JP4718171B2 - 加硫可能なゴム組成物中の戻り防止剤としてのチオウロニウム塩およびそのような組成物をベースとするタイヤ - Google Patents
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Description
にもかかわらず、この形で形成されたネットワークは、熱不安定性を被る。走行中のタイヤの加熱により、ネットワークを構成する硬化エラストマー混合物中に熱応力が発生する。これらの熱応力は、上記混合物の温度が加硫温度に近い値に達したとき、戻り現象を誘発する過硬化作用を有する。戻りは、ポリ硫化架橋ブリッジの破壊または短絡によるエラストマーネットワークの崩壊である。このネットワーク崩壊は、モジュラスの低下をもたらし、エラストマー混合物の機械特性を不都合に変化させる。
従って、加硫ゴム組成物を熱的に安定化させるのを可能にする戻り防止剤として知られる特定の添加剤をゴム組成物に添加することによってこの戻り現象を制限し或いは排除さえもしようとする試みがなされている。
ビス-シトラコンイミド類も、単独または他の添加剤との併用での戻り防止剤用途において、文献WO 92/07904号、米国特許第5,623,007号、米国特許第5,872,188号において詳細に記載されている。また、ビス-シトラコン酸およびその誘導体も、耐戻り性を改善する薬剤として、文献米国特許第5,696,188号に詳細に記載されている。
ビス-スクシンイミド類およびそれらの誘導体は、もう1つの群の戻り防止剤を構成し、文献米国特許第5,844,049号およびWO 96/20246号に詳細に記載されている。
文献JP 94/256573号は、耐戻り性の改良におけるジチオカルバミン酸塩の使用を記載している。文献EP 0 832 920号は、加硫ゴム組成物の熱安定性の改良におけるジチオリン酸亜鉛の使用を開示している。文献米国特許第4,417,012号は、ポリ-チオ硫酸塩またはポリ-チオスルホン酸塩化合物も戻り現象に対して加硫ゴム組成物を熱的に安定させ得ることを記載している。さらに最近、文献米国特許第5,736,611号は、ポリアクリレート類を含むゴム組成物の耐戻り性の改良を教示している。
戻り防止剤は、とりわけ最適な熱安定性が基本であるタイヤ類の分野においては、研究の主要な焦点である。タイヤ類は、その機械的特性の実質的変化に、そのような変化がその性能を損わない限り実際に耐えることはできない。
今回、本発明者等は、驚くべきことに、ある種のチオウロニウム塩またはこれらの塩の類似体類が、顕著な戻り防止能力を有し、これらの塩を含有するエラストマー組成物に有益な熱安定性をとりわけタイヤ製造における使用において付与することを見出した。さらにまた、これらの塩は、加硫ゴム組成物の戻りレベルの有意な低減を達成するのに共働薬剤の存在を必要としない。
A-S-Y-S-A (I)
(式中、Aは、それぞれが分子HXまたはイオンX-と会合した下記の基:
Xは、ハロゲン原子を示し;
Zは、下記:
基R1、R2、R3、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C2〜C8アルケニル、C5〜C8シクロアルキル、アリールもしくはアルキル基がC1〜C6であるアラルキル基の中から選ばれた直鎖若しくは分枝鎖の1価の炭化水素基を示し;
或いは、R2とR3またはR5とR3は、これらの基が結合している窒素原子と一緒に、1個以上のC1〜C6アルキル基によって置換されたまたは置換されていない3〜5個の炭素原子を有する不飽和複素環を形成し、該複素環はベンゼン核と共役しまたは共役してなく、そして、R1およびR4は、水素、C1〜C6アルキルまたはC2〜C8アルケニルを示し;
Yは、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、6〜24個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基および7〜25個の炭素原子を有するアラルキレン基の中から選ばれた2価の炭化水素基を示し、それらのアルキレン基は、直鎖又は分枝鎖であり、必要に応じ、OおよびNの中から選ばれた1個以上のヘテロ原子によって遮断され得る)。
チオウロニウム塩とは、置換または非置換のチオ尿素と炭化水素ハライドとの反応生成物を意味する。
本発明に従うチオウロニウム塩の類似体とは、上記式(I)の化合物であって、ZがS-R5を示し、R3、R4およびR5が上記で定義したとおりであるか;或いは、Zが下記:
また、文献は、例えば綿の“着色性”を増大させるための繊維製品用途(S.M. Burkinshaw, X.P. Lei, JSDC, vol. 106, 307, 1990);重金属スカベンジャー(FR 2,331,555号、ANIC S.P.A.社)としてのまたは酸性媒体中のスチールの腐蝕に対して作用する(J. Electrochem. Soc. India (1995), 44 (2), 121-8)工業用途;写真用途、とりわけ核形成剤として(米国特許第5,439,776号、Sun Chemical社);または、治療用途(FR 1,538,328号、The Wellcome Foundation社)、とりわけ抗微生物剤として(Farmaco (1989), 44 (12), 1129-40)またはとりわけある種のチオウロニウム塩の生物学的活性に基く種々の他の用途と一緒のある種のタイプの放射線に対する保護剤として(J. Nucl. Med (1995), 36(2), 259-66; Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol. (1985), 49(1), 47-56)のような極めて多様な用途におけるチオウロニウム塩の使用にも言及している。
他の手段ではなく上記のチオウロニウム塩またはその類似体類によるゴム組成物の熱安定化並びにその有意な戻り低減能力は、従来技術に照らして、驚くべき且つ予想外のものである。
また、本発明は、熱安定化したゴム物品、とりわけタイヤ類またはこれらタイヤ類用のゴム半製品の製造における本発明に従うゴム組成物の使用も提供し、上記の半製品は、とりわけ、トレッド類、例えばこれらトレッド類の下に設置するための下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類からなる群から選ばれる。
さらにまた、本発明は、本発明に従うエラストマー組成物を含む場合の上記タイヤおよび半製品類自体も提供し、該タイヤ発明は、例えば、乗用車類;4×4車両類(4駆動輪を有する);SUV(“スポーツ・ユーティリティー・ビークル”)類;2輪車両類(とりわけ、自転車またはモーターサイクル類);バン類、“重量車両類”、即ち、地下鉄列車、バス、道路輸送機械類(トラック、トラクター、トレーラー)、道路外車両類、農業機械または建設機械、航空機および他の輸送または操作用車両から選ばれた産業用車両に装着することを意図する。
また、本発明は、
a) 少なくとも1種の補強用充填剤をミキサー内でエラストマー中に混入する工程;
b) これを、全て、110℃〜190℃の最高温度に達するまで1回以上熱機械的に混練する工程;
c) 混合物を冷却する工程;
d) その後、イオウを含む加硫系を混入する工程;
e) これを、全て120℃未満の最高温度まで混練する工程;
