JP4715235B2 - 電動車両のクラッチ締結制御装置 - Google Patents

電動車両のクラッチ締結制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気自動車のクラッチ制御、特に、駆動源である電動モータと、この電動モータによって駆動される車輪とを駆動結合する駆動伝達経路上に挿置したクラッチの締結制御に関するものである。
電気自動車が、クラッチを開放することによりモータと車輪との間の駆動結合を遮断して走行中に、このクラッチを締結制御する発明としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
特許文献1に記載のクラッチ締結制御装置は、モータの出力軸の回転数(以下、モータ回転数という)を制御して、クラッチの締結側回転要素と被締結側回転要素との回転数差を所定値以内に収めて、クラッチを締結するようにしたものである。
特開2002−160541号公報
しかし、上記従来のようなクラッチ締結制御装置にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまりクラッチのモータ側回転数と車輪側回転数との実回転数差を、車速とは無関係に、所定値以内に制御して当該クラッチを締結するため、ある車速領域で走行中には、締結時にショックを生じることがある。
また、目標モータ回転数NMOTCMDを設定し、実際のモータ回転数を目標モータ回転数に追従させるようPIDフィードバック制御のみを用いて行っていたため、車輪側回転数の高い場合にあっては、締結制御開始から締結制御終了までに要する時間が多くなりすぎるなど、応答性が良くない場合があった。
本発明は、車速の高低にかかわらず、走行中のクラッチ締結ショックを防止することができるクラッチの締結制御装置を提案するものである。
この目的のため本発明によるクラッチの締結制御装置は、請求項1に記載のごとく、
車輪と、該車輪を駆動する電動モータと、該電動モータと前記車輪との間の駆動伝達経路を断接するクラッチとを具えた電動車両に設けられ、該クラッチのモータ側回転数と車輪側回転数との回転数差が0から所定値までになるよう前記電動モータの回転数を制御して、該クラッチの締結を実行する電動車両のクラッチ締結制御装置において、
前記クラッチを締結する際に発生する車両加速度が許容値となる許容回転数差を、車速が高いほど大きな値となるように算出する許容回転数差算出手段とを具え、
算出した許容回転数差を前記所定値として用いるよう構成したことを特徴としたものである。
かかる本発明の締結制御装置によれば、クラッチ締結時に発生する車両加速度を所定値以下とすることができるため、車速にかかわらず走行中のクラッチ締結ショックを軽減することができ、車両の乗り心地性能を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例になるクラッチの締結制御装置を、電気自動車の駆動系とともに模式的に示す全体構成図である。
車両走行のための駆動源であるモータ1は、出力軸2から、変速機構10とディファレンシャルギヤ装置3とを順次経て、車体の左右に設けた車輪4にそれぞれ駆動トルクを伝達する。出力軸2と変速機構10との間の駆動伝達経路上には、駆動トルクの伝達を断接するクラッチ5を挿置する。
変速機構10は、低速領域ではローギアを、高速領域ではハイギヤを、というように車速に応じて適切な変速段を選択する。したがって、変速機構10およびディファレンシャルギヤ装置3を合わせた総減速比αは、車速Vをパラメータとする関数:α(V)で表される。なお、総減速比α(V)は、従来の変速機と同様、低車速領域では大きく、高車速領域では小さいなるよう設定する。
モータ1の出力制御、すなわち出力軸2の回転数制御はモータコントローラ6が実行する。この出力は、クラッチ5を締結されている間には、本発明とは無関係の駆動制御システムによって、運転者によるアクセルペダル踏み込み量等に基づき決定される。しかしながら、解放されたクラッチ5を締結する際には、本発明のクラッチ断接制御によって、後述のクラッチコントローラ7がモータ回転数指令tNmを算出してモータコントローラ6へ出力する。
また、クラッチ5の断接(解放および締結)のオンオフ的な指令は通常、ハイブリッドシステムや電動車両駆動システムや回生ブレーキ協調システム等本発明とは無関係の駆動制御システムによって決定され、クラッチコントローラ7が実行する。ここでいうクラッチ5の締結にあたっては、後述のクラッチ断接制御を実行して締結ショックの防止を図る。
