JP4715978B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転方向や直線方向の変位量を計測するための光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来技術の一例として光学式ロータリエンコーダについて概略説明する。図6は、光学式ロータリエンコーダの構成図であり、図6(a)はその断面構成図、図6(b)は、スリット円板の平面図である。この光学式ロータリエンコーダは、エンコーダケース1、ベアリング2,3、中空軸4、スリット円板5、LED(Light Emitting Diode)6、受光素子7、プリント基板8を備えている。
【0003】
エンコーダケース1には、ベアリング2,3を介して中空軸4が回動自在となるように取り付けられている。この中空軸4には、スリット円板5が取り付けられている。このスリット円板5には、複数スリットの列をトラック状に配置した検出用トラック5aが設けられており、スリットの有無により光を透過・遮光する。
なお、本明細書中でスリットとは、図6(a)で示す貫通孔や、また、図示しないものの透明なスリット円板に明暗格子状に印刷したパターンの透過部分などを指すものとする。
【0004】
このスリット円板5の検出用トラック5aを挟んで対向する位置にLED6と受光素子7が配置される。LED6は、エンコーダケース1の内部に配置され、図示しない電源線を介してプリント基板8から給電されて照射光を常時発光している。
また、受光素子7は、エンコーダケース1に取り付けられたプリント基板8上に配置・固定されている。
【0005】
図7に従来の受光素子7の構成図を示す。位置関係を明確にするため図6と図7とで共通の矢印601,602,603,604,605を用いて説明する。図6,図7の下方向はロータリエンコーダの中心方向601であり、上方向は外周方向602である。また、左右方向は円周方向603,604となる。
【0006】
次に、受光素子7の構成について説明する。図7中の斜線で示した領域は、光を感じる受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。受光素子7は、図7の左上側6個の受光セル11〜16から構成される受光セルアレイA群101、および、図7の右上側6個の受光セル21〜26から構成される受光セルアレイB群201、図7の左下側6個の受光セル31〜36から構成される受光セルアレイC群301、および、図7の右下側6個の受光セル41〜46から構成される受光セルアレイD群401を備えている。
【0007】
受光セルは周期的に配置されている。隣接する2つの受光セル間の距離である周期ピッチ61(以下、Pとする場合は周期ピッチを指すものとする。)は、スリット円板5のスリット数により決定される値である。例えば、スリット数を28(=256)個とすると機械角で(360/256)゜となり、その周期ピッチ61の長さは、おおよそ2πR・(256/360)となる。ここにRは円である検出用トラックの半径である。
【0008】
また、α,β,γは適当な任意の整数とし、
A群とB群の位相差(0.25P(距離62))は(90+α×360)゜に、
A群とC群の位相差(0.5P(距離63))は(180+β×360)゜に、
A群とD群の位相差(0.75P(距離62+距離63))は(270+γ×360)゜に、それぞれなるように配置する。
【0009】
図7ではα=β=γ=0の場合について図示されている。
検出用トラック5aのスリット列の1周期ピッチPが電気角360゜に対応する周期信号とし、2つの受光セルの1周期ピッチ61(=P)を電気角で360度とすると、A群101の受光セル16とB群201の受光セル21の距離62を0.25Pとすることにより、A群101とB群201との位相差は、90゜の電気角の位相差に設定されている。
また、A群101の受光セル11とC群301の受光セル31の距離63を0.5Pとすることにより、A群101とC群301との位相差は、180゜の電気角の位相差に設定されている。
また、C群301の受光セル36とD群401の受光セル41の距離62を0.25Pとすることにより、C群301とD群401との位相差は、90゜の電気角の位相差に設定されている。
これからA群101とD群401との位相差は、270゜の電気角の位相差に設定される。
【0010】