を含み、上記で定義したような少なくとも1種のチオウロニウム塩またはチオウロニウム塩の類似体を工程a)および工程d)の少なくとも1つにおいて混入することを特徴とする、とりわけタイヤ類の製造において使用し得る加硫可能なゴム組成物の製造方法にも関する。
また、本発明は、加硫ゴム組成物の戻り速度の低減方法も提供し、この方法は、この組成物中に上記で定義したような少なくとも1種のチオウロニウム塩を未硬化状態で熱機械的混練によって混入することを特徴とする。
本発明およびその利点は、以下の説明および実施例に照らして容易に理解されるであろうが、これらの説明および実施例は、何ら本発明の範囲を限定するものではない。
I. 発明の実施
本発明に従うゴム組成物は、以下の構成成分の少なくとも各々をベースとする:(i) 少なくとも1種のジエンエラストマー、(ii) 少なくとも1種の補強用充填剤および(iii) 少なくとも1種の戻り防止剤としての特定のチオウロニウム塩。
補強用充填剤が無機即ち白色充填剤から全部または一部なる場合、補強用充填剤は、本発明に従うゴム組成物において、カップリング剤と結合している。
勿論、“ベースとする組成物”なる表現は、上記各種構成成分を含む組成物および/またはこれら各種構成成分の現場反応に由来する組成物を意味するものと理解すべきであり、これら構成成分のある種のものは、上記組成物製造の種々の段階またはその後の硬化中に、少なくとも部分的に互いに反応し得るか或いは反応するように意図される。
“ジエン”エラストマーまたはゴムは、公知のとおり、ジエンモノマー類(共役型またはそうでないにしろ、2個の炭素-炭素二重結合を担持するモノマー類)に少なくとも一部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解されたい。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。
一般に、“本質的に不飽和”とは、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の1員または単位の含有量を有する共役ジエンモノマー類に少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、例えば、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン類とアルファ-オレフィン類とのコポリマー類のようなジエンエラストマーは、上述の定義に属さず、詳細には、“本質的に飽和”のジエンエラストマー類(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位含有量)として説明し得る。
“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
上記の一般的定義を考慮すると、本発明に従う組成物中で使用し得るジエンエラストマーとしては、とりわけ下記のものがある:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られた任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレン、3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンおよび6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる3成分コポリマー、例えば、エチレン、プロピレンおよびとりわけ1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマー;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、とりわけ塩素化または臭素化形。
適切な共役ジエン類は、とりわけ、1,3-ブタジエン;2-メチル-1,3-ブタジエン;例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンのような2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン類;アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンおよび2,4-ヘキサジエンである。適切なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン;オルソ-、メタ-およびパラ-メチルスチレン;市販混合物の“ビニルトルエン”;パラ-tert.ブチルスチレン;メトキシスチレン類;クロロスチレン類;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンおよびビニルナフタレンである。
上記のコポリマー類は、99〜20質量%のジエン単位と1〜80質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件の、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量の関数である任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型化剤(starring agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型化或いは官能化し得る。
要するに、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)類、ポリイソプレン(IR)類、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー類、イソプレン-スチレンコポリマー類およびこれらエラストマー類の混合物を含む高不飽和ジエンエラストマーの群から選択し得る。そのようなコポリマー類は、さらに好ましくは、ブタジエン-スチレンコポリマー(SBR)類、イソプレン-ブタジエンコポリマー(BIR)類、イソプレン-スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン-スチレン-コポリマー(SIR)およびイソプレン-ブタジエン-スチレン-コポリマー(SBIR)類からなる群から選択する。
実用車両用、とりわけ重量車両用のタイヤの場合、上記ジエンエラストマーは、とりわけイソプレンエラストマーである;“イソプレンエラストマー”は、公知のとおり、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれたジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、とりわけ、イソブテン-イソプレンコポリマー(ブチルゴム;IIR)類、イソプレン-スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン-ブタジエンコポリマー(BIR)類またはイソプレン-ブタジエン-スチレンコポリマー(SBIR)類が挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴムまたは合成シス-1,4ポリイソプレンである;これらの合成ポリイソプレンのうち、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりも多いシス-1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。そのような実用車両用のタイヤにおいては、ジエンエラストマーは、例えば、SBRエラストマーのような他の高不飽和エラストマーから全部または一部なり得る。
