JP3693095B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転方向や直線方向の変移量を計測するための光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来技術の一例として光学式ロータリエンコーダについて概略説明する。図4は、光学式ロータリエンコーダの構成図であり、図4(a)はその断面構成図、図4(b)は、スリット円板の平面図である。この光学式ロータリエンコーダは、エンコーダケース1、ベアリング2,3、中空軸4、スリット円板5、LED(Light Emitting Diode)6、受光素子7、プリント基板8を備えている。
【0003】
エンコーダケース1には、ベアリング2,3を介して中空軸4が回動自在となるように取り付けられている。この中空軸4には、スリット円板5が取り付けられている。このスリット円板5には、複数スリットの列をトラック状に配置した検出用トラック5aが設けられており、スリットの有無により光を透過・遮光する。
なお、本明細書中でスリットとは、図4(a)で示す貫通孔や、また、図示しないものの透明なスリット円板に明暗格子状に印刷したパターンの透過部分などを指すものとする。
【0004】
このスリット円板5の検出用トラック5aを挟んで対向する位置にLED6と受光素子7が配置される。LED6は、エンコーダケース1の内部に配置され、図示しない電源線を介してプリント基板8から給電されて照射光を常時発光する。
また、受光素子7は、エンコーダケース1に取り付けられたプリント基板8上に配置・固定されている。
【0005】
図5に従来の受光素子7の構成図を示す。位置関係を明確にするため図4と図5とで共通の矢印201,202,203,204を用いて説明する。図4,図5の下方向はロータリエンコーダの中心方向201であり、上方向は外周方向202である。また、左右方向は円周方向203,204となる。
【0006】
次に、受光素子7の構成について説明する。図5中の斜線で示した領域は、光を感じる受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。受光素子7は、図5の左側6個の受光セル11〜16から構成される受光セルアレイA群18、および、図5の右側6個の受光セル21〜26から構成される受光セルアレイB群28を備えている。これらA群18の各受光セル11〜16およびB群28の各受光セル21〜26は、それぞれ電気的に並列に接続されている。
【0007】
受光セルは周期的に配置されている。隣接する2つの受光セル間の距離である周期ピッチ51(以下、Pとする場合は周期ピッチを指すものとする。)は、スリット円板5のスリット数により決定される値である。例えば、スリット数を28(=256)個とすると機械角で(360/256)゜となり、そのピッチ51の長さは、おおよそ2πR・(256/360)となる。ここにRは円である検出用トラックの半径である。
また、2つの受光セルの1周期ピッチ51を電気角で360度とすると、A群18の受光セル16とB群28の受光セル21の距離52を0.25Pとすることにより、A群18とB群28との位相差は、90゜もしくは270゜の電気角の位相差に設定される。
【0008】
図6に、従来の受光セルアレイのA群18,B群28およびその周辺部品の回路構成図を示す。図6において、A群18,B群28のカソード側に電源(Vcc)が接続されており、逆バイアス接続となっている。一方、A群18のアノード側は電流電圧変換用抵抗19およびCPU(Central Processing Unit)100が内蔵する図示しないA/D変換器(Analog/Digital変換器)に接続されており、電流電圧変換用抵抗19の他端は、グランドに接地されている。なお、B群28についても電流電圧変換用抵抗29に接続され、以下、A群18と同様な回路構成になっている。
【0009】
続いて、光学式ロータリエンコーダの動作について説明する。図4(a),(b)に示すようにLED6から発光された照射光がスリット円板5の検出用トラック5aのスリットを透過して受光素子7に到達したとする。
受光素子7は、到達した照射光の光量に比例して光電流信号を出力する。受光素子7からの光電流信号は、図6で示すように電流電圧変換用抵抗19,29で電圧信号に変換され、CPU100が内蔵する図示しないA/D変換器によりアナログ信号からディジタル信号に変換された上でCPU100に取り込まれる。
【0010】
図7にCPU100に取り込まれる前のアナログ電圧信号を示す。縦軸は、受光素子7からの光電流信号を電流電圧変換用抵抗19,29で変換した電圧信号を示し、横軸は光学式ロータリエンコーダの回転方向を示す。
