JP4715754B2 - 走行制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記問題点を解決するために、走行モードの切り替え時に、ドライバに不安感や違和感を与えてしまう可能性を低減した走行制御装置を提供することを目的とする。
また、請求項3に記載のように、走行モード切替手段は、先行車加速度が非負であり、且つ相対速度が設定速度以上である状態が予め設定された設定時間以上継続することを第2切替条件として、この第2切替条件を満たす場合に、追従モードから加速モードへの切り替えを行なうようにしてもよい。
図1は、本発明が適用された走行制御装置の構成を示したブロック図である。
<走行制御装置の構成>
図1に示すように、走行制御装置は、本発明の主要部となる車間距離制御用電子制御装置(以下「車間制御ECU」という)2を備えている。
次に、車間制御ECU2が実行する車間距離制御処理を、図2に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、本車間距離制御処理は、クルーズセットスイッチの操作が検知されると、以後、キャンセルスイッチの操作が検知されるまでの間、予め設定された周期T(以下単位[s])毎に繰り返し起動される。
続くS140では、車間クルーズのために設けられた複数の走行モード(後述する)のうち、どの走行モードで制御を実行するかの判定を行なう走行モード判定処理を実行する。
最後にS160では、先のS150にて算出された目標加速度を、エンジンECU3とブレーキECU4に送信し、本車間距離制御処理を終了する。
次に、先のS140にて実行する走行モード判定処理を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、走行モードは、具体的には、加速モード,減速モード,追従モードからなる三つのモードが用意されており、車間クルーズの開始時には、追従モードに初期設定されるものとする。
そして、現在の走行モードの設定が加速モードであれば、S220に移行して、走行モードの設定を、加速モードから追従モードに切り替えるか否かの判定を行なう加速モード切替判定処理を実行する。同様に、減速モードであれば、S230に移行して、走行モードの設定を、減速モードから追従モードに切り替えるか否かの判定を行なう減速モード切替判定処理を実行し、追従モードであれば、S240に移行して、走行モードの設定を、追従モードから加速モード又は減速モードに切り替えるか否かの判定を行なう追従モード切替判定処理を実行する。
次に、先のS220にて実行する加速モード切替判定処理を、図4に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、加速モード切替判定処理,減速モード切替判定処理,追従モード切替判定処理では、これらの処理によってカウント値Cが更新されるカウンタ(以下「継続状態カウンタ」という)が用いられ、車間クルーズの起動時にそのカウント値は1に初期設定されるものとする。
ここでカウント値Cが4以上であると肯定判断された場合、若しくは先のS310で先行車加速度αfが−0.05以下であると肯定判断された場合、S350に移行して、走行モードの設定を、加速モードから追従モードに切り替える。
これに続いて、若しくは先のS340でカウント値Cが4以上でないと否定判断された場合、S370に移行する。
なお、(3)式においてSign(A)は、Aが正であれば+1、Aが負であれば−1となる関数であり、従って、相対速度Vrが閾値である−2.5より大きい場合は+1、相対速度Vrが閾値である−2.5より小さい場合は−1となる。また、B(k−1)は、前周期で求められたBkカウンタの演算値であり、演算値B(k)の上限値は0である。更に、車間クルーズの起動時に、演算値B(k)は、0に初期化されるものとする。
次に、先のS230にて実行する減速モード切替判定処理を、図5に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
また、先のS440にて、カウント値Cが4以上でない(即ち、カウント値Cが4未満)と否定判断された場合も、そのまま本減速モード切替判定処理を終了する。
次に、先のS240にて実行する追従モード切替判定処理を、追従モードから加速モードへの切り替えを判定する処理と、追従モードから減速モードへの切り替えを判定する処理とに分けて、図6に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
