JP4715506B2 - 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関するものである。
ICチップ等のデバイスを段差構造を有する基板上に配置し電気的に接続する方法として、従来からワイヤーボンディング法が知られ、一般的に用いられている。例えば、画像の形成やマイクロデバイスの製造に際して液滴吐出法を適用する場合に用いられる液滴吐出ヘッドにおいても、インク吐出動作を行うための圧電素子と、圧電素子に電気信号を供給する駆動回路部(ICチップ等)との接続に、ワイヤーボンディング法が用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−296616号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
近年ICチップ等の高集積化に伴いICチップ等の外部接続端子が狭小化、狭ピッチ化される傾向にあり、それに伴い回路基板上に形成される配線パターンも狭ピッチ化される傾向にある。そのため、上記ワイヤーボンディングを用いた接続方法の適用が困難になってきている。
また、液滴吐出法に基づいて画像形成やマイクロデバイス製造を行う方法にあっては、画像の高精細化やマイクロデバイスの微細化を実現するために、液滴吐出ヘッドに設けられたノズル開口部同士の間の距離(ノズルピッチ)をできるだけ小さく(狭く)することが好ましい。上記圧電素子はノズル開口部に対応して複数形成されるため、ノズルピッチを小さくすると、そのノズルピッチに応じて圧電素子同士の間の距離も小さくする必要がある。しかしながら、圧電素子同士の間の距離が小さくなると、それら複数の圧電素子のそれぞれと駆動回路部とをワイヤーボンディングの手法によって接続する際に、隣接するワイヤー間が接触するおそれがあり、このようなワイヤーボンディングを用いた接続が困難となる。そこで、ワイヤーボンディングに代わり、微細なピッチの配線接続を可能とする実装方法の提供が望まれている。
そこで、本出願人は駆動回路部と圧電素子とをフレキシブル基板で接続することを検討しており、このような液滴吐出ヘッドに関する発明も既に多数出願している。この構成によれば、駆動回路部と圧電素子とはフレキシブル基板上に設けられた配線を介して電気的に接続されるので、フレキシブル基板上にノズルピッチに応じた配線を例えばプリント技術によって導電パターンとして精度良く設けておくことで、ノズルピッチを小さくすることによって圧電素子どうしの間の距離が小さく(狭く)なっても、そのノズルピッチに応じて設けられた複数の圧電素子のそれぞれと駆動回路部との電気的な接続を、作業性良く且つ良好に行うことができる。また、液滴吐出ヘッドに配置されていた配線の一部をフレキシブル基板で引き回すことが可能なため、液滴吐出ヘッドの小型化、低背化への可能性もでてきた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、デバイス(ICチップ等)が実装される基板の形状に起因する段差を介して前記デバイスの接続端子と前記基板の導電接続部とを電気的に接続するに際し、実装構造体の小型化、低背化が可能な構造を提供することを目的とする。特に、前記接続端子及び導電接続部の形成ピッチが狭小化した場合でも前記電気的接続を行う際の作業性を低下させることなく、優れた信頼性をもって歩留まりよくデバイスを実装することのできる、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液滴吐出ヘッドは、基板と、圧電膜及び電極を含み、前記基板上に設けられた第一及び第二の圧電素子と、前記第一及び第二の圧電素子における前記電極の一部を露出させた状態にて、前記第一及び第二の圧電素子を封止する第一及び第二の封止部材と、導電部を有し、前記導電部が前記電極の露出された位置にて前記電極と電気的に接続された第一及び第二のフレキシブル基板と、前記第一及び第二のフレキシブル基板上に設けられ、前記導電部と電気的に接続された第一及び第二の駆動回路部と、を備え、前記第一及び第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一及び第二の圧電素子の前記電極との接続位置が、前記第一の封止部材と前記第二の封止部材との間に位置し、前記基板上において、前記第一のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一の圧電素子の前記電極との接続位置と、前記第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第二の圧電素子の前記電極との接続位置との間には、隔壁が設けられ、前記第一及び第二の駆動回路部は、前記第一及び第二の封止部材の上面に設けられた第一及び第二の溝に収容されていることを特徴とする
この構成によれば、第一及び第二の溝の内側に第一及び第二の駆動回路部が収容されることで、実装構造体の小型化、低背化が可能になる。また、第一及び第二の溝に第一及び第二の駆動回路部を嵌め込むことで、第一及び第二の駆動回路部基板との位置決めを容易に行なうことができ、作業性が向上する。
本発明においては、第一及び第二の圧電素子の電極第一及び第二の駆動回路部とが、第一及び第二のフレキシブル基板に設けられた導電部を介して電気的に接続されている。
この構成によれば、導電部のパターンを例えばフォトリソグラフィ技術又は印刷技術によって微細化することで、実装構造体の更なる小型化の要求に応えることができる。また、従来のワイヤーボンディングで接続する方法と比較して、第一及び第二の圧電素子の電極が微細化された場合でも第一及び第二の駆動回路部との接続作業を作業性良く且つ良好に行うことができる。
本発明においては、前記第一及び第二の圧電素子の電極が前記第一及び第二の溝と対向する位置に設けられており、前記第一及び第二の溝の底面から前記第一及び第二の圧電素子の電極に達する第一及び第二の開口部が設けられており、前記第一及び第二の開口部の底面に露出した前記第一及び第二の圧電素子の電極と前記第一及び第二の駆動回路部とが、前記第一及び第二の開口部内に設けられた導電部を介して電気的に接続されていることが望ましい。
この構成によれば、第一及び第二の駆動回路部第一及び第二の圧電素子の電極とを接続する配線の一部又は全部を開口部内の導電部によって引き回すことができるので、実装構造体を更に小型化、低背化することが可能になる。
