積の安定期に達したことを保証するために充分な時間が経過した後、蓄積された血液の総体積を決定することができる。この値が、測定の由来元の組織の総組織質量の割合として表される場合、静脈容量を、所与のレベルの静脈閉塞圧力におけるパーセント体積変化として計算することができる。
さらに上述したように、心臓に対する測定場所の垂直高さに応じて静水圧が補足物として静脈の圧力へと加えられるため、従来からのVOP測定は、心臓の高さよりも上方の場所の測定に制限されている。
さらに詳しく後述されるとおり、本発明によれば、他の機能の中でもとりわけ、固有の静脈圧と所与の測定場所の静的な静脈圧との組み合わせに釣り合う圧力を測定場所へと加えるために、静脈閉塞プレチスモグラフィ装置が使用される。これにより、測定場所が心臓の高さよりも下方に位置することに起因する静脈の拡張が回避され、加えられる圧力のレベルに応じて、VOP測定法を心臓の高さに対して任意の高さにある体領域において使用することが可能になる。
図2は、本発明による被験者の生理学的パラメータの非侵襲的な測定に使用することができる装置の1形態を示している。図2に示されている装置は、選択された体領域へと適用されるべく上記引用特許に記載のとおりに構成された末梢動脈圧力測定(PAT)プローブ、本発明に従ってプローブの種々の部位を加圧すべく制御される加圧システム、および体領域へと加えられる制御下の加圧の変化の結果としての体領域の体積変化を測定するための測定システムを備えている。図2に示した例では、体領域は、被験者の手の指(または、足の指)である。
このように、図2に示した装置は、広く参照番号10で指し示され、静脈閉塞プレチスモグラフィ装置として機能するPATプローブを備えている。プローブ10は、第1の部位11を指の遠位端を囲むように構成して有するハウジングを備えており、さらにハウジングは、ハウジングの部位11と協働して第1の流体チャンバCを規定する膜12を、内表面に保持している。プローブ10は、被験者の指の遠位端のすぐ内側の環状の領域を囲むため、環状の形状の第2のハウジング部13を備えている。ハウジング部13も、膜14を内表面に保持しており、膜14が、被験者の指の遠位端の内側の環状の領域を囲むように構成された第2の流体チャンバCを規定している。
2つのチャンバC、Cは、それぞれチューブ15および16を介して、圧力制御システム18によって制御される流体加圧システム17へと接続されている。
体積測定システム19は、後述のように2つのチャンバC、Cの加圧の最中に、チャンバC内の体積の変化を測定して、チャンバによって囲まれている指の遠位端における体積の変化を測定する。さらに、体積測定システム19は、それら体積の変化を後述の方法で処理し、例えば図1a〜1cに関して上述したような血流量、または図1dにおいて説明したような所与の静脈圧における総体積変化など、所望の生理学的パラメータについての測定値を生成する。PATプローブについての上記引用米国特許は、体積測定システム19に使用できる種々のシステムを記載している。
図2に示した装置は、例えば血流量または静脈容量といった生理学的パラメータを非侵襲的に測定するため、以下の方法で使用される。
最初に、チャンバCおよびCが、被験者の心臓の高さに対して考えられる体の部位の最大可能な垂直変位に起因する最大の静水圧へと加えられる固有の静脈圧を補償するために、少なくとも充分である圧力Pまで加圧される。例えば、体の部位が被験者の指である場合には、チャンバCおよびCが、プローブ内に収容された指の全表面にわたって、指先端のあらゆる垂直高さにおいて静脈圧へと加えられる最大の静水圧を補償するために充分である一様な圧力場(P)を加えるため、加圧システム17によって加圧される。
次いで、加圧システム17が、静脈の閉塞を生じさせるために充分であるが動脈血圧未満である圧力刻み(ΔP)によってチャンバC内の圧力(P)を間欠的に上下させ、次いで上述のように圧力を再びCの一定の圧力レベル(P)へと下げるため、圧力制御システム18によって制御される。これが実行されるとき、チャンバC内の体積の変化、したがってチャンバCによって囲まれた被験者の指の遠位領域内の体積の変化が、体積測定システム19によって測定される。さらに、体積測定システム19は、測定された流体チャンバC内の体積の変化を処理して、測定が望まれている特定の生理学的パラメータの測定値を提供する。
