JP4716572B2 - 光ファイバ・ジャイロスコープのための強化構造 - Google Patents

光ファイバ・ジャイロスコープのための強化構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、振動誤差を縮小する機構を有する光ファイバ・ジャイロスコープに関し、更に詳しくは、ジャイロスコープの動作環境における複数の振動周波数での振動の修正(調整、rectification)に起因する回転速度の誤った表示を回避することに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ・ジャイロスコープは、その光ファイバ・ジャイロスコープを支持している物体の回転を感知するのに用いられる便利な装置である。このようなジャイロスコープは、小型化が可能であるし、相当な機械的衝撃や温度変化又はそれ以外の厳しい環境にも耐えるように作成することもできる。光ファイバ・ジャイロスコープは、可動部分を有していないため、メンテナンスがほとんど不要であり、費用の面でも経済的なものとなる潜在性を有している。また、光ファイバ・ジャイロスコープは、他のタイプの光学ジャイロスコープでは課題である低速回転の感知もできる。
【0003】
光ファイバ・ジャイロスコープは、図1に示されているように、コア上でその軸を中心として巻かれたコイル状の光ファイバを有し、この軸の周囲の回転が感知される。光ファイバは、典型的には50から2000メートル程度の長さを有し、閉じた光経路の一部である。電磁波又は光波がこの光経路の中に導かれて2つに分割され、分割されたそれぞれの波は、時計回り(cw)及び反時計回り(ccw)の方向にコイルを介して伝播し、最終的には共に光検出器上に衝突する。コアの感知軸を中心とする回転Ωは、又は、コイル状の光ファイバは、これらの波の一方に関し、一方の回転方向では効果的な光経路長の増加を生じさせ、他方の回転方向では光経路長の縮小を生じさせる。他方の回転では、逆の結果が生じる。これらの波の間で経路長が異なることにより、一方の回転に関して、これらの波の間に位相シフトが生じる。これは、サグナック効果(Sagnac effect)として広く知られている。このジャイロスコープは、干渉計光ファイバ・ジャイロスコープ(IFOC)として知られている。コイル状の光ファイバを用いることが望まれるが、その理由は、回転に起因する位相差シフトの大きさは、従って出力信号は、反対方向に移動する2つの電磁波がコイルを介して移動する光経路全体の長さに依存し、従って、長い光ファイバであれば大きな位相差を得ることができるのであるが、コイル状にすることによって比較的小さな体積にすることが可能であるからである。
【0004】
光検出器上に衝突する出力光強度は、従って、光検出器発光ダイオード(PD)から生じる電流は、コイル状の光ファイバを通過した後でその上に衝突する逆方向に移動する電磁波に応答して、上方向に移動された(raised、以下では簡単に「上方移動された」と称する)余弦関数に従う。すなわち、出力電流32は、図2に示されているように、これら2つの波の間の位相差φ(Ω)の余弦に依存する。余弦関数は偶関数であるから、その出力関数は、位相差シフトの相対的な方向を示すことはなく、従って、コイル軸を中心とする回転の方向を示さない。更に、位相がゼロの近くでは余弦関数の変化率は非常に小さいので、この出力関数は、低い回転速度に関しては非常に低い感度しか有していない。
【0005】
これらの不十分な特性のために、反対方向に移動する2つの電磁波の間の位相差は、コイル状の光ファイバの一方側の又はその一方側の近くの光経路に光位相変調器を又は時にはバイアス変調器と称されるものを配置することによって、変調されるのが通常である。回転の感知的な検出を達成するため、サグナック(Sagnac)干渉計は、干渉ループ内部の逆方向に伝搬するビームの間の位相差の正弦又は矩形波変調により、周波数fbでバイアスされるのが典型的である。結果的に、反対方向に伝搬するこれらの波は、その一方が、コイルに入る際に変調器を通過し、コイルを反対方向に移動する他方が、コイルから出る際に変調器を通過する。
【0006】
更に、復調器システム又はデジタル復調器の一部として機能する位相感知性検出器PSDが設けられ、光検出器出力電流を表す信号を受信する。位相変調器と位相感知性検出器とは、共に、変調信号発生器によって又は同期のとれたその派生物によって、いわゆる「適切な」周波数で動作させ、変調器によって生じる振幅変調を減少又は除去することができる。
【0007】
図3a、3b、4a及び4bには、上方移動された余弦関数上に変調及び復調の効果が示されている。図3a及び3bでは、ジャイロスコープ光波の位相差Δφが、Ω=0及びΩ≠0のそれぞれの場合に対して、正弦波バイアス変調33を用いて変調されている。結果的に得られる光検出器の変調された強度出力34は、時間との関係で、上方移動された余弦関数の右側に示されている。図3a及び3bが示すように、位相変調は、Ω=0の場合には、上方移動された余弦関数の中心に関して対称的になされ、Ω≠0の場合には、非対象的になされる。第1の場合には、センサが点Aにおいてバイアスされたときの出力は、点Bにおいてバイアスされたときと同じであって、光検出器出力上にfbの偶高調波だけを与える。第2の場合には、出力は、AとBとでは等しくなく、有意的な光検出器信号コンテンツをfbにおいて与え、これは、回転速度を示す。fbにおけるこの信号コンテンツは、位相感知性変調器(PSD)によって回復されるのであるが、回転速度Ωに比例する。この信号は、また、反対方向の回転速度に対しては、符号を変化させる。
【0008】
図4a及び4bには、Ω=0及びΩ≠0の場合の矩形波変調36がそれぞれ示されている。ここでは、実際に、矩形波変調は、上方移動された余弦関数上の点Aから点Bへのスイッチングの値φΔだけの変調のトランジエントを生じている。これらは、時間に対する結果的な変調後の光検出器電流における垂直方向のラインによって示されており、これは、理想的な光検出器の場合には光検出器上に衝突する光強度に比例する。やはり、回転が存在しない場合には点A及びBにおける出力37は等しいが、回転が存在する場合にはAの半周期とBの半周期とでは出力が等しくない。
【0009】
図5a、5b及び5cに示されている矩形波変調プロセスでは、バイアス変調周波数fbと同期している信号成分は、平均がゼロでありバイアス変調に同期している矩形波変調器基準波形39を乗算することによって、光検出器信号から回復される。結果的な復調された出力40の平均又はDC成分は、回転速度に比例している。
【0010】
回転速度を回復する別の方法の1つとして、図6に示されているように、デジタル復調方式によるものがある。この方法では、矩形波変調システムにおける光検出器の出力37が、第1の半サイクルの間は点Aiで、第2の半サイクルの間は点Biでサンプリングされる。サンプル・イベントは、矢印によって表されている。各サンプル42は、アナログ信号からデジタル信号に変換され、Aiのデジタル和とBiのデジタル和との差はΩに比例する。
【0011】
これらのすべての場合で、PSD/デジタル復調器の出力は、位相シフトがゼロにおいて大きな変化率を有する奇関数であり、位相シフトがゼロの両側で代数的な符号が変化する。従って、位相感知性の検出器であるPSD/デジタル復調器信号は、コイルの軸を中心とする回転がどちらの方向に生じているかを示すことができ、回転速度ゼロの近くでは回転速度の関数として信号値の大きな変化率を提供することができる。すなわち、この検出器は、ゼロの近くでは位相シフトに対して高い感度を有する。もとろん、これ以外の原因に起因する位相シフト、すなわちエラーが十分に小さい場合にだけ、これが可能である。更に、このような状況では、この出力信号は、比較的低い回転速度では線形に近い。復調器/PSDの出力信号に対するこのような特性は、光位相変調のない光検出器の出力電流の特性と比較して、著しい改善である。
【0012】