本発明においては、前記第一及び第二の封止部材は、前記第一及び第二の圧電素子を封止する第一及び第二の圧電素子封止溝を備えており、前記第一及び第二の圧電素子封止溝と前記第一及び第二の溝とが対向するように設けられていることが望ましい。
この構成によれば、第一及び第二の圧電素子第一及び第二の圧電素子封止溝内に密封されているため、水分等による劣化から第一及び第二の圧電素子を保護することができる。このように第一及び第二の封止部材の一面側に第一及び第二の圧電素子封止溝を形成すると、それに起因して第一及び第二の封止部材に反りが生じることがあるが、本発明においては第一及び第二の圧電素子封止溝と反対側の面に第一及び第二の溝が形成されているので、これら第一及び第二の圧電素子封止溝ならびに第一及び第二の溝によって生じる第一及び第二の封止部材の反りを互いに相殺することができる。特に、第一及び第二の溝第一及び第二の圧電素子封止溝とが互いに対向する位置に設けられているので、第一及び第二の封止部材を殆ど反りのないフラットな状態とすることが可能である。
本発明においては、前記第一の封止部材と前記第二の封止部材との間に樹脂が設けられ、前記第一及び第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一及び第二の圧電素子の電極とが前記樹脂に覆われていることが望ましい。
本発明においては、前記第一及び第二のフレキシブル基板は、前記基板から離間するように屈曲する屈曲部を有し、前記屈曲部は、前記樹脂に覆われていることが望ましい。
本発明においては、前記第一及び第二のフレキシブル基板は、前記基板及び前記第一及び第二の封止部材に沿って設けられていることが望ましい。
本発明の液滴吐出装置は、上述した本発明の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、マイクロデバイスの製造が可能な小型の液滴吐出装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
[第1の実施の形態]
<液滴吐出ヘッド>
本発明のデバイス実装構造を有する液滴吐出ヘッドの第1実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は液滴吐出ヘッドの第1実施形態を示す外観斜視図、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視図の一部破断図、図3は図1のA−A線断面矢視図、図4はフレキシブル基板を下面側から見た図である。
液滴吐出ヘッド1は、機能液の液滴を吐出するものであって、液滴が吐出されるノズル開口部15を備えたノズル基板16と、ノズル基板16の上面に接続され、液滴が流れる流路を形成する流路形成基板10と、流路形成基板10の上面に接続され、圧電素子(駆動素子)300の駆動によって変位する振動板400と、振動板400の上面に接続され、リザーバ100を形成するためのリザーバ形成基板20と、リザーバ形成基板20の上面側に設けられた可撓性を有するフレキシブル基板500と、フレキシブル基板500の下面500Aに設けられ、圧電素子300を駆動するための駆動回路部(デバイス)200と、フレキシブル基板500の下面500Aに設けられ、駆動回路部200と圧電素子300とを電気的に接続する導電部(導電パターン、配線パターン)510とを備えている。なお、上記流路形成基板10とリザーバ形成基板20とにより、本発明に係る基体が構成される。
液滴吐出ヘッド1の動作は、外部コントローラCTによって制御される。そして、流路形成基板10と、ノズル基板16と、振動板400とで囲まれた空間によって、ノズル開口部15より吐出される前の機能液が配置される圧力発生室12が形成されている。また、リザーバ形成基板20と流路形成基板10とで囲まれた空間によって、圧力発生室12に供給される前の機能液を予備的に保持するリザーバ100が形成されている。
流路形成基板10の下面側は開口しており、その開口を覆うようにノズル基板16が流路形成基板10の下面に接続されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。そのノズル基板16には、液滴を吐出するノズル開口部15が設けられている。図2に示すように、ノズル開口部15はノズル基板16に複数設けられている。具体的には、ノズル基板16には、Y軸方向に複数並んで設けられたノズル開口部15によって構成された、第1ノズル開口群15A、第2ノズル開口群15B、第3ノズル開口群15C、及び第4ノズル開口群15Dのそれぞれが設けられている。第1ノズル開口群15Aと第2ノズル開口群15BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。第3ノズル開口群15Cは第1ノズル開口群15Aの+Y側に設けられており、第4ノズル開口群15Dは第2ノズル開口群15Bの+Y側に設けられている。これら第3ノズル開口群15Cと第4ノズル開口群15DとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
なお図2では、各ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれは6個のノズル開口部15によって構成されているように示されているが、実際には、例えば720個程度のノズル開口部15によって構成されている。
流路形成基板10の内側には複数の隔壁11が形成されている。流路形成基板10はシリコンによって形成されており、複数の隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより形成される。そして、複数の隔壁11を有する流路形成基板10と、ノズル基板16と、振動板400とで囲まれた空間によって、複数の圧力発生室12が形成される。圧力発生室12は、複数のノズル開口部15に対応するように複数形成されている。すなわち、圧力発生室12は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれを構成する複数のノズル開口部15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。そして、第1ノズル開口群15Aに対応して複数形成された圧力発生室12によって第1圧力発生室群12Aが構成され、第2ノズル開口群15Bに対応して複数形成された圧力発生室12によって第2圧力発生室群12Bが構成され、第3ノズル開口群15Cに対応して複数形成された圧力発生室12によって第3圧力発生室群12Cが構成され、第4ノズル開口群15Dに対応して複数形成された圧力発生室12によって第4圧力発生室群12Dが構成されている。第1圧力発生室群12Aと第2圧力発生室群12BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されており、それらの間には隔壁10Kが形成されている。同様に、第3圧力発生室群12Cと第4圧力発生室群12Dとの間にも隔壁10Kが形成されており、それらはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
