JP4716508B2 - X線管 - Google Patents

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本発明は、対陰極上の複数の領域に対してそれぞれ専用の陰極から電子ビームを照射するようにしたX線管に関するものである。
対陰極上の複数の領域に対してそれぞれ専用の陰極から電子ビームを照射するようにしたX線管が知られている(特許文献1及び特許文献2)。
特開平1−161645号公報 特開平6−215710号公報
特許文献1に開示されたX線管は,回転対陰極上にモリブデン製のターゲットとロジウム製のターゲットを備えている。モリブデン製のターゲットには第1のフィラメントから放出された電子ビームが照射され,ロジウム製のターゲットには第2のフィラメントから放出された電子ビームが照射される。第1のフィラメントと第2のフィラメントはカソードに取り付けられていて,X線管内に固定されている。そして,第1のフィラメントと第2のフィラメントのいずれかにフィラメント加熱電圧を印加することで,どちらか一方のターゲットからX線を発生させることができる。これにより,波長の異なる2種類の特性X線のうちの任意の一方を発生させることができる。特許文献2も,同様に,回転対陰極上の銅とクロムの2種類のターゲットに対して,それぞれ専用のフィラメントから電子ビームを照射している。
また,複数の陰極を備えるX線管であって,これらの陰極をX線管内で移動させることで陰極を切り換えるようにしたX線管も知られている(特許文献3)。
特開平4−188552号公報
この特許文献3に開示されたX線管は,異なる焦点寸法を形成するための複数の陰極を備えていて,これらの陰極を円形のベース板の上に配置して,ベース板を回転させることで,電子ビームを放出する陰極を切り換えることができる。どの陰極を選択した場合でも,陰極から放出された電子ビームは,対陰極上のほぼ同一領域に照射される。したがって,複数の陰極は開示しているが,対陰極上の複数の領域は開示していない。
特許文献1または特許文献2に開示された技術を用いると,材質の異なる複数のターゲットに,それぞれ別個の陰極から電子ビームを照射することができて,X線波長を切り換えることができる。ところで,現実の電子銃を考えると,陰極はウェーネルト電極の開口の内部に配置されている。陰極毎にウェーネルト電極を設けると仮定すると,複数の陰極を並べて配置するには,陰極の中心間距離を,少なくともウェーネルト電極の寸法分だけ広くする必要がある(例えば,数十mmが必要である)。一方で,例えば,回転対陰極上に複数のターゲット材質を並べて配置することを考えると,複数のターゲット材質の中心間距離を大きくすることは好ましくない。複数のターゲット材質の中心間距離を大きくすると,ターゲット材質を切り換えることによって(すなわち,取り出す特性X線の波長を切り換えることによって),X線焦点の位置が大きく変化することになる。また,複数のターゲット材質の中心間距離を大きくすると,回転対陰極の寸法が大きくなり,結果として,X線管の寸法も大きくなる。したがって,現実の回転対陰極X線管を考えると,特許文献1または特許文献2に開示されたように,複数の陰極を固定的に配置して,所望の陰極だけに陰極加熱電圧を印加する,という技術的手段を採用することは,上述のような不都合がある。
一方,特許文献3に開示された技術によれば,複数の陰極を移動させることで,使用する陰極だけを対陰極の電子ビーム照射領域に対向させることができる。ただし,特許文献3では,使用する陰極を変更しても,対陰極上の電子ビーム照射領域の位置はほぼ同じである。したがって,この技術を採用しても,複数のターゲット材質を備える対陰極に対して,それぞれ,別個の陰極から電子ビームを照射することはできない。
本発明の目的は,対陰極上の複数の領域に対してそれぞれ別個の陰極から電子ビームを照射するようにしたX線管において,X線の波長や焦点寸法を容易に切り換えることができて,かつ,上述の複数の領域の中心間距離を小さくできるとともに,X線管の寸法もあまり大きくならないX線管を提供することにある。