クラッチ5の締結中は、モータ1の駆動トルクを車輪4へ伝達する。クラッチ5の解放中は、モータ1の駆動トルクを車輪4へ伝達しない。したがって解放時にはクラッチ5の車輪側回転数とモータ側回転数とは、殆どの場合において異なるものとなる。ここで、クラッチ5の車輪側回転数とモータ側回転数との回転数差が大きい場合に、クラッチ5を締結すると、締結時に不快なショックが発生し、乗り心地性能が悪化する。そこでクラッチコントローラ7は、クラッチ5の締結を好適に実現するための締結制御を行う。これがため、クラッチコントローラ7には、クラッチ5の車輪側シャフト10sに設けた変速機構入力軸センサ8が検出するクラッチ5の車輪側回転数Npと、出力軸2に設けた出力回転角センサ9が検出するクラッチ5のモータ側回転数Nm(モータ1の出力回転数と同じ)と、変速機構10の選択変速段およびディファレンシャルギヤ装置3から決定される総減速比α(V)と、路面摩擦係数μの大小を判断するアンチスキッド制御装置15からの判断結果とをそれぞれ入力する。
クラッチコントローラ7は、クラッチ5を締結するにあたって、後述の許容回転数差を算出するとともに、実際の車輪側回転数から実際のモータ側回転数を差し引いた実回転数差が、この許容回転数差以内となるよう、モータ回転数指令tNmをモータコントローラ6へ出力し、実回転数差が許容回転数差以内に収束した状態でクラッチ5を締結する。
モータコントローラ6は、出力軸2の実回転数Nmがモータ回転数指令tNmに追従するよう、モータ1の出力を制御する。
ところで、クラッチ締結時のショックは車両加速度で表現することができ、車両加速度はクラッチ締結時の回転数差を用いて以下に説明する式(1)で表せる。
Figure 0004715235
ここで、Gは車両加速度、ΔNは回転数差であり、回転数差ΔNは下式のように定義される。
ΔN= Np − Nm ・・・・(2)
式(1)の導出手順について説明する。まず、車両加速度Gは以下の一般式で表される。
G=F/(g・M) ・・・・(3)
ここで、Fは車輪の駆動力、gは重力加速度、Mは電気自動車の車両重量、であり、駆動力Fは以下の一般式で表される。
F=T・α(V)/r ・・・・(4)
ここで、Tは回転数差をもったクラッチを締結する時に発生する回転差吸収トルク、rは車輪に装着されたタイヤの転がり半径、であり、クラッチ締結時発生トルクTは下式のように表される。
T=I・d(|ΔN|)/dt ・・・・(5)
ここで、Iはモータ1のイナーシャ(慣性モーメント)、tはクラッチの締結開始から締結完了までの所要時間、d(|ΔN|)/dtは、回転数差ΔN絶対値を時間で微分した値である。
上式(3)に上式(4)〜(5)を代入して、前述の式(1)を導出することができる。
このため本制御では、クラッチ締結時のショックを許容範囲内に収める目的で、式(1)中の車両加速度Gに上限値G_limitを設け、この上限値G_limitに対応する許容回転数差|ΔN_limit|を算出し、実際の回転数差ΔNがクラッチ5の回転数差が|ΔN_limit|以内となったところでクラッチ5を締結する。
ここで車速Vと許容回転数差ΔN_limitとの関係につき、図2を参照しつつ説明する。
車輪側回転数Npは車速Vと正比例の関係にある。車速Vが大きい領域では、総減速比α(V)が小さくなるよう設計されているため、式(1)より許容回転数差ΔN_limitは大きくなる。これに対し、車速Vが小さい領域では、総減速比α(V)が大きくなるよう設計されているため、式(1)より許容回転数差ΔN_limitは小さくなる。
つまり、車速Vの上昇に伴い許容回転数差ΔN_limitは大きくなることから、車速Vと許容回転数差ΔN_limitとの関係は、図2に太線Aで示すような略比例関係となる。
車輪側回転数Npは下式のように表され、車速Vは車輪側回転数Npおよび総減速比α(V)によって決まる。
Np= V・(1000/60)・α(V)/2πr ・・・・(6)
図2には、比較のため従来のクラッチ締結制御装置におけるクラッチ締結時の回転数差ΔN_fを破線で示す。車速Vにかかわらず所定の回転数差ΔN_fでクラッチを締結する従来例の場合、低車速領域では回転数差ΔN_f(破線)が許容回転数差(太線A)よりも大きくなってしまい、許容締結ショックに相当する車両加速度G_limitよりも大きな締結ショックが発生してしまう。このため、乗り心地性能を損なっていたことがわかる。
ここで付言すると、モータ1を軽量化したり、軸長を長くしたり、直径を短くしたりすることにより、モータ1のイナーシャを小さくすれば、図2に二点鎖線Bで示すように車速Vの全領域において、許容回転数差ΔN_limitを大きくすることが可能になる。
本実施例では、クラッチコントローラ7が図2に示す太線Aの特性を予め記憶しておき、