図1a〜1cは、定量的な血流の測定を行うために、どのように体積の変化が測定されて処理されるのかを説明している。すなわち、図1aが、流体チャンバCが係合している指の環状領域において静脈血の流れを間欠的に閉塞させるため、チャンバCへと間欠的に加えられる(P+ΔP)への圧力の増加を説明している。図1bは、被験者の指の遠位端を囲んでいる流体チャンバC内のセンサによって検出される累積の体積変化を示している。図1cおよび1dは、体積変化の速度が定量的な血流の測定をもたらすために使用される方法を、説明している。
図2に示したPATプローブは、上述のVOP測定プロセスにおいて静脈閉塞装置として使用される場合に、いくつかのきわめて重要な利点をもたらす。すなわち、環状の流体チャンバCを、指へと静脈閉塞圧力を加えるために使用できる一方で、指の遠位端の領域を囲んでいる端部のチャンバCを、チャンバCによって生み出される静脈の閉塞の結果としての遠位端領域の体積変化を測定するために、使用することができる。さらに、端部のチャンバCならびに環状の流体チャンバCを、被験者の心臓の高さに対する指の最低の垂直高さにおいて静脈圧へと加えられる静水圧を補償して、装置を心臓に対して任意の垂直高さにある体の部位に関して使用できるようにするために、指の遠位端および隣接の指領域へと釣り合い圧力を加えるために使用することができる。
上述のPATプローブは、検討対象の体の部位にしっかりと取り付いたままで、最も遠位側の端部(例えば、上述の例においては指の遠位端)を含む検討対象の体の部位の全表面にわたって一様な圧力場を加えることができるように具体的に設計されているため、心臓の高さに対する任意の高さレベルでのVOP形式の測定の実行に理想的に適している。すなわち、図2に示されているように、PATプローブ10を、固有の静脈圧に起因する受動的な静脈の充填、および全測定領域すなわちチャンバCおよびCによって囲まれた領域における静水圧の影響に打ち勝つために充分な圧力Pを、チャンバCおよびCに生むべく、使用することができる。また、PTAプローブ10を、チャンバCによって囲まれた指の環状領域に圧力の増加(ΔP)をもたらすことによって、静脈の閉塞を生じさせるために使用することができる。
静脈のコンプライアンスについて、静水圧に起因する静脈拡張の有無の結果が、図3a、3b、および4a、4bに示されている。
図3a、3bは、心臓の高さに対する測定場所の変位の種々の高さにおける静脈コンプライアンス曲線に沿った、静脈内圧力および体積の点を示している。ここで、プローブによって加えられる外部の対抗圧力が存在しない場合(図3a)には、腕が心臓の高さに対して下げられるにつれて、静脈の充填のレベルが次第に高くなることを見て取ることができる。一方で、充分なレベルのプローブ圧力が、静脈の静水圧を打ち消すために加えられる場合には、測定場所を心臓の高さよりも下方へと下げることに起因する静脈の拡張を、図3bに示されているように回避することができる。
同様に、(図2に示されているように)増加の圧力が近位側の静脈閉塞カフへと加えられる場合、カフの遠位側の体積の増加は、静脈圧の最初の出発点および静脈コンプライアンス曲線に沿って対応する体積に依存している。
図4aは、静脈内の圧力レベルと釣り合う充分な圧力を有していないシステムへと静脈閉塞圧力が加えられた場合に、体積の増分が静脈コンプライアンス曲線上の出発位置に依存する(コンプライアンスが小さくなると、所与の静脈圧の変化に対して生じる体積変化が小さくなるため)ことを示している。しかしながら、全体としての静脈内圧力に釣り合うように充分なレベルのプローブ圧力が加えられるならば、静脈閉塞圧力による静脈の追加の拡張が、心臓の高さに対する測定場所の変異の高さに依存しなくなる。従って、図4bに示されているように、測定場所の位置にかかわらず、血流の正確な測定が容易になる。