本発明は、対陰極上の複数の領域に対してそれぞれ別個の陰極から電子ビームを照射するようにしたX線管に関するものであって,次のような特徴を備えている。まず,X線管は対陰極と電子銃組立体を備えていて,対陰極は,第1領域および第2領域を備えている。また,電子銃組立体は,前記第1領域に衝突する第1電子ビームを放出する第1陰極を備える第1電子銃と,前記第2領域に衝突する第2電子ビームを放出する第2陰極を備える第2電子銃とを備えている。そして,次の(ア)乃至(ウ)の特徴を備えている。(ア)前記第1電子ビームと前記第2電子ビームは実質的にひとつの平面内にある。(イ)前記電子銃組立体は前記平面に垂直な回転中心線の周りに回転可能である。(ウ)前記電子銃組立体は,前記回転中心線の周りに回転することで,前記第1陰極が前記第1領域に対向する第1姿勢と,前記第2陰極が前記第2領域に対向する第2姿勢との間で,その姿勢が切り換え可能である。
本発明において,「実質的にひとつの平面内」は次のような意味をもっている。第1電子ビームの断面と第2電子ビームの断面は,電子銃組立体の回転中心線の方向に所定の厚さをもっているが,その場合,電子銃組立体の回転中心線の方向における第1電子ビームの厚さの中心位置と第2電子ビームの厚さの中心位置とが,ひとつの平面内(共通の平面内)にある。当然ながら,第1電子ビームの断面のすべてと第2電子ビームの断面のすべてが,ひとつの平面内に存在する必要はない。
第1電子銃と第2電子銃は,それぞれの陰極に加熱電圧を供給するための端子を備えている。すなわち,第1電子銃は第1陰極に接続された一対の第1端子を備えており,第2電子銃は第2陰極に接続された一対の第2端子を備えている。一方,X線管は一対の陰極電源端子を備えていて,電子銃組立体が第1姿勢にあるときは第1端子が陰極電源端子に接続し,電子銃組立体が第2姿勢にあるときは第2端子が陰極電源端子に接続する。
電子ビームを放出する陰極を切り換えるためには,次のような構成とすることができる。電子銃組立体を,その回転中心線の周りに180度回転することで,第1姿勢から第2姿勢に切り換えることができ,または,第2姿勢から第1姿勢に切り換えることができる。その場合,第1陰極の中心と第2陰極の中心とを通る陰極中心線が電子銃組立体の回転中心線から所定距離だけ離れているような偏心構造にすることができる。これにより,電子銃組立体を180度回転させるだけで,第1電子ビームの位置と,第2電子ビームの位置を,互いに異ならせることができる。
第1領域の材質と第2領域の材質は互いに異ならせることができる。これにより,2種類の波長のX線を切り換えて取り出すことができる。また,これとは別個に,第1領域上の第1電子ビームの焦点寸法と第2領域上の第2電子ビームの焦点寸法とを互いに異ならせることができる。さらに,異なる材質と異なる焦点寸法とを組み合わせることもできる。さらには,対陰極上に3個以上の領域を設けて,それに対応させて3個以上の電子銃を備えるようにしてもよい。
対陰極は固定の対陰極(静止する対陰極)であってもよいし,回転対陰極であってもよい。回転対陰極の場合は,回転対陰極の回転中心線に平行な方向に第1領域と第2領域を互いに隣り合って並べることができる。
本発明によれば,対陰極上の複数の領域に対してそれぞれ別個の陰極から電子ビームを照射するようにしたX線管において,二つの電子銃の配置構造を工夫したことにより,X線の波長や焦点寸法を容易に切り換えることができ,かつ,対陰極上の複数の領域の中心間距離を小さくできるとともに,X線管の寸法もあまり大きくしなくて済む。