従来技術によるこのようなシステムの例が、図1に示されている。このシステムの光学的部分は、光経路に沿って複数の特徴を備えており、このシステムが相互的(reciprocal)であることが保証されている。つまり、以下で見るように非相互的な位相差シフトが特に導入されていないことを除いて、逆方向に伝搬している電磁波のそれぞれに対し、実質的に同じ光経路が生じている。コイル状の光ファイバが、その周りでの回転が感知される軸の周囲に巻かれたシングル・モードの光ファイバを用いて、コア又はスプールを中心とするコイル10を形成する。シングル・モードのファイバを用いることによって、電磁波又は光波の経路が一意的に画定されることが可能になり、また、このような導波管の位相面(phase fronts)も一意的に画定されることが可能になる。これは、相互性を維持するために大いに役立つ。
【0013】
更に、この光ファイバは、非常に重要な複屈折性が構築されるという点で、いわゆる偏向維持型のファイバであってもよく、それによって、逆伝搬する波の間の位相差シフトを変動させる可能性がある、磁場におけるファラデイ効果によって又はそれ以外の原因により不可避的な機械的応力によって生じる偏向のゆらぎが、比較的小さくなる。このようにして、高屈折率の軸、すなわち、伝搬がより低速である軸か、又は、低屈折率の軸が選択され、システムにおけるこれ以外の光学的構成要素に応じて電磁波を伝搬させる。
【0014】
図1では、コイル10を介して反対の方向に伝搬する電磁波が、電磁波源又は光源11から提供されている。このソースは、広帯域の光源、典型的には、半導体スーパールミネセント・ダイオード又は希土類がドープされたファイバの光源であり、典型的にはスペクトルの赤外線部分において、830ナノメータ(nm)から1550nmまでの波長範囲にわたって電磁波を提供する。ソース11は、短いコヒーレンス長を有していなければならず、それによって、放出される光は、コイル10における散乱サイトにおけるレイリー(Rayleigh)又はフレネル(Fresnel)散乱によるこれらの波の間の位相シフト差エラーを減少させる。また、この広帯域のソースは、誤った偏向状態での光の伝搬によって生じるエラーを減少させるのに役立つ。
【0015】
図1では、光源11と光ファイバ・コイル10との間に、光ファイバを形成するコイル10の端部が、光経路の全体を複数の光経路部分に分割するいくつかの光結合構成要素まで伸長することによって形成されている光経路構成が示されている。光ファイバの一部は、最適の光放出点において光源11に接するように配置されている。この最適な点からは、光ビーム・カプラ又は波コンバイナ及びスプリッタとも称される第1の光指向性カプラ12まで、ファイバが伸長している。
【0016】
光指向性カプラ12は、4つのポートの間で伸長する光伝送媒体を有し、この媒体の各端部上に2つあり、これらは、図1において、カプラ12の各端部上に示されている。これらのポートの一方は、それに接するように配置された光源1から伸長する光ファイバを有する。光指向性カプラ12の感知端部上の他方のポートには、光検出システム14に電気的に接続された発光ダイオード13に接するように配置されるように伸長する別の光ファイバがそれに接するように配置されている様子が示されている。
【0017】
発光ダイオード13は、接するように配置された光ファイバの部分からその上に衝突する電磁波又は光波を検出し、信号成分選択手段35に応答して光電流を提供する。この光電流は、既に述べたように、その上にほぼコヒーレントな2つの光波が衝突している場合には、上方移動された余弦関数に従い、この実質的にコヒーレントな光波の対の間の位相差の余弦に依存する光電流出力を提供する。この光検出装置は、非常に低いインピーダンスで動作すると、衝突する放射の一次関数である光電流を提供し、典型的にはp−i−n発光ダイオードでよい。
【0018】
光指向性カプラ12は、ポラライザ15まで伸長しているその他方の端部におけるポートに接する別の光ファイバを有している。カプラ12の同じ側にある他方のポートには、光ファイバの別の部分を含む、非反射性の終端構成16が存在している。
【0019】
光指向性カプラ12は、電磁波又は光をその任意のポートで受け取ると、その約半分が、入力側のポートを有する端部とは反対側端部でカプラ12の2つのポートのそれぞれにおいて生じるように、光を送信する。他方、入力側の光ポートと同じ側のカプラ12の端部にあるポートには、この波又は光は送られない。
【0020】
ポラライザ15が用いられる理由は、シングル空間モード・ファイバにおいても、光は、このファイバを介して2つの伝搬モードで伝搬することがあるからである。従って、ポラライザ15は、伝搬している一方の偏向(ポラライゼーション)の光を通過させるために提供されており、それによって、同じ偏向の時計回り(cw)及び反時計回り(ccw)の波が感知ループ10に導かれ、cw及びccwの波に対する同じ偏向の感知ループからの光だけが検出器において干渉される。しかし、ポラライザ15は、阻止することが意図されている一方の偏向状態の光の全体を阻止することはない。また、これにより、2つの反対方向に移動しこれを通過する電磁波の間に僅かな非相反性(non-reciprocity)が生じ、従って、これらの間に、僅かな非相反的な位相シフト差が生じるのであるが、これは、ポラライザ15が配置されている環境条件と共に変動する可能性がある。この点で、用いられている光ファイバの複屈折率と用いられている光源の帯域幅が広いことが、既に述べたように、結果的に生じるこの位相差を減少させるのに役立つ。
【0021】
ポラライザ15は、その各端部にポートを1つ有し、その間には電磁波伝送媒体が設けられている。光指向性カプラ12に接続されているのとは反対側のポートには、別の光ファイバ部分が配置され、これは、カプラ12と同じ電磁場伝送媒体を有する別の双方向性の光カプラまで伸長している。
【0022】
ポートがポラライザ15に結合されている側のカプラ17のポートは、別の光ファイバ部分を用いて、非反射性の終端構成18に接続されている。カプラ17の他方の端部におけるポートを考察すると、一方は、コイル10の中の光ファイバの一端から伸長している光経路部分における別の光学構成要素に接続されている。カプラ17の他方のポートは、光ファイバ10の他方の端部に直接に結合されている。コイル10とカプラ17との間には、直接に接続されている側とは逆のコイル10の側には、光位相変調器19が設けられている。光位相変調器19は、それが含む伝送媒体の両端に2つのポートを有している。これは、図1における対向する両端に示されている。コイル10からの光ファイバは、変調器19の一方のポートに接するように配置される。カプラ17から伸長する光ファイバは、変調器19の他方のポートに接するように配置される。
【0023】
光変調器19は、電気信号を受信して、伝送媒体の屈折率か物理的長さかのいずれかを変化させて光経路長を変更することにより、それを通過して伝送される電磁波に位相差を導入することができる。この電気信号は、C1sin(ωbt)に等しい変調周波数を有する正弦電圧出力信号か又はfbの矩形波変調信号を提供するバイアス変調信号発生器20によって、変調器19に与えられる。ここで、ωbは変調周波数fbと等価なラジアンでの周波数であり、C1は変調の振幅である。これ以外の適切な周期性の波形を用いることもできる。
【0024】
これによって、ソース11によって放出される電磁波又は光波が運ばれる光経路に沿って形成されている図1のシステムの光学的な部分の説明は終了する。このような電磁波は、ソース11から光ファイバ部分を介して光指向性カプラに結合されている。ソース11からカプラ12に入るこの波は、その一部が、その反対側の端部のポート12に結合された非反射性の終端構成において失われる。しかし、その残りは、ポラライザ15を介して光指向性カプラ17に送られる。
【0025】
カプラ17は、ビーム分割装置として機能し、そこでは、ポラライザ15から受信されてそのポートに入る電磁波はほぼ半分に分割され、その一方が、反対側の端部にある2つのポートのそれぞれから放出される。カプラ17の反対側の一方のポートから出た電磁波は、光ファイバ・コイル10と変調器19とを通過して、カプラ17に戻る。そこで、この戻ってきた波の一部は、カプラ17のポラライザ15への接続端にある他方のポートに接続された非反射構成18において失われるが、その波の残りの部分は、カプラ17の他方のポートを介してポラライザ15とカプラ12とまで送られ、そこで、その一部が発光ダイオード13に送られる。ポラライザ15からコイル10まで送られる波の残りの部分は、カプラ17のコイル10側の端部にある他方のポートから出て、変調器19を光ファイバ・コイル10とを通過して、カプラ17に再び入り、その一部は、他方の部分と同じ経路を通って最終的には発光ダイオード13上に衝突する。