図8に、従来の受光セルアレイA群101,B群201,C群301,D群401およびその周辺部品の回路構成図を示す。図8において、A群101,B群201,C群301,D群401のカソード側に電源(Vcc)が接続されており、逆バイアス接続となっている。一方、A群101のアノード側は電流電圧変換用抵抗103およびCPU(Central Processing Unit)1000が内蔵する図示しないA/D変換器(Analog/Digital変換器)に接続されており、電流電圧変換用抵抗103の他端は、グランドに接地されている。なお、受光セルアレイB群201,C群301,D群401についても電流電圧変換用抵抗203,303,403に接続され、受光セルアレイA群101と同様な回路構成になっている。
これら受光セルアレイA群101の各受光セル11〜16,B群201の各受光セル21〜26,C群301の各受光セル31〜36,D群401の各受光セル41〜46は、それぞれ電気的に並列に接続されている。
【0011】
続いて、光学式ロータリエンコーダの動作について説明する。図6(a),(b)に示すようにLED6から発光された照射光がスリット円板5の検出用トラック5aのスリットを透過して受光素子7に到達したとする。
受光素子7は、到達した照射光の光量に比例して光電流信号を出力する。受光素子7からの光電流信号は、図8で示すように電流電圧変換用抵抗103,203,303,403で電圧信号に変換され、CPU1000が内蔵する図示しないA/D変換器によりアナログ信号からディジタル信号に変換された上でCPU1000に取り込まれる。
【0012】
図9にCPU1000に取り込まれる前のアナログ電圧信号を示す。縦軸は、受光素子7からの光電流信号を電流電圧変換用抵抗103,203,303,403で変換した電圧信号を示し、横軸は光学式ロータリエンコーダの回転角度を示す。
なお、A相信号111は受光セルアレイA群101からの光電流信号を電圧信号に変換したものであり、同様に、B相信号211は受光セルアレイB群201からの光電流信号を、C相信号311は受光セルアレイC群301からの光電流信号を、D相信号411は受光セルアレイD群401からの光電流信号を、それぞれ電圧信号に変換したものである。
【0013】
これら受光セルアレイA相信号111、B相信号211、C相信号311およびD相信号411は周期信号であり、その1周期は検出用トラック5aのスリットが1周期ピッチ移動した場合に相当する。A相信号111を基準とし、A相信号111とB相信号211とは90゜の位相差、A相信号111とC相信号311とは180゜の位相差、A相信号111とD相信号411とは270゜の位相差を有しており、誤差等の影響を無視すると原理的には次の数式1のように表すことができる。
【0014】
【数1】
Figure 0004715978
【0015】
IA はA相信号111、IBはB相信号211、IC はC相信号311、IDはD相信号411、XはA,B,C,D相信号の基準オフセット電圧、YはA,B,C,D相信号の信号振幅をそれぞれ示している。
また、θはあるタイミングにおける光学式ロータリエンコーダの回転角θを電気角として示したものであり、電気角θが360゜変化した場合、スリット円板5がスリットの1周期ピッチ分移動した場合に相当する。
【0016】
続いて、光学式ロータリエンコーダのスリット円板5が回転する場合の角度検出原理について説明する。
この光学式ロータリエンコーダは、図9に示されるようなA相信号IA 、B相信号IB 、C相信号IC 、または、D相信号IDを図示しないA/D変換器を介してCPU1000に入力し、ディジタル信号処理により方形波に波形整形することで上位信号となるパルス信号を生成する。このパルス信号は、スリットの有無に応じてHレベルとLレベルが交互に現れる信号である。
【0017】
また、先の上位信号A相信号IA、B相信号IB、C相信号IC 、および、D相信号IDを演算処理し、更に高分解能な下位信号を生成する。生成時にはA相信号IA、B相信号IB、C相信号IC 、および、D相信号IDからオフセット電圧量Xを除去するため、A相信号IAとC相信号ICとの差、および、B相信号IBとD相信号IDとの差を求め、これら差信号の逆正接を計算する。すなわち下位信号は次の数式2のように表される。
【0018】
【数2】
Figure 0004715978
【0019】
このようにして上位信号と下位信号とを求めることができる。これら上位信号と下位信号とを組み合わせることにより高分解能な光学式ロータリエンコーダを実現することが可能となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の光学式ロータリエンコーダから得られるA相信号IA 111、B相信号IB 211、C相信号IC 311、および、D相信号ID 411は、光学式ロータリエンコーダの組立誤差、受光素子の感度のばらつき、LEDの照明むらなどに影響される。