また、A相信号181は受光セルアレイのA群18からの光電流信号を電圧信号に変換したものであり、同様に、B相信号281は受光セルアレイのB群28からの光電流信号を電圧信号に変換したものである。
【0011】
これらA相信号181およびB相信号281は周期信号であり、その1周期は検出用トラック5aのスリットが1周期ピッチ移動した場合に相当する。A相信号181とB相信号281とは90゜もしくは270゜の位相差を有しており、次式のように表すことができる。
【0012】
【数3】
Figure 0003693095
【0013】
AはA相信号、IBはB相信号、XはA相信号およびB相信号のオフセット電圧、YはA相信号およびB相信号の信号振幅をそれぞれ示している。
また、θはあるタイミングにおける光学式ロータリエンコーダの回転角θを電気角として示したものであり、電気角θが360゜変化した場合、スリット円板5がスリットの1周期ピッチ分移動した場合に相当する。
【0014】
続いて、光学式ロータリエンコーダのスリット円板5が1周(機械角で360゜)回転する場合の角度検出原理について説明する。
この光学式ロータリエンコーダは、図7に示されるA相信号IA、または、B相信号IBを図示しないA/D変換器を介してCPU100に入力してディジタル信号処理により方形波に波形整形することでパルス信号を上位信号として生成する。
このパルス信号は、スリットの有無に応じてHレベルとLレベルが交互に現れる信号である。
【0015】
また、先の上位信号より更に高分解能な下位信号をA相信号IAおよびB相信号IBを演算処理して生成する。
具体的には、図7で示すようにA相信号IAおよびB相信号IBからオフセット電圧量X94を除去した信号I'A,I'Bを作り、この信号比の逆正接を計算する。すなわち下位信号は次式のように表される。
【0016】
【数4】
Figure 0003693095
【0017】
このようにして上位信号と下位信号とを求めることができる。これら上位信号と下位信号とを組み合わせることにより高分解能な光学式ロータリエンコーダを実現することが可能となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の光学式ロータリエンコーダから得られるA相信号IAおよびB相信号IBは、光学式ロータリエンコーダの組立誤差、受光素子の感度のばらつき、LEDの照明むらなどに影響される。この影響のためオフセット電圧にはオフセット電圧誤差ΔXA,ΔXBが、信号振幅には信号振幅誤差ΔYA,ΔYBが、および位相には位相誤差ΔθA,ΔθBが発生し、これら誤差の影響によりA相信号IAおよびB相信号IBの波形が次式のように歪む。
【0019】
【数5】
Figure 0003693095
【0020】
これらのIAreal,IBrealのように波形が歪む場合、下位信号である回転角には次式に示すように角度誤差Δθが発生する。
【0021】
【数6】
Figure 0003693095
【0022】
この角度誤差Δθが大きくなると、光学式ロータリエンコーダの角度検出精度が悪化し、所定の精度を得ることが困難になるという問題点がある。
【0023】
上述のような問題点を解決するため、本発明は、組立誤差、受光素子の感度ばらつき、LEDの照明むらなどに影響されて下位信号の電気角に角度誤差が発生する事態を回避し、高精度・高分解能の検出を実現する光学式エンコーダを提供することを目的とする。
【0024】
【解決を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光学式エンコーダによれば、
発光素子と、
前記発光素子からの照射光を透過および遮光するためのスリット列からなる検出用トラックを有するスリット板と、
前記発光素子と対向する位置に配置されて前記発光素子からの照射光を受光する複数の受光セルが周期的に配置され、その周期ピッチは前記スリット板の検出用トラックのスリット列の周期ピッチと同一長である一群の受光セルアレイが、2次元平面上で略直交する不感帯によりA群,B群,C群およびD群の4群形成され、これらA〜D群の受光セルアレイからそれぞれ出力される光電流信号は、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、かつ、前記4群の受光セルアレイのA群とB群、B群とC群、C群とD群、および、D群とA群の位相差がそれぞれ電気角90゜となるように前記4群の受光セルアレイを配置する受光素子と、
前記4群の受光セルアレイから出力された周期信号I A ,I B ,I C ,I D を用いて検出用トラックのスリット列の1周期ピッチ内の電気角θを算出する中央処理演算部と、
を備え、
前記中央処理演算部は、周期信号I A ,I B ,I C ,I D を、前記数式1(但し、m、n、pは定数であり、定数が(m−n)/2 の条件を満たす)に代入して電気角θを算出する手段を備えることを特徴とする。