ここで、上述したように、隔壁10Kを含む流路形成基板10はシリコン単結晶によって形成されており、剛体である。
第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12のうち、−X側の端部は上述した隔壁10Kによって閉塞されているが、+X側の端部は互いに接続するように集合しており、リザーバ100と接続している。リザーバ100は、機能液導入口25より導入され、圧力発生室12に供給される前の機能液を一時的に保持するものであって、リザーバ形成基板20にY軸方向に延びるように形成されたリザーバ部21と、流路形成基板10にY軸方向に延びるように形成され、リザーバ部21と各圧力発生室12のそれぞれとを接続する連通部13とを備えている。すなわち、リザーバ100は、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)となっている。機能液導入口25より導入された機能液は、導入路26を経てリザーバ100に流れ込み、供給路14を経て、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12のそれぞれに供給される。
また、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれを構成する圧力発生室12のそれぞれにも、上述と同様のリザーバ100が接続されている。
流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配置された振動板400は、流路形成基板10の上面を覆うように設けられた弾性膜50と、弾性膜50の上面に設けられた下電極膜60とを備えている。弾性膜50は、例えば厚み1〜2μm程度の二酸化シリコンによって形成されている。下電極膜60は、例えば厚み0.2μm程度の金属によって構成されている。本実施形態において、下電極膜60は、複数の圧電素子300の共通電極となっている。
振動板400を変位するための圧電素子300は、流路形成基板10の上面(+Z側の面;第1面)に形成された下電極膜60と、下電極膜60の上面に設けられた圧電体膜70と、その圧電体膜70の上面に設けられた上電極膜(導電接続部)80とを備えている。圧電体膜70は例えば厚み1μm程度、上電極膜80は例えば厚み0.1μm程度である。なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。すなわち、本実施形態における下電極膜60は、圧電素子300としての機能と、振動板400としての機能とを兼ね備えている。また、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能するが、弾性膜50を省略した構造とし、下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねるようにしてもよい。
圧電体膜70及び上電極膜80、すなわち圧電素子300は、複数のノズル開口部15及び圧力発生室12のそれぞれに対応するように複数設けられている。すなわち、圧電体膜70及び上電極膜80からなる圧電素子300は、各ノズル開口部15毎(圧力発生室12毎)に設けられている。そして、上述したように、下電極膜60は複数の圧電素子300の共通電極として機能し、上電極膜80は複数の圧電素子300の個別電極として機能する。
また、第1ノズル開口群15Aを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた圧電素子300によって、第1圧電素子群300Aが構成されており、第2ノズル開口群15Bを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた圧電素子300によって、第2圧電素子群300Bが構成されている。これら第1圧電素子群300Aと第2圧電素子群300BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。同様に、第3、第4ノズル開口群15C、15Dを構成するノズル開口部15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた圧電素子300によって、第3、第4圧電素子群300C、300Dが構成されており、それら第3、第4圧電素子群300C、300Dどうしは、X軸方向に関して対向するように配置されている(なお、第3、第4圧電素子群300C、300Dは図3の紙面奥側に形成されているものであって、図示されていない)。
リザーバ形成基板20には、封止膜31と固定板32とを有するコンプライアンス基板30が接合されている。封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚み6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなり、この封止膜31によってリザーバ部21の上部が封止されている。また、固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚み30μm程度のステンレス鋼)で形成される。この固定板32のうち、リザーバ100に対応する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部33となっているため、リザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。
通常、機能液導入口25からリザーバ100に機能液が供給されると、例えば、圧電素子300の駆動時の機能液の流れ、あるいは、周囲の熱などによってリザーバ100内に圧力変化が生じる。しかしながら、上述のように、リザーバ100の上部が封止膜31のみよって封止されて可撓部22となっているため、この可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収する。したがって、リザーバ100内は常に一定の圧力に保持される。なお、その他の部分は固定板32によって十分な強度に保持されている。