まずS511では、先のS130にて算出された先行車加速度αfが0.045G以上であるか否かを判断する。ここで、先行車加速度αfが0.045G以上であれば、S512に移行する。なお、先行車加速度αfの下限値の設定を0.045Gとしたが、実験等により予め求められた範囲に基づいて変更可能とする。
ここで、衝突時間Tcが30以上であると肯定判断された場合、若しくは先のS512で衝突時間Tcが負であると肯定判断された場合、S514に移行して、走行モードの設定を、追従モードから加速モードに切り替える。
なお、S511〜S515にて実行されるこれらの一連の判定処理を第3切替条件とする。
このS521では、先行車加速度αfが0以上である(具体的には、先行車が先行車加速度αf=0.045G、又はそれ以下の加速度で加速走行している状態、或いは定速走行している状態)か否かを判断する。ここで、先行車加速度αfが0以上であると肯定判断された場合、S522に移行する。
このS540では、継続状態カウンタのカウント値Cを1にリセットする。
このS550では、Bkカウンタの演算値B(k)を更新し、本追従モード切替判定処理を終了する。
一方、先のS521で先行車加速度αfが0以上でない(即ち、先行車が減速している)と否定判断された場合、S531に移行する。
ここで、演算値B(k)が−10以下であると肯定判断された場合、若しくは先のS532で相対速度Vrが−10以下であると肯定判断された場合、又は先のS531で先行車加速度αfが−0.05G未満であると肯定判断された場合、S534に移行して、走行モードの設定を、追従モードから加速モードに切り替える。
次に、先のS150にて実行する目標加速度演算処理を、図7に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
続くS620では、先のS140にて判定された走行モードに応じた加減速制御をするための加速度の目標値である目標加速度のうちの一つである第1目標加速度αoを算出する。第1目標加速度αoは、先のS120にて検出された相対距離Dから、先のS610で算出された目標車間距離Dmを減じた車間距離誤差ΔDo、及びS120にて検出された相対速度Vrに基づいて、予め設定された2次元マップにより求められる。この2次元マップは、目標加速度と、車間距離誤差ΔDo及び相対速度Vrとの関係を、実験等によって求めた結果に基づくものである。
一方、先のS630にて、走行モードの設定が追従モードでない(即ち、加速モード又は減速モード)と否定判断された場合、S650に移行して、もう一つの目標加速度である第2目標加速度αtを算出する。第2目標加速度αtは、具体的には、先のS130にて算出された先行車加速度αfとゲインhとの積hαfを、S620にて算出された第1目標加速度αoに加えた(4)式から算出される。
なお、ゲインhは、実験等によって決定される値であり、例えば、本実施形態ではh=0.6(加速モード時),0.8(減速モード時)に設定されている。
つまり、本目標加速度演算処理では、走行モードの設定が追従モードであれば、目標加速度を第1目標加速度αoに設定し、走行モードの設定が加速モード,減速モードのいずれかであれば、目標加速度を第2目標加速度αtに設定する。但し、減速モード時の目標加速度αtの上限値は0とする。
以上説明したように、本実施形態の走行制御装置では、相対速度Vrが設定速度(2[km/s])以上であったとしても、先行車加速度αfが負であれば、走行モードの設定を、追従モードから加速モードに切り替わることがないようにされている(図8参照)。
また、本実施形態の走行制御装置では、先行車加速度αfが非負であり、相対速度Vrが設定速度(2[km/s])以上である状態になったとしても、その状態が設定時間(3×T[s])以上継続しない限り、走行モードの設定を、追従モードから加速モードに切り替わることがないようにされている(図8参照)。
更に、本実施形態の走行制御装置では、先行車加速度が下限加速度(0.045G[m/s2])を上回った時点で、相対速度Vrが正(即ち、衝突時間Tcが負)である場合にはもちろん、先行車との相対距離Dが十分に大きければ(即ち、衝突時間Tcが下限時間(30[s])以上であれば)、相対速度Vrが負であっても、走行モードの設定が、追従モードから加速モードに直ちに切り替わるようにされている(図9参照)。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
Claims (6)
- エンジンから車輪に伝達される駆動力をドライバの操作によらず調節する駆動力調節手段と、