【0025】
また、請求項2記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記定数は、好ましくはm=3,n=1,p=1であることを特徴とする。
【0026】
また、請求項3記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記スリット板は、検出用トラックが略直線状に配置される略長方形状のスリット板であって、
固定されたスリット板に沿って発光素子および受光素子が対向しながらともに直線方向に移動して直線方向の変移量を検出するリニアエンコーダとしたことを特徴とする。
【0027】
また、請求項4記載の光学式エンコーダによれば、
請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記スリット板は、検出用トラックが略円状に配置される円板状のスリット板であって、
スリット板を挟んで対向して配置される前記発光素子および受光素子により、回動するスリット板の回転方向の変移量を検出するロータリエンコーダとしたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学式エンコーダのうち特に光学式ロータリエンコーダの実施形態について説明する。なお、本実施形態の光学式ロータリエンコーダの構成は、従来の受光素子7に代えて受光素子700がプリント基板8に取り付けられている点を除いては従来の光学式ロータリエンコーダと同じである。以下、従来技術と同一の構成要件の説明を省略し、相違点のみ説明する。
【0033】
本実施形態の受光素子700の構成について説明する。図1に本実施形態の受光素子700の構成図を示す。図1中の斜線で示した領域は受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。この不感帯は少なくとも略十字状の不感帯があって、受光セルアレイ群をA,B,C,Dの4領域に分割している。詳しくは、図1の左下側6個の受光セル11〜16から構成される受光セルアレイA群18、および、図1の右下側6個の受光セル21〜26から構成される受光セルアレイB群28、 図1の左上側6個の受光セル31〜36から構成される受光セルアレイC群38、および、図1の右上側6個の受光セル41〜46から構成される受光セルアレイD群48とに分割される。これらA群18,B群28,C群38およびD群48の各受光セルは、それぞれ電気的に並列に接続されている。
【0034】
隣接する2つの受光セルの1周期ピッチ51(=P)は、スリット円板5の検出用トラック5aに設けられたスリット数により決定される値である。 また、隣接する2つの受光セル間を1周期ピッチPとすると、51はP、52は0.25P、53は0.5P、54は1.25Pの距離となる。
【0035】
このように配置することで、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、
A群とB群との位相差は、(90+α×360)゜に、
A群とC群との位相差は、(180+β×360)゜に、
A群とD群との位相差は、(270+γ×360)゜にそれぞれなる。
ここに、α,β,γは適当な任意の整数である。
本実施形態ではA群とB群との位相差は90゜であり、A群とC群との位相差は180゜であり、A群とD群との位相差は270゜である。
【0036】
図2に、本実施形態の受光セルアレイのA群18,B群28,C群38,D群48およびその周辺部品の回路構成図を示す。図2において、A群18,B群28,C群38,D群48のカソード側に電源(Vcc)が接続されており、逆バイアス接続となっている。
一方、A群18のアノード側は電流電圧変換用抵抗19およびCPU)100内のA/D変換器(図示せず)に接続され、電流電圧変換用抵抗19の他端は、グランドに接地されている。以下同様に、B群28が電流電圧変換用抵抗29に接続され、C群38が電流電圧変換用抵抗39に接続され、D群48が電流電圧変換用抵抗49に接続されている。これらはA群18と同様な回路構成になっている。
【0037】
続いて、光学式ロータリエンコーダの動作について説明する。図4(a),(b)に示すようにLED6から発光された照射光がスリット円板5の検出用トラック5aのスリットを透過して受光素子700に到達したとする。
受光素子700は、到達した照射光の光量に比例して光電流信号を出力する。受光素子7からの光電流信号は、図2で示すように電流電圧変換用抵抗19,29,39,49で電圧信号に変換され、CPU100が内蔵する図示しないA/D変換器によりアナログ信号からディジタル信号に変換された上でCPU100に取り込まれる。
【0038】