そして、リザーバ100の外側のコンプライアンス基板30上には、リザーバ100に機能液を供給するための機能液導入口25が形成されており、リザーバ形成基板20には、機能液導入口25とリザーバ100の側壁とを連通する導入路26が設けられている。
リザーバ形成基板20のうち、X軸方向に関して中央部には、Y軸方向に延びる溝部700が形成されている。溝部700によって、リザーバ形成基板20は、第1圧力発生室群12Aに対応して設けられた第1圧電素子群300Aを封止する第1封止部20Aと、第2圧力発生室群12Bに対応して設けられた第2圧電素子群300Bを封止する第2封止部20Bとに分けられる(図3参照)。同様に、溝部700によって、第3圧力発生室群12Cに対応して設けられた第3圧電素子群300Cを封止する第3封止部20Cと、第4圧力発生室群12Dに対応して設けられた第4圧電素子群300Dを封止する第4封止部20Dとに分けられる(なお、第3、第4封止部20C、20Dは図3の紙面奥側に形成されているものであって、図示されていない)。そして、溝部700においては、流路形成基板10(隔壁10K)の一部が露出している。
また、この溝部700内には、X方向及びY方向に沿って十字状に隔壁27が形成されている。この隔壁27は、リザーバ形成基板20の母材であるシリコン単結晶基板をエッチングすることにより形成される。すなわち、溝部700は、リザーバ形成基板20の隔壁27を除く部分をエッチングすることによって形成される。この隔壁27は、リザーバ形成基板20の耐衝撃性を向上させる補強用の梁として機能する。
溝部700は、隔壁27によってその両側に分割されており、これら分割された各々の部位が、それぞれ第1圧電素子群300A、第2圧電素子群300B、第3圧電素子群300C及び第4圧電素子群300Dに対応した溝部となっている。すなわち、本実施形態では、溝部700が隔壁27によって仕切られることで、第1圧電素子群300A、第2圧電素子群300B、第3圧電素子群300C及び第4圧電素子群300Dに対応した4つの溝部が形成されており、これら4つの溝部の各々が、それぞれ対応する圧電素子群の複数の圧電素子300の上電極80を露出させている。また、これら溝部においては、流路形成基板10(隔壁10K)側の一部が露出しており、この露出した部位が溝部における底面部となっている。
一方、リザーバ形成基板20のうち、圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部(圧電素子封止溝)24が設けられている。圧電素子保持部24は、第1〜第4封止部20A〜20Dのそれぞれに形成されており、第1〜第4圧電素子群300A〜300Dを覆う大きさで形成されている。また、圧電素子300のうち、少なくとも圧電体膜70は、この圧電素子保持部24内に密封されている。
このように、リザーバ形成基板20は、圧電素子300を外部環境と遮断して、圧電素子300を封止するための封止部材としての機能を有している。リザーバ形成基板20によって圧電素子300を封止することで、水分等の外部環境による圧電素子300の破壊を防止することができる。また、本実施形態では、圧電素子保持部24の内部を密封状態にしただけであるが、例えば、圧電素子保持部24内の空間を真空にしたり、あるいは窒素又はアルゴン雰囲気等とすることにより、圧電素子保持部24内を低湿度に保持することができ、圧電素子300の破壊をさらに確実に防止することができる。
また、リザーバ形成基板20は剛体であって、そのリザーバ形成基板20を形成する材料としては、例えば、ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板が用いられている。
図3に示すように、第1封止部20Aの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の−X側の端部は、第1封止部20Aの外側まで延びており、溝部700における流路形成基板10上に配置されている。また図3に示すように、溝部700における流路形成基板10上に下電極膜60の一部が配置されている場合においては、上電極膜80と下電極膜60との間の電気的な接続を防止するための絶縁膜600が、上電極膜80と下電極膜60との間に設けられる。同様に、第2封止部20Bの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の+X側の端部が、第2封止部20Bの外側まで延びて、溝部700における流路形成基板10上に配置されている。同様に、不図示ではあるが、第3、第4封止部20C、20Dで封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の一部が、第3、第4封止部20C、20Dの外側まで延びでおり、第3、第4封止部20C、20Dどうしの間に設けられた溝部700における流路形成基板10上に配置されている。
圧電素子300を駆動するための駆動回路部200は、例えば回路基板あるいは駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を含んで構成されており、フレキシブル基板500の下面500Aに接続されている。圧電素子300は駆動回路部200により駆動される。フレキシブル基板500は可撓性を有しており、例えばポリイミドからなる絶縁性のフィルム状部材によって構成されている。また、フレキシブル基板500の下面500Aには、銅などの導電性材料からなる導電性の配線パターン(導電部)510が、プリント方式により、メッキやエッチングなどの手法によって設けられている。各駆動回路部200A〜200Dは、図示しない複数の接続端子を備えており、この接続端子がフレキシブル基板500の下面500Aに形成された配線パターン510に対して接続されている。この駆動回路部200A〜200Dは、リザーバ形成基板20の上面(+Z側の面;第2面)に配置されている。
図4に示すように、フレキシブル基板500の下面500Aの所定領域には駆動回路部200が設けられている。駆動回路部200は、フレキシブル基板500の下面500Aにフリップチップ実装されて前記配線パターン510の一部と接続している。駆動回路部200は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dに応じて複数(4つ)設けられている。第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dに応じて設けられた第1〜第4駆動回路部200A〜200Dのそれぞれは、フレキシブル基板500に対してフリップチップ実装された後、樹脂201によってフレキシブル基板500に対して固定される。