本発明のさらにもう1つの実施態様によれば、とりわけ本発明を内部タイヤゴムまたは他の気密部材として意図する場合、本発明に従う組成物は、少なくとも1種のイソブテン-イソプレンコポリマー(ブチルゴム)タイプの本質的飽和のジエンエラストマーをこれらコポリマー類のハロゲン化形と一緒に含有し得る。
本発明の組成物は、単一のジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーの混合物を含有し得、これら1種以上のジエンエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマー或いはエラストマー以外のポリマー類、例えば、熱可塑性ポリマー類とさえも一緒に使用し得る。さらに詳細には、本発明に従う組成物は、ジエンエラストマーとして、少なくとも1種のイソプレンエラストマー、とりわけ天然ゴムを単独または少なくとも1種の他のジエンエラストマーとの主要割合のまたはそうでない混合物として含有する。
本発明の目的において使用する補強用充填剤は、無機即ち白色充填剤;有機充填剤、例えば、カーボンブラック;またはこれら2つのタイプの充填剤の混合物からなり得る。
好ましくは、本発明に従うゴム組成物においては、無機補強用充填剤が、総補強用充填剤の大多数、即ち、50質量%よりも多く、より好ましくはこの総補強用充填剤の80質量%よりも多くを構成する。
本出願においては、“無機補強用充填剤”とは、公知のとおり、カーボンブラックに対比して“白色”充填剤とも“透明”充填剤とも称される、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない無機または鉱質充填剤を意味するものと理解されたい;この無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段に何らよることなく、タイヤ製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、無機充填剤は、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強機能において置換わり得る。
好ましくは、上記無機補強用充填剤は、シリカ(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)タイプの鉱質充填剤、またはこれら2つの充填剤の混合物である。
使用するシリカは、当業者にとって公知の任意の補強用シリカ、とりわけ、共に450 m2/g未満、好ましくは30〜400 m2/gであるBET表面積と比CTAB表面積を有する任意の沈降または火成シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”と称する)が、とりわけ本発明を低転がり抵抗性を有するタイヤ類の製造において場合は好ましい;“高分散性シリカ”とは、公知のとおり、エラストマーマトリックス中で離散し分散し得る実質的な能力を有する任意のシリカを意味するものと理解されたい、この能力は、薄い切片上で電子または光学顕微鏡により公知の方法で観察し得る。そのような好ましい高分散性シリカの非限定的な例としては、Akzo社からのシリカ Perkasil Ks 430、Degussa社からのシリカBV3380、Rhodia 社からのシリカ類Zeosil 1165 MPおよび1115 MP、PPG社からのシリカHi-Sil 2000、Huber社からのシリカ類Zeopol 8741または8745、および例えば出願EP-A-0 735 088号に記載されているアルミニウム-“ドープ化”シリカのような処理沈降シリカ類を挙げることができる。
無機補強用充填剤が存在する物理的状態は、粉末、微小ビーズ、粒状物または球体のいずれの形であれ、重要ではない。勿論、“無機補強用充填剤”は、種々の無機補強用充填剤、とりわけ上述のような高分散性シリカおよび/またはアルミナ類の混合物も意味するものと理解されたい。
本発明のゴム組成物をタイヤ用のトレッド類として使用するとき、使用する無機補強用充填剤は、とりわけシリカである場合は、好ましくは60〜250 m2/g、より好ましくは80〜200 m2/gであるBET表面積を有する。
また、無機補強用充填剤は、カーボンブラックとのブレンド(混合物)においても使用し得る。
適切なカーボンブラックは、任意のカーボンブラック類、とりわけ、タイヤ類においてとりわけタイヤトレッド類において通常使用されるタイプHAF、ISAFまたはSAFのカーボンブラック類である。そのようなブラック類の非限定的な例としては、ブラック類N115、N134、N234、N339、N347およびN375を挙げることができる。
補強用充填剤全体中に存在するカーボンブラックの量は広範囲で変化し得るが、このカーボンブラック量は、ゴム組成物中に存在する無機補強用充填剤の量よりも少ないのが好ましい。
好ましくは、総補強用充填剤含有量(無機補強用充填剤+使用する場合のカーボンブラック)は、10〜200 phr、より好ましくは20〜150 phrであり、最適量は、意図する用途によって異なる;事実、例えば、自転車タイヤに期待される補強レベルは、公知のとおり、継続高速走行し得るタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、乗用車タイヤまたは重量車両のような実用車両用のタイヤにおいて要求される補強レベルよりも明白に低い。
高速で走行しがちなタイヤ用のトレッド類においては、無機補強用充填剤の量は、とりわけシリカである場合、好ましくは30〜140 phr、より好ましくは50〜120 phrである。
最後に、当業者であれば、本章で説明した無機補強用充填剤に対する等価の充填剤として有機補強用充填剤も使用することができ、該有機補強用充填剤は、とりわけ、無機層、例えば、シリカの層で少なくとも一部被覆されたカーボンブラックを含み、エラストマーとの結合を確立するためのカップリング剤の使用を必要とすることを理解されたい。
補強用充填剤が無機即ち白色充填剤から全部または一部なる場合、ゴム組成物は、カップリング剤も含む。
(無機充填剤/エラストマー)“カップリング剤”とは、公知の通り、無機充填剤とジエンエラストマー間に十分な化学的および/または物理的結合を確立し得る薬剤を意味すべきであることを再認識されたい;そのようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、例えば、簡略化した一般式“Y'-T-X'”を有し、式中、
Y'は、無機充填剤と物理的および/または化学的に結合し得、そのような結合が、例えば、カップリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合の表面シラノール類)間で確立され得る官能基(“Y'”官能基)を示し;
X'は、ジエンエラストマーと、例えば、イオウ原子により物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X'”官能基)を示し;
Tは、Y'とX'を結合させることのできる2価の有機基である。