クラッチ5の締結時には、車輪側回転数Npおよび総変速比α(V)から車速Vを算出し、太線Aの特性を参照して、算出した車速Vに応じた許容回転数差|Np−tNm|を求め、実回転数差ΔN=Np−Nmの絶対値が許容回転数差|Np−tNm|以下であれば、大きな締結ショックを防止することが可能である。しかしながら、モータ側Nmまたは車輪側Npのうちいずれの回転数が大きいかによって、車両の挙動や、操作安定性に好影響または悪影響を与えることとなる。
そこで上記各実施例においては、クラッチコントローラ7が、検出した路面状況および走行状態に基づき、いずれ側の回転数を選択可能に大きくしてクラッチ5を締結する制御を行う。
具体的にはモータコントローラ6は、モータ1の出力制御を図3に示すように、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより行う。すなわち、検出した車輪側回転数Npをモータ回転数指令tNmとして、実際のモータ側回転数である実モータ回転数Nmが、車輪側回転数Npに収束するよう、つまり、回転数差ΔNが0になるように実行する。
図3に示すフィードフォワード制御と、フィードバック制御との組み合わせについて説明する。まず、モータ回転数指令tNmをフィードフォワード補償器71および72に入力する。フィードフォワード補償器71は、図4に模式的に示すように、実際のモータ側回転数である実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる関数ffを具える。これに対し、フィードフォワード補償器72は、図5に模式的に示すように、実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも大きな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる関数ffを具える。
減速走行中(フルブレーキ時を除く)切換器73は、路面の摩擦係数μが閾値よりも大きい場合には、フィードフォワード補償器71を選択するよう、回路を切り替える。これにより、クラッチ5を締結する際には、車輪側回転数Npよりも小さなモータ側回転数Nmが、車輪側回転数Npを下方に引き込んで、車速Vの減速性能を高めることができる。
これ以外の場合、例えば路面の摩擦係数μが閾値よりも小さい場合やフルブレーキ時には、フィードフォワード補償器72を選択するよう、回路を切り替える。これにより、クラッチ5を締結する際には、車輪側回転数Npよりも大きなモータ側回転数Nmが、車輪側回転数Npを上方に引き込んで、車輪4のスリップやロック防止を図ることができる。
また図には示さなかったが、加速走行中や、一定速走行中には、実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させるか、あるいは、車輪側回転数Npよりも大きな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させるかは、設計仕様に沿って決定すればよい。
なお、乾いたアスファルト路面の摩擦係数μがおよそ0.9であり、濡れたアスファルト路面の摩擦係数μがおよそ0.7であり、新雪路の摩擦係数μがおよそ0.3であることから、ここでいう閾値を0.4〜0.5の所定値とする。また、路面が濡れているか否かの判断、つまり路面摩擦係数μが大きいか小さいかの判断と、車両が減速中であるか否かの判断で減速中であるかどうかの判断は、既設のアンチスキッド制御装置15を用いるものとし、新たに部品を追加することはない。アンチスキット制御の立ち上がりにより、濡れた路面を減速中であることを検知できるし、摩擦係数μの演算が不要になるからである。
したがって、アンチスキッド制御装置15の作動時には摩擦係数μが閾値よりも小さいと判断してフィードフォワード補償器72を選択する。これに対し、アンチスキッド制御装置15の非作動時には摩擦係数μが閾値よりも大きいと判断してフィードフォワード補償器71を選択する。
補償器71,72を用いたフィードフォワード制御によって、実モータ回転数Mmを迅速にモータ回転数指令tMmに収束させることができる。
フィードバック補償器74には、モータ回転数指令tNmと実モータ回転数Nmとの偏差を入力し、これをフィードバック関数fbで処理して、制御対象であるモータ1に指令値として与える。
実モータ回転数Nmは外乱により変動し得るところ、補償器74を用いたフィードバック制御によって、実モータ回転数Nmとモータ回転数指令tMmとの偏差の変動を吸収することができる。
このようにフィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用することで、外乱による変動を吸収しつつ、実モータ回転数Nmをモータ回転数指令tNmに速やかに追従させることが可能となる。
また、減速走行中(フルブレーキ時除く)であって路面の摩擦係数μがある閾値よりも大きい場合にクラッチ5を締結する際は、図4に模式的に示すように、実際のモータ側回転数である実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させることにより、クラッチ5を締結する際には車輪側回転数Npを低下させて車両の減速性能を向上させることができる。
これに対し、減速走行中であって路面の摩擦係数μが閾値よりも小さい場合や、フルブレーキ中にクラッチ5を締結する際は、図5に模式的に示すように、実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも大きな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させることにより、クラッチ5を締結する際には車輪側回転数Npを上昇させて車輪4のスリップやロックを防止することができる。
モータコントローラ6による上記出力制御の間、クラッチコントローラ7はクラッチ5の実際の回転数差である実回転数差ΔNを監視し、実回転数差ΔNが許容回転数差ΔN_limit以内に達したところで、クラッチ5を締結する。
この機能につき、図4,5を参照しつつ説明すると、瞬時t0でクラッチ5の締結指令およびモータ回転数指令tNmが出力されると、実モータ回転数に相当するモータ側回転数Nmは車輪側回転数Npに収束し、瞬時t2または瞬時t5で実回転数差ΔNが許容回転数差ΔN_limit以内に達したところで、クラッチ5を締結する。
なお図5中では、瞬時t3で実回転数差が一旦0になるものの、上述のとおり実モータ回転数Nmを車輪側回転数Npよりも大きな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる制御をおこなっているため、ここではクラッチ5を締結しないよう制御すること勿論である。
上記フィードフォワード制御とフィードバック制御との併用にあっては、この他にも、モータ回転数指令の制御期間を前期制御期間と後期制御期間とに分けて制御するものであってもよい。
つまり、これらのうち前期制御期間では、実モータ回転数Nmが車輪側回転数Npよりも小さい目標値であるモータ回転数指令となるよう(図4)、あるいは実モータ回転数Nmが車輪側回転数Npよりも大きい(図5)目標値であるモータ回転数指令となるようフィードフォワード制御する。
次の後期制御期間では、実モータ回転数Nmが車輪側回転数Npに向けて徐々に収束するよう、フィードバック制御する。
図4を参照しつつ説明すると、瞬時t0でクラッチ5を締結すると判断した場合、まず、瞬時t0から瞬時t1までは、車輪側回転数Npよりも小さい目標値に向けて実モータ回転数Nmを制御する。
次の瞬時t1から瞬時t2までは、実モータ回転数Nmが車輪側回転数Npより小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる。
瞬時t2では、実回転数差ΔNが本制御の狙いとする正の許容回転数差|ΔN_limit|に達したためクラッチ5を締結する。
また図5を参照しつつ説明すると、瞬時t0でクラッチ5を締結すると判断した場合、まず、瞬時t0から瞬時t4までは、車輪側回転数Npよりも大きい目標値に向けて実モータ回転数Nmを制御する。なお、瞬時t3で実回転数差ΔNが0になっても、本制御の狙いとする状態は達成されていないため、クラッチ5を締結しないこと勿論である。
次の瞬時t4から瞬時t5までは、実モータ回転数Nmが車輪側回転数Npより小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる。
瞬時t5では、実回転数差ΔNが本制御の狙いとする負の許容回転数差−|ΔN_limit|に達したためクラッチ5を締結する。
これにより、路面の摩擦係数μ等の路面状況や、加減速走行中等の車両の走行状態に応じて、車輪側回転数Npからモータ側回転数Nmを差し引いた実回転数差ΔNを、正負いずれかに狙い通りに制御してクラッチ5を締結することが可能となる。したがって、クラッチ5締結の際には、車輪側回転数Npを低下させて車両の減速性能を向上させることができる。または、車輪4のスリップやロックを防止することができる。
次に本発明の他の実施例になるクラッチ締結制御装置について説明する。