フレキシブル基板500の一部には開口部520が形成されている。具体的には、開口部520は、第1駆動回路部200Aと第2駆動回路部200Bとの間の領域、及び第3駆動回路部200Cと第4駆動回路部200Dとの間の領域において、Y軸方向に延びるように形成されている。図4に示すように、開口部520のY軸方向両端部のそれぞれには切欠部521が形成されている。そして、その切欠部521によって、フレキシブル基板500のうち、開口部520に対向する一部の領域(エッジ領域)530が開口部520の内側に曲げる(撓む)ことができるようになっている。エッジ領域530は、各駆動回路部200A〜200Dと開口部520との間の領域であって、開口部520に対向するエッジ領域530のエッジ部530Eは、Y軸方向に沿ってほぼ直線状に形成されている。すなわち、本実施形態においては、エッジ領域530は、Y軸方向を長手方向とする矩形状の領域であって、エッジ部530EがY軸まわり(θY方向)に回転するように曲げられるようになっている。
フレキシブル基板500の下面500Aのうち、開口部520におけるエッジ領域530には、配線パターン510の一部を構成する端子部512が形成されている。第1駆動回路部200Aと開口部520との間の第1エッジ領域530Aには、第1駆動回路部200Aに配線パターン510を介して電気的に接続する複数の端子部512が形成されている。第1エッジ領域530Aに設けられた複数の端子部512は、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300(上電極膜80)のそれぞれに接続するものであって、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300に対応するように、Y軸方向に複数(例えば720個)並んで設けられており、第1端子群512Aを構成している。したがって、端子部512と圧電素子300とが接続することで、その端子部512を含む配線パターン510を介して、駆動回路部200と圧電素子300とが電気的に接続される。
同様に、第2駆動回路部200Bと開口部520との間の第2エッジ領域530Bには、第2圧電素子群300Bを構成する複数の圧電素子300に対応するようにY軸方向に複数(例えば720個)並んで設けられた端子部512からなる第2端子群512Bが設けられている。第1エッジ領域530Aと第2エッジ領域530Bとは、X軸方向に関して互いに対向するように配置されており、それら第1、第2エッジ領域530A、530Bのそれぞれに形成されている第1端子群512A及び第2端子群512Bも、X軸方向に関して互いに対向するように配置された構成となっている。
また同様に、第3駆動回路部200Cと開口部520との間の第3エッジ領域530Cには、第3圧電素子群300Cを構成する複数の圧電素子300に対応するようにY軸方向に複数(例えば720個)並んで設けられた端子部512からなる第3端子群512Cが設けられており、第4駆動回路部200Dと開口部520との間の第4エッジ領域530Dには、第4圧電素子群300Dを構成する複数の圧電素子300に対応するようにY軸方向に複数(例えば720個)並んで設けられた端子部512からなる第4端子群512Dが設けられている。そして、第3エッジ領域530Cと第4エッジ領域530Dとは、X軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
そして、図3に示すように、フレキシブル基板500の下面500Aと、圧電素子300とを対向させ、開口部520と溝部700とを位置決めした状態で、端子部512を設けられたエッジ領域530が下方に撓まされることにより、エッジ領域530における下面500Aに設けられている端子部512と、溝部700に配置されている上電極膜80とが接続される。ここで、第1圧電素子群300Aは、フレキシブル基板500の第1エッジ領域530A及びその第1エッジ領域530Aに設けられた第1端子群512Aに対応するように配置されており、第2圧電素子群300Bは、フレキシブル基板500の第2エッジ領域530B及びその第2エッジ領域530Bに設けられた第2端子群512Bに対応するように配置されている。したがって、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300(上電極膜80)と、第1端子群512Aを構成する複数の端子部512とのそれぞれが良好に接続されるとともに、第2圧電素子群300Bを構成する複数の圧電素子300(上電極膜80)と、第2端子群512Bを構成する複数の端子部512とのそれぞれが良好に接続される。
同様に、第3、第4圧電素子群300C、300Dを構成する複数の圧電素子300と、第3、第4端子群512C、512Dを構成する複数の端子部512とのそれぞれが、第3、第4エッジ領域530C、530Dを撓ませた状態で接続される。
ここで、端子部512と圧電素子300(上電極膜80)とは、ろう材、又は異方性導電膜(ACF:anisotropic conductive film)や異方性導電ペースト(ACP:anisotropic conductive paste)を含む異方性導電性材料によって接続されている。
図3に示すように、リザーバ形成基板20及びコンプライアンス基板30のうち、駆動回路部200に対向する領域には、駆動回路部200を収容可能なデバイス収容溝150が設けられている。デバイス収容溝150は、第1〜第4封止部20A〜20Dの形成されたそれぞれの圧電素子保持部24に対向する部分に形成されている。デバイス収容溝150は、リザーバ形成基板20の上面においてY軸方向に延びるように形成された凹部26と、封止膜31においてY軸方向に延びるように形成され、リザーバ形成基板20の凹部26と連通する開口部34と、固定板32においてY軸方向に延びるように形成され、リザーバ形成基板20の凹部26及び封止膜31の開口部34と連通する開口部35とを備えている。駆動回路部200は、少なくともその一部が、リザーバ形成基板20の上部を掘り込んで形成したデバイス収容溝150の内側に収容されるようになっており、これにより液滴吐出ヘッド1のZ軸方向の高さが低減(低背化)されるようになっている。