図3にCPU100に取り込まれる前のアナログ電圧信号を示す。縦軸は、受光素子7からの光電流信号を電流電圧変換用抵抗19,29,39,49で変換した電圧信号を示し、横軸は光学式ロータリエンコーダの回転方向を示す。
また、A相信号181は受光セルアレイのA群18からの光電流信号を電圧信号に変換したものであり、以下同様に、B相信号281はB群28の光電流信号に対応する電圧信号に、C相信号381はC群38の光電流信号に対応する電圧信号に、D相信号481はD群48の光電流信号に対応する電圧信号に、それぞれ変換したものである。
【0039】
これらA相信号181,B相信号281,C相信号381,D相信号481の1周期(電気角=360゜)は、スリット円板の検出用トラックにおける隣接する2つのスリットの1周期ピッチの移動量に相当する。また、A相信号181,B相信号281,C相信号381,D相信号481は先に説明したよう位相差を有しており、次式のように表すことができる。
【0040】
【数7】
Figure 0003693095
【0041】
ここにIAはA相信号、IBはB相信号、ICはC相信号、IDはD相信号、XはA相信号,B相信号,C相信号,D相信号のオフセット電圧量、YはA相信号,B相信号,C相信号,D相信号の信号振幅、ΔXA,ΔXB,ΔXC,ΔXDはオフセット電圧量誤差、ΔYA,ΔYB,ΔYC,ΔYDは信号振幅誤差、ΔθA,ΔθB,ΔθC,ΔθDは位相誤差である。
θはあるタイミングにおける光学式ロータリエンコーダの回転角θを電気角により示したものであり、θが360゜変化した場合、スリット円板がスリットの1周期ピッチ分移動した場合に相当する。このθは1周期ピッチよりさらに小さい分割単位の下位信号となる。
【0042】
続いて、光学式ロータリエンコーダのスリット円板が1周(機械角で360゜)回転する場合の角度検出原理について説明する。
この光学式ロータリエンコーダは、先のCPU100の信号処理により上位信号を生成する。
具体的には、図3に示されるA相信号IA、B相信号IB、C相信号IC、または、D相信号IDを図示しないA/D変換器を介してCPU100に入力してディジタル信号処理により方形波に波形整形することでパルス信号とする。
このパルス信号は、スリットの有無に応じてHレベルとLレベルが交互に現れる信号である。
【0043】
また、A相信号IA、B相信号IB、C相信号IC、または、D相信号IDをCPU100が演算処理し、先の上位信号より更に高分解能とした下位信号を生成する。
具体的には数式1に代入することとなるが、まず、この数式1の導出原理について説明する。
まず、A相信号IAおよびB相信号IB信号からオフセット電圧量X94を除去した信号I'A,I'Bを作り、この信号比の逆正接を計算する。下位信号は次式のように表される。
【0044】
【数8】
Figure 0003693095
【0045】
数式8は次式のように変形できる。
【0046】
【数9】
Figure 0003693095
【0047】
また、信号I'A,I'Bは次式のように表される。
【0048】
【数10】
Figure 0003693095
【0049】
数式10の信号I'A,I'Bを数式9に代入すると次式のように表される。
【0050】
【数11】
Figure 0003693095
【0051】
続いて数式11を次式のように操作する。
【0052】
【数12】
Figure 0003693095
【0053】
ここに三角関数の公式を示す。
【0054】
【数13】
Figure 0003693095
【0055】
数式13を用いて数式12を操作すると、次式のように変換される。
【0056】
【数14】
Figure 0003693095
【0057】
ここで分母と分子を次式に示すような変数M,Nに変換する。
【0058】
【数15】
Figure 0003693095
【0059】
すると数式14は、次式のように表される。
【0060】
【数16】
Figure 0003693095
【0061】
一方、A群,B群,C群およびD群の各受光セルアレイから得られる光電流信号は数式7を各々変形した次式で表される。
【0062】
【数17】
Figure 0003693095
【0063】
続いて、A群,B群,C群及びD群の各受光セルアレイから出力される光電流信号に含まれる誤差成分を平均化する。数式17を用いて次式のように変形する。
【0064】
【数18】
Figure 0003693095
【0065】
このようにして求めたM1およびM2を用いて次式のように和を求める。
【0066】
【数19】
Figure 0003693095
【0067】
ここでΔXA,ΔXB,ΔXC,ΔXDの誤差は、お互いに相殺することによりオフセット電圧誤差を低減する。また、ΔXとX、ΔYとY、Δθとθは、誤差が充分に小さいため、次式に示すような関係にある。
【0068】