これらのカップリング剤は、とりわけ、無機充填剤に対して活性である“Y'”官能基を公知の形で含み得るがジエンエラストマーに対して活性である“X'”官能基は含んでいない当該無機充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同すべきではない。
種々の有効性を有する(シリカ/ジエンエラストマー)カップリング剤は、極めて多数の文献に記載されており、当業者にとって周知である。タイヤトレッド類の製造において使用し得るジエンゴム組成物においては、シリカのような無機補強用充填剤とジエンエラストマー間の有効な結合を与え得る任意の公知のカップリング剤、とりわけ、上記X'およびY'官能基を担持する多官能性オルガノシラン類またはポリオルガノシロキサン類を使用することができる。
とりわけ、例えば、特許または特許出願:FR 2 149 339号、FR 2 206 330号、米国特許第3,842,111号、米国特許3,873,489号、米国特許3,978,103号、米国特許3,997,581号、米国特許第4,002,594号、米国特許第4,072,701号、米国特許第4,129,585号;米国特許第5,580,919号、米国特許第5,583,245号、米国特許5,650,457号、米国特許第5,663,358号、米国特許第5,663,395号、米国特許第5,663,396号、米国特許第5,674,932号、米国特許第5,675,014号、米国特許第5,684,171号、米国特許第5,684,172号、米国特許第5,696,197号、米国特許第5,708,053号、米国特許第5,892,085号、EP 1 043 357号に記載されているような、その特定の構造により、“対称形”または“無対称形”として知られるポリ硫化シラン類が使用される。
(II) Z'-A'-Sx-A'-Z'
(式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
A'は、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、とりわけC1〜C10アルキレン基、とりわけC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Z'は、下記の式の1つを満たす:
基R'2は、置換されていても置換されていなくてもよくて、同一または異なるものであり、ヒドロキシル基、C1〜C18アルコキシル基またはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、ヒドロキシル基、C1〜C8アルコキシル基またはC5〜C8シクロアルコキシル基の中から選ばれた基、より好ましくは、ヒドロキシルおよびC1〜C4アルコキシル基、とりわけメトキシルおよびエトキシルから選ばれた基)を示す)。
上記式(I)に相応するポリ硫化シラン類の混合物、とりわけ商業的に入手し得る通常の混合物の場合、“x”の平均値は、好ましくは2〜5の間で変動する分数であることを理解されたい。
TESPDは、例えば、Degussa社から商品名Si75 (ジスルフィド(75質量%)とポリスルフィド類の混合物形)として、あるいはWitco社から商品名Silquest A1589として市販されている。TESPTは、例えば、Degussa社から商品名Si69として(または、カーボンブラック上に50質量%の含有量で支持されている場合のX50S)、あるいはOsi Specialties社から商品名Silquest A1289として市販されている(両者とも、nが4に近い平均値を有するポリスルフィド類の市販混合物)。
当業者であれば、本発明の組成物中のカップリング剤の含有量を、意図する用途、使用するエラストマーの性質並びに補強用充填剤として使用する無機充填剤の量および性質に応じて如何に調整するのかは承知していることである。
使用するカップリング剤は、本発明の組成物のジエンエラストマー上に予めグラクトさせ得(“X'”官能基により)、この方法で官能化即ち“予備カップリングさせた”エラストマーは、その場合、無機補強用無機充填剤に対しての遊離の“Y'”官能基を含む。また、カップリング剤は、無機補強用充填剤上に予めグラフトさせ得(“Y'”官能基により)、その後、この方法で“予備カップリングさせた”充填剤を、遊離の“X'”官能基の仲介によりジエンエラストマーに結合させ得る。しかしながら、とりわけ未硬化状態での組成物のより良好な加工のためには、遊離状態(即ち、グラフトさせない)のまたは無機補強用充填剤にグラフトさせたカップリング剤を使用するのが好ましい。
最後に、適切な“カップリング活性化剤”を、必要に応じて、上記カップリング剤と混合し得、該カップリング活性化剤は、このカップリング剤と一旦混合すると、カップリング剤の有効性を増大させる物質(単一化合物または化合物の混合物)を含む(例えば、前述の出願WO00/5300号およびWO00/5301号を参照されたい)。
本発明によれば、加硫可能なゴム組成物は、戻り防止剤として、下記の式(I)を満たす少なくとも1種のチオウロニウム塩または該塩の類似体を含む:
(I) A-S-Y-S-A
(式中、Aは、それぞれが分子HXまたはイオンX-と会合した下記の基:
Xは、ハロゲン原子を示し;
Zは、下記:
基R1、R2、R3、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C2〜C8アルケニル、C5〜C8シクロアルキル、アリールもしくはアルキル基がC1〜C6であるアラルキル基の中から選ばれた直鎖若しくは分枝鎖の1価の炭化水素基を示し;
或いは、R2とR3またはR5とR3は、これらの基が結合している窒素原子と一緒に、1個以上のC1〜C6アルキル基によって置換されたまたは置換されていない3〜5個の炭素原子を有する不飽和複素環を形成し、該複素環はベンゼン核と共役しまたは共役してなく、そして、R1およびR4は、水素、C1〜C6アルキルまたはC2〜C8アルケニルを示し;
Yは、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、6〜24個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基および7〜25個の炭素原子を有するアラルキレン基の中から選ばれた2価の炭化水素基を示し、それらのアルキレン基は、直鎖又は分枝鎖であり、必要に応じ、OおよびNの中から選ばれた1個以上のヘテロ原子によって遮断され得る)。
本発明の1つの局面によれば、Yは、直鎖アルキレン基、とりわけ4〜10個の炭素原子を、とりわけ6個の炭素原子を有するアルキレン基である。
そのような化合物を含むゴム組成物は、本発明の好ましい実施態様を構成する。
この実施態様によれば、上記チオウロニウム塩塩は、とりわけ、R1、R2、R3およびR4が、同一または異なっていてもよい、水素原子、またはC1〜C6アルキルもしくはC2〜C8アルケニル基の中から選ばれた基を示す式(I)の化合物の中から選択する。
この実施態様のもう1つの局面によれば、上記チオウロニウム塩類似体類は、とりわけ、R2とR3が、これらの基が結合している2個の窒素原子と一緒に、ベンゼン核と共役していない3〜5個の炭素原子を有する不飽和複素環を形成し;R1およびR4が上記で定義したとおりである式(I)の化合物の中から選択する。
本発明に従う式(I)のチオウロニウム塩類似体類も、同様な方法において得ることができる。