リザーバ形成基板20に形成された凹部26は、下面側の圧電素子保持部24まで貫通しない程度の深さに形成されており、圧電素子保持部24の密封状態を阻害しないようになっている。
図3に示すように、フレキシブル基板500とリザーバ形成基板20との間には、樹脂202が配置されており、フレキシブル基板500とリザーバ形成基板20とは、その樹脂202による樹脂モールドによって固定されている。更に、その樹脂202は、溝部700の内側にも配置されており、端子部512と圧電素子300(上電極膜80)との接続部が樹脂モールドされている。さらに、樹脂202はリザーバ形成基板20の上部に形成されたデバイス収容溝150の内側にも配置されており、これにより駆動回路部とリザーバ形成基板20との電気的な絶縁が図られている。
<液滴吐出ヘッドの動作>
次に、上述した構成を有する液滴吐出ヘッド1の動作について説明する。液滴吐出ヘッド1より機能液の液滴を吐出するために、外部コントローラCTは、機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル開口部15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たす。また、外部コントローラCTは、フレキシブル基板500に設けられた外部信号入力部580を介して、駆動回路部200等に駆動電力や指令信号を送る。フレキシブル基板500には配線パターン510が設けられており、外部信号入力部580からの指令信号等は、その配線パターン510を介して駆動回路部200に送られる。駆動回路部200は、外部コントローラCTからの指令に基づいて、端子部512を含む配線パターン510を介して、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70を変位させることにより、各圧力発生室12内の圧力を高めて、ノズル開口部15より液滴を吐出する。
<液滴吐出ヘッドの製造方法>
次に、液滴吐出ヘッド1の製造方法について図5のフローチャート図、及び図6の模式図を参照しながら説明する。なお以下では、駆動回路部200と圧電素子300とを接続する手順について主に説明し、液滴吐出ヘッド1のうち、ノズル基板16、流路形成基板10、リザーバ形成基板20、圧電素子300等の製造及び接続・配置作業は既に完了しているものとする。
まず、ポリイミド等からなる可撓性を有するフレキシブル基板500の下面500Aに、銅などの導電性材料からなる端子部512を含む配線パターン510を、プリント方式により、メッキやエッチングなどの手法によって設ける(ステップSA1)。端子部512を含む配線パターン510は、ノズル開口部15どうしの間の距離(ノズルピッチ)、すなわち圧電素子300どうしの間の距離に応じて精度良く形成される。
次に、フレキシブル基板500の下面500Aの所定領域(実装領域)に対して、駆動回路部200をフリップチップ実装する(ステップSA2)。その後、樹脂201によってフレキシブル基板500と駆動回路部200とを固定する(ステップSA3)。
このように、配線パターン510が設けられたフレキシブル基板500上に駆動回路部200を設けることで、液滴吐出ヘッド1全体のコンパクト化を図ることができ、また配線パターン510と駆動回路部200との位置決めを容易に行うこともできる。また、駆動回路部200をフレキシブル基板500にフリップチップ実装することで、駆動回路部200と配線パターン510との電気的な接続を、作業性良く且つ良好に行うことができる。
次に、フレキシブル基板500に設けられた端子部512と、圧電素子300の上電極膜80とを接続する(ステップSA4)。
端子部512と上電極膜80とを接続する際には、図6に示すように、押圧部材800によって、フレキシブル基板500のエッジ領域530を上方から押圧する。ここで、押圧部材800によるエッジ領域530に対する押圧動作は、フレキシブル基板500の開口部520と、リザーバ形成基板20の溝部700とを位置合わせした状態で行う。この位置合わせした状態においては、第1圧電素子群300Aを構成する複数の圧電素子300と、第1端子部512Aを構成する複数の端子部512とのそれぞれが位置合わせされるとともに、第2圧電素子群300Bを構成する複数の圧電素子300と、第2端子部512Bを構成する複数の端子部512とのそれぞれが位置合わせされる。同様に、第3、第4圧電素子群300C、300Dを構成する複数の圧電素子300と、第3、第4端子部512C、512Dを構成する複数の端子部512とのそれぞれが位置合わせされる。
ここで、フレキシブル基板500の下面に実装された駆動回路部200は、リザーバ形成基板20の上面と対向して配置され、このリザーバ形成基板20の上面に形成されたデバイス収容溝150の内側に収容される。したがって、リザーバ形成基板20の上面側には、駆動回路部200を配置したことによる凹凸の形成や厚みの増加等が殆ど生じず、略フラットな面が形成されることになる。また、駆動回路部200がデバイス収容溝150に嵌め込まれることにより、駆動回路部200とリザーバ形成基板20との位置合わせ、すなわちフレキシブル基板500の開口部520とリザーバ形成基板20の溝部700との位置合わせを簡単に且つ精度良く行なうことができる。
なお、前述のように、デバイス収容溝150は、リザーバ形成基板20の上面に設けられた凹部26と、封止膜31に設けられた開口部34と、固定板32に設けられた開口部35とにより構成される。リザーバ形成基板20の凹部26は、同じくリザーバ形成基板20に設けられるリザーバ部21、機能液導入口25及び圧電素子保持部24等と共に、ウェットエッチングを用いた共通の工程によって形成される。ウェットエッチングを用いた場合、リザーバ形成基板20の両面側に同時に加工が施せるので、製造工程が簡素化される。
フレキシブル基板500のエッジ領域530は、押圧部材800によって押圧されることにより、下方に向けて撓む(曲がる)ので、フレキシブル基板500のエッジ領域530の下面500Aに設けられている端子部512と、溝部700において露出している圧電素子300の上電極膜80とを接続することができる。ここで、端子部512及び上電極膜80のうち少なくともいずれか一方には、ろう材又は異方性導電性材料900が予め設けられているため、これらろう材又は異方性導電性材料900を介在させた状態で、押圧部材800による押圧動作を行うことで、端子部512と上電極膜80(圧電素子300)との電気的な接続を作業性良く且つ良好に行うことができる。なお、ろう材を予め設けておく場合には、端子部512及び上電極膜80のうち、端子部512上に設けておくことが好ましい。フレキシブル基板500の下面500Aには、上述したように、配線パターン510が、メッキを含むプリント技術によって形成されているが、その配線パターン510の形成手法と同様の手法で、フレキシブル基板500の下面500Aにろう材を円滑に配置することができるからである。