図6は、他の実施例になるクラッチ締結制御装置を具えた電気自動車の駆動系を模式的に示す全体構成図であり、上述の一実施例と同じ構成部分については、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成部分について説明する。
出力軸2は、その両端がモータ1から突出する。出力軸2の一端は、クラッチ5と連結し、出力軸2の他端は、クラッチ12とシャフト14とを順次介して、質量体13(マスともいう)と連結する。このため、クラッチ12のモータ側回転数と、クラッチ5のモータ回転数はともにNmで等しい。
質量体13は、ハイブリッド駆動システムにおけるモータ回転子など慣性モーメントの大きな回転部材であったり、オイルポンプ等の回転要素であって、回動可能に支持される。クラッチ12締結中はシャフト14からトルクを入力されて連れ回される。クラッチ12の開放中、クラッチ5を締結する際の許容回転数差|ΔN_limit|は、上記図2および図7の太線Aに示すようなものとなる。クラッチ12の開放している限り、クラッチ5よりモータ1側のイナーシャは、前述した図1に示す実施例と等しいからである。
これに対し、クラッチ12締結中は、モータ1側回転数Nmに係る回転要素のイナーシャIが大きいことから、前述の式(1)を参照するように、クラッチ5を締結する際の許容回転数差|ΔN_limit|は、図7に細線Cで示すように小さくなる。
そこで本実施例では、クラッチ12の開放中には、前述の実施例と同様の特性である太線A(図7)を参照し、車輪側回転数Npに正比例する車速Vに基づき、許容回転数差ΔN_limitを決定し、決定された許容回転数差ΔN_limitとなるよう、モータ回転数Nmを制御するとともに、実回転数差ΔNが許容回転数差ΔN_limitに達したところでクラッチ5を締結するものであるが、
クラッチ12の締結中には、上記の太線Aよりも許容回転数差が小さい特性である細線C(図7)を参照し、車輪側回転数Npに正比例する車速Vに基づき、許容回転数差ΔN_limitを決定し、決定された許容回転数差ΔN_limitとなるよう、モータ回転数Nmを制御するとともに、実回転数差ΔNが許容回転数差ΔN_limitに達したところでクラッチ5を締結するものである。
なお、図4,5に示しつつ前述したモータ側回転数Nmの制御においては、当該制御中にクラッチ12の断接があった場合には、図7に示した太線Aと細線Cとの間で乗り換え制御が可能であり、許容回転数差ΔN_limitを変更することができる。
これにより、モータ1側のイナーシャが変化した場合であっても、当該変化を許容回転数差ΔN_limitに反映させて、クラッチ5締結時のショックを的確に防止することができる。
ところで、上記の各実施例においては、クラッチ5のモータ側回転数Nmと車輪側回転数Npとをセンサ8,9で検出して、これらの差である実回転数差ΔN=Np−Nmを求める。次に、検出した車輪側回転数Npおよび総減速比α(V)から車速Vを算出し、算出した車速Vに基づき、クラッチ5を締結する際に発生する車両加速度が許容値G_limitとなる許容回転数差|ΔN_limit|を図2に示す太線Aを参照して求める。そして、前記求めた実回転数差ΔN=Np−Nmが0から前記許容回転数差|ΔN_limit|までになるようモータ回転数Nmを制御して、クラッチ5を締結することから、
乗り心地性能を損なわない許容回転数差|ΔN_limit|を、車速Vに相応する車輪側回転数Npに応じて算出することが可能になり、車速Vが低速領域であっても高速領域であっても、クラッチ5締結時にショックを生じることがなく、車速Vに応じてクラッチ5の締結制御を好適に実現することができる。
また、車輪4がスリップし易いかあるいはし難いかを判断するアンチスキッド制御装置15が、路面が濡れているかあるいは乾いているか、すなわち路面の摩擦係数μの大小を判断し、車両の走行状態は減速中であるかどうかを判断し、判断した路面状況および走行状態に基づき、検出した車輪側回転数Npから検出したモータ側回転数Nmを差し引いた実回転数差ΔNを正(図4)負(図5)いずれかに制御して前記クラッチを締結することから、
濡れたアスファルト路面等、摩擦係数μが小さい場合に減速中には、モータ回転数Nmを車輪側回転数Npよりオーバー側にシュートさせつつクラッチ5を締結して(図5)、車輪4のスリップ防止を図り、操作安定性を向上させることができる。
特に減速走行中、路面の摩擦係数μが閾値よりも小さいと判断した場合には、図3に示す切換器73がフィードフォワード補償器72を選択して、図5に示すようにモータ側回転数Nmを車輪側回転数Npよりも大きくして、クラッチ5を締結することから、
クラッチ5を締結する際には、モータ側回転数Nmが車輪側回転数Npを上方に引き込んで、車輪4のスリップやロック防止を図ることができる。