【0026】
既に述べたように、発光ダイオード13は、その上に衝突する2つの電磁波又は光波の強度に比例する出力光電流iを提供し、従って、これらの2つの波の間の位相差の余弦に従うと予測される。正弦バイアス変調に対しては、発光ダイオード信号は、反時計回りの波の間に位相差が全くない場合の光検出器13における光強度の大きさをI0、検出器の応答係数をηとして、次のように表すことができる。
【0027】
【数1】
Figure 0004716572
【0028】
この理由は、この電流が、発光ダイオード13上に入射する2つの実質的にコヒーレントな波の結果的な光強度に依存するからである。この強度は、ピーク値のI0から、これら2つの波の間でどの程度構築的な又は破壊的な干渉が生じるのかに応じてそれよりも小さな値まで変動する。波のこの干渉は、コイル10を形成するコイル状の光ファイバのその軸を中心とする回転と共に変化するが、というのは、そのような回転がφRの位相差シフトを与えるからである。更に、この発光ダイオード出力電流には、振幅値φbを有する変調器19によって追加的な可変位相シフトが存在し、これは、cos(ωbt)として変動する。
【0029】
矩形波変調の場合には、発光ダイオード電流は、次のように表すことができる。
【0030】
【数2】
Figure 0004716572
【0031】
ここで、位相差変調の振幅は、nを0及び正の整数とし、Tをバイアス変調周期として次のように書くことができる。
【0032】
【数3】
Figure 0004716572
【0033】
光位相変調器19は、既に論じた種類のものであり、光検出器システム14の出力信号を回転速度とコイル10の軸を中心とする回転方向との両方に関する情報をその出力信号において提供する信号関数となるように上述のように余弦関数に従って変換する全体的な検出システムの一部として、PSD又はデジタル復調器23と共に用いられる。
【0034】
このように、発光ダイオード13を含む光検出システム14からの出力信号は、電圧に変換されて、増幅器21を介して提供され、増幅されてPSD/デジタル復調器手段23に送られる。光検出システム14と、増幅器21と、フィルタ22と、PSD/デジタル復調器23とは、信号成分選択手段35を構成する。PSD/デジタル復調器23は、位相復調システムの一部として機能する。このようなPSD/デジタル復調器23は、発光ダイオード13の出力信号の基本周波数fb又は変調信号発生器20の基本周波数プラスより高次の奇高調波の振幅を抽出して、発光ダイオード13上に衝突する電磁波の相対位相を示す。バイアス変調器信号発生器20は、上述の周波数fbで光経路における光を変調する際に、光検出システム14において再合成された電磁波によって発生される高調波成分に通じる。
【0035】
動作においては、光経路のコイル10を通過して逆方向に伝搬する2つの電磁波における位相差の変化は、回転のために、変調器19に起因する位相差の変化と比較すると、相対的にゆっくりと変動する。回転又はサグナック効果による位相差が少しでもあると、2つの電磁波の間の位相差を単にシフトさせるだけである。発光ダイオード14の出力信号の変調周波数成分の振幅は、この位相差の大きさによって設定され、a)変調器19又は発生器20に起因するこれらの波の位相変調の振幅値と、b)このシステムを通過する際の様々なゲインを表す定数とのファクタ分だけ修正されると考えられる。次に、この信号成分における発生器20及び変調器19に起因するこの正弦変調の周期的な効果は、PSD/デジタル復調器23を含むシステムにおける復調によって除去され、結果的に、復調器システム(検出器)の出力信号はその振幅スケーリング・ファクタだけに依存することになると予測される。
【0036】
従って、増幅器21の出力における電圧は、正弦波変調の場合には、次のように表されるのが典型的である。
【0037】
【数4】
Figure 0004716572
【0038】
定数kは、システムを通過して増幅器の出力に至るまでのゲインを表す。記号θは、光電流上のωbでの信号の位相に対するωbでの増幅器21の出力信号における追加的な位相遅延を表す。この位相シフトは、このようにして、光検出システム14に導入される。数式4において用いられているこれ以外の記号は、上述の数式1におけるのと同じ意味を有している。
【0039】
先の数式は、次のように、ベッセル級数に展開することができる。
【0040】
【数5】
Figure 0004716572
【0041】
増幅器21の出力におけるこの信号は、バイアス変調器発生器20からの信号と同じように、PSD23の入力に与えられる。後者は、C1sin(ωbt)と等しくなることが意図されている。ここで、ωbは、変調周波数fbのラジアンでの周波数等価物である。PSD23がωbの関心対象の信号だけを取り出すと仮定すると、そのような発生器20の出力信号を伴う検出器の出力は、次の通りである。
【0042】
【数6】
Figure 0004716572
【0043】
定数k’は、PSD/デジタル復調器23を介する光検出器13の出力電流からのシステム・ゲインに対するものである。
類似の結果は、光電流が次の数式7の通りであり、PSD23の出力が次の数式8の通りである矩形波バイアス変調に対しても得られる。
【0044】
【数7】
Figure 0004716572
【0045】
【数8】
Figure 0004716572
【0046】
ただし、数式8において、K’’は、光検出器14の電流出力とPSD23の出力との間の増幅器ゲインを含む比例定数である。これらの数式から分かるように、PSD/デジタル変調器23の出力は、回転速度に依存する。
【0047】
しかし、この装置が図1のシステムにおいて予測される結果を達成することを妨害するエラー項が存在する場合がある。予測される結果を達成できない理由の1つは次の通りである。上述したように位相変調器19を用いて周波数fbで光経路の中の光を変調する際には、バイアス変調信号発生器20は、結果的に、再合成された電磁波によって光検出システム14において高調波成分を生じさせるだけでなく、発生器20及び変調器19の両方において生じる非線形性のために変動する光経路位相においていくらかの高調波成分を直接的に与える。
【0048】
すなわち、第1の可能性としては、変調発生器20がその出力において与える出力信号は、周波数fbの基本信号だけでなく、有意的な高調波も含む可能性がある。たとえこのような高調波成分を有していない信号を提供することができる場合でも、位相変調器19における非線形成分特性及びヒステリシスが、結果的に、提供されている変動する位相において従って更には光経路にそのような高調波成分を生じさせることがある。このような高調波成分は、光ファイバ・ジャイロスコープの出力信号における著しい速度バイアス・エラーにつながる可能性がある。従って、変調システムに起因するそのようなエラーが減少されている又は除去されているような干渉計型光ファイバ・ジャイロスコープが要望されているのである。
【0049】
「適切な」周波数は、波の一方の変調を他方の変調に対して結果的に位相を180度ずらす周波数として選択される。2つの波の間に180度の位相差を提供する変調は、結果的に得られる光検出器信号の変調器によって生じる振幅変調を除去するという効果を有する。「適切な」周波数の値は、光ファイバの長さとそれに相当する等価的な屈折率とから決定することができる。
【0050】