図5は、図2の装置と同様であるが、静脈閉塞装置として上述の米国特許出願第6488633号に記載されているような3部位形式のPATプローブ(ここでは、広く参照番号30で指し示されている)を使用する装置を示している。理解を容易にするために、図5のプローブにおいて図2のプローブと共通の構成要素は、同じ参照番号によって特定されている。
すなわち、図5に示したプローブ30も、第1の流体チャンバCを規定する第1の膜12を保持している第1のハウジング部11と、第2の流体チャンバCを規定する第2の膜14を保持している第2のハウジング部13とを備えている。しかしながら、この場合には、2つのハウジング部11および13が図2のように隣接してはおらず、第3の流体チャンバCを規定する第3の膜22を保持している第3のハウジング部21によって互いに隔てられている。チャンバCは、第3のチューブ23を介して加圧システム17と連通している。
この場合、遠位側の2つのチャンバCおよびCは、垂直変位に起因して固有の静脈圧へと加えられる最大の静水圧を補償するために充分である共通の圧力(P)に保たれる。ハウジング部12によって規定られる近位側のチャンバCは、図2のプローブと同様、閉塞部として機能する。すなわち、チャンバCは、図2に関して上述したように、高められているが動脈圧未満である静脈閉塞圧力(P+ΔP)によって、CおよびCへと加えられる最大の静水圧と固有の静脈圧とを補償するために充分であるように、圧力レベル(P)を超えて間欠的に高められる。体積測定システム19は、チャンバCによって囲まれた被験者の指の遠位端の領域の体積の変化を測定する。体積の変化は、図2に関して上述したように、例えば血流量(BF)といった特定の生理学的パラメータの測定をもたらすために使用される。
このように、図5に示した3部形式のプローブが、中間のハウジング部21によって規定される中間の流体チャンバCが、流体チャンバCの変化の機械的な動揺が流体チャンバCへと直接伝わることがないようにするための等圧(等しい圧力)の中間領域として機能する点を除き、図2に関して上述したのと実質的に同じように作動することを、見て取ることができる。
この3区画の設計を利用できるさらなる方法は、3つの区画のすべてを別個独立に加圧できる加圧手段を用意し、図5の最初の2つの区画(すなわち、CおよびCに相当する区画)を上述のように静脈血の蓄積を測定するために使用する(心臓に最も近い区画が静脈閉塞圧力を生み出す一方で、中央の区画が静脈血の蓄積に使用される)一方で、第3の区画(心臓から最も遠い区画)を、遠位側(または、血流の方向において心臓の下流側)の体領域において循環を阻止すべく機能させることにある。この方法によれば、測定場所が、測定対象の体領域の最も端部の先端まで広がってそのような端部の先端を含む必要がなくなり、実際に、その手前の所定の領域でよくなる。
手指または足指に加えて、他の体領域を、特に本件出願人の係属中の国際出願第PCT/IL02/00249号(第WO02/080752号)に記載されているように、2つ以上の区画を有するPATプローブを使用し、上述の方法のいずれかに従って測定することができる。この後者の出願は、複数区画のプローブについて、上肢および下肢などといったより広い体領域の測定への適用可能性を説明している。
ECG信号を、静脈閉塞の開始を心臓サイクルに関して所定の時点へとトリガするために使用することができる。図6は、測定の開始を心臓サイクルに関して決定するために、どのようにVOP測定の開始がECG信号によってトリガされるのかを示している。これは、きわめて大きなパルスの体積によって、静脈の充填が少数のパルスにおいて生じる可能性があり、開始点が重要となる可能性があるため、測定の標準化において重要である。直接接触の変位式センサまたは加速度式のセンサを、この目的のために使用することができ、その場合には、静脈閉塞の開始をトリガするために監視されるパラメータは、測定場所または体の他の部位において検出されるパルス信号の何らかの所定のランドマークであってもよい。同様に、PATプローブによって検出される実際の信号を、測定場所においてPATプローブによって検出されるパルス信号の所定のランドマークの検出に基づき、静脈閉塞の開始をトリガするために監視されるパラメータとして使用することができる。