以下,図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。図1は本発明に係るX線管の一実施例の要部の斜視図である。このX線管は,回転対陰極10と電子銃組立体12を備えている。回転対陰極10は円筒形状であり,回転中心線14の周りを回転する。回転中心線14は水平方向に延びている。回転対陰極10の外周面には,第1領域16と第2領域18が形成されている。第1領域16と第2領域18は周方向に延びた帯状の領域であって,それらは回転中心線14に平行な方向に隣り合っている。第1領域16の材質はCr(クロム)であり,第2領域18の材質はCu(銅)である。第1領域16と第2領域18の幅はそれぞれ約4mmである。回転対陰極10の直径は280mmである。
電子銃組立体12は,回転台20と第1電子銃22と第2電子銃24を備えている。回転台20は回転中心線25の周りを回転できる。回転中心線25は上下方向に延びている。第1電子銃22と第2電子銃24は回転台20に固定されている。第1電子銃22は第1ウェーネルト電極26と第1陰極28を備えている。第1ウェーネルト電極26の開口30の内部に第1陰極28が配置されている。第1陰極28はコイル状のフィラメントである。第1陰極28は一対の第1端子29に接続されている。第1端子29は第1電子銃22の上部に露出している。
第2電子銃24も第1電子銃22と同様の構造であり,第2ウェーネルト電極32と第2陰極34を備えている。第2ウェーネルト電極32の開口36の内部に第2陰極34が配置されている。第2電極34もコイル状のフィラメントである。第2陰極34は一対の第2端子35に接続されている。第2端子35は第2電子銃24の上部に露出している。
図1では,電子銃組立体12は中立姿勢にあり,いずれの陰極も回転対陰極10には対向していない。この中立姿勢では,いずれの陰極にも加熱電圧が印加されない。
図2は,電子銃組立体12が第1姿勢にあるときのX線管の要部の斜視図である。図1の中立姿勢の電子銃組立体12を,上から見て反時計方向に90度回転させると,図2の第1姿勢になる。このとき,第1電子銃22が回転対陰極10に対向し,第1陰極28は回転対陰極10の第1領域16に対向する。第1端子29は,後述するように,陰極電源端子に接続する。第1陰極28から放出された第1電子ビーム38は第1領域16に衝突し,その電子ビーム照射領域(X線焦点)から,Crの特性X線が発生する。
図3は,電子銃組立体12が第2姿勢にあるときのX線管の要部の斜視図である。図1の中立姿勢の電子銃組立体12を,上から見て時計方向に90度回転させると,図3の第2姿勢になる。あるいは,図2に示す第1姿勢から,上から見て反時計方向に180度(または時計方向に180度)回転させると,図3に示す第2姿勢になる。このとき,第2電子銃24が回転対陰極10に対向し,第2陰極34は回転対陰極10の第2領域18に対向する。第2端子35は,後述するように,陰極電源端子に接続する。第2陰極34から放出された第2電子ビーム40は第2領域18に衝突し,その電子ビーム照射領域(X線焦点)から,Cuの特性X線が発生する。
図2の第1姿勢から図3の第2姿勢に切り換えるには,X線管の真空を破ることなく,電子銃組立体を回転させるだけで済む。したがって,X線管から取り出すX線の波長を切り換える作業が,きわめて容易に,かつ,短時間で済む。
図4は,電子銃組立体12が中立姿勢にあるときのX線管の要部の平面断面図である。X線管の真空容器42(チューブシールド)には回転対陰極10が回転可能に取り付けられている。回転対陰極10は回転中心線14の周りを回転する。真空容器42には,ベリリウム製の二つの窓44,46が設けられている。電子銃組立体12は回転中心線25の周りを回転できる。第1電子銃22と第2電子銃24は回転中心線25を挟んで背中合わせに配置されている。そして,第1陰極28の長手方向の中心(図4における左右方向の中心)と,第2陰極34の長手方向の中心とを通る直線48(以下,陰極中心線という)は,回転中心線25から所定距離Dだけ離れている。この実施例では,Dは1.7mmである。このように,二つの電子銃22,24は,電子銃組立体12の回転中心線25に対して偏心して配置されている。