PSD23の結果的な信号出力は正弦関数に従う。すなわち、この出力信号は、主に、コイル10の軸を中心とする回転に起因する位相シフトである、発光ダイオード13上に衝突する2つの電磁波の間の位相差の正弦に依存する。正弦関数は、ゼロにおいて最大の変化率を有し、ゼロの両側で代数的な符号が変化する奇関数である。従って、位相感知性の変調器信号は、コイル10の軸を中心としてどちらの方向への回転が生じているかを示すことができ、また、回転速度がゼロである近傍で回転速度の関数として信号値の最大変化率を提供することができ、従って、位相シフトがゼロである近傍で最大の感度を有し、それによって、その出力信号は低い回転速度に対して極めて感度が高い。もちろん、これは、他の原因、すなわちエラーに起因する位相シフトが十分に小さい場合にだけ、可能である。更に、このような状況におけるこの出力信号は、回転速度が比較的低い場合には、線形に非常に近い。位相感知性変調器23の出力信号のこのような特性は、光検出器14の出力電流の特性に対する実質的な改善である。
【0051】
しかし、位相感知性の変調器23の出力は、正弦関数に従う際には、回転速度がゼロから離れるとますます線形ではなくなる出力を結果的に生じる。この出力は、mを整数として最適な光位相差シフトφR=±mπを与えるほど十分に大きな回転速度となるまで、再び線形になることはない。実際、変調器23の出力は、φR=0又はφR=±mπであるときにはゼロであり、これらの値に近い領域では線形である。ジャイロスコープをゼロにおいて動作させる、従って、出力信号のサイズや電子装置のゲインとは独立であり位相感知性の変調器23をそのゼロ条件後核の線形動作領域に留まらせるジャイロスコープのスケール・ファクタを獲得する、という強い要求が存在する。
【0052】
これは、別の位相変調器19又は周波数シフタを、コイル状の光ファイバ10を介して光検出器13まで伝搬する逆方向に移動している電磁波によって用いられる光経路の部分におけるコイル10の端部の近くに追加することによって達成される。この位相変調器19又は周波数シフタは、光検出器システム14からのフィードバック・ループ、すなわち、いわゆる速度ループにおいて動作され、十分な負のフィードバックを提供し、それによって、位相変調器19が生じさせた位相変化φfは、コイル状の光ファイバ10の軸を中心とする回転の結果として生じる逆方向に移動する電磁波の間の位相シフト差を打ち消すのにちょうど十分となっている。又は、次の数式9が成立するのに十分である。
【0053】
【数9】
Figure 0004716572
【0054】
このような閉ループ・システムの中の結果的な光検出器13の電流は、正弦波変調されたシステムに対しては、次の数式10のように表すことができる。
【0055】
【数10】
Figure 0004716572
【0056】
従って、φf=−φR±mπである場合には、V23-out=0であることを示すことができる。同様にして、矩形波変調の場合には、次の通りである。
【0057】
【数11】
Figure 0004716572
【0058】
そして、閉ループ・システムがφf=−φR±mπを調整すると、V23-out=0である。
速度ループの結果として、過渡的な回転速度の変化を除くと、光検出器13では0±mπからのネットの平均位相シフトφN=φf+φRはほとんど存在せず、よって、位相感知性変調器23によって感知されるネットの平均位相シフトはほとんどない。従って、この位相感知性の変調器23のDC平均化された出力信号は、常にゼロに近い又はゼロである。典型的なサーボ・ループのフィードバック・ゲインがゼロの近くで極端に高く近い周波数である場合に、特にそういえる。位相感知性変調器23に接続されておりこの追加的な位相変調器19を動作させる発生器20からの信号は、回転に起因する位相シフトを打ち消す又はφf=−φR±mπとするのに十分な特定の位相シフトをこの変調器に提供するように命じる信号を提供することを通じて、それ自体又は関係する信号の内部に、回転速度及びmの値の大きさと方向とに関する情報を含むことになる。
【0059】
速度フィードバックにおける位相感知性変調器23に接続された発生器20空の出力信号に対しては、この追加的な光位相変調器19を動作させるために、複数の形式が提案されてきている。1つの一般的で優れた選択肢として、セロダイン(serrodyne)発生器を用いることがある。この発生器は、のこぎり歯状の信号を光位相変調器19に与える。のこぎり歯又はのこぎり歯状の信号が選択される理由は、位相振幅が2πである理想的なのこぎり歯信号が、変調された電磁波に対する純粋な周波数変換と等しいシングル・サイドバンド変調器を提供することを示せるからである。結果的に、このようなのこぎり歯信号を用いて動作されている位相変調器を通過する光は、こののこぎり歯信号の周波数と等しい分だけ周波数が変換された状態で、変調器19から出力される。理想的ではないのこぎり歯信号は、結果的に、純粋な周波数変換を生じることはなく、発生した高調波が付加されることになる。この高調波は、振幅が2πであるほぼ理想的なのこぎり歯波形を提供し、注意深く設計された変調器を用いることによって、小さく維持することが可能である。
【0060】
別のタイプの変調波形は、デュアル・ランプ(dual ramp)波形と称される。この波形は、正の勾配を有する線形ランプとそれに続く負の勾配を有するランプとで構成されている。この場合には、フィードバック・ループは、交互に、φN=−πとφN=+πとに、より一般的には、φN=mπとφN=(m+2)πとに、ロックされる。回転が存在しない場合には、上向きランプと下向きランプとの勾配の大きさは、等しい。回転が存在するときには、勾配の大きさは異なり、2つのランプの間の勾配の差の大きさは、回転速度の大きさに比例する。上向きランプと下向きランプとのどちらのランプがより大きな勾配の大きさを有するかは、回転方向の指示である。この技術には、セロダイン波形を用いる場合のように、位相シフタ電圧において要求される高速のフライバックが存在しないという性能上の利点がある。
【0061】
以下の議論では、例として、セロダイン・フィードバック変調を用いるが、デュアル・ランプ又はそれ以外の変調方式を用いることも同様に可能である。更に、バイアス変調とフィードバック・ランプとを、共に、シングル又はマルチ位相変調器に追加することも可能である。
【0062】
このように動作する光位相変調器19がコイル状の光ファイバ10の一方の側にあるため、電磁波の一方はコイル10に入る際にその周波数が変換され、他方の電磁波はコイルから出るまでその周波数が変換されることはない。従って、一方の波は他方の波よりも高い周波数を有しながらループを横断し、その結果として、固定された変調器(又は、セロダイン発生器)の周波数に対しては、光検出器13において、一方は他方に対してのこぎり歯の周波数と光ファイバの長さである2πτΔfとによって設定される量だけ位相がシフトされることになる。ここで、Δfは変調器20又は発生器の周波数であり、τは光波がコイルを伝搬する伝送時間である。この位相シフトは、回転に起因する光波の間の位相シフトを打ち消すように作用する。これは、変調器が提供されている負のフィードバック・ループのためである。このように、のこぎり歯又はのこぎり歯状の発生器出力信号の周波数は回転速度を指示し、のこぎり歯の極性は回転の方向を指示する。
【0063】
速度フィードバック・ループの一例は、図7に示されている。図1の回転速度インジケータにではなく、位相感知性検出器23からの信号は、図7に組み入れられているサーボ電子装置24に送られる。この位相差のために、サーボ電子装置24は、ループ閉波形(loop closure waveform)発生器29によって提供される位相ランプ信号25を出力する。発生器29は、位相ランプを信号28の形式で変調器19に与え、一方のビームを他方のビームに対して位相シフトさせ、それによってこれらのビームが相互に同相にする。サーボ電子装置24とループ閉波形発生器29とのいずれか一方からの信号は、光波の間の位相差の大きさと符号とを含む。また、加算増幅器27は、信号28において、この位相変調器19にバイアス変調を与える。ビームを同相に戻すのに要求されるフィードバック信号は、セロダイン変調におけるのこぎり歯の周波数のように、感知ループの回転速度を示す。この閉ループの場合には、選択される変調器は、典型的には、図7に示されている光集積チップ(integrated optic chip = IOC)位相変調器19であるが、これは、のこぎり歯又はデュアル・ランプ型の三角波である所望の位相ランプ信号の必要な高周波コンテンツを与えるためである。次に、回転を示す信号25が、回転速度インジケータ26に与えられる。このインジケータ26は、ループの回転速度を便利かつ容易に示す。IOC30上で位相変調器19を用いる場合には、図1のカプラ機能17をIOC上のy接合31として実装し、IOCチップ上にポラライザ15を実装するか又は単一の変更設計を用いてIOC導波管を構築するのが便利である。y接合31は、カプラ12の場合と同様に、光波又はビーム・スプリッタ/コンバイナと見ることができる。