これらの塩類の具体的な合成は、科学文献、とりわけOrg. Syntheses, Coll. Vol.3, 362, 1954, Fieser & Fieser, Reagents for organic synthesis, Vol. 1, 1164, J. March, Advanced organic chemistry, reactions, mechanisms and structure, page 360, J. Heterocyclic Chem., 20, 813, 1983;または、特許文献、とりわけFR 2 331 555号、FR 1 538 328号、米国特許第4,214,096号、米国特許第3,631,194号において見出され得る。
戻り防止剤は、本発明に従う加硫可能なゴム組成物中で、0.1〜10 phr、好ましくは0.5〜5.0 phrの割合で存在する。
本発明に従うエラストマー組成物は、イオウ系の加硫系を一般に含む。適切な加硫系は、好ましくは、イオウと1次加硫促進剤、とりわけスルフェンアミドタイプの促進剤とをベースとする。この基本加硫系に、第1の非生産段階中および/または生産段階中に、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(とりわけ、ジフェニルグアニジン)等のような各種公知の2次促進剤または加硫活性化剤を添加する。イオウは、0.5〜10 phrの好ましい量、より好ましくは0.5〜5.0 phrで、例えば、本発明をタイヤトレッドに応用する場合0.5〜3.0 phrで使用する。1次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、0.5〜10 phrの好ましい量、より好ましくは0.5〜5.0 phrで使用する。
I.6 各種添加剤
勿論、本発明に従うエラストマー組成物は、例えば、増量剤オイル類;可塑剤;耐オゾン性ワックス、化学耐オゾン剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;接着促進剤;カップリング活性化剤;補強用樹脂類;メチレン受容体および/または供与体ような、タイヤ製造を意図するゴム組成物において使用する通常の添加剤類のすべてまたは数種をも含み得る。また、必要に応じて、シリカは、殆どまたは全く補強作用を有さない通常の白色充填剤、例えば、着色タイヤトレッド類において使用し得るクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリンの各粒子類とも混合し得る。
上記エラストマー組成物は、前述したカップリング剤以外に、例えば官能基Y'のみを含む無機充填剤用の被覆剤;或いはゴムマトリックス中での補強用無機充填剤の分散性を改善し且つゴム組成物の粘度を低下させることによって、公知の方法で、未硬化状態における加工をより容易にするためのより一般的な加工助剤も、含有し得る;0.5〜3.0 phrの好ましい量で使用するこれら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン類、とりわけDegussa-Huls社から商品名Dynasylan Octeoとして市販されている1-オクチル-トリエトキシシランまたはDegussa-Huls社から商品名Si216として市販されている1-ヘキサデシル-トリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類;ポリオール類;ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類);第1級、第2級または第3級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類);ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω-ジヒドロキシ-ポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω-ジヒドロキシ-ポリジメチルシロキサン類)である。
上記組成物は、当業者が精通している以下の2つの連続する製造段階を使用して適切なミキサー内で製造する:110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する);その後の、典型的には110℃より低い、例えば、60℃〜100℃の低めの温度で機械加工し、この仕上げ段階において架橋または加硫系を混入する第2段階(“生産”段階とも称する)。そのような各段階は、例えば、出願 EP 0 501 227号、EP 0 735 088号、EP 0 810 258号、EP 881 252号、WO00/05300号およびWO00/05301号に記載されている。
例えば、上記第1(非生産)段階は、1回の熱機械工程において実施し、その間に、最初の段階で全ての必要なベース成分(ジエンエラストマー、補強用充填剤および必要な場合のカップリング剤)を通常の密閉式ミキサーのような適切なミキサー中に導入し、その後、第2の段階において、例えば1〜2分間の混練後、加硫系を除く任意の必要に応じての追加の被覆剤または加工剤および他の添加剤を混入する。無機補強用充填剤の見掛け密度が低い場合(一般的には、シリカ類の場合)は、無機補強用充填剤を2回以上に分けて導入するのが有利であり得る。
熱機械加工の第2工程は、この密閉式ミキサー内で、混合物を落下させた後で且つ中間冷却した後に(好ましくは100℃よりも低い冷却温度)、組成物に補足的な熱処理を受けさせる目的で、とりわけ、補強用無機充填剤とそのカップリング剤とのエラストマーマトリックス内での分散をさらに改善するために追加し得る。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは2〜10分間である。
このようにして得られた混合物を冷却させた後、加硫系を、低温、例えば30℃〜100℃で、一般的に開放ミルのような開放式ミキサー内で混入する;その後、組成物全体を数分間、例えば、5〜15分間混合する(生産段階)。
その後、このようにして得た最終組成物を、例えばフィルムまたはシートの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、例えば、トレッド、クラウンプライ、側壁、カーカス補強プライ、ビーズ、プロテクター、内部チューブまたはチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴムのような半製品の製造において使用するゴム形状要素を製造する。
要するに、タイヤ用の半製品の製造においてとりわけ有用な加硫可能なゴム組成物を製造するための本発明に従う方法は、下記の各工程:
a) 少なくとも1種の補強用充填剤をミキサー内でジエンエラストマー中に混入する工程;
b) これを、全て、110℃〜190℃の最高温度に達するまで1回以上熱機械的に混練する工程;
c) 混合物を冷却する工程;
d) その後、加硫系を混入する工程;および、
e) これを、全て120℃未満の最高温度まで混練する工程;
を含み、前記の式(I)を満たす少なくとも1種のチオウロニウム塩または類似体を工程a)および工程d)の少なくとも1つにおいて上記組成物中に導入することを特徴とする。
その後、加硫(即ち硬化)を、公知の方法で、一般に130℃〜200℃の温度で、好ましくは加圧下に、とりわけ硬化温度、使用する加硫系および当該組成物の加硫速度に応じて、例えば5〜90分で変動し得る十分な時間で実施する。