一方,回転対陰極10の第1領域16の幅方向の中心と第2領域18の幅方向の中心との距離Lは3.4mmであり,DはLの半分になるように設定している。こうすることで,電子銃組立体を180度回転させるだけで,第1電子ビームの位置と第2電子ビームの位置を所定距離だけ(すなわち,3.4mmだけ)シフトすることができる。なお,この実施例では,電子ビームの照射領域の寸法(すなわち,焦点寸法)を0.07mm×0.7mmとすることを想定している。ところで,第1領域16の幅方向の中心及び第2領域18の幅方向の中心にそれぞれ電子ビームの中心をもってくる必要は必ずしもなく,第1領域16の幅の範囲内,及び,第2領域18の幅の範囲内に,電子ビームが収まっていればよい。
第1電子銃22の上部に露出している一対の第1端子29と,第2電子銃24の上部に露出している一対の第2端子35は,回転中心線25を中心として点対称になるように配置されている。したがって,第1電子銃22から見ると,一対の第1端子29は偏った位置に配置されており,第2電子銃24から見ると,一対の第2端子35は偏った位置に配置されている。
図5は,電子銃組立体12が第1姿勢にあるときの図4と同様の断面図である。電子銃組立体12を,図4に示す中立姿勢から,上から見て回転中心線25の周りに反時計方向に90度回転させると,図5に示す第1姿勢になる。一対の第1端子29は陰極電源端子に接続され,第1陰極28の両端には所定のフィラメント加熱電圧が印加される。また,第1電極28には回転対陰極10に対して所定の負の高電圧が印加される。これにより,第1陰極28から回転対陰極10の第1領域16に向かって第1電子ビーム38が放出される。さらに,第1陰極28と第1ウェーネルト電極26との間に所定の電圧が印加され,第1電子ビーム38は回転対陰極10の第1領域16上で所望の焦点寸法になるように絞られる。第1領域16上の電子ビーム照射領域(X線焦点)からは,Crの特性X線50が発生する。第1窓44の近傍の第1回転通路45を開放状態にすると,Crの特性X線50が第1窓44から出て行く。
図6は,電子銃組立体12が第2姿勢にあるときの図4と同様の断面図である。電子銃組立体12を,図4に示す中立姿勢から,上から見て回転中心線25の周りに時計方向に90度回転させると,図6に示す第2姿勢になる。あるいは,電子銃組立体12を,図5に示す第1姿勢から,上から見て回転中心線25の周りに反時計方向に180度または時計方向に180度回転させると,図6に示す第2姿勢になる。一対の第2端子35は陰極電源端子に接続され,第2陰極34の両端には所定のフィラメント加熱電圧が印加される。また,第2電極34には回転対陰極10に対して所定の負の高電圧が印加される。これにより,第2陰極34から回転対陰極10の第2領域18に向かって第2電子ビーム40が放出される。さらに,第2陰極34と第2ウェーネルト電極32との間に所定の電圧が印加され,第2電子ビーム40は回転対陰極10の第2領域18上で所望の焦点寸法になるように絞られる。第2領域18上の電子ビーム照射領域(X線焦点)からは,Cuの特性X線52が発生する。第2窓46の近傍の第2回転通路47を開放状態にすると。Cuの特性X線52が第2窓46から出て行く。
図5における第1電子ビーム38は,回転対陰極10の回転中心線14を含む水平面内にある。この平面を電子ビーム平面と呼ぶことにする。この電子ビーム平面は,電子銃組立体12の回転中心線25に垂直である。ところで,第1電子ビーム38は,電子銃組立体12の回転中心線25の方向に(すなわち,上下方向に)所定の厚さをもっている。したがって,厳密に言うと,第1電子ビーム38の断面の上下方向の厚さの中心位置が,上述の電子ビーム平面内にある。同様に,図6における第2電子ビーム40も,その上下方向の厚さの中心位置が,電子ビーム平面内にある。したがって,第1電子ビーム38と第2電子ビーム40は実質的にひとつの平面内(共通の平面内)にある,と言うことができる。