【数20】
Figure 0003693095
【0069】
このためM1≒M2と表すことができ、次式のように表せる。
【0070】
【数21】
Figure 0003693095
【0071】
続いて、数式18,19と同様に、数式17を用いて次式のように変形する。
【0072】
【数22】
Figure 0003693095
【0073】
このようにして求めたN1およびN2を用いて次式のように和を求める。
【0074】
【数23】
Figure 0003693095
【0075】
ここでΔXA,ΔXB,ΔXC,ΔXDの誤差は、お互いに相殺することによりオフセット電圧誤差を低減する。また、ΔXとX、ΔYとY、Δθとθは、誤差が充分に小さいため、N1≒−(−N2)となるので次式のように表せる。
【0076】
【数24】
Figure 0003693095
【0077】
数式21および数式24を数式16に代入すると、次式のように展開できる。
【0078】
【数25】
Figure 0003693095
【0079】
よって、下位信号となる電気角θは次式のように表される。
【0080】
【数26】
Figure 0003693095
【0081】
CPU100は、図示しないA/D変換器を介して入力されたA相信号IA、B相信号IB、C相信号IC、または、D相信号IDを数式26に代入し、先の上位信号より更に高分解能な下位信号である電気角θを生成する。
本実施形態ではこのようにして上位信号と下位信号とを求めることができる。これら上位信号と下位信号とを組み合わせることにより高分解能な変位量を検出できる光学式ロータリエンコーダを実現することが可能となる。
【0082】
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では演算処理内容を変えて誤差成分の平均化を行うものである。まず、第1実施形態で説明した数式16を次式のように変形する。
【0083】
【数27】
Figure 0003693095
【0084】
さらに、数式27の分子の右側と左側をそれぞれ次式のように変形する。
【0085】
【数28】
Figure 0003693095
【0086】
数式28から数式27は次式のように変形される。
【0087】
【数29】
Figure 0003693095
【0088】
数式18で求めたM1,M2を、また、数式24で求めたNを数式29に代入すると次式のように変形される。
【0089】
【数30】
Figure 0003693095
【0090】
よって、電気角θは次式のように表される。
【0091】
【数31】
Figure 0003693095
【0092】
数式27,28におけるこのような分割方法を一般式に変更すると次式のようになる。
【0093】
【数32】
Figure 0003693095
【0094】
ここにm,n,pは次式のような関係を満たす。
【0095】
【数33】
Figure 0003693095
【0096】
ここに第2実施形態では、m=3,n=1,p=1として計算している。これらm,n,pは設計者が光学式ロータリエンコーダの要求精度とCPU100の処理能力等を勘案して任意に設定することが可能である。
このようにCPU100は、図示しないA/D変換器を介して入力されたA相信号IA、B相信号IB、C相信号IC、または、D相信号IDを数式32に代入して先の上位信号より更に高分解能な下位信号である電気角θを生成するものである。
本実施形態ではこれら上位信号と下位信号とを組み合わせることにより高分解能な変位量を検出できる光学式ロータリエンコーダを実現することが可能となる。
【0097】
以上、第1,第2実施形態の光学式ロータリエンコーダはCPU100が上位信号と下位信号を算出し、これらを用いることで高分解能に位置を割り出してそれに対応する信号出力することができる。
また、CPU100は、上位信号または下位信号を単独に出力するようにしても良い。これら出力は、要求に応じて適宜選択が可能である。
【0098】
また、図示しないものの、CPU100がA/D変換器を内蔵しないような形式であっても、CPU100の前段にコンパレータをA群,B群,C群,D群用にそれぞれ配置して対応することもできる。コンパレータの有無はCPU100に応じて適宜設計される。
【0099】
なお、第1、第2実施形態では光学式ロータリエンコーダについて説明した。しかしながら、本発明は光学式ロータリエンコーダに限定するものではなく、電気角を検出するようにした光学式リニアエンコーダにも適用できる。光学式ロータリエンコーダがスリット円板を回転させるのに対し、光学式リニアエンコーダは発光素子と受光素子を一体に取り付けた検出部を移動させる点で相違するものの下位信号は電気角θを用いるなどその原理は同じである。本発明を適用した光学式リニアエンコーダでも高分解能化を実現できる。