【0064】
一般的に、光ファイバ・ジャイロスコープにおいて予測される回転感知精度が得られないのには複数の理由がありうる。その1つとして、振動が存在することがある。光が2つの波に分割されて感知コイル10の周囲を逆伝搬する後で、振動によってファイバに周期的な伸長や干渉計ループにける周期的な歪みが生じ、振動への歪み応答が感知ループにおいて対称的に配置されているつまりループの中心から対称的に配置されているすべてのファイバの点に均等に与えられない場合には、2つの光波に周期的な位相差変調が生じる可能性がある。振動周波数がfであり振幅がΔφvであるこの時間変動する位相差シフトδは、次のように書くことができる。
【0065】
【数12】
Figure 0004716572
【0066】
ただし、ここでは、ωv=2πfvであり、εは任意の位相である。この場合には、δ自体に起因するエラーは、平均がゼロで高速に変動する関数であり、平均すればゼロであるために時間平均化されたエラーは生じない。Δφvが小さい限りは、このエラーは、それ自体では、ほとんどの応用例において大きな問題を生じさせることはない。振動に起因して角周波数ωvにおいて光位相差シフトδが生じる別の原因としては、真のAC回転速度を生じさせる実際の角度又はねじれ振動がある。この効果は、振動による位相差変調に対して次のような同じ関数形を有する。
【0067】
【数13】
Figure 0004716572
【0068】
そして、ジャイロスコープの出力は、その出力をωvで適切に変動させることによって、実際の回転速度環境を正確に示す。ここでやはり注意すべきは、この場合に入力速度がAC現象であると想定されるときには、理想的なジャイロスコープの動作はDC又は平均回転速度を示さない、ということである。しかし、上述した2つの状況では共に、ジャイロスコープにおいて同期的に生じる他の振動の効果が存在するために、(位相差変調δと組み合わされて)ゼロではない平均値を有する修正されたエラーが生じ、これが、定常状態の回転速度を不正確に示すことになる。このような二次的な効果の1つとして、光回路において振動によって生じる第2の高調波位相変調によるものがあり、これは、ωvにおいて位相変調δに同期的に関係している。これは、ギターの弦の場合のように2つの端部において固定されているファイバの機械的な励起に起因するものであり、ωvでの振動が干渉ループの中のファイバの伸長をωv及び2ωvで同時に励起させる。ループの中心に対して非対称に配置されているファイバ・セグメントにこれが与えられる場合には、時計回りの光波と反時計回りの光波との間の位相差変調がωv及び2ωvの両方で生じ、これは、次のように表すことができる。
【0069】
【数14】
Figure 0004716572
【0070】
数学的な解析を単純化するために定常状態又はDC回転速度を無視すると、振動に起因するエラーは、矩形波バイアス変調のための前置増幅器の出力が次のように与えられることに注意することによって、導くことができる。
【0071】
【数15】
Figure 0004716572
【0072】
ここで、V0は、前置増幅器のゲインと光電流とに関係する定数である。また、数式15において、Tは、周波数がfbで振幅はπ/2である場合のバイアス変調信号の周期である。fbである信号成分を選択する、復調器23への入力は、次の形式を有することが示すことができる。
【0073】
【数16】
Figure 0004716572
【0074】
ここで、δ1及びδ2は、次のように表すことができる。
【0075】
【数17】
Figure 0004716572
【0076】
この復調器の出力は、fbである信号Viの周波数成分を選択する。これは、Vi0を比例定数として次のように書くことができる。
【0077】
【数18】
Figure 0004716572
【0078】
従って、Δφ2vと(Δφv2とが非ゼロであるならば、修正されたバイアス・エラーが、すなわち、回転速度の誤った指示が生じる。
この修正されたエラー又はバイアスは、ωvにおける振幅Δφ1の位相差変調と2ωvにおける振幅Δφ2vの位相差変調との結果である。注意すべきは、典型的なジャイロスコープ適用装置では、数百ヘルツ前後の帯域幅が要求されるということである。単に出力にローパスフィルタを適用することによって、kHzの範囲のすべての項を減衰することができる。しかし、この修正されたエラーは、kHz又はそれよりも高周波の領域での振動があるために、除去されることはなく、エラーを生じさせる。
【0079】
バイアス・エラーは、動的な歪みの差異(振動)に関係する。環境的な要因が、光ファイバ・ジャイロスコープによって測定される回転速度の精度に影響する。このような環境的な効果には、振動が含まれる。時間変動する振動によって生じる機械的な歪み勾配は、干渉計ループの光学的中心に対して非対称であり、2つの逆伝搬する波の光経路長に影響し、位相シフトを発生させる。この位相シフト・エラーは、回転によって生じる信号との区別が不可能であり、バイアス・エラーを生じさせる。開ループ光ファイバ・ジャイロスコープにおける振動によって生じる位相エラーは、次に示す形式を有するShupe方程式(参考文献[1])から直接に導くことができる。D. M. Shupe, "Thermally induced nonreciprocity in the fiber-optics interferometer", Applied Optics, Vol. 19(5), 1980を参照のこと。
【0080】
【数19】
Figure 0004716572
【0081】
上記の方程式を分析することにより、振動によって生じる位相誤差は、干渉計ループの中心から等距離にあるファイバの2つの無限小の長さにおける動的な長軸方向の歪みの発生に関係していることが分かる。
【0082】
【発明の概要】
光ファイバ・ジャイロスコープでは、干渉計ループの中に複数の要素が存在するのが典型的である。これらの要素とそのパッケージングとは、相互の相対的な運動のためにジャイロにおいて誤差を生じさせることがある。従来、復極(デポラライズ)されたジャイロスコープの機械的パッケージングに注意が払われることはなかった。デポラライザ43を有する復極されたジャイロスコープ45のための従来型のパッケージが、図8bに示されている。このパッケージは、相互にボルト止めされた又は付着された複数のパッケージ・ポートを有しうる。すなわち、コイル10を保持するコイル・ボビン46と、IOC30を含む複数の要素を保持するベース又はベースプレート47と、ソース11と、デポラライザ43を含むカプラ12及びバンドルと、カバー48と、デポラライザ・ファイバ又はそれ以外の要素を保持する別個の部材と、である。
【0083】
問題は、振動環境において、IOC30とコイル10とデポラライザ43とを保持する複数の構造の間での相対的な運動があってはならない、ということである。このような相対運動が存在すると、ある振動周波数と潜在的にはその振動周波数の2倍の周波数とにおいて、それら複数の構造の間にあるファイバが伸長する。これにより、バイアス、又は、回転速度の誤指示として知られている誤差がDCにおいて生じる。構成要素を取り付けている構造の異なる共振が、この問題を生じさせる。
【0084】