また、フレキシブル基板500上に、ノズルピッチに応じた端子部512を含む配線パターン510をプリント技術によって精度良く設けておくことで、ノズルピッチを小さくすることによって、圧電素子300どうしの間のY軸方向に関する距離が小さく(狭く)なっても、そのノズルピッチに応じて設けられた複数の圧電素子300(上電極膜80)のそれぞれと端子部512との電気的な接続を作業性良く且つ良好に行うことができる。
押圧部材800によって上方より下方に向かって押圧するとき、本実施形態においては、端子部512及び上電極膜80の下側には、剛体である隔壁10K(流路形成基板10)が配置されている。すなわち、端子部512、異方性導電材料900、及び上電極膜80は、剛体である押圧部材800と剛体である隔壁10Kとの間に挟まれた状態となっている。したがって、押圧部材800を隔壁10Kに向けて押圧することで、端子部512と上電極膜80とを良好に接続することができる。また、接続された後のフレキシブル基板500上の端子部512及び上電極膜80を、剛体である隔壁10Kで良好に支持することができる。
端子部512と上電極膜80との接続作業が完了した後、樹脂202によって、フレキシブル基板500とリザーバ形成基板20とを固定するとともに、端子部512と上電極膜80との接続部を覆う(ステップSA5)。これにより、フレキシブル基板500の位置が固定されるとともに、フレキシブル基板500自体が樹脂202によって補強される。更には、樹脂202によって、端子部512と上電極膜80との接続部が保護される。また、デバイス収容溝150の内側に樹脂202が充填されることで、リザーバ形成基板20と駆動回路部20との電気的絶縁を図ることも可能である。
なお、本実施形態においては、フレキシブル基板500と駆動回路部200との接続を行った後、端子部512と圧電素子300(上電極膜80)との接続を行っているが、フレキシブル基板500に設けられた端子部512と圧電素子300との接続を行った後、そのフレキシブル基板500と駆動回路部200との接続を行うようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
図7は液滴吐出ヘッドの第2実施形態を示す部分断面図である。
本実施形態の液滴吐出ヘッドの基本構成は第1実施形態と同様であり、リザーバ形成基板20に貫通孔(開口部)を設けて駆動回路部と圧電素子との導通を図った点のみが第1実施形態と異なっている。したがって、図7において図3又は図6と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、リザーバ形成基板20のデバイス収容溝150が形成された部分には、リザーバ形成基板20の上面から下面に貫通する貫通孔Hが設けられ、この貫通孔H内に設けられた貫通電極(導電部)28を介して、駆動回路部200と上電極80(圧電素子300)とが電気的に接続されている。
貫通孔Hは、ドライエッチング等の異方性エッチングにより形成される。この種の液滴吐出ヘッドにおいては、リザーバ形成基板20の厚みは通常400μm程度であり、このリザーバ形成基板20を開口して貫通電極を設けるには、非常に大きなアスペクトの貫通孔を形成することが必要となる。特に、圧電素子300同士の間隔を狭くすることによって貫通電極のサイズが小さくなった場合には、貫通孔のアスペクト比が極めて大きくなり、実質的にこのような貫通孔を形成することは不可能となっていた。一方、本発明の液滴吐出ヘッドにおいては、リザーバ形成基板20の上面に設けられた凹部26によってリザーバ形成基板20の厚みが減じられているので、貫通孔Hのアスペクト比もそれ程大きくはならず、したがって異方性エッチングを用いた場合には、このような貫通孔Hを形成することも十分に可能である。
このようにリザーバ形成基板20に貫通孔Hを設けて駆動回路部200と圧電素子300とを導通させた場合、駆動回路部200と圧電素子300とを接続する配線の一部又は全部を貫通孔H内の貫通電極28によって引き回すことができるので、液滴吐出ヘッドの更なる小型化、低背化が可能になる。図7では、駆動回路部200と圧電素子300とを接続する配線の一部を貫通電極28によって引き回し、それ以外をフレキシブル基板500に形成した配線パターン510によって引き回しているが、これらの配線を全て貫通電極28によって引き回すことも可能である。この場合、フレキシブル基板500が不要になるため、部品点数が減り、製造コストも大幅に低減することが可能である。
<液滴吐出装置>
次に、上述した液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置IJの一例について図8を参照しながら説明する。図8は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
図8において、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、駆動軸4と、ガイド軸5と、コントローラCTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ6とを備えている。ステージ7は液滴吐出ヘッド1より機能液を吐出される基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。液滴吐出ヘッド1のノズル開口部からは、ステージ7に支持されている基板Pに対して機能液が吐出される。
駆動軸4には駆動モータ2が接続されている。駆動モータ2はステッピングモータ等であり、コントローラCTからY軸方向の駆動信号が供給されると、駆動軸4を回転させる。駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はY軸方向に移動する。ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、駆動モータ3を備えている。駆動モータ3はステッピングモータ等であり、コントローラCTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をX軸方向に移動する。