自車両の車速を検出する車速検出手段と、
自車両に対する先行車の相対距離及び相対速度を検出する先行車情報検出手段と、
前記車速検出手段にて検出された自車速、及び前記先行車情報検出手段にて検出された相対速度に基づいて、先行車の加速度を算出する加速度演算手段と、
前記先行車情報検出手段にて検出される相対距離及び相対速度に基づいて、前記先行車との車間距離を予め設定された目標車間距離に一致させるための第1目標加速度を設定する第1目標加速度設定手段と、
前記加速度演算手段にて算出される先行車加速度に応じて設定される付加加速度を前記第1目標加速度に付加してなる第2目標加速度を設定する第2目標加速度設定手段と、
前記第1目標加速度を用いて前記駆動力調整手段を制御する追従モード、及び前記第2目標加速度を用いて前記駆動力調整手段を制御する加速モードを少なくとも含む複数の走行モードを有する車間距離制御手段と、
前記先行車情報検出手段及び加速度演算手段の検出結果に基づいて、前記走行モードの切り替えを行なう走行モード切替手段と、
を備えた走行制御装置において、
前記走行モード切替手段は、前記加速度演算手段で算出された先行車加速度が非負であり、且つ前記先行車情報検出手段で検出された相対速度が予め設定された設定速度以上であることを第1切替条件として、前記第1切替条件を満たす場合に、前記追従モードから前記加速モードへの切り替えを行なうことを特徴とする走行制御装置。 - 請求項1に記載の走行制御装置において、
前記第1切替条件の設定速度を2[km/h]とすることを特徴とする走行制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の走行制御装置において、
前記走行モード切替手段は、前記先行車加速度が非負であり、且つ前記相対速度が前記設定速度以上である状態が予め設定された設定時間以上継続することを第2切替条件として、前記第2切替条件を満たす場合に、前記追従モードから前記加速モードへの切り替えを行なうことを特徴とする走行制御装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行制御装置において、
前記走行モード切替手段は、前記加速度演算手段で算出された先行車加速度が予め設定された下限加速度を上回り、且つ前記先行車情報検出手段で検出された相対距離と相対速度との比を正負符号反転させた衝突時間が負又は予め設定された下限時間以上であることを第3切替条件として、前記第3切替条件を満たす場合にも、前記追従モードから前記加速モードへの切り替えを行うことを特徴とする走行制御装置。 - エンジンから車輪に伝達される駆動力をドライバの操作によらず調節する駆動力調節手段と、
自車両の車速を検出する車速検出手段と、
自車両に対する先行車の相対距離及び相対速度を検出する先行車情報検出手段と、
前記車速検出手段にて検出された自車速、及び前記先行車情報検出手段にて検出された相対速度に基づいて、先行車の加速度を算出する加速度演算手段と、
前記先行車情報検出手段にて検出される相対距離及び相対速度に基づいて、前記先行車との車間距離を予め設定された目標車間距離に一致させるための第1目標加速度を設定する第1目標加速度設定手段と、
前記加速度演算手段にて算出される先行車加速度に応じて設定される付加加速度を前記第1目標加速度に付加してなる第2目標加速度を設定する第2目標加速度設定手段と、
前記第1目標加速度を用いて前記駆動力調整手段を制御する追従モード、及び前記第2目標加速度を用いて前記駆動力調整手段を制御する加速モードを少なくとも含む複数の走行モードを有する車間距離制御手段と、
前記先行車情報検出手段及び加速度演算手段の検出結果に基づいて、前記走行モードの切り替えを行なう走行モード切替手段と、
を備えた走行制御装置において、
前記走行モード切替手段は、前記加速度演算手段で算出された先行車加速度が予め設定された下限加速度を上回り、且つ前記先行車情報検出手段で検出された相対距離と相対速度との比を正負符号反転させた衝突時間が負又は予め設定された下限時間以上であることを第3切替条件として、前記第3切替条件を満たす場合に、前記追従モードから前記加速モードへの切り替えを行うことを特徴とする走行制御装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の走行制御装置において、
前記下限加速度を0.045G[m/s2]とすることを特徴とする走行制御装置。
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