本発明は、“未硬化”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、加硫後)の双方の上述したゴム組成物に関する。
本発明に従う組成物は、単独で、またはタイヤ製造において使用し得る別の組成を有する、例えばタイヤ用途用の他の任意のゴム組成物とのブレンド(混合物)において使用し得る。
すべての操作は、好気性媒質中で実施する。
II.1 本発明に従う各種塩類の調製
1,6-ビス(イソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサンの合成
1.52 g (0.02モル)のチオ尿素、1.6 ml (0.01モル)の1,6-ジブロモヘキサンおよび溶媒としての25 mlのエタノールを、バルブコンデンサーと磁力攪拌棒を装着させた100 mlの三口フラスコ中に導入し、その後、反応媒質を還流温度に調節する。透明な淡黄色反応媒質が、チオ尿素が溶解すると直ぐに得られる。
2時間の還流後、丸底フラスコ中で塊りを増す白色固形物が出現する。反応の分析モニターリング(チオ尿素についてはHPLC、1,6-ジブロモヘキサンについてはGPC)により、各反応物が約24時間後に消失したことが明白となる。
反応媒質を熱いうちに焼結フィルターで濾過する。固形物を、乾燥のための真空炉中に入れる前に、エタノールで洗浄する。1,6-ビス(イソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン、化合物1を得る。
下記の2つの表は、1,6-ビス(イソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサンの合成における調製方法と同様な調製方法に従う下記のチオウロニウム塩および類似体類の各々において使用した操作条件を示す。
2.1,6-ビス(N-メチルチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
3.1,6-ビス(N-フェニルチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
4.1,6-ビス(N-アリルチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
5.1,6-ビス(N,N'-ジメチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
6.1,6-ビス(N,N'-ジフェニルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
7.1,6-ビス(N,N'-ジエチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
8.1,6-ビス(N,N'-ジ-n-ブチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
9.1,6-ビス(N,N'-テトラメチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
10.2-{[6-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニ-1-ウム-2-イルチオ)ヘキシル]チオ}-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニ-1-ウムジブロマイド;
11.2-{[6-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルチオ)ヘキシル]チオ}-1H-ベンズイミダゾールジヒドロブロマイド;
12.2-{[6-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イルチオ)ヘキシル]チオ}-1,3-ベンゾチアゾールジヒドロブロマイド。
II.2 組成物の調製
各組成物は、以下の方法で調製する:ジエンエラストマー(または、必要に応じてのジエンエラストマー混合物)、補強用充填剤および必要に応じてのカップリング剤を、標準のパドルを有する400 cm3の“バンバリー”タイプの密閉式ミキサー中に導入し、70%まで満たす、ミキサーの初期タンク温度は約60℃である;その後、1〜2分間の混練後、加硫系を除く各種他の成分を導入する。その後、熱機械加工(非生産段階)を、約150〜170℃の最高“落下”温度に達するまで、1工程で実施する(約7分の総混練時間)。
得られた混合物を回収し、冷却し、次いで、加硫系と本発明に従う戻り防止剤を、30℃の開放型ミキサー(ホモ-フィニッシャー)中で、該開放ミル内で全てを3〜4分間混合する(生産工程)ことによって添加する。
その後、各組成物をカレンダー加工し、次いで加硫する。
その後、ゴム組成物を、硬化の前後において、以下に示すようにして特性決定する。
a) ムーニー可塑度
規格AFNOR-NFT-43005(1980年11月)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度は、次の原理に従って測定する:原組成物(即ち、硬化前)を100℃に加熱した円筒状の囲い内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験片内で2 rpmで回転し、この運動を維持するのに使用したトルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
b) 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊特性の測定を可能にする。これらの試験は、1988年9月の規格 AFNOR-NFT 46002に従って行う。100%伸び(M100)および300%伸び(M300)での公称割線モジュラス(MPaでの)を、2回目の伸びにおいて測定する(即ち、1回の調節サイクル後に)。破壊応力(MPaでの)および破壊時伸び(%での)も測定する。これらの引張測定は、すべて、規格 AFNOR-NFT40101 (1979年12月)に従う規定の温度および湿度の規定条件下で行う。
c) 戻りの測定
各加硫ゴム組成物がこれらの加硫組成物を含有するタイヤの走行中に受ける熱応力を模擬するためには、これらの組成物の最適硬化時間を一定温度で延長してこれらの組成物を過硬化条件に供するようにすることである。
戻り測定の目的は、最適硬化後に得られたイオウブリッジ数と最適硬化時間よりも長い一定時間(過硬化または延長硬化)後に得られたイオウブリッジ数との変化を間接的に評価することである。
戻り測定の1つの方法は、最適以降の極めて長い硬化時間後の100%変形モジュラスまたは300%変形モジュラスの変化を測定することである。例えば、最適硬化(150℃または180℃での)時と延長硬化(150℃で4時間または180℃で6時間)後間の100%伸びでの公称割線モジュラスの変化に相応し且つそれぞれ150℃または180℃での延長硬化4時間または6時間後の戻り速度を表すパラメーター%ΔM100を使用することが可能である。例えば、最適硬化(150℃または180℃での)時と延長硬化(150℃で4時間または180℃で6時間)後間の300%伸びでの公称割線モジュラスの変化に相応し且つそれぞれ150℃または180℃での延長硬化4時間または6時間後の戻り速度を表すパラメーター%ΔM300を使用することが可能である。
%ΔM100または%ΔM300値が高いほど、戻り現象は顕著である。