図5において,回転対陰極10の第1領域16上の第1電子ビーム38の寸法(焦点寸法)と,図6において,回転対陰極10の第2領域18上の第2電子ビーム40の寸法(焦点寸法)は,同じであってもよいし,互いに異なっていてもよい。焦点寸法を互いに異ならせるためには,陰極28,34の形状及び寸法を互いに異ならせるとともに,ウェーネルト電極26,32の開口30,36の形状及び寸法も陰極28,34に適したものにする。
図7は電子銃組立体12の平面図であり,陰極電源端子54の位置を重ね合わせて示してある。第1電子銃22の上面には一対の第1端子29が露出している。第2電子銃24の上面には一対の第2端子35が露出している。第1端子29と第2端子35は回転台20の回転中心線25を中心として点対称に配置されている。また,一対の第1端子29と一対の第2端子34と一対の陰極電源端子54は,上方から見て,回転台20の回転中心線を中心とした円56の上に載っている。図7では電子銃組立体12が中立姿勢にあり,第1端子29と第2端子35は,どちらも,陰極電源端子54には接続していない。
図8は,電子銃組立体12が第1姿勢にあるときの,図7と同様の平面図である。第1電子銃22の一対の第1端子29は一対の陰極電源端子54にそれぞれ接続している。陰極電源端子54はX線管内で静止している。
図9は,電子銃組立体12が第2姿勢にあるときの,図7と同様の平面図である。第2電子銃24の一対の第2端子35は一対の陰極電源端子54にそれぞれ接続している。
図10は,図1に示すX線管の要部の側面図である。電子銃組立体12の上方には陰極電源供給機構58が配置されている。陰極電源供給機構58は,その下端に,一対の陰極電源端子54を備えている。電子銃組立体12を回転中心線25の周りに回転させることで,陰極電源端子54は,既に説明してきたように,第1端子29と第2端子35に選択的に接続する。図10では,電子銃組立体12は第1姿勢にあり,第1陰極28には陰極電源端子54と第1端子29を介してフィラメント加熱電圧が印加される。第1陰極28から放出された第1電子ビーム38は回転対陰極10上の第1領域に照射される。第1陰極28は第1ウェーネルト電極26に形成された開口30の内部に配置されている。第2陰極34も,同様に,第2ウェーネルト電極32に形成された開口36の内部に配置されている。
上述の実施例では,回転対陰極10の第1領域16と第2領域18の材質の組み合わせとして,Cu(銅)とCr(クロム)の組み合わせを例示しているが,これに限定するものではなく,そのほかに,例えば,Cu(銅)とCo(コバルト)の組み合わせ,Cu(銅)とMo(モリブデン)の組み合わせとしてもよい。
上述の実施例では,回転対陰極10の第1領域16と第2領域18を異なる材質で形成しているが,同じ材質とすることもできる。その場合,第1電子銃22と第2電子銃24を使って,第1領域16上の焦点寸法と第2領域18上の焦点寸法を互いに異ならせて,異なる焦点寸法の2種類のX線を切り換えて取り出すようにすることができる。
異なる焦点寸法の組み合わせの例としては,焦点高さ×焦点幅で示すと,(1)第1焦点を0.07×0.7mmとし,第2焦点を0.15×1.5mmとする組み合わせ,(2)第1焦点を0.10×1.0mmとし,第2焦点を0.15×1.5mmとする組み合わせ,(3)第1焦点を0.10×1.0mmとし,第2焦点を0.30×3.0mmとする組み合わせ,(4)第1焦点を0.15×1.5mmとし,第2焦点を10.0×0.5mmとする組み合わせ,(5)第1焦点を0.10×1.0mmとし,第2焦点を0.50×10.0mmとする組み合わせ,(6)第1焦点を0.50×10.0mmとし,第2焦点を10.0×0.5mmとする組み合わせ,が考えられる。このうち,(1)〜(4)の組み合わせは,直径が280mmの回転対陰極を想定しており,(5)と(6)の組み合わせは,直径が100mmの回転対陰極を想定している。