本発明によって改善されたBF測定がきわめて有用であると考えられるいくつかの直接的な用途が存在する。
A)一般的な研究/臨床研究の領域において、指または体の他の測定対象部位について垂直変位の制限がないBF測定は、薬物(とくには、血管作用性の効果を有する薬物)または他のあらゆる介入の効果についての研究を促進すると考えられ、さらには重力に対する体の向きが変化させられる自然の起立効果(orthostasis)、傾斜試験手順、などの最中の血流の測定にとくに有用である。
B)本件出願人による先の米国特許第6939304号に記載されているような内皮機能の検査の際に、血流の閉塞のすぐ後にBFを測定することで、鋭いピークの充血レベルのサイズの客観的指標をもたらすことができる。これは、例えば、その後の事後の虚血のPAT応答の正規化に役立つと考えられる。さらに、閉塞前のBFおよび閉塞後の相対変化を測定することが、この目的のために有用であろう。そのような評価は、アセチルコリンの動脈内注入など、この技術分野において知られている内皮活動を引き出すための他の刺激に関しても有用であると考えられる。
C)上述の方法で測定されるようにPAT信号の振幅およびBFの両者を監視することによって、血管の応答の支配的な場所(末端‐対‐より中央)を、割り出すことができる。これは、BFの増加がより小さな抵抗の血管の抵抗の減少を表す一方で、固定のBFのレベルにおけるPAT信号の振幅の増加が、より大きいより中央の導管の抵抗の減少を表していることから、これら2つのパラメータについて同時に測定される相対変化に基づくと考えられる。例えば、PAT信号の相対的な増加が、BFの相対的な増加よりも大である場合、血管の影響が、より大きいより中央の血管において支配的であると結論づけることができ、さらにはその反対である。
D)この方法を、静脈拡張のレベルのオンラインのフィードバックをもたらすために使用することができ、測定システムを、静脈の過拡張の状態への到達の回避を潜在的に可能にすることができる。
E)閉塞前期間および閉塞後期間におけるPAT信号測定および周期的なBF測定の組み合わせを、誘起される血管の応答の程度および性質をより包括的に定義するために使用することができる。
F)さらに、VOPの測定対象の組織質量の組織体積の測定を、組織質量に対する血流の測定を提供するために使用して、単位時間あたりについての単位組織体積あたりの体積として表された測定値をもたらすことができる。組織質量および絶対値は、公知の技法または本件出願人の係属中の国際出願第WO2004/041079号に記載の技法に従って、測定することができる。血流および組織体積の体積測定の較正が、単位組織体積あたりについての単位時間あたりの体積の単位にての血流の正確な測定を促進する。同様に、静脈容量も、組織体積のパーセント変化を単位として表すことができる。
さらに、血流の測定を、反応性充血全般、特に内皮機能測定に関する反応性充血の検査に関して使用することが可能である。図7のパネルAは、本件出願人の特許第6939304号による内皮機能の測定に関する一連の静脈閉塞プレチスモグラフィ測定の時間推移を示している。パネルBは、パネルAに指し示されているベースライン(BL)、閉塞(OC)、および閉塞後(P)の測定に対応する個々の静脈閉塞測定をさらに詳しく示している。パネルCは、検討の全体を通じての平均のベースライン値に対する血流量の時間経過(大きな白丸)、ならびに検討の全体を通じての平均のベースライン値に対する静脈容量の時間経過(小さな黒丸)を示している。
同様に、図7のパネルAおよびBから理解できるように、静脈にとって完全に満たされた状態に達するための充分な時間が許されるという条件で、静脈容量の測定を反応性充血の検査に関して導き出すことも可能である。
特記として、静脈閉塞プロセスの開始に起因する機械的な動揺に関するアーチファクトが、個々の測定のすべてにおいて明らかであることを、さらに理解できるであろう。この一時的な変化は、VOP測定に関して公知の現象である。血流の計算において、信号のこの部分は単純に回避され、血流の計算は、それに続く信号に基づく。