【0021】
例えば、図7において、A群101,B群201,C群301,D群401の中央にLEDがあるべきところ、A群101に近づきD群401から離れるように(図7の矢印605方向)ずれて配置されていた場合、受光セルアレイA群101からの大きい光電流が、受光セルアレイD群401から小さい光電流が出力される。この場合、図9に示すように、A相信号IA 111は、基準オフセット500からオフセットエラー量131だけずれ(総オフセット量130となる。)、また、信号振幅120は大きくなる。
逆に、D群のD相信号ID 411は、基準オフセット500からオフセットエラー量431だけずれ(総オフセット量430となる)、信号振幅420は小さくなる。このような状態は次の数式3のように表される。
【0022】
【数3】
Figure 0004715978
【0023】
ここで、IA,IB,IC,IDは各A相信号111,B相信号211,C相信号311,D相信号411を示し、XはそれぞれA,B,C,D相信号の基準オフセット500,Yは基準信号振幅成分を示す。また、ΔXA131、ΔXD431は、A,D相信号の各オフセットエラーであり、ΔYA、ΔYDは、A,D相信号の信号振幅エラー量である。
【0024】
ここにΔYA、ΔYDは、図9に示すように、B相信号IB 211およびC相信号IC 311にオフセットエラー及び信号振幅エラーが発生しない(すなわち、基準オフセット及び基準信号振幅に変化がない。)場合では、A相の信号振幅エラー量△YAはA相の信号振幅120とC相の信号振幅320との差となり、D相の信号振幅エラー量△YDは、D相の信号振幅420とB相信号振幅220との差になる。
【0025】
さて、以上説明したように光学式ロータリエンコーダの組立誤差、受光素子の感度のばらつき、LEDの照明むらなどの影響により、オフセット電圧にはオフセット電圧誤差ΔXA ,ΔXD が、信号振幅には信号振幅誤差ΔYA ,ΔYD が発生し、これら誤差の影響によりA相信号IA およびD相信号IBが歪む。このため先の数式2で示した下位信号も歪みを生じてしまう。全体として上位信号および下位信号ともに精度が低いものになり、高精度な光学式ロータリエンコーダが得られなかった。
【0026】
上述のような問題点を解決するため、本発明は、組立誤差、受光素子の感度ばらつき、LEDの照明むらなどに影響されて下位信号の電気角に角度誤差が発生する事態を回避し、高精度・高分解能の検出を実現する光学式エンコーダを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光学式エンコーダは、発光素子と、前記発光素子と対向する位置に配置されて前記発光素子からの照射光を受光する受光素子と、前記発光素子からの照射光を透過する複数のスリットを配置して透過と遮光とを行うようにしたスリット列を備える検出用トラックを有するスリット板と、を備える光学式エンコーダであって、
前記受光素子は、前記スリット列と対向する位置に配置され、前記スリット列と同じ周期ピッチで配置された複数個の受光セルを並列に接続したA群,B群,C群,D群,A’群,B’群,C’群,D’群の受光セルアレイを備え、前記A群,B群,C群,D群,A’群,B’群,C’群,D’群の受光セルアレイからそれぞれ出力される光電流信号は、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、前記8群の受光セルアレイのうちA群とB群、B群とC群、C群とD群、および、D群とA群の位相差がそれぞれ電気角90゜+n・360゜(n=0,1,2,・・・)となり、かつ、A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、および、D群とD’群の位相差がそれぞれ電気角m・360゜(m=0,1,2,・・・)となるように前記8群の受光セルアレイが配置され、前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群の各受光セルアレイの出力をそれぞれ加算してオフセット電圧誤差および信号振幅誤差を相殺したA相信号,B相信号,C相信号,D相信号を出力することを特徴とする。
【0028】
また、請求項2記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1に記載の光学式絶対値エンコーダにおいて、
前記1群の受光セルアレイは周期的に配置された複数の受光セルを有し、これら複数の受光セルの周期ピッチは前記スリット板の検出用トラックのスリット列の周期ピッチと同一長とすることを特徴とする。
【0029】