本発明に係るX線管の一実施例の要部の斜視図である。 電子銃組立体が第1姿勢にあるときのX線管の要部の斜視図である。 電子銃組立体が第2姿勢にあるときのX線管の要部の斜視図である。 電子銃組立体が中立姿勢にあるときのX線管の要部の平面断面図である。 電子銃組立体が第1姿勢にあるときの図4と同様の断面図である。 電子銃組立体が第2姿勢にあるときの図4と同様の断面図である。 電子銃組立体の平面図であり,陰極電源端子の位置を重ね合わせて示している。 電子銃組立体が第1姿勢にあるときの,図7と同様の平面図である。 電子銃組立体が第2姿勢にあるときの,図7と同様の平面図である。 図1に示すX線管の要部の側面図である。
符号の説明
10 回転対陰極
12 電子銃組立体
14 回転対陰極の回転中心線
16 第1領域
18 第2領域
20 回転台
22 第1電子銃
24 第2電子銃
25 回転台の回転中心線
26 第1ウェーネルト電極
28 第1陰極
29 第1端子
30 第1ウェーネルト電極の開口
32 第2ウェーネルト電極
34 第2陰極
35 第2端子
36 第2ウェーネルト電極の開口
38 第1電子ビーム
40 第2電子ビーム
42 真空容器
44 第1窓
45 回転通路
46 第2窓
47 第2回転通路
48 陰極中心線
50 Crの特性X線
52 Cuの特性X線
54 陰極電源端子
56 円
58 陰極電源供給機構

Claims (6)

  1. 第1領域および第2領域を備える対陰極と,前記第1領域に衝突する第1電子ビームを放出する第1陰極を備える第1電子銃および前記第2領域に衝突する第2電子ビームを放出する第2陰極を備える第2電子銃を有する電子銃組立体とを有するX線管において,
    (ア)前記第1電子ビームと前記第2電子ビームは実質的にひとつの平面内にあり,
    (イ)前記電子銃組立体は前記平面に垂直な回転中心線の周りに回転可能であり,
    (ウ)前記電子銃組立体は,前記回転中心線の周りに回転することで,前記第1陰極が前記第1領域に対向する第1姿勢と,前記第2陰極が前記第2領域に対向する第2姿勢との間で,その姿勢が切り換え可能である,
    ことを特徴とするX線管。
  2. 請求項1に記載のX線管において,前記第1電子銃は前記第1陰極に接続された一対の第1端子を備えており,前記第2電子銃は前記第2陰極に接続された一対の第2端子を備えており,前記X線管は一対の陰極電源端子を備えていて,前記電子銃組立体が前記第1姿勢にあるときは前記第1端子が前記陰極電源端子に接続し,前記電子銃組立体が前記第2姿勢にあるときは前記第2端子が前記陰極電源端子に接続することを特徴とするX線管。
  3. 請求項1または2に記載のX線管において,前記電子銃組立体は,前記回転中心線の周りに180度回転することで,前記第1姿勢から前記第2姿勢に,または,前記第2姿勢から前記第1姿勢に切り換わり,かつ,前記第1陰極の中心と前記第2陰極の中心とを通る陰極中心線が前記電子銃組立体の回転中心線から所定距離だけ離れていることを特徴とするX線管。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載のX線管において,前記第1領域の材質と前記第2領域の材質が互いに異なることを特徴とするX線管。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載のX線管において,前記対陰極が回転対陰極であり,前記回転対陰極の回転中心線に平行な方向に前記第1領域と前記第2領域が互いに隣り合って並んでいることを特徴とするX線管。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のX線管において,前記第1領域上の前記第1電子ビームの焦点寸法と前記第2領域上の前記第2電子ビームの焦点寸法とが互いに異なることを特徴とするX線管。
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