累積体積の計算に関しては、アーチファクトを、完全な静脈充満および静脈閉塞が除かれた後の後続の静脈空白の状態の間の移行の際に生じる体積変化を測定することによって、回避することができる。これは、図1dに示されており、この場合の相対的な静脈容量が、図7のパネルCに示されている。体積アーチファクトの大きさを、測定OC1〜OC4に示されているように血流閉塞の期間の間などといった拘束された血流の状態において測定することによって定量化できる。
末梢動脈緊張および血流の測定が、すべて図1aに示したとおり心臓に最も近い区画の圧力が間欠的に変化させられる同じプローブに由来していることに、注意すべきである。さらに測定を、検査されるある体領域を対照として機能する他の体領域と同時に比較することによって行うこともできる。例として、一方の腕について検査が実行される場合に、反対側の手の対応する指が挙げられ、あるいは指のうちの1本について検査が実行される場合には、手の対をなす指が挙げられる。そのような測定の例が図8に示され、閉塞側および対照側の時間経過が並列に示されており、ベースライン(BL)、閉塞(OC)、および閉塞後(P)の測定に対応する個々の静脈閉塞測定を見て取ることができる。
図9は、図8に示した測定に対応し、血流閉塞ありの腕(パネルA)および血流閉塞なしの腕(パネルB)についてのそれぞれの一連の血流測定の結果を、ヒストグラム形式で示している。どちらの場合においても、閉塞前および閉塞後の値が、図8に対応する個々の測定のベースライン(BL)、閉塞(OC)、および閉塞後(P)の時期の対応するラベルを備えて示されている。値を、絶対値にて表すことができ、あるいは図示の例のように、閉塞前の値の平均に対するパーセンテージとして表すことができる。
図9のパネルCは、閉塞側および対照側の対応する血流値を、テスト刺激そのものによる流量変化を提供するように意図された補正された血流の指標、すなわち対照場所および検査場所の両者に影響を及ぼす外来の影響を補正した後の指標を生成するために使用できる1つの方法を示している。この場合には、平均のベースライン流量に対する検査の応答が、対応する対照側の値の比として表されている。
対照場所および検査場所の両方に影響を及ぼす外来の影響について補正を行う他の方法(ここには示されていない)は、対応する対照値を刺激側の値から引き去ることを含んでいる。これは、絶対の血流値を使用して、あるいはそれぞれの初期のベースラインに関して相対的である血流値を使用して、さらに行うことができる。
本明細書において説明した一般的原理は、指プローブ測定に基づく例によって説明されているが、国際公開第WO02/080752号として公開された本件出願人の上述の国際出願に記載の装置など、他の多数の種類のプレチスモグラフィ装置を使用できること、および上記出願にさらに記載されているように、幅広い範囲の体の部位から測定を行うことが可能であることを、理解できるであろう。
本発明は、心臓の高さに対する垂直変位の制限なく、指または他の体の部位に関して、組織の体積に対する血流、所与の圧力レベルにおける静脈容量、および単位圧力あたりで組織体積に対するパーセンテージとして表された静脈容量など、広くさまざまな生理学的パラメータを測定するための方法および装置において実施可能である。さらに本発明を、薬物(とくには、血管作用性の効果を有する薬物)の効果についての研究を促進するため;自然の起立効果、傾斜試験手順、または重力に対して体の向きが変化させられる場合における血流の研究を促進するため;および内皮機能を測定するための誘発刺激の研究との組み合わせにおいて、使用することができる。例えば、内皮の誘発刺激に対する血管の応答の大きさの客観的指標をもたらすため、ある期間の血流閉塞などといった誘発刺激の適用の前後の血流について、比較を行うことができる。
さらに本発明を、末梢動脈緊張および血流の測定が同じプローブから導出され、あるいは末梢動脈緊張および静脈容量の測定が同じプローブから導出される装置において実施できる。