また、請求項3記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群は、前記受光素子内部でそれぞれ電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0030】
また、請求項4記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記受光素子が固定される基板を備え、
前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群は、前記受光素子外部の前記基板上でそれぞれ電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0031】
また、請求項5記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記スリット板は、検出用トラックが略直線状に配置される略長方形状のスリット板であって、
固定されたスリット板に沿って発光素子および受光素子が対向しながらともに直線方向に移動して直線方向の変位量を検出するリニアエンコーダとしたことを特徴とする。
【0032】
また、請求項6記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記スリット板は、検出用トラックが略円状に配置される円板状のスリット板であって、
スリット板を挟んで対向して配置される前記発光素子および受光素子により、回動するスリット板の回転方向の変位量を検出するロータリエンコーダとしたことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学式エンコーダのうち特に光学式ロータリエンコーダの実施形態について説明する。なお、本実施形態の光学式ロータリエンコーダの構成は、従来の受光素子7に代えて受光素子700がプリント基板8に取り付けられている点を除いては従来の光学式ロータリエンコーダと同じである。以下、従来技術と同一の構成要件の説明を省略し、相違点のみ説明する。
【0034】
本実施形態の受光素子700の構成について説明する。図2に本実施形態の受光素子700の構成図を示す。図2中の斜線で示した領域は受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。詳しくは、図2の左側最上段の5個の受光セル11〜15から構成される受光セルアレイA群101、左側2段目の5個の受光セル21〜25から構成される受光セルアレイB群201、左側3段目の5個の受光セル31〜35から構成される受光セルアレイC群301、左側最低段の5個の受光セル41〜45から構成される受光セルアレイD群401、右側3段目の5個の受光セル16〜20から構成される受光セルアレイA’群102、右側最低段の5個の受光セル26〜30から構成される受光セルアレイB’群202、右側最上段の5個の受光セル36〜40から構成される受光セルアレイC’群302、右側2段目の5個の受光セル46〜50から構成される受光セルアレイD’群402を備えている。
これらの受光セルアレイA群101,B群201,C群301,D群401,A’群102,B’群202,C’群302,D’群402の各受光セルは、それぞれ電気的に並列に接続されている。
【0035】
隣接する2つの受光セルの1周期ピッチ61(=P)は、スリット円板5の検出用トラック5aに設けられたスリット数により決定される値である。 また、隣接する2つの受光セル間を1周期ピッチPとすると、距離61はP、距離62は0.25P、距離63は0.5Pの距離となる。
【0036】
このように配置することで、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、
A群とB群との位相差は、(90+α×360)゜に、
A群とC群との位相差は、(180+β×360)゜に、
A群とD群との位相差は、(270+γ×360)゜にそれぞれなる。
ここに、α,β,γは適当な任意の整数である。
本実施形態ではα=β=γ=0としたため、A群とB群との位相差は90゜であり、A群とC群との位相差は180゜であり、A群とD群との位相差は270゜である。
【0037】
同様に、
A’群とB’群との位相差は、(90+α’×360)゜に、
A’群とC’群との位相差は、(180+β’×360)゜に、
A’群とD’群との位相差は、(270+γ’×360)゜にそれぞれなる。
ここに、α’,β’,γ’は適当な任意の整数である。