本発明に従い少なくとも1種のチオウロニウム塩または類似体を本発明に従う戻り防止剤として含む表1a〜1cにおいて配合した各組成物(C)を戻り防止剤を含有しない各対照組成物(T)と以下で比較する。
a 第1群
チオ尿素から得られたチオウロニウム塩、即ち、化合物1を戻り防止剤として含有する本発明に従う組成物C1を試験した。該試験組成物は、各種成分の含有量をphr、即ち、エラストマー100質量部当りの質量分で示している表1aの配合を満たしている。
表2aは、150℃での最適硬化前後および150℃での4時間延長硬化後の諸特性を示している。各混合物の熱安定性は、最適硬化(150℃での)時と4時間延長硬化(150℃での)後間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化によって測定している。
これらの試験から、本発明に従う組成物C1のムーニー粘度は、対照組成物T1と対比して実質的に変化しないままであることが明らかである。
また、表2aの結果の検証も、組成物T1と比較した本発明に従う組成物C1が、対照の諸特性に近似する150℃での最適硬化時の諸特性を有する加硫ゴム組成物の生産を可能にしていることを示している。最適硬化(150℃での)と延長硬化(150℃で4時間)間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化は、モジュラスの大きい変化を示す対照の熱安定性に優る、チオウロニウム塩を配合した混合物の極めて良好な熱安定性を実証している。
従って、イオウと加硫促進剤の存在下でのチオウロニウム塩のゴム配合物中への混入の結果として、戻り防止剤を配合していない対照に比較して極めて良好な熱安定性を有する加硫ゴム組成物を得ることが可能である。
表3aは、180℃での最適硬化前後および180℃での6時間延長硬化後の諸特性を示している。各混合物の熱安定性は、最適硬化(150℃での)時と6時間延長硬化(180℃での)後の測定間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化によって測定している。
本発明に従う組成物C1は、組成物T1と比較して、180℃でさえも対照の諸特性に近似する最適硬化時の諸特性を有する加硫ゴム組成物の生産を可能にしていることに注目されたい。最適硬化(180℃での)と延長硬化(180℃で6時間)間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化は、モジュラスの大きい変化を示す対照の熱安定性に優る、チオウロニウム塩を配合した混合物の極めて良好な熱安定性を実証している。
これらの試験結果も、戻りの有意な低減が、本発明に従い、チオウロニウム塩、とりわけ化合物1を加硫可能なジエンゴム組成物において戻り防止剤として使用したときに得られることを明らかに実証している。
その後、ジ置換またはテトラ置換チオ尿素から得られる戻り防止剤、即ち、化合物5、7および9を含む本発明に従う各組成物を試験した。試験した組成物C5、C6、C7およびC9は、各種成分の含有量をphrで示す表1bの配合を満たす。
表2bの結果の検証は、本発明に従う組成物C5、C7およびC9が、対照組成物T2に比較して、未硬化状態において、等価の或いは高めではあるが依然として満足し得るムーニー粘度を有することを示している。
最適硬化(150℃での)と延長硬化(150℃で4時間)間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化は、モジュラスの大きい変化を示す対照の熱安定性に優る、チオウロニウム塩を配合した各混合物の極めて良好な熱安定性を実証している。
これらの結果は、戻りの有意な低減が、本発明に従い、チオウロニウム塩、とりわけ化合物5、7または9を加硫可能なジエンゴム組成物において戻り防止剤として使用したときに得られることを明らかに実証している。
チオウロニウム塩に対する類似体化合物から得られた戻り防止剤、即ち、化合物10を含む本発明に従う組成物を試験した。試験した組成物C10は、各種成分の含有量をphrで示す表1cの配合を満たす。
表2cの結果の検証は、本発明に従う組成物C10が、未硬化状態において、対照組成物T3と比較して実質的に変化してないムーニー粘度を示していることを明らかにしている。
また、本発明に従う組成物C10は、組成物T3に比較して、この対照の諸特性に近似する150℃での最適硬化時の諸特性を有する加硫ゴム組成物の生産を可能にしていることに注目されたい。最適硬化(150℃での)と延長硬化(150℃で4時間)間の100%および300%伸びでの公称割線モジュラスの変化は、モジュラスの大きい変化を示す対照の熱安定性に優る、化合物10を配合した混合物の極めて良好な熱安定性を実証している。
これらの試験結果も、戻りの有意な低減が、本発明に従い、チオウロニウム塩類似体、とりわけ化合物10を加硫可能なジエンゴム組成物において戻り防止剤として使用したときに得られることを明らかに実証している。
従って、イオウの存在下でのチオウロニウム塩またはそのような塩の類似体のゴム配合物中への混入の結果として、戻りが実質的に低減されている点で、戻り防止剤を配合していない対照と対比して改良された熱安定性を有する加硫ゴム組成物を得ることが可能である。
(1) 天然素練り促進ゴム(シートとSAR 10の混合物);
(2) Cabot社またはColumbian社からのカーボンブラックN375;
(3) Cachet Rouge酸化亜鉛、即ち、Umicore社からのZnO;
(4) Uniqema社からのステアリン(Pristerene 4931);
(5) N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、Flexsys社からのSantoflex 13;
(6) Siarkopol社からの採鉱イオウ、Cabrero社からの石油イオウまたはSolvay社からの合成イオウ;
(7) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド、即ち、Flexsys社からのSantocure CBS。
(1) 天然素練り促進ゴム(シートとSAR 10の混合物);
(2) Cabot社またはColumbian社からのカーボンブラックN375;
(3) Cachet Rouge酸化亜鉛、即ち、Umicore社からのZnO;
(4) Uniqema社からのステアリン(Pristerene 4931);
(5) N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、Flexsys社からのSantoflex 13;
(6) Siarkopol社からの採鉱イオウ、Cabrero社からの石油イオウまたはSolvay社からの合成イオウ;
(7) 1,6-ビス(N,N'-ジメチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
(8) 1,6-ビス(N,N'-ジエチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
(9) 1,6-ビス(N,N'-テトラメチルイソチオウロニウムヒドロブロマイド)ヘキサン;
(10) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド、即ち、Flexsys社からのSantocure CBS。