本発明は、この誤差を生じさせる運動の問題点を解決する構造上の特徴を複数有している。第1に、IOCとデポラライザとコイルとが、共通する偏向(deflection)モードでこれらの要素を振動させるパッケージ上に取り付けられている。これは、それらの間のリードについても同じである。これによって、相対運動とこれらの要素の間での相対運動に起因する誤差とが除去される。第2に、サーボ・ループは、関心対象の振動周波数においてだけでなくその周波数の2倍の周波数においても高いゲインを有していなければならない。第3に、減衰材料が、IOCとコイルとデポラライザとの間のすべてのリードに与えられなければならない。構成要素間の移動によってファイバ・リードが2つの異なる地点の間で手動によって結合されてはならない。というのは、振動と第2の高調変調において、ファイバをよじれさせるからである。以下で説明される実施例において、本発明のこれらの特徴は実現されている。
【0085】
【発明の実施の形態】
本発明は、光ファイバ・ジャイロスコープにおける振動の抑制とその効果とに関する。図8aは、デポラライズ(復極)された光ファイバ・ジャイロスコープの基本的な回路図を示す。ソース11は、光61を、カプラ12を介して、光集積回路30のスプリッタ31まで送る。スプリッタは、光61をビーム62及び63に分割し、これらのビームは、感知ループ10の中を逆伝搬する。ビーム62及び63は、ループ10から戻り、スプリッタ31において合成されビーム64になる。ビーム64の少なくとも一部は、光検出器13に向かう。ビーム64又はその一部は、ビーム62及び63の位相関係を示す強度を有する光ビーム64を表す電気信号に変換される。光検出器13の出力は、バイアス変調発生器を含む電子回路59に送られる。電子回路59は、閉又は開ループ電子装置を含みうる。回路59の出力は、単に、開ループ構成に対するバイアス変調信号か、又は、バイアス変調を組み入れる(incorporate)位相変調器19のフィードバック信号でありうる。変調器19は、ビーム62を、それがループ10から戻る際に変調し、ビーム63を、それがループ10に入る際に変調する。IOC30は、また、光ビーム61及び63を偏光する偏光器(ポラライザ)を含む。デポラライザ43は、ビーム62及び63をデポラライズする。これらのデポラライザは、ライオット(Lyot)デポラライザでありうる。
【0086】
本発明は、位相変調ωv及び2ωvを生じさせる振動の効果を縮小させることにより、調整されたバイアス誤差を減衰させることに関する。これは、隣接する高調波である例えばωv及び2ωvでのファイバ・ループにおける歪み振動を同時には励起させないジャイロスコープにおいて、支持構造及び固定技術を用いることによって効果的に達成することができる。第2に、本発明の要点は、閉ループ動作に用いられる主サーボ・ループの速度を向上させることによって、ωv及び2ωvにおけるネットの位相差変調を両方共に減衰することである。これは、デポラライズされたジャイロスコープに特に有用である。ただし、これは、用途の限定を意図しない。デポラライズされたジャイロスコープは、サグナック(Sagnac)感知ループにおけるデポラライザなどの要素を複数有している。従来型の光ファイバ・ジャイロスコープに付随する問題点は、パッケージング技術が、第1及び第2の高調位相差変調を混合することによって生じる振動調整誤差に特別に及び適切に対応していなかったという点にあった。
【0087】
図9及び図10にそれぞれ示されているPM及びデポラライズされたジャイロスコープのための従来型のパッケージは、光学的な要素を複数有しており、これら複数の要素は、振動環境において異なる複数の周波数で共振してそれらの間での相対的な運動を生じさせるパッケージ要素の上にある干渉式ループの中に配置されている。これにより、これら複数の要素を接続するファイバに歪みが生じることがある。ファイバの幾何学的形状に応じて、第1高調波及び第2高調波両方の位相差変調が生じうる。ファイバを適切に固定し減衰させることによって、これらの効果を減少させることができるが、十分に除去することはできない。
【0088】
上述のものよりもはるかに優れた設計が、本発明の主題である。本発明では、ボビン46上のコイル10と、光集積回路30と、デポラライザ43(デポラライズされた場合)と、これらを接続するリードとを含む構成要素が、ジャイロスコープ・パッケージの中において、シェル48を有する共通の単一構造47上に配置されている。このようにして、すべての要素が振動の下では共通の偏向を経験し、主な要素の間には相対的な運動は存在しない。しかし、ベンド及び減衰材料を用いてリードを固定し、それによって、振動周波数ωvの偶数高調波2nωvでの運動も抑制することが重要である。ここで、nは正の整数である。このような改良型の構造が、デポラライズされた場合に関しては図11a、図11b、図12a及び12bに示されており、PMの場合に関しては、図13a及び図13bに示されている。
【0089】
これらの図には、振動に対する感度が減少するように最適化されたモジュール型の干渉計ループの設計の3つの例が示されている。図11a及び11bは、コイル10の頂部表面に軸方向に取り付けられたデポラライザ43を有するシングル・モードのジャイロスコープ・アーキテクチャ47を示しており、IOC30が堅固なキャリア51に付属している。図12a及び図12bは、コイル層として巻かれたデポラライザ43を有するシングル・モードのジャイロスコープ・アーキテクチャ47を示しており、IOC30がハブ50に直接に取り付けられている。図13a及び図13bは、コイル10とIOC30とが同じキャリア50に付属しているPMジャイロスコープ・アーキテクチャ49を示している。これらのアーキテクチャは、それぞれが、ジャイロスコープのシャーシ53に取り付けられている。干渉ループの内部に、デポラライザは存在しない。
【0090】
単一軸のデポラライズされたジャイロスコープのそれぞれのパッケージは、ハブ50と、感知コイル10と、デポラライザ43と、光集積回路30と、磁気シールド44とを有している。磁気シールドは、シェル48の代わりである。感知コイル10のハブ50は、壁部の厚い円筒であり、内部の1つ又は複数の取り付け面52は、コイル10の両端から等しい距離に配置されている。このハブ50の幾何学的形状は、感知コイル10における軸方向の熱勾配を最小化し、熱移動の際にジャイロスコープの優れた性能が保証されるように選択されている。ハブ50は、動作周波数範囲内で、共振フリー構造となるように設計されている。自己支持型の感知コイル10は、振動減衰接着剤の非常に薄い層を用いることによって、ハブに結合されている。デポラライザは、感知コイル10の平坦な端部に付属する自己支持型コイル43の形状でパッケージングされている(図11a及び図11b)。あるいは、デポラライザは、コイル10の外側表面に結合された1つ又は複数のコイル層の形状の感知コイル10の巻きパターンの連続として、巻かれていることもありうる(図12a及び図12b)。IOCチップ30は、キャリア51に取り付けられている。図12a及び図12bに示されているように、キャリアは、ハブ50の一体的な部分として、又は、ハブ50に確実に付属する別個の堅固で共振フリーなブラケット51として、形成することができる(図11a及び図11b)。干渉計ループにおけるすべての構成要素は、典型的には、磁気シールド44によって包囲(封入)されており(図11a、11b、12a及び12b)、ループの関連バイアス感度を低下させている(ファラデー効果)。
【0091】
偏光維持ジャイロスコープ・パッケージングの例が、図13a及び13bに示されている。この設計49と先の設計47及び48と(それぞれ、図11a、11b、12a及び12bに示されている)の間の主な差異は、デポラライザ・ファイバ又はデポラライザ・マイクロ・コイル43が欠けている点である。PMジャイロスコープ構成49では、感知コイル10は、光集積回路30のファイバ・リード54に直接に接続されている。
【0092】
この設計のすべてが、コイル10と、デポラライザ43(SMジャイロスコープのみ)と、IOCチップ30との間の相互接続ファイバ部分における動的な歪みの差異を著しく縮小することができる。相互接続ファイバ54(すなわち、リード)の各部分は、非常に短く等しい長さを有するように設計されており、相互に共通の堅固な支持構造に結合されている(すなわち、コイル10、ハブ50及びIOCキャリア30)。振動ジャイロスコープの性能における更なる向上は、考慮されているジャイロスコープ・パッケージングの例では、相互接続ファイバのルーティング経路に沿って隣接する構成要素の動的な変位の差異を縮小させることによって達成されている。振動減衰ジェルが適用され、1対のファイバ・リードにおいて、それらのリードが一方の支持要素から他方の支持要素まで信号を伝送する際に、動的な歪み効果の残留を減衰させるのに用いられる。