本実施形態ではα’=β’=γ’=0としたため、A’群とB’群との位相差は90゜であり、A’群とC’群との位相差は180゜であり、A’群とD’群との位相差は270゜である。
【0038】
図2の左側最上段のA群101と、右側最上段のC’群302の位相差が180゜であるので、A群101とA’群102との位相差は電気角で360゜になり、受光素子から得られるA群101及びA’群102の出力信号は、同位相の出力信号を得る。
同様に、B群201及びB’群202、C群301及びC’群302、D群401及びD’群402もそれぞれ同位相の出力信号を得る。
【0039】
図3に、本実施形態の受光セルアレイA群101,B群201,C群301,D群401,A’群102,B’群202,C’群302,D’群402およびその周辺部品の回路構成図を示す。図3において、A群101,B群201,C群301,D群401,A’群102,B’群202,C’群302,D’群402のカソード側に電源(Vcc)が接続されており、逆バイアス接続となっている。
【0040】
A群101およびA’群102のアノード側は電流電圧変換用抵抗103およびCPU1000内のA/D変換器(図示せず)に接続され、電流電圧変換用抵抗103の他端は、グランドに接地されている。以下同様に、B群201およびB’群202が電流電圧変換用抵抗203に接続され、C群301およびC’群302が電流電圧変換用抵抗303に接続され、D群401およびD’群402が電流電圧変換用抵抗403に接続されている。これらはA群101およびA’群102と同様な回路構成になっている。
【0041】
続いて、光学式ロータリエンコーダの動作について説明する。図1(a),(b)に示すようにLED6から発光された照射光がスリット円板5の検出用トラック5aのスリットを透過して受光素子700に到達したとする。
受光素子700は、到達した照射光の光量に比例して光電流信号を出力する。
【0042】
例えば、図2においてB群201,D’群402,C群301,A’群102のほぼ中央にLEDがあるべきところ、A群101およびB群201に近づきA’群102およびB’群202から離れる(図2の矢印605の方向)ようにずれて配置されていた場合、受光セルA群101およびB群201から大きい光電流が、受光セルA’群102およびB’群202から小さい光電流が出力される。
【0043】
この場合、先行技術のように受光セルアレイA群101,B群201,C群301,D群401,A’群102,B’群202,C’群302,D’群402からは単独では図4に示すような信号を出力する。図4に示すように、A相信号IA 111およびB相信号IB 211は、基準オフセット500からさらにオフセットエラー量のずれを生じ(総オフセット量131となる。)、かつA相の信号振幅121およびB相の信号振幅221は大きくなる。
逆に、A’相信号IA' 122およびB’相信号IB' 222は、基準オフセット500からオフセットエラー量のずれを生じ(総オフセット量132となる)、かつA’相の信号振幅122およびB’相の信号振幅222は小さくなる。これは次の数式4で表される。
【0044】
【数4】
Figure 0004715978
【0045】
この数式4からも明らかなように、受光セルアレイA群101の出力A相信号111とA’群102の出力A’相信号112を平均化するとA相のオフセット電圧誤差ΔXA およびA’相のオフセット電圧誤差ΔXA’が相殺してオフセット電圧誤差を低減する。
同様に、A相の信号振幅誤差ΔYA およびA’相の信号振幅誤差ΔYA’が相殺して信号振幅誤差を低減する。
これらは受光セルアレイB群201の出力A相信号211とB’群202の出力B’相信号212でも同様である。
【0046】
このようなオフセット電圧誤差および信号振幅誤差の相殺を実現するため、図3で示すようにA群101の出力とA’群102の出力とが加算された後に、CPU1000へ出力される。同様にB群201の出力とB’群202の出力とが、C群301の出力とC’群302の出力とが、および、D群401の出力とD’群402の出力とが加算されたのちにCPU1000へ出力される。
【0047】
このような平均化処理により、図5に示すようなオフセット電圧誤差及び信号振幅誤差が平均化されて歪みの少ない4個の90゜位相差の出力信号を得ることが出来る。これら平均化処理されたA相信号113,B相信号213,C相信号313,およびD相信号413は、それぞれ振幅およびオフセット量が一致したものとなる。
【0048】