コントローラCTは液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。更に、コントローラCTは、駆動モータ2に対して液滴吐出ヘッド1のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、駆動モータ3に対してステージ7のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、図示しない駆動モータを備えている。この駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はガイド軸5に沿ってX軸方向に移動する。クリーニング機構8の移動もコントローラCTにより制御される。ヒータ6はここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ6の電源の投入及び遮断もコントローラCTにより制御される。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
なお、上述した実施形態において、液滴吐出ヘッド1より吐出される機能液としては、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものとする。これにより、液滴吐出装置IJは、液滴吐出法に基づいて吐出した機能液によって、上記各デバイスを製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視図である。 図1のA−A線断面矢視図である。 フレキシブル基板を下面側から見た図である。 液滴吐出ヘッドの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。 液滴吐出ヘッドの製造工程の一部を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの部分断面図である。 液滴吐出装置の一例を示す外観斜視図である。
符号の説明
1…液滴吐出ヘッド、10…流路形成基板(基体)、15…ノズル開口部、20…リザーバ形成基板(基体)、24…圧電素子保持部(圧電素子封止溝)、28…貫通電極(導電部)、80…圧電素子の上電極膜(導電接続部)、150…デバイス収容溝、200…駆動回路部(デバイス)、300…圧電素子、400…振動板、500…フレキシブル基板、510…配線パターン(導電部)、512…端子部、700…溝部、IJ…液滴吐出装置、H…貫通孔(開口部)

Claims (7)

  1. 基板と、
    圧電膜及び電極を含み、前記基板上に設けられた第一及び第二の圧電素子と、
    前記第一及び第二の圧電素子における前記電極の一部を露出させた状態にて、前記第一及び第二の圧電素子を封止する第一及び第二の封止部材と、
    導電部を有し、前記導電部が前記電極の露出された位置にて前記電極と電気的に接続された第一及び第二のフレキシブル基板と、
    前記第一及び第二のフレキシブル基板上に設けられ、前記導電部と電気的に接続された第一及び第二の駆動回路部と、を備え、
    前記第一及び第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一及び第二の圧電素子の前記電極との接続位置が、前記第一の封止部材と前記第二の封止部材との間に位置し、
    前記基板上において、前記第一のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一の圧電素子の前記電極との接続位置と、前記第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第二の圧電素子の前記電極との接続位置との間には、隔壁が設けられ、
    前記第一及び第二の駆動回路部は、前記第一及び第二の封止部材の上面に設けられた第一及び第二の溝に収容されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記第一及び第二の圧電素子の電極が前記第一及び第二の溝と対向する位置に設けられており、
    前記第一及び第二の溝の底面から前記第一及び第二の圧電素子の電極に達する第一及び第二の開口部が設けられており、
    前記第一及び第二の開口部の底面に露出した前記第一及び第二の圧電素子の電極と前記第一及び第二の駆動回路部とが、前記第一及び第二の開口部内に設けられた導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド
  3. 前記第一及び第二の封止部材は、前記第一及び第二の圧電素子を封止する第一及び第二の圧電素子封止溝を備えており、
    前記第一及び第二の圧電素子封止溝と前記第一及び第二の溝とが対向するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記第一の封止部材と前記第二の封止部材との間に樹脂が設けられ、
    前記第一及び第二のフレキシブル基板の前記導電部と前記第一及び第二の圧電素子の電極とが前記樹脂に覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記第一及び第二のフレキシブル基板は、前記基板から離間するように屈曲する屈曲部を有し、
    前記屈曲部は、前記樹脂に覆われていることを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記第一及び第二のフレキシブル基板は、前記基板及び前記第一及び第二の封止部材に沿って設けられていることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0587982U (ja) * 1992-04-30 1993-11-26 太陽誘電株式会社 発熱部品を有する混成集積回路装置
JPH11163475A (ja) * 1997-11-27 1999-06-18 Nec Corp 電子部品を実装したフレキシブル回路基板ユニット
JP2001328268A (ja) * 2000-05-24 2001-11-27 Konica Corp インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法

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