【0100】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、組立誤差、受光素子の感度ばらつき、LEDの照明むらなどに影響されて下位信号の電気角に角度誤差が発生する事態を回避し、高精度・高分解能の検出を実現する光学式エンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光素子の構成図である。
【図2】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイのA群,B群,C群,D群およびその周辺部品の回路構成図である。
【図3】本発明の実施形態の光学式ロータリエンコーダのCPUに取り込まれる前のアナログ電圧信号である。
【図4】光学式ロータリエンコーダの構成図である。
【図5】従来の光学式ロータリエンコーダの受光素子の構成図である。
【図6】従来の光学式ロータリエンコーダの受光セルアレイのA群,B群およびその周辺部品の回路構成図である。
【図7】従来の光学式ロータリエンコーダのCPUに取り込まれる前のアナログ電圧信号である。
【符号の説明】
1 エンコーダケース
2 ベアリング
3 ベアリング
4 中空軸
5 スリット円板
5a 検出用トラック
6 LED
700 受光素子
8 プリント基板
18 受光セルアレイA
28 受光セルアレイB
38 受光セルアレイC
48 受光セルアレイD
11〜16 受光セル
21〜26 受光セル
31〜36 受光セル
41〜46 受光セル
51 セル間のピッチP
52 0.25P
53 0.5P
54 1.25P
19,29,39,49 電流電圧変換用抵抗
90 A相とB相の位相差
91 A相の振幅
92 B相の振幅
93 オフセット電圧誤差量
94 オフセット電圧量
95 B相の1周期長
181 A相信号
281 B相信号
381 C相信号
481 D相信号

Claims (4)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子からの照射光を透過および遮光するためのスリット列からなる検出用トラックを有するスリット板と、
    前記発光素子と対向する位置に配置されて前記発光素子からの照射光を受光する複数の受光セルが周期的に配置され、その周期ピッチは前記スリット板の検出用トラックのスリット列の周期ピッチと同一長である一群の受光セルアレイが、2次元平面上で略直交する不感帯によりA群,B群,C群およびD群の4群形成され、これらA〜D群の受光セルアレイからそれぞれ出力される光電流信号は、検出用トラックのスリット列の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、かつ、前記4群の受光セルアレイのA群とB群、B群とC群、C群とD群、および、D群とA群の位相差がそれぞれ電気角90゜となるように前記4群の受光セルアレイを配置する受光素子と、
    前記4群の受光セルアレイから出力された周期信号I A ,I B ,I C ,I D を用いて検出用トラックのスリット列の1周期ピッチ内の電気角θを算出する中央処理演算部と、
    を備え、
    前記中央処理演算部は、周期信号I A ,I B ,I C ,I D を、
    Figure 0003693095
    (但し、m、n、pは定数であり、定数が(m−n)/2 の条件を満たす)に代入して電気角θを算出する手段を備えることを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 請求項1に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記定数は、好ましくはm=3,n=1,p=1であることを特徴とする光学式エンコーダ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記スリット板は、検出用トラックが略直線状に配置される略長方形状のスリット板であって、
    固定されたスリット板に沿って発光素子および受光素子が対向しながらともに直線方向に移動して直線方向の変移量を検出するリニアエンコーダとしたことを特徴とする光学式エンコーダ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
    前記スリット板は、検出用トラックが略円状に配置される円板状のスリット板であって、
    スリット板を挟んで対向して配置される前記発光素子および受光素子により、回動するスリット板の回転方向の変移量を検出するロータリエンコーダとしたことを特徴とする光学式エンコーダ。
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