なお、本明細書では、B群201,D’群402,C群301,A’群102の中央にLEDがあるべきところ、A群101およびB群201に近づきA’群102およびB’群202から離れるようにずれた場合を想定して説明した。しかしながら、これ以外の方向へずれたとしても、先に説明したのと同様な平均化作用が働いて、オフセット誤差及び振幅誤差が平均化された歪みの少ない4個の90゜位相差の出力信号を得ることが出来る。
【0049】
このようにCPU1000には平均化処理されたA相信号IA 、B相信号IB、C相信号IC、または、D相信号IDが、図示しないA/D変換器を介して入力される。そして、上述の数式2に代入して先の上位信号より高分解能な下位信号である電気角θが生成される。
平均化処理により精度の高い上位信号と、この精度の高い上位信号から生成される同じく精度の高い下位信号とを組み合わせることにより高分解能な変位量を検出できる光学式ロータリエンコーダを実現することが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態では、受光セルアレイA群101とA’群102とが、B群201とB’群202とが、C群301とC’群302とが、D群401とD’群402とが、図3で示すように、受光素子700の外部で接続されているものであるが、受光素子700の内部でこれらが予め接続されているような受光素子とすれば、プリント基板8上の配線を省くことができ、プリント基板8の小型化・低コスト化、ひいては光学式ロータリエンコーダ全体の小型化を実現することが可能となる。
【0051】
以上、本実施形態の光学式ロータリエンコーダはCPU1000が上位信号と下位信号を算出し、これらを用いることで高分解能に位置を割り出してそれに対応する信号を出力することができる。
また、CPU1000は、上位信号または下位信号を単独に出力するようにしても良い。これら出力は、要求に応じて適宜選択が可能である。
【0052】
また、図示しないものの、CPU1000がA/D変換器を内蔵しないような形式であっても、CPU1000の前段にコンパレータをA群,B群,C群,D群用にそれぞれ配置して対応することもできる。コンパレータの有無は実際のCPU1000の実状に応じて適宜設計される。
【0053】
なお、本実施形態では光学式ロータリエンコーダについて説明した。しかしながら、本発明は光学式ロータリエンコーダに限定するものではなく、電気角を検出するようにした光学式リニアエンコーダにも適用できる。光学式ロータリエンコーダがスリット円板を回転させるのに対し、光学式リニアエンコーダは発光素子と受光素子を一体に取り付けた検出部を移動させる点で相違するものの下位信号は電気角θを用いるなどその原理は同じである。本発明を適用した光学式リニアエンコーダでも高分解能化を実現できる。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、組立誤差、受光素子の感度ばらつき、LEDの照明むらなどに影響されて下位信号の電気角に角度誤差が発生する事態を回避し、高精度・高分解能の検出を実現する光学式エンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの構成図である。
【図2】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光素子の構成図である。
【図3】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイのA群,B群,C群,D群,A’群,B’群,C’群,D’群およびその周辺部品の回路構成図である。
【図4】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイ各群から単独で出力された場合のアナログ電圧信号である。
【図5】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイの各群の出力を用いれ平均化の後に出力された場合のアナログ電圧信号である。
【図6】従来の光学式ロータリエンコーダの構成図である。
【図7】従来の光学式ロータリエンコーダの受光素子の構成図である。
【図8】従来の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイのA群,B群およびその周辺部品の回路構成図である。
【図9】従来の光学式ロータリエンコーダのCPUに取り込まれる前のアナログ電圧信号である。
【符号の説明】
1 エンコーダケース
2 ベアリング
3 ベアリング
4 中空軸
5 スリット円板
5a 検出用トラック
6 LED
700 受光素子
8 プリント基板
101 受光セルアレイA群
201 受光セルアレイB群
301 受光セルアレイC群
401 受光セルアレイD群
102 受光セルアレイA’群