本発明の他に考えられる用途として、1つのプローブが血管作用性の刺激を受け取るための体の位置へと適用され、1つのプローブが血管作用性の刺激を受け取らない同種または対の体の部位へと適用され、それぞれの血流または静脈容量の変化が、局所または全身起源の血流または静脈容量の自然発生の短時間のずれを補償するために使用される用途が挙げられる。血流または静脈容量のそれぞれの変化を測定するための血管作用性の刺激を受け取り、あるいは受け取らない同種または対の体の部位は、検査が指のうちの1本について行われ、他の指については行われない場合には、反対側の手の対応する指、あるいは手または足の対をなした手指または足指であってもよい。局所または全身起源の血流または静脈容量の自然発生の短時間のずれを補償するために、血管作用性の刺激を受け取る体の位置における血流または静脈容量の変化を、血管作用性の刺激を受け取らない体の位置における血流または静脈容量の変化の関数として表すことができる。
さらに本発明は、血管反応の支配的な部位を割り出すために、あるいは静脈の過拡張の状態への到達を避けるべく静脈拡張のレベルのオンラインのフィードバックをもたらすために、末梢動脈緊張および血流の比較変化を使用することができる。誘発刺激の印加の前後の血流の比較を、絶対差として表すことができ、あるいはベースライン流に対する閉塞後の値の相対変化として表すことができる。
従って、本明細書において説明した本発明の好ましい実施の形態が、単に例としての目的で記載されており、本発明について他にも多数の変形、変更、および用途が可能であることを、理解できるであろう。
図1a〜1cは、血流量(BF)および静脈容量またはコンプライアンスを測定するための基本的な静脈閉塞プレチスモグラフィ(VOP)プロセスを説明する波形を含む一方で、図1dは、静脈容量またはコンプライアンスを測定するためのさらなるプロセスを説明している。 従来からのVOP測定法の基本的な欠点を克服するとともに、当該方法を被験者の心臓に対して任意の高さにある体の部位について測定を行うために使用できるようにするため、本発明に従って有用である装置の1形態を示している。 図3aは、外部から加える適切なレベルの対抗圧力が存在しない場合に、監視対象部位(腕または脚)が心臓の高さに対して垂直に下げられるにつれて、例えば手指または足指である監視対象部位の静脈の充満が次第に増加するという現在使用されている従来からのVOP測定システムの固有の欠点を説明している。対照的に、図3bは、静脈内の圧力に釣り合うように外部から加える充分なレベルの圧力を用意して、該当する体の領域の終端へと至り終端を含む該当する体の領域の周囲に加えることによって、心臓の高さに対して垂直に下げられることによる静脈の充満の発生を防止できることを示している。 図4aおよび4bは、それぞれ図3および図3bに対応する図であるが、図4bにおいて図2の装置の使用によって従来からのVOP測定法の上述の欠点がどのように克服され、心臓に対して任意の所望の垂直高さにある体の部位について測定が可能になるのかを説明している。 本発明による生理学的パラメータの測定に使用できる他の装置を示している。 静脈閉塞の開始をトリガするために被験者のECG信号が使用される変形例を示している。 血流測定を内皮機能の測定においてもどのように使用できるのかを説明する複数のパネルを含んでいる。 検査対象のある体領域の測定結果と対照として機能する他の体領域の測定結果との同時比較を説明している。 図9a〜cは、対照部位および検査部位の両者に影響を及ぼす外的影響について補正を行った血流の指標を生成する1つの方法を説明している。

Claims (16)

  1. 被験者の生理学的パラメータを非侵襲的に測定するための装置であって、
    体の部位の第1の領域に係合するための第1の流体チャンバを有している第1の部位と、前記第1の領域に近接して第1の領域の被験者の心臓に面する方の位置に位置している体の部位の第2の領域に係合するための第2の流体チャンバを有している少なくとも第2の部位とを備えている静脈閉塞プレチスモグラフィ装置;