【0093】
光ファイバ・ピッグテール70を備えた図15aにおける光源68などの装置は、光ファイバ70に対するブーツ69の構造68又はベース71において最大の剛性(rigidity)を提供するブーツ69を有している。この剛性は、構造68からの距離が離れるにつれて漸減する。しかし、リードの振動を減少させるために、エポキシ、ポッティング又はそれ以外の接着材料60が1つ又は複数のリード70に適用され、図15bに示されているように、それらが元々生じている構造68に対する、そして、構造68のサポート67に対する相対的な振動を減少させている。この材料は、構造68からの距離と反比例するテーパ状の態様で適用される。光ファイバ・リード70を振動させることにより、光ファイバ・リード70を介して伝搬する光に位相シフトが生じ、それによって、例えば、ジャイロスコープの出力に誤差が生じる傾向がある。振動の1サイクルの間に、2つの位相シフトがあり、従ってその結果として、機械的な振動の第2高調波である位相シフトが生じる。接着材料60は、2つの重要な性質を有している。すなわち、エネルギ散逸率(dissipation factor)とヤング率(Young's modulus)とである。材料60は、また、装置68への接続部からのファイバ70の長さに反比例して変動する断面72である設計上の性質を有している。図15bと図15cの内部73とに示されているように、断面72は、光ファイバ70の長軸74に垂直である。散逸率は、移動のエネルギを吸収し、光ファイバの1つ又は複数のリード70の全体的な機械エネルギを減少させる。これが、リードの減衰を生じさせる。この材料に対するヤング率は、通常は、350万パスカル(約500psi)よりも低いが、応用例によっては、750万パスカル(約1000psi)程度まで高くなりうる。ヤング率を用いた散逸率の補正は、材料60の種類ごとに変動しうる。
【0094】
キャリア67へのリード70には、特別の種類の結合ファイバが存在する。理想的には、ファイバ70は、その軸74に沿って連続的に結合され、ファイバ・リードの端部75にテーパ状の部分を有しているのが好ましい。そうではなく、離散的なファイバ結合方法が選択され、ファイバ・リード70をキャリア67に付着される場合には(例えば、センサの熱性能を向上させるために)、ファイバ70の軸74に沿ったテーパ状の端部75を用いて結合部を形成すべきである(対称的なティアドロップ)。それによって、接着60の結合部とファイバ70との境界における動的な接触歪み勾配が減少する。
【0095】
更に、ファイバ70全体の長さは、図15dに示されているように、ファイバの動的な変位を制限する振動減衰材料76を用いてポットされていなければならない。ポット材料のヤング率は、ポット材料76とファイバ70との質量によって生じる内部効果を最小化するのに十分でなければならない。このアプローチは、ファイバ・リード70を構造68及び77の2つの堅固な機械的インターフェースに結合させるのに用いられ、ファイバの長軸74と垂直な相対的で動的な変位を受ける(例えば、ファイバ・リードを、異なる変位又は変形を受ける2つの機械的インターフェースの間のギャップを通してルーティングする)。好適なリード接着材料76は、変位の終点におけるファイバ70のストレッチを回避すべきである。また、機械的インターフェースの境界における可撓的な接触歪みを、ファイバ・リード70のより長い部分にわたって分散させることによって減少させる手段が提供されるべきである。これは、結合の長さに沿って変動する性質を有し、相互接続を担っている中間部分ファイバ70の中程の硬度がより大きいような材料76を用いてファイバ70をカプセル化することによって達成される(例えば、結合された領域に沿ってUV(紫外)光の露出が変動することの結果として、UV硬化性のカプセル化剤のヤング率が徐々に変化する)。別の方法としては、ファイバ70に沿って結合材料の断面積を徐々に変化させることがある。
【0096】
SMジャイロスコープ・アーキテクチャでは、デポラライザ・ファイバ又はマイクロコイル43が、感知コイル10に直接に付属している(図11a、図11b、図12a及び図12b)。この構成は、一体化された(そして、リードのない)コイル/デポラライザ・パッケージ47、48を生じさせるが、このパッケージは、コイル/デポラライザの相互接続に関係する振動バイアス誤差を有しない。
【0097】
上述の改良されたSM及びPMジャイロスコープ構成47、48及び49では、ファイバにおける第1及び第2高調波両方の動的歪みの大きさが非常に小さくなり、その結果として、振動によって生じる位相差変調を著しく減少させることができる。
【0098】
振動調整誤差を減少させる別のそして最後の方法は、一次速度サーボ(primary rate servo)の帯域幅を増加させ、それによって、周波数fvにおいて振動によって生じる位相シフトδに対抗するというものである。図14は周波数を横軸にとってループ・サーボ・ゲインを示したグラフであるが、この図には、関心対象である相対的な帯域幅が示されている。従来は、速度サーボの基本的な目的は、測定される回転速度と等しく方向が逆であるフィードバック位相シフトφfを提供することであった。これは、次の方程式に反映されている。
【0099】
【数20】
Figure 0004716572
【0100】
関心対象である回転速度は、ゆっくりと変化し、回転速度の範囲58は、50Hzなど、100Hz未満であるのが典型的である。従って、必要な従来型の速度ループ帯域幅55は、図14に示されているように、高々、数百Hzである。
【0101】
しかし、ループ帯域幅を改善されたループ帯域幅57に拡張して、予測される振動スペクトル56の場合を超える周波数まで(すなわち、4kHzを超える値まで)著しく上昇させることによって、fv及び2fvにおけるネットの位相シフトを減衰させ、従って、DCバイアス誤差を減衰させることができる。すなわち、光検出器の電流は、次の値を与えるように、例えば、正弦変調の場合には、閉じたループ・システムに対して修正される。
【0102】
【数21】
Figure 0004716572
【0103】
十分に高い帯域幅を有することによって、位相シフトφfがφRと等しく向きが逆である低周波成分φf0を含むだけでなく周波数fvではΔφfであり周波数2fvではΔφ2fという高周波成分をも有するような速度サーボを構成することも可能である。この後者の項は、fv及び2fvにおける振動によって生じる位相変調に対して、向きが逆の位相シフトを生じさせる。従って、光検出器電流は、次の数式によって表現することができる。
【0104】
【数22】
Figure 0004716572
【0105】
ここで、β1及びβ2は、それぞれ、fv及び2fvのフィードバック信号の位相角を表している。fvにおけるネットの光位相シフトΔφnvは、上の式に示されている2つの項の合成である。
【0106】
【数23】
Figure 0004716572
【0107】
数式23と類似の方程式を、2fvにおけるネットの位相シフトに対しても書くことができる。速度ループの帯域幅が増加するにつれて、Δφf及びΔφ2fは、Δφv及びΔφ2vの値にそれぞれ近づき、β1及びβ2はε+πに近づく。従って、fvにおけるΔφnvとf2vにおけるΔφn2vというネットの位相差変調は、ゼロに近づく。次の数式においてΔφにΔφnvを代入し、Δφ2vにΔφn2vを代入すると、Δφnv及びΔφn2vがゼロに近づくと、修正(rectification)項が消える。
【0108】
【数24】
Figure 0004716572
【0109】