202 受光セルアレイB’群
302 受光セルアレイC’群
402 受光セルアレイD’群
11〜15 受光セル(A群)
21〜25 受光セル(B群)
31〜35 受光セル(C群)
41〜45 受光セル(D群)
16〜20 受光セル(A’群)
26〜30 受光セル(B’群)
36〜40 受光セル(C’群)
46〜50 受光セル(D’群)
61 セル間の周期ピッチP
62 距離(=0.25)
63 距離(=0.5P)
103,203,303,403 電流電圧変換用抵抗
1000 CPU
111 A相信号
211 B相信号
311 C相信号
411 D相信号
112 A’相信号
212 B’相信号
312 C’相信号
412 D’相信号
121 A相の信号振幅
221 B相の信号振幅
122 A’相の信号振幅
222 B’相の信号振幅
131 オフセットエラー量
132 オフセットエラー量
500 基準オフセット量
113 平均化処理されたA相信号
213 平均化処理されたB相信号
313 平均化処理されたC相信号
413 平均化処理されたD相信号

Claims (6)

  1. 発光素子と、前記発光素子と対向する位置に配置されて前記発光素子からの照射光を受光する受光素子と、前記発光素子からの照射光を透過する複数のスリットを配置して透過と遮光とを行うようにしたスリット列を備える検出用トラックを有するスリット板と、を備える光学式エンコーダであって、
    前記受光素子は、前記スリット列と対向する位置に配置され、前記スリット列と同じ周期ピッチで配置された複数個の受光セルを並列に接続したA群,B群,C群,D群,A’群,B’群,C’群,D’群の受光セルアレイを備え、
    前記A群,B群,C群,D群,A’群,B’群,C’群,D’群の受光セルアレイからそれぞれ出力される光電流信号は、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、
    前記8群の受光セルアレイのうちA群とB群、B群とC群、C群とD群、および、D群とA群の位相差がそれぞれ電気角90゜+n・360゜(n=0,1,2,・・・)となり、かつ、A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、および、D群とD’群の位相差がそれぞれ電気角m・360゜(m=0,1,2,・・・)となるように前記8群の受光セルアレイが配置され
    前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群の各受光セルアレイの出力をそれぞれ加算してオフセット電圧誤差および信号振幅誤差を相殺したA相信号,B相信号,C相信号,D相信号を出力することを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 請求項1に記載の光学式絶対値エンコーダにおいて、
    前記1群の受光セルアレイは周期的に配置された複数の受光セルを有し、これら複数の受光セルの周期ピッチは前記スリット板の検出用トラックのスリット列の周期ピッチと同一長とすることを特徴とする光学式エンコーダ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群は、前記受光素子内部でそれぞれ電気的に並列に接続されていることを特徴とする光学式エンコーダ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記受光素子が固定される基板を備え、前記A群とA’群、B群とB’群、C群とC’群、およびD群とD’群は、前記受光素子外部の前記基板上でそれぞれ電気的に並列に接続されていることを特徴とする光学式エンコーダ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記スリット板は、検出用トラックが略直線状に配置される略長方形状のスリット板であって、固定されたスリット板に沿って発光素子および受光素子が対向しながらともに直線方向に移動して直線方向の変位量を検出するリニアエンコーダとしたことを特徴とする光学式エンコーダ。
  6. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記スリット板は、検出用トラックが略円状に配置される円板状のスリット板であって、スリット板を挟んで対向して配置される前記発光素子および受光素子により、回動するスリット板の回転方向の変位量を検出するロータリエンコーダとしたことを特徴とする光学式エンコーダ。
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