(1) 天然素練り促進ゴム(シートとSAR 10の混合物);
(2) Cabot社またはColumbian社からのカーボンブラックN375;
(3) Cachet Rouge酸化亜鉛、即ち、Umicore社からのZnO;
(4) Uniqema社からのステアリン(Pristerene 4931);
(5) N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、Flexsys社からのSantoflex 13;
(6) Siarkopol社からの採鉱イオウ、Cabrero社からの石油イオウまたはSolvay社からの合成イオウ;
(7) 2-{[6-(1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニ-1-ウム-2-イルチオ)ヘキシル]チオ}-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニ-1-ウムジブロマイド;
(8) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド、即ち、Flexsys社からのSantocure CBS。
Claims (7)
- 少なくとも(i) ジエンエラストマー、(ii) 補強用充填剤および(iii) 下記の式(I)のチオウロニウム塩またはチオウロニウム塩の類似体を含む、タイヤを製造するため又はトレッド類、下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類及びチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類から成る群から選択されるタイヤ用の半製品を製造するためのゴム組成物:
A-S-Y-S-A (I)
(式中、Aは、それぞれが分子HXまたはイオンX-と会合した下記の基:
Xは、ハロゲン原子を示し;
Zは、下記:
基R1、R2、R3、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C2〜C8アルケニル、C5〜C8シクロアルキル、アリールもしくはアルキル基がC1〜C6であるアラルキル基の中から選ばれた直鎖若しくは分枝鎖の1価の炭化水素基を示し;
或いは、R2とR3またはR5とR3は、これらの基が結合している窒素原子と一緒に、1個以上のC1〜C6アルキル基によって置換されたまたは置換されていない3〜5個の炭素原子を有する不飽和複素環を形成し、該複素環はベンゼン核と共役しまたは共役してなく、そして、R1およびR4は、水素、C1〜C6アルキルまたはC2〜C8アルケニルを示し;
Yは、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、6〜24個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基および7〜25個の炭素原子を有するアラルキレン基の中から選ばれた2価の炭化水素基を示し、それらのアルキレン基は、直鎖又は分枝鎖であり、必要に応じ、OおよびNの中から選ばれた1個以上のヘテロ原子によって遮断され得る)。 - 前記チオウロニウム塩またはチオウロニウム塩の類似体が、Zが下記の基:
- 前記補強用充填剤(ii)が全部又は一部が無機充填剤から成り、更に前記無機充填剤とエラストマー(i)の間に結合を提供するカップリング剤(iv)も含む、請求項1記載の組成物。
- タイヤを製造するため又はトレッド類、下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類及びチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類から成る群から選択されるタイヤ用の半製品を製造するための加硫可能なゴム組成物の製造方法であって、以下の工程:
a) 少なくとも1種の補強用充填剤をミキサー内でエラストマー中に混入する工程;
b) これを、全て、110℃〜190℃の最高温度に達するまで1回以上熱機械的に混練する工程;
c) 混合物を冷却する工程;
d) その後、イオウ系の加硫系を混入する工程;および、
e) これを、全て120℃未満の最高温度まで混練する工程;
を含み、
請求項1〜3のいずれか1項において定義したような式(I)を満たす少なくとも1種のチオウロニウム塩またはチオウロニウム塩の類似体を工程a)および工程d)の少なくとも1つにおいて混入することを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム組成物又は請求項4に記載の方法によって製造されたゴム組成物をベースとするトレッド類、下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類及びチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類から成る群から選択されるタイヤ用の半製品。
- 請求項5記載のトレッド類、下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類及びチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類から成る群から選択されるタイヤ用の半製品を組み込んだタイヤ。
- 下記の式(I)のチオウロニウム塩またはチオウロニウム塩の類似体である、タイヤを製造するため又はトレッド類、下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類及びチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類から成る群から選択されるタイヤ用の半製品を製造するための加硫可能なゴム組成物において使用する戻り防止剤:
A-S-Y-S-A (I)
(式中、Aは、それぞれが分子HXまたはイオンX-と会合した下記の基:
Xは、ハロゲン原子を示し;
Zは、下記:
基R1、R2、R3、R4およびR5は、同一または異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C2〜C8アルケニル、C5〜C8シクロアルキル、アリールもしくはアルキル基がC1〜C6であるアラルキル基の中から選ばれた直鎖若しくは分枝鎖の1価の炭化水素基を示し;
或いは、R2とR3またはR5とR3は、これらの基が結合している窒素原子と一緒に、1個以上のC1〜C6アルキル基によって置換されたまたは置換されていない3〜5個の炭素原子を有する不飽和複素環を形成し、該複素環はベンゼン核と共役しまたは共役してなく、そして、R1およびR4は、水素、C1〜C6アルキルまたはC2〜C8アルケニルを示し;
Yは、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、6〜24個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基および7〜25個の炭素原子を有するアラルキレン基の中から選ばれた2価の炭化水素基を示し、それらのアルキレン基は、直鎖又は分枝鎖であり、必要に応じ、OおよびNの中から選ばれた1個以上のヘテロ原子によって遮断され得る)。
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