従って、本発明では、振動調整誤差を除去する又は減少させる関連の方法は、速度フィードバック・ループの帯域幅を、回転の感知に必要な値をはるかに超えて、予測される振動スペクトルをも超え、振動スペクトルの2倍を超える周波数におけるゲインを有するまで、大幅に増加させる。周波数の関係は図14に示されている。この技術は、上述したパッケージング、ポッティング及び減衰の技術と組み合わせて用いることができる。同様にして、矩形波変調方式と共にでも用いることができる。最後に、注意すべきことであるが、議論を簡潔にするために、以上の議論は、正弦的な振動入力に焦点を合わせたものである。実際は、現実の環境では、ランダム又はより正確には擬似ランダム振動スペクトルとして知られている正弦振動入力の重ね合わせが含まれる。この場合には、累積的な調整誤差は、様々な周波数における振動から生じる誤差の寄与の組合せである。それぞれの誤差の寄与は、振動周波数のスペクトルによって励起される特定の周波数及び隣接する高調波における非ゼロのネットの光位相シフトの結果である。単一の周波数における調整誤差を除去するという以上で述べた技術は、複数の周波数のスペクトル、すなわち、ランダムな振動入力にも同時に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本的な干渉式光ファイバ・ジャイロスコープを示している。
【図2】 光ファイバ・ジャイロスコープの感知コイルにおいて逆伝搬(counter-propagate)する光波の位相差を横軸に取って表した光検出器の検出された光強度又は出力電流のグラフである。
【図3】 図3a及び図3bで構成されており、光波の位相差と、ゼロ及び非ゼロの回転速度に対するジャイロスコープの出力とをそれぞれ示している。
【図4】 図4a及び図4bで構成されており、矩形波変調の場合の、光波の位相差と、ゼロ及び非ゼロの回転速度に対するジャイロスコープの出力とをそれぞれ示している。
【図5】 図5a、図5b及び図5cで構成されており、バイアス変調信号と同期している信号成分を示している。
【図6】 光検出器の出力に対するサンプリング方式を示している。
【図7】 速度フィードバック・ループと偏光維持(polarization maintaining)ファイバ・コイルとを有する干渉式光ファイバ・ジャイロスコープを示している。
【図8】 図8a及び図8bで構成されている。
図8aは、光ファイバ・デポラライザ、シングル・モードのコイル・ファイバ及び速度サーボ・ループを備えた、デポラライズされた干渉式光ファイバ・ジャイロスコープを示している。
図8bは、デポラライズされたジャイロスコープの典型的なパッケージの断面である。
【図9】 偏光維持ファイバ・コイルを用いているジャイロスコープのための従来型のパッケージを示している。
【図10】 ファイバ・デポラライザとシングル・モード・ファイバ感知コイル戸を用いているデポラライズされたジャイロスコープの改良型を示している。
【図11】 図11a及び図11bで構成されており、デポラライズされたジャイロスコープ・パッケージ構成の改良型を示している。
【図12】 図12a及び図12bで構成されており、デポラライズされたジャイロスコープ・パッケージ構成の改良型を示している。
【図13】 図13a及び図13bで構成されており、偏光維持光ファイバ・ジャイロスコープのための改良型パッケージを示している。
【図14】 従来型の光ファイバ・ジャイロスコープの速度サーボのための帯域幅の考慮と、振動調整誤差を縮小させるために必要な改良とを示している。
【図15】 図15a、図15b、図15c及び図15dで構成されており、光ファイバ・リードの振動を最小化及び除去する例を示している。

Claims (10)

  1. 光ファイバ・ジャイロスコープのための振動抑制構造であって、
    少なくとも部分的に中空の円筒であり、前記円筒の周囲部を構成して前記中空の部分を画定する壁部と、前記光ファイバ・ジャイロスコープのシャーシ側に位置する第1の端部と、前記第1の端部の反対側にある第2の端部とを有し、前記円筒の前記壁部と平行であり且つ前記壁部からの垂直方向の距離が等距離にある軸方向を長軸とする、少なくとも部分的に中空の円筒、および
    前記円筒内の前記第1の端部と第2の端部の間で且つ前記第2の端部の近くに位置し、前記長軸と垂直である少なくとも1つの平坦な面
    を備える支持構造と、
    前記平坦な面に取り付けられる光集積回路と、
    前記支持構造上に配される感知コイルと、
    前記感知コイルの外側に直接に取り付けられるデポラライザ・コイルであって、前記感知コイルの前記外側の端部または面に直接に取り付けられるデポラライザ・コイルと
    を備える振動抑制構造。
  2. 請求項1記載の振動抑制構造において、前記支持構造と、前記光集積回路と、前記感知コイルと、前記デポラライザ・コイルとを封入する磁気シールドを更に備える振動抑制構造。
  3. 請求項1記載の振動抑制構造において、
    前記光集積回路は、前記デポラライザ・コイルの第1のリードに接続された第1のリードと、前記感知コイルの第1のリードに接続された第2のリードとを有し、
    前記デポラライザ・コイルは、前記感知コイルの第2のリードに接続された第2のリードを有し、
    前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードは、それぞれが、接着材料を用いて前記支持構造に固定される、
    振動抑制構造。
  4. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記シールドの内壁と、前記支持構造と前記光集積回路と前記感知コイルと前記デポラライザ・コイルとの間の空間は、減衰材料を用いて少なくとも部分的に充填される、振動抑制構造。
  5. 請求項4記載の振動抑制構造において、前記減衰材料は、前記支持構造と前記光集積回路と前記感知コイルと前記デポラライザ・コイルとの間の相対的な運動を所定のレベルに制限するのに十分な弾性率を有する、振動抑制構造。
  6. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードのそれぞれを固定する前記接着材料は、それぞれの前記リードと前記支持構造との間に歪みを与え、前記歪みは、前記光集積回路と前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルとのそれぞれに近接したリードほど大きい、振動抑制構造。
  7. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードのそれぞれを固定する前記接着材料は、それぞれの前記リードの対における動的な歪みの差を所定のレベルまで減少させる、振動抑制構造。
  8. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードのそれぞれを固定する前記接着材料は、それぞれの前記リードと前記支持構造との間に硬度を与え、前記硬度は、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路とのそれぞれからの距離が広がるにつれて減少する、振動抑制構造。
  9. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードのそれぞれを固定する前記接着材料は、前記接着材料の弾性率と、それぞれの光ファイバ・リードの長軸に垂直な前記接着材料の断面積との積である硬度を与え、前記断面積は、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路とのそれぞれからの距離が広がるにつれて減少する、振動抑制構造。
  10. 請求項3記載の振動抑制構造において、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路との前記第1のリード及び前記第2のリードのそれぞれを固定する前記接着材料は、前記接着材料の弾性率と、それぞれの光ファイバ・リードの長軸に垂直な前記接着材料の断面積の慣性モーメントとの積である硬度を与え、前記断面積の慣性モーメントは、前記デポラライザ・コイルと前記感知コイルと前記光集積回路とのそれぞれからの距離が広がるにつれて減少する、振動抑制構造。
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