    前記第1の流体チャンバを、この固有の静脈圧と前記体の部位内に広がる静水圧との合計を超える圧力レベルまで、加圧するための加圧システム;および
    前記第2の流体チャンバ内の圧力を、前記第1のチャンバ内の圧力以上であるが動脈圧未満である圧力まで間欠的に上げ下げし、体の部位の前記第1の領域の体積変化を測定し、前記測定した体積変化を使用して、前記生理学的パラメータの測定をもたらすための制御システム、
    を含む装置。
  2. 前記制御システムは、前記測定される体積変化を、測定される時間期間にわたって蓄積し、そして変化の速度を決定して、それによって血流量の測定をもたらす請求項1に記載の装置。
  3. 前記測定される体積変化は、安定期に到達するのに充分な時間について蓄積され、蓄積された血液の体積が決定されて、それによって前記第2の流体チャンバ中の圧力の高いレベルでの静脈容量の測定をもたらす請求項1に記載の装置。
  4. 前記静脈閉塞プレチスモグラフィ装置は、被験者の手指または足指を包囲するように設計されており、前記第1の領域は、手指または足指の遠位端であり、前記第2の領域は、前記遠位端の内側の環状の領域である請求項1に記載の装置。
  5. 前記手指または足指の環状の領域は、前記遠位端に隣接している請求項4に記載の装置。
  6. 前記手指または足指の環状の領域は、中間の環状領域によって前記遠位端から離間しており;
    前記静脈閉塞プレチスモグラフィ装置は、前記第1の部位と第2の部位との間に第3の部位を備えており;
    前記第3の部位は、前記第1の領域と第2の領域との間の手指または足指の環状領域を囲む第3の流体チャンバを備えており;そして
    前記第3の流体チャンバは、前記第1の流体チャンバと同じ圧力まで加圧される請求項4に記載の装置。
  7. 前記第1の流体チャンバは循環を停止するのに充分な圧力まで加圧され;
    前記第3の流体チャンバは、固有の静脈圧と前記体の部位内に広がる静水圧との合計を超える圧力レベルまで加圧され;
    前記第2の流体チャンバは、前記第3のチャンバ内の圧力以上であるが動脈圧未満である圧力まで、間欠的に加圧され;
    前記中間領域の体積変化を測定し;そして
    前記測定した体積変化を使用して、前記生理学的パラメータの測定をもたらす請求項6に記載の装置。
  8. 前記制御システムは、前記測定される体積変化を、測定される時間期間にわたって蓄積し、そして変化の速度を決定して、それによって血流量の測定をもたらす請求項4に記載の装置。
  9. 前記制御システムは、被験者のECG信号を利用して前記第2の流体チャンバ内の圧力の間欠的上げ下げをトリガする請求項1に記載の装置。
  10. 前記体の部位は、被験者の肢であり;前記第1の領域は、その先端の最も遠位側の極端を含む肢の遠位領域であり;前記第2の領域は、前記遠位領域の内側の環状の領域である請求項1に記載の装置。
  11. 前記体の部位は、被験者の肢であり;前記第1の領域は、その先端の最も遠位側の極端を含む肢の遠位領域であり;前記第2のおよび第3の領域は、前記遠位領域の内側の環状の領域である請求項7に記載の装置。
  12. 前記生理学的パラメータの測定は、心臓の高さに関する前記体の部位の垂直変位に対して制限を有さない請求項1に記載の装置。
  13. 前記血流量の測定は、被験者の内皮機能を測定するための誘発刺激の研究に関連して行なわれる請求項12に記載の装置。
  14. 前記生理学的パラメータは、末梢動脈の緊張及び血流量であり、末梢動脈の緊張及び血流量の測定は、同じ前記静脈閉塞プレチスモグラフィ装置から由来する請求項1に記載の装置。
  15. 前記体の部位の第1の領域の体積変化は、前記体の部位の第1の領域の体積に関して表わされる請求項1に記載の装置。
  16. 前記測定される体積変化は、少なくとも1つのパルス・サイクルにわたり、ある所与のパルス波ランドマークにおいて体積変化を測定することによって決定される請求項1に記載の装置。
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