あるいは、モータ回転数Nmの制御期間を、前期制御期間と後期制御期間とに分け、
これらのうち前期制御期間では、モータ回転数Nmが目標値となるモータ回転数指令値となるようフィードフォワード制御し、後期制御期間では、実回転数差ΔNが0から許容回転数差ΔN_limitまでになるようフィードバック制御してもよい。これにより、実回転数差ΔNを、正負いずれかに狙い通りに制御してクラッチ5を締結することが可能となり、クラッチ5締結の際には、車両の減速性能の向上と、車輪4のスリップやロックの防止を実現することができる。
前述した一実施例においては、モータ1のイナーシャIは固定されている。これに対し、上記した他の実施例では、モータ1が質量体13と接続中かあるいは切断中かによって、クラッチ5よりモータ1側のイナーシャIが変化する。そこで、許容回転数差|ΔN_limit|を、車速および当該イナーシャIに基づき算出することから、クラッチ締結制御をより好適に実現することができる。
本発明の一実施例になる、クラッチ締結制御装置を具えた電動車両の駆動系の制御システム図である。 同実施例の許容回転数差を、車速との関係において示した特性図である。 クラッチを締結する際に、同実施例の締結制御装置が実行するモータ出力制御を示すブロック線図である。 同モータ出力制御において、実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも小さな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる制御中において、これら回転数の経時変化を示す図である。 同モータ出力制御において、実モータ回転数Nmを、車輪側回転数Npよりも大きな状態を維持しつつ車輪側回転数Npに収束させる制御中において、これら回転数の経時変化を示す図である。 本発明の他の実施例になる、クラッチ締結制御装置を具えた電動車両の駆動系の制御システム図である。 同実施例の許容回転数差を、車速との関係において示した特性図である。
符号の説明
1 電動モータ
2 出力軸
3 ディファレンシャルギヤ装置
4 車輪
5 クラッチ
8 変速機構入力軸センサ
9 出力回転角センサ
10 変速機構
12 クラッチ

Claims (5)

  1. 車輪と、該車輪を駆動する電動モータと、該電動モータと前記車輪との間の駆動伝達経路を断接するクラッチとを具えた電動車両に設けられ、該クラッチのモータ側回転数と車輪側回転数との回転数差が0から所定値までになるよう前記電動モータの回転数を制御して、該クラッチの締結を実行する電動車両のクラッチ締結制御装置において、
    前記クラッチを締結する際に発生する車両加速度が許容値となる許容回転数差を、車速が高いほど大きな値となるように算出する許容回転数差算出手段とを具え、
    算出した許容回転数差を前記所定値として用いるよう構成したことを特徴とする電動車両のクラッチ締結制御装置。
  2. 請求項1に記載のクラッチ締結制御装置において、路面状況および電動車両の走行状態を判断する手段を具え、
    判断した路面状況および走行状態に基づき、前記車輪側回転数から前記モータ側回転数を差し引いた実回転数差を、正負いずれかに制御して前記クラッチを締結することを特徴とする電動車両のクラッチ締結制御装置。
  3. 請求項2に記載のクラッチ締結制御装置において、前記判断した路面状況が滑りやすい状況であって、かつ前記判断した走行状態が減速走行である場合には、前記モータ側回転数を前記車輪側回転数よりも大きくして、前記クラッチを締結するよう構成したことを特徴とする電動車両のクラッチ締結制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のクラッチ締結制御装置において、
    前記電動モータの回転数の制御期間を、前期制御期間と後期制御期間とに分け、
    該前期制御期間では、前記モータ側回転数が目標値となる目標モータ側回転数となるようフィードフォワード制御し、
    該後期制御期間では、前記実回転数差が0から前記許容回転数差までになるようフィードバック制御することを特徴とする電動車両のクラッチ締結制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッチ締結制御装置において、
    前記許容回転数差算出手段は、前記駆動伝達経路のイナーシャを検出する手段を具え、
    前記許容回転数差を、車速および検出したイナーシャに基づき算出することを特徴とする電動車両のクラッチ締結制御装置。
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